JP4348537B2 - 脂環式硬化性樹脂 - Google Patents

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Description

本発明は、脂環式アクリレート化合物より製造される硬化性樹脂(以下、脂環式アクリレート硬化性樹脂と略す。)に関する。
一般に、液晶表示素子、有機EL素子等のディスプレイ材料においては、電極保護膜、平坦化膜、絶縁膜等が設けられている。これらの材料にはアクリル樹脂、ノボラック樹脂、ポリイミド樹脂などが用いられている。これらの保護膜、平坦化膜、絶縁膜を形成する際には、フォトリソグラフィー法を用いることで必要とするパターン形状を形成している。
これらの膜には、透明性、平坦化性及び低吸水性等の特性が要求されている。
また、光通信システムの光導波路分野においてアクリル系光硬化樹脂がその高い光透過性の面から検討されているが、その耐熱性が低いことが実用化を妨げていた(例えば非特許文献1参照)。
高分子学会編「高分子機能材料シリーズー 第6巻 光機能材料」共立出版、1991年6月1日、p.123−142
本発明の目的は、上記事情に鑑みてなされたものであり、耐熱性、平坦化性、透明性及び低吸水性などの諸特性を兼ね備えた工業的に経済性上有利な液晶表示素子、有機EL素子等のディスプレイ材料の電極保護膜、平坦化膜、絶縁膜若しくは光通信システムの光導波路の熱又は光硬化樹脂を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、脂環式アクリレート硬化性樹脂が、ディスプレイ材料の電極保護膜、平坦化膜、絶縁膜若しくは光通信システムの光導波路の熱又は光硬化樹脂として好適であることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、以下の〔1〕の発明に関する。
〔1〕 式[1]
Figure 0004348537

(式中、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表し、破線部の炭素間結合は、単結合又は二重結合を表し、nは、1〜3の整数を表す。)
で表される構造単位を含有する硬化性樹脂。
本発明の脂環式アクリレート硬化性樹脂は、液晶表示素子(LCD)に用いられる薄膜トランジスタ(TFT)の層間絶縁膜、カラーフィルターの保護膜、平坦化膜、マイクロレンズ材料、有機EL素子の絶縁膜等を形成する材料、更に光通信システムの光導波路分野に好適なの絶縁膜等を形成する材料として有用である。
以下、本発明についてさらに詳しく説明する。
本発明に係わる脂環式アクリレート硬化性樹脂は、上記式[1]で表される構造単位を含有する硬化性樹脂である。すなわち脂環式アクリレート化合物を重合性モノマーとして製造されることを特徴とする硬化性樹脂である。
式(1)において、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表し、破線部の炭素間結合は、単結合又は二重結合を表し、nは、1〜3の整数を表す。
ここで、炭素数1〜10のアルキル基としては、直鎖、分岐又は環状のいずれでもよく、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、s−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、2−エチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、1−エチル−1−メチルプロピル、1−エチル−2−メチルプロピル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル及び4−メチルペンチル等があげられる。
該脂環式アクリレート硬化性樹脂の重量平均分子量は、5000〜500000であり、好ましくは、10000〜100000である。
重合性モノマーである脂環式アクリレート化合物の製造法は、次の6つの反応スキームで表される。
Figure 0004348537

(式中、R1、R2、R3、R4、n、X及び破線部の炭素間結合は、前記と同じ意味を表す。)
以下順にスキーム(1)から述べる。先ず原料であるジ不飽和化合物の製造法は、次の反応スキームで表される。
Figure 0004348537

(式中、R5は炭素数1〜10のアルキル基を表し、nは、1〜3の整数を表す。)
ジシクロペンタジエン(DCPD)化合物とアセチレンジカルボン酸ジアルキル(DMA)化合物をルテニウム錯体又はルテニウム金属塩を触媒として、好収率でジアルキルテトラシクロ[5.4.1.02,6.08,11]ドデカ−3,9−ジエン−9,10−ジカルボキシレート(DATD)化合物が得られる。又、DATD化合物を塩基又は酸存在下で、加水分解することによりテトラシクロ[5.4.1.02,6.08,11]ドデカ−3,9−ジエン−9,10−ジカルボン酸(DATC誘導体)が得られる(特開平9−7721号公報)。尚、DCPD化合物でn=2,3は、シクロペンタジエン3量体及びシクロペンタジエン4量体である。原料の入手のし易さからn=1が好ましい。
スキーム(1)のジ不飽和化合物のエポキシ化反応について述べる。
酸化剤としては、分子態酸素、過酸化水素、過酢酸、過安息香酸及び過酸化ヘテロポリ酸等を挙げることが出来る。触媒として、モリブデン化合物やタングステン化合物を共存させることもできる。経済的には、分子態酸素や過酸化水素とモリブデン化合物やタングステン化合物との組み合わせが好ましい。又過酢酸も簡便な酸化剤として好ましい。酸化剤の使用量は、基質に対し1〜2モル倍、より好ましくは1〜1.5モル倍である
