JP4344016B2 - トロカール管、トロカール管組立体およびカテーテル挿入用器具 - Google Patents

トロカール管、トロカール管組立体およびカテーテル挿入用器具 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、カテーテルチューブを体内に挿入する際、特に腹膜透析において留置カテーテルを腹腔内に挿入、留置する際に用いられる、トロカール管、トロカール管組立体およびカテーテル挿入用器具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
腎不全患者に対して腹膜を介して透析を行う腹膜透析療法のなかで、腹腔への新鮮な透析液の注入と透析液廃液の排出とを繰り返し行うことにより、持続的に透析を行うことができる連続的携帯式腹膜透析法(continuous ambulatory peritoneal dialysis,以下「CAPD」という)が最近広く行われている。
【0003】
このCAPDを開始するにあたっては、透析液の注入、排出を行うために、腹腔内と体外とを連通するカテーテルチューブ(留置カテーテル)を腹壁内に留置する必要がある。このとき、カテーテルチューブを確実に固定する、あるいは感染を防止する目的で、カテーテルチューブが腹膜を貫通して腹腔内に挿入する箇所と、体外から皮膚を貫通する箇所とを異ならせ、それら両箇所の間に皮下トンネルを形成することが行われる。
【0004】
この皮下トンネルを形成するためには、腹膜を貫通する箇所(第1切開部位)の皮膚を5cm程度切開してカテーテルチューブを腹腔内に挿入した後、カテーテルチューブの手元側部分(基端部)に先端が鋭利な誘導針を接続して、前記第1切開部位より4〜5cm程度離れた箇所(第2切開部位)で体外へ向けて穿刺することにより体外へ出す。また、他の方法として、カテーテルチューブを前記第1切開部位にて腹腔内に挿入した後、それより4〜5cm程度離れた箇所に切開を施し、その部位より前記第1切開部位へ向けて鉗子等を差し込んで、第1切開部位にて挿通されているカテーテルチューブを把持し、カテーテルチューブの手元側部分を体外へ引き出す。
【0005】
しかしながら、上述のような各方法では、穿刺部位、特に第1切開部位における切開が大きいため、患者に与える侵襲、負担(具体的には、術後疼痛や美容上の問題、入院期間の長さ)が大きくなるという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、例えばCAPDに用いられる留置カテーテルのようなカテーテルチューブを、皮下トンネル経由で容易かつ確実に、低侵襲で挿入することができるトロカール管、トロカール管組立体およびカテーテル挿入用器具を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜(20)の本発明により達成される。
【0009】
) 管状部材と、該管状部材の基端側に位置するグリップ部材とからなるトロカール管であって、
前記管状部材の側面に、該管状部材の内腔に連通し得るものでかつ長尺な器具が挿入可能な第1の開口部を形成するための開口形成部を有し
前記第1の開口部は、前記管状部材の長手方向に沿って該管状部材の先端から少なくとも途中まで連続するスリットで構成され、前記第1の開口部の長さは、前記管状部材の全長の30〜70%であり、前記第1の開口部の平均幅は、1〜20mmであり、
前記開口形成部は、前記第1の開口部を開閉可能な板片で構成されていることを特徴とするトロカール管。
【0011】
) 前記板片は、前記管状部材より柔軟性が高い上記()に記載のトロカール管。
【0012】
) 前記板片は、前記第1の開口部を形成したとき、前記管状部材の内腔の少なくとも一部を遮蔽する機能を有する上記()または()に記載のトロカール管。
【0013】
) 前記第1の開口部は、前記管状部材の長手方向に沿って前記管状部材の先端から少なくとも途中まで連続するものである上記(1)ないし()のいずれかに記載のトロカール管。
【0014】
) 前記第1の開口部の幅は、前記管状部材の長手方向に沿って変化している上記(1)ないし()のいずれかに記載のトロカール管。
【0015】
) 前記管状部材および前記グリップ部材は、前記管状部材の管軸を含む面または前記管軸とほぼ平行な面により複数に分割可能である上記(1)ないし()のいずれかに記載のトロカール管。
【0016】
) 前記管状部材は、周方向に沿って配置された複数の板状体を接着または融着により連結、一体化したものである上記(1)ないし()のいずれかに記載のトロカール管。
【0017】
) 前記グリップ部材に、前記第1の開口の方向を示すマーカーが設けられている上記(1)ないし()のいずれかに記載のトロカール管。
【0018】
) 前記管状部材は、基端部より先端部の径が小さいものである上記(1)ないし()のいずれかに記載のトロカール管。
【0019】
10) 前記管状部材は、少なくともその先端部の径が拡張可能である上記()に記載のトロカール管。
【0020】
11) 上記(10)に記載のトロカール管と、前記管状部材の内腔に挿入して前記先端部の径を拡張する拡張管とを備えるトロカール管組立体であって、前記拡張管の側面に、該拡張管の内腔に連通する第2の開口部が形成されていることを特徴とするトロカール管組立体。
【0021】
12) 前記拡張管は、前記第2の開口部の方向を示すマーカーを有している上記(11)に記載のトロカール管組立体。
【0022】
13) 前記管状部材の内腔に挿入して使用され、先端に穿刺端を有する栓子を備える上記(11)または(12)に記載のトロカール管組立体。
【0023】
14) 上記(1)ないし(10)のいずれかに記載のトロカール管と、前記管状部材の内腔に挿入して使用され、先端に穿刺端を有する栓子とを備えることを特徴とするトロカール管組立体。
【0024】
15) 上記(11)ないし(14)のいずれかに記載のトロカール管組立体と、内部に通路を有する穿刺針とを備えるカテーテル挿入用器具であって、前記通路の一端が前記穿刺針の先端付近の側方に開口していることを特徴とするカテーテル挿入用器具。
【0025】
16) 前記穿刺針は、前記通路が開口する方向を示すマーカーを有する上記(15)に記載のカテーテル挿入用器具。
【0026】
17) 上記(11)ないし(14)のいずれかに記載のトロカール管組立体と、穿刺針組立体とを備えるカテーテル挿入用器具であって、前記穿刺針組立体は、内部に通路を有する穿刺針と、該穿刺針と異なる位置にある管体と前記穿刺針との距離を一定に保持するスペーサーとを備え、前記通路の一端が、前記穿刺針の先端付近の側方であって、前記スペーサーの装着状態での前記管体の方向に向く位置に開口していることを特徴とするカテーテル挿入用器具。
【0027】
18) 前記スペーサーは、前記管体と係合する係合部を有する上記(17)に記載のカテーテル挿入用器具。
【0028】
19) 前記管体と前記穿刺針との距離を調節する距離調節手段を有する上記(17)または(18)に記載のカテーテル挿入用器具。
【0029】
20) 前記穿刺針の穿刺深さを規制する穿刺深さ規制手段を有する上記(15)ないし(19)のいずれかに記載のカテーテル挿入用器具。
【0030】
本発明のトロカール管は、管状部材とその基端側に位置するグリップ部材とからなり、管状部材の側面に、該管状部材の内腔に連通する第1の開口部またはこれを形成するための開口形成部を有するものである。
【0031】
第1の開口部は、管状部材の長手方向に沿って管状部材の先端から少なくとも途中まで連続するものである。また、第1の開口部の幅は、管状部材の長手方向に沿って一定でも、変化していてもよい。
開口形成部は、例えば、第1の開口部を開閉可能な板片、好ましくは管状部材より柔軟性の高い板片で構成されている。
【0032】
また、本発明のトロカール管は、管状部材とその基端側に位置するグリップ部材とからなり、管状部材およびグリップ部材が、管状部材の管軸を含む面または管軸とほぼ平行な面により複数に分割可能なものであってもよい。
【0033】
このような本発明のトロカール管において、管状部材は、長手方向に沿ってその径が一定のものでも、基端部より先端部の径が小さいものでもよい。後者の場合、管状部材は、少なくともその先端部の径が拡張可能であるものが好ましい。
【0034】
また、管状部材は、周方向に沿って配置された複数の板状体を接着または融着により連結、一体化したものとすることができる。
また、本発明のトロカール管は、グリップ部材に、第1の開口(または開口形成部)の方向を示すマーカーが設けられているのが好ましい。
【0035】
本発明のトロカール管組立体は、以上のようなトロカール管と、管状部材の内腔に挿入して使用され、先端に穿刺端を有する栓子とを備えるものである。
また、本発明のトロカール管組立体は、管状部材が、基端部より先端部の径が小さくかつ少なくともその先端部の径が拡張可能なものである場合には、さらに、管状部材の内腔に挿入して管状部材の先端部の径を拡張する拡張管を備えるものである。この拡張管の側面には、拡張管の内腔に連通する第2の開口部が形成されている。また、拡張管は、第2の開口部の方向を示すマーカーを有しているのが好ましい。
【0036】
また、管状部材およびグリップ部材が、管状部材の管軸を含む面または管軸とほぼ平行な面により複数に分割可能なものである場合には、管状部材の側面に開口が形成されていなくてもよい。
また、本発明のトロカール管またはトロカール管組立体に対しては、穿刺針または穿刺針組立体を用いるのが好ましい。
【0037】
本発明のカテーテル挿入用器具は、この穿刺針または穿刺針組立体と、上述したトロカール管組立体とを備えるものである。
穿刺針は、内部に通路を有し、この通路の一端が穿刺針の先端付近の側方に開口しているものである。
【0038】
一方、穿刺針組立体は、トロカール管、拡張管のような管体に装着して使用されるものであり、内部に通路を有する穿刺針と、トロカール管と穿刺針との距離を一定に保持するスペーサーとを備え、前記通路の一端が、穿刺針の先端付近の側方であってかつスペーサーが装着されたトロカール管の方向に向く位置に開口しているものである。
【0039】
この場合、スペーサーは、トロカール管と係合する係合部を有する。また、トロカール管と穿刺針との距離を調節する距離調節手段が設けられているのが好ましい。
【0040】
このようなカテーテル挿入用器具において、穿刺針は、通路が開口する方向を示すマーカーを有するものであるのが好ましい。また、穿刺針の穿刺深さを規制する穿刺深さ規制手段が設けられているのが好ましい。
【0041】
トロカール管および栓子を備えるトロカール管組立体において、トロカール管内に栓子を挿入した状態で腹壁等の生体組織を穿刺するに際しては、前述したように、トロカール管の管状部材の先端部の径が基端部の径より小さいと、すなわち先細りとなっていると、より少ない抵抗で腹壁の所定部位(第1穿刺部位)を穿刺、貫通することができ、侵襲が少ない。
【0042】
このようなトロカール管では、その基端側より拡張管等を挿入することにより、その有効内径、特に先端部の内径を拡張することができ、これにより、カテーテルチューブやその他の器具の挿通が容易となる(以下、特に区別を要する場合には、このような構成のトロカール管を「拡張型トロカール管」と言う)。
【0043】
