JP4341886B2 - ディーゼル・エンジンの排気浄化装置 - Google Patents

ディーゼル・エンジンの排気浄化装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディーゼル・エンジンから排出された排気中のパーティキュレート・マター(粒子状物質)を捕捉して燃焼するディーゼル・エンジンの排気浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディーゼル・エンジンは、低燃料消費率といった好ましい特性を有するものの、パーティキュレート・マターを多量に排出する。ディーゼル・エンジンにおけるこのパーテルキュレート・マターの発生は、同じくディーゼル・エンジンから同時に排出される窒素酸化物(NOx)とトレードオフの関係にあり、ディーゼル・エンジンでの燃焼過程でこれら両者を同時に低減するのは非常に困難である。
【0003】
この場合、窒素酸化物の方はアンモニアを用いて処理することが可能であるが、アンモニアを車両に搭載することは、漏れなどが生じる虞があり好ましくない。そこで、ディーゼル・エンジン内での燃焼にあっては、車両上で排気処理が難しい窒素酸化物の方の発生を抑えるようにし、パーティキュレート・マターの方の低減は、ディーゼル・エンジンから排出された排気中に含まれたパーティキュレート・マターを排気系の途中に設けたフィルタ部にて捕捉するとともに、このフィルタ部が目詰まりを起こさないように所定の頻度でパーティキュレート・マターを燃焼させるようにしている。
【0004】
このパーティキュレート・マターの燃焼にあっては、パーティキュレート・マターが約600℃以上の高温でなければ燃焼しないこと、また市内走行などの通常の走行時では排気温度が消音器近くでは200℃以上まで上がることがほとんどないことから、フィルタ部で補足したパーティキュレート・マターの燃焼を促進するには、酸化触媒や電気ヒーターを利用している。
【0005】
このような従来のディーゼ・エンジンの排気浄化装置としては、筒状の筐体の内部で軸方向に伸びるインナ・パイプに流入してきた排気が、インナ・パイプの外周壁に設けた流出孔からインナ・パイプの半径方向外側に配置したフィルタ部へ流入するように構成されたものがある(特許文献1参照)。排気は、フィルタ部を通過する際、パーティキュレート・マターがフィルタ部で捕捉され、フィルタ部から流出した残りの排気のみが排気浄化装置から外部へ排出される。一方、フィルタ部で捕捉されたパーティキュレート・マターは、適宜電気ヒーターにより加熱されて燃焼し灰となる。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−256843号公報(図1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のディーゼル・エンジンの排気浄化装置は、酸化触媒や電気ヒーター等によりパーティキュレート・マターが燃焼するときに生じる高温域から、パーティキュレート・マターが捕捉されたまま燃焼されないときの低温域、あるいはエンジン停止時での外気温と同じ温度域までの広い温度範囲に晒されるので、フェライト系鋼製などで製造されるインナ・パイプと、発泡石骨粒やセラミック系の材料等で製造されるフィルタ部とに熱膨張が生じ、これらの耐久性を低下させることがあるといった問題があった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、インナ・パイプとフィルタ部とにおける熱膨張をそれぞれ独立して吸収しこれらの耐久性の低下を防止できるようにしたディーゼル・エンジンの排気浄化装置を提供する。
【0008】
請求項1に記載の本発明のディーゼル・エンジンの排気浄化装置は、ディーゼル・エンジンから排出された排気が流入する排気入口部および排気が流出する排気出口部をそれぞれ有する筒状の筐体と、筐体内にこの軸方向に沿って配置された筒状の外周壁を有し、外周壁にこの内外を連通するように設けた流出孔を介して、排気入口部から外周壁の内部へ導入された排気を外周壁の外部へ流出させるインナ・パイプと、インナ・パイプと筐体との間に配置され、インナ・パイプの流出孔から流入してきた排気中のパーティキュレート・マターを捕捉するフィルタ部と、インナ・パイプと筐体との間に配置され、フィルタ部で捕捉したパーティキュレート・マターの燃焼を促進する