JP4341058B1 - 船舶における摩擦抵抗低減装置における気泡の発生方法 - Google Patents

船舶における摩擦抵抗低減装置における気泡の発生方法 Download PDF

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Abstract

【課題】気泡を自然水流の圧力によって発生させ、より効果的な摩擦抵抗低減を得ることの可能な船舶において、摩擦抵抗低減装置における低圧微小気泡の発生方法を開発・提供する。
【解決手段】船舶の摩擦抵抗低減装置において、船首X付近で吃水線Y以下の位置に設けた取水口1と、船首Xに近い船底Zに設けた噴出口2との中途に、減圧現象を利用して低圧微小気泡を発生させ、これを必要に応じて任意の水深の船底へ加圧することなく送ること、さらに、周囲の水圧環境の影響を受けることなく噴出口2から船外に噴出させて摩擦抵抗低減効果を得ることを可能とする方法であり、従来の装置より簡素で費用対効果が高く、制作・設置費用、さらに空気加圧に必要なエネルギー消費費用、発生させた気泡を船体の所要部位に配分する過程で必要となるエネルギー消費費用などを軽減することである。
【選択図】図1

Description

この発明は、タンカー等大型船舶における摩擦抵抗低減装置における気泡の発生方法に係るものであり、特に、大型船舶運航の際、船体接水面と水との間に発生する摩擦抵抗を低減させるための低圧微細気泡を主として自然水流の圧力で発生させる気泡の発生方法に関するものである。
従来、船舶運航時における船体の接水面と水との間に発生する摩擦抵抗を低減させる気泡発生装置は、気泡が微小であり、かつ高い水圧環境においても容易に発生が可能であることに重点が置かれていた。
例えば、船舶運航時の水抵抗を低減するために,船体壁面に気泡や空気層を介在させる種々の方法が開示されている。例えば、船側部から吹き出させる加圧空気を船速よりも遅い吹き出し速度として船体の斜め後方に向けて吹き出させるようにすると共に、船側部で発生させる微小気泡を船底部で発生させる微小気泡よりも小さい直径にして境界層内に送り込む方法が開示されている。例えば特許文献1、特許文献2のように。
しかしこのような方式では、微罪な気泡を得ることは困難であると共に、実際上は気泡吹き出しによるエネルギー消費が大きくなって実用性がないものであった。そこで、少ないエネルギー消費で摩擦抵抗を低減し、簡単に実施でき、かつ気泡混合率などを容易に調整できるようにし、効果的な摩擦低減を実施できるように、境界層中に気泡混合流体を斜め後方に向けて噴出させる技術が開示されている。例えば、特許文献3のように。
また、大気圧に対する減圧を利用してマイクロバブルを発生させ、船舶の摩擦抵抗低減効果を狙った技術が開示されている。例えば、特許文献4、特許文献5、特許文献6のように。
特開2008−18781号公報 特開平11−227674号公報 特開平07−156859号公報 特開2002−79986号公報 特開2002−68073号公報 特開2002−79985号公報
これらの方法によれば、空気を加圧することなく低圧微小気泡を発生させることが可能となるので、従来の加圧方式に比べて二つの利点が得られる。一つは発生させた低圧微小気泡の膨張性質がわずかであるため、より効率的な摩擦低減効果を生むこと。もう一つはコンプレッサーなどの空気加圧装置を用いないため、より少ないエネルギー消費で気泡発生が可能となり、それに掛かる経費も安価に抑えられることである。とはいえ、上記のような減圧を利用して低圧微小気泡を発生させる方法においても、なお、次のような問題が指摘できる。
それはこれらの低圧微小気泡の発生装置において、低圧微小気泡の発生過程そのものが周囲の水圧の影響を受けて阻害されるために、ある一定の水圧環境より高い水圧環境では気泡が発生しなくなることである。
とりわけ船底の水位が10〜20mにもおよぶタンカー等の大型船舶において摩擦抵抗低減効果を得ようとする場合には、加圧方式と同様にコンプレッサーなどの装置を使用して微小気泡を発生させることが必要になると考えられるため、これらの二つの利点は消えてしまう。
よって、この発明は、これらの上記の課題を解決しようとするものである。
