JP4348020B2 - 排ガス処理用触媒の再生方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、排ガス処理触媒の再生方法に関する。さらに詳しくは、酸化触媒等を用いて燃焼排ガス中の有害物質を除去する排ガス処理により活性の劣化した触媒を熱処理再生する触媒の再生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、燃焼排ガス中の有害物質を除去する方法として、処理効率やコストの面から触媒を用いた分解除去方法が様々な分野で用いられており、その例としては火力発電所排ガスに含まれる窒素酸化物を除去する選択的触媒還元(SCR)法や産業廃棄物や都市廃棄物の焼却施設から発生する排ガス中に含まれるダイオキシン類を触媒に用いて酸化分解する方法などが挙げられる。
一般的にこれらの方法で用いられる触媒は、炭化水素類や一酸化炭素などの可燃成分を酸化する働きを有する酸化触媒であるが、処理対象排ガス中に何らかの原因で高濃度の炭化水素類が存在する場合、例えば火力発電所の運転トラブルによって未燃の燃料が排ガス中に混入する場合や廃棄物焼却炉の燃焼状態が悪いために排ガス中の炭化水素濃度が高くなった場合などでは、触媒中にこれらが蓄積し、ある時点で一気に燃焼が起こって触媒が焼損するというトラブルが発生することがある。
【0003】
また、排ガス処理プロセスによっては、触媒層での排ガス温度を触媒の処理効率が高くなる温度になるまで昇温するために、触媒層の前段にバーナーを設置している場合がある。さらに、活性が劣化した使用済みの触媒を再生するプロセスにおいても、予めバーナーで加熱したガスを触媒に通す方法が用いられる場合がある。これらのプロセスにおいても、バーナーの失火などの運転トラブルによって、未燃の燃料を高濃度で含むガスが触媒層に流れ込み、触媒の焼損を起こすことがある。
さらに、ガス中に可燃成分が含まれている場合には、触媒層の前段部分においても何らかの原因で発火することもあり、触媒に熱的なダメージを与える場合がある。
【0004】
いずれの場合においても、触媒の焼損トラブルが起こった場合、触媒が熱的ダメージを受けて活性が低下したり、焼損が激しい場合には触媒が物理的に破損したりするため、触媒を新しいものに交換する必要があり、排ガス処理装置のランニングコストを上げる要因となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、排ガスの処理触媒の再生方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、ガス中に可燃成分が含まれることによって触媒の焼損が起こる場合には、可燃成分の燃焼初期において触媒層の温度が急激に上昇することを確認した上で、触媒層の温度を連続測定しておき、さらに急激な温度上昇が認められた場合には対策を講じることによって、触媒の焼損を防止ないし抑制することができることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った
【0008】
発明に用いる触媒再生装置は、排ガス中の被毒物質により被毒を受けて活性の劣化した触媒に対し可燃成分を含む再生ガスを通すことによって、前記触媒を熱処理再生する装置において、前記触媒を充填した触媒層に接触して温度センサーが設置されていることを特徴とする、触媒再生装置である。
本発明にかかる排ガス処理用触媒の再生方法は、前記触媒再生装置を用い、前記触媒層の温度を前記温度センサーで連続測定しながら前記活性の劣化した触媒の熱処理再生を行うとともに、前記連続測定されている触媒層の温度が、温度上昇変化率3℃/秒以上で上昇したことが検知されたときに、触媒層の温度を下げる手段を講じることを特徴とする、排ガス処理用触媒の再生方法である。触媒層の温度を下げる手段は、前記触媒層前段に希釈用ガスを導入するか、前記可燃成分を含む再生ガスをバイパスラインに流し、触媒層に再生ガスが流れないようにする。
【0009】
【発明の実施の形態】
[第1の排ガス処理装置]
本発明で用いる第1の排ガス処理装置は、反応器内に触媒を充填した触媒層を備え、前記触媒層に接触して温度センサーが設置されている。触媒層に接触して温度センサーを設置することで、排ガスを処理する際に触媒の温度を連続測定することができる。
前記第1の排ガス処理装置において用いられる温度センサーの種類については特に制限はなく、触媒の形状や使用温度範囲などによって温度センサーの方式や形状などを適宜選択すればよい。具体的には、K熱電対やN熱電対などの熱電対や白金測温抵抗体、サーミスター測温体などを用いることができる。
