JP4345928B2 - 麻痺者用足継手装具 - Google Patents

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Description

本発明は、下肢が麻痺している麻痺者が着用して好適な麻痺者用足継手装具に関するものである。
下肢の麻痺には、脳卒中等による主に片方の下肢が麻痺している片麻痺と、脊髄損傷等による多くの場合に両方の下肢が麻痺している対麻痺とがあるが、いずれの場合であっても、自力での歩行は難渋し又は不能である。したがって、これらの麻痺者が歩行するときには、何らかの補助具が必要になる。この補助具としては、従来は、副木のようなもので下肢(上肢の場合もある)から足にかけて固定する方式のものであった。
これによると、立位を安定したり、踏み出しに際して足を地面から離したときに爪先が下がって躓いたりすることは防止できるものの、足関節機能をもたないから、体重心の移動に伴う足首の屈曲や足裏接地時のショックの吸収といったことはできなかった。したがって、この補助具を付けての歩行には身体に多くの負担がかかり、麻痺者は、補助具を付けての自力又は軽介護の歩行を敬遠することになり、その結果、歩行機能の向上も果たせていなかった。
なお、下記特許文献1には、足関節部分にヒンジ機構を取り入れた足継手装具が見られるが、この先行例のものは、自立性を補助するための装具に回動機能を持たせたものにすぎず、回動範囲も極めて狭い範囲に限られており、着地から踏み出しまでの広い角度に亘って対応するものではなかった。また、ヒンジ機構のロック、アンロックを取り入れているが、その操作はロック部材を操作しなければならず、煩雑で面倒なものであった。
特開2001−299790号公報
本発明は、下肢と足とを支持するのはもちろんのこと、これに足関節機能をもたせることで、歩行時の足を含む下肢の動きを生体と同様に実現し、麻痺者の歩行を助け、かつ、歩行機能の向上を可能にする麻痺者用足継手装具を具現したものである。加えて、本発明は、この足継手装具の足継手(足関節に相当する部分)において、体重の移動、すなわち、脚の姿勢に伴って求められる屈曲動作を一定に制御することで、生体足関節と同様な動きにしてより円滑な歩行ができるようにしたものである。
以上の課題の下、本発明は、請求項1に記載した、足を支持する下部構成体(2)と、上肢又は下肢に装着される上部構成体(3)とを足関節に相当する部分に回動軸(9)を有する足継手(8)によって身体の前後方向に屈曲可能に連結した麻痺者用足継手装具において、回動軸(9)を下部構成体(2)に固定し、回動軸(9)から上方に延ばされる堰止板(10)を有するピストン体(11)と、上部構成体(3)に固定されて堰止板(10)と回動軸(9)とを水密的に囲包し、堰止板(10)の前後にシリンダ室(13)を形成して回動軸(9)を中心に扇形に張出し、かつ、回動軸(9)に対して回動可能なシリンダ体(12)とを設け、シリンダ体(12)の側面に両シリンダ室(13)に連通する外部通路(17)を設け、両シリンダ室(13)及び外部通路(17)に、付与される磁力の強弱に応じて硬直から非硬直に変性する帯磁性流体であるMR流体を充填したMR流体シリンダとするとともに、シリンダ体(12)の上部に、永久磁石(22)が取り付けられて外部通路(17)側に延びるアーム(21)を出力軸(20a)に取り付けたサーボモータ(20)を取り付ける他、下部構成体(2)の裏面に体重に応じた電気的出力を発する荷重計(23)を取り付け、荷重計(23)の出力に応じてサーボモータ(20)に所定の回転角度をとらせるようにし、永久磁石(22)による外部通路(17)への接近量に基づく磁力の強弱によってMR流体を硬直から非硬直までにすることで下部構成体(2)と上部構成体(3)の屈曲抵抗を任意に設定できるようにしたことを特徴とする麻痺者用足継手装具を提供する。
また、本発明は、請求項2に記載した、外部通路(17)の傍に電磁石(28)を固定し、荷重計(23)の出力に応じて電磁石(28)に供給される電力に基づく磁力の強弱によってMR流体を硬直から非硬直までにすることで下部構成体(2)と上部構成体(3)の屈曲抵抗を任意に設定できるようにした手段を提供する。
