JP4344817B2 - 両親媒性化合物及び芳香族化合物から成る分子集合体を利用する無機構造体の製造方法 - Google Patents

両親媒性化合物及び芳香族化合物から成る分子集合体を利用する無機構造体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、両親媒性化合物から、ナノスケールの分子集合体を製造するための技術、およびこの分子集合体を利用して、ナノメータからメソレベルの大きさの金属酸化物構造体を製造する方法とその構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】
界面活性剤に代表される両親媒性化合物は、その構造特性に応じて多様な機能を発揮し、物理的機能でいえば、起泡、消泡、乳化、可溶化、分散、凝集、洗浄、潤滑など、化学的機能でいえば触媒作用などの諸機能に基き、広く利用されている。
【0003】
最近、このような両親媒性化合物(界面活性剤)から成る分子集合体(分子会合体)を構造鋳型(テンプレート)とする無機合成が注目されている。これは、溶液中で両親媒性化合物が形成する分子集合体の表面に無機化合物を固着させることにより、該両親媒性化合物の集合体(会合形態)に応じて一般にナノメーターの大きさの特定形状の無機化合物の構造体を調製するものである。例えば、両親媒性化合物から成る棒状または円筒状の集合体の外表面または外表面と内表面にシリカのような無機化合物を固着させた後、焼成などの適当な手段で両親媒性化合物を除去すれば、円筒状のシリカ構造体を得ることができる。
【0004】
通常の一本鎖型の両親媒性化合物はcmc(臨界ミセル濃度)以上で、親水部をバルク水相にむけて会合し、半径15〜30Åの球状または円盤状の集合体を形成する。ある条件下でさらに濃度を増加すると棒状の集合体になる。
【0005】
一方、生体脂質に類似する2本の長鎖アルキル鎖を持つ両親媒性化合物(二本鎖型の両親媒性化合物)は、水中で自発的に二分子膜を形成することが知られている(例えば、「化学総説No.40、分子集合体―その組織化と機能、日本化学会編(1983)」参照)。すなわち、二本鎖型両親媒性化合物の複数の分子がその長鎖アルキル鎖による疎水性相互作用及び分子内の水素結合部位における分子間水素結合等を介して互いに集積(パッキング)するとともに、その疎水部を向かい合わせることにより、生体膜に類似の二分子膜型の集合体(会合体)を形成する。二分子膜は、二本鎖型両親媒性化合物だけでなく、分子のパッキングに寄与する芳香環などの剛直なセグメントが導入された一本鎖型の両親媒性化合物からも形成される。
【0006】
このような二分子膜形成能を有する両親媒性化合物を、水中に分散する際、加熱または超音波処理を行い、この溶液または分散液を一定温度で長時間保持(熟成)することにより、上述したような二分子膜から成るラメラ(板状)、棒状、筒状などの形態を呈する集合体が形成される。
【0007】
かくして、二分子膜形成能を有する両親媒性化合物を用いれば、比較的低濃度の溶液からでも、既述したような鋳型として特に有用な棒状または円筒状の集合体を含む各種の形態の安定な分子集合体が得られるが、分子集合体を形成する際に、温度、圧力、超音波処理、熟成期間などが必要で、時間及び経済的負荷が大きいという問題がある。また、二分子膜形成能を有する両親媒性化合物は、一般に合成が困難である。
【0008】
他方、二分子膜形成能を有しない両親媒性化合物、すなわち、一般的な一本鎖型の両親媒性化合物では、前述したように、高濃度において(一般にcmcより1桁以上高い濃度)のみ棒状ミセルを形成することができるので、多量の両親媒性化合物の使用を必要としコスト面から不利である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、低濃度の両親媒性化合物から、無機構造体の鋳型となるような分子集合体を簡便に製造することのできる技術を確立し、これを利用して無機構造体を作成する方法およびその構造体を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、二分子膜形成能を持たない一般の両親媒性化合物に、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン並びにピレン等の芳香族化合物を添加物として加えると、簡便に分子集合体、特に、連続した棒状構造体が得られることを見出すとともに、この分子集合体と無機化合物との複合化によって新規な無機構造体(金属酸化物構造体)が安価に得られることを見出し、上記の目的を達成したものである。
【0011】