第一の課題は、上記のような摩擦抵抗低減効果にたいして負の性質を持つ高圧バブルを発生させる装置を提供することではなく、船外に噴出された後も、大きく膨張する性質を持たない非膨張性の気泡を自然水流の圧力によって発生させ、より効果的な摩擦抵抗低減を得ることの可能な船舶における摩擦抵抗低減装置における低圧微小気泡の発生方法を開発・提供することにある。
第二の課題は、従来の減圧現象を利用した低圧微小気泡発生方法のように低圧微小気泡の発生過程において水圧の影響を受けて気泡発生が阻害されたり、また、一定の水圧環境下でコンプレッサー等の空気加圧装置を併用して微小気泡を発生させる必要のある方法を提供することではなく、減圧現象を利用して低圧微小気泡を発生させる過程自体から気泡発生を阻害する水圧の影響を取り除き、発生させた低圧微小気泡を必要に応じて任意の水深の船底へ加圧することなく送ること、また、周囲の水圧環境の影響を受けることなく噴出口から船外に噴出させて摩擦抵抗低減効果を得ることを可能とする方法の開発・提供することである。
第三の課題は、従来の船舶における摩擦抵抗低減装置における微小気泡発生装置や送水経路の複雑な構造に対して、より簡素で費用対効果の高い構造を開発・提供し、制作・設置費用、さらに空気加圧に必要なエネルギー消費費用、発生させた気泡を船体の所要部位に配分する過程で必要となるエネルギー消費費用などを軽減することである。
この発明による課題を解決するための手段としては、上記の第一の課題を解決する手段は、低圧微小気泡発生方法における低圧微小気泡発生装置によるものである。この装置は図示するように、大気圧に対して減圧領域を形成する二つの気泡発生部位によって構成されており、この部位において発生した減圧領域を利用して水流中に空気を自然吸引させ、非膨張性質をもった低圧微小気泡を発生させることを特徴としている。
上記の第二の課題を解決する手段は、取水口から噴出口にいたる送水経路の位置構成自体によるものである。
前記第三の課題を解決する手段もまた、取水口から噴出口にいたる送水経路の位置構成自体によるものである。
この発明によると、次の効果がある。
1) 空気加圧によらず、より船舶の摩擦抵抗低減に有効な低圧微小気泡を多量に発生させることが可能である。低圧微小気泡の発生部位に形成された減圧領域から水中に吸引された空気は全く加圧されず低圧状態を保ったまま、瞬時に微小気泡となり、そのまま水流とともに必要な部位に噴出される。この加圧されない低圧微小気泡は、従来の空気加圧装置によって発生した高圧気泡と比較して、水中に放出されても非膨張性を維持し、直径0.1〜0.2mm程度の大きさを保つため、より効果的な摩擦抵抗低減効果を生む。
2) 水圧環境に影響されずに低圧微小気泡を多量発生させることが可能である。また、同時に、それを船舶における任意の水深の噴出口から放出させることが可能である。従来の減圧現象を利用して低圧微小気泡を発生させる装置のように船底下部に低圧微小気泡の発生部位が位置していないため、大型船舶で使用する場合でも、コンプレッサー等の空気加圧装置を併用して耐水圧性質の高圧気泡を作り出す必要がない。
3) 気泡の発生過程と船外への分配過程における費用対効果が高い。この発明の送水経路の位置構成により、航行時に流入してくる自然水流をそのまま水流の動力源として利用可能となる為、水流を加圧する動力をほとんど使用しない。また気泡の発生過程に必要な動力も同じ水流を使用するので、空気加圧装置も必要としない。より少ない消費エネルギーで効果を生み出すことが可能である。
4) 低圧微小気泡発生方法が極めて簡素である。即ち,制作に要する技術は特別なものである必要はなく、費用は従来の公知の気泡発生装置より安価で、しかもメンテナンスにかかる費用も安価である。
この発明の実施に使用する装置の一例を示す一部欠截側面図である。 この発明の実施に使用する装置の一例を示す部分拡大説明図である。 この発明の実施に使用する装置の一例を示す正面図である。 この発明の実施を検証するための実験装置の第一次気泡発生部位、並びに第一次気泡発生部位の一例を示し、(a)は一部欠截斜視図であり、(b)は一部欠截正面図である。 この発明の実施を検証するための実験装置の第一次気泡発生部位、並びに第一次気泡発生部位の他の例を示し、(a)は一部欠截斜視図であり、(b)は一部欠截正面図である。 この発明の実施を検証するための実験装置の一例を示す一部欠截説明図である。 この発明の実施を検証するための実験装置の一例を示す一部欠截説明図である。 この発明の実施を検証するための実験装置のデータを示すクラフ図である。 この発明の実施を検証するための実験装置のデータを測定する測定器の説明図である。
