JP4346503B2 - 紙料供給装置 - Google Patents

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Description

本発明は、古紙、損紙などの紙料を離解させて所定濃度の紙料スラリを連続して排出する連続式パルパーに対して紙料を投入するものであって、その連続式パルパー内の液面高さに応じて紙料の供給を調節するようにした紙料供給装置に関する。
近年、省資源や地球環境保全の要求が高まり、古紙および損紙のリサイクル率が高くなってきており、これまで脱墨や異物除去が困難であった雑誌の他、ラミネート処理された紙容器なども紙料として用いられるようになってきている。
そうした古紙や損紙などの紙料について資源サイクルを行うために紙料スラリを作るパルパーは、これまで容器内に水と薬剤を混合した溶液と紙料を投入し、一定期間混合撹拌して離解が完了した後、排出口を開放して紙料スラリを全量取り出す、いわゆるバッチ式のものが実用化されていた。しかし、バッチ式のパルパーはロスタイムが多く操業性が良くないため、最近では紙料スラリを連続して取り出せる連続式のパルパーが要求され、種々提案されている。
本出願人も特開2003−193383号公報として開示された出願によって、エネルギ消費が少なくて均質な紙料スラリが連続的に得られ、かつ、異物の微細化が起こりずらいコンパクトな連続式パルパーを提案している。その連続式パルパーでは、縦型円筒容器内に上部から供給された紙料が垂直回転軸に多段に付設した撹拌羽根によって溶液内で撹拌され、順次下方へ移動するに連れて離解する。そして、作られた紙料スラリは、縦型円筒容器の下部に設けられた取出口から吐出される。なお、紙料の種類によって離解に要する時間が異なるので、紙料スラリの排出量を適宜調整する必要があるが、その際にはスクリューフィーダの回転数が適宜調整される。
特開2003−193383号公報(第2−3頁、図1)
こうした従来の連続式パルパーでは、例えば吐出される紙料スラリの濃度を18〜20パーセントになるようにし、その後更に1〜4パーセントにまで薄めてからスクリーンを通して異物などを取り除くようにしている。紙料スラリの濃度を一定の範囲にするには縦型円筒容器内に入れる溶液と破砕済紙料との割合を調整する必要がある。その際、破砕済紙料は塊になっているため、本来ならば連続式パルパーへの破砕済紙料の供給を一旦停止し、離解が進んだ後に改めて供給することが好ましい。
しかし、圧縮梱包されたベールを破砕する破砕機はベールが回転刃に噛み込んだままで運転を停止させてしまうと、再度運転する場合に非常に大きな動力が必要になる。従って、運転を再開する際には電力消費が大きくなったり、最悪の場合には噛み込みが強くて回転刃が回らなくなってしまうおそれがある。そのため従来は、破砕機は連続的に運転しなければならないが、そうすると適時に適量の破砕済紙料を縦型円筒容器内に供給するのが難しかった。
そこで本発明は、かかる課題を解決すべく、適時に適量の破砕済紙料を連続式パルパー内に連続的に供給する紙料供給装置を提供することを目的とする。
本発明に係る紙料供給装置は、縦型円筒容器内で製造した紙料スラリを連続的に吐出する連続式パルパーに対して破砕済紙料を供給するためのものであって、一対の回転刃の間に入れられた紙料の塊であるベールを当該回転刃で砕いて破砕済紙料として下方に放出する破砕機と、その破砕機の下から前記連続式パルパーの供給口に前記破砕済紙料を搬送するコンベアと、前記破砕機とコンベアの駆動を制御する制御装置と、前記縦型円筒容器内の液面高さを計測して前記制御装置へその計測信号を送信する液面レベルセンサとを有し、前記制御装置が、縦型円筒容器内の液面高さに応じて、前記コンベアの搬送速度と前記破砕機の回転刃の回転速度とを、前記コンベア上に搭載された破砕済紙料の搭載重量の分布がほぼ均一になるように調整しながら制御するようにしたものであることを特徴とする。