かくして本発明に従えば、分子内に疎水部と親水部を併せ持つが二分子膜形成能を有しない両親媒性化合物に、水溶液中において、芳香族化合物を混合する工程を含むことを特徴とする分子集合体の製造方法が提供される。本発明の分子集合体の製造方法の好ましい態様として、芳香化合物は、置換された又は無置換のベンゼン、ナフタレン、アントラセンまたはピレンから成る群より選ばれる。さらに、本発明の特に好ましい態様として、分子集合体は、外径が20〜100nm程度の棒状または円筒状を呈するものである。
【0012】
さらに、本発明に従えば、分子内に疎水基と親水基を併せ持つが二分子膜形成能を有しない両親媒性化合物としてカチオン性の両親媒性化合物を用いて上記の方法により製造された分子集合体を含む水溶液と所望の金属を含む塩基性水溶液とを混合し、その後、その分子集合体を除去する工程を含むことを特徴とする金属酸化物構造体の製造方法が提供される。本発明の金属酸化物構造体の好ましい態様においては、上記の金属を含む塩基性水溶液に酸を添加してpH7付近に調整した水溶液に上記の分子集合体を含む水溶液を水溶液を混合するか、または、上記の金属を含む塩基性水溶液をカチオン交換剤で処理した水溶液に上記の分子集合体を含む水溶液を混合する。
【0013】
本発明は、さらに、上記のような金属酸化物構造体の製造方法により製造された金属酸化物構造体であって、外径が30〜250nmの棒状または円筒状を呈し、約十Åから数百Åの連続的な細孔を有し非晶質であることを特徴とする金属酸化物構造体も提供する。本発明の金属酸化物構造体には、複数の金属元素から成る複数酸化物も包含される。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に従う分子集合体およびこの分子集合体を鋳型として得られる金属酸化物構造体に関し、それらを構成する原料化合物、その製造方法およびその構造を説明して本発明の実施の形態を詳述する。
【0015】
(1)分子集合体
両親媒性化合物
本発明に従い分子集合体を調製するのに使用される両親媒性化合物は、分子内に疎水部と親水部(極性基)を併せ持つが(本来的には)二分子膜形成能を有しないもの、すなわち、一般的に知られている界面活性剤の多くに見られるように、疎水部が一本鎖から成り、且つ、該一本鎖に既述したように剛直なセグメントも導入されていない化合物である。このような両親媒性化合物であれば、カチオン性、アニオン性、両性または非イオン性の界面活性剤のいずれを用いてもよい。親水部(極性基)としてはアンモニウム塩、ポリアミン基およびスルホン酸基、カルボキシル基、スルホニウム塩、リン酸塩、ホスホン酸塩、ホスホニウム塩等を使用することができる。他方、疎水部としては、アルキル基、アルキルアリル基、脂環基、縮合多環基及びこれらの基にフルオロカーボン鎖を含むもの等を使用することができる。図1に本発明に使用され得る両親媒性化合物の代表例を示す。後述するように本発明の金属酸化物構造体を合成するには、以上のような両親媒性化合物のうちカチオン性の両親媒性化合物を用いる。
【0016】
芳香族化合物
本発明において分子集合体を得るのに使用される芳香族化合物としては、剛直で平面的な広がりを持つ構造のものが好ましく、この点から、ベンゼン、ナフタレン、アントラセンまたはピレンが好適に使用される。これらの芳香族化合物は、そのまま、すなわち無置換の芳香族化合物としても使用できるが、好ましくは、置換された芳香族化合物(誘導体)として使用される。誘導体を構成する好ましい置換基としては、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、スルホン酸基が挙げられ、この他、アルキル基、ハロゲン基、アルコキシ基、アルデヒド基、アルキルアルコール等によって置換されていてもよく、当該芳香族化合物の1カ所から複数箇所が置換されたものを使用することができる。ただし、これらの芳香族化合物は、少なくとも部分的に親水性領域が存在するように、置換基を導入されたものが好ましい。
【0017】
分子集合体製造方法
本発明に従えば、以上のような両親媒性化合物と芳香族化合物とを中性の水中で混合し軽く攪拌するだけで分子集合体を得ることができる。両親媒性化合物および芳香族化合物の濃度、混合比は、種々に変更し得るが、好ましくは、10−4Mから10−2Mの範囲の濃度で、濃度比(2:1から1:2)で混合する。すなわち、cmc付近の低濃度でナノスケールの分子集合体を得ることができる。得られる分子集合体の形態は、主として、外径が約20〜100nmの棒状または円筒状のものであるが、製造条件、特に、用いる両親媒性化合物と芳香族化合物の組み合わせを変えることにより、他の形態(例えばラメラ状)のものを得ることもできる。