この発明は、船舶の船体のなかに、低圧微小気泡発生のための一本の送水経路を設け、取水口を船首付近の喫水線下に、噴出口を船底部に設け、また、送水経路の中間部の喫水線より上方の位置において低圧微小気泡の発生部位を設けたものである。この低圧微小気泡の発生部位は2ケ所あり、第一次気泡発生部位は、送水経路を形成する送水管の内部に第一空気流入管を横断面が送水管と空気流入管の二本の管によって、狭小な間隙を形成するように連結されて構成され、第二次気泡発生部位は同じく、送水経路を形成する第二空気流入管の内部に、送水管を横断面が空気流入管と送水管の二本の管によって、狭小な間隙を形成するように連結されている。
この発明はこれらの各々の気泡発生部位における狭小な間隙で生ずる減圧領域を利用して、空気流入管から空気を吸引し、送水経路を流れる水流中に吸引混合させることを特徴とした船舶における低圧微小気泡の発生装置であり、送水ポンプは、主に航行の発進時に喫水線下にある取水口から、喫水線上にある気泡発生部位の位置まで水流を供給したり、低速航行時などにおいて補助的に水流の動力として使用することを目的として設けられたものである。
この発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明すると、船舶の摩擦抵抗低減装置において、船首(X)付近で吃水線(Y)以下の位置に設けた取水口(1)と、船首(X)に近い船底(Z)に設けた噴出口(2)を、送水管(3a,3a′)と気水混合送水管(3b)よりなる、切れ目のない1本の管で連結し、前記取水口(1)の後方で取水口(1)と同じ水位の位置に、送水管(3a)の内に送水ポンプ(4)を装着し、その後方の送水管(3a′)は喫水線(Y)付近より上方に位置するように船尾方向へ向かって配管してある送水管(3a′)の船尾よりの位置に、送水管(3a′)よりも両管を内外に重ねた場合、狭い間隔が出来る程の細い太さの第1空気流入管(5a)の先端を水流方向に曲げ、送水管(3a)を貫通させて挿入し、両管が平行になった位置で、第1空気流入管(5a)を先端を切断し、その周辺領域または、位置付近を第1次気泡発生部位(A)とし、次いで、その後方に調整弁(6)を装着し、かつ、送水管と内外に重ねた場合に狭小な間隙が出来る程の太い太さの第2空気流入管(5b)で送水管(3a′)を外側より包むように装着し、両管が平行になった位置で送水管(3a′)を切断し、その周辺領域または位置付近を第2次気泡発生部位(B)とし、第2空気流入管(5b)はその位置以後へそのまま延長した形で、気水混合水流を送るための気水混合送水管(3b)として噴出口(2)に連結し、取水口(1)から流入水は、第1次気泡発生部位(A)と第2次気泡発生部位(B)において発生する大気圧に対する減圧現象を利用し、第1空気流入管(5a)と第2空気流入管(5b)から空気を吸引し、低圧微小気泡を発生させ気水混合送水管(3b)から噴出される気水混合送水流と共に、何らの動力も使用せず噴出口(2)より噴出させることを特徴とする船舶における摩擦抵抗低減装置における気泡の発生方法から構成される。
尚、前記第2空気流入管(5b)に装着する調整弁は、機能的には空気流入増加調整弁である。
次に、この発明の船舶の摩擦抵抗低減方法に使用する装置の各構成および機能を詳述すると、 1) 取水口
取水口(1)の大きさは、船体の機能に支障のない範囲で大量に取水するものが望ましいので、大きい程よい。また、第1次気泡発生部位(A)第2気泡発生部位(B)でゴミなどが詰まらないようフィルターを設ける必要がある。
2) 送水ポンプ
取水の大部分は、船の進行に伴う自然水流を利用するのであるが、最初に船舶が発進する時、又は低速で航行する時に送水ポンプ(4)で取水する必要がある。
3) 低圧微小気泡発生装置