燃焼促進部と、を備えたディーゼル・エンジンの排気浄化装置において、インナ・パイプを筐体に支持するセパレータがインナ・パイプと筐体のうちの一方に固定されインナ・パイプと筐体のうちの他方に対し軸方向にスライド可能とされるとともに、フィルタ部の端部をインナ・パイプに支持する保持プレートがインナ・パイプに対し軸方向にスライド可能とされ、フィルタ部の端部をインナ・パイプに支持する保持プレートがインナ・パイプに対し軸方向にスライド可能とされ、セパレータが、筐体の排気出口部側を塞ぐプレートとの間に下流側の膨張室を形成され、下流側の膨張室が、保持プレートとセパレータの間に形成した上流側の膨張室より大きい容積を有し、セパレータに設けた連通孔を介して上流側の膨張室に連通していることを特徴とする。
【0009】
したがって、請求項1に記載の本発明のディーゼル・エンジンの排気浄化装置は、排気浄化装置が高温となったとき、インナ・パイプを筐体に支持するセパレータがインナ・パイプと筐体のうちの他方に対しこの軸方向にスライドし、フィルタ部の端部をインナ・パイプに支持する保持プレートがインナ・パイプに対しこの軸方向にスライドすることにより、インナ・パイプとフィルタ部との熱膨張をそれぞれ独立して吸収しこれらの耐久性の低下を防止できる。また高温状態から低温に戻るときも、上記同様にセパレータ、保持プレートがそれぞれ独立して上記とは逆方向にスライドしながら熱収縮を吸収するので、この場合にも耐久性の低下を防止できる。そして、インナ・パイプを筐体に支持するのにもともと必要なセパレータと筐体の排気出口部側を塞ぐのにもともと必要であったプレートとの双方で、下流側の膨張室を形成するようにしたので、上流側と下流側とにそれぞれ膨張室を安価に形成して、消音効果を高めることが可能となり、その消音のチューニングも容易になるのに加え、同じ長さの排気浄化装置でもフィルタ部の長さをインナ・パイプの長さ近くまで長くとることが可能となり、パーティキュレート・マターを捕捉するフィルタ部の容量を大きく設定することができる。
【0010】
請求項2に記載の本発明のディーゼル・エンジンの排気浄化装置は、上記保持プレートと上記セパレータとにより、これらの間に膨張室を形成したことを特徴としている。
【0011】
したがって、請求項2に記載の本発明のディーゼル・エンジンの排気浄化装置は、フィルタ部とインナ・パイプをそれぞれ支持する保持プレートとセパレータとを膨張室を形成するための仕切り板に兼用することにより、部品を増やすことなくフィルタ部から排出された排気を膨張室にて急膨張させ消音することが可能となる。
【0012】
請求項3に記載の本発明のディーゼル・エンジンの排気浄化装置は、上記インナ・パイプと上記筐体のうちのセパレータが固定される一方が、インナ・パイプであることを特徴としている。
【0013】
したがって、請求項3に記載の本発明のディーゼル・エンジンの排気浄化装置は、インナ・パイプをセパレータと一体で筐体から容易に引き抜くことが可能な構造となるように製造できるので、フィルタ部や酸化触媒の洗浄や交換などを簡単に実行することができる。
【0014】
請求項4に記載の本発明のディーゼル・エンジンの排気浄化装置は、上記保持プレートと上記セパレータとが、フィルタ部の下流側にあるようにしたことを特徴としている。
【0015】
したがって、請求項4に記載の本発明のディーゼル・エンジンの排気浄化装置は、保持プレートとセパレータとで膨張室を形成する場合、膨張室がフィルタ部の下流に位置するようになるので、フィルタ部へ流入する排気の温度低下を小さく抑えてパーティキュレート・マターの燃焼を促進しながら、その後、膨張室での膨張による排気の消音が可能となる。
【0016】
請求項5に記載の本発明のディーゼル・エンジンの排気浄化装置は、上記フィルタ部を、一方が保持プレートで保持されるとともに、他方がスライドするセパレータと別の位置でインナ・パイプを筐体に支持する別セパレータで保持されるようにしたことを特徴とする。
【0017】
したがって、請求項5に記載の本発明のディーゼル・エンジンの排気浄化装置は、保持プレートと反対側におけるフィルタ部の保持に、保持プレートを必要とせず、もともとインナ・パイプの筐体への支持に必要な別セパレータを兼用するようにしたので、保持プレートがその分不要となり、コストおよび重量の低減、寸法の短縮が可能となる。
【0022】
