JP4343790B2 - レーザー光照射による硬実種子の発芽改善方法及び発芽改善種子 - Google Patents

レーザー光照射による硬実種子の発芽改善方法及び発芽改善種子 Download PDF

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Description

本発明は、農園芸、緑化、山林などに使用される硬実性を示す植物種子に対する発芽改善方法に関するものである。
農園芸、緑化、山林などに使用される種子には、種皮や果皮が水を透さないために種子が膨潤せず、発芽し得ない現象を示すものがある。このような現象は「硬実」とよばれ、播種後の環境条件が好適であっても、不発芽や発芽の不揃い、遅延等の発芽不良を生じる原因となっている。このような発芽不良が生じれば、作物の減収、収穫の不揃いや遅延、また品質低下をきたし、生産者にとって経済的に大きな問題となる。また、発芽が遅延することで、種子や幼根が土壌中の病原菌に侵される危険性も増大する等の大きな問題が生じる。
このように種皮や果皮等の種子胚をとりまく構造物(以下、種被と呼ぶ。)による発芽不良の原因は、大別して以下の2つの主要因があり、一般的にはこれらが複合的に起因して発芽の不良を生じている。
1)種被が酸素や二酸化炭素などのガスや水分に対して、不透性を示すため、発芽に必要な酸素や水分移動が妨げられ、発芽が生理的に抑制される。
2)種被が堅硬であるため、内部にある種子胚の出現が物理的に妨げられ、発芽が抑制される。
また、硬実以外にも種被が休眠物質等の発芽抑制物質を含んでいたり、種子胚の休眠が同時に存在して発芽を抑制している場合もある。このような原因による発芽不良を解決する目的で、従来、種子に対する物理的または化学的な様々な処理が試みられている。例えば、a)水に長時間浸漬しておく方法、b)紙ヤスリなどの研磨材を内面に張付けたドラム中で回転するか、または、砂などの研磨材粒子と種子とを混合してドラム中で回転することにより磨傷する方法、c)湿熱、乾熱などの高温処理や、振盪、高圧、高周波電場、超音波などによる物理的処理、d)有機溶媒、濃硫酸、酵素などによる化学的処理、e)液体窒素などにより一時的に凍結された果皮に圧力を加えて剥皮する方法などが行われてきた(特許文献1〜5、非特許文献1〜4)。
しかしながら、これらの発芽改善方法はいずれも効果は認められているが、それぞれ次のような欠点を有している。
上記a)の水に長時間浸漬しておく方法では、大量に処理できるものの、効果が限定され、バラツキがあることから、特に硬い種被をもつ硬実種子の多くには効果が全く不充分である。また、長時間を要する上に、種子を濡らすため、商業的に流通させるには脱水・乾燥作業が更に必要となり、手間と光熱費がかさむなど商業的には大きな問題がある。更に、仮に一部の種子が種子伝染性病害などの病気にかかっていた場合、その病気が同時に処理する全ての種子に感染してしまうといった問題もある。
上記b)の紙ヤスリなどの研磨材を内面に張付けたドラム中で回転するか、または、砂などの研磨材粒子と種子とを混合してドラム中で回転することにより摩傷する方法では、ヤスリ部や機器そのものの摩耗や、処理の規模により種被個々の磨傷状態にバラツキが生じ、研磨不足の種子と研磨過度で種子胚や胚乳部を傷める種子とが同時に混在発生して、発芽の均一性が大きく乱れ、効果を得ようとするとかえって異常発芽や不発芽を招く問題がある。また、この方法では、処理規模によっては全ての種子を研磨するために長時間を要する場合もあり、その場合、研磨時の摩擦熱による熱劣化や衝撃による物理的劣化などにより、種子が失活するおそれもある。
上記c)の湿熱、乾熱などの高温処理では、種子そのものの失活を招きやすく、また振盪、高圧、高周波電場、超音波などによる物理的処理では、安定した発芽改善効果が無く、その効果も極めて僅かなもので不十分である。
上記d)の有機溶媒、濃硫酸、酵素などによる化学的処理では、処理条件を種子の種類や状態に応じて的確に設定しなければならず、硫酸液については外気の温度変化により硫酸液濃度も変化するため、浸漬時間の設定が困難で効果も一定しないことに加えて、作業中の安全や作業環境、及び処理後の廃液処理に大きな問題を有する。また、種子は一粒一粒の大きさや種被の厚み、更には亀裂の有無などが異なるため、種被を均一に脆弱化するのは困難で、薬品による侵食が不十分な種子や、過度に侵食が進んだ種子が混在して生じ、全ての種子に対して十分な効果を得る適切な条件を設定することは事実上不可能なのが現状である。また、この方法においても、仮に一部の種子が種子伝染性病などの病気にかかっていた場合、その病気が同時処理する全ての種子に感染してしまうといった問題もある。
