JP4346198B2 - フルベン誘導体の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、フルベン誘導体の製造方法に関し、特に、2,3,4,5−テトラ置換フルベン誘導体の製造方法に関する。
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
フルベン誘導体、特に、1−アルキリデン−2,3,4,5−四置換−2,4−ジエニリデンカルボン酸エステルは、アミノ化することにより、容易に、N−[2−(2,3,4,5−四置換−シクロペンタ−2,4−ジエン−1−イル)]エチル−N−アルキルアミンに変換することができる。そして、N−[2−(2,3,4,5−四置換−シクロペンタ−2,4−ジエン−1−イル)]エチル−N−アルキルアミンは、ポリオレフィン等の重合触媒に用いる配位子として、近年、注目を浴びている。たとえば、N−[2−(2,3,4,5−四置換−シクロペンタ−2,4−ジエン−1−イル)]エチル−N−アルキルアミンのシクロペンタジエニル基の置換基を修飾することにより、重合触媒の反応性が変化し、得られるポリマーの物性が変化することが期待される。従って、N−[2−(2,3,4,5−四置換−シクロペンタ−2,4−ジエン−1−イル)]エチル−N−アルキルアミン又はその前駆物質について、置換基を様々に修飾したいというニーズがある。
従来、フルベンに置換基を導入する際には、置換基による配向性の相違を利用して、目標化合物ごとに最適な合成スキームを検討することが求められていた。
しかし、このような伝統的な有機合成の手法では、フルベンに導入する置換基が多くなればなるほど、合成経路が長くなり、収率が低下した。
従って、四置換フルベンのような多置換フルベンを選択的、かつ、一段階の反応で得ることが所望された。
そこで、本発明は、パラジウムを含む触媒を用いた新規な反応により、フルベン誘導体の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
本発明では、下記式(Ia)、(Ib)、(Ic)若しくは(Id)で示されるフルベン誘導体又はこれらの混合物の製造方法であって、
【化4】
(式中、R1及びR2は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、水素原子又はハロゲン原子を含む置換基を有していてもよいC1〜C20炭化水素基であり、ただし、R1及びR2は、互いに架橋してC4〜C20飽和又は不飽和環を形成してもよく、前記飽和又は不飽和環は、酸素原子で中断されていてもよく、かつ、置換基を有していてもよい。)
パラジウムを含む触媒、及び、銀イオンを含む銀塩又はテトラアリールボレートを含むボレート塩の存在下、
下記式(II)で示されるアルキンを、
【化5】
(式中、R1及びR2は、上記の意味を有する。)
下記式(III)で示されるアルケンと
【化6】
(式中、Aは、ハロゲン原子を含む置換基を有していてもよいC1〜C20炭化水素基;ハロゲン原子を含む置換基を有していてもよいC1〜C20アルコキシカルボニル基;ハロゲン原子を含む置換基を有していてもよいC6〜C40アリールオキシカルボニル基;又はシアノ基であり、
Xは、脱離基を示す。)
反応させることを特徴とするフルベン誘導体の製造方法が提供される。
本発明において、前記触媒が、パラジウムイオンを含む塩、又は、パラジウム錯体であって、前記パラジウム錯体は、少なくとも一つの低級アルキルカルボニルオキシ基、若しくは、ホスフィンが配位子としてパラジウム金属に結合していることが好ましい。また、前記銀塩若しくは前記ボレート塩の対イオンとして、又は、その他の塩の負イオンとして、炭酸イオンが共存していることが好ましい。
本発明において、R1及びR2は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、C1〜C20アルキル基、C2〜C20アルケニル基、C2〜C20アルキニル基、C3〜C20アリル基、C4〜C20アルキルジエニル基、C4〜C20ポリエニル基、C6〜C38アリール基、C6〜C20アルキルアリール基、C6〜C20アリールアルキル基、C4〜C20シクロアルキル基、C4〜C20シクロアルケニル基、(C3〜C10シクロアルキル)C1〜C10アルキル基であることが好ましい。また、R1及びR2が同一の基であることが好ましい。
【発明の実施の形態】
本発明では、下記式(Ia)、(Ib)、(Ic)若しくは(Id)で示されるフルベン誘導体又はこれらの混合物が合成される。
【化7】
(式中、R1及びR2は、上記意味を表す。)
R1及びR2は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、水素原子又はハロゲン原子を含む置換基を有していてもよいC1〜C20炭化水素基であり、水素原子又はハロゲン原子を含む置換基を有していてもよいC1〜C10炭化水素基であることが好ましい。