トロカール管の管状部材が、複数の板状体を連結、一体化して構成されている場合には、分離された板状体を固定するために外周に被覆チューブ等を設置する必要がなく、よって、十分な細径化が図れ、生体への穿刺の際の穿刺抵抗が小さくなり、侵襲が少なくなる。そして、隣接する板状体同士は、側面において接着または融着により接合されているので、拡張管等の挿入により、容易かつ確実に管状部材を拡張することができる。
【0044】
本発明のトロカール管の側面には、スリット(第1の開口部)、特に、管状部材の長手方向に沿って管状部材の先端から少なくとも途中まで連続するスリットが形成されている。また、開口形成部を有するトロカール管の場合には、例えば板片を管状部材の内側へ開いてスリット(第1の開口部)を形成する。
【0045】
トロカール管が穿刺されている第1穿刺部位より所定距離離間した部位(第2穿刺部位)からは、ガイドワイヤー、シース、留置カテーテルのようなカテーテルチューブ等の長尺な器具が挿入され、これらは、皮下組織内を通って前記スリット内に達し、さらにトロカール管の内腔を経て腹腔内の目的部位に挿入される。このようにしてカテーテルを目的部位へ挿入した後、トロカール管を腹壁より抜去すれば、カテーテルチューブのみが留置される。
【0046】
なお、拡張型トロカール管を拡張するための拡張管の側面にも、スリット(第2の開口部)が形成されている。このスリットは、拡張管をトロカール管に挿入したとき、前記拡張型トロカール管に形成されたスリットと重なる。従って、トロカール管を拡張した状態で、前記と同様に、皮下組織内を経たカテーテルチューブ等を、拡張管およびトロカール管にそれぞれ形成されたスリットならびに拡張管の内腔を順次経て腹腔内の目的部位に挿入することができる。
【0047】
また、分割可能なトロカール管(以下、特に区別を要する場合には、このような構成のトロカール管を「分割型トロカール管」と言う)を第1穿刺部位に穿刺した場合には、トロカール管を分割して抜去することができ、操作性が向上する。
【0048】
分割型トロカール管を拡張型トロカール管に適用した場合、このトロカール管を第1穿刺部位に穿刺し、これを前記スリット付きの拡張管で拡張したとき、拡張管を腹壁に残したままトロカール管を分割して抜去することができる。この場合にも、前記と同様に、皮下組織内を経たカテーテルチューブ等を、拡張管に形成されたスリットおよび拡張管の内腔を順次経て腹腔内の目的部位に挿入することができる。
このような分割型トロカール管の側面には、スリットが形成されていなくてもよい。
【0049】
本発明のカテーテル挿入用器具は、例えば次のようにして使用される。
第1穿刺部位より、栓子を挿入したトロカール管(または栓子と拡張管とを挿入した拡張型トロカール管)を穿刺し、トロカール管を腹腔内に挿入する。次いで、穿刺針等を第2穿刺部位に穿刺し、該穿刺針の内部に形成された通路(内腔)を介して第1のガイドワイヤーを挿入し、皮下組織内を通し、トロカール管の側面に形成されたスリットおよびトロカール管の内腔を順次経て、腹腔内まで到達させる。そして、穿刺針のみを抜去する。
【0050】
この第1のガイドワイヤーに、内腔にダイレータ(チューブ挿入補助具)を挿入した状態のシースを沿わせて進め、該シースを前記と同様の経路で腹腔内に導く。第1のガイドワイヤーおよびダイレータを抜去した後、シース内に内視鏡を挿入し、内視鏡で撮影されたモニタ画面で腹腔内を観察しながら、シース先端を小骨盤腔内等の目的部位へ進める。このとき、シースの先端部は、予め所望に湾曲しており、また、シースは、編組体等の補強部材により補強されているので、シースの手元側での回転操作や押し込み操作がシース先端部へ確実に伝達され、目的部位への誘導がし易い。
【0051】
シースを小骨盤腔内に挿入した後、内視鏡を抜去し、シース内に第2のガイドワイヤーを挿入し、これを小骨盤腔内に到達させる。さらに、第2のガイドワイヤを残したままシースを抜去し、その後、留置カテーテルを第2のガイドワイヤーに沿わせて進める。これにより、留置カテーテルは、前記と同様の経路で導かれ、すなわち、皮下トンネルを経由し、その先端を小骨盤腔内に容易かつ確実に挿入することができる。
【0052】
その後、第2のガイドワイヤーおよびトロカール管を抜去すれば、留置カテーテルのみが留置される。このとき、留置カテーテルの中途部分を、上記方法により腹壁内に形成される皮下トンネルに準じた形状に予め湾曲または屈曲させておけば、留置後に腹壁内で移動し難くなる。
【0053】
このような使用方法において、第1のガイドワイヤーの挿入に先立ち、拡張型トロカール管内への拡張管の挿入により第1穿刺部位に穿刺されたトロカール管の管状部材を拡張してもよい。また、開口形成部を有する拡張型トロカール管の場合、拡張管の挿入により、管状部材の先端側が広がり、スリット(第1の開口)が形成される。
また、分割可能な拡張型トロカール管を拡張管により拡張した後、トロカール管を分割して除去し、第1穿刺部位に拡張管のみを残すこともできる。
【0054】
第2穿刺部位に穿刺される穿刺針は、内部に通路を有し、該通路の一端が穿刺針の先端付近の側方に開口している。よって、前記通路の他端側から通路内に挿入された第1のガイドワイヤーは、前記開口より穿刺針の側方に向けて突出し、皮下組織内へ容易かつ確実に挿通させることができる。
【0055】
前記穿刺針に代わり、内部に通路を有する穿刺針と、該穿刺針と異なる位置にある管体(トロカール管、拡張管等)と前記穿刺針との距離を一定に保持するスペーサーとを備えた穿刺針組立体を用いることもできる。この場合には、スペーサーの端部に形成された係合部を第1穿刺部位に穿刺されたトロカール管または拡張管に係合しつつ、穿刺針を腹壁に穿刺するので、穿刺針による第2穿刺部位が第1穿刺部位から常に一定の距離となる。
【0056】
さらに、穿刺針の内部に形成された通路の一端は、穿刺針の先端付近の側方であって、スペーサーをトロカール管または拡張管に装着した状態で、それらの管体の方向に向く位置に開口しているので、前記通路の他端側から通路内に挿入された第1のガイドワイヤーは、前記開口より穿刺針の側方に向けて突出し、皮下組織内をトロカール管および/または拡張管に形成されたスリットに向けて容易かつ確実に進み、スリット内に確実に到達させることができる。
【0057】
また、穿刺深さ規制手段を設けた場合には、穿刺針の穿刺深さが適正な深さに規制されているので、穿刺が浅過ぎて皮膚に接近したり、穿刺が深過ぎて穿刺針の先端が筋層にまで到達するといった不都合は生じず、皮膚と腹直筋前鞘との間の皮下組織内に適正な深さでガイドワイヤーや留置カテーテルを挿通することができる。
【0058】
このような本発明によれば、例えば、CAPDに用いられる留置カテーテルを腹腔内に挿入し、留置する際に、腹壁にトロカール管組立体を穿刺し、さらには、それと異なる箇所に穿刺針を穿刺するので、腹壁を大きく切開する必要がなく、しかも、容易かつ確実に皮下トンネルを形成してカテーテルチューブを腹腔内に挿入、留置することができ、よって、カテーテルチューブ挿入の操作性が向上するとともに、侵襲が大幅に低減される。
【0059】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のトロカール管、トロカール管組立体およびカテーテル挿入用器具を添付図面に示す好適実施例に基づいて詳細に説明する。
【0060】
図1は、本発明のトロカール管の第1の実施例を示す斜視図、図2は、栓子の斜視図、図3は、トロカール管内に栓子を挿入した状態を示す斜視図である。また、図4は、トロカール管を拡張するための拡張管の構成例を示す斜視図、図5は、図4に示す拡張管によりトロカール管を拡張した状態を示す斜視図である。
【0061】
本発明のトロカール管組立体は、図1に示すトロカール管10と、図2に示す栓子(トロカール管内針)20と、図4に示す拡張管30とから構成されている。以下、これらの構成について順次説明する。
【0062】
図1に示すように、本発明のトロカール管(拡張型トロカール管)10は、管状部材11と、該管状部材11の基端部(手元側部)13に接続されたグリップ部材17とから構成されている。
【0063】
管状部材11は、基端部13および先端部14を有し、自然状態では、基端部13の径(内径、外径)よりも先端部14の径(内径、外径)の方が小さい略円錐形状に構成されている。本実施例では、管状部材11は、その外径が基端部13から先端部14に向かって漸減するテーパ状をなしている。なお、ここで、「自然状態」とは、管状部材11に外力が付与されていない状態を言う。
【0064】
管状部材11の先端部14は、後述する拡張管30の挿入により、その外径に合わせて拡張するように構成されている。以下、管状部材11が拡張するための構造について説明する。
【0065】
管状部材11は、管状部材11の周方向に沿って環状に配置された複数の細長い板状体15により構成されている。各板状体15は、先端側の幅よりも基端側の幅の方が大きい台形形状をなすものである。そして、隣接する板状体15の側面同士は、互いに接着または融着され、これにより、各板状体15が連結、一体化され、管状部材11を構成する。この場合、各板状体15の先端部同士は、分離されている(結合力を有さない)のが好ましい。
【0066】
板状体15の接着は、例えば、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、ゴム系接着剤、シリコーン系接着剤、ポリウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤等の各種接着剤または各種溶剤を用いることができる。
【0067】
また、板状体15を融着する場合には、熱融着、高周波融着、超音波融着等が可能である。このような板状体15の接着または融着は、後述する拡張管30等の挿入により板状体15同士が容易に分離し得る程度の接合強度となるようになされるのが好ましい。なお、このような板状体15の接着、融着は、後述する板片151、152、161、191を接着、融着する場合にも、同様に適用することができる。
【0068】
板状体15を構成する材料としては、腹腔内に穿刺する際の衝撃あるいは体壁から受ける圧力に耐えられる程度の強度とを有する材料であるのが好ましく、例えば、ステンレス鋼、アルミニウムまたはアルミニウム合金、超弾性合金、形状記憶合金等の各種金属材料や、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ABS樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリテトラフルオロエチレン、アクリル樹脂、ポリエステル、ポリイミド、ポリアリレート、ポリアセタール、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、液晶ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の各種合成樹脂材料等を挙げることができる。なお、後述する板状体で構成されない管状部材111等についても、ここで挙げたような材料を用いることができる。
【0069】
また、板状体15の先端部14は、例えば、超弾性合金、軟質ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、シリコーンゴム、ポリウレタン、熱可塑性エラストマーのようなより柔軟な材料で構成することもでき、これにより、臓器等の生体組織に接触した際に傷付き等の損傷を与えることが防止され、より安全性が高まる。
【0070】
