JP4344513B2 - 燃料電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電解質をアノード側電極とカソード側電極とで挟んで構成される電解質・電極接合体を有し、前記電解質・電極接合体とセパレータとを交互に積層する燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、固体高分子型燃料電池は、高分子イオン交換膜(陽イオン交換膜)からなる固体高分子電解質膜を採用している。この燃料電池は、固体高分子電解質膜の両側に、それぞれ電極触媒と多孔質カーボンからなるアノード側電極およびカソード側電極を対設して構成される電解質膜・電極構造体を、セパレータ(バイポーラ板)によって挟持することにより構成されている。通常、この燃料電池を所定数だけ積層した燃料電池スタックが使用されている。
【0003】
この種の燃料電池において、アノード側電極に供給された燃料ガス(反応ガス)、例えば、主に水素を含有するガス(以下、水素含有ガスともいう)は、電極触媒上で水素がイオン化され、電解質膜を介してカソード側電極側へと移動する。その間に生じた電子が外部回路に取り出され、直流の電気エネルギとして利用される。なお、カソード側電極には、酸化剤ガス(反応ガス)、例えば、主に酸素を含有するガスあるいは空気(以下、酸素含有ガスともいう)が供給されているために、このカソード側電極において、水素イオン、電子および酸素が反応して水が生成される。
【0004】
上記の燃料電池では、アノード側セパレータの面内に、アノード側電極に対向して燃料ガスを流すための燃料ガス流路(反応ガス流路)が設けられるとともに、カソード側セパレータの面内に、カソード側電極に対向して酸化剤ガスを流すための酸化剤ガス流路(反応ガス流路)が設けられている。また、アノード側セパレータとカソード側セパレータとの間には、冷却媒体を流すための冷却媒体流路が前記セパレータの面方向に沿って設けられている。
【0005】
この種のセパレータは、通常、カーボン系材料で構成されているが、前記カーボン系材料では、強度等の要因で薄肉化が図れないという不具合が指摘されている。そこで、最近、この種のカーボン製セパレータよりも強度に優れかつ薄肉化が容易な金属薄板製のセパレータ(以下、金属セパレータともいう)を用い、この金属セパレータにプレス加工を施して所望の反応ガス流路を成形することにより、該金属セパレータの厚さの減少を図って燃料電池全体を小型化かつ軽量化する工夫がなされている(特許文献1参照)。
【0006】
例えば、図23に示す燃料電池1は、アノード側電極2とカソード側電極3との間に電解質膜4が介装された電解質膜・電極構造体5と、前記電解質膜・電極構造体5を挟持する一組の金属セパレータ6a、6bとを備えている。
【0007】
金属セパレータ6aには、アノード側電極2に対向する面に燃料ガス(例えば、水素含有ガス)を供給するための燃料ガス流路7aが設けられる一方、金属セパレータ6bには、カソード側電極3に対向する面に酸化剤ガス(例えば、空気等の酸素含有ガス)を供給するための酸化剤ガス流路7bが設けられている。金属セパレータ6a、6bには、アノード側電極2およびカソード側電極3に当接する平坦部8a、8bが設けられるとともに、前記平坦部8a、8bの裏面(当接面とは反対の面)側に冷却媒体を流すための冷却媒体流路9a、9bが形成されている。
【0008】
【特許文献1】
特開平8−222237号公報(段落[0018]、図3)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の金属セパレータ6a、6bでは、燃料ガス流路7aおよび酸化剤ガス流路7bの流路形状が設定されると、必然的に冷却媒体流路9a、9bの流路形状が決まってしまう。特に、長尺なガス流路長を確保するために、燃料ガス流路7aおよび酸化剤ガス流路7bを電極面内で蛇行させるサーペンタイン流路で構成する場合、冷却媒体流路9a、9bの流路形状が著しく制限されることになる。これにより、金属セパレータ6a、6bの面方向全面にわたって冷却媒体を均一に流すことができず、電極面を均一に冷却して安定した発電性能を得ることが困難になるという問題が指摘されている。
【0010】
本発明はこの種の問題を解決するものであり、簡単な構成で、セパレータの面内に冷却媒体を均一に流すことができ、良好な発電性能を確保することが可能な燃料電池を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る燃料電池では、電解質・電極接合体と交互に積層されるセパレータが、少なくとも互いに積層される第1および第2金属プレートを備えている。第1金属プレートは、アノード側電極の面方向に沿って燃料ガスを供給しかつ屈曲する流路を含む燃料ガス流路を設ける一方、第2金属プレートは、カソード側電極の面方向に沿って酸化剤ガスを供給しかつ屈曲する流路を含む酸化剤ガス流路を設けている。
【0012】
そして、第1および第2金属プレート間には、同一の冷却媒体入口連通孔に連通する2以上の入口バッファ部と、同一の冷却媒体出口連通孔に連通する2以上の出口バッファ部と、セパレータ面方向に沿って延在し前記2以上の入口バッファ部と前記2以上の出口バッファ部とを連通する直線状流路溝とを備える冷却媒体流路が設けられている。
【0013】
このため、第1および第2金属プレート間では、冷却媒体入口連通孔から2以上の入口バッファ部に冷却媒体が分割して供給された後、直線状流路溝を通って2以上の出口バッファ部に導入され、さらに冷却媒体出口連通孔に排出される。従って、冷却媒体は、セパレータ面内を均一に流れることができ、電極面を均一に冷却して安定した発電性能を得ることが可能になる。