図2は、本発明に従って分子集合体が製造される様子を模式的に示すものである。図に示すように、当初、溶液(水溶液)中で球状ミセルのような単純な集合形態を呈していた両親媒性化合物は、芳香族化合物が添加されて、常温・常圧下に攪拌されると、低濃度においても、両親媒性化合物の個々の分子が隣り合ってパッキングするとともに、その疎水部が向かい合った二分子膜型の集合体を形成する。このとき、芳香族化合物は、両親媒性化合物の疎水部と親和性を示し、両親媒性化合物の隣り合う分子の疎水部の間に介在してそれらの分子のパッキングに寄与するものと考えられる。本発明に従い(本来的には)二分子膜形成能を有しない両親媒性化合物と芳香族化合物とから製造される分子集合体は、前述のように、主として、(A)に示されるような棒状(もしくは円筒状)を呈するものであるが、両親媒性化合物と芳香族化合物の組み合わせを変えることにより、(B)に示されるようなラメラ状(板状)の集合体を形成することもできる。
【0018】
(2)金属酸化物構造体
金属含有溶液の調製
本発明に従い金属酸化物構造体を製造するには、上記のようにして得られる分子集合体と接触(混合)させるべき所望の金属(目的の金属酸化物構造体の金属酸化物源)を含有する塩基性水溶液を調製しておく。このためには、当該金属の化合物(金属の種類によっては金属の粉末)をアルカリ物質とともに、溶媒(水性溶媒)に添加して反応させる。塩基性水溶液を調製するために使用されるアルカリ物質としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリ化合物、または有機アミン化合物等を挙げることができる。
【0019】
また、金属酸化物源として使用可能な金属化合物は、特に限定されるものではなく、上記のようなアルカリ物質が添加されることにより、よく知られているように、水溶液中で当該金属がアニオン種の金属酸化物または金属水化物として存在し得るようなものであればよい。例えば、シリカ化合物として、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、シリカゲル、シリカアルコキサイド等、アルミニウム化合物としてアルミニウム粉末、アルミン酸ナトリウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、水酸化アルミニウム、アルミナゾル、アルミニウムアルコキサイド等、錫化合物として錫酸、錫酸塩等が例示され、その他、各種硫黄化合物、マグネシウム化合物、チタン化合物、リン化合等がそれぞれの金属酸化物源として使用できる。
【0020】
金属酸化物構造体としてアルミノシリケートを製造する場合を一例として挙げると、上述したようなシリカ源およびアルミナ源をNaOHもしくはKOHまたはテトラメチルアンモニウム等の有機塩基類とともに、ある一定の組成比で混合すると、アルカリ溶液中で原料の溶解・縮合によって均一溶液を作ることができる。かくして、金属酸化物が該溶液中で合成され、合成された金属酸化物は非常に微細な状態で分散あるいは溶解している。そして、このとき、溶液全体がアルカリであることから、金属酸化物は溶液中でアニオン化して、すなわち、(−O−T−O−)や(−O−T−O−M−O−)等のアニオン種として存在し(TおよびMは金属元素を示す)、後の工程で両親媒性化合物(カチオン性両親媒性化合物)から成る分子集合体と接触させると、該両親媒性化合物の親水基部分に存在するカウンターアニオンとイオン交換することができる。
【0021】
本発明に従えば、単一種の金属酸化物構造体が得られることは勿論であるが、異種金属化合物の混合による化学反応、または異種の金属アルコキサイド同士で反応した化合物を塩基性溶液内で処理することなどによって得た異種金属を含有するアルカリ溶液を利用して異種の金属酸化物から成る複合金属酸化物構造体を製造することもできる。そして、その異種金属酸化物の組成は反応条件によって、あるいは反応組成によって変化させることができるという特徴がある。但し、いずれの金属酸化物溶液においても、分子集合体と混合してイオン交換を行わせるには、使用溶媒を水成分が含まれるものが好ましい。
【0022】
上述のように、本発明において用いる金属含有溶液はアルカリ性域にあり、これにより金属がアニオン種の金属酸化物ないしは金属水酸化物として存在して、後の分子集合体との接触(混合)工程においてイオン交換が行えるようにしたものである。各金属化合物が溶液内でアニオン化する至適pHは含有される金属に依存し、例えば、アルミニウム含有溶液の場合は強いアルカリ性(pH12〜13)が必要であるが、W(タングステン)のような場合は弱アルカリ性(pH8付近)である。