上記e)の液体窒素などにより一時的に凍結させた果皮に圧力を加えて剥皮する方法は発芽改善効果が大きいが、この方法においても、種子の大きさや種被の厚みが、一粒一粒、または部分的に異なるため、剥皮効率を上げようとすると必然的に種子内部まで破損してしまう種子が発生してしまい、全ての種子に対応できる条件を設定するのは困難な問題がある。また、液体窒素を使用するため設備とコストがかさむ問題もある。
以上のように、種被由来の発芽不良を示す硬実種子の発芽改善方法において、その種子ロットの一粒一粒に対応し、均一に安定した確実な発芽改善効果を得ることのできる技術は未だ無いのが現状である。
ところで、従来、種子へのレーザー照射について様々な研究が成されているが、種子へのレーザー処理による硬実改善に関する実用的な方法は見出されていない。例えば、トマト種子やトウモロコシ種子にレーザー光を照射して、種子の発芽や収穫物への影響を実験した例があるが(非特許文献5、6参照)、これらの実験の対象種子は硬実種子ではなく、レーザー照射による効果も、光エネルギー照射による細胞レベルの活性化による生育促進を目的としたものである。それ故、種子へのHe-Ne赤色レーザー照射条件も、光エネルギー1〜2mJ/cm2/secで、照射時間も240秒、360秒、720秒の条件が記載されており、種被を穿孔するには至らない光エネルギーを長時間照射している。即ち、硬実の種被に高いエネルギー密度のレーザーを照射して、瞬時に種被を穿孔し、種被の透過性を改善する本発明とは、構成および目的効果とも全く異なるものである。
また、非特許文献7には、“Agrilaser”の実験として、トウモロコシ種子やカボチャ種子にCO2またはYAGレーザーを照射し、宇宙空間に曝すことで発芽や生育、収量、食味などへの影響を調べる実験が行われている。この実験において、1粒1粒の種子にレーザーを照射している点では本発明と構成が類似するが、対象となる種子は硬実性の種子ではなく、またレーザー照射による穿孔も、種子を宇宙空間に送って宇宙粒子に曝すことが前提であり、宇宙空間において種子内部を宇宙粒子と接触させることで細胞レベルの活性化や変化を期待し、植物の発芽や生育、食味等への影響を実験したものである。そのため、硬実種子を対象として、レーザー照射による穿孔により種被の硬実性を排除あるいは軽減して、物理的または生理的に抑制されている発芽性を改善する本発明とは、構成および目的効果とも明らかに相違する。
更に、レーザー光を種子に照射する技術として特許文献6に記載のものがあるが、この技術は種子に付着している病原菌や病害虫の殺菌、駆除を目的としたものであり、そのため、種被を傷つけないようにレーザー光を照射するものであって、本発明とは構成上も、また目的と効果も全く異なるものである。
特許第2579822号公報 特開昭64−75045号公報 特開平8−70625号公報 特開平8−70626号公報 特開平5−49309号公報 特開平11―56014号公報 「農林種子学総論」、p.94―101、中村俊一郎著、養賢堂、1985年 "Seeds Ecology, Biogeography and Evolution of Dormancy and Germination",p.101-103,124,Carol C. Baskin and Jerry M. Baskin,ACADEMTC PRESS 1998 "Plant Propagation Principle and Practices" 7th Edition,220-226,Hudson T. Hartman,Dale E. Kester,Fred T. Davis Jr. Robert L. Geneve, Prentice Hall 2002 "Principle of Seed Science and Technology"4th edition,140-146,Lawrence O. Copeland,Miller B. McDonald,Kluwer Academic Publishers 2001 "Tomato Plant Response to Laser Beam Seed Treatment" 451-454,E. Szwonek,A. Felczynska,ISHS,Acta Horticulturae 287, 1990。 "He-Ne Laser Beam Irradiation Effect on Germination Response of Corn Plant Seeds"Danila C.,Ristici M.,Ristici E.,[online], [2004年6月7日検索], インターネット<URL: http://ursus.ar.lublin.pl/users/fizar19/agro/danila.htm> "Space Experiment Module (SEM)-10", NASA, [online], [2004年6月7日検索], インターネット<URL: http://sspp.gsfc.nasa.gov/sem/History/history_sem10.html>
