JP4341191B2 - エンジン回転数制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はエンジン回転数制御装置に関し、特に2輪車等においてスロットルバルブの閉弁時におけるエンジン回転数制御装置であって、エアバイパス通路方式を採用し、かつバイパス通路の開度調整にリニアソレノイド式のアクチュエータを採用した構造のエンジン回転数制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図5は従来使用されているエアバイパス通路方式の基本構成図である。図示のように、スロットルバルブの前後をつなぐエアバイパス通路の途中に、アクチュエータにより上下駆動され、エアバイパス通路を任意の開度に調整できるエアバイパスバルブが備えられている。このエアバイパスバルブにより、様々なエンジン負荷状態に合わせてバルブ開度をコントロールすることにより、スロットルバルブが閉じている時のエンジン回転数をコントロールする。
【0003】
アクチュエータは、一般にソレノイド式が使用され、この方式ではソレノイドコイルに流す電流の大きさに応じて生じる電磁吸引力によりスプリングと圧力が釣り合う位置までバルブを変位させてエアバイパス通路の通路面積を調整する。さらに、ソレノイド式は、リニアソレノイド式とロータリソレノイド式に分けられ、リニアソレノイド式は、ソレノイド軸方向のドリフト量(変位)でエアバイパス通路のバルブ通路面積を調整する方式であり、一方、ロータリソレノイド式(図示せず)は、エアバイパス通路内に設けられたロータリバルブの回転により回転方向の変位でエアバイパス通路の通路面積を調整する方式である。
【0004】
さらに、上記リニアソレノイド式では、エアバイパス通路の上下流の圧力差(大気圧と吸気管圧力の差)によって生じる力によって、バルブの上下の調整位置が影響されないように、圧力キャンセル機構が設けられている。
図6は従来使用されているリニアソレノイド式のアクチュエータの模式図である。圧力キャンセル機構は、ダイヤフラムと2つのプレートとバルブ(キャンセル穴)等で構成されている。圧力差が発生すると大気圧の負圧力F1は、ダイヤフラム力F2 により打ち消され、エアバイパス通路の上下流の圧力差により生じる力によりバルブ位置が影響されないようになっている。即ち、負圧力F1がダイヤフラム力F2により打ち消されるので圧力Pの差が無くなり(P1)、バルブ開度は、圧力差による影響を受けずにソレノイドの吸引力F3とスプリング力F4の釣り合いにより正確に決定されるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように、アクチュエータとしてリニアソレノイド式を採用してエアバイパスバルブを構成した場合、従来の構成では、バルブ変位を正確に制御するために、バルブの前後の圧力差をキャンセルするための圧力キャンセル機構が必要となる。
【0006】
しかしながら、この圧力キャンセル機構のためにアクチュエータ構造が複雑となり、その結果、装置全体の大きさが大きくかつ重くなり、さらに製造コストの増大を来たす問題がある。
そこで、本発明の目的は、エアバイパス通路方式において、アクチュエータとしてリニアソレノイドを採用した構造において、圧力キャンセル機構を廃止して小型化、軽量化、かつコストダウンを図ったアクチュエータを提供することにあり、このアクチュエータを適用した、特に、2輪車(2気筒)に有効なエンジン回転数制御装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1〜5の発明によれば、吸入行程時の負圧力を、スロットルバルブの開弁方向に印加して所定の閉弁荷重を付与し、ソレノイドの吸引力で閉弁荷重を必要分可変してバルブ開口面積を制御することにより、エアバイパス通路方式におけるリニアソレノイド式のアクチュエータから、圧力キャンセル機構を廃止して、スロットルバルブの全閉時におけるエンジン回転数を制御するようにしたものである。これにより、アクチュエータの小型化、軽量化、コストダウン等を図ることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1は本発明によるエアバイパス通路方式の基本構成図である。アクチュエータはリニアソレノイド式であり、図示の如く、従来の圧力キャンセル機構は設けられていない。さらに、エアバイパス通路の途中に、リニアソレノイドの中心軸の延長線上に位置するハウジングに、吸気管と連通したサブバイパス通路SBPを設け、このサブバイパス通路にその開度を調整するエアバイパスバルブSBPVを設ける。
