JP4343362B2 - 放電灯用イグナイタ回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両の前照灯に使用される放電灯を起動するため高電圧を発生するイグナイタ回路の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車の前照灯として、メタルハライドランプ等の放電灯が使用されている。 このような放電灯は、高電圧のパルスを印加する必要があるため、かならず高電圧パルス発生回路(以下、イグナイタ回路と言う)が用いられている。
【0003】
図7は例えば特開平7−94289号公報に示されたものと類似の従来のイグナイタ回路の構成を示す。図において、1は車両の前照灯などとして使用されている放電灯(この明細書中ではLaとも言う)、50は直流電圧を供給するバッテリ、4はバッテリ50の直流電圧を350乃至400Vの高電圧に昇圧する昇圧回路、3は昇圧回路4から供給される直流電圧をパルス電圧に変換するインバータ回路、2はインバータ回路3から供給されるパルス電圧をもとに放電灯1を起動するための高電圧(10数KV)を発生するイグナイタ回路である。
【0004】
昇圧回路4とインバータ回路3は交流電圧を発生する電源として、その構成と動作は一般に知られたものであり、又、本願発明に直接的関係が薄いので、その動作説明を省略する。イグナイタ回路2の構成と動作について、図8に従来の基本的な構成を示す。図において11は、このイグナイタ回路の入力端子a、b間に並列に接続された第1の直列接続回路であり、第1の抵抗R1と、第1のコンデンサC1とで構成されている。5はパルストランス(本明細書の中ではPTとも言う)であり、数ターン程度の1次巻線と数100ターンの2次巻線(1次巻線は2次巻線の中間タップのものもある)を有し、2次巻線は放電灯1と直列接続されて、端子a、b間に接続されている。定電圧スイッチング素子S1とPT5の1次巻線とが直列接続されたものが、第1のコンデンサC1に並列に接続されている。定電圧スイッチング素子S1は所定の電圧が印加されるまでは不導通で、所定以上の電圧が印加されると導通する素子である。
【0005】
図8の回路の動作について図9の波形説明図により説明する。インバータ回路3からは、図9(a)に示すように極性がプラスV1〜マイナスV1に反転するパルス電圧がイグナイタ回路2の端子a、b間に供給される。
【0006】
電源から電圧が端子a−b間に印加されると、第1のコンデンサC1の両端電圧は、図9(b)に示すように、時定数R1C1で変化するが(パルストランス5の1次巻線側から見たインピーダンスは極めて小さいので時定数には影響が小さい)、この電圧は同時に定電圧スイッチング素子S1の両端にもかかるので、やがて定電圧スイッチング素子S1のブレークオーバ電圧に達して、定電圧スイッチング素子S1がオンする。
【0007】
このとき、第1のコンデンサC1の両端電圧がPT5の1次巻線に印加され(図9(c)のVpT)、PT5の2次巻線にはステップアップされた高電圧パルスが発生し、放電灯1にこの高電圧が印加される。PT5の1次巻線のインピーダンスは低いので、第1のコンデンサC1の電荷は急激に失われ、定電圧スイッチング素子S1に流れる電流も急激に減少し、やがてオフとなる。オフにならなかった場合でも、少なくとも電源のパルス電圧の極性が反転した時点で定電圧スイッチS1はオフする。
【0008】
第1の直列接続回路11と定電圧スイッチング素子S1とからなる回路によって1段のコンデンサ充・放電回路が構成されている。
【0009】
定電圧スイッチング素子S1には、そのブレークオーバ電圧があまり高いものは得られず、また、放電灯1が必要とする高電圧は大変高い電圧なので、いきおいパルストランス5の1次/2次巻数比によるステップアップで高電圧を得る必要がある。しかし、1次コイルの巻数が数ターンと、限界まで減らされているので、パルストランス5の効率が高くなければ、巻数比どおりのステップアップが実現しない。そのためパルストランス5は、その寸法を大きくする必要があり、イグナイタ回路2の寸法が大きくなってしまうと言う問題が発生する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
以上に説明したように、従来のイグナイタ回路では、CR回路と定電圧スイッチ素子からなる1段の充・放電回路が用いられている。そしてこのような回路では、パルストランスの1次側に加え得るパルス電圧は少なくとも電源の出力電圧より高くすることは不可能である上、定電圧スイッチング素子の電圧の高いものは得られないので、パルストランスの巻数比を大きくしなければならず、結果的に1次コイルの巻数が少なくなって、回路の効率が上がらないと言う問題があった。