【0014】
また、本発明の請求項2に係る燃料電池では、第1金属プレートには、冷却媒体入口連通孔および冷却媒体出口連通孔に連通する第1入口バッファ部および第1出口バッファ部が設けられるとともに、第2金属プレートには、同一の前記冷却媒体入口連通孔および同一の前記冷却媒体出口連通孔に連通し、かつ前記第1入口バッファ部および前記第1出口バッファ部とは異なる位置に配置して第2入口バッファ部および第2出口バッファ部が設けられている。
【0015】
これにより、第1および第2金属プレートは、それぞれ屈曲流路を含む燃料ガス流路および酸化剤ガス流路が設けられることによってバッファ部の配置が制約される部位を、互いに補うことができる。従って、簡単な構成で、セパレータ内に所望の形状を有する冷却媒体流路を確実に形成することが可能になる。
【0016】
さらに、本発明の請求項3に係る燃料電池では、燃料ガス流路が、燃料ガス入口連通孔に連通する入口バッファ部と、燃料ガス出口連通孔に連通する出口バッファ部と、第1金属プレートの面方向に沿って延在し前記入口バッファ部と前記出口バッファ部を連通する屈曲流路溝とを備えている。また、酸化剤ガス流路が、酸化剤ガス入口連通孔に連通する入口バッファ部と、酸化剤ガス出口連通孔に連通する出口バッファ部と、第2金属プレートの面方向に沿って延在し前記入口バッファ部と前記出口バッファ部を連通する屈曲流路溝とを備えている。
【0017】
このため、セパレータの面内に沿って燃料ガスおよび酸化剤ガスを円滑かつ均一に供給することができ、燃料電池の発電性能を良好に向上させることが可能になる。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る燃料電池10の要部分解斜視図であり、図2は、前記燃料電池10の一部断面説明図である。
【0019】
燃料電池10は、電解質膜・電極構造体12とセパレータ13とを交互に積層して構成されるとともに、このセパレータ13は、互いに積層される第1および第2金属プレート14、16を備える。
【0020】
図1に示すように、電解質膜・電極構造体12とセパレータ13の矢印B方向の一端縁部には、積層方向である矢印A方向に互いに連通して、酸化剤ガス、例えば、酸素含有ガスを供給するための酸化剤ガス入口連通孔20a、冷却媒体を供給するための冷却媒体入口連通孔22a、および燃料ガス、例えば、水素含有ガスを排出するための燃料ガス出口連通孔24bが、矢印C方向(鉛直方向)に配列して設けられる。
【0021】
電解質膜・電極構造体12とセパレータ13の矢印B方向の他端縁部には、矢印A方向に互いに連通して、燃料ガスを供給するための燃料ガス入口連通孔24a、冷却媒体を排出するための冷却媒体出口連通孔22b、および酸化剤ガスを排出するための酸化剤ガス出口連通孔20bが、矢印C方向に配列して設けられる。
【0022】
電解質膜・電極構造体12は、例えば、パーフルオロスルホン酸の薄膜に水が含浸されてなる固体高分子電解質膜26と、該固体高分子電解質膜26を挟持するアノード側電極28およびカソード側電極30とを備える。
【0023】
アノード側電極28およびカソード側電極30は、カーボンペーパ等からなるガス拡散層と、白金合金が表面に担持された多孔質カーボン粒子を前記ガス拡散層の表面に一様に塗布した電極触媒層とをそれぞれ有する。電極触媒層は、互いに固体高分子電解質膜26を介装して対向するように、前記固体高分子電解質膜26の両面に接合されている。
【0024】
図1および図3に示すように、第1金属プレート14の電解質膜・電極構造体12側の面14aには、酸化剤ガス流路32が設けられるとともに、この酸化剤ガス流路32は、酸化剤ガス入口連通孔20aと酸化剤ガス出口連通孔20bとに連通する。酸化剤ガス流路32は、酸化剤ガス入口連通孔20aおよび酸化剤ガス出口連通孔20bに近接して設けられる入口バッファ部34および出口バッファ部36を備え、前記入口バッファ部34および前記出口バッファ部36は、複数のエンボス34a、36aにより構成されている。
【0025】
入口バッファ部34と出口バッファ部36とは、3本の酸化剤ガス流路溝38a、38bおよび38cを介して連通している。酸化剤ガス流路溝38a〜38cは、矢印B方向に蛇行しながら矢印C方向に延在しており、具体的には、2箇所のリターン部T1、T2を有して矢印B方向に一往復半の屈曲する流路を構成している。
【0026】
第1金属プレート14の面14aには、酸化剤ガス入口連通孔20a、酸化剤ガス出口連通孔20bおよび酸化剤ガス流路32を覆って酸化剤ガスのシールを行う線状シール40が設けられる。
【0027】
第1金属プレート14と第2金属プレート16との互いに対向する面14b、16aには、冷却媒体流路42が一体的に形成される。図4に示すように、冷却媒体流路42は、冷却媒体入口連通孔22aの矢印C方向両端近傍に設けられる、例えば、2つの入口バッファ部44、46と、冷却媒体出口連通孔22bの矢印C方向両端近傍に設けられる、例えば、2つの出口バッファ部48、50とを備える。入口バッファ部44、46および出口バッファ部48、50は、複数のエンボス44a、46a、48aおよび50aにより構成されている。
【0028】
冷却媒体入口連通孔22aと入口バッファ部44、46とは、それぞれ2本の入口流路溝52、54を介して連通する一方、冷却媒体出口連通孔22bと出口バッファ部48、50とは、それぞれ2本の出口流路溝56、58を介して連通する。
【0029】
入口バッファ部44と出口バッファ部48とは、矢印B方向に延在する直線状流路溝60、62、64および66を介して連通するとともに、入口バッファ部46と出口バッファ部50とは、矢印B方向に延在する直線状流路溝68、70、72および74を介して連通する。直線状流路溝66、68間には、矢印B方向に所定の長さだけ延在して直線状流路溝76、78が設けられる。