【0009】
このような構造によれば、エンジンの吸入行程にて発生する吸気管負圧によりバルブが開弁するように、エアバイパスバルブSBPVの閉弁荷重を設定し、ソレノイド等の外力により閉弁荷重を可変させ、スロットルバルブのバイパス空気量をコントロールすることができる。これにより、スロットルバルブが閉じている時のエンジン回転数をコントロールすることができる。
【0010】
本構造の作動として、例えばサージタンクの無い2輪車(2気筒)のエンジンにおいては、吸入行程において、スロットルバルブの下流負圧力が最大となり、他の行程は大気圧に近い圧力という脈動状態を繰り返している。これにより、エアバイパスバルブには、この脈圧が常時印加されていることになる。一方、エンジンにとって空気が必要なのは、この吸気行程つまり吸気管負圧が大きいときであり、本発明では、この負圧力をエアバイパスバルブが開弁する方向に印加されるように構成し、所定の閉弁荷重を与えておき、ソレノイド等により閉弁荷重を必要なだけ増減させることにより、バルブ開口面積をコントロールし、スロットルバルブが閉じている時のエンジン回転数をコントロールする。
【0011】
従って、本発明では、エアバイパスバルブの制御をその開度コントロールではなく、吸気管負圧力を利用した閉弁荷重コントロールとすることにより、従来のようなバイパスバルブの圧力キャンセル機構を廃止することが可能となるため、アクチュエータ自体の体格の縮小及び製造コストの低減を図ることができる。
具体的には、リニアソレノイドのスプリング力をFSPとし、ソレノイドの吸引力をFSOLとし、サブバイパス通路の負圧力をFPとしたとき、
FP>FSP +FSOL
のときは、サブバイパスバルブが上方に押されて開弁することで、サブバイパス通路とエアバイパス通路を経て吸気管負圧力が調整される。一方、
FP<FSP +FSOL
のときは、サブバイパス通路は閉弁し、エアバイパス通路とバイパスバルブSBPVとの間隙を流れる吸気のみとなる。
【0012】
この場合、バイパスバルブSBPVを上下駆動するために、リニアソレノイドへ通電される平均電流はデューティ駆動により制御される。
図2はエンジン回転数(Ne)と吸気管負圧(mmHg)との関係を示すグラフである。スロットルバルブを閉じたアイドリング時なので、エンジン回転数は、1500rpm付近で各行程に従って時間的に変動している。一方、吸気管負圧は、約−150〜約―250 mmHgの間で変化しているが、エンジンの吸気行程で吸気管負圧が最も大きくなるので、時間的には30〜40msで最大の負圧力となる。
【0013】
図3は発生負圧力とバルブドリフトの関係を示すグラフであり、(A)は発生負圧力(FP)の時間的変化を示し、(B)はバルブドリフト(変位)量の時間的変化を示す。(A)において、図2に示したように吸気管負圧力が最大となるのは時間的に30〜40msであるから、この時間帯における発生負圧力が最大となる。従って、(B)に示すように、この時間帯でエアバイパスバルブSBPVのドリフト量(変位量)を最大、即ち、FP>FSP +FSOL となるようにすれば、エアバイパスバルブSBPVは開弁され、サブバイパス通路からエアバイパス通路を経て、エンジンに対して吸気を増大させることができる。
【0014】
なお、(B)において、(a)は全閉荷重が70(gf)時のバルブドリフト量のグラフであり、(b)は全閉荷重が50(gf)時のバルブドリフト量のグラフである。図示のように、(a)の場合では、時間的に20ms付近からバルブドリフトを開始し、30〜40msで最大のドリフト量(約0.5mm)となり、55ms付近で閉弁するように制御する。この場合、開始と閉弁時の発生負圧力FPはいずれも約170〜175(gf)付近の時である。
【0015】
一方、(b)の場合では、時間的に15ms付近からバルブドリフトを開始し、30〜40msで最大のドリフト量(約0.9mm)となり、66ms付近で閉弁するように制御する。この場合、開始と閉弁時の発生負圧力FPはいずれも約150gf付近の時である。
