JP4344788B2 - デッキ固定用ワッシャ取付装置 - Google Patents
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Description
【発明の技術分野】
本発明は、建築分野におけるプレハブの屋上や屋根等のデッキ固定用ワッシャ取付装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近、プレハブの屋上や屋根に凹凸状のデッキプレートを張り付け、その上面に断熱材を被覆して、その表面に合成樹脂シートを貼り付けることが実施され、重量軽減と省力化がはかれている。
【0003】
そして、その断熱材や合成樹脂シートを下部のデッキプレートに取着するのに、やや大きな形状のワッシャを介してセルフドリリングねじのスクリュウねじでデッキプレートに螺着している。
【0004】
このデッキプレートにワッシャを介して螺着するのに、ワッシャを多数積層したワッシャマガジンからワッシャを一枚ずつワッシャ取付装置のスクリュウビットの下方部に供給し、ワッシャの中心の固定孔にスクリュウねじを挿入してデッキプレートに螺着している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来のデッキ固定用のワッシャ取付装置は、スクリュウねじを螺着するビット操作桿の下側方部に積層するワッシャの中心軸線を垂直状にワッシャマガジンを配設し、最下部のワッシャを側部から押し込み棒で順次ビット操作桿の下方のねじ挿着部に送り出しているものであった。
【0006】
しかし、ワッシャを垂直状に積層しているので、送り出す最下部のワッシャに過大な力が負荷するとともに、ワッシャは1mm位の薄いものなので、押し込み棒で確実かつ円滑に送り出すことが難しく、ワッシャの供給ミスが多発するものであった。そのため、折角の省力化がはかれるワッシャ取付装置でありながら、その性能を十分に発揮することができず、改善することが要望されていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記のような点に鑑みたもので、上記の課題を解決するために、屋上や屋根等のデッキプレートに発泡ウレタン等の断熱材をワッシャを介してスクリュウねじで取着するデッキ固定用ワッシャ取付装置であって、ワッシャの固定孔にスクリュウねじを挿通して締着するビット操作桿をワッシャ取付装置本体に装着してビットを昇降自在に配設し、上記ビット操作桿の側部に積層するワッシャの中心軸線が水平状または下方に向かって傾斜するようにしてワッシャマガジンを配設して、ワッシャマガジンからワッシャを送り爪で供給するようにし、上記ビット操作桿にそって昇降するカム・リンク機構を介して送り爪を搖動するように形成しているとともにこの送り爪を積層したワッシャの側周縁に係脱可能に配設して、ワッシャを一枚ずづビット操作桿の下方のねじ挿着部に供給するようにしていることを特徴とするデッキ固定用ワッシャ取付装置を提供するにある。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明のデッキ固定用ワッシャ取付装置は、屋上や屋根等のデッキプレートに発泡ウレタン等の断熱材をワッシャを介してスクリュウねじで取着するデッキ固定用ワッシャ取付装置であって、ワッシャの固定孔にスクリュウねじを挿通して締着するビット操作桿をワッシャ取付装置本体に装着してビットを昇降自在に配設し、上記ビット操作桿の側部に積層するワッシャの中心軸線が水平状または下方に向かって傾斜するようにしてワッシャマガジンを配設して、ワッシャマガジンからワッシャを送り爪で供給するようにし、上記ビット操作桿にそって昇降するカム・リンク機構を介して送り爪を搖動するように形成しているとともにこの送り爪を積層したワッシャの側周縁に係脱可能に配設して、ワッシャを一枚ずづビット操作桿の下方のねじ挿着部に供給するようにしていることを特徴とするデッキ固定用ワッシャ取付装置を提供するにある。
【0009】
デッキ固定用ワッシャ取付装置1は、図1〜図3のように屋上や屋根等のデッキプレート2の上面を移動可能にワッシャ取付装置本体3に転動ローラー4を配設するとともに、ビット操作桿5を垂直状に配設してビット6を昇降自在とし、このビット操作桿5の側部にセルフドリリングねじのスクリュウねじ7を供給するねじ供給管8を配設している。
【0010】
そして、上記ワッシャ取付装置本体3の側部に図1〜図3のようにワッシャマガジン9を配設し、ワッシャマガジン9に積層したワッシャ10を一枚ずつ送り爪11でビット6を昇降する下部のねじ挿着部12に供給するようにしている。
【0011】