本明細書では、C1〜C20炭化水素基は、飽和若しくは不飽和の非環式であってもよいし、飽和若しくは不飽和の環式であってもよい。C1〜C20炭化水素基が非環式の場合には、線状でもよいし、枝分かれでもよい。C1〜C20炭化水素基には、C1〜C20アルキル基、C2〜C20アルケニル基、C2〜C20アルキニル基、C3〜C20アリル基、C4〜C20アルキルジエニル基、C4〜C20ポリエニル基、C6〜C18アリール基、C6〜C20アルキルアリール基、C6〜C20アリールアルキル基、C4〜C20シクロアルキル基、C4〜C20シクロアルケニル基、(C3〜C10シクロアルキル)C1〜C10アルキル基などが含まれる。
C1〜C20アルキル基、C2〜C20アルケニル基、C2〜C20アルキニル基、C3〜C20アリル基、C4〜C20アルキルジエニル基、及び、C4〜C20ポリエニル基は、それぞれ、C1〜C10アルキル基、C2〜C10アルケニル基、C2〜C10アルキニル基、C3〜C10アリル基、C4〜C10アルキルジエニル基、及び、C4〜C1 0ポリエニル基であることが好ましい。
C6〜C18アリール基、C6〜C20アルキルアリール基、C6〜C20アリールアルキル基、C4〜C20シクロアルキル基、及び、C4〜C20シクロアルケニル基は、それぞれ、C6〜C10アリール基、C6〜C12アルキルアリール基、C6〜C12アリールアルキル基、C4〜C10シクロアルキル基、及び、C4〜C10シクロアルケニル基が好ましい。
本発明の実施において有用なアルキル基の例には、制限するわけではないが、メチル、エチル、プロピル、n−ブチル、t−ブチル、ドデカニル、トリフルオロメチル、ペルフルオロ−n−ブチル、2,2,2−トリフルオロエチル、ベンジル、2−フェノキシエチル等がある。
本発明の実施において有用なアリール基の例には、制限するわけではないが、フェニル、2−トリル、3−トリル、4−トリル、ナフチル、ビフェニル、4−フェノキシフェニル、4−フルオロフェニル、3−カルボメトキシフェニル、4−カルボメトキシフェニル等がある。
C1〜C20炭化水素基には、ハロゲン原子を含む置換基が導入されていてもよく、この置換基としては、例えば、ハロゲン原子、シリル基、水酸基、アミノ基、低級アルコキシ基などが挙げられる。
シリル基の例には、制限するわけではないが、トリメチルシリル、ジメチルフェニルシリル、メチルジフェニルシリル、トリフェニルシリル、ジメチルエチルシリル、メチルメトキシフェニルシリル、メチルエチルフェノキシシリル等が挙げられる。
アミノ基としては、制限するわけではないが、アミノ(−NH2)、ジメチルアミノ、メチルアミノ、メチルフェニルアミノ、フェニルアミノ等がある。
ただし、R1及びR2は、互いに架橋してC4〜C20飽和又は不飽和環を形成してもよい。即ち、本発明では、フルベン誘導体中の5員環は、他の飽和又は不飽和環と縮合していてもよい。フルベン誘導体には、インデン誘導体等の二環式化合物、フルオレン誘導体等の三環式化合物等が含まれる。
これらの置換基が形成する環は、4員環〜16員環であることが好ましく、4員環〜12員環であることが更に好ましい。この環は、芳香族環であってもよいし、脂肪族環であってもよい。この環には、C1〜C20炭化水素基、C1〜C20アルコキシ基、C6〜C20アリールオキシ基、アミノ基、水酸基又はシリル基などの置換基が導入されていてもよい。アミノ基、シリル基については前述の通りである。
前記飽和または不飽和環は、酸素原子で中断されていてもよい。即ち、前記飽和または不飽和環はヘテロ環であってもよい。ヘテロ環としては、たとえば、フラン、ピロール、ベンゾフラン、インドール、ピラン、クロメンが挙げられる。
本発明では、R1及びR2が同一の基であることが好ましい。対称なアルキンを用いた場合には、収率が向上するからである。
本発明では、下記式(II)で示されるアルキンが用いられる。
【化8】
(式中、R1及びR2は、上記の意味を有する。)
本発明では、下記式(III)で示されるアルケンが用いられる。
【化9】
Aは、ハロゲン原子を含む置換基を有していてもよいC1〜C20炭化水素基;ハロゲン原子を含む置換基を有していてもよいC1〜C20アルコキシカルボニル基;ハロゲン原子を含む置換基を有していてもよいC6〜C20アリールオキシカルボニル基;又はシアノ基である。Aは、ハロゲン原子を含む置換基を有していてもよいC1〜C20炭化水素基;ハロゲン原子を含む置換基を有していてもよいC1〜C20アルコキシカルボニル基又は;ハロゲン原子を含む置換基を有していてもよいC6〜C20アリールオキシカルボニル基であることが好ましく、ハロゲン原子を含む置換基を有していてもよいC1〜C20炭化水素基であることが更に好ましい。
Aは、ハロゲン原子を含む置換基を有していてもよいC1〜C10炭化水素基;ハロゲン原子を含む置換基を有していてもよいC1〜C10アルコキシカルボニル基又は;ハロゲン原子を含む置換基を有していてもよいC6〜C10アリールオキシカルボニル基であることが好ましく、ハロゲン原子を含む置換基を有していてもよいC1〜C10炭化水素基であることが更に好ましい。
本発明の実施において有用なアルコキシカルボニル基の例には、制限するわけではないが、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、2−メトキシエトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル等がある。
