JP4346622B2 - 荷役作業車 - Google Patents

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Description

本発明は、荷物を載せる載置台と、この載置台を昇降させる油圧シリンダと、この油圧シリンダを作動させる油圧ユニットとを作業車本体に備え、この作業車本体の後部に起立可能もしくは最下降位置まで下降させた載置台上に倒伏可能に手押ハンドルを取り付けた荷役作業車に関する。
従来から、荷物を載せる載置台と、この載置台を上昇させる油圧シリンダと、この油圧シリンダを作動させる油圧ユニットとを作業車本体に備え、この作業車本体の後部に起立可能もしくは最下降位置まで下降させた載置台上に、倒伏可能に手押ハンドルを取り付けた荷役作業車は公知となっている。このような荷役作業車では、作業車本体に手押ハンドルの起立操作時に圧抜ロッドの下端を摺接させてこれを油圧ユニットに設けた油圧バルブ上方に押し上げるカム板を設けるとともに、このカム板に手押ハンドルを起立させたときに圧抜ロッドを落とし込みこれを圧抜バルブに嵌着させる貫通孔を形成するこによって、手押ハンドルの起立操作により圧抜ロッドを圧抜バルブに自動的に連動連結させることができるように構成されていた(例えば、特許文献1参照。)。
実開平7−43167号公報
しかし、従来の荷役作業車では、手押ハンドルを起立状態に保持するための保持構造は左右中央に設けられていたので、大きな力がかかった場合に歪み易く、ロックピンが挿入できなくなり係合できない場合があり、ロックピンが挿入されるカム板も変形する可能性もある。また、ロック部と圧抜ロッドの嵌合部が近接して配置されていたため、大きな負荷が手押ハンドルにかかった場合に圧抜ロッドの嵌合部を傷めるおそれがあった。さらに、複雑な構成であるため、部品点数および製造工程が多くなり、製造コストが高くなるという問題があった。
そこで本発明は、起立状態における手押ハンドルの保持構造を簡単な構成として製造コストの低減を図り、かつ手押ハンドルの起立状態と倒伏状態との変更を容易に行うことができる荷役作業車を提供することを課題とする。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
請求項1においては、荷物を載せる載置台(7)と、載置台(7)を上昇させる油圧シリンダ(22)と、油圧シリンダ(22)を作動させる油圧ユニット(25)とを作業車本体(1)に備え、作業車本体(1)の後部に起立可能もしくは最下降位置まで下降させた載置台(7)上に倒伏可能に手押ハンドル(31)を取り付けた荷役作業車において、ハンドル回動ロック機構(30)を手押ハンドル(31)の回動基部両側に配置し、前記油圧ユニット(25)に設けた圧抜バルブの操作軸(28)を左右のハンドル回動ロック機構(30)の間に配置し、該手押ハンドル(31)には、圧抜バルブの操作軸(28)を操作する圧抜ロッド(36)を上下方向に取り付け、該圧抜ロッド(36)によりハンドル回動ロック機構(30)のロック軸(46)を連動して上下操作可能とし、該圧抜バルブの操作軸(28)と圧抜ロッド(36)の嵌合部(28a・36a)を係合すべく構成し、該ハンドル回動ロック機構(30)は、該手押ハンドル(31)の左右端部を、立設した左右の支持体(32・32)に支軸(33・33)を介して上下回動可能に枢支し、該左右の各支持体(32・32)の側面には、溝状の切欠きを設け、該切欠きは略鉛直下方に延びる係合部(32a)と、該係合部(32a)に連続する摺接部(32b)により形成し、該切欠きに前記圧抜ロッド(36)に連結する左右方向のロック軸(46)の端部を後方から嵌入可能とし、前記手押ハンドル(31)を倒伏状態とする場合には、該圧抜ロッド(36)を持ち上げることにより、該ロック軸(46)と、切欠きの係合部(32a)とのロック状態を解除し、かつ、圧抜バルブの操作軸(28)と圧抜ロッド(36)の嵌合部(28a・36a)の係合を解除し、前記手押ハンドル(31)を起立状態に回動する場合には、前記切欠きにより、該ロック軸(46)が下降されて、該ロック軸(46)を切欠きの係合部(32a)に嵌入し、該手押ハンドル(31)の下部を前後に回動不能とし、同時に圧抜ロッド(36)の下端に設けた嵌合部(36a)と、圧抜バルブの操作軸(28)の嵌合部(28a)が自動的に係合されるものである。