本反応は溶媒を使用するのが好ましい。第1の方法は、過酸化水素水と均一になる溶媒系の方法である。この方法には、例えば、アセトニトリルやプロピオニトリル等の低級ニトリル類、アセトンやメチルエチルケトン等の低級ケトン類、メタノールやエタノール等の低級アルコール類及び1,4−ジオキサン等が挙げられ、特にはアセトニトリルなどの低級ニトリル類が好ましい溶媒である。
第2の方法は、過酸化水素水と不均一になる溶媒系の方法である。この方法には、例えば、クロロホルムや1,2−ジクロロエタン(EDC)等のハロゲン化炭化水素類、トルエンやキシレン等の芳香族炭化水素類、n−ヘキサンやn−ヘプタン等の脂肪族炭化水素類等が挙げられ、特にはEDCやトルエン等が好ましい溶媒である。
又、過酢酸が酸化剤の場合は前述のいずれも用いることができるが、特には均一になる溶媒系が好ましい。これらの使用量は、反応基質に対し好ましくは1〜50質量倍であり、より好ましくは2〜10質量倍である。
不均一になる溶媒系の方法では、反応促進させるために、相間移動触媒の添加が有効である。中でも、四級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、ホスホニウム塩等が好ましく、具体的には、テトラメチルアンモニウム塩、テトラプロピルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩、トリメチルベンジルアンモニウム塩、トリオクチルメチルアンモニウム、セチルピリジニウム塩、テトラブチルホスホニウム塩、硫酸水素テトラブチルアンモニウム塩等を挙げることができる。
これらの使用量は、反応基質に対し好ましくは0.001〜5モル%であり、より好ましくは0.005〜1モル%である。
反応温度は、0〜150℃で行うことができ、好ましくは20〜100℃が高収率を与える。反応時間は、1〜50時間で行うことができ、通常2〜24時間で行うのが実用的ある。この様にして目的のジアルキル3,4−エポキシテトラシクロ[5.4.1.02,6.08,11]ドデセ−9−エン−9,10−ジカルボキシレート化合物及び3,4−エポキシテトラシクロ[5.4.1.02,6.08,11]ドデセ−9−エン−9,10−ジカルボン酸化合物(不飽和エポキシ化合物)が得られる。これらの目的物は、蒸留又は、カラムクロマトグラフィー等で精製することができる。
次に、反応スキーム(2)、(3)及び(4)の還元法について述べる。
(2)は、単に二重結合の単結合への還元であり、(3)はエポキシ基をヒドロキシ基に変換する還元法であり、(4)は(2)と(3)を一挙に還元する方法である。
それらの例としては、1)金属および金属塩による還元、2)金属水素化物による還元、3)金属水素錯化合物による還元、4)ジボランおよび置換ボランによる還元、5)ヒドラジンによる還元、6)ジイミド還元、7)リン化合物による還元、8)電解還元、9)接触還元等の手法が挙げることができる。これらの中で特に、9)接触還元法が経済的で実用的ある。本発明で採用できる接触還元法は以下の通りである。触媒金属としては、周期律表第8族のパラジウム、ルテニウム、ロジウム、白金、ニッケル、コバルト及び鉄、又は第1族の銅等が使用できる。これらの金属は単独で、又は、他の元素と複合させた多元系で使用される。それらの使用形態は、各金属単身、ラネー型触媒、ケイソウ土、アルミナ、ゼオライト、炭素及びその他の担体に担持させた触媒及び錯体触媒等が挙げられる。
具体的には、パラジウム−炭素、ルテニウム−炭素、ロジウム−炭素、白金−炭素、パラジウム−アルミナ、ルテニウム−アルミナ、ロジウム−アルミナ、白金−アルミナ、還元ニッケル、還元コバルト、ラネーニッケル、ラネーコバルト、ラネー銅、酸化銅、銅クロマト、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、クロロヒドリドトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム及びヒドリドカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)イリジウム等が挙げられる。これらの中で特に好ましいものはパラジウム−炭素及びルテニウム−炭素等である。
触媒の使用量は、5%金属担持触媒として基質に対し0.1〜30質量%が、特には、0.5〜20質量%が好ましい。溶媒は、メタノール、エタノール及びプロパノール等に代表されるアルコール類、ジオキサン、テトラヒドロフラン及びジメトキシエタン等に代表されるエーテル類及び酢酸エチル及び酢酸プロピル等に代表されるエステル類等が使用できる。
その使用量は、原料に対し1〜50質量倍の範囲が、特には、3〜20質量倍の範囲が好ましい。水素圧は常圧から10MPa(100kg/cm2)の範囲が、特には、常圧から5MPa(50kg/cm2)の範囲が好ましい。反応温度は、0〜200℃の範囲が、特には、10〜180℃の範囲が好ましい。
(2)の単に二重結合の単結合への還元は、温和な条件で目的物を得ることが出来る。
一例として、触媒量は、5%パラジウム−炭素の場合は、基質に対して2質量%以下で十分であり、0.1〜2質量%が好ましい。又、水素圧は常圧〜2MPa(20kg/cm2)の低圧でよく、反応温度も0〜80℃の低温側で可能である。
