JP4343473B2 - 血漿蛋白質に結合親和性を有する薬剤の投与方法並びに当該投与方法に用いられる製剤 - Google Patents

血漿蛋白質に結合親和性を有する薬剤の投与方法並びに当該投与方法に用いられる製剤 Download PDF

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Description

技術分野
本発明は,血漿蛋白質に結合親和性を有する薬剤の有効成分量を制御する薬剤の投与方法並びに血漿蛋白質に結合親和性を有する薬剤の有効成分量を制御する製剤に関する.
背景技術
一般に治療,診断等を目的として投与される薬剤は一度全身血液循環を経由して吸収,分布,代謝,排泄等の過程を経る.吸収,分布の過程において,薬剤は血液の流れに乗って移動するが,血管内,組織間隙,細胞内のそれぞれのスペースの間の移行は,蛋白質等と結合していない状態の遊離型薬剤の拡散,輸送によって起こり標的作用部位に到達する.移行が定常状態に達すると遊離型薬剤の濃度は各スペース間で均一となり,全体の濃度パターンは蛋白質等との結合の大小によって定まる.このように生体の中で薬剤は,その特性に応じて一部血漿蛋白質等の生体高分子と可逆的に結合して存在している.一般に毛細血管壁あるいは細胞膜等を透過できるものは非結合型の薬剤であるので,有効成分として作用し得るのは血漿蛋白質等と結合していない遊離型の薬剤であり,その作用部位への移行は,血漿蛋白質等との結合によって大きく影響を受ける.
例えば,99m−テクネチウム標識メルカプトアセチルグリシルグリシルグリシン(99mTc−MAG)は,腎臓シンチグラフィーに広く用いられており,特にその尿細管分泌および腎抽出によって効果的な腎血漿の流れを示すことができる.診断剤の濃度において99mTc−MAGは約90%が血漿蛋白質に結合していることが知られており(Bubeck B.et al.,J.Nucl.Med.,31,1285−1295,1993),もし99mTc−MAGと同じ蛋白質結合部位に高い結合親和性を有する薬剤によって,99mTc−MAGの血漿蛋白質結合が抑制されるとするならば,投与後,より早期から明瞭な腎臓のイメージを得ることができ,同時に患者に対する放射能の投与量を減少させることができると思われる.
逆に,薬剤の血漿蛋白質結合を上昇させれば,血中の遊離型の薬剤濃度を長時間にわたり低めに維持することができ,持続的な薬効発現を達成することも可能と思われる.
しかし,血漿蛋白質に対する第二の薬剤の結合親和性を利用して,診断ないし治療効果を担う薬剤の遊離型濃度を制御して治療効果あるいは診断効果を高めようとする研究は殆ど行われていないのが現状である.
発明の開示
本発明は,上記問題点に鑑み血漿蛋白質に対する薬剤の結合を制御することによる薬剤の適切な投与方法を提供すると同時に血漿蛋白質に対する薬剤の結合を制御可能な製剤を提供することを目的とする.本発明により,血漿蛋白質への薬剤の結合制御に基づく適切な薬剤の投与が可能になると同時にそのような投与方法を可能とする製剤の提供が可能となった.
本発明は,血漿蛋白質と結合親和性を有する第一の薬剤の投与に際して,当該薬剤と共通の血漿蛋白質に結合親和性を有する第二の薬剤を第一の薬剤の投与と同時またはその前後に投与し,第一の薬剤の血漿蛋白質への結合を制御することを特徴とする血漿蛋白質に結合親和性を有する薬剤の投与方法である.
特に第一の薬剤の血漿蛋白質結合を抑制する場合には,第一の薬剤および第二の薬剤は共通する血漿蛋白質の結合部位に結合親和性を有することが好ましい.また,第二の薬剤の投与時期は,第一の薬剤の投与の前後または同時のいずれでもよく,第一の薬剤の適切な効果が得られる遊離濃度が得られる時期に応じて適宜選ばれる.さらに,第二の薬剤はひとつの薬剤であってもよいし,相乗効果が期待されるような場合には複数の薬剤を併用してもよい.
同時投与でよい場合には,第一の薬剤および第二の薬剤からなる製剤として供給することも可能である.また,第一の薬剤及び第二の薬剤を別容器に充填、製剤化したキット剤として供給することも可能である.このような別容器のキット剤とした場合には,用時混合による同時投与も可能であることはもちろん,第一の薬剤と第二の薬剤を別時期または別投与経路で投与することも可能となる.さらに,第一の薬剤及び第二の薬剤は両者ともまたはどちらか一方が既存の医薬品であってもよい.
第一の薬剤が体内用放射性診断薬または体内用放射性治療薬である場合,その放射性核種は,11−炭素(11C),15−酸素(15O),18−フッ素(18F),32−リン(32P),59−鉄(59Fe),67−銅(67Cu),67−ガリウム(67Ga),81m−クリプトン(81mKr),81−ルビジウム(81Rb),89−ストロンチム(89Sr),90−イットリウム(90Y),99m−テクネチウム(99mTc),111−インジウム(111In),123−ヨード(123I),125−ヨード(125I),131−ヨード(131I),133−キセノン(133Xe),117m−スズ(117mSn),153−サマリウム(153Sm),186−レニウム(186Re),188−レニウム(188Re),201−タリウム(201Tl),212−ビスマス(212Bi),213−ビスマス(213Bi)および211−アスタチン(211At)等から選ばれる.