【0030】
直線状流路溝60〜74は、矢印C方向に延在する直線状流路溝80、82を介して連通する。直線状流路溝62〜78は、矢印C方向に延在する直線状流路溝84、86を介して連通するとともに、直線状流路溝64、66および76と直線状流路溝68、70および78とは、矢印C方向に断続的に延在する直線状流路溝88および90を介して連通する。
【0031】
冷却媒体流路42は、第1金属プレート14と第2金属プレート16とに振り分けられており、前記第1および第2金属プレート14、16を互いに重ね合わせることによって、前記冷却媒体流路42が形成される。図5に示されるように、第1金属プレート14の面14bには、面14a側に形成される酸化剤ガス流路32を避けるようにして冷却媒体流路42の一部が形成される。なお、面14bには、面14aに形成された酸化剤ガス流路32が凸状に突出しているが、冷却媒体流路42を分かり易くするために、該凸状部分は図示を省略する。また、図6に示す面16aでも同様に、面16bに形成された燃料ガス流路96が前記面16aに凸状に突出する部分は図示を省略する。
【0032】
面14bには、冷却媒体入口連通孔22aに2本の入口流路溝52を介して連通する入口バッファ部44と、冷却媒体出口連通孔22bに2本の出口流路溝58を介して連通する出口バッファ部50とが設けられる。
【0033】
入口バッファ部44には、酸化剤ガス流路溝38a〜38cのリターン部T2および出口バッファ部36を避けるようにして、溝部60a、62a、64aおよび66aが矢印B方向に沿って断続的かつ所定の長さに設けられる。出口バッファ部50には、酸化剤ガス流路溝38a〜38cのリターン部T1および入口バッファ部34を避けるようにして、溝部68a、70a、72aおよび74aが矢印B方向に沿って所定の位置に設けられる。
【0034】
溝部60a〜78aは、それぞれ直線状流路溝60〜78の一部を構成している。直線状流路溝80〜90を構成する溝部80a〜90aは、蛇行する酸化剤ガス流路溝38a〜38cを避けるようにして、矢印C方向にそれぞれ所定の長さにわたって設けられる。
【0035】
図6に示すように、第2金属プレート16の面16aには、後述する燃料ガス流路96を避けるようにして冷却媒体流路42の一部が形成される。具体的には、冷却媒体入口連通孔22aに連通する入口バッファ部46と、冷却媒体出口連通孔22bを構成する出口バッファ部48とが設けられる。
【0036】
入口バッファ部46には、直線状流路溝68〜74を構成する溝部68b〜74bが矢印B方向に沿って所定の長さにかつ断続的に連通する一方、出口バッファ部48には、直線状流路溝60〜66を構成する溝部60b〜66bが所定の形状に設定されて連通する。面16aには、直線状流路溝80〜90を構成する溝部80b〜90bが矢印C方向に延在して設けられる。
【0037】
冷却媒体流路42では、矢印B方向に延在する直線状流路溝60〜78の一部がそれぞれの溝部60a〜78aおよび60b〜78bが互いに対向することにより、流路断面積を他の部分の2倍に拡大して主流路が構成されている(図4および図7参照)。直線状流路溝80〜94は、一部を重合させてそれぞれ第1および第2金属プレート14、16に振り分けられている(図8参照)。第1金属プレート14の面14aと第2金属プレート16の面16aとの間には、冷却媒体流路42を囲繞して線状シール40aが介装されている。
【0038】
図9に示すように、第2金属プレート16の電解質膜・電極構造体12側の面16bには、燃料ガス流路96が設けられる。燃料ガス流路96は、燃料ガス入口連通孔24aに近接して設けられる入口バッファ部98と、燃料ガス出口連通孔24bに近接して設けられる出口バッファ部100とを備える。
【0039】
入口バッファ部98および出口バッファ部100は、複数のエンボス98a、100aによって構成されており、例えば、3本の燃料ガス流路溝102a、102bおよび102cを介して連通する。燃料ガス流路溝102a〜102cは、矢印B方向に蛇行しながら矢印C方向に延在しており、2つのリターン部T3、T4を設けて実質的に一往復半の屈曲する流路を構成している。面16bには、燃料ガス流路96を囲繞して線状シール40bが設けられる。
【0040】
このように構成される第1の実施形態に係る燃料電池10の動作について、以下に説明する。
【0041】
図1に示すように、燃料ガス入口連通孔24aに水素含有ガス等の燃料ガスが供給されるとともに、酸化剤ガス入口連通孔20aに酸素含有ガス等の酸化剤ガスが供給される。さらに、冷却媒体入口連通孔22aに純水やエチレングリコール、オイル等の冷却媒体が供給される。
【0042】
酸化剤ガスは、酸化剤ガス入口連通孔20aから第1金属プレート14の酸化剤ガス流路32に導入される。酸化剤ガス流路32では、図3に示すように、酸化剤ガスが一旦入口バッファ部34に導入された後、酸化剤ガス流路溝38a〜38cに分散される。このため、酸化剤ガスは、酸化剤ガス流路溝38a〜38cを介して蛇行しながら、電解質膜・電極構造体12のカソード側電極30に沿って移動する。
【0043】
一方、燃料ガスは、燃料ガス入口連通孔24aから第2金属プレート16の燃料ガス流路96に導入される。この燃料ガス流路96では、図9に示すように、燃料ガスが一旦入口バッファ部98に導入された後、燃料ガス流路溝102a〜102cに分散される。さらに、燃料ガスは、燃料ガス流路溝102a〜102cを介して蛇行し、電解質膜・電極構造体12のアノード側電極28に沿って移動する。
【0044】