また、トロカール管10の穿刺抵抗をより低減するために、板状体15の外表面は、平滑化されているのが好ましい。
このような板状体15の合計枚数は、その材質や肉厚にもよるが、好ましくは4〜50枚程度、より好ましくは5〜12枚程度、さらに好ましくは6〜8枚程度とされる。
【0071】
管状部材11の全長は、特に限定されないが、30〜250mm程度が好ましく、50〜200mm程度がより好ましく、70〜150mm程度がさらに好ましい。
【0072】
なお、管状部材11は、本実施例のような別個に成形した複数の板状体を連結したものに限らない。例えば、先端に向かって徐々に細径化した管状部材を形成した後、その外周面および/または内周面に、管軸方向に伸びた複数の切り込みを入れて薄肉部を形成し、該薄肉部により隣接する板状体同士が連結された構成としてもよい。この場合、管状部材11内に後述する拡張管30等を挿入すると、前記薄肉部のうちの少なくとも一部が破断し、板状体が分離して拡張される。
【0073】
管状部材11の側面には、管状部材11の長手方向に沿って伸びるスリット(第1の開口部)16が形成されている。本実施例の場合、1つの板状体15をその途中から先端まで欠損させることにより、スリット16が形成されている。
このスリット16は、管状部材11の内腔12および先端開口にそれぞれ連通している。
【0074】
スリット16の長さは、特に限定されないが、管状部材11の全長の30〜70%程度とするのが好ましい。
また、管状部材11の拡張時におけるスリット16の幅は、管状部材11の長手方向に沿って同一でも異なっていてもよい。この場合、スリット16の幅(平均)は、特に限定されないが、1〜20mm程度とするのが好ましく、3〜10mm程度とするのがより好ましい。
【0075】
第1の開口部を前述したスリット16で構成した場合には、その形成が容易であるとともに、管状部材11の拡張の前後でスリット16の幅(開口面積)が変化することに由来する次のような利点がある。
【0076】
すなわち、図1に示すように、管状部材11の拡張前(自然状態)では、スリット16の先端部14における幅は、スリット16の基端より狭いので、トロカール管10の生体組織への穿刺にはなんら支障を生じず、しかも、スリット16の開口面積が小さいので、生体組織への穿刺時に、スリット16を介して管状部材11内に皮下の脂肪組織等が侵入するのを抑制することができ、また、管状部材11の先端部14が拡張されたときは、それに伴ってスリット16の幅も増大し、カテーテルチューブ等の器具の挿通が容易に可能となる。
【0077】
なお、本発明において、第1の開口部は、図示のごときスリット状のものに限らず、例えば、円形、楕円形、四角形等の多角形、これらを複数連結した形状、またはこれらを一部に含む形状等、ガイドワイヤーやカテーテルチューブ等の器具が通過可能なものであれば、いかなるものであってもよい。
【0078】
グリップ部材17は、これを把持してトロカール管10を操作することを主目的として設けられたものである。このグリップ部材17は、外壁部171を有し、その内部には、後述する栓子20、拡張管30等を挿入するための挿入口が外壁部171を貫通して形成されている。この挿入口の先端側に、管状部材11の基端部13が固定されている。
【0079】
グリップ部材17の外壁部171を構成する材料としては、例えば、ステンレス鋼、アルミニウムまたはアルミニウム合金等の各種金属材料や、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ABS樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン、アクリル樹脂等の各種合成樹脂材料が挙げられる。
【0080】
また、グリップ部材17の外壁部171のスリット16に対応する位置には、スリット16の形成方向、すなわち管状部材11の周方向における形成位置を示すマーカー(目印)172が付されている。このマーカー172の存在により、トロカール管10を生体組織へ穿刺した状態で、スリット16の方向を容易に把握することができ、より正確な操作が可能となる。
【0081】
図2に示すように、栓子20は、シャフト21と、該シャフト21の基端22に接続されたグリップ部材24と、シャフト21の先端23に形成されたヘッド部25とから構成される。ヘッド部25には、鋭利な穿刺端(刃先)26とその基端側に位置するテーパ部27とが形成されている。また、シャフト21とヘッド部25との境界部分には、くびれ部28が形成されている。シャフト21とヘッド部25とは、一体成形されているのが好ましい。
なお、穿刺端26の先端は、丸みを帯びたものでもよく、これにより、穿刺時において、腹腔内の臓器等の傷付き防止効果がより一層高まる。
【0082】
シャフト21は、基端22から先端23に向かってその外径が漸減するテーパ状をなしている。この場合、シャフト21は、図3に示すように、栓子20をトロカール管10内に挿入した状態で、シャフト21の外周面が管状部材11の内周面に接触または接近するような形状とされるのが好ましい。
【0083】
シャフト21、ヘッド部25およびグリップ部材24を構成する材料としては、それぞれ、例えば、ステンレス鋼、アルミニウムまたはアルミニウム合金、チタンまたはチタン合金、超弾性合金、形状記憶合金等の各種金属材料や、ポリアミド、硬質ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ABS樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン、アクリル樹脂、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、液晶ポリマー等の各種合成樹脂材料、各種セラミックス材料が挙げられ、特にステンレス鋼や硬質樹脂のような硬質材料が好ましい。
【0084】
シャフト21の長さは、挿入するトロカール管10の管状部材11の全長との関係で決定される。すなわち、図3に示すように、シャフト21は、栓子20をトロカール管10内に挿入した状態で、ヘッド部25が管状部材11の先端開口から突出する程度の長さに設定されている。具体的には、シャフト21の全長は、40〜300mm程度が好ましく、60〜250mm程度がより好ましい。
【0085】
図3に示すように、栓子20をトロカール管10のグリップ部材17の挿入口から管状部材11の内腔12に挿入し、グリップ部材24の先端面がグリップ部材17の基端面に接近または当接すると、トロカール管10の先端開口からヘッド部25が突出した状態となる。トロカール管10の先端部14では、板状体15が柔軟な材料で構成されかつそれらが互いに分離しているので、ヘッド部25が先端部14を容易に通過することができ、栓子20のトロカール管10内への挿入を容易に行うことができる。
【0086】
トロカール管10の先端部14は、栓子20のくびれ部28に位置し、このとき、トロカール管10の先端部14の外径は、ヘッド部25の最大外径とほぼ等しいかまたはそれより小さいので、栓子20およびトロカール管10を腹壁(体壁)に穿刺する際の穿刺抵抗が少なく、穿刺操作がし易いとともに、侵襲が少ない。腹壁への刺通後、トロカール管10を残したまま栓子20のみを抜去するが、この際、栓子20のテーパ部27により、トロカール管10の柔軟な先端部14が拡張されるので、円滑に栓子20を抜去することができる。
【0087】
図4に示すように、拡張管30は、管状部材31と、管状部材31の基端部(手元側部)32に接続されたグリップ部材36とから構成されている。管状部材31の側面には、管状部材31の長手方向に沿って伸びるスリット(第2の開口部)35が形成されている。このスリット35は、管状部材31の内腔34および先端開口にそれぞれ連通している。
【0088】
スリット35の長さは、特に限定されないが、管状部材31の全長の10〜100%程度とするのが好ましく、25〜65%程度とするのがより好ましい。
また、スリット35の幅は、管状部材31の長手方向に沿って同一でも異なっていてもよい。この場合、スリット35の幅(平均)は、特に限定されないが、1〜20mm程度とするのが好ましく、3〜10mm程度とするのがより好ましい。
【0089】
なお、図示の構成例では、管状部材31の内径および外径は、管状部材31の全長に渡ってほぼ一定であるが、これに限らず、管状部材31の内径および外径は、先端方向に徐々に減少していてもよい。
【0090】
また、第2の開口部は、図示のごときスリット状のものに限らず、例えば、円形、楕円形、四角形等の多角形、これらを複数連結した形状、またはこれらを一部に含む形状等、ガイドワイヤーやカテーテルチューブ等の器具が通過可能なものであれば、いかなるものであってもよい。そして、第2の開口部の形状、寸法、設置位置等は、それぞれ、前記第1の開口部のそれらと同一でも異なっていてもよい。
グリップ部材36は、外壁部361を有し、その内部には、前記と同様の挿入口が形成されている。
【0091】
また、グリップ部材36の外壁部361のスリット35に対応する位置には、スリット35の形成方向、すなわち管状部材31の周方向における形成位置を示すマーカー(目印)362が付されている。このマーカー362の存在により、拡張管30のトロカール管10への挿入時に、拡張管30のスリット35の方向を容易に把握し、該スリット35をトロカール管10のスリット16に合致させることができる。
【0092】
管状部材31の構成材料としては、前記管状部材11と同様のものを用いることができ、グリップ部材36の構成材料としては、前記グリップ部材17と同様のものを用いることができる。
【0093】
拡張管30の管状部材31の全長は、挿入するトロカール管10の管状部材11の全長との関係で決定され、特に限定されないが、40〜300mm程度が好ましく、60〜250mm程度がより好ましい。この場合、管状部材31の全長は、管状部材11の全長以上であるのが好ましい。
【0094】
管状部材31の内径は、挿入するカテーテルチューブ等の寸法、管状部材11の外径および管状部材11の拡張の程度等の諸条件により異なるが、2.0〜49mm程度が好ましく、3.0〜30mm程度がより好ましく、3.0〜20mm程度がさらに好ましい。
【0095】
このような拡張管30の管状部材31をトロカール管10のグリップ部材17の基端の挿入口から、管状部材11の内腔12に挿入して、グリップ部材36の先端面がグリップ部材17の基端面に接近または当接すると、図5に示すように、管状部材31が管状部材11を押し広げ、管状部材11を構成する各板状体15の接着または融着部が破断して、板状体15が互いに分離し、トロカール管10が拡張される。このとき、トロカール管10のスリット16に拡張管30のスリット35の全部または一部が重なり、この重なった開口部分に、後述するガイドワイヤー、シース、留置カテーテル等の器具の挿通路が形成される。
【0096】
このようなトロカール管組立体では、栓子20をトロカール管10内に挿入した状態で、これらを腹壁の前記第1穿刺部位より穿刺し、腹膜を貫通して腹腔内に挿入した後、トロカール管10を残したまま栓子20のみを抜去し、その後、トロカール管10内に拡張管30を挿入することにより、トロカール管10の管状部材11の少なくとも先端部を拡張する。
【0097】
以上のようなトロカール管組立体と、以下に説明する第1のガイドワイヤー40、ダイレータ(チューブ挿入補助器具)50、シース60および軟性鏡(内視鏡)70を用いて、皮下トンネルを形成し、留置カテーテルのようなカテーテルチューブを腹腔内に挿入することができる。