この場合に,上記放射性核種によって標識される第一の薬剤のキレート基または受容体リガンド等の化合物としては,例えばビスアミノチオールまたはその誘導体,モノアミノモノアミドビスチオールまたはその誘導体,ビスアミドビスチオールまたはその誘導体,メルカプトアセチルグリシルグリシルグリシンまたはその誘導体,ヘキサメチルプロピレンアミンオキシムまたはその誘導体,エチレンビス[ビス(2−エトキシエチル)ホスフィン](テトロホスミン)またはその誘導体,2,3−ジメルカプトコハク酸またはその誘導体,エチレンシステインダイマー誘導体,メトキシイソブチルイソニトリル誘導体,ポリアミン誘導体,ピリドキシリデンアミネート誘導体,メチレンジホスホネート,ヒドロキシメチレンジホスホネート誘導体,β−メチル−ω−フェニルペンタデカン酸またはその誘導体,N−イソプロピルアンフェタミン,ヒプル酸,ベンジルグアニジン,トロパン誘導体等から選ばれる.
第二の薬剤は,例えばブコローム,セファゾリン,エトポシド,フェニルブタゾン,アスピリン,サリチル酸,セフトリアキソン,スルファメチゾール,バルプロ酸,ナブメトン,6−メトキシ−2−ナフチル酢酸,イブプロフェン,プロベネシド,ダンシル−L−アスパラギン,ベラパミルまたはジソピラミド等から選ばれる.
発明を実施するための形態
血漿蛋白質と結合親和性を有する第一の薬剤の投与と同時或いはその前後に,共通の血漿蛋白質に高い結合親和性を有する第二の薬剤を投与すると,結合部位において競合的置換が生じ,第一の薬剤のより高い遊離濃度を生じる(置換効果)と考えられ,第一の薬剤を単独で投与するよりは高い薬剤活性を得ることが期待できる.逆に第二の薬剤の作用により第一の薬剤の血漿蛋白質結合が高まる場合(遊離濃度低減効果)には,血中の第一の薬剤の遊離濃度が長時間にわたり低めに維持されることによる持続的な薬効発現を達成することも期待できる.
本発明において,かかる血漿蛋白質と結合親和性を有する第一の薬剤は,投与の目的に沿った薬剤であれば治療薬または診断薬のいずれでもよい.第二の薬剤は,治療あるいは診断目的とは関係なく,先述の置換効果を得るためには第一の薬剤と同じ血漿蛋白質への競合的結合親和性を有し,第一の薬剤の血漿蛋白質への結合を阻害し第一の薬剤の遊離量を増大させるもの,第一の薬剤と血漿蛋白質への結合部位が共通し,かつより結合親和性の高いものから選ぶのが好ましい.
逆に遊離濃度低減効果を得るためには,第二の薬剤が血漿蛋白質に結合することにより第一の薬剤の血漿蛋白質結合率が上昇するような薬剤から,その効果の高いものを選ぶことにより目的を達成できる.遊離濃度低減効果の本態を解明した研究は見あたらないが,例えば,酵素のアロステリック効果に類似した機構により,このような効果が発現する可能性が考えられ,驚くべきことに,本発明における実施例8に示したような薬剤の組合せにより血漿蛋白質結合率が上昇することが見出された.
剤型に関しては,第一の薬剤および第二の薬剤が配合により分解する等の変化がない場合でかつ両者を同時投与してよい場合には,第一の薬剤および第二の薬剤を混合した製剤として供給することも可能である.混合した製剤には,pH調節剤,浸透圧調節のための無機塩類,各々の成分を安定化するための安定化剤等の医療用の使用が許される成分を添加することもできる.また,混合した製剤は構成成分,保存性等を考慮して液剤,凍結乾燥製剤等適切な剤型に加工することもできる.さらに,第一の薬剤及び第二の薬剤を別容器に充填、製剤化したキット剤として供給することも可能である.混合した製剤同様,各々の薬剤には安定化剤等の医療用に使用が許される成分を添加することもできるし,各々の薬剤の投与法,安定性等を考慮して液剤または凍結乾燥剤等最適な製剤に加工してよい.成分をこのような別容器のキット剤とした場合には,第一の薬剤と第二の薬剤を別々に投与することも可能であるし,用時混合により同時投与も可能となる.特に,第一の薬剤と第二の薬剤を混合すると長期保存時に分解する等の変化が予測される場合,別投与経路を選択する必要がある場合,投与時期をずらす必要がある場合には別容器に充填,製剤化したキット剤が有用である.
一般に薬剤が結合する血漿蛋白質としてはヒト血清アルブミン(HSA),α−酸性糖蛋白質(AGP),γ−グロブリン,リポ蛋白質等があるが,HSAまたはAGPに結合するものが多い.第二の薬剤の選択は,例えば第一の薬剤がHSAに主として結合親和性を有するときは,HSAに結合親和性を有する酸性薬物から選ぶのが好ましく,第一の薬剤がAGPに結合親和性を有するものであれば,AGPに結合する塩基性の薬物から選ぶのが好ましい.また,第一の薬剤が複数の血漿蛋白質に結合親和性を有する場合や単一の蛋白質中の異なる結合サイトに結合親和性を有する場合などには複数の薬物の併用が有効であることがある.さらに,薬剤の選択に当たって,前記血漿蛋白質への結合親和性以外の,その薬剤の本来の薬理作用が臨床的に許容される範囲であること,常用量の範囲が広く,服用後の血中濃度が高く維持できること等が考慮される.