従って、電解質膜・電極構造体12では、カソード側電極30に供給される酸化剤ガスと、アノード側電極28に供給される燃料ガスとが、電極触媒層内で電気化学反応により消費され、発電が行われる。
【0045】
次いで、アノード側電極28に供給されて消費された燃料ガスは、出口バッファ部100から燃料ガス出口連通孔24bに排出される。同様に、カソード側電極30に供給されて消費された酸化剤ガスは、出口バッファ部36から酸化剤ガス出口連通孔20bに排出される。
【0046】
一方、冷却媒体入口連通孔22aに供給された冷却媒体は、第1および第2金属プレート14、16間に形成された冷却媒体流路42に導入される。この冷却媒体流路42では、図4に示すように、冷却媒体入口連通孔22aから矢印C方向に延在する入口流路溝52、54を介して入口バッファ部44、46に冷却媒体が一旦導入される。
【0047】
入口バッファ部44、46に導入された冷却媒体は、直線状流路溝60〜66および68〜74に分散されて水平方向(矢印B方向)に移動するとともに、その一部が直線状流路溝80〜90および76、78に供給される。従って、冷却媒体は、電解質膜・電極構造体12の発電面全面にわたって供給された後、出口バッファ部48、50に一旦導入され、さらに出口流路溝56、58を介して冷却媒体出口連通孔22bに排出される。
【0048】
この場合、第1の実施形態では、第1および第2金属プレート14、16間に形成される冷却媒体流路42が、冷却媒体入口連通孔22aに連通する2つの入口バッファ部44、46と、冷却媒体出口連通孔22bに連通する2つの出口バッファ部48、50とを設けている。このため、冷却媒体は、冷却媒体入口連通孔22aから矢印C方向に分岐して入口バッファ部44、46に一旦導入された後、直線状流路溝60〜90を介して発電面方向に移動し、さらに出口バッファ部48、50に一旦導入されて冷却媒体出口連通孔22bに排出されている。
【0049】
これにより、冷却媒体は、セパレータ13の面内全面に沿って均一に流れることができ、電解質膜・電極構造体12の発電面を均一に冷却し、燃料電池10全体として安定した発電性能を得ることができるという効果が得られる。
【0050】
その際、第1金属プレート14では、面14a側からプレス成形される酸化剤ガス流路32を避ける位置に対応して冷却媒体流路42の一部が形成されている。具体的には、図3に示すように、入口バッファ部34を避けて冷却媒体入口連通孔22aの下方に入口バッファ部44が設けられるとともに、出口バッファ部36を避けて冷却媒体出口連通孔22bの上方に出口バッファ部50が設けられる。さらに、蛇行する酸化剤ガス流路溝38a〜38cを避けて、それぞれ所定の形状に設定された溝部60a〜90aが形成される(図3および図5参照)。このように、第1金属プレート14の両方の面14a、14bに、それぞれ酸化剤ガス流路32と冷却媒体流路42とを形成することができる。
【0051】
一方、第2金属プレート16の面16aには、面16bに形成される燃料ガス流路96を避けるようにして、冷却媒体流路42の一部が形成される。具体的には、図9に示すように、出口バッファ部100を避けて冷却媒体入口連通孔22aの上方に入口バッファ部46が設けられるとともに、入口バッファ部98を避けて冷却媒体出口連通孔22bの下方に出口バッファ部48が設けられる。さらに、蛇行する燃料ガス流路溝102a〜102cを避けるようにして、溝部60b〜90bが所定の形状に設定される(図6および図9参照)。このように、第2金属プレート16の両方の面16a、16bには、それぞれ冷却媒体流路42と燃料ガス流路96とを形成することができる。
【0052】
これにより、第1および第2金属プレート14、16は、それぞれ酸化剤ガス流路32および燃料ガス流路96が設けられることによって流路形状が制約される部位を、互いに補うことができる。従って、簡単な構成で、セパレータ13内に所望の形状を有する冷却媒体流路42を確実に形成することが可能になるという効果が得られる。
【0053】
図10は、本発明の第2の実施形態に係る燃料電池110の要部分解斜視図である。なお、第1の実施形態に係る燃料電池10と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。なお、以下に示す第3〜第5の実施形態においても同様に、その詳細な説明は省略する。
【0054】
燃料電池110は、電解質膜・電極構造体12とセパレータ112とを交互に積層しており、前記セパレータ112は、互いに積層される第1および第2金属プレート114、116を備える。電解質膜・電極構造体12とセパレータ112の矢印B方向の一端縁部には、酸化剤ガス入口連通孔20a、冷却媒体入口連通孔22aおよび酸化剤ガス出口連通孔20bが設けられる。電解質膜・電極構造体12とセパレータ112の矢印B方向の他端縁部には、燃料ガス入口連通孔24a、冷却媒体出口連通孔22bおよび燃料ガス出口連通孔24bが設けられる。
【0055】
図11に示すように、第1金属プレート114のカソード側電極30側の面114aには、酸化剤ガス流路118が設けられる。この酸化剤ガス流路118は、酸化剤ガス入口連通孔20aに2本の入口流路溝120を介して連通する入口バッファ部34と、酸化剤ガス出口連通孔20bに2本の出口流路溝122を介して連通する出口バッファ部36とを備える。入口バッファ部34および出口バッファ部36は、互いに近接しており、略U字状に屈曲する酸化剤ガス流路溝124a、124bおよび124cを介して連通する。
【0056】
第1および第2金属プレート114、116間には、冷却媒体流路126が形成されるとともに、前記第2金属プレート116のアノード側電極28側の面116aには、燃料ガス流路125が形成される。
【0057】