請求項に記載の本発明のディーゼル・エンジンの排気浄化装置は、上記セパレータが、下流側の膨張室と上流側の膨張室とを連通する干渉パイプを有するようにしたことを特徴とする。
【0023】
したがって、請求項に記載の本発明のディーゼル・エンジンの排気浄化装置は、干渉パイプの存在により排気の消音効果をさらに高めることができ、その消音のチューニング幅も広くなる。
【0024】
請求項に記載の本発明のディーゼル・エンジンの排気浄化装置は、上記フィルタ部が、燃焼促進部を内蔵するようにしたことを特徴とする。
【0025】
したがって、請求項に記載の本発明のディーゼル・エンジンの排気浄化装置は、フィルタ部と燃焼促進部との両方での熱膨張を同じ部品のセパレータと保持プレートで吸収でき、コストや重量の低減が可能となる。
【0026】
請求項に記載の本発明のディーゼル・エンジンの排気浄化装置は、インナ・パイプが、排気出口部側が塞がれていることを特徴とする。
【0027】
したがって、請求項に記載の本発明のディーゼル・エンジンの排気浄化装置は、排気浄化装置に流入した排気が確実にフィルタ部を通るようにしてパーティキュレータ・マターの捕捉量を上げることが可能となる。この場合、インナ・パイプおよびフィルタ部はより高熱となることがあるが、セパレータや保持プレートのスライドによりそれらの熱膨張を独立して吸収でき耐久性の低下を防ぐことが可能となる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態としてのディーゼル・エンジンの排気浄化装置100の断面側面図である。
排気浄化装置100は、筒状の筐体110を有し、この筐体110にフィルタ部200や酸化触媒300(燃焼促進部)を内蔵している。
【0029】
筐体110は、金属製であって、その両端が開口された円筒状のアウタ・ドラム111と、アウタ・ドラム111の上流側の開口部111aに取り付けられてこの開口部111aを塞ぐインレット側エンド・プレート112と、アウタ・ドラム111の下流側の開口部111bに取り付けられてこの開口部111bを塞ぐアウトレット側エンド・プレート113とを有している。
【0030】
インレット側エンド・プレート112は、この中心部分に形成した貫通孔112aにインレット・パイプ(排気入口部)114が貫通させられ、このインレット側エンド・プレート112の貫通孔112aの内周部分にインレット・パイプ114の中間部分が溶接で固定されている。一方、インレット側エンド・プレート112の外周部分は、アウタ・ドラム111の上流側の開口部111aに嵌め合わされ、溶接にて互いに固着される。
【0031】
インレット・パイプ114は、この上流側端部分に固着されたフランジ115とディーゼル・エンジン側の排気管(図示せず)のフランジ(図示せず)とがガスケットを挟んだ状態で組み合わされ、ボルト(図示せず)により固定される。また、インレット・パイプ114の下流側端部分は、円盤状のインレット側セパレート・プレート116の中心位置に形成された貫通孔116aを貫通させられ、インレット側セパレート・プレート116の貫通孔116aの内周部分に溶接で固着される。インレット側セパレート・プレート116の外周部分は、アウタ・ドラム111のインレット側エンド・プレート112より下流側となる位置に溶接にて固着される。
【0032】
インレット側エンド・プレート112とインレット側セパレート・プレート116とには、中心線より図中上方となる位置においてそれらを貫通するカラー117が固着される。このカラー117の内部には、温度センサ400が挿入される。なお、この温度センサ400は、フィルタ部200内部の温度を検出するためのものであり、検出部分がフィルタ部200内まで伸ばされている。
【0033】
インレット・パイプ114の下流には、これと同軸で若干径が大きく設定されたインナ・パイプ500が軸線方向下流側に向かって伸ばされている。インナ・パイプ500の外周壁には半径方向に孔あけした多数の流出孔510(流出孔510は、図を見やすくするため、便宜上、図1中には1個のみを描いてある。)が設けられて、インナ・パイプ500の外周壁の内部と外部とを連通するようにしてある。なお、インナ・パイプ500の上流側は、開口されたままとされているが、下流側端の内周部分には、円形プレート520が取り付けられて排気がその下流端から軸方向に流出しないように閉じられている。
【0034】