【0010】
前記第1の排ガス処理装置において、触媒層の温度を測定する位置としては、触媒層の断面方向に対しては特に制限はないが、好ましくは、あらかじめガスの流速分布を測定し、ガスの偏流の影響が少ない位置で温度測定を行うことが望ましい。また、触媒層の断面と垂直方向、つまり触媒層の長さ方向に関しては、触媒のガス流れ入口端面部から5mm以上、好ましくは10mm以上の深さであって、かつ長さ方向の中間部までの深さに温度センサーの感熱部があるように温度センサーを差し込み、触媒層の温度を測定することが適切である。これは、ガス中の可燃成分によって触媒の焼損が起こる場合には、触媒のガス流れ入口端面よりも5〜20mm内部に入ったところから焼損が始まっている傾向が一般的に認められるからである。
【0011】
さらに、温度センサーの感熱部は触媒に接触させて温度を測定することが重要である。これは、触媒上で可燃成分の酸化が起こる場合、その初期段階では排ガスの温度上昇は比較的少なく、通常の排ガス温度測定では、排ガス温度が上昇するまでのタイムラグによって、対応が遅れることがあるからである。
通常の排ガス処理においては、圧力損失が少ないハニカム形状の触媒が一般的に用いられるが、このような場合には図1に示すように、開口部のセル内に温度センサーを差し込んで、温度センサーの感熱部がセルの内壁に接触するようにして温度測定を行うことが望ましい。
【0012】
前記第1の排ガス処理装置においては、触媒層1層あたりの長さが3m以内であるのが好ましい。触媒層ガス流れ入口部と出口部の温度差を考慮すると、触媒層1層あたりの長さを3m以内にすることで、温度センサーによる制御がしやすくなるためである。
また、前記第1の排ガス処理装置においては、複数の触媒層を用いることもできる。複数の触媒層を用いる場合には、1つの触媒層のみ(好ましくはガス流れ最前段の触媒層のみ)に温度センサーを設置してもよいが、それぞれの触媒層に温度センサーを設置すれば、触媒層の温度上昇が起こったときにガス流れ方向にどの触媒層まで温度上昇が進行していたかを確認することができるため、好ましい。
【0013】
前記第1の排ガス処理装置には脱硝用排ガス処理装置は除かれる。そのため、前記第1の排ガス処理装置に用いられる触媒としては、脱硝触媒以外の排ガス処理用触媒が用いられる。例えば、有機ハロゲン化合物(ダイオキシン類等)の除去用触媒が例示される。具体的には、特開平10−235191号公報および特願平11−180933号に記載されているようなチタン系触媒が挙げられる。
前記第1の排ガス処理装置に用いられる触媒の形状については特に限定はなく、板状、波板状、網状、ハニカム状、ペレット状、円柱状、円筒状などのうちから選んだ所望の形状に成型されたものでもよく、またアルミナ、シリカ、コーディライト、チタニア、ステンレス金属などよりなる上記形状のうちから選んだ所望の形状の担体に担持されたものでもよい。
[第2の排ガス処理装置]
前記第2の排ガス処理装置は、反応器内に脱硝触媒を充填した触媒層を備えた脱硝用排ガス処理装置において、前記触媒層に接触して温度センサーが設置されており、かつ前記温度センサーの感熱部は、触媒層のガス流れ入口端面部から5mm以上の深さにある。
【0014】
前記第2の排ガス処理装置は、脱硝用であるために触媒が脱硝触媒である点と、温度センサーの感熱部の位置が特定されている点を除けば、前記第1の排ガス処理装置と同様である。好ましい実施態様(温度センサーの種類、触媒層の温度を測定する位置、触媒層の構成など)についても、前記第1の排ガス処理装置において説明したのと同様である。
前記第2の排ガス処理装置に用いられる触媒としては、特開平10−235206号公報に記載されているようなチタン系触媒が好ましく用いられる。触媒の形状について特に限定がない点は前記第1の排ガス処理装置と同様である。
[排ガスの処理方法]
本発明の排ガスの処理方法は、上記の第1または第2の排ガス処理装置を用いて、触媒層の温度を連続測定しながら排ガスを処理するものである。
【0015】
本発明における触媒層の温度を連続測定するとは、触媒の温度の経時変化を測定することであって、例えば1秒間隔のごとく断続的に測定しても良い。
触媒層の温度を連続測定し、触媒層の温度が急激に上昇したときに適切な対策を講じることで、触媒の焼損を防止ないし抑制することができる。