請求項2においては、前記ハンドル回動ロック機構のロック軸の案内フレームを手押ハンドル下部に設けたものである。
請求項3においては、前記圧抜ロッドと手押ハンドルの間に弾性体を配置し、この圧抜ロッドを嵌合方向に、ロック軸を係合方向に付勢したものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1においては、手押ハンドルの起立状態での保持構造を簡単な構成とすることが可能となり、部品点数および製造工程を削減して製造コストを低減することができる。また、手押ハンドルを起立させた状態で圧抜ロッドを持ち上げるだけの一つの操作で圧抜ロッドと圧抜バルブの操作軸との嵌合、およびロック軸と支持体との係合を解除して手押ハンドルを作業車本体上に倒伏させて折り畳むことが可能となり、また手押ハンドルを倒伏させた状態で手押ハンドルを回動させるだけで自動的に圧抜ロッドと圧抜バルブの操作軸との嵌合、およびロック軸と支持体との係合とを行って手押ハンドルを起立状態に保持することが可能となって、手押ハンドルの起立状態と倒伏状態と変更を容易に行うことができる。そしてさらに、手押ハンドルは両側下部で固定されるので、強固に支持されて大きな負荷がかかっても耐えることができ、圧抜きロッドと圧抜バルブの嵌合部には負荷が掛からず、安定して嵌合することが可能となる。
請求項2においては、部品点数を削減して、手押ハンドルの起立状態での保持構造を簡単な構成とすることができる。
請求項3においては、前記ロック軸を手押ハンドルおよび圧抜ロッドの回動時にこれ連動して確実に支持体に案内して係合させることができ、安定して係合及びその解除が可能となる。
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は手押ハンドルを起立状態とした場合の荷役作業車の全体側面図、図2は手押ハンドルを起立状態とした場合の荷役作業車の全体平面図、図3は手押ハンドルを起立状態とした場合の荷役作業車の全体背面図、図4は手押ハンドルを倒伏状態とした場合の荷役作業車の全体側面図、図5は手押ハンドルの一部断面側面図、図6は手押ハンドルの背面図、図7は手押ハンドルを起立状態とした場合の支持体の側面断面図、図8は手押ハンドルを倒伏状態とした場合の支持体の側面断面図、図9は手押ハンドルを回動位置とした場合の支持体の側面断面図、図10は手押ハンドルを起立状態とした場合の圧抜ロッド下部の正面図、図11は手押ハンドルを回動位置とした場合の圧抜ロッド下部の正面図である。
図1乃至図4に示すように、荷役作業車において作業車本体1は前後方向に延設される左右の側部フレーム2・2と、左右の側部フレーム2・2の前端部を連結する前部フレーム3と、左右の側部フレーム2・2の後端部を連結する後部フレーム4とから矩形状の枠体として構成されている。左右の側部フレーム2・2は断面視略「コ」字状に形成されており、その前部にそれぞれ左右の前輪5・5がステーを介して取り付けられている。また、後部フレーム4は断面視略「門」字状に形成されており、その内側左右両側部にそれぞれ左右の後輪6・6がステーを介して方向転換自在に取り付けられている。
作業車本体1の上方には載置台7が配設され、左側部フレーム2と載置台7の左側部との間と、右側部フレーム2と戴置台7の右側部との間とにそれぞれX形リンク8・8が介設されている。X形リンク8は外側リンク9と内側リンク10とを交差し、互いの交差部を連結軸11で回動自在に支持して構成されている。そして、連結軸11を左右の外側リンク9と内側リンク10との交差部の間に横架して連結されている。