さらに、本発明は、請求項3に記載した、足を支持する下部構成体(2)と、上肢又は下肢に装着される上部構成体(3)とを足関節に相当する部分に回動軸(9)を有する足継手(8)によって身体の前後方向に屈曲可能に連結した麻痺者用足継手装具において、回動軸(9)を下部構成体(2)に固定し、回動軸(9)から上方に延ばされる堰止板(10)を有するピストン体(11)と、上部構成体(3)に固定されて堰止板(10)と回動軸(9)とを水密的に囲包し、堰止板(10)の前後にシリンダ室(13)を形成して回動軸(9)を中心に扇形に張出し、かつ、回動軸(9)に対して回動可能なシリンダ体(12)とを設け、シリンダ体(12)の側面に両シリンダ室(13)に連通する外部通路(17)を設け、両シリンダ室(13)及び外部通路(17)に、付与される磁力の強弱に応じて硬直から非硬直に変性する帯磁性流体であるMR流体を充填したMR流体シリンダとするとともに、堰止板(10)に、両シリンダ室(13a)(13b)を連通する連通孔(29)を形成する一方、連通孔(29)の周囲に電磁石(28)を配置し、下部構成体(2)の裏面に体重に応じた電気的出力出力を発する荷重計(23)を取り付け、荷重計(23)の出力に応じて電磁石(28)に所定の電力を供給するようにし、供給される電力に基づく磁力の強弱によってMR流体を硬直から非硬直までにすることで下部構成体(2)と上部構成体の(3)屈曲抵抗を任意に設定できるようにしたことを特徴とする麻痺者用足継手装具を提供する。
請求項1の発明によると、シリンダ構造をMR流体を媒体とするMR流体シリンダとしたものであるから、その流れを磁気の強さで調整できて制御が容易、確実である。これにおいて、下部構成体と上部構成体の屈曲抵抗は、ロックの状態からフリーな状態まで任意に調整できるものであるから、麻痺者の歩行能力に応じて最適なものに設定でき、かつ、歩行機能の向上にも寄与できる。そして、シリンダ体を回動軸を中心とする扇形(回転形)に構成したものであるから、上部構成体の側面に沿って大きなスペースを取らずに取り付けられる。したがって、嵩張らない上に軽量であり、歩行等の障害にならない。さらに、下部構成体の裏面に荷重計を取り付け、荷重計の出力に応じてMR流体の硬直度を調整したものであるから、歩行時の脚の姿勢の各段階に応じて求められる足継手の屈曲抵抗の制御を自動的にできる
また、請求項2及び3の発明によると、下部構成体と上部構成体との屈曲を制御するMR流体の流動の制御が簡単な構成で確実にできる。
図1は本発明にかかる麻痺者用足継手装具(以下、装具という)1を装着した場合の側面図、図2は後面図であるが、この装具1は、足裏を載せて支持できる下部構成体2と、膝から上の上肢(腰も含む)又は下の下肢の部分に装着される上部構成体3とからなる。本例の下部構成体2は、靴様の足載部4と、足載部4の両側に起立する下部支柱5とからなり、上部構成体3は、両面ファスナー等で下肢に巻き付けることができるバンド6と、バンド6の両側に下垂する上部支柱7とからなる。この下肢装具1の装着は、長靴を履く要領で装着するものであり、バンド6を開いて足を足載部4に挿入して甲押え4aで甲を押えて固定し、バンド6を膝下の部分で閉めて固定する。なお、片麻痺者の場合は、当該麻痺している方の下肢に、対麻痺者の場合は、両方の下肢に装着することになる。
以上の下部支柱5と上部支柱7とは、足関節部分で足継手8によって回動(屈曲)可能に連結される。なお、この足継手8は、両支柱5、7の外側部分を連結するのに用いられ、内側部分は後述するピンで枢着されている。図3は足継手8を示す図1のAーA断面図、図4は図3のBーB断面図であるが、この足継手8は、下部支柱5に固定される回動軸9に堰止板10が放射状に突設されたピストン体11と、回動軸9及び堰止板10を水密的に囲包して回動軸9を中心に扇形に張出し、回動軸9に対しては回動可能なシリンダ体12とからなる(10aは堰止板10とシリンダ体12とをシールするシール体)。そして、堰止板10を水密的に収容するシリンダ室13にMR流体を充填してこれを伝力媒体とするMR流体シリンダとしている。