本発明者は、上記した従来の硬実種子の発芽改善技術における共通の問題点として、個々の形状や大きさにバラツキのある種子ロットをひとまとめにして処理している点に着目した。これは一見効率的に見えるが、種子は工業製品とは異なり同一種子ロット内でも、大きさ、形状、種被の厚みなどに相当量のバラツキ幅があるため、これらをまとめて処理すれば、必然的に個々の種子については処理の過不足が生じ、ロスの発生は避けられないと考えた。
本発明の課題は、種被に由来した発芽不良を示す硬実種子の発芽改善方法において、均一に安定して確実な発芽改善効果を得ることができ、なおかつ作業環境に問題の無い方法を提供し、また、これにより播種後に迅速かつ均一な高い発芽性を示す発芽改善種子を提供するところにある。
本発明者は、上記従来技術の問題点を鑑み、一見非効率的に思えるが確実な方法として一粒一粒の種子を適切に処理する方法を検討した。その場合、上記のように種子ロット内には大きさや形状などの性状のバラツキがあるため、機械的な処理の実施は、制御や量産が困難な問題があった。本発明者は、この問題点を鋭意検討した結果、非常に高いエネルギー密度が得られ、素材のごく表面のみを瞬時に溶融・蒸発・除去できるレーザー光を、一粒一粒の種子に照射して、該種子それぞれの種被部に穿孔を施すことで、内部の種子胚を傷めずに不透水性やガスの不透過性を解決できることを見い出した。そして、この知見に基づき、発芽速度、発芽の斉一性、発芽率を共に十分満足できる種子を、安定して効率良く均一に製造でき、尚且つ作業環境に何ら問題のない製造技術を創出した。
すなわち、本発明にかかる硬実種子の発芽改善方法は、硬実種子に対して種子胚をとりまく構造物である種被(種皮や果皮)の一部にレーザー光を照射して、該種被の一部に穿孔を1箇所以上施すことを特徴とするものである。
また、レーザーによる種被への穿孔量は、硬い種被の物理的発芽抑制を改善するためにはできるだけ大きい方が良いと考えられた。しかし、単一の穿孔面積や穿孔深度が大き過ぎたり、複数穿孔した場合の穿孔総面積があまりに大きくなると、穿孔後の種子の保存性や芽生の順調な生育に悪影響が出る場合があった。そこで、本発明者は、単一の穿孔面積と複数穿孔した場合の総穿孔面積を制限して穿孔を施すことで、穿孔後の種子の保存性や芽生の生育に悪影響を与えずに、上記課題を解決できることを見い出した。
すなわち、本発明に係る硬実種子の発芽改善方法においては、1箇所の穿孔面積が種被表面積全体の0.2%〜18%の範囲内となるように、穿孔を施すことが好ましい。また、穿孔箇所の総面積が種被表面積全体の0.2%〜20%の範囲であることが好ましい。
本発明によれば、硬実性を示し発芽の抑制要因となっている種被にレーザー光を照射し、該種被の一部に穿孔を施すことにより、ガス透過性、水分透過性などの物理的、生理的な発芽抑制要因を解消し、あるいは低減して発芽を改善することができる。しかも、レーザー光による処理であるため、一粒一粒の種子に対して内部の種子胚を傷めることなく、的確かつ短時間に種被を処理することが可能であり、そのため、製造においてバラツキやロスがなく、播種後の発芽に優れた発芽改善種子を安定して製造でき、また、作業環境の問題もない。
以下、本発明の実施に関連する事項について詳細に説明する。
本発明における硬実種子の発芽改善方法では、内部の種子胚にダメージを与えない適切な強度のレーザー光を一粒一粒の種被に照射し、これら一粒一粒の種被組織の一部に、確実に穿孔を施し、種被の透水性やガス透過性を改善することで実施される。
古くから硬実として種被が示す不透水性については、数多くの研究が行われており、不透水層は種被の柵状組織にあることが判っている。しかし、柵状組織も、先端部、明線部、下層部と分かれており、不透水層がこの何れの部分であるかは、研究者により、また種類によっても異なっている。このように硬実の不透水層が種被の柵状組織に存在することは判っていても、柵状組織のどの部分にあるかは種子の種類によって異なるため、本発明においてもレーザー光による種被への穿孔深度については、対象となる種子によって異なる。実際の穿孔深度は予備試験によって決定することができる。それ故、本発明で言うレーザー光照射による種被の「穿孔」とは、種被に存在する柵状組織を貫通して種子内部を露出させるような開口部(即ち、貫通孔)を種被に設けることはもちろん、貫通するまでには至らないものの種被表面に溝や窪みなど非貫通の穴を加えることも含めて意味する。むしろ不透水層が柵状組織の深層部ではなく表層部に存在するものでは、種子内部の種子胚を傷めない為にも、できるだけ種被全体を貫通させることなく不透水層までの深さで穿孔することが好ましい。また、穿孔の形状も同様の結果を来たすものであれば、丸孔など通常の孔には限られず、スリット状の割れ目のようなものであっても良い。