触媒の焼損を防止ないし抑制するための対策の一つは、連続測定している触媒層の温度が急激に上昇したとき、具体的には触媒層の温度上昇変化率が3℃/秒以上になったときに、触媒層前段から希釈用ガスを導入することである。希釈用ガスの導入は、排ガス中の可燃成分の濃度を低下させてその燃焼を抑制するとともに、触媒層の温度を下げる効果がある。このときに用いられる希釈用ガスについては特に制限はないが、例えば、空気、窒素、二酸化炭素、第18族の気体元素などを用いることができる。この方法において、触媒層前段から導入される希釈用ガスの量は、好ましくは原ガスの等量以上、より好ましくは2倍量以上であることがよい。
【0016】
触媒の焼損を防止ないし抑制するためのもう一つの対策は、連続測定している触媒層の温度が急激に上昇したとき、具体的には触媒層の温度上昇変化率が3℃/秒以上になったときにガスをバイパスラインに流し、触媒層にガスが流れないようにすることである。このときのバイパスラインの形式としては特に制限はなく、触媒層にガスが流れないように設計されているものであればよい。
また、上記の2つの方法は組み合わせて用いることもできる。
本発明の排ガスの処理方法において、処理条件などについても特に制限はなく、排ガスの種類、性状、要求される処理性能などを考慮して適宜決定すればよいが、排ガスの空間速度は、通常、100〜100000Hr −1 (STP)であり、好ましくは200〜50000Hr −1 (STP)である。100Hr −1 未満では、処理装置が大きくなりすぎ非効率となり、一方、100000Hr −1 を超えると、処理効率が低下する。
【0017】
また、本発明の排ガスの処理方法における処理温度としては、予め触媒が熱による比表面積低下を起こす限界温度を測定しておき、その温度よりも20℃以上低い温度を最高温度として排ガス処理を行なうのが、触媒が熱によるダメージを受けることを防止ないし抑制することができるため好ましい。
本発明の排ガスの処理方法は、酸化触媒を使用する上で、排ガス中に可燃成分が含まれている場合に好適に用いられるものであり、特に限定されないが、例えば、ボイラー、焼却炉、ガスタービン、ディーゼルエンジンなどから排出される排ガス中の窒素酸化物や有機ハロゲン化合物(ダイオキシン類等)を含む排ガスを処理する方法において好適に用いられる。
[触媒再生装置]
本発明で用いる触媒再生装置は、排ガス中の被毒物質により被毒を受けて活性の劣化した触媒に対しガスを通すことによって、前記触媒を熱処理再生する装置において、前記触媒を充填した触媒層に接触して温度センサーが設置されている。触媒層に接触して温度センサーを設置することで、触媒を再生する際に触媒の温度を連続測定することができる。
【0018】
本発明の触媒再生装置は、火力発電プラントや廃棄物焼却プラントなどの設備から独立した装置であってもよく、それ自体がプラントの排ガス系内に組み込まれている形式のものであってもよい。さらに、触媒層での排ガス温度を触媒の処理効率が高くなる温度になるまで昇温するために、触媒層の前段に可燃物を燃焼する設備を設置しているプロセスにおいて、この設備を触媒の再生用としても併用される形式のものでもよい。特に可燃物を燃焼する設備が排ガス系の触媒層前段に設置されている場合には、触媒の再生用に新たな設備を設置する必要がないため、コストが低くなることの他に、再生前に触媒を反応装置から取り出すための工事や、再生後に触媒を反応装置に入れる工事のためにかかる手間や時間が節約されるため、本発明が有効である。
【0019】
前記触媒再生装置では、排ガス中のSOxや高沸点有機化合物などの被毒物質により被毒を受けて活性の劣化した触媒を再生の対象とし、再生対象となる触媒の種類については特に制限はないが、例えば350℃以下のガス温度で窒素酸化物および/または有機ハロゲン化合物の排ガス処理に使用される触媒を再生する際に、特に有効である。再生対象となる触媒の組成については特に制限はないが、例えば前述のチタン系触媒(前記第1および第2の排ガス処理装置に好適に用いられるチタン系触媒)を再生する際に、本発明が特に好適に用いられる。触媒の形状について特に限定がない点は前記第1、第2の排ガス処理装置と同様である。
【0020】
前記触媒再生装置の好ましい実施態様(温度センサーの種類、触媒層の温度を測定する位置、触媒層の構成など)については、前記第1および第2の排ガス処理装置において説明したのと同様である。
[触媒の再生方法]