一方、(3)及び(4)のエポキシ基をヒドロキシ基に変換する還元を伴う場合は、触媒量、水素圧、温度等の反応条件がより過激な条件が必要である。一例として、パラジウム−炭素の場合は、5%金属担持触媒より10%金属担持触媒の方が、高活性であり、触媒量は、1〜30質量%必要である。又、水素圧は1MPa(10kg/cm2)〜10MPa(100kg/cm2)の高圧が好ましく、反応温度は、80〜200℃の範囲で、通常110〜160℃の範囲が好ましい。反応温度が高温過ぎると分解副生物が増加するので好ましくない。
反応は、水素吸収量によって追跡することができ、理論水素量の吸収後サンプリングしガスクロマトグラフィーで分析し確認することができる。
反応後は、濾過により触媒を除いた後、濃縮後、再結晶又は、カラムクロマトグラフィー法で目的のヒドロキシ化合物を精製することができる。
次に、反応スキーム(5)の還元法は、二重結合を残余しエポキシ基をヒドロキシ基に変換する還元法であり、金属水素化物による還元法が適用できる。具体的には、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、ソジウムボロハイドライド−三塩化セリウム等が簡便に使用できる。
次に、反応スキーム(6)の塩基存在下での不飽和又は飽和ヒドロキシ化合物とアクリル酸ハライド化合物の反応による脂環式アクリレート化合物の製造法について述べる。
アクリル酸ハライド化合物は、アクリル酸化合物をハロゲン化チオニルなどで酸ハライドにして得られる。ハロゲンとしては、F、Cl、Br及びIが挙げられるが、最も安価なClが使用される。具体的には、アクリロイルクロライド、メタアクリロイルクロライド、チグリロイルクロライド、3,3−ジメチルアクリロイルクロライド、2−メチル−2−ペンテノイルクロライド、2−エチル−2−ヘキセノイルクロライド及び2−オクテロイルクロライド等が挙げられる。その使用量は、(不飽和)ヒドロキシ化合物に対し1.0〜1.5当量が好ましい。
本反応は、塩基が必須でありその種類としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン及びトリプロピルアミン等に代表される鎖状アルキルアミン化合物、ピリジン、アニリン及びN−メチルアニリン等に代表される芳香族アミン化合物、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノ−5−ネン(DBN)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DBO)及び1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン(DBU)等に代表される環状アルキルアミン化合物、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム及び炭酸水素カリウム等の金属炭酸塩等が挙げられる。これらの塩基の中で好ましいものは、トリエチルアミンやトリプロピルアミンである。その使用量は、(不飽和)ヒドロキシ化合物に対し1.0〜3.0当量(酸クロライドと当量)が好ましい。
本法は溶媒を使用するのが好ましい。溶媒としては、テトラヒドロフラン(THF)、1,2−ジメトキシエタン及び1,4−ジオキサン等のエーテル化合物、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc),N−メチルピロリドン及び1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)等が好ましい。その使用量は、(不飽和)ヒドロキシ化合物に対して1〜20重量倍が好ましく、特には2〜10質量倍が好ましい。
反応温度は、0〜100℃、特には0〜50℃が好ましい。反応後は、水を添加し、残余酸クロライドを加水分解してから、溶媒を留去し、難水溶性溶媒(エーテル系やエステル系)で抽出した後、蒸留又はカラムクロマトグラフィーで精製し、目的の脂環式アクリレート化合物を得ることができる。
また、モノマー成分である脂環式アクリレート硬化性化合物は、他の多官能モノマー(A)と併用しても利用できる。
また、該脂環式アクリレート化合物を単独で重合、又は、他のモノマー(B)と共重合した後、多官能モノマー(A)と混合しても利用できる。
併用できる多官能モノマー(A)としては、次の重合性不飽和基を有する化合物が挙げられる。具体的には、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリロイルオキシエトキシトリメチロールプロパン、グリセリンポリグリシジルエーテルポリ(メタ)アクリレート等の重合性不飽和基を分子内に3個以上有する化合物、さらに、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイドビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイドビスフェノール型ジ(メタ)アクリレート、1,6−へキサンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、フタル酸ジグリシジルエステルジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等の重合性不飽和基を分子内に2個有する化合物、加えて、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルフタレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルリン酸エステル、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等の重合性不飽和基を分子内に1個有する化合物が挙げられる。