【0011】
又、パルストランスの効率を落とさないために、パルストランスの外形が大きくなり、イグナイタ回路全体の外形が大形化すると言う問題があった。
【0012】
この発明は、上記のような問題を解消し、パルストランスの1次側に、昇圧回路の出力電圧より高いパルス電圧を印加することができ、もって、巻数比をより低いものに下げ、それに伴いパルストランスの効率の低いものの使用を可能とし、もって、回路全体を小形化したイグナイタ回路を得ようとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明の放電灯のイグナイタ回路は、交流電圧を発生する電源、1次コイルと2次コイルとを有し前記1次コイルの一端と前記2次コイルの一端が前記電源の一方の端子に接続されたパルストランス、前記2次コイルの他端と前記電源の他方の端子との間に接続された放電灯、前記電源の第2の端子に一方の端子を接続されたインピーダンス素子と、このインピーダンス素子の他端をコンデンサの一方の端子に接続し、このコンデンサの他端を前記電源の第1の端子に接続した直列接続体からなる第1の直列接続回路、
コンデンサとこのコンデンサの両極にそれぞれ直列に接続されたインピーダンス素子とからなり前記電源に並列に接続された第2の直列接続回路、
前記第1の直列接続回路の前記コンデンサと前記第2の直列接続回路の前記コンデンサとを順直列に接続する第1スイッチ回路、
前記第2の直列接続回路の前記コンデンサの一端を前記パルストランスの前記1次コイルの他端に接続する第2スイッチ回路を備え、
前記電源に並列に接続された第1及び第2の直列接続回路の各コンデンサが充電されたとき、前記複数の直列接続回路の全てのコンデンサを同じ極性方向に直列接続するとともに前記1次コイルの他端に放電する構成において前記第1の直列接続回路の1素子のインピーダンス素子の値を前記第2の直列接続回路の2素子のインピーダンス素子のそれぞれの値の略2倍とし、
更に、前記第1と第2の直列接続回路のコンデンサの値を略同等としたものである。
【0014】
また、複数の第2の直列接続回路と、
前記複数の第2の直列接続回路のコンデンサを互いに順直列に接続する複数の第1Xスイッチ回路を備えたものである。
【0015】
また、交流電圧を発生する電源、1次、2次コイルを有し前記1次コイルの一端と前記2次コイルの一端が電源の一方の端子に接続されたパルストランス、前記2次コイルの他端と前記電源の他方の端子との間に接続された放電灯、前記電源の第2の端子に一方の端子を接続されたインピーダンス素子と、このインピーダンス素子の他端をコンデンサの一方の端子に接続し、
このコンデンサの他端を前記パルストランスの前記1次コイルの他端に接続した直列接続体からなる第1の直列接続回路、
コンデンサとこのコンデンサの両極にそれぞれ直列に接続されたインピーダンス素子とからなり前記電源に並列に接続された第2の直列接続回路、
前記第1の直列接続回路の前記コンデンサと前記第2の直列接続回路の前記コンデンサとを順直列に接続する第1スイッチ回路、
前記第2の直列接続回路の前記コンデンサの一端を前記電源の第1の端子に接続する第2スイッチ回路を備え、
前記電源に並列に接続された第1及び第2の直列接続回路の各コンデンサが充電されたとき、前記複数の直列接続回路の全てのコンデンサを同じ極性方向に直列に接続すると共に前記電源の第1の端子に放電する構成において
前記第1の直列接続回路の1素子のインピーダンス素子の値を前記第2の直列接続回路の2素子のインピーダンス素子のそれぞれの値の略2倍とし、
更に、前記第1と第2の直列接続回路のコンデンサの値を略同等としたものである。
【0016】
また、複数の第2の直列接続回路と、
前記複数の第2の直列接続回路のコンデンサを互いに順直列に接続する複数の第1Xスイッチ回路を備えたものである。
【0017】
また、インピーダンス素子として抵抗器を、第1、第2スイッチ回路として所定の電圧で導通する定電圧スイッチング素子を用いたものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1にこの発明によるイグナイタ回路2を示す。なお、以下説明する図に於いて、従来の図と同符号のものは、同一、又は相当部分を示すので、その詳細な説明は省略する。
図において、3はイグナイタ回路2の入力端子a,bに接続されたインバータ回路(交流電圧を発生する電源)、11はこのイグナイタ回路2の入力端子a、b間に並列に接続された第1の直列接続回路であり、抵抗R1とコンデンサC1との直列接続体で構成されている。5はパルストランスであり、数ターン程度(従来のものよりはターン数が多い)の1次コイルと数100ターンの2次コイル(1次コイルは2次コイルの中間タップでもよい)を有し、2次コイルは放電灯1と直列接続されて、端子a、b間に接続されている。