また、インナ・パイプ500の上流端の外周部分には、上流側セパレータ530の内周部分が溶接により固着されており、この上流側セパレータ530の外周部分は、インレット側セパレート・プレート116より下流側の位置でアウタ・ドラム111の内周面に当接されている。なお、この上流側セパレータ530は、インレット・パイプ114から流入してきた排気がフィルタ部200に直接流入することがないように形成してあり、この結果、インレット・パイプ114から流入してきた排気は、すべてインナ・パイプ500へ流れ込むようにしてある。
【0035】
同様に、インナ・パイプ500の下流端の外周部分には、下流側セパレータ540の内周部分が溶接により固着されている。この下流側セパレータ540には、複数の連通孔545が周上に形成されてフィルタ部200から流出してきた排気をアウトレット・パイプ119へ流すようにしてある。また、下流側セパレータ540の外周部分は、上流側セパレータ530より下流側の位置でアウタ・ドラム111の内周面に当接するようにしてある。
このようにして、下流側セパレータ540と上流側セパレータ530とでインナ・パイプ500を筐体110のアウタ・ドラム111に支持する。
【0036】
なお、下流側セパレータ540は、上流側セパレータ530よりわずかに径を小さく設定しておき、インナ・パイプ500が軸方向に熱膨張したとき、下流側セパレータ540側がアウタ・ドラム111に対しスライドして熱膨張差を吸収し、また逆に温度が冷えて収縮したら下流側セパレータ540側がアウタ・ドラム111に対しスライドしそのときの収縮差を吸収するようにしてある。
【0037】
また、インナ・パイプ500の下流側セパレータ540から上流側へ所定距離だけ離れた位置には、インナ・パイプ500に対しスライド可能にしてインナ・パイプ500の外周に支持された下流側保持プレート220が設けられる。この結果、下流側保持プレート220と下流側セパレータ540との間には、上流側膨張室600が形成されることとなる。
【0038】
上流側セパレータ530の下流側の面に上流側クッションシート付きプレート210が当接した状態でインナ・パイプ500の外周壁の上流側端部分に保持される。これと同様に、下流側保持プレート220の上流側面にも下流側クッションシート付きプレート230が当接した状態でインナ・パイプ500の外周壁の下流側端部分に保持される。
なお、上流側セパレータ530と上流側クッションシート付きプレート210とは、温度センサ400の検出部が貫通し、この検出部がフィルタ部200の内部まで入るようにしてある。
【0039】
上流側クッションシート付きプレート210と下流側クッションシート付きプレート230との各外周部分は、それぞれパンチ・メタルのように孔を多数設けられた金属プレートを筒状に形成した第1インナ・ドラム240とこの内側に配置した第2インナ・ドラム250との各端部に連結されている。
【0040】
第1インナ・ドラム240は、アウタ・ドラム111から半径方向内側に所定距離だけ離されて、第1インナ・ドラム240の外周面とアウタ・ドラム111の内周面との間に形成された筒状の空間が上流側膨張室600に連通するようにしてある。
第2インナ・ドラム250は、第1インナ・ドラムの内側にあって、インナ・パイプ500から所定距離だけ離されている。
第1インナ・ドラム240と内側の第2インナ・ドラム250との間には、炭素繊維などからなるメッシュ・フィルタ260が挿入されている。
【0041】
第2インナ・ドラム250の内周面とインナ・パイプ500の外周面との間で、かつ上流側クッションシート付きプレート210と下流側クッションシート付きプレート230とで挟まれた空間には、微細孔を有する発泡石骨粒270を多数充満させてある。この発泡石骨粒270は、排気中のパーティキュレート・マターをその表面や微細孔に付着させることにより捕捉可能に形成してある。
【0042】
なお、上流側セパレータ530、下流側保持プレート220、第1インナ・ドラム240、第2インナ・ドラム250、メッシュ・フィルタ260、上流側クッションシート付きプレート210、下流側クッションシート付きプレート230、発泡石骨粒270は、本発明のフィルタ部200を構成する。
【0043】
発泡石骨粒270の表面には、低温域で酸化触媒機能を発揮する白金などの貴金属系の触媒と、高温域で酸化触媒機能を発揮するニッケルなどの卑金属系の触媒とからなる酸化触媒300とが混ぜ合わせた状態で浸透させ固着させてある。