これらのモノマーは単独で用いる事も、2種類以上組み合わせて用いる事も出来る。また、その導入量は、脂環式アクリレート化合物100重量部に対して1〜200重量部の範囲で選ばれる。この量が1重量部未満の場合では、架橋反応が十分に進行せず、所望のレジストパターンを得にくくなり、また200重量部を超えた場合では、レジスト組成物の保存安定性に劣る。
共重合するモノマー(B)としては、次の重合性不飽和基を有する化合物が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステルとして、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルへキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートが挙げられる。
エチレン性不飽和カルボン酸として、アクリル酸、メタクリル酸又はクロトン酸が挙げられる。更に、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、およびそれらの酸無水物やハーフエステルが挙げられる。これらのなかでは、アクリル酸、メタクリル酸及びマレイン酸が好ましい。
上記モノマー(B)との共重合体は、重量平均分子量で1000〜10万であり、好ましくは、密着性の点から、2000〜3万である。これらは必要に応じて組み合わせることができ、1種共重合して用いても、2種類以上組み合わせて用いても良い。
他のモノマー(B)としては、アクリロニトリル、メタクリロ二トリル、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−クロロスチレン等のスチレン誘導体が挙げられる。
これらのモノマーは単独で用いる事も、2種類以上組み合わせて用いる事も出来る。また、その導入量は、該脂環式アクリレート化合物100重量部に対して200重量部の範囲で選ばれる。200重量部を超えた場合では、誘電率の上昇など絶縁膜としての特性が低下する。
本発明の脂環式アクリレート硬化性樹脂を得るために、例えば、重合反応に対しては熱ラジカル重合開始剤が用いられる。その熱ラジカル重合開始剤としては、例えばベンゾイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシラウレート、ジクミルパーオキサイド、α,α’−ビス−t−ブチルパーオキシ−p−ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルパーオキシパーオキシヘキサン、2,5−ジ−t−ブチルパーオキシヘキシン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、n−ブチル−4,4−ビス−t−ブチルパーオキシバレート、p−メンタンヒドロパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド等の有機過酸化物や2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリスメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)等のアゾビス化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
該脂環式アクリレート化合物100重量部に対して1〜100重量部であることが好ましい。
光硬化性材料に用いられる光ラジカル発生剤は、例えば、tert−ブチルペルオキシ−iso−ブタレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルジオキシ)へキサン、1,4−ビス[α−(tert−ブチルジオキシ)−iso−プロポキシ]ベンゼン、ジ−tert−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルジオキシ)へキセンヒドロペルオキシド、α−(isoープロピルフェニル)−iso−プロピルヒドロペルオキシド、2,5−ジメチルへキサン、tert−ブチルヒドロペルオキシド、1,1−ビス(tert−ブチルジオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロへキサン、ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルジオキシ)バレレート、シクロへキサノンペルオキシド、2,2’,5,5’−テトラ(tert−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(tert−アミルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(tert−ヘキシルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’−ビス(tert−ブチルペルオキシカルボニル)−4,4’−ジカルボキシベンゾフェノン、tert−ブチルペルオキシベンゾエート、ジ−tert−ブチルジペルオキシイソフタレート等の有機過酸化物や、9,10−アントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−クロロアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン等のキノン類や、ベンゾインメチル、ベンゾインエチルエーテル、α−メチルベンゾイン、α−フェニルベンゾイン等のベンゾイン誘導体などを挙げることができる。