ここでのMR流体(Magneto-Rheological-Fluid)とは、粘性流体に磁気粉体を混ぜた帯磁性流体のことで、これに磁気を付与すると、MR流体は硬直して固体的機能を発揮し、磁気の強さを抑えると、MR流体は半硬直の状態になり、一定の流動を可能にするものである。したがって、このMR流体を流路に流して途中に磁場を設けておくと、磁場に磁気を付与すると、その部分が硬直してMR流体の流動は遮断し、磁気を解除すると、流動は許容されるものになる。また、磁気の強さを抑えると、MR流体は所定の流動抵抗で流動できるものになる。このMR流体には、L0RD社のものがよく知られており、MRF-132AD やMRF-122-2ED といった商品名で市販されている。
以上のMR流体シリンダによれば、シリンダ室13を構成するピストン体11の前後の正圧室13aと背圧室13bとに流出入するMR流体に磁気をその強さを調整して付与すると、MR流体は、硬直しての非流動から非硬直での流動の範囲となり、その結果、回転ピストン体11の動きを規制したり、許容したりすることができる。なお、ピストン体11の動きが規制されると、足継手8はロックされて屈曲は不能になり、許容されると、アンロックされてフリーに屈曲できるものとなる。この他、両支柱5、7の内側部分は、回動軸9と同心のピン14で枢着してある。
次に、以上の装具1を装着した麻痺者が歩行するときに生ずる足継手8の動きについて説明する。脚の姿勢に応じて足継手8の動きをロックしたり、フリーにしたりする必要があるのは上述した。すなわち、足を踏み出して下部構成体2の足載部4の裏面が地面に着地した後(踏足期)は、体重の移動に伴って下部構成体2に対して上部構成体3は順次前方に屈曲して行かなければならない。つまり、踏足期には足継手8はアンロックの状態でなければならない。一方、当該方の足を持ち上げて足載部4を地面から離したとき(遊脚期)には、離れる瞬間の下部構成体2に対する上部構成体3の角度である鋭角状態(背屈位)が保たれているのが好ましい。つまり、遊脚期には足継手8はロックされている必要がある。
これは、重度の麻痺者の場合であり、こうしないと、足継手8が足の重み等で屈曲して爪先が下がり、躓いて転倒したりするからである。この点で、以下の説明は、足継手8が完全にロックされた状態と完全にアンロックされてフリーに屈曲できる状態についてのものである。足継手8のロック、アンロックは、正圧室13aと背圧室13bとに連通する制御通路等を設け、この制御通路を流れるMR流体に磁気を付与したり、解除したりすれば、その流れを非流動から流動の範囲に亘って制御できる。磁気の付与や解除は永久磁石によるものと電磁石によるものとがあるが、前者の場合であれば、永久磁石を制御通路に離反させたり、接近させたりすればよい。
この構成を本例では次のようにしている。まず、シリンダ室13の正圧室13aと背圧室13bの側面にそれぞれ孔15a、15bを形成し、これらの孔15a、15bを覆って流路体16を取り付ける。したがって、流路体16の内部には両孔15a、15bに連通する外部通路17が形成されるが、このとき、流路体16の中に制御体18を挿入し、流路体16と制御体18との間を上記した制御通路に該当する外部通路17としている。この外部通路17は、流路体16と制御体18の対面側の膨出量を変えて中間がもっとも容積の小さい堰部19を有している。
一方、シリンダ体12の上方には、サーボモータ20が設けられており、その出力軸20aにはアーム21が取り付けられている。これにより、サーボモータ20を駆動すると、アーム21は回動することになるが、このとき、アーム21の所定位置には永久磁石22が取り付けられており、この永久磁石22の位置は、アーム21が真下の位置に来たとき、外部通路17の堰部19に最接近するように設定されている。なお、堰部19を設けるのは、MR流体の容量を小さくして磁力を効率的に働かせるためであり、十分な磁力が出せるものであれば、この堰部19は必ずしも必要ではない。
これにより、永久磁石22を堰部19に接近させると、その磁力によって堰部19のMR流体を硬直させてシリンダ室13に流出入するMR流体の流れを遮断し、回動軸9、すなわち、上部構成体3に対する下部構成体2の屈曲をロックするようになっている。これに対して、永久磁石22が堰部19から離反すると、MR流体は非硬直となって流動し、下部構成体2をアンロックして屈曲ができるようになっている。なお、このアンロック状態のとき、下部構成体2はできるだけ少ない抵抗で屈曲できるのが好ましい。