このような穿孔を種被部に施すことにより、種子胚へのガス透過性や水分透過性などの生理的な発芽抑制要因を改善することができるとともに、種被が堅硬であることに起因する種子胚の物理的な発芽抑制要因を排除、あるいは軽減することができる。
本発明が適用可能な種子の殆どは、種被と内部の種子胚が密着しているか、あるいは極僅かな空隙しかないため、内部の種子胚を傷めずに種被層のみを加工し、なおかつ効率を上げるには、適切な強度のレーザー光と照射条件で一粒一粒の加工を瞬時に完了しなければならない。このような条件で使用できるレーザーとしては、大きな出力を安定して得ることのできるレーザー発振器が好ましいが、本発明に使用するレーザーの種類は、上述したように内部の種子胚を傷めること無く、種被部に記述のレーザー光照射効果を得られるように調節できるものであれば特に限定されない。また、レーザー光の出力方法についても、連続発振またはパルス発振のどちらでも用いることができ、特に限定されない。本発明を実施する機器を安価に製造するという意味では、市販のレーザー加工機に使用されているレーザー発振器を用いることができる。
レーザー光の波長は、レーザーの種類によって決まるが、0.1〜15μmのものが好ましく用いられ、より好ましくは0.5〜15μmのものである。例えば、ルビー(0.69μm)やガラス(1.06μm)、Nd:YAG(1.06μm)などの固体レーザー、あるいはCO(10.6μm)やAr(0.51μm)、エキシマ(0.15〜0.35μm)などの気体レーザーなどが使用できる。特に好ましくはCO(10.6μm)レーザーで、COレーザーは連続、パルスのどちらでも発振でき、発振効率も高いため広く活用されており、容易に入手可能なこともあって、本発明においては最も利用しやすい。またNd:YAGレーザーも光ファイバーを使えることから広範囲に使用されており、本発明においても利用できる。
種子に対するレーザー光の照射位置や種被部への穿孔深度、あるいは穿孔面積は種子によって異なり、これらは少量の予備試験によって決定することができる。例えば、発芽抑制の主因が、種被の不透水性やガス透過性にある種子は、種被の極一部または数箇所にレーザー光を照射すれば、不透水性が解消し発芽改善効果が得られる場合が多い。種被の堅硬性によって、物理的に発芽が抑制されている種子では、種子胚の出現してくる珠孔部や臍(Hilum)部にレーザー光を照射すれば効果が得られるものや、種被の比較的広域に渡って複数箇所にレーザー光を照射し、全体的に種被を脆弱化した方が、より高い効果が得られるものもある。しかし、比較的広域に穿孔を施す際は、穿孔後の種子の保存性や芽生生育への悪影響が生じる場合があるため、単一の穿孔面積を種被表面積全体の0.2%〜18%の範囲内とし、また、総穿孔面積を種被表面積の0.2〜20%の範囲内にするのが好ましい。なお、種子の種類や大きさにもよるが、単一の穿孔面積を0.05mm〜5.0mmの範囲内とすれば好ましい結果が得られる場合が多い。
種子に対するレーザー光の照射方法は色々な方法が可能である。例えば、レーザー光を反射させて多面的に種子へ照射することも可能である。また、種子へのレーザー光の照射は、レーザー光源を固定して種子を搬送しながらでも、逆に種子を固定して光源を移動した状態でも良く,両方とも固定または移動、あるいは一方が固定で他方が移動した状態でも良い。
種子へのレーザー光の照射強度は、穿孔深度に関係し、照射対象となる種子によって異なる。内部の種子胚を傷めることなく、種被部に作用するものであれば、特に限定されない。これらは対象となる種子によって異なり、少量の予備試験によって決定することができる。具体的な調整は、レーザー発振の周波数やレーザー光の出力、照射時間、あるいはレーザー光を集光するレンズで焦点を調節し、集光量を加減することなどで実施できる。
本発明に適用できる硬実種子としては、種子胚をとりまく構造物である種被(種被や果皮)の示す硬実性が主因で発芽の不揃い、遅延、不発芽等の発芽不良を示すものであれば、どのような種子にでも適用できる。
例えば、ホウレンソウ、フダンソウ、テンサイ、ビートなどのアカザ科、アサガオ、ユウガオ、エンサイなどのヒルガオ科、カンナなどのカンナ科、ゼラニウム、ペラルゴニウムなどのフウロソウ科、エンドウ、ソラマメ、インゲン、ダイズ、クズ、クロタラリア、ルーピン、ルピナス、ササゲ、ナタマメ、ユーカリ、サブクローバー、アルファルファなどのマメ科、オクラ、トロロアオイ、ハイビスカス、ワタなどのアオイ科、ゲットウなどのショウガ科、シクラメン、プリムラなどのサクラソウ科、バーベナなどのクマツヅラ科、バラやイチゴなどのバラ科、スイカ、カンピョウなどのウリ科、ゴボウ、シュンギク、ヒマワリなどのキク科、アスパラガスなどのユリ科、ハスなどのヒツジグサ科などが挙げられる。また、ウルシ、ハゼノキなどのハゼノキ科、ゴヨウマツ、クロマツ、アカマツなどのマツ科、クルミなどのクルミ科の他、堅い皮殻で包まれた多くの山林種子も挙げられる。