また、本発明に係る紙料供給装置は、前記縦型円筒容器内の溶液の液面高さについて上変換点と下変換点とが設定され、前記制御装置は、前記液面レベルセンサからの計測信号に基づいて液面が上変換点と下変換点とに達したことを検出し、上変換点に達したことを検出した場合には前記コンベアの搬送速度を下げることともに前記破砕機の回転刃の回転速度を下げ、下変換点に達したことを検出した場合には前記コンベアの搬送速度を上げるとともに前記破砕機の回転刃の回転速度を上げるようにしたものであることを特徴とする。
また、本発明に係る紙料供給装置は、前記コンベア上に放出された破砕済紙料の搭載重量を検出するための搭載状態測定手段を有し、前記制御装置は、前記搭載状態測定手段から送られる計測信号に基づいてコンベア上における単位長さ当たりの搭載重量を算出し、その算出結果に基づいて前記破砕機の回転刃の回転速度を調整するようにしたものであることを特徴とする。
また、本発明に係る紙料供給装置は、前記破砕機が、その回転刃をインバータモータによって回転させるものであることを特徴とする。
また、本発明に係る紙料供給装置は、縦型円筒容器内で製造した紙料スラリを連続的に吐出する連続式パルパーに対して破砕済紙料を供給するためのものであって、一対の回転刃の間に入れられた紙料の塊であるベールを当該回転刃で砕いて破砕済紙料として下方に放出する破砕機と、その破砕機の下から前記連続式パルパーの供給口に前記破砕済紙料を搬送するコンベアと、そのコンベアの上方に配置され、コンベアに搭載された破砕済紙料のうち所定高さ以上のものを掻き取る掻取器と、前記破砕機の駆動を制御する制御装置と、前記縦型円筒容器内の液面高さを計測して前記制御装置へその計測信号を送信する液面レベルセンサとを有し、前記制御装置は、縦型円筒容器内の液面高さに応じて前記コンベアの搬送速度を制御するようにしたものであることを特徴とする。
また、本発明に係る紙料供給装置は、前記縦型円筒容器内の溶液の液面高さについて上変換点と下変換点とが設定され、前記制御装置は、前記液面レベルセンサからの計測信号に基づいて液面が上変換点と下変換点とに達したことを検出し、上変換点に達したことを検出した場合には前記コンベアの搬送速度を下げ、下変換点に達したことを検出した場合には前記コンベアの搬送速度を上げるようにしたものであることを特徴とする。
また、本発明に係る紙料供給装置は、前記掻取器は、その下側が前記コンベアの搬送方向とは反対側に回転するようにしたローラであることを特徴とする。
また、本発明に係る紙料供給装置は、前記コンベアが、前記破砕機から縦型円筒容器にかけて高くなるように傾斜をつけて配置されたものであることを特徴とする。
よって、本発明に係る紙料供給装置では、液面レベルセンサによって紙料スラリが作られる縦型円筒容器内の液面高さが検出され、その液面高さに応じてコンベアの搬送速度や回転刃の回転速度が制御される。特に、本発明ではコンベア上に搭載された破砕済紙料の搭載量の分布がほぼ均一になるようにするため、コンベアの搬送速度が速くなれば回転刃の回転速度も速くなる。
そして、本発明では、例えば縦型円筒容器内の液面高さについて上変換点と下変換点とが設定され、制御装置が、液面が上変換点に達したことを検出した場合には、コンベアの搬送速度を落として破砕済紙料の投入量を減らし、液面が下変換点に達したことを検出した場合には、コンベアの搬送速度を上げて破砕済紙料の投入量を増加させる。
従って、本発明に係る紙料供給装置によれば、破砕機の回転刃について連続的に回転させながらもその回転速度をコンベアの搬送速度に合わせて調整することにより、コンベア上の搭載量の分布を均一にした状態で破砕済紙料を連続式パルパーへと投入することによって、適時に適量の破砕済紙料が連続式パルパー内に連続的に供給することができるようになった。