本発明の実施において有用なアリールオキシカルボニル基の例には、制限するわけではないが、フェノキシカルボニル、ナフトキシカルボニル、フェニルフェノキシカルボニル、4−メチルフェノキシカルボニル等がある。
C1〜C20炭化水素基、C1〜C20アルコキシカルボニル基、C6〜C20アリールオキシカルボニル基には、ハロゲン原子を含む置換基が導入されていてもよい。
下記式に示される結合は、シス型又はトランス型の結合を示す。
【化10】
Xは、脱離基である。F、Cl、Br、Iのようなハロゲン原子、p−トルエンスルホニルオキシ基等が挙げられ、Br、Iが特に好ましい。
本発明では、パラジウムを含む触媒、及び、銀イオンを含む銀塩又はテトラアリールボレートを含むボレート塩の存在下、上記式(II)で示されるアルキンと、(III)で示されるアルケンとを反応させる。
パラジウムを含む触媒は、パラジウムイオンを含む塩、又は、パラジウム錯体であることが好ましい。塩の場合には、パラジウムと、塩酸、硫酸等の無機酸又はカルボン酸のような有機酸との塩であってもよい。たとえば、ハロゲン化パラジウム(II)のような金属塩であってもよい。
パラジウム錯体の場合には、4配位又は6配位であることが好ましい。配位子としては、ホスフィン、ホスファイト、アミン、ニトリル、又は、ハロゲン原子等を挙げることができる。配位子は、一座(unidentate)であってもよいし、2座(bidentate)、3座(terdentate)、又は、4座(tetradentate)であってもよい。
ホスフィンは、ジフェニルホスフィンのようなジアリールホスフィン、トリフェニルホスフィンのようなトリアリールホスフィン、トリエチルホスフィンのようなトリアルキルホスフィン、アルキルジアリールホスフィン、ジアルキルアリールホスフィン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタンのようなα,ω−ビス(ジアリールホスフィノ)アルカン、P,P,P‘,P’,P“,P”−ヘキサフェニル−トリスエチレンテトラホスフィンのようなP,P,P‘,P’,P“,P”−六置換−トリスアルキレンテトラホスフィン等であってもよい。ホスファイトは、ホスフィンと同様である。
パラジウム錯体は、Pd(Q1)(Q2)(Q3)(Q4)(式中、Q1、Q2、Q3及びQ4は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、ホスフィン、ホスファイト、アミン、ハロゲン原子を含む置換基を有していてもよいC1〜C20アルキルカルボニルオキシ基、ハロゲン原子を含む置換基を有していてもよいC1〜C20アリールカルボニルオキシ基、ニトリル、又は、ハロゲン原子を示し、好ましくは、ホスフィン、アミン、ハロゲン原子を含む置換基を有していてもよいC1〜C20アルキルカルボニルオキシ基、ハロゲン原子を含む置換基を有していてもよいC1〜C20アリールカルボニルオキシ基、又は、ハロゲン原子を示し、ただし、Q1、Q2、Q3及びQ4の任意の2つ、3つ及び4つが、互いに架橋していてもよい。)であってもよい。ホスフィン、ホスファイト又はアミンについては、上述の通りである。パラジウム錯体としては、たとえば、Pd(O−C(=O)R)4(式中、Rはアルキル基又はアリール基であり、互いに架橋していてもよい。)、[PdX4]2-(Xはハロゲン原子である。)、テトラキス(トリアリールホスフィン)、PdCl2(2,2'-ビピリジン)等が挙げられる。
特に、パラジウム錯体は、少なくとも一つの低級アルキルカルボニルオキシ基、若しくは、ホスフィンが配位子としてパラジウム金属に結合しているものであることが好ましい。
パラジウム錯体の量は、アルケン(III)の0.0001−50重量%であり、好ましくは0.1−20重量%であり、更に好ましくは、0.5乃至10重量%である。
本明細書では、別段の定めがない限り、「低級」とは、1〜6個の炭素を含むことをいう。
銀イオンを含む銀塩としては、銀イオンと、塩酸、硫酸、炭酸等の無機酸又はカルボン酸のような有機酸との塩であってもよい。
テトラアリールボレートを含むボレート塩としては、テトラフェニルボレート塩、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート塩のようなテトラアリールボレート塩が挙げられる。ボレート塩の対イオンとしては、たとえば、ナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属イオン;カルシウムイオン等のアルカリ金属イオンのような無機イオンであってもよいし、テトラアルキルアンモニウムイオンのような有機イオンであってもよい。を挙げることができる。
銀塩若しくは前記ボレート塩の対イオンとして、又は、その他の塩の負イオンとして、炭酸イオンが共存していることが好ましい。
上記式(III)で示されるアルケン1モルに対し、銀塩又はボレート塩を0.1乃至10モル用いてもよく、0.2乃至5モル用いることが好ましく、0.5乃至3モル用いることが更に好ましく、0.8乃至2モル用いることが更になお好ましく、0.9乃至1.5モル用いることが特に好ましい。
本発明では、下記のスキームに示されるフルベン誘導体の製造方法が提供される。