下部構成体2をある程度抵抗をもたせて屈曲させることがある場合については後述するが、このアンロック状態のときの屈曲抵抗が小さいほど、抵抗の調整レンジが広くなるからである。したがって、MR流体シリンダの各種の制御通路はできるだけ大きな容量を確保して流動抵抗を極力小さくするのが適する。もちろん、足継手8にこのような機能を発揮させるためには、回転ピストン体11やシリンダ体12及びアーム21等のMR流体に隣接する部材はアルミ等の非磁性体で構成しておく必要がある。
上記したように、アーム21を制御して足継手8を踏足期にはアンロック、遊脚期にはロックする必要があるが、これを装具1の装着者自身が操作するのは、実際問題無理である。そこで、足載部4が接地したか否かを判別するセンサーを設け、これによってアーム21の動きを制御するようにしている。このセンサーは、回動軸9の回動角度を検出したり、地上高さを検出したりするものであってもよいが、本発明では、簡単で動作が確実な足載部4の裏面に荷重計23を取り付けたもので構成している。
この荷重計23は、足載部4に荷重(体重)がかかったか否かを判別するものであり、歪計や変位計といったものが考えられ、歪や変位に対応する出力が得られるのが特徴であるが、オン、オフを検出できるスイッチ23でもよい。図6はこれを制御する制御回路の一例であるが、電池24で印加される制御回路25を設けておき、この制御回路25に、スイッチ23が荷重を検知すると閉じる開接点23aとリレー26とを直列に接続しておく。また、リレー26の閉接点26bとサーボモータ20とを直列に接続しておく。なお、リレーによったのは理解を容易にするためであり、半導体等を用いて基板に構成するのが通常である。
ところで、以上の説明から明らかなように、この足継手8には、制御を果たすための電池24やリレー26或いはスイッチといった電気機器を必要する。これらの機器は別にして身体等に付けてもよいが、適当なボックス27に収容してこれをシリンダ体12上方の上部支柱7に取り付けておくとすれば、装具1と一体になり、装着や脱装、保管等に便利になる。もちろん、これらの機器はそれほど重くも、嵩張るものにもならないから、上記の方法を採用したとしても、歩行の支障にはならない。
図5は以上の装具1を麻痺者が装着した説明図であるが、麻痺者がこの装具1を着用して歩行すると、装具1を装着した方の足が踏足期にあるときは、スイッチ23は荷重を検出していてリレー26の閉接点26bが開いており、サーボモータ20は回転しない。したがって、永久磁石20は、MR流体を励磁せず、シリンダ室13へ流出入するMR流体は自由に流動し、下部構成体2は上部構成体3に対して屈曲でき、着地した瞬間から体重の移動に伴って徐々に上部構成体3の屈曲角度が深まる動きが可能になる。なお、この動きは、健常者の生体足関節と同様な動きということになる。
一方、こちら側の足を踏み出そうとして遊脚期になると、スイッチ23は荷重を検知せず、リレー26の閉接点26bは閉じる。したがって、サーボモータ20は回転して永久磁石22を堰部19に接近させ、MR流体を励磁して硬直させる。この状態になると、MR流体の流れは遮断され、下部構成体2、すなわち、足首の角度は背屈位にロックされた状態を保持する。健常者では、このときの足首の屈曲角度の保持は足の力によって自然にできるものであるが、麻痺者は足の力が弱く、自力では難しいことがあるから、これを補助するものである。さらに、踏み出した足が着地すると、スイッチ23は再度荷重を検出して下部構成体2の回動をアンロックする。
ところで、足首の角度は、歩行の姿勢に伴って逐次変わるから、足載部4が地面から離れるときの角度は歩幅によって変わって来る。しかし、足首の角度がどのようであっても、上部構成体3に固定されたアーム21と流路体16との関係は変わらないから、アーム21を常に流路体16の中心(堰部19)に回動させれば、下部構成体2の動きはロックされることになる。したがって、足首の角度は、歩幅にかかわらず、足載部4が地上から離れた瞬間の姿勢を維持できることになる。このようにして、麻痺者であっても、スムーズな歩行ができるのである。なお、この点で、スイッチ23は、足載部4の裏面一杯の大きさのものが適する。