これらの植物の種子は、種皮や果皮に起因する発芽不良が生じ易いものであり、本発明の方法により十分に発芽を改善することができる。
更には、上記したレーザー光照射を終えた後、種子にプライミング処理又は催芽処理を施すこともできる。特に、種被の透水性やガス透過性に問題がある硬実種子では、プライミングや催芽処理のように種子への水分供給を伴う処理の前に、本発明であるレーザー光照射処理を行うことで、プライミング処理や催芽処理の効果を向上することができる。ここで、プライミング処理とは、発芽に向かう種子内部での代謝活動を開始させるには充分であるが発芽を起こさせるには不十分な水分、時間及び温度で種子を処理する方法をいい、例えば特許3151471号または特許3205896号などに記載の方法により行うことができる。また、催芽処理とは、種子に対して水分を供給して播種前に催芽させる処理をいい、例えば特開平10−117511号に記載の方法により行うことができる。
また、本発明であるレーザー光照射を終えた後、または、さらにプライミング処理などを行った後に、被覆造粒、フィルムコーティング、シードテープ加工、及び播種シート加工などを行うことができる。ここで、被覆造粒とは、機械播種などを行う目的で、クレーやタルクなどの造粒材(賦形材)と水などの湿潤材を用いて、種子を造粒材で丸粒状に包み込み成型造粒することをいい、例えば特許第2520309号、特開平10−225207号または特開平10−225208号に記載の方法を用いることができる。また、フィルムコーティング加工とは、水溶性又は親水性ポリマーの水溶液に農薬などを溶解、分散させたコーティング材を用いて種子表面に薄いフィルムを被覆することをいい、例えば特許第1719604号または特開平11−146707号に記載の方法を用いることができる。また、シードテープ加工とは、種子を一定間隔に播種する事を容易にする目的で、あらかじめ種子を水溶性素材や生分解性素材等のテープに一定間隔で封入することをいい、例えば実開平05−007013号に記載の方法を用いることができる。更に、播種シート加工とは、育苗トレーなどへの播種を容易にする事を目的とし、播種面積に合わせた水溶性素材や生分解性素材のシートに種子を一定間隔で貼り付けることをいい、例えば特開平11−332312号に記載の方法を用いることができる。
更には必要に応じて、本発明の発芽改善処理の後に、苗立枯れ病の防除のために、殺菌剤などを塗布するような処理を行うこともできる。例えば、「種子伝染性病の生態と防除」(大畑貫一他編、社団法人日本植物防疫協会発行、1999年、P66-88)に記載の方法により防疫処理を行うことができる。
また、本発明の発芽改善処理方法においては、上記のように種被の一部にレーザー光を照射して穿孔した後、又は穿孔する前に、種被の全体にレーザー光を照射して、種被全体に含まれる発芽抑制物質を変質させたり、消滅させたりして、発芽抑制物質に起因する発芽不良要因を排除することもできる。すなわち、種被に含まれる発芽抑制物質は、レーザー光の照射により、種被表面に外観上判別できるような変化を与えることなく、変質、除去させることができるので、これにより発芽抑制物質に起因する発芽不良も改善することができる。種被全体にレーザー光を照射するためには、レーザー光の集光焦点をずらすなどしてレーザー光を分散させて照射範囲を広げればよい。このような発芽抑制物質を変質、除去させるために要するレーザー光の照射強度は、上記の穿孔する場合に比べて十分小さいので、種被全体に照射するものでありながら、照射後の種子の保存性や芽生の生育への悪影響を抑えることができる。
以上説明した発芽改善処理方法であると、一粒一粒の種被に対して、内部の種子胚にダメージを与えない適切な強度のレーザー光を照射し、発芽の抑制要因となっている該種被の一部に確実に穿孔を施すことで、発芽にダメージを与えることなく、均一に安定した発芽改善効果が得られる。
また、本発明であるレーザー光の照射によれば、瞬時に処理するため、一粒一粒処理するものでありながら、種子ロット全体での加工時間は短くて済む。
また、レーザー光による照射処理は、ドリルなどを用いて種子に穴開けする場合に比べて、非接触で処理することができるため、仮に病気に汚染されている種子が含まれていたとしても、その病気が他の種子に伝染するのを抑制することができる。しかも、上記のように一粒一粒を処理するものであって、かつ処理時間も短いので、この点からも他の種子への病気の感染を低減することができる。