【0098】
図6は、第1のガイドワイヤーの構成例を示す斜視図である。同図に示す第1のガイドワイヤー40は、皮下組織内へ押し込むことにより進むことができる程度の剛性を有する線材で構成されている。具体的には、超弾性合金よりなる芯線あるいはその芯線の外周に例えばポリウレタンよりなる被覆層を形成したものが挙げられる。
【0099】
図7は、ダイレータの構成例を示す側面図である。同図に示すダイレータ50は、後述するシースチューブ61に比べて硬質のダイレータシャフト51と、該ダイレータシャフト51の基端部(手元側部)52に接続されたダイレータハウジング54とから構成されている。このダイレータ50には、その先端から基端まで貫通する内腔55が形成されている。
【0100】
ダイレータシャフト51を構成する材料としては、ある程度の剛性を有する材料が用いられ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド、ポリテトラフルオロエチレン、ABS樹脂、ポリカーボネート等が挙げられる。
【0101】
図8は、シースの構成例を示す側面図である。同図に示すシース60は、可撓性を有するシースチューブ61と、該シースチューブ61の基端部(手元側部)62に接続されたシースハウジング65とから構成されている。このシース60には、その先端から基端まで貫通する内腔64が形成されている。また、シースチューブ61の先端部63は、所望に湾曲した湾曲形状となっている。
【0102】
シースチューブ61のチューブ壁内には、好ましくは編組体よりなる補強部材(図示せず)が埋設されている。これにより、シース60の手元側での回転操作や押し込み操作がシース先端部へ確実に伝達され、シース先端部の誘導がし易いとともに、内腔64の潰れを防止することができる。
【0103】
シースチューブ61を構成する材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド、ポリテトラフルオロエチレン、シリコーン等またはこれらのうちの2以上を組合わせたもの(積層体等)が挙げられる。
【0104】
また、シースハウジング65には、チューブ67および混注器具68よりなる薬液注入ライン66が接続されており、この薬液注入ライン66を介してシース60の内腔64に薬液等を供給し得るようになっている。
【0105】
図9は、シース60とダイレータ50を組み合わせた場合の側面図である。同図に示すように、シース60の内腔64にダイレータ50を挿入して組み合わせると、ダイレータシャフト51の剛性により、シースチューブ61の先端部63は、ほぼ直線状態となる。また、この状態では、ダイレータシャフト51の先端部53は、シースチューブ61の先端開口より所定長さ突出する。
【0106】
図10は、軟性鏡の構成例を示す側面図である。同図に示す軟性鏡70は、可撓性を有するシャフト部71と、該シャフト部71の基端部(手元側部)72に接続された操作部74とで構成されている。シャフト部71内には、送光用および受光用の光ファイバーの束が設置されている。この光ファイバー束の基端側は、操作部74を経てモニタ装置(図示せず)に接続される。操作部74には、回転可能なハンドル75が設置され、該ハンドル75を所定方向に回転操作することにより、シャフト部71の先端部73は、図10中の一点鎖線で示すように、2方向に湾曲する。
【0107】
以下、上記トロカール管組立体等を用いてカテーテルチューブを腹腔内に挿入、留置する方法の一例について説明する。
【0108】
栓子20をトロカール管10内に挿入した状態で、これらを腹壁の第1穿刺部位より穿刺し、腹膜を貫通して腹腔内に挿入した後、トロカール管10を残したまま栓子20のみを抜去し、その後、トロカール管10内に拡張管30を挿入して管状部材11を拡張する。
【0109】
次に、第1穿刺部位よりある程度離れた位置の腹壁上に小切開を施し、その小切開部より第1のガイドワイヤー40を挿入し、皮膚と筋層との間の皮下組織内を、第1穿刺部位に穿刺されたトロカール管10の方向へ向けて、腹壁とほぼ平行に進めて行く。第1のガイドワイヤー40は、スリット35および16内に到達し、さらに、拡張管30の内腔34をその先端側へ向かって進み、拡張管30の先端開口より突出し、腹腔内に挿入される。
【0110】
次に、シース60およびダイレータ50を組み合わせた状態で、ダイレータ50の内腔55に第1のガイドワイヤー40の基端側を挿入し、シース60およびダイレータ50を第1のガイドワイヤー40に沿って押し進め、腹腔内に挿入する。その後、シース60を残したまま第1のガイドワイヤー40およびダイレータ50を抜去する。第1のガイドワイヤー40およびダイレータ50が抜去されると、シースチューブ61の先端部63は、元の湾曲形状に復帰する。
【0111】
次に、腹腔内に挿入されたシース60の内腔64に軟性鏡70を挿入し、軟性鏡70の先端をシースチューブ61の先端付近まで進め、シースチューブ61の先端近傍を観察する。このとき、シースチューブ61の先端部63は、所望に湾曲している。この状態で、シース60の手元側で、シースハウジング65を把持し、回転および押し込み操作を行うとともに、軟性鏡70の操作部74による先端部73の湾曲操作を行いながら、シースチューブ61の先端を目的とする位置に誘導する。
【0112】
その後、シース60を残したまま軟性鏡70を抜去し、シース60の内腔64に、別途用意された第2のガイドワイヤー(図示せず、第1のガイドワイヤーと同様の構成)を挿入する。さらに、第2のガイドワイヤーを残したままシース60を抜去し、別途用意された留置カテーテル(図示せず)の内腔に第2のガイドワイヤーの基端側を挿入し、留置カテーテルを第2のガイドワイヤーに沿って押し進め、腹腔内に挿入する。このとき、留置カテーテルは、前記と同様、皮下組織内、スリット35、16および拡張管30の内腔34を順次経て腹腔内に挿入される。
【0113】
次に、腹壁に穿刺されていたトロカール管10および拡張管30を抜去する。このとき、拡張状態のトロカール管10により拡張されていた腹膜や筋膜、腹直筋、皮下組織等は、収縮して留置カテーテルに密着する。
【0114】
最後に、留置カテーテル内から第2のガイドワイヤーを抜去して、留置カテーテルの留置が完了する。このようにして腹膜内に留置された留置カテーテルを介して新鮮な透析液の注入および透析液廃液の排出を行い、腹膜透析を実行することができる。
【0115】
以上のような方法によれば、小切開部(第2穿刺部位に相当)から第1穿刺部位までの間に形成された皮下トンネルは、留置カテーテルの外径以上には広がらないので、留置カテーテルと生体組織とは確実に密着する。さらに、前述したように、第1穿刺部位においても、生体組織と留置カテーテルとは確実に密着しているので、留置カテーテルを介して腹膜内に注入された透析液は、漏れにくい。
【0116】
なお、留置カテーテルは、単なるチューブで構成されたものに限らず、留置カテーテルの外周面、特に腹壁組織と接する部分に、コラーゲン等の生体由来材料を設置したものであってもよい。このような構成とすることにより、留置カテーテルの挿入後に、コラーゲン層と生体組織とが癒合し、皮下トンネル部分に比較的早期に瘻孔が形成される。従って、皮下トンネル部分で皮膚感染を起こしにくくなり、留置カテーテルを長期に渡り留置することができるようになる。また、留置カテーテルと生体組織とは、癒着を起こさないので、留置カテーテルの交換も容易に行うことができる。
【0117】
また、上記では、本発明をCAPDに用いる留置カテーテルの挿入、留置に適用した場合について説明したが、本発明の用途は、これに限らず、例えば、腹壁および胃壁を貫通させる胃瘻造設術に適用することもできる。
【0118】
図11は、本発明のトロカール管の第2の実施例を示す斜視図である。以下、この実施例について説明するが、前記第1の実施例と同様の事項については、その説明を省略する。
【0119】
図11に示すトロカール管(分割型トロカール管)80は、内腔82を有する管状部材81と、該管状部材81の基端部(手元側部)83に接続された分割可能なグリップ部材88とから構成されている。
【0120】
管状部材81は、前記と同様、自然状態で基端部83の径(内径、外径)よりも先端部84の径(内径、外径)の方が小さい略円錐形状に構成されている。
管状部材81の先端部84は、前記拡張管30の挿入により、その外径に合わせて拡張するように構成されている。
【0121】
管状部材81は、管状部材81の周方向に沿って環状に配置された複数の前記と同様の板状体85により構成されている。隣接する板状体15の側面同士は、互いに接着または融着され、これにより、各板状体85が連結、一体化され、管状部材81を構成する。この場合、管状部材81を分割し易いように、各板状体85の基端部83付近は、切り込み86等の形成により板状体85同士が分離されている(結合力を有さない)のが好ましい。
【0122】
図12は、グリップ部材88の横断面図である。図11および図12に示すように、グリップ部材88は、一対のグリップ半体88a、88bで構成されている。これらのグリップ半体88a、88bの接合面には、着脱自在な凸部および凹部で構成される凹凸嵌合部881が形成され、この凹凸嵌合部881の嵌合により、グリップ半体88a、88bが接合、一体化され、グリップ部材88を構成する。
【0123】
また、グリップ半体88a、88bの内側中央部には、それぞれ、半円状の溝が形成され、グリップ半体88a、88bを接合、一体化した状態で、両溝により、拡張管30を挿入するための挿入口89が形成される。この挿入口89の先端側に、管状部材81の基端部83が固定されている。
【0124】
前記と同様に、栓子20をトロカール管80内に挿入した状態で、これらを腹壁の前記第1穿刺部位より穿刺し、腹膜を貫通して腹腔内に挿入した後、トロカール管80を残したまま栓子20のみを抜去し、その後、トロカール管80内に拡張管30を挿入することにより、トロカール管80の管状部材81の少なくとも先端部を拡張する。
【0125】
次いで、凹凸嵌合部881の嵌合を解除してグリップ半体88a、88bを分割する。これに伴い、管状部材81も境界部87(管状部材81の拡張により、板状体85同士が既に分離している)を境に分割される。すなわち、グリップ部材88は、管状部材81の管軸を含む面により2分割される。このようにして分割されたグリップ部材88および管状部材81は、それぞれ、第1穿刺部位から抜去され、拡張管30のみが残る。
【0126】
なお、グリップ部材88は、管状部材81の管軸とほぼ平行な面により分割されてもよく、さらには、3個以上に分割されてもよい。
また、グリップ半体88a、88bは、図示のごとき凹凸嵌合部881以外の手段により接合されていてもよく、あるいは、グリップ半体88a、88bの内面同士が単に接触または接近(対面)しているものであってもよい。
【0127】
図13は、本発明のトロカール管の第3の実施例を示す斜視図、図14は、栓子の他の構成例を示す斜視図、図15は、図13に示すトロカール管内に図14に示す栓子を挿入した状態を示す斜視図である。以下、これらの図に示す実施例について説明するが、前記第1の実施例と同様の事項については、その説明を省略する。
【0128】
図13に示すトロカール管110は、内腔112を有する管状部材111と、該管状部材111の基端部(手元側部)113に接続されたグリップ部材117とから構成されている。