【化11】
(式中、R1、R2、A及びXは前記の意味を有する。)
典型的には、上記式(II)で示されるアルキン、上記式(III)で示されるアルケン、パラジウムを含む触媒、及び銀塩若しくはテトラアリールボレートを含むボレート塩の溶液を攪拌する。これらの化合物を次々と添加してもよいし、同時に添加してもよい。即ち、添加する順序には制限がない。
上記式(II)のR1及びR2が同一の基でない場合であっても、組み合わせによっては、一つの異性体のみが主に得られる。
上記式(III)で示されるアルケン1モルに対し、上記式(II)で示されるアルキンを0.5乃至10モル用いてもよく、1乃至5モル用いることが好ましく、1.5乃至3モル用いることが更に好ましく、1.8乃至2.5モル用いることが更になお好ましく、1.9乃至2.2モル用いることが特に好ましい。
反応は、好ましくは−80℃乃至300℃の温度範囲で行われ、特に好ましくは0℃乃至150℃の温度範囲で行われる。圧力は、例えば、0.1バール乃至2500バールの範囲内で、好ましくは0.5バール乃至10バールの範囲内である。
溶媒としては、有機溶媒が好ましく用いられ、極性溶媒を用いても良い。極性溶媒としては、アセトニトリル等のニトリル類、ジメチルホルムアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、THF等の環状エーテル類が用いられる。また、ベンゼン等の芳香族を溶媒に用いても良い。
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。ただし、本発明は、下記の実施例に制限されるものではない。
すべての反応は、標準的なシュレンク技術を用いて、窒素雰囲気下で行われた。アセトニトリルは、市販のものをそのまま使用した。
1H-NMRおよび13C-NMRスペクトルは、Bruker ARX-400を用いて測定した。この時、25℃にて、重水素化クロロホルム(TMS1%含有)を内部標準とした。ガスクロマトグラフィーはSHIMADZU CBP1-M25-025 fused silica capillary columnを備えたSHIMADZU GC-14A gas chromatographで測定し、記録はSHIMADZU CR6A-Chromatopac integratorを用いた。GCにより収率を求めたときは適切な炭化水素を内部標準として用いた。
実施例1
メチル (2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタ−2,4−ジエニリデン)アセテート
Pd(OAc)2 (12 mg, 0.05 mmol)、メチル (Z)-3-ヨードプロペノアート (212 mg, 1 mmol)、2−ブチン(2 mmol)及び炭酸銀(275 mg, 1 mmol)のMeCN (5 mL)溶液を、20℃にて攪拌した。反応混合物は、抽出したEt2O (30 mL)で希釈し、濾過し、減圧下で濃縮した。シリカゲルを充填剤として、クロマトグラフィーを行い (95/5 ヘキサン/Et2O)、表題化合物を得た。暗赤色液体、105 mg (55%)。
1H NMR (CDCl3, Me4Si) δ 1.81 (s, 3H), 1.82 (s, 3H), 1.93 (s, 3H), 2.17 (s, 3H), 3.78 (s, 3H); 6.06 (s, 1H); 13C NMR (CDCl3, Me4Si) δ 9.23, 11.26, 11.41, 11.90, 51.63, 115.74, 122.25, 125.23, 140.12, 144.14, 154.44, 167.44; IR (neat) 1721, 1628 cm-1; Rf (95/5 ヘキサン/Et2O) = 0.47。
注:この化合物は、迅速に、環外二重結合を持ついくつかの化合物に異性化し (特徴的なシグナルは、4.8-5.6 及び108-115 ppm 領域に存在する) 、これらは更に重合して、取り扱いにくい物質となる。
実施例2
メチル (2,3,4,5−テトラエチルシクロペンタ−2,4−ジエニリデン)アセテート
実施例1と同様の手続きを行った。但し、2−ブチンの代わりに、3−ヘキシンを用いた。シリカゲルを充填剤として、クロマトグラフィーを行い(95/5 ヘキサン/Et2O) 、表題化合物を得た。暗赤色液体、191 mg (85%)。
1H NMR (CDCl3, Me4Si) δ 0.98 (t, J = 7.5 Hz, 3H), 1.03 (t, J = 7.6 Hz, 3H), 1.04 (t, J = 7.6 Hz, 3H), 1.05 (t, J = 7.6 Hz, 3H), 2.23 (q, J = 7.5 Hz, 2H), 2.25 (q, J = 7.5 Hz, 2H), 2.28 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 2.45 (q, J = 7.5 Hz, 2H), 3.78 (s, 3H); 6.09 (s, 1H); 13C NMR (CDCl3, Me4Si) δ 14.45, 14.56, 16.00, 16.57, 17.36, 18.75, 18.90 (2C), 51.65, 116.36, 129.19, 132.36, 145.06, 149.51, 151.93, 167.47; IR (neat) 1720, 1628 cm-1; HRMS 計算値C16H24O2 248.1776, 実験値248.1769; Rf (95/5 ヘキサン/Et2O) = 0.50。