左右のX形リンク8・8では、外側リンク9・9の後端部が左右の側部フレーム2の後端部にそれぞれ連結ピン12・12を介して回動自在に支持され、内側リンク10・10の後端部が載置台7の後端部の左右両側にそれぞれ連結ピン13・13を介して回動自在に支持されている。外側リンク9・9と内側リンク10・10それぞれの前端部には転動輪14・14・15・15が回転自在に支持され、外側リンク9・9の転動輪14・14が載置台7前部の左右両側下面に転動可能に当接支持される一方、内側リンク10・10の転動輪15・15が左右の側部フレーム2・2の内側前部に転動可能に嵌合されている。こうして、左右のX形リンク8・8により載置台7が作業車本体1に昇降可能に支持されている。
さらに左右の各X形リンク8・8では、左右の内側リンク10・10の間に連結軸11を内挿するように筒軸18が横設されて、この筒軸18により左右の内側リンク10・10が一体連結されるとともに、左右の外側リンク9・9の間に筒軸19が横設されて、この筒軸19により左右の外側リンク9・9が一体連結されている。筒軸18には受アーム20および連結ピン21を介して油圧シリンダ22のピストンロッド22aが連結され、筒軸19には受アーム23および連結ピン24を介して油圧シリンダ22が連結されている。このように筒軸18・19の間に油圧シリンダ22が介装され、そのピストンロッド22aの伸縮により左右のX形リンク8・8の外側リンク9・9と内側リンク10・10との連結角度が変更可能とされて、作業車本体1の上方で載置台7を昇降させることができるように構成されている。
また、作業車本体1の後部に油圧シリンダ22を作動させる油圧ユニット25が設けられている。油圧ユニット25では、後部フレーム4の内側略中央部に油路形成用の油圧ベース26が固設され、この油圧ベース26に油圧シリンダ22の作動油を溜める油タンク(図示せず)や油圧シリンダ22に作動油を圧送するプランジャポンプ(図示せず)などが組みつけられている。
そして、油圧ベース26の後方にポンピングハンドル27が配設されて、その作用端側が油圧ベース26に一体連結する左右のハンドルフレーム(図示せず)に回動自在に支持され、操作端側が作業車本体1の後方に突出されている。こうしてポンピングハンドル27を足踏み操作することにより、プランジャポンプを駆動して、油圧シリンダ22のピストンロッド22aを伸長させ、載置台7をX形リンク8を介して上昇させることができるように構成されている。
油圧ユニット25の油圧ベース26にはまた、油圧シリンダ22の作動油を油タンクに戻す圧抜バルブが組み込まれている。そして、圧抜バルブの操作軸28が油圧ベース26の上面から後部フレーム4を貫通して略鉛直上方に突出され、その突出端が後部フレーム4の略中央上面に位置するように配置されている。
また、作業車本体1の後部に「門」字形状の手押ハンドル31が設けられ、この手押ハンドル31の回動基部近傍に、後述するハンドル回動ロック機構30・30と圧抜バルブの操作軸28とが配置されている。手押ハンドル31には操作軸28を操作して圧抜バルブを開閉作動させる圧抜ロッド36が取り付けられ、これがハンドル回動ロック機構30・30と連動連結されて、この圧抜ロッド36を介してハンドル回動ロック機構30・30による係合の解除が可能とされている。
図5、図6に示すように、手押ハンドル31は、その左右両端部を後部フレーム4の左右両側上面に立設した支持体32・32に支軸33・33を介して回動可能に支持されて、図1に示すように後部フレーム4上に起立可能に、もしくは図4に示すように作業車本体1のすぐ上の最下降位置まで下降させた載置台7上に倒伏可能に構成されている。
そして、前記ハンドル回動ロック機構30・30が手押ハンドル31の回動基部両側に配置され、圧抜バルブの操作軸28が左右のハンドル回動ロック機構30・30の間に配置され、圧抜ロッド36の下部が左右のハンドル回動ロック機構30・30の間に横架された後述するロック軸46と連結され、さらに圧抜ロッド36の下端と油圧ユニット25に設けられた圧抜バルブの操作軸28とにそれぞれ嵌合部36a・28aが設けられて、ハンドル回動ロック機構30・30におけるロック軸46の係合及びその解除動作と、前記嵌合部36a・28aの嵌合及びその解除動作とが連動するようになっている。