【0129】
管状部材111は、基端から先端までその外径および内径がほぼ一定であり、管状部材111の側面には、管状部材111の長手方向に沿って、管状部材111の先端から途中まで伸びるスリット(第1の開口部)115が形成されている。
【0130】
このスリット115は、管状部材111の内腔112および先端開口にそれぞれ連通している。本実施例の場合、スリット115の幅は、その長手方向に沿って一定となっている。
【0131】
グリップ部材117は、前記グリップ部材17と同様の構成であり、その外壁部118には、スリット115に対応する位置に、スリット115の形成方向を示すマーカー(目印)119が付されている。
【0132】
図14に示すように、栓子120は、シャフト121と、該シャフト121の基端122に接続されたグリップ部材124とで構成されている。
シャフト121は、全長に渡ってその外径がほぼ一定であり、その先端123には、穿刺端(刃先)125が形成されている。なお、穿刺端125の先端は、丸みを帯びたものでもよく、これにより、穿刺時において、腹腔内の臓器等の傷付き防止効果がより一層高まる。
【0133】
図15に示すように、シャフト121は、栓子120をトロカール管110内に挿入した状態で、穿刺端125が管状部材111の先端開口から突出する程度の長さに設定されている。
【0134】
図16および図17は、それぞれ、本発明のトロカール管の第4の実施例および第5の実施例を示す斜視図である。以下、これらの図に示す各実施例について説明するが、前記第3の実施例等と同様の事項については、その説明を省略する。
【0135】
図16および図17に示す各トロカール管110は、前記第3の実施例と同様に、内腔112を有する管状部材111と、該管状部材111の基端部(手元側部)113に接続されたグリップ部材117とから構成されているが、管状部材111の側面に形成されたスリット(第1の開口部)130の幅が、その長手方向に沿って変化している点が前記第3の実施例と異なっている。
【0136】
すなわち、図16に示すトロカール管110において、スリット130は、その先端から所定長さ分は、一定の細幅、すなわちガイドワイヤーやカテーテルチューブ等の器具が通過可能な程度の細幅を有しているが、その基端側(グリップ部材117側)においては、前記細幅より直径が大なる円形の開口131を呈しており、スリット130全体の開口面積が、前記第3の実施例におけるスリット115の開口面積に比べて小さく設定されている。
【0137】
ガイドワイヤーやカテーテルチューブ等の器具は、十分に大きな開口面積を有する円形の開口131内を通過して管状部材11内に挿入されるので、その操作は円滑かつ確実に行うことができ、一方、スリット130全体の開口面積は、より小さくすることができるので、トロカール管110の生体組織への穿刺時等に、スリット130を介して管状部材111内に皮下の脂肪組織等が侵入するのを抑制することができる。
【0138】
また、図17に示すトロカール管110では、スリット130は、前記と同様の円形の開口131を有するものであり、さらに、スリット130の先端部には、先端方向に向かって幅が漸増するテーパ部132が形成されている。このようなスリット130では、前記と同様の作用・効果を発揮するとともに、テーパ部132により、スリットの先端部分に鋭角な部分がなくなるので、先端部分で組織を損傷しにくくなるという利点がある。
【0139】
図18は、本発明のトロカール管の第6の実施例を示す斜視図、図19は、図18中のA−A線断面図である。以下、これらの図に示す実施例について説明するが、前記第3の実施例等と同様の事項については、その説明を省略する。
【0140】
図18に示すトロカール管140は、内腔142を有する管状部材141と、該管状部材141の基端部(手元側部)143に接続されたマーカー149を有するグリップ部材147とから構成されている。
【0141】
管状部材141は、基端から先端までその外径および内径がほぼ一定であり、管状部材141の側面には、管状部材141の長手方向に沿って、管状部材141の先端から途中までの位置に、前述したようなスリット(第1の開口部)115等を形成するための開口形成部150が形成されている。
【0142】
この開口形成部150は、スリット(第1の開口部)を開閉可能な一対の細幅の板片151、152で構成されている。板片151、152は、それらの境界部153で分割され、かつ、スリット(第1の開口部)の対向する縁部154、155となる部分において、管状部材141に対し回動可能にまたは湾曲(屈曲)変形可能に支持されており、これにより、スリット(第1の開口部)を開閉する扉としての機能を有している。
【0143】
板片151、152は、その開閉を円滑に行うために、管状部材141に比べ柔軟性が高いものであるのが好ましい。
その一例として、板片151、152を管状部材141と同一の材料(異なる材料でもよい)で構成した場合に、その厚さを管状部材141の厚さより薄くすることが挙げられる。すなわち、図19に示すように、板片151、152の厚さを、それぞれ、境界部153へ向かって漸減させるような構成が挙げられる。
【0144】
また、板片151、152自体の構成材料を、より柔軟性の高い材料で構成するものでもよい。このような材料としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリウレタン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等の各種軟質樹脂、天然ゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム等の各種ゴム、ポリアミドエラストマー、ポリエステルエラストマー等の各種エラストマーが挙げられる。
【0145】
なお、板片151、152は、管状部材141に対し、一体形成されていても、例えば図20に示すように、管状部材141に対し別部材を接着、融着等により取り付けてもよい。なお、図20の例では、板片151、152の取り付け位置は、管状部材141の内面となっているが、管状部材141の外面やスリットの縁部154、155であってもよい。
【0146】
板片151、152は、境界部153において、接触していても、わずかな距離離間していてもよい。板片151、152が境界部153において接触している場合、それらは、結合力(接着力)を有していない。すなわち、境界部153においては、切り込みが形成され、該切り込みを介して板片151、152の端部同士は接触(圧着)しているが、外力の作用により、図19中の点線で示すように板片151、152が湾曲(屈曲)変形した際には、その接触(圧着)部分は容易に離間する。
【0147】
また、図20に示すように、板片151、152の端部同士が、ある程度重なった状態で接触(圧着)していてもよい。この場合も前記と同様に、その接触(圧着)部分は容易に離間することができる。
【0148】
また、板片151、152は、境界部153において結合力(接着力)を有していてもよい。例えば、境界部153において板片151、152の端部同士を接着剤により軽度に接着するかまたは軽度に融着しておき、使用時にその接着部または融着部を破断・分離するような構成であってもよい。
【0149】
また、図21に示すように、板片151、152が、境界部153において、薄肉部156を介して連結されているような構成であってもよい。この場合、使用時には、薄肉部156を容易に破断・分離し、板片151、152を開いてスリット(第1の開口部)を形成することができる。
【0150】
図22および図23は、それぞれ、本発明のトロカール管の第7の実施例を示す斜視図である。以下、この図に示す実施例について説明するが、前記第3の実施例等と同様の事項については、その説明を省略する。
【0151】
図22に示すトロカール管180は、内腔182を有する管状部材181と、該管状部材181の基端部(手元側部)183に接続されたマーカー189を有するグリップ部材187とから構成されている。
【0152】
管状部材181は、基端から先端までその外径および内径がほぼ一定であり、管状部材181の側面には、管状部材181の長手方向に沿って、管状部材111の先端から途中までの位置に、前記と同様のスリット(第1の開口部)166を形成するための開口形成部160が形成されている。
【0153】
この開口形成部160は、スリット(第1の開口部)を開閉可能な1枚の板片161で構成されている。板片161は、スリット(第1の開口部)の形状に対応した帯状をなしており、例えば前述したような材料で構成することにより、適度な可撓性(柔軟性)を有している。
【0154】
この板片161は、その基端162において、管状部材181に固着または一体形成され、対向する両縁部163、164の全部または一部は、スリット(第1の開口部)の縁部となる部分に対し、好ましくは前記接着剤接着、融着、薄肉部の介在等により結合力(接着力)をもって接合されている。
【0155】
図23に示すように、使用時には、両縁部163、164を破断・分離し、板片161の少なくとも先端側を管状部材181の内腔182に押し込み、特に、開口形成部160と反対側の管状部材181内面付近まで移動し、スリット(第1の開口部)166を形成する。
【0156】
この実施例では、スリット166を形成したとき、板片161の基端部が湾曲し、この湾曲部165が、ガイドワイヤーやカテーテルチューブ等の器具を、管状部材181の内腔182へ案内するための案内面として機能する。すなわち、前記器具が管状部材181の軸線に対しほぼ直角方向から接近して来た場合でも、器具先端が湾曲部165に沿って直角方向へ、すなわち管状部材181の先端方向へ向くように曲げられる。よって、前記器具を容易かつ円滑に内腔182へ誘導し、挿通させることができ、操作性がさらに向上する。
【0157】
また、スリット166の形成時に、湾曲部165が内腔182の大部分を遮蔽し、内腔182をスリット166より先端側と基端側とに区画するので、細菌の侵入抑制(感染の防止)に寄与する。
さらに、留置カテーテルを留置した状態でトロカール管180を抜去する際にも、抜去の抵抗を増大することなくその操作を円滑に行うことができる。
【0158】
図24は、本発明のトロカール管の第8の実施例を示す斜視図である。以下、この図に示す実施例について説明するが、前記第7の実施例等と同様の事項については、その説明を省略する。
【0159】
図24に示すトロカール管180は、開口形成部における板片191の形状が前記板片161と異なる以外は、前記第7の実施例と同様である。すなわち、開口形成部190を構成する板片191は、細幅の帯状部分192と、その基端側の楕円形部分(円形でもよい)193とで構成され、長手方向に沿ってその幅が変化するスリット(第1の開口部)195を形成する。
【0160】
この場合、板片191は、楕円形部分193の基端194において、管状部材181に固着または一体形成されている。
なお、楕円形部分193の短径は、好ましくは管状部材181の内径と等しいかまたはそれより若干大きく設定されている。
また、帯状部分192の先端は、管状部材181の先端より基端側に位置している。
【0161】
この実施例では、板片191の少なくとも帯状部分192を管状部材181の内腔182に押し込んでスリット(第1の開口部)195を形成したとき、板片191の楕円形部分193が前記案内面として機能するとともに、内腔182をほぼ完全に遮蔽するので、前述した感染防止効果等がより高い。