12は端子a、b間に並列接続された第2の直列接続回路であり、端子aに接続される抵抗R2とこれに直列に接続されたコンデンサC2と、これに直列で、かつ、端子bに接続される抵抗R’2とで構成される。なお、抵抗R2が端子aに、抵抗R’2が端子bに接続されている。
【0019】
更に抵抗R1とコンデンサC1との接続点から、コンデンサC2と抵抗R’2との接続点へ定電圧スイッチング素子S1が接続されている(第1スイッチ回路と言う)。コンデンサC2と抵抗R2との接続点から第2のスイッチング素子S2がパルストランス5の1次コイルへと接続されている(第2スイッチ回路と言う)。
【0020】
第1、第2の直列接続回路11、12の回路の定数は、
C1≒C2
(1/2)・R1≒R2≒R’2
S1のブレークオーバ電圧≒S2のブレークオーバ電圧
となるように選定されている。即ち全ての直列接続回路の時定数はほぼ同じ値に、また、全てのコンデンサの容量はほぼ同じ値に設定されている。
【0021】
図1の回路の動作について、図2の等価回路図と図3の波形説明図により説明する。インバータ回路3からは、図3(a)に示すように、極性がプラス・マイナスeに反転するパルス電圧が、イグナイタ回路2の端子a、b間に供給される。
【0022】
最初は図2のように定電圧スイッチング素子S1、S2はオフしているので、コンデンサC1の両端電圧は、図3(b)に示すように、時定数R1C1で上昇するが、この電圧は同時に定電圧スイッチング素子S1にかかる。
【0023】
一方、コンデンサC2の両端電圧もR1C1と同じ時定数、(R2+R’2)C2≒R1C2≒R1C1で上昇する。そして、コンデンサC2と抵抗R2の接続点の電圧は、図3(c)に、又、C2と抵抗R’2の接続点の電圧は図3(d)に示すように変化する。
【0024】
したがって、定電圧スイッチング素子S1には、(e)の波形≒〔(b)の波形−(d)の波形〕の波形が、又、S2には(c)の波形の電圧がそのまま加わる。S1に加わる電圧(図(e))よりもS2に加わる電圧(図(c))の方が高いので、やがて定電圧スイッチング素子S2がブレークする(図2のスイッチS2がオンする)。
【0025】
パルストランス5の一次コイルのインピーダンスは極めて小さいので、定電圧スイッチング素子S2がブレークすると、見かけ上、コンデンサC2と抵抗R2の接続点が端子bに短絡接続されたかのような状態となり、第2のコンデンサC2と第3の抵抗R’2との接続点の電圧が急に低下し、定電圧スイッチング素子S1には、コンデンサC1の電圧とコンデンサC2の電圧が加算された電圧が印加されることになり、定電圧スイッチ素子S1は直ちにオンする。
これにより、見かけ上、図2のスイッチS1とS2がほぼ同時にオンとなるので、コンデンサC1とコンデンサC2とが順直列(充電されている電圧の極性が同じ方向となるような直列)に接続されてPTの1次コイルに接続される。
即ち、見かけ上、定電圧スイッチング素子S2は、そのブレーク電圧よりはるかに高い電圧が加わってからオンするように見えると言うことも出来、パルストランス5の1次コイルには、上記第1、第2のコンデンサの加算した電圧(ほぼ2倍の電圧)が加わるので高い2次電圧が発生する。
【0026】
図1のイグナイタ回路では、パルストランス5の1次コイルに加わる電圧が、ほぼ2倍になるので、従来と同じ2次電圧を発生させるには、パルストランス5の1次コイルの巻数を2倍にすることができ(あるいは2次コイルの巻数を1/2に)、結果としてパルストランスの効率が向上する。そして、パルストランスを小形化することができる。この小形化の程度は、回路を第1の直列接続回路と第2の直列接続回路との2段にしたことによる体積の増加を打ち消して余りあるものとなり、全体としてイグナイタ回路の小形化が達成できる。
【0027】
インバータ回路3は交流電圧を発生する電源である。各抵抗はインピーダンス素子とも言う。定電圧スイッチング素子はスイッチ回路とも言う。定電圧スイッチング素子S1の接続回路は第1スイッチ回路である。定電圧スイッチング素子S2の接続回路は第2スイッチ回路である。図1ではパルストランス5は1次、2次コイルが別巻きトランスとしてあるが、勿論、1次コイル端子を2次コイルの中間から引き出すオートトランスとしても良いことは言うまでもない。第1、第2の直列接続回路はいずれもインピーダンス素子とコンデンサとの直列接続体からなるものである。
【0028】
実施の形態2.