【0023】
分子集合体とアルカリ溶液の接触反応
次に、既述のように調製した両親媒性化合物と芳香族化合物から構成される分子集合体を上記の金属含有アルカリ溶液に接触させる(混合する)。かくして、該集合体に接触したアニオン化金属酸化物ないしは水酸化物は、分子集合体を構成する両親媒性化合物と芳香族化合物の親水部分に浸透し分子集合体表面で該金属化合物のアニオンと両親媒性化合物親水部のカウンターアニオンとの交換反応が進行して金属酸化物ないしは水酸化物が溶液状態から両親媒性化合物表面に付着し重縮合反応が進行するに従い強く固定化される。この複合化された化合物から、後述の工程において両親媒性化合物と芳香族化合物からなる分子集合体を除去すると、該分子集合体を鋳型として細孔が揃った金属酸化物構造体が得られる。
【0024】
金属含有塩基性溶液への分子集合体の接触時間(混合時間)は、両親媒性化合物の種類、塩基性溶液中の金属または金属化合物の濃度(これによって反応速度が異なる)等によって多少異なるが、両親媒性化合物が金属酸化物または水酸化物イオンと反応する時間は極めて速く、反応時間(混合時間:接触時間)は一般に30分もあれば十分である。ただし、金属酸化物構造体を高収率で得るためには一連の操作を繰り返し行うことが有効である。すなわち、金属含有アルカリ溶液に浸漬後、一旦複合化された分子集合体を濾過した後水洗し、再び金属含有塩基性溶液に浸漬する。この方法は金属酸化物ないしは水酸化物のイオン濃度や、両親媒性化合物の種類に依存するが普通3回から6回である。
【0025】
本発明の方法の好ましい態様においては、金属酸化物ないしは水酸化物を分子集合体に効率よく反応させ、反応時間の短縮と高収率の金属酸化物構造体を得るために、金属含有塩基性溶液を酸(硫酸、塩酸、臭化水素酸などの無機酸、または、カルボン酸などの有機酸)によって水素イオン濃度を調製したり、イオン交換剤により処理した後、分子集合体と接触(混合)させることもできる。ここで使用するイオン交換剤はプロトンタイプのカチオンイオン交換剤(例えばイオン交換樹脂、イオン交換膜等)が有効である。このような操作は、分子集合体に付着した金属酸化物ないしは水酸化物の重縮合反応を進めるとともに、分子集合体の表面電位や芳香族化合物の解離状態を調節することにより、金属酸化物構造体の形成を促進するものと考えられる。
【0026】
集合体の除去
上述のように、金属含有塩基性溶液に両親媒性化合物と芳香族化合物から成る分子集合体を混合して得られた複合物から該集合体を除去することにより、金属酸化物が残存し、該分子集合体を鋳型とした状態で金属酸化物構造体を得ることができる。集合体の除去は、一般に抽出除去または焼成除去によって実施される。
【0027】
すなわち、反応後の複合物から、両親媒性化合物を溶解させるが、金属酸化物を溶解しないような溶剤、例えば、シリケートの場合クロロホルム、エタノール等を利用し、両親媒性化合物を抽出辞去する。あるいは、複合物を両親媒性化合物および芳香族化合物の分解温度以上に加熱して、それらの両親媒性化合物および芳香族化合物を焼却除去する。いずれの方法でも、所望の金属酸化物構造体を得ることが可能であるが、両親媒性化合物および芳香族化合物を繰り返し利用する場合には抽出除去による方法が有利である。
【0028】
以上の説明から理解されるように、本発明の方法によれば室温以下において高効率で金属酸化物構造体を得ることができる。本発明によって得られる酸化物構造体は、従来の金属酸化物構造体に比べはるかに安価に製造できる上、殆どメゾ領域、すなわち、大略十Åから数百Å、特に約二十Åから五百Åの細孔を有し、比表面積も大きい。さらに、本発明の金属酸化物構造体は、鋳型となる分子集合体に応じた構造を呈するが、一般に、棒状または円筒状の分子集合体に応じこれを鋳型として外径が30〜250nmの円筒状を呈する。さらに、本発明の金属酸化物構造体は、全体的に非晶質を呈することがX線回折分析により確認されている。この点、ゼオライトとして知られている従来のアルミノシリケート構造体が結晶質であり細孔も10Å程度であることを考慮すると本発明は従来に見られない新しいタイプの金属酸化物構造体を提供するものである。
【0029】
かくして、本発明の金属酸化物構造体は従来より存在するゼオライト系構造体および大細孔構造体によっては不可能であった領域の各種物質(例えば、タンパク質のような大分子)を対象とする高選択的な分離剤、除放剤あるいは触媒などとしての用途が期待される。