実施例3
メチル (2,3,4,5−テトラプロピルシクロペンタ−2,4−ジエニリデン)アセテート
実施例1と同様の手順を行った。但し、2−ブチンの代わりに、4−オクチンを用いた。シリカゲルを充填剤として、クロマトグラフィーを行い(95/5 ヘキサン/Et2O)、表記化合物を得た。暗赤色液体、220 mg (73%)。
1H NMR (CDCl3, Me4Si) δ 0.87 (t, J = 7.3 Hz, 3H), 0.90 (t, J = 7.3 Hz, 3H), 0.93 (t, J = 7.3 Hz, 3H), 0.95 (t, J = 7.3 Hz, 3H), 1.24-1.46 (m, 8H), 2.13 -2.26 (m, 6H), 2.34-2.39 (m, 2H), 3.76 (s, 3H), 6.04 (s, 1H); 13C NMR (CDCl3, Me4Si) δ 14.31, 14.37, 14.52, 14.60, 23.22, 23.24, 24.81, 25.13, 26.59, 28.05, 28.21, 28.31, 51.74, 116.36, 128.02, 131.16, 144.18, 148.46, 152.35, 167.57; IR (neat) 1732, 1626 cm-1; HRMS 計算値C20H32O2 304.2402, 実験値304.2406; Rf (95/5ヘキサン/Et2O) = 0.66。
実施例4
メチル (2,3,4,5−テトラフェニルシクロペンタ−2,4−ジエニリデン)アセテート
実施例1と同様の手順を行った。但し、2−ブチンの代わりに、1,2−ジフェニルアセチレンを用いた。シリカゲルを充填剤として、クロマトグラフィーを行い (70/25/5 ヘキサン/CHCl3/Et2O)、表記化合物を得た。赤レンガ色の固体、318 mg (81%)。融点189-190℃。
1H NMR (CDCl3, Me4Si) δ 3.05 (s, 3H), 6.41 (s, 1H), 6.80-6.85 (m, 4H), 7.00-7.10 (m, 6H), 7.15-7.30 (m, 10H); 13C NMR (CDCl3, Me4Si) δ 51.47, 126.14, 126.60 126.91, 126.95, 127.03, 127.31 (2C), 127.40 (2C), 127.71 (2C), 128.06 (2C), 130.03 (2C), 130.06 (2C), 130.33 (2C), 131.10 (3C), 134.10, 134.46 (2C), 134.85, 135.78, 144.35, 147.51, 150.69, 167.07; IR (nujol) 1732, 1240, 698 cm-1; HRMS計算値C32H24O2 440.1776, 実験値 440.1790; Rf (70/25/5 ヘキサン/CHCl3/Et2O) = 0.61。
実施例5
エチル (2,3,4,5−テトラエチルシクロペンタ−2,4−ジエニリデン)アセテート
実施例1と同様の手順を行った。但し、メチル (Z)-3-ヨードプロペノアートの代わりに、エチル(Z)-3-ヨードプロペノアートを用いた。また、2−ブチンの代わりに、3−ヘキシンを用いた。シリカゲルを充填剤として、クロマトグラフィーを行い(95/5 ヘキサン/Et2O)、表題化合物を得た。暗赤色液体、228 mg (87%)。
1H NMR (CDCl3, Me4Si) δ 1.00 (t, J = 7.3 Hz, 3H), 1.05 (t, J = 7.5 Hz, 6H), 1.06 (t, J = 7.5 Hz, 3H), 1.34 (t, J = 7.6 Hz, 3H), 2.21-2.33 (m, 6H), 2.48 (q, J = 7.5 Hz, 2H), 4.26 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 6.09 (s, 1H); 13C NMR (CDCl3, Me4Si) δ 14.14, 14.47, 14.58, 16.12, 16.60, 17.33, 18.71, 18.85, 18.87, 60.76, 116.89, 129.14, 132.33, 144.89, 149.29, 151.34, 167.11; IR (neat) 1728, 1180 cm-1; 元素分析 計算値 C17H26O2 C: 77.82%, H: 9.99%. 実験値C: 77.78%, H: 10.07%. Rf (95/5 ヘキサン/Et2O) = 0.58。
実施例6
エチル (2,3,4,5−テトラフェニルシクロペンタ−2,4−ジエニリデン)アセテート