更に、レーザー光による照射処理は、例えば、種子の大きさのバラツキにより、処理すべき種被の高さがレーザー光の焦点に対してずれた場合でも、レーザー光は焦点の前後でも焦点からの距離に応じたエネルギーを持っているため、種子の大きさに極端なバラツキがない限り、種被に対して十分な発芽改善効果を持たせることができる。この点、上記ドリルを用いて機械により自動的に処理する場合では、種子の大きさのバラツキにより、処理すべき種被の高さが異なると、ドリルの先端が種被に接触しないことになって、全く処理されなくなるのと大きく相違する。
また、例えば、種被に不所望な亀裂があったような場合であっても、種被の一部にレーザー光を照射処理する際に、該亀裂部分にレーザー光が照射される可能性は低く、そのため、上記従来の薬品による化学的処理の場合のように、一部の種子において過度に薬品が浸食して発芽性を損なうということもない。また、仮に亀裂部分にレーザー光が照射されたとしても、亀裂部分ではその分だけ通常の種被表面に対して陥没しているため、レーザー光の焦点からずれた位置での照射となり、よって過度のレーザー処理は軽減される。
更に、レーザー光照射による処理であるため、上記従来の薬品を用いた化学的処理の場合のような作業環境等の問題もない。
また、特に、種被の一部にレーザー光を照射して穿孔するため、当該部のみが処理されて発芽改善に寄与することになり、それ以外の部分では未処理のままであるため、レーザ−光照射による不所望な種子胚の損傷を極力抑えることができる。この点、上記従来の種子ロットをひとまとめにして処理する場合(例えばb)の研磨処理)には、種被の全体が処理されることからそのような種子胚の損傷が全体に及ぶのとは明らかに相違する。
以下、具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
実施例における種子へのレーザー照射は、市販の印字用COレーザーマーカーML-G9300(株式会社KEYENCE社製)を利用して行った。実際の種子へのレーザー照射は、試験例1、試験例3の試験では、ML-G9300単体を使用し、ラボジャッキをワーキングテーブルとして用い、ML-G9300のマーキングエリア(110mm2)範囲内にブロック枠線を引いた台紙上に数十〜数百粒の種子を置床してレーザー光を手動で照射した。また試験例2、試験例4、試験例5の試験では、ML-G9300とともに、種子の連続供給、自動整列、自動搬送、自動排出等の装置と、レーザー制御部を組み込んで製作したオリジナルの照射装置を使用し、種子の供給、位置決め、レーザー照射、回収までの一連の過程を自動で行った。
また、本発明において、種被への穿孔深度に関わるレーザー光の照射強度などの条件は、種子によって異なるので、事前の予備試験によって適正条件を決めて実施した。個々の照射条件の調整は、レーザー発信機の平均出力(30W)の制限(レーザーパワー=0〜100%範囲)と、レーザー集光スポットの移動速度(スキャンスピード1〜12,000mm/s)の調整によって行った。また、照射条件はレーザー光発振器のQスイッチ周波数設定によっても変わるが、本実施例では使用機の仕様上から25kHz固定(パルス発振)で行った。
[試験例1:実施例1〜2、比較例1〜2]
硬実で不透水性を示す硬い種被を有し、発芽不良が生じ易いカンナ種子に対して、レーザー光照射による発芽改善処理を行った。この際、種子はタキイ種苗(株)の「トロピカルローズ」品種を用いた。種被へのレーザー光の照射は、種被表面にレーザー光を合焦させ、スキャンスピードを300mm/s、レーザーパワー45%に設定して、一粒一粒の種被にレーザー光を照射し、直径約0.8mmの円形の穿孔を1箇所ずつ(実施例1)および、3箇所ずつ(実施例2)施した発芽改善種子を得た。
また、比較例1として、同ロットの処理前の種子に対して、硫酸による発芽改善処理を行った。この際、慣行法に従い36N硫酸に種子を20分間浸漬し、5分間流水で洗浄した後、40℃で2時間送風乾燥した(比較例1)。
このようにして得られた発芽改善処理種子(実施例1、2、比較例1)と、同ロットの処理前の種子(比較例2)とについて、発芽試験を行った結果を表1に示した。発芽試験は、種子を育苗培土に播種して20〜25℃前後の温度で管理し、播種後の発芽数を経日調査することで行った。
Figure 0004343790
本発明による実施例1、2の種子は、比較例2の無処理種子と比較して、発芽の早さ、斉一性、発芽率の全てにおいて、顕著な改善効果が観られた。また、慣行法の酸によって処理した比較例1の種子では、発芽改善効果は見られるものの本発明の方法には及ばなかった。また、比較例1の発芽した芽生には、幼根や子葉の一部が酸で害を受けた異常芽生が6%観られた。
また、それぞれの不発芽種子を切断して内部の吸水状態を観察したところ、慣行法で処理した比較例1と無処理の比較例2の不発芽種子内部は、吸水できずに内部が硬いままの個体が多数観られた。すなわち、慣行法での酸処理では種被の不透水性は完全には改善されていないことが判り、更に酸による追加処理の必要があることを示していた。しかしながら、発芽した芽生には逆に処理が進みすぎて酸による侵食を受けた芽生が6%あることから、これ以上の処理はできないことが判る。これは種子ロット内に、種被厚みの「ばらつき」や、種被に僅かな亀裂や小孔がある種子が存在するため、これらの個体が酸の侵蝕によって害を受けるものと推察され、慣行法では全体を過不足なく均一に処理することは事実上不可能と言える。