圧抜ロッド36は手押ハンドル31の左右の両側部の間に配置され、手押ハンドル31が起立状態である場合に圧抜バルブの操作軸28と同一軸芯上に位置するように横フレーム35から後部フレーム4上の圧抜バルブの操作軸28に向かって略鉛直下方に延設されている。また、圧抜ロッド36は横フレーム35から略鉛直上方にも突出されており、その端部に開閉撮み37が手押ハンドル31の内側に位置するように取り付けられている。
横フレーム35の内側では圧抜ロッド36にカラー38が嵌合固定されるとともに、横フレーム35上面とカラー38との間に弾性体として圧縮バネ39が嵌め込まれて、後述するように圧抜ロッド36が嵌合方向に、ロック軸46が係合方向に付勢される。つまり、圧縮バネ39の付勢力によりカラー38が横フレーム35の下面に圧接するまで圧抜ロッド36が下方に付勢されて、圧抜ロッド36の下端が後部フレーム4上面から突出した圧抜バルブの操作軸28の嵌合部28aに上方から嵌合可能とされている。
図10、図11に示すように、圧抜ロッド36の下端には溝状の切欠きからなる嵌合部36aが形成され、これが圧抜ロッド36と圧抜バルブの操作軸28との嵌合時に操作軸28の突出端に設けたピンからなる嵌合部28aに嵌合されるようになっている。こうして圧抜ロッド36の下端と圧抜バルブの操作軸28とにそれぞれ嵌合部36a・28aを設けて、圧抜ロッド36と圧抜バルブの操作軸28とを嵌合させた状態で開閉撮み37を用いて圧抜ロッド36を左または右に回転操作することにより、操作軸28を回転させて圧抜バルブを開閉作動させることができるように構成されている。
圧抜ロッド36に嵌合固定したカラー38には、圧抜ロッド36の回転角度を規制する左右のストッパー41・41が、所定の角度間隔をとってそれぞれ圧縮ロッド36と略直交する方向に突出するように固設されている。左右のストッパー41・41は、開閉撮み37を用いて圧抜ロッド36を左または右に回転操作する際に、横フレーム35に当接してカラー38の回転を規制することで、圧抜ロッド36を常に所定の回転角度の範囲内でのみ回転可能として、圧抜バルブを常に同じストローク位置で開閉操作することができるように構成されている。
また、圧抜ロッド36の下端側に連結体45が嵌合固定されている。連結体45は側面視略「L」字状に形成されており、その前部に圧抜ロッド36が略鉛直方向に貫通され、後部にロック軸46が略水平方向に貫通されている。ロック軸46は連結体45から手押ハンドル31の両端部に向かって左右方向に延設されており、その左右の両端部それぞれが手押ハンドル31の両端部後面に形成された「コ」字形状の案内フレーム31aの内側に圧抜ロッド36と同等の摺動幅をもって摺動可能に嵌入されて、手押ハンドル31に当接支持されている。これにより、手押ハンドル31に対するロック軸46の位置決めがなされて、手押ハンドル31の前後方向回動時にロック軸46を後述する支持体32・32に確実に案内できるようになっている。
ハンドル回動ロック機構30・30は手押ハンドル31を起立させた状態に保持するためのものであり、次のように構成される。手押ハンドル31ではその内側略中央部に「コ」字形状の横フレーム35が左右方向に横設され、この横フレーム35の略中央に圧抜バルブを手元で開閉操作可能とする圧抜ロッド36が横フレーム35と略直交する方向に摺動自在に貫通されている。また、手押ハンドル31は前述のようにその両端部でロック軸46を支持したうえで、後部フレーム4の左右両側上面に設けた左右の支持体32・32に支軸33・33を介して回動自在に支持されている。左右の各支持体32・32は平面視略「コ」字状に形成され、その開放側が後方を向くように後部フレーム4上に立設されている。
そして、左右の支持体32・32の内側に手押ハンドル31の端部が案内フレーム31a・31aを後側にして挿入され、その支持体32・32の上部で支軸33を介して前後方向に回動可能に支持されて、手押ハンドル31が後部フレーム4上に起立可能に、もしくは載置台7上に倒伏可能とされている。ここで支持体32・32は、図7に示すように、支軸33・33よりも下方でその前部の閉鎖側に形成する規制部32c・32cに手押ハンドル31の端部を当接して当該手押ハンドル31の回動を規制することにより、手押ハンドル31が起立状態から後方へ倒れるのを防止することができるように構成されている。