本発明の触媒の再生方法は、上記の触媒再生装置を用いて、触媒層の温度を連続測定しながら活性の劣化した触媒の熱処理再生を行うものである。触媒層の温度を連続測定し、触媒層の温度が急激に上昇したときに適切な対策を講じることで、触媒の焼損を防止ないし抑制することができる。その方法は、本発明の排ガスの処理方法において説明したのと同様である。
【0021】
本発明の触媒の再生方法により触媒の再生を行う際の触媒層の設定温度は350℃以上であるのが好ましい。触媒層の温度が前記範囲よりも低いと再生効率が低下する。また、本発明の触媒の再生方法における最高温度としては、予め触媒が熱による比表面積低下を起こす限界温度を測定しておき、その温度よりも20℃以上低い温度を最高温度として触媒の再生を行なうのが、触媒が熱によるダメージを受けることを防止ないし抑制することができるため好ましい。
触媒の再生を行うときに触媒層に流通させる再生ガスの流量は、触媒1kgに対して0.5m3/h(Normal)以上であるのが好ましい。再生ガスの流量がこれよりも少ないと、再生効率が低く、また装置の放熱の影響を受けやすくなるため好ましくない。
【0022】
本発明の触媒の再生方法はガスを通すことによって、活性の劣化した触媒を熱処理再生する方法であり、酸化触媒を熱処理再生する上で、再生処理ガス中に可燃成分が含まれている場合に好適に用いられる。
【0023】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。
(実施例1)
TiO2とV25を含むハニカム状脱硝触媒A(TiO2:V25=90:10(重量組成比)、目開き4.0mm、肉厚1.0mm)5セル×5セル×300mm(長さ)を図2に示すような排ガス処理装置の反応器内に入れ、中心のセルのガス流れ入口側端面から20mmの深さのところに熱電対の感熱部がくるように熱電対温度計を差し込んだ。このとき、熱電対の感熱部が触媒のセルの内壁に接触するようにした。
【0024】
つぎに、恒温槽温度を250℃に設定して、酸素濃度20%、窒素バランスのガス(ガス流量:20リットル/分)を触媒に流通させ、熱電対温度計の指示値が250℃に安定するまで1時間放置した。
つぎに、プロピレンラインに接続したバルブ1を開き、ガス中のプロピレン濃度が5%になるようにプロピレンを反応系内に導入し、熱電対温度計の指示値の連続測定を開始した。
熱電対温度計の指示値の温度上昇変化率が3℃/秒を超えたところで、バイパスラインのバルブ2を開き、同時に反応系ラインのバルブ3を閉じた。
【0025】
(実施例2)
実施例1において、熱電対温度計の指示値の温度上昇変化率が3℃/秒を超えたところで、窒素ラインのバルブ4を開け、窒素50リットル/分を反応系に導入し、バルブ2および3は操作しなかったこと以外は、実施例1に準じて試験を行った。
(比較例1)
実施例1において、熱電対温度計の指示値の温度上昇変化率が3℃/秒を超えても、バルブ2および3の操作を行わなかったこと以外は、実施例1に準じて試験を行った。
【0026】
実施例1、2および比較例1での熱電対温度計の指示値を図3に示す。実施例1、2では、触媒層の温度が約5分後に最高値(400℃超)を示した後は徐々に低下したのに対し、比較例1では1000℃付近まで上昇したまま低下しなかったことがわかる。
(実施例3)
実施例1、2および比較例1で試験した後の触媒を用いて、脱硝性能およびクロロトルエン(CT)分解性能を測定した。
<条件>
ガス組成
NOx:100ppm、NH3:100ppm、クロロトルエン(CT)
:30ppm、O2:10%、H2O:15%、N2:バランス、
ガス温度:250℃
空間速度:6000h-1
なお、脱硝率、クロロトルエン分解率は下記の式にしたがって求めた。
【0027】
Figure 0004348020
得られた脱硝率およびクロロトルエン分解率について、初期および試験後の性能を表1に示した。実施例1、2で用いた触媒は、初期性能と同等の性能を維持しているが、比較例1で用いた触媒は焼損により活性が劣化してしまったことがわかる。
【0028】
【表1】
Figure 0004348020
【0029】
(実施例4)
排ガス処理触媒Bとして、目開き4.0mm、肉厚1.0mmのハニカム状触媒であり、新品触媒における含有成分として、チタン酸化物を70重量%、ケイ素酸化物を9.5重量%、バナジウム酸化物を10重量%、タングステン酸化物を5重量%、モリブデン酸化物を5重量%、硫黄分を0.5重量%含有する触媒を用いた。