以上は、麻痺が重度であり、踏足期には足継手8がアンロックされてフリーに屈曲できる場合であるが、麻痺がより重度であったり、或いは麻痺が軽度であったり、回復期にある場合には、踏足期でも、足継手8の屈曲をある程度の抵抗の下に可能にするのが好ましいことがある。例えば、踏足期に自立が難しいような麻痺者の場合、足継手8を完全にフリーに屈曲できるものにしておくと、転倒したりすることがある。また、踏足期における足継手8の屈曲に抵抗をもたせることで、足の力を強化できて歩行訓練にもなるといった場合がある。
このようなときには、永久磁石22の堰部19からの離反をある程度抑制してなお磁気作用を残存させることで可能になり、これは、アーム21の回動角度を調整することで達成できる。この他、踏足期における足継手8の屈曲抵抗を足裏にかかる体重に応じて変化させるようなこともできる。具体的には、足載部4の裏面にスイッチ23を幾つかに分割して設けておき、どのスイッチ23から出力があると、どの程度の磁気の強さにするかを決定すればよい。
このことは、遊脚期でも同様であり、遊脚期に足継手8を完全にロックせずに、足継手8を背屈位に保持するためには、ある程度の力を要するようにすることが好ましいことがある。具体的には、回復期にある麻痺者等にこれを適用すると、ロックするための力を出す訓練にもなり、歩行機能を高めることになる。このようなときには、スイッチ23が荷重を検知していないときにアーム21を回動させるとき、永久磁石22が外部通路17の堰部19に最接近しないようにすればよい。こうすると、外部通路17を流れるMR流体は完全には硬直せず、ある程度の流動抵抗はあるものの、流動が可能になる。なお、これらに必要なアーム21の回動角度の調整は、サーボモータ22の出力位相又は時間を調整することで可能になる。
一方、磁石を電磁石としてもよい。図7はその例を示す一部後面図であるが、アーム21を流路体16の堰部19に接近させた状態でシリンダ体12等に固定しておき、永久磁石22に代えて電磁石28(28aはコイル)を設ければよい。そして、磁気の付与、解除はコイル28aに流れる電流をオンオフすればよい。また、磁気の強さの調整は、コイル28aに供給する電力を調整することで可能になる。これによると、サーボモータ20を始めとするアーム21の回動機構は不要になるから、部材が省略できるとともに、装置構成が簡単になる。
さらに、電磁石を用いることで外部通路17を不要とする構成も可能である。図8はその例を示すシリンダ体12の断面図であるが、ピストン体11を構成する堰止板10に両シリンダ室13a、13bを連通する連通孔29を形成するとともに、連通孔29の周囲に電磁石28を配置する。電磁石28のコイル28aに電力を供給すると、連通孔29を流れるMR流体は硬直して流動せず、その結果、堰止板10、すなわち、下部構成体2の屈曲はロックされる。一方、電力を遮断すると、下部構成体2は自由に屈曲できるものとなる。また、電力の強さを変えることで、下部構成体2の屈曲抵抗も調整できる。これによると、外部通路17やアーム21等が不要になり、シリンダ体12の外部に余分な部材を必要としない、よりシンプルな装置構成となる。
この他、図示は省略するが、シリンダ体12の側壁に摺接する堰止板10の両側面にMR流体を含浸させた連続気泡スポンジ構造のゴム弾性体を貼り、堰止板10の内部に電磁石を組み込んでもよい。電磁石を励磁すると、スポンジ内のMR流体は硬直して堰止板10の回動は不能になり、解除すると、硬直が解かれて堰止板10が回動できる構造のものである。これによっても、簡単な装置構成が得られる。
本発明の下肢装具の側面図である。 本発明の下肢装具の後面図である。 本発明の下肢装具に組み込まれる足継手を示す図1のAーA断面図である。 本発明の下肢装具に組み込まれる足継手を示す図3のBーB断面図である。 本発明の下肢装具を装着した状態の説明図である。 本発明の下肢装具を制御する制御回路図である。 本発明の下肢装具の他の例の一部後面図である。 本発明の下肢装具を他の例の一部断面図である。
1 下肢装具
2 下部構成体
3 上部構成体
4 足載部
4a 甲押え
5 下部支柱
6 バンド
7 上部支柱