第二の薬剤の投与時期は,第一の薬剤の投与と同時またはその前後のいずれでもよく,第一の薬剤の投与目的に合致した効果を及ぼすように適宜選ばれる.薬剤の投与経路は,静脈内,動脈内,皮下,リンパ管,経口等のいずれかが適宜選ばれる.
具体的には,HSAの結合部位としてサイトI,サイトIIおよびサイトIIIがある.サイトIに結合特異性を有する第二の薬剤として,ブコローム(5−n−ブチル−1−シクロヘキシル−2,4,6−トリオキソパーヒドロピリミジン),セファゾリン(7−[1−(H)−テトラゾリルアセトアミド]−3−[2−(5−メチル−1,3,4−チアゾリル)チオメチル]−3−セフェム−4−カルボキシラート),フェニルブタゾン(1,2−ジフェニル−3,5−ジオキソ−4−n−ブチルピラゾリジン),バルプロ酸(2−プロピルペンタン酸ナトリウム),アスピリン(2−アセトキシ安息香酸),サリチル酸(O−ヒドロキシ安息香酸),セフトリアキソン((6R,7R)−7−[2−アミノ−4−チアゾイル]−2−メトキシイミノアセトアミド)−3−(2,5−ジヒドロ−2−メチル−6−オキシド−5−オキソ−1,2,4−トリアジン−3−イルチオメチル)−8−オキソ−5−チア−1−アゾビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン−2−カルボン酸ジナトリウム),スルファメチゾール(N−(5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)スルファニルアミド),カンレノン酸(17−ヒドロキシ−3−オキソ−17α−プレグナ−4,6−ジエン−21−カルボキシラート),ダンシル−L−アスパラギン等,サイトIIに結合特異性を有するものとしてイブプロフェン(2−(4−イソブチルフェニル)プロピオン酸),ナブメトン(4−(6−メトキシ−2−ナフチル)2−ブタノン;ナブメトンの代謝物である6−メトキシ−2−ナフチル酢酸がサイトII結合特異性を示す),プロペネシド(4−(N,N−ジプロピルスルファモイル)安息香酸)等が挙げられる.また,HSA上の結合部位は同定されていないが,エトポシド((5S,5aR,8aR,9S)−9−[(4,6−0−(R)−エチリデン−β−D−グルコピラノシル)オキシ]−5,8,8a,9−テトラヒドロ−5−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシフェニル)−イソベンゾフロ[5,6−f][1,3]ベンゾジオキソール−6(5aH)−オン)もHSAに結合特異性を有する.AGPに結合特異性を有する第二の薬剤としては,ジソピラミド(α−(2−ジイソプロピルアミノエチル)−α−フェニル−2−ピリジンアセトアミド),ベラパミル(α−[3−[[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]−メチルアミノ]プロピル]−3,4−ジメトキシ−α−(1−メチルエチル)ベンゼンアセトニトリル),プロプラノロール(1−イソプロピルアミノ−3−(1−ナフチルオキシ)−2−プロパノール)等が挙げられる.
放射性核種で標識される,血漿蛋白質と結合親和性を有する体内用放射性治療薬または診断薬のキレート基あるいは受容体リガンド等の化合物としては,例えば,メルカプトアセチルグリシルグリシルグリシン(MAG)またはその誘導体,ヘキサメチルプロピレンアミンオキシム(HMPAO)またはその誘導体,エチレンビス[ビス(2−エトキシエチル)ホスフィン](テトロホスミン)またはその誘導体,2,3−ジメルカプトコハク酸(DMSA)またはその誘導体,N,N’−エチレン−L−システインジエチルエステル等のエチレンシステインダイマー(ECD)誘導体,メトキシイソブチルイソニトリル(MIBI)誘導体,ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)等のポリアミン誘導体,ピリドキシレンイソロイシン等のピリドキシリデンアミネート誘導体,その他のメチレンジホスホネート(MDP),ヒドロキシメチレンジホスホネート(HMDP)誘導体等の放射性金属と錯体を形成するキレート基等や,ヨウ素で標識された,β−メチル−p−ヨードフェニルペンタデカン酸(BMIPP),N−イソプロピル−p−ヨードアンフェタミン(IMP),ヨウ化ヒプル酸(OIH),3−ヨードベンジルグアニジン(MIBG),N−(3−フルオロプロピル)−2β−カルボメトキシ−3β−(4−ヨードフェニル)ノルトロパン(FP−CIT)やN−メチル−2β−カルボメトキシ−3β−(4−ヨードフェニル)ノルトロパン(CIT)などのトロパン誘導体等が例示される.放射性核種としては,11−炭素(11C),15−酸素(15O),18−フッ素(18F),32−リン(32P),59−鉄(59Fe),67−銅(67Cu),67−ガリウム(67Ga),81m−クリプトン(81mKr),81−ルビジウム(81Rb),89−ストロンチム(89Sr),90−イットリウム(90Y),99m−テクネチウム(99mTc),111−インジウム(111In),123−ヨード(123I),125−ヨード(125I),131−ヨード(131I),133−キセノン(133Xe),117m−スズ(117mSn),153−サマリウム(153Sm),186−レニウム(186Re),188−レニウム(188Re),201−タリウム(201Tl),212−ビスマス(212Bi),213−ビスマス(213Bi)および211−アスタチン(211At)等が例示され,診断用としては18−フッ素(18F),99m−テクネチウム(99mTc),67−ガリウム(67Ga),111−インジウム(111In),123−ヨード(123I),131−ヨード(131I)等が用いられることが多い.
