JP4346068B2 - 触媒活性化装置 - Google Patents
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Description
請求項1記載の発明は、ガス処理用の触媒を短時間に活性化させるために被処理ガスの流通空間にて放電によって非平衡性プラズマを発生させ、カソードグローによる発熱をさせる放電手段と、その放電手段における放電場中または放電場の下流に配置された触媒手段とを備えた触媒活性化装置に係る。
前記の放電手段は、 前記の金属メッシュによる1次グランド側電極と、 前記の触媒物質による2次グランド側電極と、 バイポーラパルスを発生させるバイポーラ高周波パルス電源と、 金属および誘電体からなる印加側電極とを備えて形成する。
その印加側電極は、当該印加側電極からグランド側電極に放電されるストリーマが、被処理ガスの流れ方向に対して平行に放電される位置であって、触媒手段に対して被処理ガスの上流側に配置する。
バイポーラ高周波パルス電源が複数パルスを印加する。印加側電極は、当該印加側電極からグランド側電極に放電されるストリーマが、被処理ガスの流れ方向に対して平行に放電される位置であって、触媒手段に対して被処理ガスの上流側に配置されているので、ストリーマ先端部が直接、触媒における入口側の表面に放電される。
ストリーマ先端部の電解強度は、ストリーマbodyの約10倍である。触媒反応を促進させる一酸化窒素ラジカル(NO・)や水酸基ラジカル(OH・)が発生するために必要な電解強度はストリーマ先端部で維持される。このストリーマ先端部が触媒入口表面に均一に放電されることにより、触媒の低温活性現象が起こる。これに加えて、1次グランド側電極として触媒入口表面に近接して金属メッシュグランド電極が配置されている。金属メッシュグランド電極に放電された、ストリーマ先端部の電解強度により金属メッシュグランド電極に電磁誘導が生じカソードグローが発生する。発生したカソードグローは、印加側電極および触媒物質による2次側グランド電極に放電を起こすことにより、通常、低温プラズマ放電では起こりえない、処理ガス温度の急上昇が発生する。
通常低温プラズマ放電のグランド側電極は、通過する処理ガスに対して垂直に設置されている。これは、グランド電極に発生したカソードグローを抑えるための配置である。空冷もしくは水冷でグランド電極を冷却することによりカソードグローの発生を抑え、アーク放電を起こさないようにしている。
上記、配列電極ではカソードグローが2方向に分散することにより、アーク放電が発生しづらい。くわえて、電力が定められた値を超えた際には、過電流防止機構が電源出力回路を瞬停止させる。そのため、カソードグローの印加側電極への放電が消え、アーク放電とはならない。したがって、アーク放電の原因となるカソードグローを利用した急激な温度上昇が可能となる。
以上のことから、放電手段が被処理ガスの流通空間にて放電によって低温プラズマ(非平衡性プラズマ)を発生させることにより、カソードグローによってガス処理用の触媒を短時間に発熱および低温活性させることができる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の触媒活性化装置を限定したものである。
すなわち、バイポーラ高周波パルス電源が印加する複数のパルスは、パルス幅を12.5〜100μsecとし、周期を0.625〜5μsecとし、周波数を10〜80KHzとなるようにしたことを特徴とする。
パルス幅は、12.5μsecよりも小さくするとアーク放電となり、100μsecよりも大きくするとカソードグローが発生しなく(発熱しない)なってしまった。
また、周期は、0.625μsecよりも小さくするとアーク放電となり、5μsecよりも大きくするとカソードグローが発生しなく(発熱しない)なってしまった。
また、周波数は、10KHzよりも小さくするとカソードグローが発生せず、そのために発熱しなくなった。一方、80KHzよりも大きくするとアーク放電となってしまい、これまた発熱しなくなった。
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の触媒活性化装置を限定したものである。
すなわち、金属メッシュが、その開口率を金属メッシュ外形寸法面積の50〜90%であることを特徴とする触媒活性化装置に係る。