【0044】
アウタ・ドラム111の下流側端の開口部111bには、下流側エンド・プレート113の外周部分が嵌め合わされ、この部分で溶接により互いに固着される。下流側エンド・プレート113の中心部分に形成した貫通孔113aには、アウトレット・パイプ(排気出口部)118の中間部分が貫通させられて、この下流側エンド・プレート113の貫通孔113aの内周部分にアウトレット・パイプ118の中間部分が溶接により固着される。
【0045】
アウトレット・パイプ118の下流側端には、フランジ119が固着されて、このフランジ119が、より下流側の排気管(図示せず)のフランジ(図示せず)にガスケット(図示せず)を挟んだ状態でボルト(図示せず)により固定される。
【0046】
アウトレット・パイプ118の上流側端は、円盤状の下流側セパレート・プレート120の貫通孔120aの内周部分に溶接により固着される。下流側セパレート・プレート120の外周部分は、アウタ・ドラム111の内周面に当接させられている。下流側セパレート・プレート120は、排気を貫通させないように形成してあり、フィルタ部200から流出された排気をすべてアウトレット・パイプ118へ流し込むように構成してある。
【0047】
下流側セパレート・プレート120と下流側セパレータ540との間には、上流側膨張室600より容積が大きい下流側膨張室700が形成され、下流側膨張室700が上流側膨張室600へ下流側セパレータ540の連通孔545を介して連通されている。
【0048】
次に、上記ディーゼル・エンジンの排気浄化装置100の作用につき説明する。
ディーゼル・エンジンから排出された排気は、図示しない上流側排気管を通ってインレット・パイプ114から排気浄化装置100の内部へ流入する。このインレット・パイプ114から流入した排気は、すべてインナ・パイプ500内へ流れ込む。インナ・パイプ500内に流れ込んだ排気は、インナ・パイプ500の下流側端がプレート220で塞がれているので、インナ・パイプ500の外周壁に設けた多数の流出孔510から半径方向外側へ流れ出てフィルタ部200の内部へ流入していく。
【0049】
排気は、フィルタ部200の中を半径方向外側へ向かって流れるうちに、排気中に含まれたパーティキュレート・マターが、フィルタ部200内の発泡石骨粒270の表面に付着したり発泡石骨粒270の微細孔に入り込んだりして捕捉される。大部分のパーティキュレート・マターを捕捉された残りの排気は、第2インナ・ドラム250を通ってフィルタ部200のメッシュ・フィルタ260にてさらに細かいパーティキュレート・マターがここで捕捉された後、フィルタ部200の外周にある第1インナ・ドラム240から半径方向外側へと流出する。
【0050】
このようにしてフィルタ部200から流出した排気は、続いて上流側膨張室600へ流れ込み、ここで膨張してその勢いを減じ、排気音が低減される。そして、下流側セパレータ540の連通孔545を通じて再びより広い下流側の膨張室700へ流入し、ここで再度膨張してその勢いをさらに減じ、排気音がさらに低減されてアウタ・パイプ118から図示しない排気管を通して大気中へ排出される。
【0051】
フィルタ部200に捕捉された排気中のパーティキュレート・マターは、ディーゼル・エンジンが高速運転や高負荷運転となり排気温度が上昇すると、酸化触媒300、すなわち発泡石骨粒270の表面に付着した貴金属系の酸化触媒により、低い温度で燃焼し始める。この結果さらに高温になっていくと、貴金属系の酸化触媒の触媒効果が低下していくが、今度は卑金属系の酸化触媒が効き始め、パーティキュレート・マターをさらに燃焼していく。このようにして、有害なパーティキュレート・マターを燃焼して灰に変えるとともに、フィルタ部200の目詰まりを防ぐことが可能となる。
【0052】
一方、上記高温にさらされた排気浄化装置100の各部品は、熱膨張するが、部位や材料にて熱膨張量が異なる。特に、フィルタ部200とインナ・パイプ500とは、高温にさらされ熱膨張量が大きく異なる。また燃焼状態に応じて半径方向内外で温度が異なることもある。
このように高温となって、インナ・パイプ500が熱膨張すれば、インナ・パイプ500の軸方向(図中右側)への膨張とともに下流側セパレータ540も移動するが、この場合、下流側セパレータ540の外周部分がアウタ・ドラム111の内周面に沿って軸方向へスライドしてこれら間の熱膨張差を吸収する結果、これに起因した歪が小さく抑えられる。