上記ワッシャマガジン9は、図1のように積層するワッシャ10の中心軸線が水平または下方に向かって傾斜するように配設し、送り爪11を上記積層するワッシャ10のねじ挿着部12側または一番下および二番目の周縁に係合して、一番下のものを順次下方へ転倒して落下するようにしてビット操作桿5の下方のねじ挿着部12に供給するようにしている。
【0012】
送り爪11は、図4のようにほぼ扇状に形成していて、図2のように上記ワッシャマガジン9の先端上部の固定板13に枢着し、その上部のカム14をビット操作桿5にそって昇降するカム棒15に当接して、送り爪11をワッシャ10の側周部にそって搖動するようにしている。
【0013】
そして、送り爪11の扇状の下端部分の一部に図4のように段設部16を設け、この送り爪11の下部をワッシャマガジン9の積層するワッシャ10の一番下およびその二番目の上周縁17に係合するようにし、ビット操作桿5を昇降してワッシャ10をスクリュウねじ7を介してデッキプレート2に取着するたびに送り爪11を搖動し、一番下のワッシャ10を転倒して落下するようにしている。
【0014】
ワッシャ取付装置本体4に転倒したワッシャ10は、図1のようにビット操作桿5の下部位置の手前側の待機ステーション18に待機状態とし、ワッシャ供給レバー19を介してねじ挿着部12に送給するようにしている。
【0015】
ワッシャ供給レバー19は、図1〜図3のようにほぼ門型状としていて、その上端部を図のようにビット操作桿5の下方のカム棒摺動ガイド20に枢支していて、その側部に搖動用カム21を配設し、カム棒15に当接して所要の角度にわたって搖動するようにしている。
【0016】
そして、図1〜図3のようにこのワッシャ供給レバー19の下端部を、水平移動板22の両側部を折曲して垂直材23に設けた長孔24に摺動可能に枢着し、水平移動板22に垂設したワッシャ送り材25でワッシャ10をビット操作桿5を上昇するときに供給するようにしている。
【0017】
なお、ワッシャ10の供給手段としては、上記したワッシャ供給レバー19を介することなく、すべり台等によって直接的にねじ挿着部12に送給するようにもできる。
【0018】
なお、ねじ装着部12に送給されたワッシャ10は、図5のように両側のL形状の係止材26に搭載し、上記したビット6を下降して押圧したときにスプリング27に抗して係止材26が回転し、ワッシャ10が下方の発泡ウレタン等の断熱材28の上に設置されるようになっている。
【0019】
上記したデッキ固定用のワッシャ10は、図6のように70〜100mm径の円板状や角板状で、その中心に固定孔29を開孔し、そのまわりに補強用の円状の凹設部30、31を周縁に断熱シート固定突縁32を設けている。
【0020】
そして、このようなワッシャ10を図1のように積層してねじ挿着部12に一枚ずつ供給するのに、ワッシャ10の周縁32が密接せずにワッシャ10の周縁32間に間隙が生じるように固定孔29のまわりにほぼ均一状にワッシャ10の表面側をプレス等で押圧して裏面側に突き出る突起部33を3個以上配設している。
【0021】
上記突起部33は、たとえば図6のように固定孔29のまわりに半径Rの120度角度間隙等の軸対称位置から全体をxだけ少しずらした非軸対称状位置や、軸対称位置のピッチサークル径Rをそれぞれ少し変えて配置するのが、積層するワッシャ10の表面側の凹部34と裏面側の突起部33が全部ぴったりと一致しない限り全部嵌合しないので、ワッシャ10の周縁32間に所定の間隙を確実に生じることができるので好ましい。
【0022】
上記突起部33の突出量としては、1.0〜3.0mm位が積層したワッシャ10を送り爪11で確実にビット6の下方部に送り込めて好ましい。1.0mmより少ないと送り爪11に引っ掛けにくく、3.0mmより大きいとワッシャ10を積層したときに嵩高となって好ましくない。
【0023】
突起部33としては、円形状や半球状のものが製造しやすくて好ましいが、角状や切欠状等とすることもでき、また固定孔29のまわりに3個以上設け、ワッシャ10を重ね合わせたときに3点支持にできてワッシャ10のまわりに均一に間隙を生じるようにできて好ましいものであるが、上記した本発明の趣旨にもとづいて突起部の形状、数量を適宜選択することができる。
【0024】
【実施例】
図1〜図6は、本発明の一実施例を示すものである。ワッシャ取付装置1は、図1〜図3のようにデッキプレート2上に安定して移行できるように搬送ローラー4で搬送可能として、ワッシャ取付装置本体3にビット操作桿5を垂直にほぼ腰の高さに配設している。
【0025】
そして、ビット操作桿5の下端に所要のビット6を装着し、上端の工具装着部35に電動ドライバー(図示せず)を装着してコイルスプリング36に抗して下方に押動して、側部のねじ供給管8から一本ずつ挿入する所定長さのスクリュウねじ7をビット6でデッキプレート2に螺着するようにしている。