一方、本発明によるレーザー光を照射処理した実施例1の不発芽種子では、全ての種子内部が吸水して膨潤しており、種被の不透水性が完全に改善されているのが確認でき、種子ロット内に前記のようなバラツキがあっても、均一に処理が可能であった。
[試験例2:実施例3〜13、比較例3]
硬実で不透水性を示す硬い種被を有し、発芽不良が生じ易いカンナ種子に対して、レーザー光を照射し、一粒一粒に対する穿孔数、穿孔径の設定を変え、表2に示す穿孔条件で、種被をほぼ貫通する程度の穿孔を施し発芽改善種子を得た。この際、種子はタキイ種苗(株)の「トロピカルイエロー」品種を用いた。種被へのレーザー光の照射は、スキャンスピード500mm/s、レーザーパワー50%に固定して行った。
表2における「単一穿孔面積」とは、単一の穿孔痕の面積で円形穿孔痕の面積を計算により算出した値である。「単一穿孔率」とは、種被表面積に対する単一穿孔面積の百分率であり、(単一穿孔面積/種被表面積)×100で算出した。「総穿孔面積」とは、単一穿孔面積×穿孔数により算出した全ての穿孔痕の面積を合計した値である。「総穿孔率」とは、種被表面積に対する総穿孔面積の百分率であり、(総穿孔面積/種被表面積)×100で算出した。種被の表面積は、カンナ種子の平均粒径を測定し、球形として算出した。
このようにして得た発芽改善種子(実施例3〜13)と、同ロットの処理前の種子(比較例3)について、発芽試験を行った結果を表3に示した。発芽試験は、試験例1と同様の方法で行った。
Figure 0004343790
Figure 0004343790
本発明により処理した、実施例3〜実施例13の全ての種子において、無処理の比較例3と比較して発芽の早さ、斉一性、発芽率の改善効果が観られた。一方、実施例3〜実施例13内で比較すると、単一の穿孔面積が極小さい実施例3、実施例4は相対的に効果が低く、単一の穿孔面積が極大きい実施例13と総穿孔面積が比較的大きい実施例11については発芽後に芽生の生育段階で僅かな遅延や軽微な損傷が一部生じる傾向が観られた。実施例3の不発芽種子を切断して内部の吸水状態を観察したところ、膨潤が不十分である個体が観られた。
一方、実施例13と実施例11のように単一穿孔面積または、総穿孔面積が大きくなる条件では、その後の保存で比較的早く活力低下をきたすケースが観られ、本来種子保護のために存在する種被を過剰に除去することで何らかの種子への影響があるものと思われた。これらの状況から、種子によっても異なるが、本発明の更に好ましい実施形態としては、一箇所の単一穿孔面積が種被表面積全体の0.2〜18%の範囲内であり(単一穿孔面積としては0.05〜5mm程度)、なおかつ複数穿孔する場合に穿孔箇所の総面積が種被表面積全体の0.2〜20%の範囲内で実施することが望ましいと考えられる。
[試験例3:実施例14〜15、比較例4〜7]
硬実で不透水性を示す硬い種被を有し、発芽不良が生じ易いアサガオ種子およびエンサイ種子に対して、本発明によるレーザー光照射による発芽改善処理を行った。この際、アサガオ種子はタキイ種苗(株)の「紅ちどり」品種、エンサイはタキイ種苗(株)の「エンサイ」品種を用いた。
アサガオ種子へのレーザー照射は、スキャンスピードを500mm/s、レーザーパワ
ー60%とし、その他の条件は実施例1と同様にして、一粒一粒の種被に2箇所ずつのスポット照射を行い、直径約1mmの穿孔を2個施した発芽改善種子を得た。(実施例14)。
エンサイ種子へのレーザー照射は、スキャンスピードを800mm/s、レーザーパワー60%とし、その他の条件は実施例1と同様に設定して、一粒一粒の種被に1箇所ずつのスポット照射を行い、直径約1mmの穿孔を施した発芽改善種子を得た。(実施例15)。
また、アサガオ、エンサイそれぞれの同ロットの処理前の種子に対して、摩傷による発芽改善処理を行った。この際、慣行法に従い、円筒形シリンダー内壁にヤスリ部を有する市販のニンジン毛除機(Westrup社製)を利用して、それぞれの種被を摩傷した(比較例4、5)。
このようにして得られた発芽改善処理種子(実施例14、15、比較例4、5)と、それぞれ同ロットの処理前の種子(比較例6、7)とについて、発芽試験を行った結果を表4および表5に示した。発芽試験は、試験例1と同様の方法で行った。
Figure 0004343790
Figure 0004343790
[試験例4:実施例16〜17、比較例8〜9]