本発明の主たる目的の一つである微小な気泡を必要なだけ発生させる装置であり、図1および図2に示すように、第1次気泡発生部位(A)、第2気泡発生部位(B)を設け、該第1次気泡発生部位(A)は送水管(3a′)内に第1空気流入管(7a)を貫通させて挿入し、適当な長さで切断し、該送水管(3a′)と第1空気流入管(7a)との狭い間隙から噴出する水流により、第1空気流入管(7a)の切断面付近で発生する強力な減圧領域を利用し第1空気流入管(7a)より空気を吸引させ、同時にその位置で低圧微小気泡を発生させ水流と混合させ、第2次気泡発生部位(B)へ送られる。第2次気泡発生部位(B)は第1次気泡発生部位(A)より多少の間隙をおいて送水管(3a′)を切断し、その切断部位を第2空気流入管(5b)で被い、第2空気流入管(5b)と送水管(3a′)との間隙によって送水管の切断面の位置付近に生ずる減圧領域により、第2空気流入管(5b)から吸引させ、同時に気水混合水にさらに気泡を追加発生させて、噴出口(2)へと送られる。その時の第2空気流入管(5b)の上端の流入口に空気調整弁(6)を取り付けて空気の流入量の調節を行う。
4) 噴出口
気泡発生部位(A,B)から送られてくる気水混合水流と末端の噴出口(2)より船底(Z)へ噴出されるが、その位置で噴出力を一層強めるための噴出口(2)部の先端の断面積を縮小する必要がある。縮小程度は状況にもよるが、約1/2程度が適当であろう。
次に、この発明の船舶の摩擦抵抗低減方法に使用する装置の各構成および機能を、より具体的に検証する目的で、模型の試作器を使用した低圧微小気泡の発生テストと水深耐圧テストも試みた。
この発明の大きな目的は船舶の運航の際、船体接水面に低圧微小気泡を発生させて被い、船体接水面で発生する摩擦抵抗を低減させることによって、船体推進に必要なエネルギーの省力化をはかることであるが、とりわけタンカーのような大型船舶において使用する場合では、減圧現象を利用して発生させた低圧微細気泡を任意の水深の船底に送り、周囲の水圧環境を受けないように噴出口から噴出させることが重要な課題となるため、理論的な仮定の整合性のみで課題の解決手段を提示するとすれば根拠は希薄である。よって以下に実験の概要と結果、及び、それにより得られた推論を示す。
図4は、低圧微小気泡の発生テストで用いた試作器を示したものであり、該試作器の気泡発生部位は直径30mm程度の小さな器具であるが、実際の大型船舶の実寸に合わせた寸法に置き換えた場合でも、減圧現象を利用した低圧微小気泡発生の原理が同一であることを特徴としたものである。また、図5で示した気泡発生装置とは二本の空気流入管の位置関係が異なっているが機能は同じである。
図6は、低圧微小気泡の発生テスト1の概略図である。試作器の送水管は水道栓に連結されており、一本の水道栓が水流の動力源となっている。前記テスト1では先端部と一体化している気泡発生部位を水深2cmと60cmの各位置に固定し、低圧微小気泡の発生状態を観察したが、その結果、水深2cmの位置では微小気泡の多量発生が可能であったが、水深60cmの位置で発生不能となった。
この現象は送水管及び空気流入管の先端部周辺で発生した減圧領域に外部の空気が吸引され、さらに水流中に引き込まれて気泡化されていく過程において、空気が水圧の影響を受け、気泡化されなくなったことを示している。この結果から図3及び図4における気泡発生装置を大型船舶の実寸にあわせて実物化し、船底水位(約10〜15M)の水圧環境の位置に装着した場合、たとえ送水管の水流の流速を速くしたとしても気泡発生は不可能になるとの推論が得られた。また,10〜15Mの水深で微小気泡を発生させようとすればコンプレッサーなどの空気加圧装置を使う必要があり、その場合は、非膨張性質をもつ低圧微小気泡は失われることは容易に推測できるのである。これらの推論は、第二の課題と関連を持つものである。
次に、図7に示す試作器を用いて低圧微小気泡の発生テスト2を試みた。この試作器は、前述の図6の試作器の第2空気流入管の先端部のみが4M延長され、図4及び図5の第2空気流入管(5b)の断面積にたいして先端部の断面積が小さくしてあることを特徴としている。試作器の送水管は二本の水道栓に連結されており二本の水道栓を水流の動力源としている。また、水槽の水深は4.5Mである。