【0053】
一方、フィルタ部200も上記インナ・パイプ500とは異なった熱膨張量で熱膨張し、酸化触媒300や発泡石骨粒270を保持する保持プレート220も移動するが、この内周部分がインナ・パイプ500に対しスライドしてこれら間の熱膨張差を吸収するので、フィルタ部200にも大きな歪が発生するのを抑えられることになる。
【0054】
以上のように、本発明の第1の実施の形態のディーゼル・エンジンの排気浄化装置100は、インナ・パイプ500を筐体110のアウタ・ドラム111に支持する下流側セパレータ540をアウタ・ドラム111に対してスライド可能とするとともに、フィルタ部200をインナ・パイプ500に支持する下流側保持プレート220をインナ・パイプ500に対してスライド可能にしたので、インナ・パイプ500のアウタ・ドラム111やフィルタ部200に対する熱膨張をそれぞれ独立して吸収でき、耐久性の低下を防ぐことができる。
【0055】
また、熱膨張を吸収する下流側セパレータ540の兼用により、上流側と下流側にそれぞれ膨張室600、700を形成するようにしたので、消音効果を高めながら排気浄化装置100を安価、軽量に、また軸方向の短縮することが可能となる。また、この下流側セパレータ540の位置を調整することで、各種ディーゼル・エンジンや排気系、またそれらの運転域に応じた消音効果のチューニングが可能となる。
【0056】
次に、本発明の第2の実施の形態であるディーゼル・エンジンの排気浄化装置につき説明する。
図2は本発明の第2の実施の形態のディーゼル・エンジンの排気浄化装置800の断面を示す。
なお、このディーゼル・エンジンの排気浄化装置800の構成要素のうち、第1の実施の形態のディーゼル・エンジンの排気浄化装置100と実質的に同等の部分については、同じ番号を付し、それらの説明を省略する。
この排気浄化装置800では、下流側セパレータ540に上流側膨張室600側へ突出し、かつ上流側膨張室600と下流側膨張室700とを連通する干渉パイプ900を設けている。他の構成は、第1の実施の形態のディーゼル・エンジンの排気浄化装置100と実質的に同等である。
【0057】
このように構成した排気浄化装置800は、干渉パイプ900を追加することにより、下流側セパレータ540の位置とともに干渉パイプ900の位置や長さ、あるいは径の大きさなどを併せてチューニングすることにより排気の消音効果をさらに高めることができ、そのチューニング幅が広くなる。
【0058】
なお、上記各実施の形態に代え、本発明では下記のような変更や修正を施してもよい。
すなわち、スライドさせるセパレータや保持プレートは、下流側のものではなく、上流側のセパレータや保持プレートであってもよい。また、インナ・パイプ500のスライド可能なセパレータは、セパレータをアウタ・ドラム111側に固定してインナ・パイプ500側をスライドさせるようにしても良い。
【0059】
さらに、本発明では、インレット側エンド・プレート112とアウトレット側エンド・プレート113をアウタ・ドラム111に溶接で固着しているが、少なくとも一方をフランジとボルトによる結合とし、これらを外すことでインナ・パイプ500とフィルタ部200とがアウタ・ドラム111から取り外し可能としてフィルタ部20の洗浄や交換ができるようにしても良い。この場合、セパレータがインナ・パイプ500から取り外せるようにボルト等にて固定にしてフィルタ部200をインナ・パイプ500から軸方向に引き抜き可能にしたり、あるいはフィルタ部200を半開き可能にするなどして半径方向外側へ外せるようにしたりすると良い。
【0060】
また、燃焼促進部として酸化触媒の代わりに電気ヒーター等を用いるようにしても良い。燃焼促進部は、フィルタ部に内蔵するのではなく、フィルタ部の上流側に設けても良い。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のディーゼル・エンジンの排気浄化装置はインナ・パイプを筐体に支持するセパレータを筐体またはインナ・パイプに対してスライド可能とするとともに、フィルタ部をインナ・パイプに支持する保持プレートをインナ・パイプに対してスライド可能にしたので、インナ・パイプのアウタ・ドラムやフィルタとの間の熱膨張をそれぞれ独立して吸収してこれらの耐久性の低下を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態のディーゼル・エンジンの排気浄化装置の断面側面図