左右の各支持体32の左右両側面には、それぞれに上下略中央後側から前後略中央下側に延びる溝状の切欠き、すなわち後方が開放された側面視略「く」字状の切欠が設けられて、この切欠きに前記圧抜ロッド36に連結するロック軸46の端部が後方から嵌入可能とされている。こうしてロック軸46を切欠きに嵌入した場合には、手押ハンドル31の下部を規制部32cとロック軸46とで挟むことでこれを前後に回動不能として、手押ハンドル31を起立状態に保持することができるようになっている。
切欠きは支持体32の前後略中央下側に略鉛直下方に延びる係合部32aを形成するとともに、支持体32の左右両側部の上下略中央後側に前下方に傾斜して係合部32aに連続する摺接部32bを形成し、手押ハンドル31の回動時にこの切欠きに嵌入されたロック軸46の端部を係合部32aに係合し、また摺接部32bで摺接さながら押し上げることができるように構成されている。
よって、手押ハンドル31を倒伏状態から起立状態に変更する起立操作を行うときには、手押ハンドル31を上方へ回動することで、図8に示すように、支持体32・32の後上方に位置するロック軸46が手押ハンドル31に連動して、支持体32・32の摺接部32b・32bに向かって前下方に回動し、図9に示すように、このロック軸46の両端部がそれぞれ摺接部32b・32bに摺接して係合部32a・32aに向かって圧縮バネ39の付勢力に抗して圧抜ロッド36を徐々に押し上げながら移動し、ついで図7に示すように、摺接部32bから係合部32aに落とし込まれて支持体32と係合される。
このとき、圧抜ロッド36はロック軸46に連動して圧縮バネ39の付勢力により押し下げられて、図11に示すように、その下端が圧抜バルブの操作軸28と嵌合せずその上方に位置する状態から下方に移動され、図10に示すように、圧抜バルブの操作軸28に上方から嵌合される。こうして、手押ハンドル31の回動位置をロック軸46の両端部と支持体32・32との係合により固定して、手押ハンドル31を自動的に起立状態に保持することが可能とされている。
逆に、手押ハンドル31を起立状態から倒伏状態に変更する折畳操作を行うときには、開閉撮み37を圧縮バネ39の付勢力に抗して圧抜ロッド36を持ち上げることで、図11に示すように、圧抜ロッド36の下端が圧抜バルブの操作軸28から外れ、これに連動してロック軸46の両端部それぞれが支持体32・32の係合部32a・32aから上方に引き抜かれて係合が解除され、ついで手押ハンドル31を前方へ回動することにより、図9に示すように、ロック軸46の両端部が手押ハンドル31に連動して、圧抜ロッド36を押し上げた状態のまま摺接部32b・32bに摺接して後方に移動され、図8に示すように、支持体32・32の後上方に位置することになる。こうして折畳操作時には、圧抜ロッド36を持ち上げるだけの一つの操作で、この圧抜ロッド36の嵌合とロック軸46の係合とを同時に解除して、手押ハンドル31を倒伏させ折り畳むことが可能とされている。
このようにして、荷役作業車は手押ハンドル31を作業車本体1の後部に起立させ、その後方から作業者が手押ハンドル31を押し引きして作業車本体1を移動させることで、載置台7上に乗せた荷物を運搬することができるように構成されている。そしてこの荷役作業車では、手押ハンドル31を起立状態として荷物を運搬する際には、作業者が手元にある開閉撮み37を用いて圧抜ロッド36を回転操作して圧抜バルブを閉作動させ、その状態で足元にあるポンピングハンドル27を繰り返し足踏み操作して、油圧シリンダ22に油タンクから作動油を圧送することにより、戴置台7を荷物の積み降ろしが行いやすい高さに上昇させて保持することができ、また載置台7を作業台として利用する際には、載置台7を作業が行いやすい高さに前記同様に上昇させて保持することができるようになっている。