【0030】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1〜実施例8は、本発明に従い両親媒性化合物と芳香族化合物から分子集合体を調製する例を示し、また、実施例9〜実施例11は、そのような分子集合体を調製するとともに、該分子集合体を利用して酸化物構造体を合成する例を示すものである。
【0031】
実施例1
界面活性剤としてカチオン性の4級アルキルアンモニウム塩である、下記の式(1)で表わされるセチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)、また添加する芳香族化合物としてナフタレンの2位と3位がそれぞれカルボキシル基及びアミノ基で置換された下記の式(2)で表わされる3−アミノ−2−ナフトエ酸(ANA)を用いた。
【0032】
【化1】
Figure 0004344817
【0033】
【化2】
Figure 0004344817
【0034】
ANA(3.7mg)にCTABの2mM水溶液(10ml)及び超純水(10ml)を加えて、それぞれの濃度が1mMになるよう調製し(濃度比1:1)、マグネティックスターラーにて撹拌しながら溶解させた。室温で約1時間撹拌後、30℃の恒温槽内で一晩保持した。
【0035】
混合溶液は黄色透明で、粘度の増加が観察された。細管式動粘度計(キャノンフェンスケ(SO)No.50、柴田科学器械工業(株))を用いて、30℃における混合溶液の粘度を測定したところ、ANA−CTAB溶液の粘度は1.62という値が得られ、純水の粘度0.80、およびCTABの1mM溶液の粘度0.79と比較して、約2倍に増大しており、混合溶液中で分子集合体が形成されていることが予想された。
【0036】
そこで混合溶液中の分子集合体の有無について、透過型電子顕微鏡(H−7100、日立製作所)による観察を行った。写真を図3に示す。顕微鏡による観察結果から、ANAとCTABからなる構造体は水溶液中で安定な分子集合体を形成していることを確認した。その形状は幅(外径)が50から100nm程度の連続した棒状であった。
【0037】
実施例2
界面活性剤として上記の式(1)のCTAB、芳香族化合物としてナフタレンの2位と3位がヒドロキシル基で置換された2,3−ジヒドロキシナフタレン(2−DHN)〔下記の式(3)〕を用いて、実施例1と同様の方法で分子集合体を合成した。2,3−DHN(3.2mg)にCTABの2mM水溶液(10ml)及び超純水(10ml)を加えて、それぞれの濃度が1mMになるよう調製し(濃度比1:1)、マグネティックスターラーにて撹拌しながら溶解させた。室温で約1時間撹拌後、30℃の恒温槽内で一晩保持した。
【0038】
【化3】
Figure 0004344817
【0039】
CTABと2,3−DHNの混合溶液は薄桃色で、実施例1と同様の方法で混合溶液の粘度を測定したところ、0.81とほぼ純水と同程度の粘度であった。また混合溶液について、透過型電子顕微鏡による観察を行い、2,3−DHN及びCTABから成る分子集合体の形態は、幅(外径)20から40nm程度の棒状であることを確認した。図4に電子顕微鏡写真を示す。
【0040】
また、紫外可視吸収スペクトルより、2,3−DHNの集合体中での極性状態を調べた。図5に2,3−DHNの溶媒によるスペクトル変化を示す。2,3−DHNはクロロホルム中では244nmに、メタノール中では230nmに吸収極大を持つが、CTABと混合した系では230nm付近に吸収極大を示した。このことから、2,3−DHN及びCTABの系では、2,3−DHNのナフタレン環はメタノール程度の極性雰囲気、すなわちCTABの疎水性炭化水素鎖付近に存在し、分子集合体を構成していることを確認した。
【0041】
実施例3
界面活性剤としてCTAB、芳香族化合物としてナフタレンの2位がカルボキシル基で置換された2−ナフトエ酸(2−NA)〔下記の式(4)〕を用いて、実施例1と同様の方法で会合体の合成を行った。2−NA(3.4mg)にCTABの2mM水溶液10ml及び超純水10mlを加え、マグネティックスターラーにて撹拌しながら2−NAを溶解した。室温で約1時間撹拌後、30℃の恒温槽内で一晩保持した。
【0042】
【化4】
Figure 0004344817
【0043】
この混合溶液は無色透明で、粘度にかなりの増加が見られたので、実施例1と同様に30℃における粘度を測定したところ、1.99となり純水及びCTAB溶液の約2.5倍であった。また、透過型電子顕微鏡による観察を行い、2−NA及びCTABから成る分子集合体は、幅(外径)20から50nm、長さ500nm程度の棒状であることを確認した。
【0044】
実施例4