MAGの99m−テクネチウム錯体(99mTc−MAG)は腎臓に集積性を有するため,腎および尿路疾患の診断を目的として広く用いられている体内用放射性医薬品である.99mTc−MAGは,血漿蛋白質に約90%が結合していることが知られている.そこで,血漿蛋白質として血球および血液凝固因子等を除いた血清を用いて,99mTc−MAGを第一の薬剤とし,数種類の血清蛋白質と結合親和性を有する薬剤を第二の薬剤として添加したインビトロ実験を行った.その結果,ブコローム,バルプロ酸,ワルファリン等を添加するとヒト血清アルブミン,ラット血清アルブミンいずれに対しても置換効果を示し,血清アルブミンに結合していない99mTc−MAGの遊離割合は増加しており,特にブコロームを用いた場合に,99mTc−MAGの遊離割合が増加した(表1).ブコロームを20mg/kg負荷した場合のラットの腎臓への99mTc−MAGの集積を示したのが図5,ラットを用いて99mTc−MAG投与10分前にブコローム100mg/kg投与し,99mTc−MAGを投与後10分後に体内分布を測定した結果が図6である.これらの結果は,ブコローム負荷を行うことによって遊離した99mTc−MAGが増加し,迅速な血液からのクリアランスおよび腎臓への集積が生じたことを示しているものである.
局所脳血流シンチグラフィ用の放射性医薬品であるN,N’−エチレン−L−システインジエチルエステルの99m−テクネチウム錯体(99mTc−ECD)についても人血清を用いたインビトロ実験においてHSAに結合特異性を有するエトポシド添加で置換効果が見られた(実施例4および表8).
また,有機化合物の一例として123−ヨード(123I)で標識したN−イソプロピル−p−ヨードアンフェタミン(123I−IMP)について置換効果を立証するインビトロ実験およびインビボ実験を行った.インビトロ実験ではHSAに結合特異性を有するワルファリンおよび6−メトキシ−2−ナフチル酢酸(6−MNA)並びにAGPに結合特異性を有するベラパミル添加で置換効果が見られ(実施例5および表9),第一の薬剤が有機化合物の場合でも置換効果が見られることが立証された.また,6−MNAとベラパミルを個別または同時に作用させた実験では置換効果に相乗作用が見られ,複数の第二の薬剤を併用することにより置換効果を強化可能なことが示された(実施例6および表10).
ラットを用いたインビボ実験ではコントロール群(ベラパミル無負荷)に対してベラパミル負荷群で血中の遊離123I−IMPの割合が高値を示し,それを反映してコントロール群に対してベラパミル負荷群で投与後10分において約2倍の脳集積が見られた(実施例7).なお,このインビボ実験では,123I−IMPとベラパミルの両者を含む薬液を事前に調製し(実施例7(1)),実験に供した.これは,第一の薬剤と第二の薬剤を混合した製剤を投与した場合でも,第一の薬剤と第二の薬剤を別々に投与した場合同様,遊離割合の制御が可能であり,かつそれが第一の薬剤の体内分布に反映され得ることを示している.
遊離濃度低減効果の例としては,放射性ヨウ素(I−125)で標識したN−(3−フルオロプロピル)−2β−カルボメトキシ−3β−(4−ヨードフェニル)ノルトロパン(125I−FP−CIT)と人血清を用いたインビトロ実験においてアルブミンのサイトIに特異的なダンシル−L−アスパラギン(DNSA)等の添加で遊離割合の低下(蛋白質結合率の上昇)が見られた(実施例8および表15).
実施例
以下本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが,本発明はこれらの実施例に限定されるものではない.
得られた物質の測定方法,試薬等は下記のものを使用した.
(1)限外濾過:東ソー製1.5ml用ULTRACENT−10を用いて濾過した.
(2)99mTcO ̄:99Mo/99mTcジェネレーター(メジテック;日本メジフィジックス製)を用い,生理食塩水溶液として溶出したものを用いた.
(3)試薬はすべて特級試薬を用いた.
(4)すべての実験動物は雄性ウイスター系ラット(200−250g)を用いた.実験動物は実験に先立ち,1週間12時間毎の明暗サイクル条件下で飼育した.その期間,餌および水は自由に摂取させた.
実施例1 血漿蛋白質結合99mTc−MAGの置換効果の検討
ヒト血清またはラット血清を用い,アルブミンの結合部位サイトIまたはサイトIIに特異的に結合性を有するサイト特異性薬剤として,サイトIにサイト特異性を有するブコローム,バルプロ酸,ワルファリン,セファゾリン,サイトIIに特異性を有するイブプロフェン,オクタン酸ナトリウム,オレイン酸ナトリウム等を用いた血清アルブミンに結合した99mTc−MAGの置換を以下の如く行った.正常ヒト血清のアルブミン値を予め測定し,ヒト血清アルブミン(HSA)濃度が500μMになるようにリン酸緩衝液(pH=7.4)で調製した.