実施例1と同様の手順を行った。但し、メチル (Z)-3-ヨードプロペノアートの代わりに、エチル (Z)-3-ヨードプロペノアートを用いた。また、2−ブチンの代わりに、1,2−ジフェニルアセチレンを用いた。シリカゲルを充填剤として、クロマトグラフィーを行い(70/25/5 ヘキサン/CHCl3/Et2O)、表記化合物を得た。赤レンガ色固体、390 mg (85%)。融点178-180℃。
1H NMR (CDCl3, Me4Si) δ 0.85 (t, J = 7.2 Hz, 3H), 3.39 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 6.36 (s, 1H), 6.73-6.77 (m, 4H), 6.93-7.01 (m, 6H), 7.09-7.22 (m, 10H); 13C NMR (CDCl3, Me4Si) δ 13.61, 61.08, 126.63 (2C), 126.85, 126.90, 126.99, 127.30 (2C), 127.38 (2C), 127.67 (2C), 128.04 (2C), 130.03 (4C), 130.36 (2C), 130.97, 131.10 (2C), 134.09, 134.44 (2C), 134.89, 135.73, 144.20, 147.37, 150.02, 167.83; IR (nujol) 1726, 698 cm-1. 元素分析 計算値 C33H26O2 C: 87.20%, H: 5.77%. 実験値 C: 82.85%, H: 5.77%. Rf (70/25/5 ヘキサン/CHCl3/Et2O) = 0.63。
実施例7
ペンチリデンテトラフェニルシクロペンタジエン
実施例1と同様の手順を行った。但し、メチル (Z)-3-ヨードプロペノアートの代わりに、1−ヨード−1−ヘキセンを用いた。また、2−ブチンの代わりに、1,2−ジフェニルアセチレンを用いた。シリカゲルを充填剤として、クロマトグラフィーを行い(ヘキサン)、表題化合物を得た。橙色固体、219 mg (50%)。融点186-189℃。
1H NMR (CDCl3, Me4Si) δ 0.71 (t, J = 7.3 Hz, 3H), 1.05-1.15 (m, 2H), 1.18-1.1 (m, 2H), 2.00 (dt, J = 7.7, 7.3 Hz, 2H), 6.44 (t, J = 8.1 Hz, 1H), 6.82-6.90 (m, 4H), 6.96-7.06 (m, 6H), 7.16-7.30 (m, 10H); 13C NMR (CDCl3, Me4Si) δ 13.71, 22.44, 29.40, 31.65, 126.03, 126.12, 126.28, 126.50, 127.08 (2C), 127.22 (2C), 127.70 (4C), 130.18 (2C), 130.33 (2C), 130.70 (2C), 131.49 (2C), 131.53, 131.92, 134.95, 135.43, 135.61, 135.63, 138.19, 140.39, 144.42, 144.42 (2C) 146.86; IR (nujol) 1600, 700, cm-1.元素分析. 計算値 C34H30 C: 93.11%, H: 6.89%. 実験値C: 93.07%, H: 6.76%. Rf (ヘキサン) = 0.21。
実施例8
(2’,2’−ジメチルプロピリデン)テトラエチルシクロペンタジエン
実施例1と同様の手順を行った。但し、メチル (Z)-3-ヨードプロペノアートの代わりに、3,3−ジメチル−1−ヨード−1―ブテンを用いた。また、2−ブチンの代わりに、3−ヘキシンを用いた。シリカゲルを充填剤として、クロマトグラフィーを行い(ヘキサン)、表題化合物を得た。黄色液体、76 mg (62%)。
1H NMR (C6D6, Me4Si) δ 1.04-1.20 (m, 12 H), 1.27 (s, 9H), 2.27 (q, J = 7.5 Hz, 2H), 2.30 (q, J = 7.5 Hz, 2H), 2.39 (q, J = 7.5 Hz, 2H), 2.68 (q, J = 7.5 Hz, 2H), 6.30 (s, 1H); 13C NMR (C6D6, Me4Si) δ 15.10, 15.58, 17.06, 17.93, 18.45, 19.27, 19.49, 20.96, 32.50, 32.97, 134.84, 139.67, 143.20, 144.51, 147.94. Rf (ヘキサン) = 0.70。
実施例9
メチル (Z)―(2,4−ジフェニル−3,5−ジエチルシクロペンタ−2,4−ジエニリデン)アセテート
メチル (E)―(2,4−ジフェニル−3,5−ジエチルシクロペンタ−2,4−ジエニリデン)アセテート
メチル (3,4−ジフェニル−2,5−ジエチルシクロペンタ−2,4−ジエニリデン)アセテート、及び
メチル (2,5−ジフェニル−4,5−ジエチルシクロペンタ−2,4−ジエニリデン)アセテート