これら光ラジカル発生剤は単独で用いる事も、2種類以上組み合わせて用いる事も出来る。また、その導入量は、該脂環式アクリレート化合物100重量部に対して1〜100重量部であることが好ましい。
さらに光増感剤として、従来から公知の光増感剤を用いることができる。例えば、チオキサンテン系、キサンテン系、ケトン系、チオピリリウム塩系、ベーススチリル系、メロシアニン系、3−置換クマリン系、3,4−置換クマリン系、シアニン系、アクリジン系、チアジン系、フェノチアジン系、アントラセン系、コロネン系、ベンズアントラセン系、ぺリレン系、メロシアニン系、ケトクマリン系、フマリン系、ボレート系が挙げられる。これらは、単独で用いる事も、2種類以上組み合わせて用いる事も出来る。
重合に用いられる溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル類、プロピレングリコール(モノ)メチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート等のプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン等のケトン類、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル等のエステル類、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート等のセロソルブエステル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;DMF(ジメチルホルムアミド)、NMP等の非プロトン性極性溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は、重合性成分の合計100質量部に対して、通常20〜1000質量部の量で用いられる。
本発明では必要に応じて無機充填剤、レベリング剤、顔料や染料等の着色剤、消泡剤、密着性付与剤、可塑剤、溶剤、貯蔵安定剤等の成分を該脂環式アクリレート化合物又は脂環式アクリレート硬化性樹脂に添加することができる。
エネルギー線により硬化反応を生ずる該脂環式アクリレート化合物又は脂環式アクリレート硬化性樹脂に関して、硬化反応させるための活性光線としては、紫外線、電子線、X線等が挙げられる。紫外線照射に用いる光源としては、太陽光線、ケミカルランプ、低圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等が使用できる。
本発明の脂環式アクリレート硬化性樹脂の用途は、液晶表示素子(LCD)に用いられる薄膜トランジスタ(TFT)の層間絶縁膜、カラーフィルターの保護膜、平坦化膜、マイクロレンズ材料、有機EL素子の絶縁膜等を形成する材料、更に光通信システムの光導波路分野に好適な感光性樹脂として有用である。更に、接着剤、塗料、インキ、建材、照明、ガラス繊維強化樹脂、防錆・防食、光学レンズ、光ファイバーコーティング、UV・EB硬化性樹脂、レジスト等に用いられる。

特に本発明の脂環式アクリレート硬化性樹脂は、短波長紫外線での高い透明性、テトラシクロ環構造による高いドライエッチング耐性、シリコン基板等との密着性が優れることからレジスト材料として好適な感光性樹脂として優れ、また高い透明性、低い複屈折、低吸水率から、光学材料樹脂、ディスクオーバーコート材料として優れ、高い反応性、耐摩耗性、耐水性からUV・EB硬化コーティング用樹脂等のコーティング材料として好適である。
更にまた、本発明の脂環式アクリレート硬化性樹脂は、歯科修復材料としても用いることができる。即ち、象牙質に対する優れた接着性を有し、歯質と修復材料との辺縁の封鎖性等に優れている。
以下に実施例を挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
尚、実施例で用いた分析法は以下の通りである。
[1] [ガスクロマトグラフィー (GC)]
機種: Shimadzu GC-17A, Column : キャピラリカラム CBP1-W25-100 ( 25 m x 0.53 mm φx 1μm ), カラム温度: 100℃( 保持 2 min.)〜290℃( 保持10 min. ), 8℃/min. ( 昇温速度 ), 注入口温度 : 290 ℃, 検出器温度 : 290 ℃, キャリアガス : ヘリウム, 検出法 : FID 法.
[2] [質量分析 (MASS)]
機種: LX-1000 (JEOL Ltd.), 検出法: FAB 法.
[3] [1H NMR]
機種: INOVA500 (VARIAN Corp.), 測定溶媒: DMSO-d6
[4] [13C NMR]
機種: INOVA500 (VARIAN Corp.), 測定溶媒: DMSO-d6
[5][融点(mp)]
測定機器: 自動融点測定装置、FP62 (METTLER TOLEDO)
[6] [液体クロマトグラフィー (LC)]
機種: Shimadzu LC-10A, Column : YMC-Pack ODS-AM(S-5μm, 120A, AM-303, AM12S05-2546WT ) ( 250 mm x 4.6 mm φ ), カラム温度: 40℃, 検出器波長 : UV 230 nm, 溶離液: H2O/CH3CN=1/2, 流速:0.5ml/min.