図12に示すように、燃料ガス流路125は、燃料ガス入口連通孔24aに2本の入口流路溝127を介して連通する入口バッファ部98と、燃料ガス出口連通孔24bに2本の出口流路溝129を介して連通する出口バッファ部100とを備える。入口バッファ部98および出口バッファ部100は、互いに近接しており、略U字状に屈曲する燃料ガス流路溝131a、131bおよび131cを介して連通する。
【0058】
図13に示すように、冷却媒体流路126は、冷却媒体入口連通孔22aに近接して設けられる入口バッファ部44、46と、冷却媒体出口連通孔22bに近接して設けられる出口バッファ部48、50とを備える。入口バッファ部44と出口バッファ部48とは、矢印B方向に延在する直線状流路溝128、130を介して連通する一方、入口バッファ部46と出口バッファ部50とは、同様に矢印B方向に延在する直線状流路溝132、134を介して連通する。
【0059】
直線状流路溝128、134の矢印C方向外方には、直線状流路溝136、138が形成されるとともに、直線状流路溝130、132間には、直線状流路溝140が形成される。
【0060】
直線状流路溝128〜140は、矢印C方向に延在する直線状流路溝142、144を介して連通し、直線状流路溝128〜134および140は、矢印C方向に延在する直線状流路溝146、148を介して連通する。直線状流路溝130、132および140は、矢印C方向に延在する直線状流路溝150、152を介して連通する。
【0061】
図11に示すように、第1金属プレート114の第2金属プレート116に対向する面114bには、冷却媒体出口連通孔22bに連通する出口バッファ部48、50が設けられる。面114bには、直線状流路溝128〜140を構成する溝部128a〜140aが、酸化剤ガス流路を構成する酸化剤ガス流路溝124a〜124cの屈曲部分を避けて形成される。面114bには、矢印C方向に沿って直線状流路溝146、148および152が形成される。
【0062】
図12に示すように、第2金属プレート116の第1金属プレート114に対向する面116bには、冷却媒体入口連通孔22aに近接して入口バッファ部44、46が設けられる。面116bには、直線状流路溝128〜140を構成する溝部128b〜140bが、燃料ガス流路溝131a〜131cの屈曲部分を避けて形成される。この面116bには、矢印C方向に延在して直線状流路溝142、146および150が形成される。面114a、116aには、線状シール40c、40dが設けられるとともに、面114b、116b間には、図示しない線状シールが設けられている。
【0063】
このように構成される第2の実施形態では、第1金属プレート114の面114aには、入口バッファ部34と出口バッファ部36とを略U字状に屈曲する酸化剤ガス流路溝124a〜124cを介して連通する酸化剤ガス流路118が設けられる一方、第2金属プレート116の面116aには、入口バッファ部98と出口バッファ部100とを略U字状に屈曲する燃料ガス流路溝131a〜131cを介して連通する燃料ガス流路125が設けられている。
【0064】
このため、第1および第2金属プレート114、116の面114b、116bでは、冷却媒体用の流路形状が制限されるが、それぞれの制約部分を互いに補って、前記第1および第2金属プレート114、116間には、冷却媒体流路126が形成されている。
【0065】
この場合、冷却媒体流路126では、冷却媒体入口連通孔22aに連通する2つの入口バッファ部44、46と、冷却媒体出口連通孔22bに連通する2つの出口バッファ部48、50とを設けることができる。これにより、セパレータ112の面内に沿って冷却媒体を均一に流すことが可能になり、電解質膜・電極構造体12の電極面を均一に冷却して安定した電池性能を得ることができる等、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0066】
図14は、本発明の第3の実施形態に係る燃料電池を構成する第1金属プレート160の正面説明図である。
【0067】
第1金属プレート160の面160aは、カソード側電極30に対向しており、酸化剤ガス入口連通孔20aと酸化剤ガス出口連通孔20bとに連通する酸化剤ガス流路162が設けられる。この酸化剤ガス流路162は、入口バッファ部34と出口バッファ部36とを連通する3本の酸化剤ガス流路溝164a〜164cを備え、前記酸化剤ガス流路溝164a〜164cは、矢印B方向に蛇行しながら矢印C方向に延在する。酸化剤ガス流路溝164a〜164cは、4つのリターン部を設けて矢印B方向に二往復半の流路構造に設定される。
【0068】
図15は、第1金属プレート160に積層される第2金属プレート166のアノード側電極28に対向する面166aの正面説明図である。
【0069】
この面166aには、燃料ガス入口連通孔24aと燃料ガス出口連通孔24bとを連通する燃料ガス流路168が設けられる。燃料ガス流路168は、入口バッファ部98と出口バッファ部100とを連通する3本の燃料ガス流路溝170a〜170cを備える。燃料ガス流路溝170a〜170cは、矢印B方向に蛇行しながら矢印C方向に延在しており、4つのリターン部を有する二往復半の流路構造に設定される。
【0070】
第1および第2金属プレート160、166間には、冷却媒体流路172が形成される。図16に示すように、冷却媒体流路172は、冷却媒体入口連通孔22aに連通する入口バッファ部44、46と、冷却媒体出口連通孔22bに連通する出口バッファ部48、50とを備える。入口バッファ部44と出口バッファ部48とは、矢印B方向に延在する4本の直線状流路溝174を介して連通するとともに、入口バッファ部46と出口バッファ部50とは、矢印B方向に延在する4本の直線状流路溝176を介して連通する。