不透水性の硬い種被を有し、発芽不良が生じ易い3倍体スイカ種子に対して、本発明によるレーザー光照射による発芽改善処理を行った。この際、種子はタキイ種苗(株)の3倍体スイカ「T−173」品種を用いた。
種被へのレーザー光照射は、スキャンスピードを1000mm/s、レーザーパワー40%とし、一粒一粒の種被にレーザー光を照射し、種被層を貫通しない程度の直径約1mmの穿孔を3箇所ずつ施した発芽改善種子(実施例16)を得た。
また、実施例16の発芽改善種子に対して、特許第3205896号に記載された方法でプライミング処理を行った(実施例17)。より詳細には、粒径75〜500μm、保水率350重量%のシリカハイドロゲルと、レーザー処理した種子とを等重量で混ぜ合わせ、20℃の室内で5日間処理することにより、プライミング(水和処理)を行った。
このようにして得られた発芽改善種子(実施例16、実施例17)と、同ロットの処理前種子にプライミング処理のみを加えた種子(比較例8)、及び同ロットの処理前の種子(比較例9)について、発芽試験を行った結果を表6に示した。発芽試験は、試験例1と同様の方法で行った。
Figure 0004343790
本発明により処理した実施例16の種子は、無処理の比較例9と比較して、発芽が顕著に促進されていることが確認できた。
また実施例17と比較例8及び比較例9とを観ると、プライミングのみでも発芽改善効果はあるものの、本発明の処理を先に施すことによって、プライミング処理による発芽改善効果を更に増大できることが判る。
[試験例5:実施例18〜19、比較例10〜11]
硬実で不透水性を示す硬い種被を有し、発芽不良が生じ易いヘチマ種子に対して、本発明によるレーザー光照射による発芽改善処理を行った。この際、種子はタキイ種苗(株)の「太ヘちま」品種を用いた。種被へのレーザー光の照射は、スキャンスピードを1200mm/s、レーザーパワー30%に設定して、一粒一粒の種被にレーザー光を照射し、直径約0.5mmの穿孔を2箇所ずつ施した発芽改善種子(実施例18)を得た。
また、このようにして得られた発芽改善種子に対して、特開平11―146707号に記載された方法でフィルムコーティングを行った(実施例19)。より詳細には、平均粒径0.25μmの酸化チタン30重量部と、メチルセルロース(2%水溶液粘度25cp)1重量部と、水69重量部と、水性顔料5重量部とからなるコーティング材を調製し、側面通気型コーティングパンを用いて、レーザー処理後の種子に対して上記コーティング材をスプレーで種子重量に対して7重量%、常法によりコーティング処理した。
また、同ロットの処理前の種子に対して、手作業により一粒ずつ爪切りを使って注意深く、幼根が最初に出現してくるHilum部の種被を切除して、発芽改善種子を得た(比較例10)。この際、200粒を処理するのにレーザー処理では実質1〜2分で完了したのに対し、手作業でのHilum部切除は1時間超を要した。
このようにして得られた発芽改善種子(実施例18〜19)と、手作業によって調製した比較例10の種子、及び同ロットの処理前の種子(比較例11)とについて、発芽試験を行った結果を表7に示した。発芽試験は、試験例1と同様の方法で行った。
Figure 0004343790
本発明により処理した実施例18の種子は、無処理の比較例11と比較して発芽が改善されており、1時間を要して手作業により注意深く種被のHilum部を切除した比較例10と比較しても、同等の発芽改善効果が得られており、またフィルムコーティングを施した実施例19を観ても、その効果に何ら変わりがないことが確認できた。
本発明は、農園芸、緑化および山林用などの硬実種子に対して、その発芽を改善するために効果的に利用することができる。

Claims (5)

  1. 硬実種子に対して種子胚をとりまく構造物である種被の一部にレーザー光を照射して、該種被に1箇所以上の穿孔を施すことを特徴とする硬実種子の発芽改善方法。
  2. 請求項1記載の発芽改善方法において、1箇所の穿孔面積が種被表面積全体の0.2%〜18%の範囲で、1箇所以上の穿孔を施すことを特徴とする硬実種子の発芽改善方法。
  3. 請求項1又は2記載の発芽改善方法において、穿孔箇所の総面積が種被表面積全体の0.2%〜20%の範囲で、前記穿孔を施すことを特徴とする硬実種子の発芽改善方法。
  4. 前記レーザー光の照射後の種子に、プライミング処理、催芽処理、被覆造粒、フィルムコーティング、シードテープ加工、及び播種シート加工のうち少なくとも1つを施すことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の硬実種子の発芽改善方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかの方法により得られた発芽改善種子。

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