[7] [誘電率測定]
上部電極: Al(真空蒸着) 膜厚約100nm
真空度:4.0×10-4 Pa
蒸着用マスク:直径3mmのホールパターン
サンプル‐蒸着源間:8cm

サンプル基板より下部電極(ITO)の取り出しを行い、超音波はんだにてNi線をベタ付け、はんだで電極(リード線)付けを行った。その後、サンプルの誘電率測定をLCRメーター、固体用電極を用いて行った。
使用した機器を以下に示す。
・真空蒸着装置 JEOL社製 JEE-4X
・LCRメーター 安藤電気株式会社製 AG−4311B
・固体用電極 安藤電気株式会社製 SE-70
尚、LCRメーターの設定条件は電圧1V、周波数1〜100kHzで測定を行った。
[結果]
誘電率の算出は、下記の計算より行った。
誘電率(ε)=(C・t)/(ε0・A) ε0:8.854×10-14 (Fcm-1)
C:Capacitance(F)
A:電極面積(cm2)
t:サンプル膜厚(cm)
また、誘電体の損失率は、下式で表される。
D = R/(ω・C)
D : 誘電体の損失率
ω : 角周波数(rad/s) = 2pf
p : 3.14159265
f : Frequency(Hz)
C : Capacitance(F)
R : 並列抵抗(Ohm)
参考例1
Figure 0004348537
300ml耐熱ガラス製4つ口反応フラスコにDCPD13.2g(100mmol)、三塩化ルテニウム・三水塩(RuCl3・3H2O)1.0g(4mmol)、ニトロメタン66.0gを仕込み、攪拌しながら75℃に昇温してアセチレンジカルボン酸ジメチル(DMA)21.3g(150mmol)を1時間30分かけて滴下した。75℃で1時間攪拌を続けてから90℃に昇温し5時間攪拌を続け、反応液を、ガスクロマトグラフィー(GC)で分析した結果、未反応DCPDが8.2面積%残余し、新たなピークが78.6面積%生成していることが解った。そのまま更に10時間攪拌してから再度GC分析した結果、未反応DCPDが2.3面積%残余し、新たなピークが82.5面積%生成していることが解った。冷却後、触媒を濾過除去し、濃縮してからシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチル/n−ヘプタン=1/5〜1/1)で精製すると油状物21.5g(収率78.3%)が得られた。この油状物をMASS、1H NMR、13C NMRで分析の結果よりジメチルテトラシクロ[5.4.1.02,6.08,11]ドデカ−3,9−ジエン−9,10−ジカルボキシレート(DMDE)であることを確認した。
参考例2
Figure 0004348537
1000ml耐熱ガラス製4つ口反応フラスコにDCPD66.0g(500mmol)、三塩化ルテニウム・三水塩(RuCl33H2O)5.23g(20mmol)、ニトロメタン198gを仕込み、攪拌しながら75℃に昇温してアセチレンジカルボン酸ジメチル(DMA)106.5g(750mmol)を2時間30分かけて滴下した。75℃で1時間攪拌を続けてから86℃に昇温し2時間攪拌を続けた後、再びアセチレンジカルボン酸ジメチル(DMA)35.5g(250mmol)を1時間かけて滴下した。更に86℃で10時間攪拌を続けた後反応液を、ガスクロマトグラフィー(GC)で分析した結果、未反応DCPDは2.2面積%残余し、DMDEのピークが75.4面積%生成していることが解った。更に86℃で10時間攪拌を続けた後反応液を室温に冷却静置した。触媒が反応フラスコ底に沈降したので、反応液をデカンテーションで1000mlナスフラスコに移し、触媒の大部分を反応フラスコ底に残し分離した。そしてこの反応液を濃縮し油状物185gを得た。
この油状物の内75gを減圧蒸留用に仕込み、135℃/1066Pa(8mmHg)〜143℃/173Pa(1.3mmHg)の初留分5.7g(DMDE純度76.2%)と149℃/120Pa(0.9mmHg)〜150℃/133Pa(1.0mmHg)の本留分29.7g(DMDE純度98.5%)を得た。
更に、残りの油状物110gを減圧蒸留し、70℃/1066Pa(8mmHg)〜150℃/267Pa(2.0mmHg)の初留分4.8g(DMDE純度46.0%)と155℃/200Pa(1.5mmHg)〜154℃/187Pa(1.4mmHg)の本留分29.7g(DMDE純度97.6%)を得た。以上から、留出したDMDEの正味合計は84.0g(307mmol)(収率61.3%)であった。
参考例3
Figure 0004348537
200ml四つ口反応フラスコにジメチルテトラシクロ[5.4.1.02,6.08,11]ドデカ−3,9−ジエン−9,10−ジカルボキシレート(DMDE)15.6g(56.9mmol)、H2WO40.738g(3mmol)、85%リン酸0.085g(0.74mmol)、90%トリオクチルメチルアンモニウムクロライド(TOMAC)0.895g(2mmol)及びトルエン40gを仕込み、45℃で攪拌下に34%過酸化水素水10.7g(110mmol)を30分かけて滴下した。更に50℃で2時間攪拌した。ガスクロマトグラフィーで分析の結果、未反応DMDEが29.3面積%残余し、新たなピークが70.7面積%で出現した。そこで、34%過酸化水素水10.7g(110mmol)を30分かけて滴下し、更に50℃で20時間攪拌した。
ガスクロマトグラフィーで分析の結果、未反応DMDEが6.1面積%残余し、新たなピークが93.1面積%で出現した。反応を終了させた後トルエンと水を加えて抽出し、トルエン層を水洗後濃縮・乾燥すると油状物19.3g(純度79.2%)(収率92.3%)が得られた。更に、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液/酢酸エチル:n−ヘプタン=1:5〜1:1)で精製すると留分1の油状物13.0g(純度95.5%)(収率58.0%)と留分2の油状物3.3g(純度52.2%)(収率8.0%)が得られた。
この物質の構造は、下記の分析結果からジメチル3,4−エポキシテトラシクロ[5.4.1.02,6.08,11]ドデセ−9−エン−9,10−ジカルボキシレート(ETDE)であることを確認した。
MASS(FAB+,m/e(%)):291([M+H]+,55),259(100).