また、本発明に係る紙料供給装置では、破砕機からコンベアに搭載された破砕済紙料はローラなどの掻取器によって掻き取られて均一な高さに揃えられる。そして、このようにコンベア上にて搭載量の分布がほぼ均一になった破砕済紙料は一定量ずつが連続式パルパーへ投入されるが、例えば縦型円筒容器内の液面高さについて上変換点と下変換点とが設定され、制御装置が、液面が上変換点に達したことを検出した場合には、コンベアの搬送速度を落として破砕済紙料の投入量を減らし、液面が下変換点に達したことを検出した場合には、コンベアの搬送速度を上げて破砕済紙料の投入量を増加させる。
従って、本発明に係る紙料供給装置によれば、掻取器によってコンベア上の搭載量の分布をほぼ均一にした状態で破砕済紙料を連続式パルパーへと投入することによって、適時に適量の破砕済紙料が連続式パルパー内に連続的に供給することができるようになった。すなわち、コンベア上の破砕済紙料の搭載量の分布をほぼ均一にすることにより、連続式パルパーへの破砕済紙料の投入量の管理が容易になった。
次に、本発明に係る紙料供給装置について、その一実施形態を図面を参照しながら以下に説明する。図1は、連続式パルパーの全体構成を示した図である。連続式パルパー1は、図1に示すように、架台11上に縦型円筒容器10が立設されている。縦型円筒容器10には、その上端に破砕済紙料51が投入される供給口12が形成され、下端の側部には紙料スラリが取り出される取出口13が設けられている。縦型円筒容器10内には、縦方向中心部に垂直回転軸14が回転可能に支持され、その垂直回転軸14には、架台11の下部に設けられたモータ15の駆動力が減速機16を介して伝達されるように構成されている。
縦型円筒容器10内に立設された垂直回転軸14には、螺旋状のパルピングロータ−17が最上部に取り付けられ、その下には複数のロータ−18が上下多段に取り付けられている。パルピングロータ−17は切欠部が形成され、供給口12から入れられた破砕済紙料51がその切欠部を抜けてパルピングロータ−17の下に落ちるようになっている。一方、上下多段に設けられたロータ−18は、その羽根の枚数が、上段部分のものは2枚、中段のものは3枚、そして下段のものは4枚、というように徐々に増えている。羽根の枚数を徐々に増やしているのは、上から下にかけて撹拌力を段階的に増加させるようにするためである。
また、縦型円筒容器10の内壁には、内部を流れる破砕済紙料51の撹拌が促進するように、縦方向には複数の垂直リブ21が突設されるとともに、各段のロータ−18の中間高さに水平リブ22が突設されている。
一方、縦型円筒容器10の底部には取出口13へ紙料スラリを取り出すためのスクリューフィーダ19が設けられている。このスクリューフィーダ19は、モータ20の回転速度を制御することによって紙料スラリの吐出量を調整できるようになっている。そして、そのスクリューフィーダ19の先には、縦型円筒容器10から吐出された紙料スラリの異物を除去するためのセパレータ23が設けられている。
縦型円筒容器10内には紙料を離解させるための薬品など(例えば、NaOH、脱墨剤、Na2SiO3、H2O2、スチーム)が供給されるが、そのための配管が縦型円筒容器10に接続されている。縦型円筒容器10に配管が接続されてできた一のライン25には水が流され、他のライン26にはスチームが流されるようになっている。そのうちライン25は分岐して2方向に分かれ、それぞれの分岐ラインに電磁開閉弁27,28が接続され、他方のライン26には電磁開閉弁29が接続されている。そして、電磁開閉弁27の二次側には例えばNaOH、脱墨剤、Na2SiO3 が送り込まれ、電磁開閉弁28の二次側にはH2O2が送り込まれるようになっている。
次に図2は、連続式パルパー1へ破砕済紙料51を供給するための第1実施形態の紙料供給装置を示した概念図である。紙料供給装置は、連続式パルパー1の縦型円筒容器10と破砕機30との間にはコンベア40が配置され、破砕機30によって破砕されて放出された破砕済紙料51がコンベア40上に搭載され、縦型円筒容器10の供給口12へと送られるようになっている。