図4は本発明によるエンジン回転数制御装置の一実施形態としての要部構成図である。車載コンピュータ(ECU)は、少なくとも、アイドリング時の設定エンジン回転数と実際のエンジン回転数を比較する比較手段1と、吸気管圧力と発生負圧力に基づいて開弁荷重を制御する開弁荷重制御手段2と、吸気管圧力と発生負圧力と開弁荷重とに基づいてバルブドリフト量を算出し、ドリフト量を時間的に制御するドリフト制御信号を発生するバルブドリフト量算出及び動作制御手段3と、スロットルバルブの全閉信号を受けてアイドル状態を判別するアイドル状態判別手段4と、前記バルブドリフト量算出及び動作制御手段3からのドリフト制御信号に基づいて、リニアソレノイドへ通電される平均電流を制御するアクチュエータ駆動手段5と、で構成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるエアバイパス通路方式の基本構成図である。
【図2】エンジン回転数(Ne)と吸気管負圧(mmHg)との関係を示すグラフである。
【図3】発生負圧力とバルブドリフトの関係を示すグラフであり、(A)は発生負圧力(FP)の時間的変化を示し、(B)はバルブドリフト(変位)量の時間的変化を示すグラフである。
【図4】本発明によるエンジン回転数制御装置の一実施形態としての要部構成図である。
【図5】従来使用されているエアバイパス通路方式の基本構成図である。
【図6】従来使用されているリニアソレノイド式のアクチュエータの模式図である。
【符号の説明】
1…比較手段
2…閉弁荷重制御手段
3…バルブドリフト量算出及び動作制御手段
4…アイドル状態判別手段
5…アクチュエータ駆動手段
FP…負圧力
FSOL…ソレノイド吸引力
FSP…スプリング力
F1…負圧力
F2…ダイヤフラム力
F3…ソレノイド吸引力
F4…スプリング力
Claims (4)
- スロットルバルブの前後をつなぐエアバイパス通路を設け、スロットルバルブの閉弁時に、エアバイパス通路の開度を調整してエンジン回転数を制御するエンジン回転数制御装置において、
前記スロットルバルブの上流側と前記エアバイパス通路を連通するサブバイパス通路を設け、アクチュエータに結合されたバルブにより、前記サブバイパス通路の開度を制御し、前記アクチュエータはリニアソレノイド式であり、前記リニアソレノイドのスプリング力とソレノイド吸引力の和が、前記サブバイパス通路の負圧力より小さいときは前記サブバイパス通路を開弁し、前記リニアソレノイドのスプリング力とソレノイド吸引力の和が、前記サブバイパス通路の負圧力より大きいときは前記サブバイパス通路を閉弁するように、前記リニアソレノイドに流れる電流を制御するエンジン回転数制御装置。 - 前記リニアソレノイドに結合されたバルブの上下ドリフト量は、前記サブバイパス通路の負圧力が最大となる吸気行程で、最大のドリフト量となるように前記リニアソレノイドに流れる電流を制御する請求項1に記載のエンジン回転数制御装置。
- 前記リニアソレノイドに通電される平均電流を制御して閉弁荷重を増減しエアバイパス通路の空気量を制御する請求項1又は2に記載のエンジン回転数制御装置。
- スロットルバルブの前後をつなぐエアバイパス通路を設け、スロットルバルブの閉弁時に、エアバイパス通路の開度を調整してエンジン回転数を制御するエンジン回転数制御装置において、
前記スロットルバルブの上流側と前記エアバイパス通路を連通するサブバイパス通路を設け、アクチュエータに結合されたバルブにより、前記サブバイパス通路の開度を制御し、
少なくとも、アイドリング時の設定エンジン回転数と実際のエンジン回転数を比較する比較手段(1)と、吸気管圧力と発生負圧力に基づいて前記バルブの開弁荷重を制御する開弁荷重制御手段(2)と、吸気管圧力と発生負圧力と開弁荷重とに基づいてバルブドリフト量を算出し、ドリフト量を時間的に制御するドリフト制御信号を発生するバルブドリフト量算出及び動作制御手段(3)と、スロットルバルブの全閉信号を受けてアイドル状態を判別するアイドル状態判別手段(4)と、前記バルブドリフト量算出及び動作制御手段(3)からのドリフト制御信号に基づいてリニアソレノイドへ通電される平均電流を制御するアクチュエータ駆動手段(5)とを含む車載コンピュータ(ECU)を備え、
エンジンの吸入行程にて発生する吸気管負圧により前記バルブが開弁するように、前記バルブの閉弁荷重を設定し、リニアソレノイドにより前記バルブの閉弁荷重を可変させバイパス空気量を制御するようにしたエンジン回転数制御装置。
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