界面活性剤としてCTAB、芳香族化合物としてナフタレンの2位がカルボキシル基で、3位がヒドロキシル基で置換された3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸(HNA)〔下記の式(5)〕を用いて、実施例1と同様の方法で会合体の合成を行った。HNA(3.8mg)にCTABの2mM水溶液10ml及び超純水10mlを加え、マグネティックスターラーにて撹拌しながらHNAを溶解した。室温で約1時間撹拌後、30℃の恒温槽内で一晩保持した。
【0045】
【化5】
Figure 0004344817
【0046】
混合溶液はわずかに白濁しており、実施例1と同様に30℃における粘度を測定したところ、0.83と増加していた。また、透過型電子顕微鏡による観察を行い、HNA及びCTABから成る分子集合体は、幅(外径)20nm程度の連続した棒状であることを確認した。
【0047】
実施例5
界面活性剤としてCTAB、芳香族化合物としてナフタレンの2位及び3位がカルボキシル基で置換された2,3−ナフタレンジカルボン酸(NDC)〔下記の式(6)〕を用いて、実施例1と同様の方法で会合体の合成を行った。NDC(4.3mg)にCTABの2mM水溶液10ml及び超純水10mlを加え、マグネティックスターラーにて撹拌しながらNDCを溶解した。室温で約1時間撹拌後、30℃の恒温槽内で一晩保持した。
【0048】
【化6】
Figure 0004344817
【0049】
混合溶液は無色透明で、粘度は増加の傾向が見られた。透過型電子顕微鏡による観察を行い、NDC及びCTABから成る会合体は幅(外径)20nm程度の細長い棒状であることを確認した。
【0050】
実施例6
界面活性剤としてCTAB、芳香族化合物としてナフタレン環の1位及び5位がヒドロキシル基で、1,5−ジヒドロキシナフタレン(1,5−DHN)〔下記の式(7)〕を用いた。1,5−DHN(3.2mg)にCTABの2mM水溶液(10ml)及び超純水(10ml)を加えて、それぞれの濃度が1mMになるよう調製し(濃度比1:1)、マグネティックスターラーにて撹拌しながら溶解させた。室温で約1時間撹拌後、30℃の恒温槽内で一晩保持した。
【0051】
【化7】
Figure 0004344817
【0052】
混合溶液はやや白濁しており、粘度の増加は観察されなかった。しかし、混合溶液について透過型電子顕微鏡による観察を行ったところ、1,5−DHN及びCTABの混合分散液中で分子集合体は形成されており、幅20nmの長さ100から200nm程度の細長い形状をしていることを確認した。
【0053】
実施例7
界面活性剤として4級アルキルアンモニウム塩の炭化水素鎖の長さの異なる、ドデシルトリメチルアンモニウム(DTAB)〔下記の式(8)〕、芳香族化合物としてナフタレン環の2位及び3位がカルボキシル基で置換された、2,3−ナフタレンジカルボン酸(2,3−NDC)〔式(6)〕を用いた。2,3−NDC(43.2mg)にDTABの20mM水溶液(10ml)及び超純水(10ml)を加えて、それぞれの濃度が10mMになるよう調製し(濃度比1:1)、マグネティックスターラーにて撹拌しながら溶解させた。室温で約1時間撹拌後、30℃の恒温槽内で一晩保持した。
【0054】
【化8】
Figure 0004344817
【0055】
混合溶液は透明で、粘度の増加が観察された。これについて透過型電子顕微鏡による観察を行ったところ、2,3−NDC及びDTABの混合分散液中で分子集合体は形成されており、幅(外径)20nm程度の棒状をしていることを確認した。
【0056】
実施例8
界面活性剤としてDTAB、芳香族化合物としてナフタレン環の2位がヒドロキシル基で、2−ナフトール〔下記の式(9)〕を用いた。2−ナフトール(14.4mg)にDTABの20mM水溶液(10ml)及び超純水(10ml)を加えて、それぞれの濃度が10mMになるよう調製し(濃度比1:1)、マグネティックスターラーにて撹拌しながら溶解させた。室温で約1時間撹拌後、30℃の恒温槽内で一晩保持した。
【0057】
【化9】
Figure 0004344817
【0058】
混合溶液はやや粘度の増加が見られ、透過型電子顕微鏡による観察を行ったところ、2−ナフトール及びDTABの混合分散液中で分子集合体は形成されており、分子集合体は10から20nmの形状をしていることを確認した。
【0059】
実施例9
界面活性剤としてカチオン性の4級アルキルアンモニウム塩である、セチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)〔化合物(1)〕、また添加する芳香族化合物としてナフタレンの2位と3位がそれぞれカルボキシル基及びアミノ基で置換された3−アミノ−2−ナフトエ酸(ANA)〔化合物(2)〕を用いた。