図4に本発明の実施の形態2による放電灯用イグナイタ回路を示す。実施の形態1の図1のものが、第1、第2の直列接続回路11、12を用いて、充電回路を2段にしたのに対し、本実施の形態では3段以上の回路を接続して用いている(同じ回路の繰り返しとなるので図では途中の部分を省略している)。図に於いて、13は第(N)段の直列接続回路を示し、第2の直列接続回路12と同じ構成である、即ち、端子aに接続される抵抗R2と、端子bに接続される抵抗R’2とこの2つの抵抗の間に直列に接続されるコンデンサC2とで構成される。定電圧スイッチング素子SNは第(N)段のコンデンサC2とパルストランスPTの一次側端子との間を接続するもので第2スイッチ回路と言う。第1の直列接続回路11から第(N)の直列接続回路までの全てのコンデンサを順直列に接続する定電圧スイッチング素子S1〜S(N−1)は第1スイッチ回路とも言う。
【0029】
理解を助けるため、この第1スイッチ回路のうち、第1の直列接続回路11のコンデンサと第2の直列接続回路のコンデンサとを接続するスイッチ(S1)を第1のスイッチ回路と呼び、第2の直列接続回路12のコンデンサを互いに順直列に接続する第1のスイッチ回路(S2〜S(N−1))は第1Xのスイッチ回路と呼んで区別する。
【0030】
全ての定電圧スイッチング素子S1〜S(N)が見かけ上同時にオンすることにより、PT5の1次コイルには、コンデンサC1に充電される電圧の約(N)倍の電圧が印加される。
【0031】
回路定数は、例えば
C1≒C2
(1/2)・R1≒R2≒R’2
S1〜S(N)のブレーク電圧はほぼ同じ値
となるように選定する。即ち全ての直列接続回路の時定数はほぼ同じ値に、また、全てのコンデンサの容量はほぼ同じ値に設定されている。
【0032】
パルストランス5の1次コイルに加わる電圧が、ほぼ(N)倍に高くなるので、従来と同じ2次電圧を発生させるには、パルストランス5の1次コイルの巻数を(N)倍にすることができ、パルストランスの効率が向上するので、パルストランスを小形化することができる。Nが数段まではこの小形化の程度は、回路をN段にしたことによる体積の増加を打ち消して余りあるものとなり、全体としてイグナイタ回路の小形化が達成できるが、Nをあまり大きくすると効率向上にともなう小型化の効果が減少するので、適宜、適当な段数を選定すればよい。
【0033】
以上の説明において、(1/2)・R1≒R2≒R’2
C1≒C2
と説明したが、このようにすることが効率が良いと言う意味であって、数10%程度異なる値を選定しても、基本的な動作に変わりはない。又、定電圧スイッチング素子のブレークオーバ電圧はほぼ同一値とすると説明したが、これも数10%程度の範囲で変動を許容できる。ブレークオーバ電圧のばらつきが大きい場合、最初にブレークする素子がパルストランスPT5に接続された素子ではないと言うことも生じるが、一つの素子がブレークしたとき、ブレークした素子に接続されるコンデンサの電圧が他の素子に印加されることになり、連鎖的にブレーク状態が他の素子に及ぶので、どの素子からブレークが発生しても同じ結果が得られる。
【0034】
又、電源はパルス電源として説明したが、交流電源であっても、大差のない結果が得られる。又、抵抗の代わりにリアクトルを用いることが可能である。
【0035】
実施の形態3.
図5にこの発明の実施の形態3によるイグナイタ回路を示す。これは第1の直列接続回路11を用いないで、第2の直列接続回路12を2段用いた例である。即ち、第2の直列接続回路12は端子aと端子b間に2組接続され、定電圧スイッチング素子S1、S2の接続は図1と同じだが、定電圧スイッチング素子S3が図のように片方の第2の直列接続回路12の抵抗R’2を短絡するように接続されている。以上のように細部の差はあるが、その回路動作は図1の場合とほとんど同様であり、得られる効果も同じである。
【0036】
実施の形態4.