次に,上記の調製血清にHSAのサイトIまたはサイトIIに特異的に結合性を有するサイト特異性薬剤を,メタノールまたは水で溶解して添加した.コントロール溶液としては,上記調製血清にメタノールまたは水のみを添加したものを用いた.次に,各サンプルに一定量の99mTc−MAG(約740kBq/20μl)を加え,それぞれのサンプルより一定量(20−50μl)を採取し限外濾過前のサンプルとした.限外濾過器に各サンプル0.9mlを入れて1500×g,10分間の条件で,限外濾過を行った.次いでそれぞれの濾液中より20−50μl採取し限外濾過後のサンプルとした.限外濾過前後のそれぞれのサンプルの放射能(cpm)を測定し,遊離割合(%)を下記の如く計算により求めた.
遊離割合(%)=限外濾過後の放射能(cpm)/限外濾過前の放射能(cpm)
ラット血清についても同様に,正常ラット血清のアルブミン(RSA)値を予め測定し,RSAが375μMになるようにリン酸緩衝液(pH=7.4)で調製してヒト血清と同様に実験に供した.結果を表1に,また,図1,図2にそのグラフを示す.
ヒト血清中では,コントロールの99mTc−MAG遊離割合(10.2%)に対して,ブコローム,バルプロ酸,ワルファリンおよびセファゾリン等のサイトI特異性薬剤は200μM及び400μMのいずれの試験濃度においても99mTc−MAGの遊離割合の有意な増加を示した.一方,イブプロフェン,オクタン酸やオレイン酸等のサイトII特異性薬剤では,遊離割合の変化は認められなかった,ラット血清中でも同様にサイトI特異性薬剤の存在下で遊離割合の増加が認められた.以上の結果より,99mTc−MAGは,サイトI特異性薬剤の添加によって,血中における遊離割合が増加することがわかった.尚,ワルファリン,オクタン酸,オレイン酸は臨床的には不適な薬剤と思われるが,サイト特異性薬剤の影響の確認のために用いた.
Figure 0004343473
実施例2 ブコローム負荷ラットにおける99mTc−MAGの体内分布の測定
99mTc−MAGの体内分布を,コントロール群およびブコローム負荷群について検討した.ウイスター系ラットに99mTc−MAG(740kBq/100μl)を尾静脈より投与し,一定時間(2,5,10,15分)後に断頭屠殺し,血液を採集すると共に各臓器を摘出し重量を秤量した後放射能を測定した.放射能の半減期を補正した後,各臓器への集積率(%投与量/臓器および%投与量/g組織)を求めた.
ブコローム負荷群は,99mTc−MAG投与5分前にブコロームを20mg/kg体重または100mg/kg体重となるように尾静脈より投与した.測定結果を表2,表3(以上コントロール群),表4,表5(以上ブコローム負荷20mg/kg)および表6(ブコローム負荷100mg/kg)に示す.
上記コントロール群及びブコローム負荷20mg/kg群において,屠殺時間点設定を2,5,10分とし,その他投与量設定等を同条件として投与と屠殺を行い,ラット1匹あたり血液を3−5mL採取した.採血管を用いて血清を分離し,以後実施例1記載の方法に従って遊離割合を求めた.各時間点毎のラット血中の遊離99mTc−MAGの割合を図4に示す.
99mTc−MAGをコントロールおよびブコローム存在下でそれぞれラットに投与したところ,ブコローム存在下では,血中からの放射能クリアランスが促進され(図3),また血液放射能中の99mTc−MAGの遊離割合が顕著に増大していた(図4).腎臓集積(%投与量/臓器)は,コントロール群では2分から5分にかけて増加し,その後徐々に消失したのに対し,ブコローム群では,投与直後(2分)に早くも最大値に達し,その後コントロール群よりも速やかに消失した(図5).図6に投与10分後のラット体内分布(%投与量/g組織)を示す.ブコローム負荷時には,目的臓器である腎臓からの消失が速やかであるため既に放射能がコントロール群に比してかなり消失し,血液その他の臓器からのクリアランスも速やかであることが示された.
Figure 0004343473
Figure 0004343473
Figure 0004343473
Figure 0004343473
Figure 0004343473
実施例3 ラットの99mTc−MAGレノグラフィーにおける置換効果の検討
ウィスター系ラット(400g)を用い,99mTc−MAGレノグラフィーにおける置換効果を検討した.装置は,Prism3000(picker)を用いた.