【0071】
直線状流路溝174、176間には、矢印B方向に延在して互いに平行な8本の直線状流路溝178が形成される。直線状流路溝174〜178は、矢印C方向に延在する2本の直線状流路溝180を介して一体的に連通するとともに、この直線状流路溝174よりも短尺な2本の直線状流路溝182と、さらにこの直線状流路溝182よりも短尺でかつ断続的な2本の直線状流路溝184を介して連通する。
【0072】
冷却媒体流路172は、第1および第2金属プレート160、166に振り分けられる。具体的には、図14に示すように、第1金属プレート160の面160bには、入口バッファ部34および出口バッファ部36を避ける位置に、入口バッファ部44および出口バッファ部50が設けられる。この面160bには、矢印B方向に延在する直線状流路溝174〜178を構成する溝部174a〜178aが形成されるとともに、矢印C方向に延在する直線状流路溝180〜184を構成する溝部180a〜184aが形成される。溝部174a〜184aは、蛇行する酸化剤ガス流路溝164a〜164cを避けるために、所定の範囲内で形成されている。
【0073】
図15に示すように、第2金属プレート166の面166bには、出口バッファ部100および入口バッファ部98を避けて、入口バッファ部46および出口バッファ部48が設けられる。この面166bには、直線状流路溝174〜184の一部を構成する溝部174b〜184bが、燃料ガス流路溝170a〜170cに干渉しない位置に形成される。面160a、166aには、線状シール40e、40fが設けられるとともに、面160b、166b間には、図示しない線状シールが設けられる。
【0074】
これにより、第1および第2金属プレート160、166は、流路形状が制約される部位を互いに補うことができ、全体として所望の流路構造を有する冷却媒体流路172を形成することが可能になる等、第1および第2の実施形態と同様の効果が得られる。
【0075】
しかも、酸化剤ガス流路162および燃料ガス流路168は、電極面に沿って二往復半の流路構造を採用しており、流路長が長尺化されてガス流速およびガス圧損が大きくなり、生成水の排出性能が有効に向上するという利点がある。
【0076】
図17は、本発明の第4の実施形態に係る燃料電池を構成する第1金属プレート190の正面説明図であり、図18は、前記第1金属プレート190に積層される第2金属プレート192の正面説明図である。
【0077】
第1金属プレート190のカソード側電極30に対向する面190aには、酸化剤ガス流路194が形成される。この酸化剤ガス流路194は、酸化剤ガス入口連通孔20aに連通する入口バッファ部196と、酸化剤ガス出口連通孔20bに連通する出口バッファ部198とを備える。入口バッファ部196および出口バッファ部198は、複数のエンボス196a、198aにより形成されるとともに、矢印C方向に長尺に設定される。
【0078】
入口バッファ部196には、6本の酸化剤ガス流路溝200が連通しており、前記酸化剤ガス流路溝200は、矢印B方向に延在した後に矢印C方向に屈曲し、それぞれ2本ずつが酸化剤ガス流路溝202に合流して矢印B方向に延在する。各酸化剤ガス流路溝202は、さらに2本ずつに分岐して6本の酸化剤ガス流路溝204が得られ、この酸化剤ガス流路溝204は、矢印C方向から矢印B方向に屈曲した後、出口バッファ部198に連通する。
【0079】
図18に示すように、第2金属プレート192のアノード側電極28に対向する面192aには、燃料ガス流路206が形成される。この燃料ガス流路206は、燃料ガス入口連通孔24aに連通する入口バッファ部208と、燃料ガス出口連通孔24bに連通する出口バッファ部210とを備える。入口バッファ部208および出口バッファ部210は、複数のエンボス208a、210aにより形成されるとともに、矢印C方向に長尺に設定される。
【0080】
入口バッファ部208には、6本の燃料ガス流路溝212が連通し、前記燃料ガス流路溝212が矢印B方向に延在した後、矢印C方向に屈曲してそれぞれ2本ずつが合流して3本の燃料ガス流路溝214が構成される。燃料ガス流路溝214は、矢印B方向に延在した後、それぞれ2本ずつに分岐して6本の燃料ガス流路溝216が形成され、前記燃料ガス流路溝216が矢印C方向に延在した後、矢印B方向に屈曲して出口バッファ部210に連通する。
【0081】
第1金属プレート190の面190bと第2金属プレート192の面192bとの間には、冷却媒体流路218が形成される。図19に示すように、冷却媒体流路218は、冷却媒体入口連通孔22aに連通しそれぞれ矢印C方向に長尺な2つの入口バッファ部220、222と、冷却媒体出口連通孔22bに連通しそれぞれ矢印C方向に長尺な出口バッファ部224、226とを備える。入口バッファ部220、222および出口バッファ部224、226は、それぞれ複数のエンボス220a、222aおよび224a、226aにより構成されている。
【0082】
入口バッファ部220、222と出口バッファ部224、226とは、それぞれ6本の直線状流路溝228を介して矢印B方向に直接連通する。面190aには、両端が開放して矢印B方向に延在する4本の直線状流路溝230が設けられる。
【0083】
入口バッファ部220、222と出口バッファ部224、226との近傍には、矢印C方向に延在して長尺な直線状流路溝236が2本設けられ、前記直線状流路溝236間には、それぞれ所定の長さを有する8本の直線状流路溝238が設けられる。
【0084】