さらに、手押ハンドル31を倒伏して荷役作業車を持ち運びしたり、保管したりする際には、開閉撮み37を用いて圧抜ロッド36を逆転操作して圧抜バルブを開作動させ、載置台7の自重で油圧シリンダ22の作動油を油タンクにすべて戻すことにより、載置台7を作業車本体1のすぐ上の最下降位置に下降させて保持することができるようになっている。また、油圧シリンダ22から油タンクへ作動油を戻す際に、その戻し量を調節することにより、載置台7を任意の高さに下降して保持することができるようにもなっている。
そして、手押ハンドル31を作業車本体1の後部に起立させた状態で、載置台7を最下降位置に下降させた後、開閉撮み37を用いて圧抜ロッド36を持ち上げ、圧抜ロッド36の下端を圧抜バルブの操作軸28から上方へ引き抜くことにより、この圧抜ロッド36に連動して支持体32・32の係合部32a・32aからロック軸46の両端部を引き抜き、手押ハンドル31および圧抜ロッド36を支軸33を支点として前方に回動させることが可能となり、この回動によりロック軸46を摺接部32bに摺接させて後方へ移動させることで、作業車本体1上に倒伏させて折り畳むことができるようになっている。
一方、手押ハンドル31を作業車本体1上に倒伏させた状態から、手押ハンドル31および圧抜ロッド36を支軸33を支点として上後方に回動させることにより、ロック軸46を支持体32・32の摺接部32b・32bに摺接させて係合部32a・32aへ向けて移動させながら、圧抜ロッド36を押し上げ、ついでロック軸46を係合部32a・32aに落とし込みこれを支持体32・32に嵌合させるとともに、このロック軸46に連動して圧抜ロッド36をバネの付勢力により下方へ移動し、自動的に圧抜バルブの操作軸28に嵌合せることが可能となる。これによって、手押ハンドル31を作業車本体1の後部に起立させ、その起立状態で保持することができるようになっている。
以上のように、荷物を載せる載置台7と、この載置台7を上昇させる油圧シリンダ22と、この油圧シリンダ22を作動させる油圧ユニット25とを作業車本体1に備え、この作業車本体1の後部に起立可能もしくは最下降位置まで下降させた載置台上に倒伏可能に手押ハンドル31を取り付けた荷役作業車において、ハンドル回動ロック機構30・30を手押ハンドル31の回動基部両側に配置し、前記油圧ユニット25に設けた圧抜バルブの操作軸28を左右のハンドル回動ロック機構30・30の間に配置し、前記手押ハンドル31に取り付けた圧抜ロッド36の下部を左右のハンドル回動ロック機構30・30の間に横架したロック軸46と連結し、この圧抜ロッド36の下端と圧抜バルブの操作軸28とにそれぞれ嵌合部36a・28aを設けて、ハンドル回動ロック機構30・30のロック軸46の係合及びその解除動作と、前記嵌合部36a・28aの嵌合及びその解除動作を連動させたことにより、手押ハンドル31の起立状態での保持構造を簡単な構成とすることが可能となり、部品点数および製造工程を削減して製造コストを低減することができる。また、手押ハンドル31を起立させた状態で圧抜ロッド36を持ち上げるだけの一つの操作で圧抜ロッド36と圧抜バルブの操作軸28との嵌合、およびロック軸46と支持体32・32との係合を解除して手押ハンドル31を作業車本体1上に倒伏させて折り畳むことが可能となり、また手押ハンドル31を倒伏させた状態で手押ハンドル31を回動させるだけで自動的に圧抜ロッド36と圧抜バルブの操作軸28との嵌合、およびロック軸46と支持体32・32との係合とを行って手押ハンドル31を起立状態に保持することが可能となって、手押ハンドル31の起立状態と倒伏状態との変更を容易に行うことができる。そしてさらに、手押ハンドル31は両側下部で固定されるので、強固に支持されて大きな負荷がかかっても耐えることができ、圧抜きロッド36と圧抜バルブの操作軸28の嵌合部36a・28aには負荷が掛からず、安定して嵌合することが可能となる。
また前記荷役作業車において、前記ハンドル回動ロック機構30のロック軸46の案内フレーム31aを手押ハンドル31下部に設けたことにより、部品点数を削減して、手押ハンドル31の起立状態での保持構造を簡単な構成とすることができる。