ラットの大腿静脈にカテーテルを挿入しておき,コントロールとして99mTc−MAG(11.1MBq)をカテーテルより静注し,レノグラフィーを撮影した.撮影は,10秒/scanで20分間行った.約2時間後排尿とバックグランド減少を確認した後,同一ラットを用い,ブコローム負荷を行った.ブコロームは,エタノールで溶解して20mg/kgとなるように調整し,マイクロインジェクターを用いて10分間で静注した.ブコロームの静注が終了した後約5分後に99mTc−MAGをカテーテルより静注し,レノグラフィーを撮影した.撮影は同様に10秒/scanで20分間行った.腎臓の機能解析に用いられるレノグラム表示(腎臓の時間−放射能曲線)を図7に示す.コントロール群では,99mTc−MAG投与後初期の放射能曲線のたちあがりが緩やかで,ピーク時間が240秒であるのに対し,ブコローム群では急速にたちあがり,ピーク時間は半分の120秒であった.腎機能はこのレノグラムにおけるピーク時間や直線回帰時の直線の傾きによって解析される.このように99mTc−MAGの血漿蛋白質結合を抑制することにより,レノグラムは理想的なシンプルな曲線で近似できるようになり,解析が容易になり,またピーク時間の短縮により,解析時間も短縮できることが示された.
Figure 0004343473
実施例4 血漿蛋白質結合99mTc−ECDの置換効果の検討
ヒト血清並びにHSAの結合部位サイトIに特異的なブコローム,バルプロ酸,ワルファリン,セファゾリン,サイトIIに特異的なイブプロフェン,オクタン酸ナトリウム並びに結合部位は同定されていないがHSAに結合特異性を有するエトポシドを用い,実施例1と同様の方法で置換効果を検討した.結果を表8に示す.
ヒト血清中でコントロールの99mTc−ECD遊離割合(26.03%)に対して,エトポシドは200μM及び400μMのいずれの試験濃度においても99mTc−ECDの遊離割合を顕著に増加させた.ブコローム,バルプロ酸,ワルファリンでも遊離割合の増加傾向が見られたがエトポシドほど顕著ではなかった,サイトIIに特異的なイブプロフェン,オクタン酸では遊離割合の明確な増加は見られなかった.
Figure 0004343473
実施例5 血漿蛋白質結合123I−IMPの置換効果の検討1:単独薬剤での検討
ヒト血清並びに第二の薬剤としてHSAの結合部位サイトIに特異的なブコローム,ワルファリン,サイトIIに特異的なイブプロフェン,オクタン酸ナトリウム,6−メトキシ−2−ナフチル酢酸(6−MNA),AGPに特異的なベラパミルを用い,実施例1と同様の方法で置換効果を検討した.ただし,第二の薬剤(ブコロームなど)の試験濃度は400μMのみとし,123I−IMPの添加量は約220kBq/20μlとした.結果を表9に示す.
ヒト血清中でコントロールの123I−IMP遊離割合(29.29%)に対して,AGPに特異的なベラパミルは123I−IMPの遊離割合を顕著に増加させた.また,アルブミンに特異的なワルファリンと6−MNAでも遊離割合の増加が見られた.これらのことから,123I−IMPはアルブミン及びAGPの両者に結合サイトを持つことが示唆され,それぞれの蛋白上の結合部位に特異的な薬剤で遊離の割合を増加させ得ることが明らかになった.
Figure 0004343473
実施例6 血漿蛋白質結合123I−IMPの置換効果の検討2:相乗効果の検討
ヒト血清並びに第二の薬剤としてHSAの結合部位サイトIIに特異的な6−MNA,AGPに特異的なベラパミルを用い,実施例5と同様,第二の薬剤の試験濃度を400μM,123I−IMPの添加量を約220kBq/20μlとして置換効果を検討した.この時,6−MNAとベラパミルを別個に作用させる群と両者を同時に作用させる群を設定し相乗効果の有無を調べた.両者を同時に作用させる場合も各々の試験濃度は400μMとなるようにした.結果を表10に示す.
ヒト血清中で6−MNAとベラパミルを同時に作用させた場合の123I−IMP遊離割合は,6−MNAまたはベラパミルを単独で作用させた場合の寄与分の和を上回った.このことから,複数の第二の薬剤を併用することにより相乗効果が得られることが示された.
Figure 0004343473
実施例7 ベラパミル負荷ラットにおける123I−IMPの体内動態
(1) 123 I−IMP・ベラパミル混合薬液の調製
Vasolan注射液(ベラパミル5mg/2ml,エーザイ)2mlにベラパミル原末35mgを溶解し,これに123I−IMP注射液(111MBq/ml,日本メジフィジックス)34μlを加え,よく混和した.
(2)ラットにおける体内分布
コントロール群ラットには生理食塩液で希釈した123I−IMP注射液(185kBq/300μl)を尾静脈より投与し,一定時間(2,5,10,30,60分)後に断頭屠殺した.血液を採取し,同時に各臓器を摘出し重量を測定した.その後,血液及び各臓器の放射能を測定した.放射能の半減期を補正し,各臓器の集積率(%投与量/g組織)を求めた.ベラパミル負荷群ラットには123I−IMP・ベラパミル混合薬液100μlを尾静脈より投与し(ベラパミルとして約10mg/kg負荷),以後コントロール群と同様に処置した.体内分布の結果を表11(コントロール群),表12(ベラパミル負荷群),表13(投与後10分点での両群比較)に示す.
(3)ラット体内における血漿蛋白質結合 123 I−IMPの置換効果の検討
上記同様の群設定,屠殺時間点設定,投与量設定で投与と屠殺を行い,ラット1匹あたり血液を3−5mL採取した.採血管を用いて血清を分離し,以後実施例1記載の方法に従って遊離割合を求めた.各時間点毎のラット血中の遊離123I−IMPの割合を表14に示す.