冷却媒体流路218は、第1および第2金属プレート190、192に振り分けられる。図17に示すように、第1金属プレート190の面190bには、入口バッファ部220および出口バッファ部226が形成されるとともに、直線状流路溝228、230および236、238の一部を構成する溝部228a、230aおよび236a、238aが形成される。
【0085】
図18に示すように、第2金属プレート192の面192bには、入口バッファ部222および出口バッファ部224が形成されるとともに、直線状流路溝228、230および236、238の一部を構成する溝部228b、230bおよび236b、238bが形成される。面190a、192aには、線状シール40g、40hが設けられる一方、面190b、192b間には図示しない線状シールが設けられる。
【0086】
このように構成される第4の実施形態では、酸化剤ガス流路194および燃料ガス流路206が溝数を6本から3本、さらに6本と変更して構成されている。このため、酸化剤ガス用の入口バッファ部196および出口バッファ部198と、燃料ガス用の入口バッファ部208と出口バッファ部210と、冷却媒体用の入口バッファ部220、222および出口バッファ部224、226とが、それぞれ矢印C方向に長尺に構成される。従って、酸化剤ガス、燃料ガスおよび冷却媒体を、一層均一かつ円滑に電極面に沿って供給することができるという効果が得られる。
【0087】
図20は、本発明の第5の実施形態に係る燃料電池を構成する第1金属プレート240の正面説明図であり、図2は、前記第1金属プレート240に積層される第2金属プレート242の正面説明図である。
【0088】
第1金属プレート240のカソード側電極に対向する面240aには、酸化剤ガス流路244が形成される。この酸化剤ガス流路244は、4本の酸化剤ガス流路溝246を備え、前記酸化剤ガス流路溝246が矢印B方向に一往復半だけ蛇行して入口バッファ部34と出口バッファ部36とを連通する。
【0089】
図21に示すように、第2金属プレート242のアノード側電極28に対向する面242aには、燃料ガス流路248が形成される。燃料ガス流路248は、3本の燃料ガス流路溝250を備え、前記燃料ガス流路溝250が矢印B方向に二往復半だけ蛇行して入口バッファ部98と出口バッファ部100とを連通する。
【0090】
第1および第2金属プレート240、242間には、冷却媒体流路252が形成される。図22に示すように、冷却媒体流路252は、冷却媒体入口連通孔22aに連通し、それぞれ複数のエンボス254a、256aにより構成される入口バッファ部254、256と、冷却媒体出口連通孔22bに連通し、それぞれ複数のエンボス258a、260aにより構成される出口バッファ部258、260とを備える。
【0091】
入口バッファ部254、256と出口バッファ部258、260とは、矢印B方向に延在するそれぞれ4本の直線状流路溝262により直接連通している。一端が入口バッファ部256に連通し、他端が出口バッファ部260の近傍で終端する2本の直線状流路溝264と、一端が出口バッファ部に258に連通し、他端が入口バッファ部254の近傍で終端する2本の直線状流路溝266とが設けられるとともに、両端が開放されて矢印B方向に延在する4本の直線状流路溝268が設けられる。
【0092】
入口バッファ部254、256の近傍および出口バッファ部258、260の近傍には、矢印C方向に長尺に形成される直線状流路溝270が設けられるとともに、前記直線状流路溝270の間には、それぞれ矢印C方向に所定の長さに設定される8本の直線状流路溝272が形成される。
【0093】
冷却媒体流路252は、第1および第2金属プレート240、242の互いに対向する面240b、242bに振り分けられる。図20に示すように、第1金属プレート240の面240bには、入口バッファ部254および出口バッファ部260が設けられるとともに、直線状流路溝262〜272の一部を構成する溝部262a〜272aが形成される。
【0094】
図21に示すように、第2金属プレート242の面242bには、入口バッファ部256および出口バッファ部258が形成されるとともに、直線状流路溝262〜272の一部を構成する溝部262b〜272bが形成される。面240a、242aには、線状シール40i、40jが設けられる一方、面240b、242b間には、図示しない線状シールが設けられる。
【0095】
このように構成される第5の実施形態では、第1および第2金属プレート240、242に、それぞれ異なる流路形状を有する酸化剤ガス流路244および燃料ガス流路248が形成されていても、前記第1および第2金属プレート240、242間には、所定の形状を有する冷却媒体流路252を確実に形成することができるという効果が得られる。
【0096】
なお、本発明は、前述した第1〜第5の実施形態に限定されるものではなく、例えば、冷却媒体入口連通孔22aおよび冷却媒体出口連通孔22bに連通するそれぞれ3以上の入口バッファ部および出口バッファ部を設けてもよい。
【0097】
【発明の効果】
本発明に係る燃料電池では、セパレータを構成する第1および第2金属プレート間には、冷却媒体入口連通孔から2以上の入口バッファ部に冷却媒体が分割して供給された後、直線状流路溝を通って2以上の出口バッファ部に導入され、さらに冷却媒体出口連通孔に排出される。従って、冷却媒体は、セパレータ面内を均一に流れることができ、電極面を均一に冷却して安定した発電性能を得ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る燃料電池の要部分解斜視図である。
【図2】前記燃料電池の一部断面説明図である。
【図3】第1金属プレートの一方の面の正面説明図である。
【図4】セパレータ内に形成される冷却媒体流路の斜視説明図である。
【図5】前記第1金属プレートの他方の面の正面説明図である。