【0162】
さらに、留置カテーテルを留置した状態でトロカール管180を抜去する際にも、前記と同様に、抜去の抵抗を増大することなくその操作を円滑に行うことができる。
【0163】
以上説明した、図18〜図24に示す開口形成部を有するトロカール管は、トロカール管の生体組織への穿刺時等に、スリット(第1の開口部)が遮蔽されているため、管状部材内に皮下の脂肪組織等が侵入するのを抑制する効果が極めて高い。
【0164】
なお、図13〜図24に示すトロカール管は、いずれも、管状部材の内径および外径がその長手方向に沿って一定のものであるが、本発明では、これに限らず、管状部材の内径および/または外径が、その長手方向に沿って変化していてもよい。例えば、管状部材の内径および/または外径が、先端方向に向かって漸減しているかまたはこのような部分(テーパ部分)を有するようなものであってもよい。
本発明のトロカール管組立体は、前述したいずれかのトロカール管を備えるものであればよい。
【0165】
また、本発明のカテーテル挿入用器具は、前述したいずれかのトロカール管組立体と、穿刺針とで構成されている。図25は、穿刺針の構成例を示す斜視図である。同図に示すように、穿刺針91は、その先端部に好ましくは鋭利な穿刺端92を有し、穿刺針91の内部には、後述するガイドワイヤー100を挿通し得る通路93が形成されている。なお、穿刺端92の先端は、若干丸みを帯びたものでもよい。
【0166】
この通路93の基端は、穿刺針91の基端面(図25中上端面)に開口して開口94aを形成し、通路93の先端は、穿刺針91の先端付近の側面に開口して開口94bを形成している。
穿刺針91の基端面には、開口94bが向いている方向を示すマーカー911が付されている。
【0167】
穿刺針91の構成材料としては、例えば、ステンレス鋼、アルミニウムまたはアルミニウム合金、チタンまたはチタン合金、超弾性合金、形状記憶合金等の各種金属材料、ポリアミド、硬質ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ABS樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、アクリル樹脂、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の各種硬質樹脂材料、アルミナ、シリカ、窒化アルミ、炭化ケイ素等の各種セラミックス等が挙げられる。
【0168】
図26は、穿刺針91に対し用いられるガイドワイヤーの構成例を示す側面図である。同図に示すガイドワイヤー100は、前記第1のガイドワイヤー40と同様の可撓性を有する線材で構成されており、その先端部101は、先端に向かって外径が漸減するようなテーパが形成されている。これにより、ガイドワイヤー100を皮下組織内で円滑に進めることができ、皮下組織の損傷も極めて少ない。なお、ガイドワイヤー100の先端は、図示のように若干丸みを帯びたものでも、針状に尖った鋭利なものでもよい。
【0169】
このような構造のガイドワイヤー100は、前述した第1のガイドワイヤー、第2のガイドワイヤーとしても用いることができる。
【0170】
穿刺針91の使用方法は、次の通りである。前述したカテーテルチューブを腹腔内に挿入、留置する方法において、第1穿刺部位と異なる位置の腹壁上に小切開を施す代わりに、腹壁の第2穿刺部位に穿刺針91を穿刺する。このとき、穿刺深さは、開口94bが皮膚と筋層との間に位置するように調整する。また、マーカー911を目視で確認しつつ、穿刺針91を所望に回転して、開口94bが第1穿刺部位の方向に向くようにする。なお、穿刺針91の第2穿刺部位への穿刺は、開口94bの向く方向が腹壁とほぼ平行となるような角度で穿刺されるのが好ましい。
【0171】
次に、穿刺針91の開口94aから通路93内に、前記第1のガイドワイヤーに相当するガイドワイヤー100を挿入する。ガイドワイヤー100の先端部101は、第1穿刺部位の方向へ向いている開口94bから突出し、皮膚と筋層の間の皮下組織内を、第1穿刺部位に穿刺されたトロカール管10、80、110、140または180(以下、トロカール管10で代表的に説明する)の方向へ向けて進む。そして、ガイドワイヤー100は、スリット35、16内に到達し、さらに、拡張管30の内腔34を経て腹腔内に挿入される。ガイドワイヤー100の挿入が完了した後、穿刺針91を抜去し、以下、前記と同様にして、留置カテーテルを留置する。
【0172】
このような穿刺針91によれば、第2穿刺部位において、切開を施す必要がないので、侵襲がより低減する。また、マーカー911を設けたことにより、開口94bの方向を体外より容易に確認することができ、ガイドワイヤー100の先端をスリット35および16へ到達させ易い。
【0173】
なお、穿刺針91には、その穿刺深さを規制する穿刺深さ規制手段として、例えば、穿刺針91の長手方向所定位置の外周面に突出形成された鍔状のフランジ(リブ)を有していてもよい。穿刺針91を穿刺する際には、皮膚がこのフランジに当接するまで穿刺すれば、一定の深さ、すなわちフランジより下方(先端側)の長さ分が穿刺されることとなる。
【0174】
また、本発明のカテーテル挿入用器具は、前記いずれかのトロカール管組立体と、穿刺針組立体とで構成されている。図27は、穿刺針組立体の構成例を示す斜視図である。同図に示す穿刺針組立体90は、穿刺針91と、スペーサー(サイドアーム)95とで構成されている。穿刺針組立体90における穿刺針91は、マーカー911を有さない以外は、前記穿刺針91と同様の構成である。
【0175】
スペーサー95は、所定の剛性を有する棒状の部材であり、その一端96は、穿刺針91の長手方向途中部分の側面に固着されている。また、スペーサー95の他端97には、U字状の溝981を有する係合部98が形成されている。この係合部98の溝981に、第1穿刺部位に穿刺されたトロカール管10の管状部材11の基端部13または第1穿刺部位に穿刺された拡張管30の管状部材31の基端部32が係合され、これにより、管10または30と穿刺針91との距離、すなわち第1穿刺部位と第2穿刺部位との距離が一定に保持される。
【0176】
穿刺針91の開口94bは、係合部98の溝981がある方向、すなわち係合部98に嵌合したトロカール管10または拡張管30の方向に向くような位置に形成されている。また、開口94bは、該開口94bから突出した直後のガイドワイヤー100がスペーサー95とほぼ平行(平行に対し±15°程度の誤差を含む)となるような向きに形成されているのが好ましい。
【0177】
スペーサー95に対する穿刺針91の接続角度は、特に限定されないが、穿刺針91の軸線とスペーサー95の中心線とのなす角度(鋭角側)が、30〜90°程度であるのが好ましく、45〜70°程度であるのがより好ましい。
【0178】
また、本実施例におけるスペーサー95は、穿刺針91の穿刺深さを規制する穿刺深さ規制手段を構成している。すなわち、穿刺針91とスペーサー95との固着部99の位置(穿刺針91の長手方向位置)の設定により、穿刺針91の穿刺深さを一定の深さに規制することができる。この場合、固着部99と開口94bとの距離を、穿刺針91の腹壁への穿刺時にスペーサー95の一端96付近の下面が皮膚に接触または密着したとき(最深穿刺状態)、開口94bが皮膚と筋層との間に位置するような距離とするのが好ましく、さらには、固着部99と穿刺針91の先端との距離を、前記最深穿刺状態のとき、穿刺針91の先端が腹直筋前鞘へは達しない程度の距離に設定するのが好ましい。
【0179】
このような穿刺針組立体90では、スペーサー95の係合部98を第1の穿刺部位に穿刺されたトロカール管10または拡張管30の基端部13または32に係合した状態で、穿刺針91を腹壁の第2穿刺部位に穿刺する。この際、スペーサー95の一端96付近が皮膚に接触または密着するまで刺入するだけで、開口94bは、適正な深さ、すなわち皮膚と腹直筋前鞘の間の皮下組織内に位置し、かつ第1穿刺部位の方向に向くこととなる。
【0180】
その後、前記と同様に、穿刺針91の通路93を介してガイドワイヤー100を挿入し、スリット35、16、拡張管30の内腔34を経て腹腔内へ挿入後、係合部98の係合を解除するとともに穿刺針91を抜去し、以下、前記と同様にして、留置カテーテルを留置する。
【0181】
前述したように、開口94bは、適正な深さおよび方向に設定されるため、ガイドワイヤー100や留置カテーテルを容易かつ確実にスリット35および16へ到達させることができ、また、スペーサー95の作用により、第1穿刺部位と第2穿刺部位との距離、すなわち皮下トンネルの長さを常に一定に設定することができる。
【0182】
なお、図示されていないが、穿刺針組立体90において、第1穿刺部位と第2穿刺部位との距離を変えるために、穿刺針91と係合部98との距離(スペーサー95の長さ)を可変調節する調節手段を設けることもできる。これにより、第1穿刺部位と第2穿刺部位との距離(皮下トンネルの長さ)を症例等に応じて適宜調節することができ、好ましい。
【0183】
この調節手段としては、例えば、スペーサー95を第1のアームと第2のアームとで構成し、両アームの接続位置を適宜変更して第1のアームに対する第2のアームの突出長さを調節するような構成のものが挙げられる。また、その他の調節手段として、長さの異なる複数のスペーサー95を用意し、これらを適宜選択して穿刺針91に装着する構成であってもよい。
【0184】
また、係合部98は、トロカール管10または拡張管30の基端部等を把持し得る例えば、チャック、クリップ等の把持機構や、その他任意の構造の連結機構等を有するものであってもよい。
また、固着部99の穿刺針91長手方向の位置を変更可能とし、穿刺針91の穿刺深さを調節し得るような構成であってもよい。
【0185】
【実施例】
以下、本発明を具体的実施例に基づいてさらに詳細に説明する。
【0186】
(実施例1)
図1〜図10に示す構成のトロカール管組立体、第1、第2のガイドワイヤー、ダイレータ、シース、軟性鏡および留置カテーテルを製作した。これらの器具の諸条件は、次の通りである。
【0187】
1.トロカール管組立体
<トロカール管>
[管状部材]
板状体構成材料:ABS樹脂
板状体枚数:6枚
板状体接合方法:接着剤接着
先端部内径:2mm
基端部内径:8mm
全長:100mm
スリットの幅(管状部材拡張前):2.5mm(平均)
スリットの幅(管状部材拡張時):5mm(平均)
スリットの長さ:管状部材先端より60mm
【0188】
[グリップ部材]
構成材料:ポリカーボネート
【0189】
<栓子>
[シャフト]
構成材料:ABS樹脂
先端部(くびれ部)外径:2mm
基端部外径:8mm
全長:140mm
【0190】
[ヘッド部]
構成材料:ステンレス鋼(SUS304)
全長:8mm
最大外径:3.2mm
【0191】
[グリップ部材]
構成材料:ポリカーボネート
【0192】
<拡張管>
[管状部材]
構成材料:ステンレス鋼(SUS304)
外径:8mm
内径:7mm
全長:140mm
スリットの幅:4mm
スリットの長さ:管状部材先端より60mm
【0193】
[グリップ部材]
構成材料:ポリカーボネート
【0194】
2.第1のガイドワイヤー
構成材料:超弾性合金(芯線)および熱可塑性ポリウレタン(外層)