この前記テスト2は以下のように行われた。図8に示すように試作器の気泡発生部位は水面上の位置に固定したまま、先端部は水深0.1M、1M、2M、3M、4Mの各位置で垂直に固定し、各々の位置で測定器具を用いて空気の吸引速度を測定した。その結果、図7に示すように水面表層0.1Mを除いて、ほぼ気泡発生量の差は見られなかった。この結果から、先端部を4Mよりさらに深い水深位置に固定しても同様の結果が得られるとの推論が得られた。この推論は第二の課題の解決手段と関連性を持つものである。
尚、水深0.1Mにおける空気吸引における空気吸引速度が他の水深でのそれより速いのは噴出した気泡が水面に近いため、その大部分が水面に直接放出された為と考えられる。
前記テスト2で用いた気泡発生量の測定方法は、図9に示す測定器によるものである。(A)は、空気流入量測定バルーンである。気泡の発生量と測定バルーン内の空気吸引量は等しいはずであるから、この測定器を試作器の、第1空気流入管、第2空気流入管と接続して気泡発生の開始時から測定バルーン内の空気が空になる時までの秒数を計測して毎秒あたりの気泡発生量を計算した。(図8に示すグラフ参照)
この発明の目的は、船舶の航行の際、船体接水面に低圧微細気泡を発生させて摩擦抵抗を低減させることである。このような目的における気泡発生装置の機能としては大量に気泡を発生させる必要である。船底を覆う微小気泡の集合密度が高いほど摩擦抵抗は低減するからである。このような理由から試作器の気泡発生量を測定器具で測定したが、先端部の水深4Mにおける気泡発生量は160cc/sec,また使用水道水の量は800cc/secであった。容積比に換算すると水量:気泡発生量=約5.5:1である。比較基準がないため評価は難しいが、至近距離からの写真撮影から直径0.01mm程度の微小気泡が大量に発生していることは確認できた。試作器の気泡発生機能は非常に効率が良いと判断した。これらの実験結果から低圧微小気泡発生の物理的原理が同一である限りにおいて、試作器を大型船舶の実寸にあわせて実物化しても同様の結果が得られるであろうという推論が得られた。この推論はこの発明の課題を解決するための手段と関連を持つものである。
この発明の船舶における摩擦抵抗低減装置におけるバブルの発生方法の技術を確立し、実施することにより、産業上利用できるものである。
1 取水口
2 噴出口
3a 送水管
3a′送水管
3b 気水混合送水管
4 送水ポンプ
5a 第1空気流入管
5b 第2空気流入管
6 調整弁
7 空気流入口
7a 第1空気流入口
7b 第2空気流入口
A 第1次気泡発生部位
B 第2次気泡発生部位
X 船首
Y 吃水線
Z 船底

Claims (1)

  1. 船舶の摩擦抵抗低減装置において、
    船首付近で吃水線以下の位置に設け、船の進行に伴う自然水流を受入れる取水口と、 船首に近い船底に設けた噴出口を、
    送水管と気水混合送水管よりなる、切れ目のない1本の管で連結し、
    前記取水口の後方で取水口と同じ水位の位置に、送水管の内に送水ポンプを装着し、
    その後方の送水管は吃水線付近より上方に位置するように船尾方向へ向かって配管してある送水管の船尾よりの位置に、
    送水管よりも両管を内外に重ねた場合、狭い間隙が出来る程の細い太さの第1空気流入管の先端を水流方向に曲げ、送水管を貫通させて挿入し、
    両管が平行になった位置で、第1空気流入管の先端を切断し、
    その周辺領域、または、位置付近を第1次気泡発生部位とし、
    次いで、その後方に調整弁を装着し、かつ送水管と内外に重ねた場合に狭小な間隙が出来る程の太い太さの第2空気流入管で送水管を外側より包むように装着し、
    両管が平行になった位置で送水管を切断し、その周辺領域、または位置付近を第2次気泡発生部位とし、
    第2空気流入管はその位置以後へそのまま延長した形で、気水混合水流を送るための気水混合送水管として噴出口に連結し、
    取水口からの流入水は、第1次気泡発生部位と第2次気泡発生部位において発生する大気圧に対する減圧現象を利用し、第1空気流入管と第2空気流入管から空気を吸引し、
    低圧微小気泡を発生させ気水混合送水管から噴出される気水混合水流と共に、
    噴出口より噴出させることを特徴とする
    船舶における摩擦抵抗低減装置における気泡の発生方法。
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