1H NMR(CDCl3,δppm):1.21(d,J=11.0Hz,1H),1.44(d,J=11.0Hz,1H),1.76(d,J=6.42Hz,2H),2.16(d,J=4.58Hz,1H),2.41(d,J=4.89Hz,1H),2.43-2.47(m,1H),2.50(dd,J1=4.89Hz,J2=9.47Hz,1H),2.88(d,J=3.36Hz,1H),2.98(d,J=3.36Hz,1H),3.31(d,J=2.14Hz,1H),3.43(d,J=1.22Hz,1H),3.69(s,3H),3.70(s,3H).
13C NMR(CDCl3,δppm):26.2599,34.0655,35.6068,37.3541,40.6351,41.0395,43.7634,46.2127,51.2409(2C),58.5964,60.7252,140.6661,141.2307,160.5807,160.6189.
参考例4
Figure 0004348537
100mlハステロイ製オートクレーブにETDE2.90g(10mmol)、10%Pd/C(H2O55.25%)0.648g(10質量%)、酢酸エチル14g及び水素圧3MPa(30kg/cm2)を仕込み、130℃で7時間攪拌した。室温に戻してから脱圧し、内容物を取り出し濾過により触媒を除去し、得られた濾液を濃縮すると油状物2.90g(純度82.9%)(収率81.8%)が得られた。
ガスクロマトグラフィーで分析の結果、原料が消失し新たな3成分のピーク(ガスクロマトグラフィー面積%=92.0:4.3:3.7)が出現した。この混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液/酢酸エチル:n−ヘプタン=1:5〜1:1)で分離し、主成分1.89gの結晶を得た。これは分析結果からジメチル3−ヒドロキシテトラシクロ[5.4.1.02,6.08,11]ドデカン−9,10−ジカルボキシレート(3HTDA)であることを確認した。
MASS(FAB+,m/e(%)):295([M+H]+,40),263(100),149(65),113(75).
1H NMR(CDCl3,δppm):1.42-1.47(m,2H),1.56-1.71(m,3H),2.11(d,J=11.3Hz,1H),2.21(dd,J1=5.19Hz,J2=11.00Hz,1H),2.42(d,J=4.89Hz,1H),2.47-2.54(m,2H),2.62(dd,J1=5.65Hz,J2=14.82Hz,2H),3.51-3.57(m,2H),3.59(d,J=1.22Hz,6H),4.05(brs,1H).
13C NMR(CDCl3,δppm):23.7869,36.8955,37.6967,37.8264,37.85696,39.3982(2C),40.1688,41.9466,44.1212,51.1333(2C),55.3757,73.8940,171.4147,171.4452.
mp.(℃):64〜65.