表14に示したとおり,血中の遊離123I−IMPの割合はベラパミル負荷により増大していることが明らかである.また,表11から表13に示したとおり,ベラパミル負荷による血中遊離123I−IMP割合の増加に対応して,ベラパミル負荷群においては123I−IMPの標的臓器である脳への取り込みが投与後速やかに増大し,投与後10分でコントロール群の約2倍に達した.これは,第一の薬剤と第二の薬剤を混合した製剤を投与した場合(第一及び第二の薬剤の同時投与)でも,第二の薬剤負荷による遊離割合の制御が可能であり,かつそれが第一の薬剤の体内分布に反映され得ることを示している.
Figure 0004343473
Figure 0004343473
Figure 0004343473
Figure 0004343473
実施例8 125I−FP−CITの遊離割合制御の検討
ヒト血清並びに第二の薬剤としてHSAの結合部位サイトIに特異的なブコローム,フェニルブタゾン,ワルファリン,ダンシル−L−アスパラギン(DNSA),サイトIIに特異的なイブプロフェン,6−MNAを用い実施例5と同様の方法で実験を行った.第二の薬剤(ブコローム等)の試験濃度は400μMのみとし,125I−FP−CITの添加量は約74kBq/20μlとした.結果を表15に示す.
ヒト血清中でコントロールの125I−FP−CIT遊離割合(17.26%)に対して,DNSAは125I−FP−CITの遊離割合を顕著に減少させた.また,フェニルブタゾンとイブプロフェンでも遊離割合の減少が見られた.これらのことから,血漿蛋白質に結合親和性を有する第二の薬剤により第一の薬剤の遊離割合を減少させ得ることが示された.
Figure 0004343473

【図面の簡単な説明】
図1は、ヒト血漿蛋白質結合99mTc−MAGの置換による遊離割合を示す図である.
図2は、ラット血漿蛋白質結合99mTc−MAGの置換による遊離割合を示す図である.
図3は、ラットの血中99mTc−MAGのクリアランスを示す図である.
図4は、ラットの血中99mTc−MAGの遊離割合を示す図である.
図5は、ラットの腎臓への99mTc−MAGの集積を示す図である.
図6は、ラットの99mTc−MAG体内分布に対するブコローム負荷の影響を示す図である.
図7は、ラットの99mTc−MAGレノグラムを示す図である.

Claims (10)

  1. 血漿蛋白質と結合親和性を有する第一の薬剤の投与と同時またはその前後に投与することにより該第一の薬剤の血漿蛋白質への結合を制御するための、第一の薬剤と共通の血漿蛋白質に結合親和性を有する、単一又は複数の第二の薬剤を含む、医薬製剤であって、
    前記第一の薬剤が、メルカプトアセチルグリシルグリシルグリシン(MAG)の放射性標識体である場合、前記第二の薬剤は、ブコローム又はバルプロ酸であり、
    前記第一の薬剤が、エチレンシステインダイマー(ECD)の放射性標識体である場合、前記第二の薬剤は、ブコローム、バルプロ酸、及びエトポシドから選択され、
    前記第一の薬剤が、N-イソプロピル-p-ヨードアンフェタミン(IMP)の放射性標識体である場合、前記第二の薬剤は、べラパミル及び/又は6−メトキシ−2−ナフチル酢酸であり、
    前記第一の薬剤が、N-(3-フルオロプロピル)-2β-カルボメトキシ-3β-(4-ヨードフェニル)ノルトロパン(FP-CIT)の放射性標識体又はN-メチル-2β-カルボメトキシ-3β-(4-ヨードフェニル)ノルトロパン(CIT)の放射性標識体である場合、前記第二の薬剤は、ダンシル−L−アスパラギン、フェニルブタゾン及びイブプロフェンから選択されることを特徴とする、医薬製剤。
  2. 前記第一の薬剤が、メルカプトアセチルグリシルグリシルグリシン(MAG)の放射性標識体である場合、前記第二の薬剤が、ブコローム又はバルプロ酸であり、
    前記第一の薬剤が、エチレンシステインダイマー(ECD)の放射性標識体である場合、前記第二の薬剤が、ブコローム、バルプロ酸、及びエトポシドから選択され、
    前記第一の薬剤が、N-イソプロピル-p-ヨードアンフェタミン(IMP)の放射性標識体である場合、前記第二の薬剤が、べラパミル及び/又は6−メトキシ−2−ナフチル酢酸である、前記第一の薬剤の遊離血液濃度を増加させるための、請求項1に記載の医薬製剤。
  3. 前記第一の薬剤が、N-(3-フルオロプロピル)-2β-カルボメトキシ-3β-(4-ヨードフェニル)ノルトロパン(FP-CIT)の放射性標識体又はN-メチル-2β-カルボメトキシ-3β-(4-ヨードフェニル)ノルトロパン(CIT)の放射性標識体である場合、前記第二の薬剤が、ダンシル−L−アスパラギン、フェニルブタゾン及びイブプロフェンから選択される、
    前記第一の薬剤の遊離血液濃度を減少させるための、請求項1に記載の医薬製剤。