なお、金属メッシュの材質は、SUS303,SUS304,SUS316などの鋼材、チタニウム、A5052等が好ましいことが、実験にて把握できた。
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の触媒活性化装置を限定したものである。
すなわち、印加側電極とグランド側電極との間隔を、1〜10mmとなるように配置したことを特徴とする触媒活性化装置に係る。
請求項5記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の触媒活性化装置を限定したものである。
すなわち、印加側電極は、各電極間の間隔を3〜20mmとするとともに、触媒手段との間隔を3〜12mm(最適値4〜6mm)としたことを特徴とする触媒活性化装置に係る。
請求項6記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれかに記載の触媒活性化装置を限定したものである。
すなわち、触媒物質につき、白金、パラジウム、酸化マンガンのいずれかを主材とする。
また、処理ガス上流側端面から触媒内部方向に向かってカーボン系塗料または導電性塗料が0.1μm以上塗布し、ディプコートまたはスパッタリング蒸着を施す。そして、塗膜厚さが0.01〜250μmとなるように形成したことを特徴とする。
また、塗膜厚さは、塗膜形成方法による以下の数値が最適値であることが把握できた。すなわち、スパッタリング蒸着が0.01〜1μm、ディプコート0.1〜20μm、塗布1〜50μmであった。
請求項7記載の発明は、請求項1から請求項6のいずれかに記載の触媒活性化装置を限定したものである。
すなわち、 バイポーラ高周波パルス電源の過電流防止機構は、当該バイポーラ高周波パルス電源から供給された電力が3kwを瞬時に超えた場合には、電源出力回路を瞬時に停止させることとした触媒活性化装置に係る。
前記セラミックハウジングのリング内は、複数の内部電極棒を平行に渡し、その内部電極棒の両端部は、セラミックハウジングのリング外周へ突出するようにしている。更に、その内部電極棒と前記パンチングメタルとの間には高電圧をかけることとしている。
また、前記の放電手段は、前記のパンチングメタルによる1次グランド側電極と、前記の触媒物質による2次グランド側電極と、バイポーラパルスを発生させるバイポーラ高周波パルス電源と、金属および誘電体からなる印加側電極とを備えて形成する。触媒物質を2次グランド側電極とすることで、装置全体をコンパクト化する。
なお、自動車のバッテリーを電源とする本実施形態では、昇圧回路にて50〜120kvに昇圧し、その高電圧を用いて電極へ印加し、グランド電極を介してグランドへアースすることとしている。
パルス幅については、12.5μsecよりも小さくするとアーク放電となり、100μsecよりも大きくするとカソードグローが発生せず、発熱しない。周期については、0.625μsecよりも小さくするとアーク放電となり、5μsecよりも大きくするとカソードグローが発生せず、発熱しない。周波数については、10KHzよりも小さくするとカソードグローが発生せず、そのために発熱しなくなった。一方、80KHzよりも大きくするとアーク放電となってしまい、これまた発熱しなくなった。
また、材質については、チタニウム、A5052なども用いることができることを実験にて確認したが、SUS303,SUS304,SUS316などの鋼材が比較的安価で、好ましい。
炭素を塗布した触媒とは、カーボン系塗料を塗布することで導電性をも確保できるように形成している。その塗布厚さは、10〜50μmである。
図2においては、矢印によって、誘電体電極から金属メッシュに向かってストリーマが発生し、金属メッシュから炭素を塗布した触媒に向かってストリーマが発生し、炭素を塗布した触媒から触媒に向かってストリーマが発生する様子を示す。
このストリーマは、被処理ガスの流れ方向と平行である。
図3[A]では、誘電体電極についてプラスマイナスを交互に配置した場合を示している。この場合には、印加側誘電体電極(+)からグランド側誘電体電極(−)へ放電が起き、処理ガスの通過にともないストリーマが触媒へ放電される。この形態では金属メッシュ1次グランド電極および炭素塗布を施した2次グランド電極がなくても放電が可能である。