参考例5
Figure 0004348537
100mlハステロイ製オートクレーブにETDE5.54g(19.1mmol)、10%Pd/C(H2O55.25%)1.29g(10質量%)、酢酸エチル40g及び水素圧3MPa(30kg/cm2)を仕込み、150℃で8時間攪拌した。室温に戻してから脱圧し、内容物を取り出し濾過により触媒を除去し、得られた濾液を濃縮すると油状物5.85g(純度70.9%)(収率74.0%)が得られた。
ガスクロマトグラフィーで分析の結果、新たな3成分のピーク(ガスクロマトグラフィー面積%=91.8:5.6:2.6)が出現した。この混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液/酢酸エチル:n−ヘプタン=1:5〜1:1)で分離し、主成分3HTDA結晶3.81gを得た。
参考例6
Figure 0004348537
100ml四つ口反応フラスコにHTDA(3HTDA/4HTDA=94.2:5.8)3.92g(13.3mmol)、テトラヒドロフラン(THF)35g及びトリエチルアミン2.01g(19.9mmol)を仕込み、攪拌しながら氷冷(5℃)下でメタアクリル酸クロライド2.08g(19.9mmol)を10分で滴下した。しだいに室温(25℃)に戻し8時間攪拌した。
続いて濃縮し、残渣に水と1,2−ジクロロエタン(EDC)を加えて抽出した。有機層を分液した後水洗し、濃縮すると固形物4.20gが得られた。
これをガスクロマトグラフィーで分析すると、新たなピーク(A:B=76.8(収率67.0%):4.1(収率3.6%))が出現した。そこで更にシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル/n−ヘプタン=1/5〜1/1)で精製すると、結晶2.91g(純度91.6%)が得られた。更にこの結晶を酢酸エチル/n−ヘプタン=1/1で再結晶精製することにより、白色結晶2.02g(純度100%)が得られた。この結晶は下記の分析結果からジメチル3−メタアクリロイルオキシテトラシクロ[5.4.1.02,6.08,11]ドデカン−9,10−ジカルボキシレート(3ATDA)であることを確認した。
MASS(FAB+,m/e(%)):363([M+H]+,41),331(100),157(60),113(85).
1H NMR(CDCl3,δppm):1.44(d,J=11.30Hz,1H),1.49-1.55(m,1H),1.60-1.73(m,2H),1.74-1.78(m,1H),1.83(s,3H),2.16(d,J=11.30Hz,1H),2.34(dd,J1=5.20Hz,J2=10.70Hz,1H),2.49(t,J=5.19Hz,1H),2.51-2.55(m,1H),2.58-2.62(m,1H),2.66(d,J=4.58Hz,2H),3.56-3.62(m,2H),3.59(d,J=1.53Hz,6H),5.00(brs,1H),5.44(t,J=1.73Hz,1H),5.95(d,J=0.61Hz,1H).
13C NMR(CDCl3,δppm):18.2249,24.1611,35.0799,36.9416,37.9869(2),39.3298,39.6732,40.3523,41.9470,44.2284,51.2328,51.2481,52.4842,77.4652,124.9094,136.7819,166.9972,171.4303(2).
mp.(℃):142.0〜143.0.
実施例1 ATDAホモポリマーの合成(1)
50mLガラス製三つ口反応フラスコにジムロート冷却管と温度計を付け、ATDA4gとシクロヘキサノン20g(5質量倍)を仕込み、70℃で溶解させた後、窒素バブリングを3分間行った。慎重にAIBN0.2gを添加し、10分かけて85℃に昇温させた。5時間85℃で反応させた後、GPCを測定した。
数平均分子量 Mn:3098、重量平均分子量 Mw:17540、
Z平均分子量 Mz:60320、粘度平均分子量 Mv:17540、
多分散度 Mw/Mn:5.6617、Mz/Mw:3.4391
熱分解温度(5%重量減少):267℃
誘電率を表1に示す。
Figure 0004348537
実施例2 ATDA/MMAポリマーの合成
50mLガラス製三つ口反応フラスコにジムロート冷却管と温度計を付け、ATDA4g、メタクリル酸メチル(MMA)4g及びシクロヘキサノン20g(5質量倍)を仕込み、70℃で溶解させた後、窒素バブリングを3分間行った。慎重にAIBN0.4gを添加し、10分かけて85℃に昇温させた。5時間85℃で反応させた後、GPCを測定した。
数平均分子量 Mn:3419、重量平均分子量 Mw:15174、
Z平均分子量 Mz:69969、粘度平均分子量 Mv:15174、
多分散度 Mw/Mn:4.4380、Mz/Mw:4.6112
熱分解温度(5%重量減少):194℃
誘電率を表2に示す。
Figure 0004348537
実施例3 ATDAホモポリマーの合成(2)
50mLガラス製三つ口反応フラスコにジムロート冷却管と温度計を付け、ATDA2.5gと1,4−ジオキサン17.5g(7質量倍)を仕込み、70℃で溶解させた後、窒素バブリングを3分間行った。慎重にAIBN0.125gを添加し、10分かけて85℃に昇温させた。15時間85℃で反応させた後、GPCを測定した。
数平均分子量 Mn:969、重量平均分子量 Mw:15761、
Z平均分子量 Mz:76858、粘度平均分子量 Mv:15761、
多分散度 Mw/Mn:16.25705、Mz/Mw:4.87647、
Mz/Mn:79.27894、Mv/Mn:16.25705

Claims (1)

  1. 式[1]
    Figure 0004348537

    (式中、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表し、破線部の炭素間結合は、単結合又は二重結合を表し、nは、1〜3の整数を表す。)
    で表される構造単位を含有する硬化性樹脂。
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