ANA(3.7mg)にCTABの2mM水溶液(10ml)及び超純水(10ml)を加えて、それぞれの濃度が1mMになるよう調製し(濃度比1:1)、マグネティックスターラーにて撹拌しながら溶解させた。室温で約1時間撹拌後、30℃の恒温槽内で一晩保持した。混合溶液は黄色透明で、粘度の増加が観察され、分子集合体の形成が認められた。
【0060】
一方、金属酸化物源として、ケイ酸ナトリウムおよびアルカリ物質として水酸化ナトリウムを用いて、シリケート前駆体10Na2O, 32SiO2, 360H2Oの組成で作成した溶液を40℃、12時間保持することで得た。得られた溶液は無色透明で、pH13.0であった。この溶液を蒸留水で10倍に希釈した後、 臭化水素酸でpH7.5まで調整した溶液を先の分子集合体を含む溶液と室温で混合した。溶液中に発生する浮遊物をろ過回収し、水洗後得られたろ過物を凍結乾燥させた。得られた粉末は若干黄色を呈していた。得られた粉末を蛍光X線分析を行ったところ、粉末内にBrが少なくなっており、分子集合体とシリケート前駆体との間にイオン交換が行なわれたことが確認された。この粉末を窒素雰囲気下で300℃まで昇温速度1℃/分で熱処理した後、更に空気を流しながら、600℃で同一昇温速度で熱処理した。得られた物質は白色粉末であった。得られた物質をX線回折によって測定したところ、特にピークは観測されず、非晶質であることが確認された。
【0061】
また、得られた白色粉末を液体窒素温度での窒素吸着によるBET吸着測定を行ったところ、直径約300Å程度の細孔を有する比表面積700m2/gの物質であることが分かった(図6)。更に、この物質の透過型電子顕微鏡(HITACHI H7000:加速電圧75KV)による観察を行ったところ全体として円筒状を呈し微細な細孔を有する物質であることが判明した(図7)。
【0062】
実施例10
界面活性剤としてCTAB〔化合物(1)〕、芳香族化合物としてナフタレンの2位と3位がヒドロキシル基で置換された2,3−ジヒドロキシナフタレン(2,3−DHN)〔化合物(3)〕を用いて、実施例1と同様の方法で分子集合体を合成した。2,3−DHN(3.2mg)にCTABの2mM水溶液(10ml)及び超純水(10ml)を加えて、それぞれの濃度が1mMになるよう調製し(濃度比1:1)、マグネティックスターラーにて撹拌しながら溶解させた。室温で約1時間撹拌後、30℃の恒温槽内で一晩保持した。
【0063】
CTABと2,3−DHNの混合溶液は薄桃色で、実施例9と同様の方法で混合溶液の粘度を測定したところ、0.81とほぼ純水と同程度の粘度であった。また混合溶液について、透過型電子顕微鏡による観察を行い、2,3−DHN及びCTABから成る分子集合体の形態は、幅20から40nm程度の屈曲した棒状であることを確認した。
【0064】
ケイ酸ナトリウムとアルミン酸ナトリウム、および水酸化ナトリウムを用いて、シリケート前駆体10Na2O, 0.25Al2O3, 32SiO2, 360H2Oの組成で作成した溶液を40℃、12時間保持することで得た。得られた溶液は無色透明で、pH12.5であった。この溶液を蒸留水で10倍に希釈した後、 臭化水素酸でpH7.5まで調整した溶液を先の分子集合体を含む溶液と室温で混合した。溶液中に発生する浮遊物を遠心分離によって回収し、水洗後得られた回収物を凍結乾燥させた。得られた粉末は若干桃色を呈していた。これを実施例9同様の方法で焼成し,有機物を除去した。得られた物質は白色粉末であった。得られた物質をX線回折によって測定したところ、特にピークは観測されず、非晶質であることが確認された。また、得られた白色粉末を液体窒素温度での窒素吸着によるBET吸着測定を行ったところ、直径約200Å程度の細孔を有する比表面積700m2/gの物質であることが分かった。更に、この物質の透過型電子顕微鏡(HITACHI H7000:加速電圧75KV)による観察を行ったところ全体として円筒状を呈し微細な細孔を有する物質であることが判明した。また、得られた粉末のNMR測定を行ったところ、27Al のケミカルシフト57.6ppmであることが判明した(図8)。
【0065】
実施例11
界面活性剤としてCTAB〔化合物(1)〕、芳香族化合物としてサリチル酸ナトリウム〔化合物(10)〕を用いて、実施例1と同様の方法で分子集合体を合成した。サリチル酸ナトリウム(3.2mg)にCTABの2mM水溶液(10ml)及び超純水(10ml)を加えて、それぞれの濃度が1mMになるよう調製し(濃度比1:1)、マグネティックスターラーにて撹拌しながら溶解させた。室温で約1時間撹拌後、30℃の恒温槽内で一晩保持した。