図6にこの発明の実施の形態4によるイグナイタ回路を示す。これは第1、第2の直列接続回路11、12を1段ずつ用いた例であり、その配置が実施の形態1の図1の場合とは異なっている。即ち、第1の直列接続回路11は端子a(第2の端子と言う)とPT5の1次コイル端子間に接続され、また、定電圧スイッチング素子S2は抵抗R2とコンデンサC2との接続点と端子b(第1の端子と言う)との間に接続されている。しかしながら、その回路動作は図1の場合とほとんど同様で、ただ、パルストランス5に印加される電圧の極性が図1の場合とは逆になるが、トランスの位相を考慮して接続すれば、得られる効果は図1と同じである。また、図6の場合、コンデンサC1への充電電流がパルストランス5の1次コイルを流れると言う点で図1と異なるが微弱であるので影響はない。
【0037】
【発明の効果】
以上に説明したように、この発明の放電灯用イグナイタ回路は、インピーダンス素子とコンデンサとの直列接続体からなり電源に並列に接続された複数の直列接続回路と、この直列接続回路の各コンデンサが充電されたとき各コンデンサを極性が同じ方向に直列に接続し、パルストランスの1次コイルに接続して放電するスイッチ回路とを備えているので、電源電圧よりも高い電圧をパルストランスの1次側に印加することが可能となり、パルストランスの効率を改善でき、パルストランスを小形化できると言う効果が得られる。
【0038】
又、コンデンサとこのコンデンサに直列に接続されたインピーダンス素子とからなり交流電源に並列に接続された第1の直列接続回路、コンデンサとこのコンデンサの両極にそれぞれ直列に接続されたインピーダンス素子とからなり電源に並列に接続された第2の直列接続回路、全てのコンデンサを順直列に接続する第1スイッチ回路、第2の直列接続回路のコンデンサをパルストランスの1次コイルに接続する第2スイッチ回路とを備えているので、電源電圧より高い電圧をパルストランスの1次側に印加することが可能となり、回路の効率を改善でき、パルストランスを小形化できると言う効果が得られる。
【0039】
又、コンデンサとこのコンデンサに直列に接続されたインピーダンス素子とからなり交流電源に並列に接続された第1の直列接続回路、コンデンサとこのコンデンサの両端にそれぞれ直列に接続されたインピーダンス素子とからなりそれぞれが前記電源に並列に接続された複数の第2の直列接続回路、
第1の直列接続回路のコンデンサと第2の直列接続回路のコンデンサとを接続する第1のスイッチ回路、第2の直列接続回路の全コンデンサを互いに順直列に接続する1個以上の第1Xスイッチ回路、第2の直列接続回路のコンデンサの1個を1次コイルに接続する第2スイッチ回路を備えているので、電源電圧より高い電圧をパルストランスの1次側に印加することが可能となり、回路の効率を改善でき、パルストランスを小形化できると言う効果が得られる。
【0040】
又、インピーダンス素子とコンデンサとの直列接続体からなり1次コイルの他端と交流電源の第2の端子に接続された第1の直列接続回路、インピーダンス素子とコンデンサとの直列接続体からなり電源に並列に接続された第2の直列接続回路、各コンデンサに充電されたとき全コンデンサを同じ極性方向に順直列に接続して第1の端子に放電するスイッチ回路を備えているので、電源電圧より高い電圧をパルストランスの1次側に印加することが可能となり、回路の効率を改善でき、パルストランスを小形化できると言う効果が得られる。
【0041】
また、インピーダンス素子として抵抗器を、第1、第2スイッチ回路として所定の電圧で導通する定電圧素子を用いているので回路が簡素化出来るという効果が得られる。
【0042】
また、全ての直列接続回路の時定数がほぼ等しく構成されているので、各コンデンサに充電される電圧がほぼ等しくなり、回路の効率が良いという効果が得られる。
【0043】
また、全ての直列接続回路のコンデンサの容量がほぼ等しく構成されているので、放電時に各コンデンサの電荷の放出が同じ速さとなり、回路の効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による放電灯のイグナイタ回路の回路図である。
【図2】 図1の動作を説明する等価回路図である。
【図3】 図1、図2の動作を説明するタイムチャートである。
【図4】 この発明の実施の形態2による放電灯のイグナイタ回路の回路図である。