また、縦型円筒容器10の供給口12には、その上方に超音波距離計などの液面レベルセンサ45が設置されている。そして、その液面レベルセンサ45は制御装置46に接続されている。制御装置46は、縦型円筒容器10への紙料供給を制御するものであり、破砕機30のインバータ装置36やコンベア40に接続されている。コンベア40は、ベルト41が掛け渡された一方の回転軸に可変速電動機42が設けられ、破砕機30から放出されベルト41上に搭載された破砕済紙料51の重量を計測するベルトスケール43が設けられている。そして、この可変速電動機42とベルトスケール43が、制御装置46に接続されている。
制御装置46には、液面レベルセンサ45の計測信号に基づいて縦型円筒容器10内の液面高さを調節する液面制御プログラムが格納されている。すなわち、縦型円筒容器10内の液面高さを検出し、溶液の供給や破砕済紙料51の投入量の調整を行うものである。
縦型円筒容器10内の液面調整は、上限値L1と下限値L2とをそれぞれ超えない範囲で行われる。そのため、上限値L1と下限値L2との間には上変換点L3と下変換点L4とが設定され、この値を基準に破砕機30やコンベア40の駆動制御が行われる。
ここで、図3は破砕機を上方から見た断面図である。この破砕機30は、複数のベール50(図2参照)を入れることができる大きさの箱形容器31の中に、2本の回転軸32,32が軸支されている。各回転軸32,32には複数の回転刃33,33が設けられ、軸方向に各回転刃33,33が交互に配置されている。回転軸32,32には回転伝達機構34が連結され、各回転刃33,33が互いに内側に回転するようになっている。回転刃33,33を回転させるための駆動手段には回転を加減速できるようにインバータドライブ方式がとられ、伝達機構34に電動モータ35が連結され、その電動モータ35にインバータ装置36が連結されている。
ところで、この破砕機30には箱形容器31内に複数のベール50が投入され、そのベール50は、シリンダなどによる不図示の押圧手段によって回転刃33,33側に押し付けられている。破砕機30は、ベール50が回転刃33,33に噛み込まれた状態で運転を停止させると、その噛み込み状態から再度運転する場合に非常に大きな起動力が必要になるため、連続式パルパー1を稼働させている間は連続運転させる。しかし、その一方で常に一定量の破砕済紙料51が縦型円筒容器10内に供給されると、溶液の量に対して破砕済紙料51が多くなりすぎてしまい、目標とする濃度(18〜20パーセント)の紙料スラリを作ることができなくなってしまう。
そこで、本実施形態では、連続式パルパー1から排出される紙料スラリの濃度が18〜20パーセントになるように濃度管理を行うべく、図2に示す連続式パルパー1への紙料供給装置が構成されている。
紙料供給装置は、縦型円筒容器10内の溶液の量に対する破砕済紙料51の割合が適量になるようにしたものである。具体的には、縦型円筒容器10内の液面高さに応じ、破砕機30から放出される破砕済紙料51の量と、コンベア40による破砕済紙料51の移送速度を調整することとしたものである。特に本実施形態では、コンベア40上の破砕済紙料51の分布が均等になるようにしている。
次に、連続式パルパー1および紙料供給装置の作用について説明する。
本実施形態の連続式パルパー1は、底部に形成された縦型円筒容器10の取出口13から所定濃度の紙料スラリが連続して吐出される。そして、紙料スラリの吐出によって縦型円筒容器10内部の溶液と破砕済紙料51が減少するため、吐出量に応じて溶液や破砕済紙料51が適宜供給され、縦型円筒容器10内の液面が常に一定の高さ範囲で変動するようにして運転される。すなわち、縦型円筒容器10内の液面の高さが図2示す上限値L1と下限値L2との間を上下するようにして紙料スラリが作られていく。