先端部形状:先端に向けて外径が漸減するテーパが形成
外径:約1mm
【0195】
3.ダイレータ
[ダイレータシャフト]
構成材料:ポリエチレン(硫酸バリウム含有)
外径:3mm
内径:1.1mm
【0196】
4.シース
[シースチューブ]
構成材料:ポリエチレン(硫酸バリウム含有)
編組体:φ50μm 、ステンレス鋼(SUS304)、16本撚り線
外径:3.5mm
内径:3.0mm
先端湾曲部の長さ:30mm
【0197】
5.軟性鏡(内視鏡)
構成:光ファイバー(投光用、受光用)内蔵
外径:2.8mm
有効挿入部の長さ:700mm
先端湾曲部の長さ:40mm
先端湾曲角:UP100°、DOWN100°(2方向湾曲)
【0198】
6.第2のガイドワイヤー
構成材料:超弾性合金(芯線)および熱可塑性ポリウレタン(外層)
先端部形状:先端に向けて外径が漸減するテーパが形成
外径:約1.2mm
【0199】
7.留置カテーテル
構成材料:フッ素系エラストマー
外径:4.5mm
内径:2.5mm
全長:500mm
【0200】
<実験1>
上記実施例1の各器具を用い、実験動物(豚)の腹壁に対し、前述した方法により留置カテーテルの皮下トンネル経由での挿入、留置を行った。
【0201】
栓子を挿入した状態のトロカール管の腹壁への刺通は、刺通抵抗が小さく、円滑にしかも低侵襲で行うことができた。また、拡張管によるトロカール管の管状部材の拡張も、軽微な力で容易かつ確実に行うことができた。
【0202】
また、ガイドワイヤーおよび留置カテーテルは、いずれも、円滑に、しかも目的部位に正確に挿入することができ、腹壁上に残された創痕も目立つものではなかった。
【0203】
留置カテーテルを挿入、留置してから所定時間経過後、留置カテーテルを介して腹腔内に透析液500mlを注入したところ、透析液の漏出は全く認められなかった。その後、透析液廃液を排出することも可能であった。
また、皮下トンネル部位での細菌感染も認められなかった。
【0204】
(実施例2)
留置カテーテルの外周面にコラーゲン層を被覆形成した以外は、実施例1と同様の各器具を製作した。コラーゲン層の諸条件は、次の通りである。
【0205】
[コラーゲン層]
構成材料:仔牛由来熱架橋アテロコラーゲン
性状:多孔質(スポンジ)状
肉厚:約1mm(乾燥時)
設置箇所:留置カテーテルの先端より約160mmの位置から約230mmの位置までの外周面全周。
【0206】
上記実施例2の各器具を用い、前記実験1と同様の実験を行ったところ、同様の結果が得られた。特に、実施例1に比べ、留置カテーテルの長期留置が可能であった。
【0207】
(実施例3)
上記実施例1の各器具と、図25に示す穿刺針とで構成されるカテーテル挿入用器具を製作した。穿刺針の諸条件は、次の通りである。
【0208】
8.穿刺針
構成材料:ポリフェニレンスルフィド(PPS)
外径:3mm
全長:40mm
通路内径:1.1mm
通路開口:通路下端が穿刺針側面に開口
穿刺針先端と通路開口との距離:3mm
通路開口方向と穿刺針軸線との角度:約120°
【0209】
上記実施例3のカテーテル挿入用器具を用い、前記実験1と同様の実験を行ったところ、同様の結果が得られた。特に、ガイドワイヤー等を皮下経由でスリットへ到達させる操作は、実施例1に比べ、より容易かつ確実に行うことができた。
【0210】
(実施例4)
図11および図12に示す構成のトロカール管によるトロカール管組立体と、図27に示す穿刺針組立体とを用いた以外は、実施例3と同様のカテーテル挿入用器具を製作した。トロカール管組立体および穿刺針組立体の諸条件は、次の通りである。
【0211】
9.トロカール管組立体
<トロカール管>
[管状部材]
板状体構成材料:ABS樹脂
板状体枚数:6枚
板状体接合方法:接着剤接着(基端部未接着)
先端部内径:2mm
基端部内径:8mm
全長:100mm
【0212】
[グリップ部材]
構成:一対のグリップ半体(凹凸嵌合部により着脱可能)
構成材料:ポリカーボネート
【0213】
<栓子>
実施例1と同様
【0214】
<拡張管>
実施例1と同様
【0215】
10.穿刺針組立体
<スペーサー>
[アーム部]
構成材料:ステンレス鋼(SUS304)
厚さ:0.8mm
幅:2mm
有効長:50mm
【0216】
[係合部]
構成材料:ステンレス鋼(SUS304)
形状:馬蹄形(U字状の溝を有す)
溝の内寸:7.1mm
【0217】
<穿刺針>
構成材料:ABS樹脂
外径:3mm
全長:40mm
通路内径:1.1mm
スペーサーとの固着部と穿刺針先端との距離:25mm
通路開口:通路下端が穿刺針側面に開口
穿刺針先端と通路開口との距離:3mm
通路開口方向と穿刺針軸線との角度:約120°
穿刺針基端側とスペーサーとのなす角度:約120°
【0218】
上記実施例4のカテーテル挿入用器具を用い、前記実験1と同様の実験を行ったところ、同様の結果が得られた。特に、ガイドワイヤー等を皮下経由でスリットへ到達させる操作は、実施例3に比べ、さらに容易かつ確実に行うことができた。
【0219】
(実施例5)
上記実施例4において、有効長が42mmのスペーサー(他の条件は同じ)に交換した穿刺針組立体を用い、前記実験1と同様の実験を行ったところ、実施例4と同様の結果が得られた。
【0220】
(実施例6)
トロカール管組立体を図13〜図15に示す構成のものとした以外は、実施例1と同様の各器具を製作した。トロカール管組立体の諸条件は、次の通りである。
【0221】
11.トロカール管組立体
<トロカール管>
[管状部材]
構成材料:ステンレス鋼(SUS304)
外径:9mm
内径:8mm
全長:100mm
スリットの幅(一定):4mm
スリットの長さ:管状部材先端より60mm
【0222】
[グリップ部材]
構成材料:ポリカーボネート
その他:スリットの方向を示すマーカー付
【0223】
<栓子>
[シャフト]
構成材料:ステンレス鋼(SUS304)
外径:7.9mm
全長:140mm
【0224】
[先端部]
構成材料:ステンレス鋼(SUS304)
全長:10mm
【0225】
[グリップ部材]
構成材料:ポリカーボネート
【0226】
上記実施例6の各器具を用い、前記実験1と同様の実験を行ったところ、同様の結果が得られた。
【0227】
(実施例7)
トロカール管を図17に示す構成のものに代えた以外は、実施例6と同様とした。トロカールの諸条件は、次の通りである。
【0228】
<トロカール管>
[管状部材]
構成材料:ステンレス鋼(SUS304)
外径:9mm
内径:8mm
全長:100mm
スリットの幅(帯状部):3mm
スリットの幅(基端の円形部):直径5mm
スリットの幅(先端のテーパ部):最大5mm
スリットの長さ:管状部材先端より60mm
【0229】
[グリップ部材]
構成材料:ポリカーボネート
その他:スリットの方向を示すマーカー付
【0230】
上記実施例7の各器具を用い、前記実験1と同様の実験を行ったところ、同様の結果が得られた。また、実施例7では、トロカール管の腹壁への穿刺時に、皮下脂肪組織のトロカール管内への侵入が抑制され、ガイドワイヤーおよび留置カテーテルの挿入操作がし易かった。
【0231】
(実施例8)
トロカール管を図18に示す構成のものに代えた以外は、実施例6と同様とした。トロカールの諸条件は、次の通りである。
【0232】
<トロカール管>
[管状部材]
構成材料:ABS樹脂
外径:9mm
内径:8mm
全長:100mm
スリットの幅(一定):4.5mm
スリットの長さ:管状部材先端より60mm
【0233】
[開口形成部]
板片枚数:2枚
板片形状:細幅帯状
板片材料:シリコーンゴム
板片厚さ:1mm(最大値)〜0.4mm(最小値)
板片固着方法:スリットの縁部に対し接着剤接着
板片同士の境界部:接触状態(接着力なし)
【0234】
[グリップ部材]
構成材料:ポリカーボネート
その他:スリットの方向を示すマーカー付
【0235】
上記実施例8の各器具を用い、前記実験1と同様の実験を行ったところ、同様の結果が得られた。また、実施例8では、トロカール管の腹壁への穿刺時に、皮下脂肪組織のトロカール管内への侵入が抑制され、ガイドワイヤーおよび留置カテーテルの挿入操作がし易かった。
【0236】
(実施例9)
トロカール管を図22、図23に示す構成のものに代えた以外は、実施例6と同様とした。トロカールの諸条件は、次の通りである。
【0237】
<トロカール管>
[管状部材]
構成材料:ABS樹脂
外径:9mm
内径:8mm
全長:100mm
スリットの幅(一定):5mm
スリットの長さ:管状部材先端より65mm
【0238】
[開口形成部]
板片枚数:1枚
板片形状:帯状(短冊状)
板片材料:ポリエステルエラストマー
板片厚さ:0.7mm
板片固着方法:板片基端を管状部材に対し融着。板片の両縁部をスリットの縁部に対し部分的に軽度(剥離可能)に接着剤接着
【0239】
[グリップ部材]
構成材料:ポリカーボネート
その他:スリットの方向を示すマーカー付
【0240】
上記実施例9の各器具を用い、前記実験1と同様の実験を行ったところ、同様の結果が得られた。また、実施例9では、トロカール管の腹壁への穿刺時に、皮下脂肪組織のトロカール管内への侵入がほとんどなく、ガイドワイヤーおよび留置カテーテルの挿入操作がし易かった。
【0241】
(実施例10)
トロカール管を図24に示す構成のものに代えた以外は、実施例6と同様とした。トロカールの諸条件は、次の通りである。
【0242】
<トロカール管>
[管状部材]
構成材料:ポリエチレン
外径:9mm
内径:8mm
全長:100mm
スリットの幅:3〜8mm
スリットの長さ:管状部材先端より65mm
【0243】
[開口形成部]
板片枚数:1枚
板片形状:帯状部+楕円形部
板片材料:ポリエチレン
板片幅(帯状部):3mm
板片幅(楕円形部):8mm
板片全長:55mm
楕円形部長さ:18mm
板片厚さ:0.5mm
板片固着方法:板片基端を管状部材に対し一体形成。板片の両縁部をスリットの縁部に対し部分的に軽度(剥離可能に)に融着
【0244】
[グリップ部材]
構成材料:ポリカーボネート
その他:スリットの方向を示すマーカー付
【0245】
上記実施例10の各器具を用い、前記実験1と同様の実験を行ったところ、同様の結果が得られた。また、実施例10では、トロカール管の腹壁への穿刺時に、皮下脂肪組織のトロカール管内への侵入がほとんどなく、ガイドワイヤーおよび留置カテーテルの挿入操作がし易かった。
【0246】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明のトロカール管、トロカール管組立体およびカテーテル挿入用器具によれば、次のような効果を有する。
【0247】
1. 例えばCAPDに用いられる留置カテーテルを腹腔に挿入、留置する際に、腹壁を大きく切開することなく、皮下トンネルを容易かつ確実に形成して留置することができ、侵襲が低減される。
【0248】
2. 第1の開口部を形成するための開口形成部を有する場合には、必要時に第1の開口を形成するので、例えば、トロカール管の生体組織への穿刺時にトロカール管内へ脂肪組織等が侵入するのを抑制または阻止することができる等の利点がある。
【0249】
3. また、開口形成部を板片で構成し、該板片が第1の開口形成時にトロカール管の内腔を遮蔽する機能を有する場合には、感染防止効果がより向上する。
【0250】