8 足継手
9 回動軸
10 堰止板
10a シール体
11 回転ピストン体
12 シリンダ体
13 シリンダ室
13a 正圧室
13b 背圧室
14 ピン
15a 孔
15b 孔
16 流路体
17 外部通路
18 制御体
19 堰部
20 サーボモータ
20a 出力軸
21 アーム
22 永久磁石
23 荷重計(スイッチ)
23a スイッチの接点
24 電池
25 制御回路
26 リレー
26b 閉接点
27 ボックス
28 電磁石
28a 電磁石のコイル
29 連通孔

Claims (3)

  1. 足を支持する下部構成体(2)と、上肢又は下肢に装着される上部構成体(3)とを足関節に相当する部分に回動軸(9)を有する足継手(8)によって身体の前後方向に屈曲可能に連結した麻痺者用足継手装具において、回動軸(9)を下部構成体(2)に固定し、回動軸(9)から上方に延ばされる堰止板(10)を有するピストン体(11)と、上部構成体(3)に固定されて堰止板(10)と回動軸(9)とを水密的に囲包し、堰止板(10)の前後にシリンダ室(13)を形成して回動軸(9)を中心に扇形に張出し、かつ、回動軸(9)に対して回動可能なシリンダ体(12)とを設け、シリンダ体(12)の側面に両シリンダ室(13)に連通する外部通路(17)を設け、両シリンダ室(13)及び外部通路(17)に、付与される磁力の強弱に応じて硬直から非硬直に変性する帯磁性流体であるMR流体を充填したMR流体シリンダとするとともに、シリンダ体(12)の上部に、永久磁石(22)が取り付けられて外部通路(17)側に延びるアーム(21)を出力軸(20a)に取り付けたサーボモータ(20)を取り付ける他、下部構成体(2)の裏面に体重に応じた電気的出力を発する荷重計(23)を取り付け、荷重計(23)の出力に応じてサーボモータ(20)に所定の回転角度をとらせるようにし、永久磁石(22)による外部通路(17)への接近量に基づく磁力の強弱によってMR流体を硬直から非硬直までにすることで下部構成体(2)と上部構成体(3)の屈曲抵抗を任意に設定できるようにしたことを特徴とする麻痺者用足継手装具。
  2. 外部通路(17)の傍に電磁石(28)を固定し、荷重計(23)の出力に応じて電磁石(28)に供給される電力に基づく磁力の強弱によってMR流体を硬直から非硬直までにすることで下部構成体(2)と上部構成体(3)の屈曲抵抗を任意に設定できるようにした請求項1の麻痺者用足継手装具。
  3. 足を支持する下部構成体(2)と、上肢又は下肢に装着される上部構成体(3)とを足関節に相当する部分に回動軸(9)を有する足継手(8)によって身体の前後方向に屈曲可能に連結した麻痺者用足継手装具において、回動軸(9)を下部構成体(2)に固定し、回動軸(9)から上方に延ばされる堰止板(10)を有するピストン体(11)と、上部構成体(3)に固定されて堰止板(10)と回動軸(9)とを水密的に囲包し、堰止板(10)の前後にシリンダ室(13)を形成して回動軸(9)を中心に扇形に張出し、かつ、回動軸(9)に対して回動可能なシリンダ体(12)とを設け、シリンダ体(12)の側面に両シリンダ室(13)に連通する外部通路(17)を設け、両シリンダ室(13)及び外部通路(17)に、付与される磁力の強弱に応じて硬直から非硬直に変性する帯磁性流体であるMR流体を充填したMR流体シリンダとするとともに、堰止板(10)に、両シリンダ室(13a)(13b)を連通する連通孔(29)を形成する一方、連通孔(29)の周囲に電磁石(28)を配置し、下部構成体(2)の裏面に体重に応じた電気的出力出力を発する荷重計(23)を取り付け、荷重計(23)の出力に応じて電磁石(28)に所定の電力を供給するようにし、供給される電力に基づく磁力の強弱によってMR流体を硬直から非硬直までにすることで下部構成体(2)と上部構成体の(3)屈曲抵抗を任意に設定できるようにしたことを特徴とする麻痺者用足継手装具。
JP2004274816A 2004-09-22 2004-09-22 麻痺者用足継手装具 Expired - Fee Related JP4345928B2 (ja)

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