【図5】 この発明の実施の形態3による放電灯のイグナイタ回路の回路図である。
【図6】 この発明の実施の形態4による放電灯のイグナイタ回路の回路図である。
【図7】 放電灯の点灯回路の構成説明図である。
【図8】 従来のイグナイタ回路の回路図である。
【図9】 図8の動作を説明するタイムチャートである。
【符号の説明】
1 放電灯、 2 イグナイタ回路、
3 インバータ回路(交流電源)、
4 昇圧回路、 5 パルストランス、 11 第1の直列接続回路、 12 第2の直列接続回路、
S1 定電圧スイッチング素子(第1スイッチ回路)、
S2 定電圧スイッチング素子(第2スイッチ回路)。
Claims (5)
- 交流電圧を発生する電源、
1次コイルと2次コイルとを有し、前記1次コイルの一端と前記2次コイルの一端が前記電源の一方の端子に接続されたパルストランス、
前記2次コイルの他端と前記電源の他方の端子との間に接続された放電灯、
前記電源の第2の端子に一方の端子を接続されたインピーダンス素子と、このインピーダンス素子の他端をコンデンサの一方の端子に接続し、このコンデンサの他端を前記電源の第1の端子に接続した直列接続体からなる第1の直列接続回路、
コンデンサとこのコンデンサの両極にそれぞれ直列に接続されたインピーダンス素子とからなり前記電源に並列に接続された第2の直列接続回路、
前記第1の直列接続回路の前記コンデンサと前記第2の直列接続回路の前記コンデンサとを順直列に接続する第1スイッチ回路、
前記第2の直列接続回路の前記コンデンサの一端を前記パルストランスの前記1次コイルの他端に接続する第2スイッチ回路を備え、
前記電源に並列に接続された第1及び第2の直列接続回路の各コンデンサが充電されたとき、前記複数の直列接続回路の全てのコンデンサを同じ極性方向に直列接続するとともに前記1次コイルの他端に放電する構成において前記第1の直列接続回路の1素子のインピーダンス素子の値を前記第2の直列接続回路の2素子のインピーダンス素子のそれぞれの値の略2倍とし、
更に、前記第1と第2の直列接続回路のコンデンサの値を略同等としたことを特徴とする放電灯用イグナイタ回路。 - 複数の第2の直列接続回路と、
前記複数の第2の直列接続回路のコンデンサを互いに順直列に接続する複数の第1Xスイッチ回路を備えたことを特徴とする請求項1に記載の放電灯用イグナイタ回路。 - 交流電圧を発生する電源、1次、2次コイルを有し前記1次コイルの一端と前記2次コイルの一端が前記電源の第1の端子に接続されたパルストランス、前記2次コイルの他端と前記電源の第2の端子との間に接続された放電灯、
前記電源の第2の端子に一方の端子を接続されたインピーダンス素子と、このインピーダンス素子の他端をコンデンサの一方の端子に接続し、
このコンデンサの他端を前記パルストランスの前記1次コイルの他端に接続した直列接続体からなる第1の直列接続回路、
コンデンサとこのコンデンサの両極にそれぞれ直列に接続されたインピーダンス素子とからなり前記電源に並列に接続された第2の直列接続回路、
前記第1の直列接続回路の前記コンデンサと前記第2の直列接続回路の前記コンデンサとを順直列に接続する第1スイッチ回路、
前記第2の直列接続回路の前記コンデンサの一端を前記電源の第1の端子に接続する第2スイッチ回路を備え、
前記電源に並列に接続された第1及び第2の直列接続回路の各コンデンサが充電されたとき、前記複数の直列接続回路の全てのコンデンサを同じ極性方向に直列に接続すると共に前記電源の第1の端子に放電する構成において
前記第1の直列接続回路の1素子のインピーダンス素子の値を前記第2の直列接続回路の2素子のインピーダンス素子のそれぞれの値の略2倍とし、
更に、前記第1と第2の直列接続回路のコンデンサの値を略同等としたことを特徴とする放電灯用イグナイタ回路。 - 複数の第2の直列接続回路と、
前記複数の第2の直列接続回路のコンデンサを互いに順直列に接続する複数の第1Xスイッチ回路を備えたことを特徴とする請求項3に記載の放電灯用イグナイタ回路。 - インピーダンス素子として抵抗器を、第1、第1X、第2スイッチ回路として所定の電圧で導通する定電圧スイッチング素子を用いたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の放電灯用イグナイタ回路。
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