さらにまた前記荷役作業車において、前記圧抜ロッド36と手押ハンドル31の間に弾性体として圧縮バネ39を配置し、圧抜ロッド36を嵌合方向に、ロック軸46を係合方向に付勢したことにより、ロック軸46を手押ハンドル31および圧抜ロッド36の回動時にこれ連動して確実に支持体32・32に案内して係合させることができ、安定して係合及びその解除が可能となる。
手押ハンドルを起立状態とした場合の荷役作業車の全体側面図。 手押ハンドルを起立状態とした場合の荷役作業車の全体平面図。 手押ハンドルを起立状態とした場合の荷役作業車の全体背面図。 手押ハンドルを倒伏状態とした場合の荷役作業車の全体側面図。 手押ハンドルの一部断面側面図。 手押ハンドルの背面図。 手押ハンドルを起立状態とした場合の支持体の側面断面図。 手押ハンドルを倒伏状態とした場合の支持体の側面断面図。 手押ハンドルを回動位置とした場合の支持体の側面断面図。 手押ハンドルを起立状態とした場合の圧抜ロッド下部の正面図。 手押ハンドルを回動位置とした場合の圧抜ロッド下部の正面図。
1 作業車本体
7 載置台
22 油圧シリンダ
25 油圧ユニット
28 圧抜バルブの操作軸
28a 嵌合部
30 ハンドル回動ロック機構
31 手押ハンドル
31a 案内フレーム
32 支持体
32a 係合部
32b 摺接部
36 圧抜ロッド
36a 嵌合部
39 圧縮バネ(弾性体)

Claims (3)

  1. 荷物を載せる載置台(7)と、載置台(7)を上昇させる油圧シリンダ(22)と、油圧シリンダ(22)を作動させる油圧ユニット(25)とを作業車本体(1)に備え、作業車本体(1)の後部に起立可能もしくは最下降位置まで下降させた載置台(7)上に倒伏可能に手押ハンドル(31)を取り付けた荷役作業車において、ハンドル回動ロック機構(30)を手押ハンドル(31)の回動基部両側に配置し、前記油圧ユニット(25)に設けた圧抜バルブの操作軸(28)を左右のハンドル回動ロック機構(30)の間に配置し、該手押ハンドル(31)には、圧抜バルブの操作軸(28)を操作する圧抜ロッド(36)を上下方向に取り付け、該圧抜ロッド(36)によりハンドル回動ロック機構(30)のロック軸(46)を連動して上下操作可能とし、該圧抜バルブの操作軸(28)と圧抜ロッド(36)の嵌合部(28a・36a)を係合すべく構成し、該ハンドル回動ロック機構(30)は、該手押ハンドル(31)の左右端部を、立設した左右の支持体(32・32)に支軸(33・33)を介して上下回動可能に枢支し、該左右の各支持体(32・32)の側面には、溝状の切欠きを設け、該切欠きは、略鉛直下方に延びる係合部(32a)と、該係合部(32a)に連続する摺接部(32b)により形成し、該切欠きに前記圧抜ロッド(36)に連結する左右方向のロック軸(46)の端部を後方から嵌入可能とし、前記手押ハンドル(31)を倒伏状態とする場合には、該圧抜ロッド(36)を持ち上げることにより、該ロック軸(46)と、切欠きの係合部(32a)とのロック状態を解除し、かつ、圧抜バルブの操作軸(28)と圧抜ロッド(36)の嵌合部(28a・36a)の係合を解除し、前記手押ハンドル(31)を起立状態に回動する場合には、前記切欠きにより、ロック軸(46)が下降されて、該ロック軸(46)を切欠きの係合部(32a)に嵌入し、該手押ハンドル(31)の下部を前後に回動不能とし、同時に圧抜ロッド(36)の下端に設けた嵌合部(36a)と、圧抜バルブの操作軸(28)の嵌合部(28a)が自動的に係合されることを特徴とする荷役作業車。
  2. 前記ハンドル回動ロック機構(30)のロック軸(46)の案内フレーム(31a)を手押ハンドル(31)の下部に設けたことを特徴とする請求項1に記載の荷役作業車。
  3. 前記圧抜ロッド(36)と手押ハンドル(31)の間に弾性体(39)を配置し、この圧抜ロッド(36)を嵌合方向に、ロック軸(46)を係合方向に付勢したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の荷役作業車。
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