4. 生体組織への穿刺時にトロカール管の管状部材の先端部を基端部に比べて小径とした場合、その管状部材の細径化を図ることができ、穿刺抵抗が小さく、トロカール管の刺通操作を容易に行うことができるとともに、侵襲が小さい。
【0251】
5. トロカール管が、拡張管等の挿入により拡張可能な場合には、拡張前の低い穿刺抵抗の状態で穿刺した後、先端部等の有効内径を拡張して、留置カテーテルのようなカテーテルチューブやその他の器具を容易かつ確実に挿通することができる。
【0252】
6. トロカール管の管状部材が、複数の板状体を接着または融着等により連結、一体化したものである場合には、管状部材の拡張時や除去時に、板状体同士が容易かつ確実に分離され、軽微な力で拡張することができ、また、第1の開口部も容易に形成することができる。
【0253】
7. 分割可能なトロカール管を用いた場合、トロカール管に挿入した拡張管等の器具を残したままトロカール管を分割して抜去することができるので、上記各効果に加え、操作性が向上するとともに、手技のバリエーションが拡大する。
【0254】
8. 本発明のカテーテル挿入用器具は、大きく切開を施すことなく、穿刺針によりトロカール管の穿刺部位と異なる部位を穿刺するので、侵襲が低減され、しかも、ガイドワイヤーやカテーテルチューブ等の長尺器具を、皮下組織内等に適正な方向および深さで挿通させることができ、その操作も簡単である。
【0255】
9. スペーサーを有する穿刺針組立体を用いた場合には、異なる穿刺部位間の距離を一定に保持すること、特に、皮下トンネルの適正な長さに設定することができ、その操作も簡単である。
【0256】
10.スペーサーが係合部を有する場合には、トロカール管、拡張管等の管体に対する確実な位置決めを行うことができる。
【0257】
11. 距離調節手段を設けた場合には、異なる穿刺部位間の距離を症例等に応じて適宜設定することができる。
【0258】
12. 穿刺深さ規制手段を設けた場合には、簡単な操作で、穿刺針の穿刺深さを適正にすることができ、特に、腹壁への穿刺の際、穿刺過剰により筋層をも貫通するといった不都合が防止され、侵襲の低減および安全性の向上が図れる。
【0259】
13. トロカール管、穿刺針等の抜去後の穿刺部位における生体組織の密着度が向上するため、透析液等の漏出が生じず、また、感染の防止効果も高い。
【0260】
以上より、患者に与える負担が軽減され、感染の防止効果が向上し、入院期間の短縮等が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトロカール管の実施例を示す斜視図である。
【図2】本発明のトロカール管組立体を構成する栓子の構成例を示す斜視図である。
【図3】図1に示すトロカール管に図2に示す栓子を挿入した状態を示す斜視図である。
【図4】本発明のトロカール管組立体を構成する拡張管の構成例を示す斜視図である。
【図5】図1に示すトロカール管に図4に示す拡張管を挿入してトロカール管を拡張した状態を示す斜視図である。
【図6】本発明のカテーテル挿入用器具を構成する第1のガイドワイヤーの構成例を示す斜視図である。
【図7】本発明のカテーテル挿入用器具を構成するダイレータの構成例を示す側面図である。
【図8】本発明のカテーテル挿入用器具を構成するシースの構成例を示す側面図である。
【図9】図8に示すシース内に図7に示すダイレータを挿入した状態を示す側面図である。
【図10】本発明のカテーテル挿入用器具を構成する軟性鏡(内視鏡)の構成例を示す側面図である。
【図11】本発明のトロカール管の他の実施例を示す斜視図である。
【図12】図11に示すトロカール管におけるグリップ部材の横断面図である。
【図13】本発明のトロカール管の他の実施例を示す斜視図である。
【図14】本発明のトロカール管組立体を構成する栓子の他の構成例を示す斜視図である。
【図15】図13に示すトロカール管に図14に示す栓子を挿入した状態を示す斜視図である。
【図16】本発明のトロカール管の他の実施例を示す斜視図である。
【図17】本発明のトロカール管の他の実施例を示す斜視図である。
【図18】本発明のトロカール管の他の実施例を示す斜視図である。
【図19】図18中のA−A線断面図である。
【図20】本発明のトロカール管の他の実施例における管状部材の横断面図である。
【図21】本発明のトロカール管の他の実施例における管状部材の横断面図である。
【図22】本発明のトロカール管の他の実施例を示す斜視図である。
【図23】図22に示すトロカール管において、第1の開口部を形成した状態を示す斜視図である。
【図24】本発明のトロカール管の他の実施例を示す斜視図である。
【図25】本発明のカテーテル挿入用器具を構成する穿刺針の構成例を示す斜視図である。
【図26】本発明のカテーテル挿入用器具を構成するガイドワイヤーの構成例を示す側面図である。
【図27】本発明のカテーテル挿入用器具を構成する穿刺針組立体の構成例を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 トロカール管
11 管状部材
12 内腔
13 基端部
14 先端部
15 板状体
16 スリット
17 グリップ部材
171 外壁部
172 マーカー
20 栓子
21 シャフト
22 基端
23 先端
24 グリップ部材
25 ヘッド部
26 穿刺端
27 テーパ部
28 くびれ部
30 拡張管
31 管状部材
32 基端部
33 側面
34 内腔
35 スリット
36 グリップ部材
361 外壁部
362 マーカー
40 第1のガイドワイヤー
50 ダイレータ
51 ダイレータシャフト
52 基端部
52 基端部
54 ダイレータハウジング
55 内腔
60 シース
61 シースチューブ
62 基端
63 先端部
64 内腔
65 シースハウジング
66 薬液注入ライン
67 チューブ
68 混注器具
70 軟性鏡(内視鏡)
71 シャフト部
72 基端部
73 先端部
74 操作部
75 ハンドル
80 トロカール管
81 管状部材
82 内腔
83 基端部
84 先端部
85 板状体
86 切り込み
87 境界部
88 グリップ部材
88a、88b グリップ半体
881 凹凸嵌合部
89 挿入口
90 穿刺針組立体
91 穿刺針
911 マーカー
92 穿刺端
93 内腔
94a、94b 開口
95 スペーサー
96 一端
97 他端
98 係合部
981 溝
99 固着部
100 ガイドワイヤー
101 先端部
110 トロカール管
111 管状部材
112 内腔
113 基端部
115 スリット
117 グリップ部材
118 外壁部
119 マーカー
120 栓子
121 シャフト
122 基端
123 先端
124 グリップ部材
125 穿刺端
130 スリット
131 円形の開口
132 テーパ部
140 トロカール管
141 管状部材
142 内腔
143 基端部
147 グリップ部材
149 マーカー
150 開口形成部
151、152 板片
153 境界部
154、155 縁部
156 薄肉部
160 開口形成部
161 板片
162 基端
163、164 縁部
165 湾曲部
166 スリット
180 トロカール管
181 管状部材
182 内腔
183 基端部
187 グリップ部材
189 マーカー
190 開口形成部
191 板片
192 帯状部分
193 楕円形部分
194 基端
195 スリット

Claims (20)

  1. 管状部材と、該管状部材の基端側に位置するグリップ部材とからなるトロカール管であって、
    前記管状部材の側面に、該管状部材の内腔に連通し得るものでかつ長尺な器具が挿入可能な第1の開口部を形成するための開口形成部を有し
    前記第1の開口部は、前記管状部材の長手方向に沿って該管状部材の先端から少なくとも途中まで連続するスリットで構成され、前記第1の開口部の長さは、前記管状部材の全長の30〜70%であり、前記第1の開口部の平均幅は、1〜20mmであり、
    前記開口形成部は、前記第1の開口部を開閉可能な板片で構成されていることを特徴とするトロカール管。
  2. 前記板片は、前記管状部材より柔軟性が高い請求項に記載のトロカール管。
  3. 前記板片は、前記第1の開口部を形成したとき、前記管状部材の内腔の少なくとも一部を遮蔽する機能を有する請求項またはに記載のトロカール管。
  4. 前記第1の開口部は、前記管状部材の長手方向に沿って前記管状部材の先端から少なくとも途中まで連続するものである請求項1ないしのいずれかに記載のトロカール管。
  5. 前記第1の開口部の幅は、前記管状部材の長手方向に沿って変化している請求項1ないしのいずれかに記載のトロカール管。
  6. 前記管状部材および前記グリップ部材は、前記管状部材の管軸を含む面または前記管軸とほぼ平行な面により複数に分割可能である請求項1ないしのいずれかに記載のトロカール管。
  7. 前記管状部材は、周方向に沿って配置された複数の板状体を接着または融着により連結、一体化したものである請求項1ないしのいずれかに記載のトロカール管。
  8. 前記グリップ部材に、前記第1の開口の方向を示すマーカーが設けられている請求項1ないしのいずれかに記載のトロカール管。
  9. 前記管状部材は、基端部より先端部の径が小さいものである請求項1ないしのいずれかに記載のトロカール管。
  10. 前記管状部材は、少なくともその先端部の径が拡張可能である請求項に記載のトロカール管。
  11. 請求項10に記載のトロカール管と、前記管状部材の内腔に挿入して前記先端部の径を拡張する拡張管とを備えるトロカール管組立体であって、前記拡張管の側面に、該拡張管の内腔に連通する第2の開口部が形成されていることを特徴とするトロカール管組立体。
  12. 前記拡張管は、前記第2の開口部の方向を示すマーカーを有している請求項11に記載のトロカール管組立体。
  13. 前記管状部材の内腔に挿入して使用され、先端に穿刺端を有する栓子を備える請求項11または12に記載のトロカール管組立体。
  14. 請求項1ないし10のいずれかに記載のトロカール管と、前記管状部材の内腔に挿入して使用され、先端に穿刺端を有する栓子とを備えることを特徴とするトロカール管組立体。
  15. 請求項11ないし14のいずれかに記載のトロカール管組立体と、内部に通路を有する穿刺針とを備えるカテーテル挿入用器具であって、前記通路の一端が前記穿刺針の先端付近の側方に開口していることを特徴とするカテーテル挿入用器具。
  16. 前記穿刺針は、前記通路が開口する方向を示すマーカーを有する請求項15に記載のカテーテル挿入用器具。
  17. 請求項11ないし14のいずれかに記載のトロカール管組立体と、穿刺針組立体とを備えるカテーテル挿入用器具であって、前記穿刺針組立体は、内部に通路を有する穿刺針と、該穿刺針と異なる位置にある管体と前記穿刺針との距離を一定に保持するスペーサーとを備え、前記通路の一端が、前記穿刺針の先端付近の側方であって、前記スペーサーの装着状態での前記管体の方向に向く位置に開口していることを特徴とするカテーテル挿入用器具。
  18. 前記スペーサーは、前記管体と係合する係合部を有する請求項17に記載のカテーテル挿入用器具。
  19. 前記管体と前記穿刺針との距離を調節する距離調節手段を有する請求項17または18に記載のカテーテル挿入用器具。
  20. 前記穿刺針の穿刺深さを規制する穿刺深さ規制手段を有する請求項15ないし19のいずれかに記載のカテーテル挿入用器具。
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