【0066】
【化10】
Figure 0004344817
【0067】
CTABとサリチル酸ナトリウムの混合溶液は無色透明で、実施例1に比べ非常に高い粘性を示した。この混合溶液の透過型電子顕微鏡観察で、連続的な分子集合体が観測された。得られた分子集合体の形態は、幅(外径)15から20nm程度の繊維状であることが確認された。
【0068】
実施例9同様のシリケート溶液を作成し、蒸留水で10倍に希釈した後、 臭化水素酸でpH7.5に調製した溶液を先の分子集合体を含む溶液と室温で混合した。混合と同時に白色の浮遊物が観測され、発生した浮遊物を遠心分離によって回収し、水洗後得られた回収物を凍結乾燥させた。得られた粉末は白色を呈していた。これを実施例9同様の方法で焼成し、有機物を除去した。得られた物質は白色粉末であった。得られた物質をX線回折によって測定したところ、特にピークは観測されず、非晶質であることが確認された。また、得られた白色粉末を液体窒素温度での窒素吸着によるBET吸着測定を行ったところ、直径約100Å程度の細孔を有する比表面積900m2/gの物質であることが分かった(図9)。更に、この物質の透過型電子顕微鏡(HITACHI H7000:加速電圧75KV)による観察を行ったところ全体として円筒状を呈し微細な細孔を有する物質であることが判明した。
【0069】
【発明の効果】
二分子膜形成能を有しない両親媒性化合物及び芳香族化合物のような安価な化合物を用いて、常温・常圧下、中性の水中において、簡便な方法で安定な分子集合体を合成することが可能になった。また、両親媒性化合物及び芳香族化合物の組み合わせを変えることにより、分子集合体の大きさ形状を様々に変化させることが可能になった。このような合成あるいは入手が容易な化合物を用いて得られる分子集合体を無機化合物の分子レベルの構造制御様鋳型として使用することにより安価に大量にメソポア無機材料が合成され、機能素子・機能材料の開発が、さらに効率的、経済的に展開できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用され得る両親媒性化合物の代表例の化学構造式を示す。
【図2】本発明に従って分子集合体が製造される様子を模式的に示す。
【図3】本発明によって得られた3−アミノ−2−ナフトエ酸及びCTAB混合溶液中の会合体の透過型電子顕微鏡写真である。
【図4】本発明によって得られた2,3−ジヒドロキシナフタレン及びCTAB混合溶液中の会合体の透過型電子顕微鏡写真である。
【図5】2,3−ジヒドロキシナフタレンの溶媒による紫外可視スペクトル変化を示す。
【図6】本発明によって得られた3−アミノ−2−ナフトエ酸及びCTAB混合溶液中の会合体を利用して得られたシリケート構造体のBET法による細孔分布である。
【図7】本発明によって得られた3−アミノ−2−ナフトエ酸及びCTAB混合溶液中の会合体を利用して得られたシリケート構造体の透過型電子顕微鏡写真である。
【図8】本発明によって得られた2,3−ジヒドロキシナフタレン及びCTAB混合溶液中の分子集合体を利用して得られたアルミノシリケート構造体のNMR測定の結果である。
【図9】本発明によって得られたサリチル酸ナトリウム及びCTAB混合溶液中の分子集合体を利用して得られたアルミノシリケート構造体の細孔分布である。

Claims (2)

  1. 分子内に疎水部と親水部を併せ持つが二分子膜形成能を有しない両親媒性化合物に、水溶液中において、芳香族化合物を混合して分子集合体を製造する工程、および該分子集合体を含む水溶液を所望の金属を含む塩基性水溶液に混合し、その後該分子集合体を除去する工程を含む、金属酸化物構造体の製造方法であって、前記両親媒性化合物として4級アルキルアンモニウム塩を用い、前記芳香族化合物として下記の式(イ)〜(チ)に示す化合物のいずれかを用いることを特徴とする方法
    Figure 0004344817
    Figure 0004344817
    Figure 0004344817
    Figure 0004344817
    Figure 0004344817
    Figure 0004344817
    Figure 0004344817
    Figure 0004344817
  2. 前記金属を含む塩基性水溶液をカチオン交換剤で処理した水溶液に前記分子集合体を含む水溶液を混合することを特徴とする、請求項1に記載の金属酸化物構造体の製造方法。
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