供給口12から投入された破砕済紙料51は、縦型円筒容器10内の溶液に溶け込み、パルピングロータ−17によって下方へ誘導される。この段階では破砕済紙料51のままの塊として存在しているものもあるが、パルピングロータ−17には切欠きが形成されて1ピッチ未満になっているため、塊はその切欠部から下方へと落ちていく。一方、縦型円筒容器10の底部では前述したように紙料スラリがスクリューフィーダ19によって取出口13から吐出されるため、上から供給された破砕済紙料51は、順に縦型円筒容器10内を底に向かって沈んでく。そして、下降するに従って刃数の多くなる下段のロータ−18によって破砕済紙料51の離解が徐々に進んでいく。
ロータ−18は回転速度が遅く平面的な撹拌となるため、そのままでは溶液内の紙料がかき回されてできた回転方向の流れに乗ってしまう。しかし、縦型円筒容器10の内側壁に付設された垂直リブ21や水平リブ22によって紙料の流動が阻止されるのでロータ−18との連れ回りが防止される。なお、ロータ−18は刃数が上段では少ないので未離解な状態であっても下方への移動がスムーズであり、その一方で下段のロータ−18では刃数が多くなっているので撹拌力が増加し、均質な紙料スラリが作られることになる。また、下段では撹拌力が大きいので離解繊維に付着しているインク粒子を分離する能力も大きくなる。
供給口12から投入された紙料は、こうして撹拌によって溶液内で離解しながら縦型円筒容器10内を下降し、水分中の濃度が18〜20パーセント程の均質な紙料スラリとなって取出口13から吐出される。なお、紙料によって縦型円筒容器10内に滞留する時間を制御する必要があるときは、スクリューフィーダ19の回転数を落とすことによって単位時間当たりに吐出される紙料スラリの量を減少させることができる。そして、排出された紙料スラリは、その後、更に1〜4パーセントに濃度が薄められ、セパレータ23により異物の除去が行われて後続の処理工程へと搬送される。
次に、本実施形態の紙料供給装置では、縦型円筒容器10内の液面高さに応じてコンベア40の搬送速度と、破砕機30の回転刃33,33の回転速度が制御される。コンベア40では、可変速電動機42に駆動信号が送られ、回転数が調節されて搬送速度が決められる。一方、破砕機30では、インバータ装置36へ駆動信号が送られ、コンベア40の搬送速度に応じて回転刃33,33の回転速度が調節される。そして、その回転速度に応じた量の破砕済紙料51がコンベア40上に放出される。従って、コンベア40の搬送速度に応じて単位時間当たりの破砕量が切り換えられ、コンベア40上に搭載された破砕済紙料51の搭載量の分布がほぼ均一になる。このとき、縦型円筒容器10内への破砕済紙料51の投入量は、コンベア40の搬送速度によって確認される。
コンベア40上の破砕済紙料51の搭載状態は、ベルトスケール43によって計測され、例えば図4に示すようにコンベア40上の破砕済紙料51の搭載量の分布が分布管理データとして次のようにして求められる。すなわち、制御装置46では、ベルトスケール43の取付位置からコンベア終端までの区間長さをLとし、シフトレジスタがサポートする計測重量の個数をnとすると、パルスカウンタが距離L/nに相当するパルス数を計数する。シフトレジスタがこのパルスカウンタの信号を受けて計測重量を取り込んで記憶し、こうしてシフトレジスタに間隔L/nごとの計測重量W1〜Wnが格納される。
制御装置46では、この計測重量W1〜Wnによってコンベア40上を送られる破砕済紙料51の搭載量の分布が計測される。そして、こうして求められた搭載量の分布が目標とする値でほぼ均一になっているかが確認され、ズレが有る場合には制御装置46からインバータ装置36へ駆動信号が送られ、回転刃33,33の回転速度が調節される。
こうした本実施形態の紙料供給装置では、具体的には次のように縦型円筒容器10内の液面調節が行われる。
連続式パルパー1では、縦型円筒容器10内には溶液が入れられ、そこにコンベア40から破砕済紙料51が投入される。液面レベルセンサ45は、縦型円筒容器10内の液面を計測し、その計測信号が制御装置46へ逐次送られている。液面レベルセンサ45からの計測信号を受け取った制御装置46では、縦型円筒容器10内の液面変化が確認される。そして、液面が上変換点L3にまで達すると、液面が下がるように破砕済紙料51の投入量を減少させ、逆に液面が下変換点L4まで下がると破砕紙料51の投入量を増加させるように、コンベア40及び破砕機30の駆動調整が行われる。