実施例1と同様の手順を行った。但し、2−プロピンの代わりに、1−フェニル−1−ブテンを用いた。シリカゲルを充填剤として、クロマトグラフィーを行い (95/5 ヘキサン/Et2O)、表題化合物を得た。暗赤色液体として、メチル (Z)―(2,4−ジフェニル−3,5−ジエチルシクロペンタ−2,4−ジエニリデン)アセテート及びメチル (E)―(2,4−ジフェニル−3,5−ジエチルシクロペンタ−2,4−ジエニリデン)アセテートの6.8:1混合物を254 mg (74%)、メチル (3,4−ジフェニル−2,5−ジエチルシクロペンタ−2,4−ジエニリデン)アセテート及びメチル (2,5−ジフェニル−4,5−ジエチルシクロペンタ−2,4−ジエニリデン)アセテートの4:1混合物を30mg (9%) 得た。
メチル (Z)―(2,4−ジフェニル−3,5−ジエチルシクロペンタ−2,4−ジエニリデン)アセテート
1H NMR (CDCl3, Me4Si) δ 0.67 (t, J = 7.5 Hz, 3H), 0.98 (t, J = 7.5 Hz, 3H), 2.19 (q, J = 7.5 Hz, 2H), 2.48 (q, J = 7.5 Hz, 2H), 3.78 (s, 3H), 6.07 (s, 1H), 7.15-7.44 (m, 10 H); 13C NMR (CDCl3, Me4Si) δ 13.69, 16.09, 19.45, 19.85, 51.83, 122.46, 126.74, 126.88, 128.03 (2C), 128.14 (2C), 128.78 (2C), 130.76 (2C), 132.57, 132.61, 134.72, 136.08, 147.40, 147.97, 152.01, 167.37。
メチル (E)―(2,4−ジフェニル−3,5−ジエチルシクロペンタ−2,4−ジエニリデン)アセテート
1H NMR (CDCl3, Me4Si) δ 1.02 (t, J = 7.5 Hz, 3H), 1.16 (t, J = 7.5 Hz, 3H), 2.42 (q, J = 7.5 Hz, 2H), 2.57 (q, J = 7.5 Hz, 2H), 3.86 (s, 3H), 6.44 (s, 1H), 7.15-7.44 (m, 10 H); 13C NMR (CDCl3, Me4Si) δ 15.25, 16.86, 17.91, 51.96, 120.19, 126.79, 127.75 (2C), 129.04 (2C), 129.24 (2C), 135.34, 135.41, 143.97, 147.77, 151.13, 167.22, 他のシグナルは、実施例10bにより網羅されている。IR (neat) 1730, 1630, 1018, 702 cm-1. HRMS 計算値C24H24O2 344.1776,実験値 344.1775. Rf (95/5 ヘキサン/Et2O) = 0.47。メチル (3,4−ジフェニル−2,5−ジエチルシクロペンタ−2,4−ジエニリデン)アセテート
1H NMR (CDCl3, Me4Si) δ 1.05 (t, J = 7.5 Hz, 3H), 1.07 (t, J = 7.5 Hz, 3H), 2.34 (q, J = 7.5 Hz, 2H), 2.38 (q, J = 7.5 Hz, 2H), 2.98 (s, 3H), 6.00 (s, 1H); 7.15-7.40 (m, 10H); 13C NMR (CDCl3, Me4Si) δ 14.44, 14.60, 19.33, 19.45, 51.20, 122.31, 126.39, 126.97, 127.83 (2C), 128.05 (2C), 129.62 (2C), 130.59 (3C), 133.69, 134.64, 136.68, 146.54, 150.57, 151.79, 167.30。
メチル (2,5−ジフェニル−4,5−ジエチルシクロペンタ−2,4−ジエニリデン)アセテート
1H NMR (CDCl3, Me4Si) δ 0.65 (t, J =7.5 Hz, 3H), 1.08 (t, J =7.5 Hz, 3H), 2.20 (q, J =7.5 Hz, 2H), 2.32 (q, J =7.5 Hz, 2H), 3.02 (s, 3H), 6.36 (s, 1H), 7.15-7.40 (m, 10H); 13C NMR (CDCl3, Me4Si) δ 13.51, 16.66, 17.86, 19.61, 51.20, 120.11, 126.29, 127.81, 128.20 (2C), 128.73 (2C), 129.62 (2C), 130.59 (3C), 135.84, 136.07, 137.20, 143.95, 150.72, 151.23, 167.18. IR (neat) 1722, 1630, 1261, 702 cm-1. HRMS 計算値 C24H24O2 344.1776, 実験値344.1786. Rf (95/5ヘキサン/Et2O) = 0.35。
参考例1
(1Z)―ペンテン−1−イルテトラエチルシクロペンタジエン、
ペンチリデンテトラエチルシクロペンタジエン、及び1−ペンチリデン−2−エチリデンテトラエチルシクロペンタジエン