【0026】
ワッシャマガジン9には、85mm径の円板状のワッシャ10を30枚位積層し、上記したようにカム・リンク機構を介して送り爪11を搖動し、ワッシャ10を一枚ずつ転倒し、ワッシャ供給レバー19でねじ挿着部12に送給できるようにしている。
【0027】
したがって、図1のようにワッシャ取付装置1をプレハブの屋上や屋根のデッキプレート2の所定位置に停止し、ねじ供給管8からスクリュウねじ7を挿入して、電動ドライバーを駆動してビット操作桿5を押し下げると、ねじ挿着部12に送給されたワッシャ10の固定孔29にスクリュウねじ7を挿通して発泡ウレタン等の断熱材28をデッキプレート2に順次取着できる。
【0028】
ワッシャ10に突起部33を突設しているため、ワッシャ10の周縁32間に間隙が生じてワッシャマガジン9から送り爪11で確実に一枚ずつ転倒して送給できる。
【0029】
また、その際ワッシャマガジン9を傾斜しているため、ワッシャ10を容易に下方へ転倒できるものである。
【0030】
そしてまた、その下方にワッシャ供給レバー19でワッシャ10をねじ挿着部12に送給する待機ステーション18を設けているため、デッキプレート2に一枚のワッシャ10を取着すると、カム・リンク機構でビット操作桿5の上昇時に上記のようにしてワッシャ取付装置本体3上に転倒させたワッシャ10をねじ挿着部12に送給でき、ワッシャ10の取付装置の短縮化がはかれる。
【0031】
以上では、プレハブの屋上や屋根について説明したが、斜め状や垂直状の壁面に貼着するデッキプレートにも適用でき、またプレハブ以外のデッキプレートの取り付けに対しても適用できるものである。
【0032】
【発明の効果】
以上のように本発明にあっては、ワッシャマガジンに積層したワッシャを容易に送り爪で転倒してねじ挿着部に送給できて、デッキプレートに断熱材を取着することができる。
【0033】
また、送り爪を上記積層するワッシャの一番下および二番目の上周縁に係合して、一番下のものを順次下方へ転倒して落下するようにしてビット操作桿の下方のねじ挿着部に供給することによって、ワッシャマガジンに積層したワッシャを確実に送り爪で転倒してねじ挿着部に送給できて、デッキプレートに断熱材を取着することができる。
【0034】
さらに、積層したワッシャを一枚ずつワッシャ取着具のスクリュウビット部に確実に送り爪で供給できるように積層するワッシャ間に間隙を設ける突起部を固定孔のまわりにほぼ均一状に配設することによって、ワッシャマガジンに積層するワッシャの周縁間に間隙を設けられて、送り爪でより一層確実にワッシャを一枚ずつねじ挿着部へ送給するようにできる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の一部省略した側断面図、
【図2】同上の一部省略した正断面図、
【図3】同上の一部省略した背断面図、
【図4】同上の送り爪部の側面図(a)と正面図(b)、
【図5】同上のビット装着部の説明用断面図、
【図6】同上のワッシャの平面図(a)と側断面図(b)。
【符号の説明】
1…ワッシャ取付装置 2…デッキプレート 3…ワッシャ取付装置本体
5…ビット操作桿 6…ビット 7…スクリュウねじ
9…ワッシャマガジン 10…ワッシャ 11…送り爪
12…ねじ挿着部 28…断熱材 33…突起部
Claims (3)
- 屋上や屋根等のデッキプレートに発泡ウレタン等の断熱材をワッシャを介してスクリュウねじで取着するデッキ固定用ワッシャ取付装置であって、
ワッシャの固定孔にスクリュウねじを挿通して締着するビット操作桿をワッシャ取付装置本体に装着してビットを昇降自在に配設し、上記ビット操作桿の側部に積層するワッシャの中心軸線が水平状または下方に向かって傾斜するようにしてワッシャマガジンを配設して、ワッシャマガジンからワッシャを送り爪で供給するようにし、
上記ビット操作桿にそって昇降するカム・リンク機構を介して送り爪を搖動するように形成しているとともにこの送り爪を積層したワッシャの側周縁に係脱可能に配設して、ワッシャを一枚ずづビット操作桿の下方のねじ挿着部に供給するようにしていることを特徴とするデッキ固定用ワッシャ取付装置。 - 送り爪を積層するワッシャの一番下および二番目の上周縁に係合して、一番下のものを順次下方へ転倒して落下するようにしてビット操作桿の下方のねじ挿着部に供給するようにしている請求項1に記載のデッキ固定用ワッシャ取付装置。
- 積層したワッシャを一枚ずつねじ挿着部に確実に送り爪で供給できるように積層するワッシャの側周縁間に間隙を設ける突起部をワッシャの固定孔のまわりにほぼ均一状に配設したものである請求項1または2に記載のデッキ固定用ワッシャ取付装置。
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