そこで、液面が上変換点L3の位置に達したことが制御装置46で検出されると、制御装置46からコンベア40の可変速電動機42に低速駆動信号が送られ、回転数を落として搬送速度が低下する。同時に、制御装置46から破砕機30にも低速駆動信号が送られ、回転刃33,33の回転速度が落とされる。従って、破砕機30における単位時間当たりの破砕量はコンベア40の搬送速度に応じて減少し、ベルト41の上には破砕済紙料51がそれまでと変わらず、搭載量の分布をほぼ均一にして送られる。そして、搬送速度の低下によって縦型円筒容器10へ投入される破砕済紙料51の単位時間当たりの供給量は減少する。
連続式パルパー1は、前述したようにパルピングロータ−17及びロータ−18の回転によって破砕済紙料51が撹拌され、溶液中に離解して均質な紙料スラリが作られる。このとき、破砕済紙料51の供給よりも取出口13から紙料スラリを吐出する処理能力の方が大きいため、液面は徐々に低下していく。
そこで次に、液面レベルセンサ45からの計測信号によって液面が下変換点L4まで下がったことが制御装置46で検出されると、制御装置46からコンベア40の可変速電動機42へ高速駆動信号が送られ、同時に破砕機30のインバータ装置36にも高速駆動信号が送られる。
そのため、破砕機30における単位時間当たりの破砕量はコンベア40の搬送速度に応じて増加し、ベルト41の上には破砕済紙料51がそれまでと変わらず、搭載量の分布がほぼ均一な状態で送られる。そして、搬送速度の増加により、縦型円筒容器10へ投入される破砕済紙料51の単位時間当たりの供給量が増加することになる。縦型円筒容器10内では、こうして加えられた溶液と破砕済紙料51によって液面が上昇する。
なお、縦型円筒容器10への溶液の供給は、破砕済紙料51の投入に応じて行われる。また、仮に縦型円筒容器10内の液面が上限値L1を越えてしまったり、下限値L2を下回ったりした場合には、連続式パルパー1の駆動停止の他、溶液の供給や破砕済紙料51の投入も停止させる。
よって、本実施形態の紙料供給装置によれば、コンベア40の搬送速度に合わせて破砕機30で破砕された破砕済紙料51の放出量を調整し、ベルト41上の破砕済紙料51の搭載量の分布を均一にすることにより、連続式パルパー1へ破砕済紙料51を供給する際の投入量の管理が容易になった。そして、縦型円筒容器10内の液面高さに応じてコンベア40の搬送速度を制御し、破砕機30の回転刃33の回転を停止させることなく連続した破砕済紙料51の供給を可能とするとともに、液面変化による適時に定量の破砕済紙料51を供給することが可能になった。
また、本実施形態の紙料供給装置によれば、液面レベルセンサ45やベルトスケール43による計測と、その計測値に基づく制御装置46の制御とによる簡単な構成によって達成することができた。
更に、破砕機30の回転刃33,33を回転させる駆動手段としてインバータモータを使用したことにより、適切な回転速度で回転刃33,33を回転させることで、適量の破砕済紙料51を破砕して連続式パルパー1へ供給することができた。
次に、第2実施形態の紙料供給装置について説明する。図5は、本実施形態の紙料供給装置について示した概念図である。本実施形態の紙料供給装置も前記第1実施形態と同様にコンベア40上の破砕済紙料51の搭載量の分布をほぼ均一にするようにしたものである。
紙料供給装置は、連続式パルパー1の縦型円筒容器10と破砕機30との間にはコンベア40が配置され、破砕機30から放出されてコンベア40上に搭載された破砕済紙料51が縦型円筒容器10の供給口12へと送られるようになっている。