実施例1と同様の手続きを行った。但し、2−ブチンの代わりに、3−ヘキシンを用い、メチル(Z)−3−ヨードプロペノアートの代わりに1−ヨード−1−ヘキセンを用いた。シリカゲルを充填剤として、クロマトグラフィーを行い(ヘキサン)、表題化合物を得た。
ペンチリデンテトラエチルシクロペンタジエン:39 mg (32%) 黄色液体。
(1Z)―ペンテン−1−イルテトラエチルシクロペンタジエン及び1−ペンチリデン−2−エチリデンテトラエチルシクロペンタジエンの混合物: 30 mg (24%)、黄色液体。
(1Z)―ペンテン−1−イルテトラエチルシクロペンタジエン
1H NMR (CDCl3, Me4Si) δ 0.85-1.15 (m, 15H), 1.3-1.45 (m, 4H), 2.20-2.40 (m, 6H) 2.50 (q, J = 7.4 Hz, 2H), 2.56 (q, J = 7.5 Hz, 2H), 6.05 (t, J = 7.7 Hz, 1H); 13C NMR (CDCl3, Me4Si) δ 14.02, 15.21, 15.25, 16.15, 17.34, 17.62, 18.48, 18.81, 20.01, 22.62, 28.57, 32.30, 129.38, 132.18, 134.70, 140.21, 142.47, 14.22。
ペンチリデンテトラエチルシクロペンタジエン
1H NMR (CDCl3, Me4Si) δ 0.92 (t, J = 7.3 Hz, 3H), 1.00 (t, J = 7.6 Hz, 6H), 1.03 (t, J = 7.6 Hz, 6H), 1.3-1.5 (m, 2H), 2.01 (dd, J = 7.3, 7.3 Hz,. 2H), 2.1-2.3 (m, 8H), 3.36 (d, J = 9.7 Hz, 1H), 4.74 (ddt, J = 15.1, 9.7, 1.3, 1H), 5.60 (dt, J = 15.4, 6.6 Hz, 1H), 13C NMR (CDCl3, Me4Si) δ 13.57, 15.25 (2C), 15.39 (2C), 18.76 (2C), 19.70 (2C), 22.80, 34.40, 57.43, 129.40, 133.08, 140.75, 142.83。
1−ペンチリデン−2−エチリデンテトラエチルシクロペンタジエン
1H NMR (CDCl3, Me4Si) δ 0.57 (t, J = 7.4 Hz, 3H), 0.85-1.15 (m, 9H), 1.78 (d, J = 7.0 Hz, 3H), 1.3-1.45 (m, 2H), 1.45-1.55 (m, 2H), 2.1-2.3 (m, 8H), 3.51 (m, 1H), 5.21 (td, J = 7.3, 1.5 Hz, 1H), 5.30 (qd, J = 7.2, 1.5 Hz, 1H); 13C NMR (CDCl3, Me4Si) δ 7.74, 13.79, 13.83, 14.12, 14.53, 18.09 (2C), 22.56, 25.21, 28.88, 32.64, 41.53, 109.66, 116.19, 144.24, 144.32, 145.65, 147.29。
注:これらの化合物は、迅速に、更に反応を起こし、取り扱いにくい物質となる。このため、HMRS 及び IRの測定はできなかった。
結果を下記表に示す。
【表1】
収率aは、1H NMR収率を示す。単離収率はかっこ内に記載する。
b反応混合物は、更に15%の異性化生成物を含んでいた。
【発明の効果】
本発明の方法により、簡易にフルベン誘導体を得ることができる。
Claims (5)
- 下記式(Ia)、(Ib)、(Ic)若しくは(Id)で示されるフルベン誘導体又はこれらの混合物の製造方法であって、
パラジウムを含む触媒、及び、銀イオンを含む銀塩の存在下、下記式(II)で示されるアルキンを、
下記式(III)で示されるアルケンと
反応させることを特徴とするフルベン誘導体の製造方法。 - 前記触媒が、パラジウムイオンを含む塩、又は、パラジウム錯体であって、前記パラジウム錯体は、少なくとも一つの低級アルキルカルボニルオキシ基、若しくは、ホスフィンが配位子としてパラジウム金属に結合している、請求項1に記載のフルベン誘導体の製造方法。
- 前記銀塩の対イオンとして、又は、その他の塩の負イオンとして、炭酸イオンが共存している請求項1又は2に記載のフルベン誘導体の製造方法。
- R1及びR2は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、C1〜C20アルキル基、C2〜C20アルケニル基、C2〜C20アルキニル基、C3〜C20アリル基、C4〜C20アルキルジエニル基、C4〜C20ポリエニル基、C6〜C38アリール基、C6〜C20アルキルアリール基、C6〜C20アリールアルキル基、C4〜C20シクロアルキル基、C4〜C20シクロアルケニル基、(C3〜C10シクロアルキル)C1〜C10アルキル基である請求項1、2又は3に記載のフルベン誘導体の製造方法。
- R1及びR2が同一の基である請求項1〜4の何れかに記載のフルベン誘導体の製造方法。
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