  4. 前記第一の薬剤が、N-イソプロピル-p-ヨードアンフェタミン(IMP)の放射性標識体であり、前記第二の薬剤が、べラパミル及び6−メトキシ−2−ナフチル酢酸である、請求項1又は2に記載の医薬製剤。
  5. 血漿蛋白質と結合親和性を有する第一の薬剤と、該第一の薬剤と共通の血漿蛋白質に結合親和性を有し、該第一の薬剤の投与と同時またはその前後に投与することにより該第一の薬剤の血漿蛋白質への結合を制御するための、単一又は複数の第二の薬剤とを組み合わせた、医薬製剤であって、
    前記第一の薬剤が、メルカプトアセチルグリシルグリシルグリシン(MAG)の放射性標識体である場合、前記第二の薬剤が、ブコローム又はバルプロ酸であり、
    前記第一の薬剤が、エチレンシステインダイマー(ECD)の放射性標識体である場合、前記第二の薬剤が、ブコローム、バルプロ酸、及びエトポシドから選択され、
    前記第一の薬剤が、N-イソプロピル-p-ヨードアンフェタミン(IMP)の放射性標識体である場合、前記第二の薬剤が、べラパミル及び/又は6−メトキシ−2−ナフチル酢酸であり、
    前記第一の薬剤が、N-(3-フルオロプロピル)-2β-カルボメトキシ-3β-(4-ヨードフェニル)ノルトロパン(FP-CIT)の放射性標識体又はN-メチル-2β-カルボメトキシ-3β-(4-ヨードフェニル)ノルトロパン(CIT)の放射性標識体である場合、前記第二の薬剤が、ダンシル−L−アスパラギン、フェニルブタゾン及びイブプロフェンから選択されることを特徴とする、医薬製剤。
  6. 前記メルカプトアセチルグリシルグリシルグリシン(MAG)の放射性標識体又はエチレンシステインダイマー(ECD)の放射性標識体は、99m-テクネチウム(99mTc),186-レニウム(186Re),又は188-レニウム(188Re)で標識され、前記N-イソプロピル-p-ヨードアンフェタミン(IMP)の放射性標識体、N-(3-フルオロプロピル)-2β-カルボメトキシ-3β-(4-ヨードフェニル)ノルトロパン(FP-CIT)の放射性標識体又はN-メチル-2β-カルボメトキシ-3β-(4-ヨードフェニル)ノルトロパン(CIT)の放射性標識体は、123-ヨード(123I),125-ヨード(125I)又は131-ヨード(131I)で標識されている、請求項に記載の医薬製剤。
  7. 前記第一の薬剤が、N-イソプロピル-p-ヨードアンフェタミン(IMP)の放射性標識体であり、前記第二の薬剤が、べラパミル及び6−メトキシ−2−ナフチル酢酸を含む、請求項又はに記載の医薬製剤。
  8. 血漿蛋白質と結合親和性を有する第一の薬剤と、該第一の薬剤と共通の血漿蛋白質に結合親和性を有し、該第一の薬剤の投与と同時またはその前後に投与することにより該第一の薬剤の血漿蛋白質への結合を制御するための、単一又は複数の第二の薬剤とを別容器に充填、製剤化したキットであって、
    前記第一の薬剤が、メルカプトアセチルグリシルグリシルグリシン(MAG)の放射性標識体である場合、前記第二の薬剤が、ブコローム又はバルプロ酸であり、
    前記第一の薬剤が、エチレンシステインダイマー(ECD)の放射性標識体である場合、前記第二の薬剤が、ブコローム、バルプロ酸、及びエトポシドから選択され、
    前記第一の薬剤が、N-イソプロピル-p-ヨードアンフェタミン(IMP)の放射性標識体である場合、前記第二の薬剤が、べラパミル及び/又は6−メトキシ−2−ナフチル酢酸であり、
    前記第一の薬剤が、N-(3-フルオロプロピル)-2β-カルボメトキシ-3β-(4-ヨードフェニル)ノルトロパン(FP-CIT)の放射性標識体又はN-メチル-2β-カルボメトキシ-3β-(4-ヨードフェニル)ノルトロパン(CIT)の放射性標識体である場合、前記第二の薬剤が、ダンシル−L−アスパラギン、フェニルブタゾン及びイブプロフェンから選択されることを特徴とする、キット。
  9. 前記メルカプトアセチルグリシルグリシルグリシン(MAG)の放射性標識体、又はエチレンシステインダイマー(ECD)放射性標識体が、99m-テクネチウム(99mTc),186-レニウム(186Re),又は188-レニウム(188Re)で標識され、前記N-イソプロピル-p-ヨードアンフェタミン(IMP)の放射性標識体、N-(3-フルオロプロピル)-2β-カルボメトキシ-3β-(4-ヨードフェニル)ノルトロパン(FP-CIT)の放射性標識体又はN-メチル-2β-カルボメトキシ-3β-(4-ヨードフェニル)ノルトロパン(CIT)の放射性標識体が、123-ヨード(123I),125-ヨード(125I)又は131-ヨード(131I)で標識されている、請求項記載のキット。
  10. 前記第一の薬剤が、N-イソプロピル-p-ヨードアンフェタミン(IMP)の放射性標識体であり、前記第二の薬剤が、べラパミル及び6−メトキシ−2−ナフチル酢酸を含む、請求項又はに記載のキット。
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