縦型円筒容器10の供給口12には、その上方に超音波距離計などの液面レベルセンサ45が設置されている。そして、液面レベルセンサ45は制御装置46に接続され、更にその制御装置46はコンベア40の可変速電動機42に接続されている。
制御装置46には、液面レベルセンサ45の計測信号に基づいて縦型円筒容器10内の液面高さを調節すべく、コンベア40の搬送速度を調節する液面制御プログラムが格納されている。すなわち、本実施形態でも縦型円筒容器10内の液面調整を、上限値L1と下限値L2との間を超えない範囲で行い、それぞれに上変換値L3と下変換値L4とが設定され、この値を基準にコンベア40の駆動調整が行われる。
本実施形態では、コンベア40上の破砕済紙料51の高さを一定にして搭載量の分布を均一にするためのローラ60が設けられている。破砕機30からは回転刃33,33が一定の速度で回転し、破砕済紙料51はコンベア40上へほぼ一定の割合で放出される。
そして、破砕機30から放出された破砕済紙料51はベルト41上に積み上げられ、縦型円筒容器10へと搬送される。その搬送途中では、ベルト41の上に配置されたローラ60が搬送方向とは逆向きに回転しており、搭載された破砕済紙料51は、そこを通ることでローラ60の下限値より高い分だけ掻き取られる。そのため、ローラ60後方では、破砕済紙料51の高さ、すなわち搭載量分布が均一に整えられる。従って、縦型円筒容器10へは破砕済紙料51が一定量ずつ投入される。
紙料供給装置では、液面レベルセンサ45が縦型円筒容器10内の液面を計測し、その計測信号が制御装置46へ逐次送られている。そして、液面レベルセンサ45からの計測信号を受け取った制御装置46では、縦型円筒容器10内の液面の変化が確認される。
縦型円筒容器10内には溶液が入れられ、そこにコンベア40から破砕済紙料51が投入される。そこで、液面が上変換点L3にまで達すると、液面が下がるように破砕済紙料51の投入量を減らし、逆に液面が下変換点L4まで下がると破砕紙料51の投入量を増やす。縦型円筒容器10への溶液の供給は、破砕済紙料51の投入に応じて行われる。
破砕済紙料51の投入量の調整は、コンベア40の搬送速度の調整によって行われ、それには制御装置46から可変速電動機42への駆動信号によって調整される。
本実施形態の紙料供給装置によれば、ローラ60によってベルト41上の搭載量の分布を均一にすることにより、連続式パルパー1へ破砕済紙料51を供給する際の投入量の管理が容易になった。そして、縦型円筒容器10内の液面高さに応じてコンベア40の搬送速度を制御することで、破砕機30の回転刃33の回転を停止させることなく連続した破砕済紙料51の供給を可能とするとともに、液面変化による適時に定量の破砕済紙料51を供給することが可能になった。
以上、本発明に係る紙料供給装置の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
前記第2実施形態では、コンベア40を水平状態に設置したが、これを例えば縦型円筒容器10側に高くなるように傾斜をつけるようにしてもよい。この場合、ローラ60によって掻き取られた余剰の破砕済紙料51が重力によって落下し、ローラ60に噛み込み難くなってより運転をスムーズに行えるようになる。
連続式パルパーの全体構成を示した図である。 連続式パルパーへ破砕済紙料を供給するための第1実施形態の紙料供給装置を示した概念図である。 破砕機を上方から見た断面図である。 ベルトスケールによって計測して得られるコンベア上の破砕済紙料の搭載量の分布管理データを示した図である。 連続式パルパーへ破砕済紙料を供給するための第2実施形態の紙料供給装置を示した概念図である。
1 連続式パルパー
10 縦型円筒容器
30 破砕機
33 回転刃
35 電動モータ
36 インバータ装置
40 コンベア
41 ベルト
42 可変速電動機
43 ベルトスケール
45 液面レベルセンサ
46 制御装置
50 ベール

Claims (8)

  1. 縦型円筒容器内で製造した紙料スラリを連続的に吐出する連続式パルパーに対して破砕済紙料を供給するための紙料供給装置において、