図3[B]では、誘電体とパンチングメタル(金属メッシュ)との放電現象を示す。この場合には、誘電体電極の各々からストリーマが釣鐘状の形態で金属メッシュ1次グランド電極に向けて放電されることにより金属メッシュ1次グランド電極全面に放電が起こり、その後、炭素塗布を施した2次グランド電極へ金属メッシュ電極より放電が発生する。
図3[C]では、誘電体電極についてプラスとし、格子状の金属メッシュをグランド側としてマイナスとし、誘電体電極に対してちどり状の配置をした場合の放電現象を示す。この場合には、印加側誘電体電極(+)からグランド側金属メッシュ電極にV字状のストリーマが放電される。処理ガスの通過にともV字状のストリーマが乱れ、直接触媒に放電される。炭素塗布を施した2次グランド電極がなくても放電が可能である。
排気ガスは、20秒ほどで摂氏200度に達する。そして、本実施形態における触媒活性化装置を作動させていない場合には、いずれの箇所も100秒ほど経過しないと摂氏200度には達しない。
しかし、本実施形態における触媒活性化装置を作動させると、触媒の手前側においては35秒ほどで、触媒装置の内部は70秒ほどで摂氏200度に達している。すなわち、本実施形態における触媒活性化装置の作動によって、触媒が従来よりも素早く活性化するので、被処理ガスが未処理のまま排出される時間を短縮することに寄与することが確かめられた。
Claims (7)
- ガス処理用の触媒を短時間に活性化させるために被処理ガスの流通空間にて放電によって非平衡性プラズマを発生させ、カソードグローによる発熱をさせる放電手段と、その放電手段における放電場中または放電場の下流に配置された触媒手段とを備えたプラズマ触媒活性化装置であって、
前記の触媒手段は、
表面にカーボン系塗料または導電性塗料を塗布した触媒物質と、
触媒物質および放電手段との間に配置する金属メッシュとを備えて形成し、
前記の放電手段は、
前記の金属メッシュによる1次グランド側電極と、
前記の触媒物質による2次グランド側電極と、
バイポーラパルスを発生させるバイポーラ高周波パルス電源と、
金属および誘電体からなる印加側電極とを備えて形成し、
その印加側電極は、当該印加側電極からグランド側電極に放電されるストリーマが、被処理ガスの流れ方向に対して平行に放電される位置であって、触媒手段に対して被処理ガスの上流側に配置し、
前記のバイポーラ高周波パルス電源は、電力が定められた値を超えた際に電源出力回路を瞬停止させる過電流防止機構を備えるとともに、複数パルスを印加可能とした
ことを特徴とする触媒活性化装置。 - バイポーラ高周波パルス電源が印加する複数のパルスは、パルス幅を12.5〜100μsecとし、周期を0.625〜5μsecとし、周波数を10〜80KHzとなるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の触媒活性化装置。
- 金属メッシュは、その開口率を金属メッシュ外形寸法面積の50〜90%としたことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の触媒活性化装置。
- 印加側電極は、グランド側電極との間隔を、1〜10mmとなるように配置したことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の触媒活性化装置。
- 印加側電極は、各電極間の間隔を3〜20mmとするとともに、触媒手段との間隔を3〜12mmとしたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の触媒活性化装置。
- 触媒物質は、白金、パラジウム、酸化マンガンのいずれかを主材とし、処理ガス上流側端面から触媒内部方向に向かってカーボン系塗料または導電性塗料が0.1μm以上塗布、ディプコートまたはスパッタリング蒸着を施し、
塗膜厚さが0.01〜250μmとなるように形成したことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかの触媒活性化装置。 - バイポーラ高周波パルス電源の過電流防止機構は、当該バイポーラ高周波パルス電源から供給された電力が定められた3kwを瞬時に超えた場合には、電源出力回路を瞬時に停止させることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の触媒活性化装置。
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