【図6】第2セパレータの正面説明図である。
【図7】図4中、VII−VII線の断面図である。
【図8】図4中、VIII−VIII線の断面図である。
【図9】前記第2金属プレートの他方の面の正面説明図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る燃料電池の要部分解斜視図である。
【図11】前記燃料電池を構成する第1金属プレートの正面説明図である。
【図12】前記燃料電池を構成する第2金属プレートの正面説明図である。
【図13】前記燃料電池を構成するセパレータ内に形成される冷却媒体流路の正面説明図である。
【図14】本発明の第3の実施形態に係る燃料電池を構成する第1金属プレートの正面説明図である。
【図15】前記燃料電池を構成する第2金属プレートの正面説明図である。
【図16】前記第1および第2金属プレート間に形成される冷却媒体流路の正面説明図である。
【図17】本発明の第4の実施形態に係る燃料電池を構成する第1金属プレートの正面説明図である。
【図18】前記燃料電池を構成する第2金属プレートの正面説明図である。
【図19】前記第1および第2金属プレート間に形成される冷却媒体流路の正面説明図である。
【図20】本発明の第5の実施形態に係る燃料電池を構成する第1金属プレートの正面説明図である。
【図21】前記燃料電池を構成する第2金属プレートの正面説明図である。
【図22】前記第1および第2金属プレート間に形成される冷却媒体流路の正面説明図である。
【図23】従来技術に係る燃料電池の一部断面説明図である。
【符号の説明】
10、110…燃料電池 12…電解質膜・電極構造体
13、112…セパレータ
14、16、114、116、160、166、190、192、240、242…金属プレート
20a…酸化剤ガス入口連通孔 20b…酸化剤ガス出口連通孔
22a…冷却媒体入口連通孔 22b…冷却媒体出口連通孔
24a…燃料ガス入口連通孔 24b…燃料ガス出口連通孔
26…固体高分子電解質膜 28…アノード側電極
30…カソード側電極
32、118、162、194、244…酸化剤ガス流路
34、44、46、98、196、208、220、222、254、256…入口バッファ部
36、48、50、100、198、210、224、226、258、260…出口バッファ部
40、40a〜40j…線状シール
42、126、172、218、252…冷却媒体流路
60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、94、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、174、176、178、180、182、184、228、230、236、238、262、264、266、268、270、272…直線状流路溝
60a、60b、62a、64a、66a、66b、68a、68b、70a、72a、74a、74b、78a、78b、80a、80b、90a、90b、128a、128b、140a、140b、174a、174b、178a、180a、184a、184b、228a、228b、230a、230b、236a、236b、238a、238b、262a、262b、272a、272b…溝部
96、125、168、206、248…燃料ガス流路
Claims (3)
- 電解質をアノード側電極とカソード側電極とで挟んで構成される電解質・電極接合体を有し、前記電解質・電極接合体とセパレータとを交互に積層するとともに、積層方向に貫通して燃料ガス入口連通孔、酸化剤ガス入口連通孔、冷却媒体入口連通孔、燃料ガス出口連通孔、酸化剤ガス出口連通孔および冷却媒体出口連通孔が形成される燃料電池であって、
前記セパレータは、少なくとも互いに積層される第1および第2金属プレートを備え、
前記第1金属プレートは、前記アノード側電極の面方向に沿って燃料ガスを供給しかつ屈曲する流路を含む燃料ガス流路を設ける一方、前記第2金属プレートは、前記カソード側電極の面方向に沿って酸化剤ガスを供給しかつ屈曲する流路を含む酸化剤ガス流路を設けるとともに、
前記第1および第2金属プレート間には、同一の前記冷却媒体入口連通孔に連通する2以上の入口バッファ部と、同一の前記冷却媒体出口連通孔に連通する2以上の出口バッファ部と、セパレータ面方向に沿って延在し前記2以上の入口バッファ部と前記2以上の出口バッファ部を連通する直線状流路溝とを備える冷却媒体流路が設けられることを特徴とする燃料電池。 - 請求項1記載の燃料電池において、前記第1金属プレートには、前記冷却媒体入口連通孔および前記冷却媒体出口連通孔に連通する第1入口バッファ部および第1出口バッファ部が設けられるとともに、
前記第2金属プレートには、同一の前記冷却媒体入口連通孔および同一の前記冷却媒体出口連通孔に連通しかつ前記第1入口バッファ部および前記第1出口バッファ部とは異なる位置に配置して第2入口バッファ部および第2出口バッファ部が設けられることを特徴とする燃料電池。 - 請求項1または2記載の燃料電池において、前記燃料ガス流路は、前記燃料ガス入口連通孔に連通する入口バッファ部と、
前記燃料ガス出口連通孔に連通する出口バッファ部と、
前記第1金属プレートの面方向に沿って延在し前記入口バッファ部と前記出口バッファ部とを連通する屈曲流路溝と、
を備え、
前記酸化剤ガス流路は、前記酸化剤ガス入口連通孔に連通する入口バッファ部と、
前記酸化剤ガス出口連通孔に連通する出口バッファ部と、
前記第2金属プレートの面方向に沿って延在し前記入口バッファ部と前記出口バッファ部を連通する屈曲流路溝と、
を備えることを特徴とする燃料電池。
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