    一対の回転刃の間に入れられた紙料の塊であるベールを当該回転刃で砕いて破砕済紙料として下方に放出する破砕機と、その破砕機の下から前記連続式パルパーの供給口に前記破砕済紙料を搬送するコンベアと、前記破砕機とコンベアの駆動を制御する制御装置と、前記縦型円筒容器内の液面高さを計測して前記制御装置へその計測信号を送信する液面レベルセンサとを有し、
    前記制御装置が、縦型円筒容器内の液面高さに応じて、前記コンベアの搬送速度と前記破砕機の回転刃の回転速度とを、前記コンベア上に搭載された破砕済紙料の搭載重量の分布がほぼ均一になるように調整しながら制御するようにしたものであることを特徴とする紙料供給装置
  2. 請求項1に記載する紙料供給装置において、
    前記縦型円筒容器内の溶液の液面高さについて上変換点と下変換点とが設定され、
    前記制御装置は、前記液面レベルセンサからの計測信号に基づいて液面が上変換点と下変換点とに達したことを検出し、上変換点に達したことを検出した場合には前記コンベアの搬送速度を下げることともに前記破砕機の回転刃の回転速度を下げ、下変換点に達したことを検出した場合には前記コンベアの搬送速度を上げるとともに前記破砕機の回転刃の回転速度を上げるようにしたものであることを特徴とする紙料供給装置
  3. 請求項1又は請求項2に記載する紙料供給装置において、
    前記コンベア上に放出された破砕済紙料の搭載重量を検出するための搭載状態測定手段を有し、前記制御装置は、前記搭載状態測定手段から送られる計測信号に基づいてコンベア上における単位長さ当たりの搭載重量を算出し、その算出結果に基づいて前記破砕機の回転刃の回転速度を調整するようにしたものであることを特徴とする紙料供給装置
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載する紙料供給装置において、
    前記破砕機は、その回転刃をインバータモータによって回転させるものであることを特徴とする紙料供給装置
  5. 縦型円筒容器内で製造した紙料スラリを連続的に吐出する連続式パルパーに対して破砕済紙料を供給するための紙料供給装置において、
    一対の回転刃の間に入れられた紙料の塊であるベールを当該回転刃で砕いて破砕済紙料として下方に放出する破砕機と、その破砕機の下から前記連続式パルパーの供給口に前記破砕済紙料を搬送するコンベアと、そのコンベアの上方に配置され、コンベアに搭載された破砕済紙料のうち所定高さ以上のものを掻き取る掻取器と、前記破砕機の駆動を制御する制御装置と、前記縦型円筒容器内の液面高さを計測して前記制御装置へその計測信号を送信する液面レベルセンサとを有し、前記制御装置は、縦型円筒容器内の液面高さに応じて前記コンベアの搬送速度を制御するようにしたものであることを特徴とする紙料供給装置
  6. 請求項5に記載する紙料供給装置において、
    前記縦型円筒容器内の溶液の液面高さについて上変換点と下変換点とが設定され、
    前記制御装置は、前記液面レベルセンサからの計測信号に基づいて液面が上変換点と下変換点とに達したことを検出し、上変換点に達したことを検出した場合には前記コンベアの搬送速度を下げ、下変換点に達したことを検出した場合には前記コンベアの搬送速度を上げるようにしたものであることを特徴とする紙料供給装置
  7. 請求項5又は請求項6に記載する紙料供給装置において、
    前記掻取器は、その下側が前記コンベアの搬送方向とは反対側に回転するようにしたローラであることを特徴とする紙料供給装置
  8. 請求項5乃至請求項7のいずれかに記載する紙料供給装置において、
    前記コンベアは、前記破砕機から縦型円筒容器にかけて高くなるように傾斜をつけて配置されたものであることを特徴とする紙料供給装置
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