上記の触媒Bを、ごみ焼却炉のバグフィルター後流で、温度200℃で、硫黄酸化物を20容量ppm、NH3を80容量ppm、窒素酸化物を100容量ppm、ダイオキシン類を2ng−TEQ/m3(Normal)、O2を10容量%含有する排ガスの処理に使用した。この排ガス曝露にて被毒物質により被毒を受け活性劣化した触媒を触媒B1とする。
【0030】
排ガス曝露後の触媒B1を実施例1と同様に5セル×5セル×300mm(長さ)に切り出して、図2に示すような触媒再生装置の反応器内に入れ、中心のセルのガス流れ入口側端面から20mmの深さのところに熱電対の感熱部がくるように熱電対温度計を差し込んだ。このとき、熱電対の感熱部が触媒のセルの内壁に接触するようにした。
つぎに、酸素濃度20%、窒素バランスのガス(ガス流量:10リットル/分)を熱電対温度計の指示値が360℃になるように加熱してから触媒に流通させ、そのまま10時間放置した。
【0031】
つぎに、プロピレンラインに接続したバルブ1を開き、ガス中のプロピレン濃度が5%になるようにプロピレンを反応系内に導入した。
熱電対温度計の指示値の温度上昇変化率が3℃/秒を超えたところで、バイパスラインのバルブ2を開き、同時に反応系ラインのバルブ3を閉じ、さらに窒素ラインのバルブ4を開け、窒素50リットル/分を反応系に導入した。
この操作の間に熱電対温度計の指示値は最高で430℃に達したが、その後は低下していった。この熱処理後の触媒を触媒B2とする。
(比較例2)
実施例4において、熱電対温度計の指示値の温度上昇変化率が3℃/秒を超えても、バルブ2、3および4の操作を行わなかったこと以外は、実施例4に準じて試験を行った。このとき熱電対温度計の指示値は1000℃付近まで上昇した。
【0032】
(実施例5)
実施例4および比較例2で試験した後の触媒を用いて、脱硝性能およびクロロトルエン(CT)分解性能を測定した。
<条件>
ガス組成
NOx:80ppm、NH3:80ppm、クロロトルエン(CT):50ppm、
2:10%、H2O:10%、N2:バランス、
ガス温度:200℃
空間速度:4000h-1
なお、脱硝率、クロロトルエン分解率は実施例3と同様にして求めた。
【0033】
得られた脱硝率およびクロロトルエン分解率について、各触媒の性能を表2に示した。実施例4で用いた触媒は、熱処理により性能が再生されているが、比較例2で用いた触媒は焼損により活性が劣化し再生されなかったことがわかる。
【0034】
【表2】
Figure 0004348020
【0035】
【発明の効果】
本発明によると、排ガスの処理および触媒の再生において、ガス中に可燃成分が含まれていても、触媒の焼損トラブルを未然に防ぐ、あるいは最小限に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】触媒層の温度を測定するために、触媒層に温度センサーを差し込んだ一例である。
【図2】実施例および比較例において用いた排ガス処理装置および触媒再生装置である。
【図3】実施例1、2および比較例1において触媒層の温度変化を熱電対温度計で連続測定したときの、熱電対温度計の指示値を示す図である。

Claims (2)

  1. 排ガス中の被毒物質により被毒を受けて活性の劣化した触媒に対し可燃成分を含む再生ガスを通すことによって、前記触媒を熱処理再生する装置であって、前記触媒を充填した触媒層に接触して温度センサーが設置されている触媒再生装置を用い、
    前記触媒層の温度を前記温度センサーで連続測定しながら前記活性の劣化した触媒の熱処理再生を行うとともに、
    前記連続測定されている触媒層の温度が、温度上昇変化率3℃/秒以上で上昇したことが検知されたときに、前記触媒層前段に希釈用ガスを導入して触媒層の温度を下げる
    ことを特徴とする、排ガス処理用触媒の再生方法。
  2. 排ガス中の被毒物質により被毒を受けて活性の劣化した触媒に対し可燃成分を含む再生ガスを通すことによって、前記触媒を熱処理再生する装置であって、前記触媒を充填した触媒層に接触して温度センサーが設置されている触媒再生装置を用い、
    前記触媒層の温度を前記温度センサーで連続測定しながら前記活性の劣化した触媒の熱処理再生を行うとともに、
    前記連続測定されている触媒層の温度が、温度上昇変化率3℃/秒以上で上昇したことが検知されたときに、前記可燃成分を含む再生ガスをバイパスラインに流し、触媒層に再生ガスが流れないようにして触媒層の温度を下げる
    ことを特徴とする、排ガス処理用触媒の再生方法。
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