【図2】本発明の第2の実施の形態のディーゼル・エンジンの排気浄化装置の断面側面図
【符号の説明】
100 排気浄化装置
110 筐体
111 アウタ・ドラム
112 インレット側エンド・プレート
113 アウトレット側エンド・プレート
114 インレット・パイプ
116 上流側セパレート・プレート
118 アウトレット・パイプ
120 下流側セパレート・プレート
200 フィルタ部
210 上流側クッションシート付きプレート
220 保持プレート
240 第1インナ・ドラム
250 第2インナ・ドラム
260 メッシュ・フィルタ
230 下流側クッションシート付きプレート
300 酸化触媒
400 温度センサ
500 インナ・パイプ
510 流出孔
530 上流側セパレータ
540 下流側セパレータ
545 連通孔
600 上流側膨張室
700 下流側膨張室
800 排気浄化装置
900 干渉パイプ

Claims (8)

  1. ディーゼル・エンジンから排出された排気が流入する排気入口部および前記排気が流出する排気出口部をそれぞれ有する筒状の筐体と、
    該筐体内にこの軸方向に沿って配置された筒状の外周壁を有し、該外周壁にこの内外を連通するように設けた流出孔を介して、前記排気入口部から前記外周壁の内部へ導入された排気を前記外周壁の外部へ流出させるインナ・パイプと、
    該インナ・パイプと前記筐体との間に配置され、前記インナ・パイプの流出孔から流入してきた排気中のパーティキュレート・マターを捕捉するフィルタ部と、
    前記インナ・パイプと前記筐体との間に配置され、前記フィルタ部で捕捉したパーティキュレート・マターの燃焼を促進する燃焼促進部と、を備えたディーゼル・エンジンの排気浄化装置において、
    前記インナ・パイプを前記筐体に支持するセパレータが前記インナ・パイプと前記筐体のうちの一方に固定され前記インナ・パイプと前記筐体のうちの他方に対し前記軸方向にスライド可能とされるとともに
    前記フィルタ部の端部を前記インナ・パイプに支持する保持プレートが前記インナ・パイプに対し前記軸方向にスライド可能とされ、
    前記セパレータは、前記筐体の排気出口部側を塞ぐプレートとの間に下流側の膨張室を形成され、
    前記下流側の膨張室は、前記保持プレートと前記セパレータの間に形成した上流側の前記膨張室より大きい容積を有し、前記セパレータに設けた連通孔を介して前記上流側の膨張室に連通していることを特徴とするディーゼル・エンジンの排気浄化装置。
  2. 前記保持プレートと前記セパレータとは、これらの間に膨張室を形成することを特徴とする請求項1に記載のディーゼル・エンジンの排気浄化装置。
  3. 前記インナ・パイプと前記筐体のうちの前記セパレータが固定される前記一方は、前記インナ・パイプであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のディーゼル・エンジンの排気浄化装置。
  4. 前記保持プレートと前記セパレータとは、前記フィルタ部の下流側にあることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のディーゼル・エンジンの排気浄化装置。
  5. 前記フィルタ部は、一方を前記保持プレートで保持するとともに、他方を前記セパレータと別の位置で前記インナ・パイプを前記筐体に支持する別セパレータで保持することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のディーゼル・エンジンの排気浄化装置。
  6. 前記セパレータは、前記下流側の膨張室と前記上流側の膨張室とを連通する干渉パイプを有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のディーゼル・エンジンの排気浄化装置。
  7. 前記フィルタ部は、前記燃焼促進部を内蔵することを特徴とする請求項1から請求項のいずれかに記載のディーゼル・エンジンの排気浄化装置。
  8. 前記インナ・パイプは、前記排気出口部側が塞がれていることを特徴とする請求項1から請求項のいずれかに記載のディーゼル・エンジンの排気浄化装置。
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