JP4339682B2 - 逆流防止バルブ - Google Patents

Description

本発明はカテーテル、ニードルまたは何らかの他タイプの注入器具に取り付け得るバルブであって、逆流阻止のための特殊形状を有するものを目指している。本発明は特にニードルフリー静脈接近システム内で使用するためのニードルフリー接近バルブを目指している。

ニードルフリー接近バルブはバルブがニードルレス注射器を使用して開かれ得るものである。ニードルレス注射器は注射器の前部が誘導テーパーまたは誘導ロックのみを有するようにニードルが取り除かれた注射器である。そのようなバルブは知られているが多数の不具合を蒙るものである。

典型的な知られているバルブは２個の筒状コンテナーからなるボデーを備えている。ひとつのコンテナーは管状の開口を持ちその中に誘導テーパーが押し込まれ得る。他方のコンテナーはルアーロックで充満された管状開口を持ちバルブが各種の医療器具に取り付けられることを許容している。流体は注射器プランジャーが加圧されると同時に誘導テーパーを通して流れかつバルブを通して流れる。このバルブは円形バルブデイスクを持ち、このバルブデイスクは流体の圧力により押圧開放され得る。流体圧力が停止すると、このバルブはその閉位置へ復帰する。このタイプの配列は全く従来型である。この配列のひとつの不具合はバルブ設計のせいで高いレベルの液流がしばしば得られないことである。これは、バルブそれ自体がソリッドでありかつ流体がバルブ開放時にバルブエッジ周りのみを流れ得るからである。別の不具合はバルブ入口部分周りの消毒が不足することである。

多くの現存する一方向バルブでの重大な不具合は流体がボデーキャビテイーまたはニードルなどが貫通しているボデーからバルブ内へ逆流し得ることである。これは汚染および潜在的な健康障害を来す。殆どのバルブは通常バルブを閉位置へ復帰付勢するある形のばねまたは付勢手段を備えている。従って、もし一方向バルブ（例えばニードルフリー接近バルブ）を備えることができれば大きい利点となり、そこではバルブが取り付けられている注射器（または他の器具）の取り外しまたは引込みと同時に起こる逆流が全くまたは殆ど発生しない。

従来型バルブの他の不具合は、製造コスト、バルブを構成する比較的多数の構成要素、バルブの大量生産の困難性である。

発明の目的

本発明の目的は、医療分野における使用のためのバルブアセンブリーを提供し、かつボデーキャビテイーからバルブアセンブリー内への逆流の発生を減しまたは完全に阻止し得るようにすることを目的としている。

本発明の更なる目的は、上述の不具合を少なくとも部分的に克服するバルブアセンブリーを提供し、または大衆に便利なまたは経済的な選択肢を提供することである。

ひとつの形態において、本発明はバルブアセンブリーであって：
１．入口および出口と、
２．入口から出口へバルブアセンブリーを通して延びる流路と、
３．プランジャーであって流路内に配置されかつ流体が入口から出口へ流れ得る前方開放位置と、流体の入口から出口への流れが阻止される引込められた閉鎖位置との間で可動であり、前方部分を有するプランジャーと、
４．少なくとも部分的に弾力性のあるソックスであってバルブアセンブリーに固着されたアウターエンド、およびプランジャーに噛み合わされたインナー部分を備えてプランジャーの引込み位置から前方位置への往復運動がソックスの少なくとも一部の伸長を起すように構成されたソックスと、および
５．プランジャーとソックスにより区画された壁を有する可変容量チャンバーとを包含し、チャンバーが流路の一部を形成し、チャンバーはプランジャーが引込められた位置にある時により小さいまたはゼロの体積を持ち、かつプランジャーが突出位置にある時により大きい体積を持ち、これによりプランジャーの引込みと同時に、可変容量チャンバーの体積が減少して、流路を通して流体を出口へと送るポンプ動作を起し、このようにして逆流を減しまたは阻止するようにしている。

この配列を用いて、この装置は注射器（または他の器具）に装着可能であり、ニードル、カテーテルまたはボデー注入器具がこの装置に取り付けられ得る。注射器の内蔵物はプランジャーを前方（開放）位置へ押すことにより装置から体内へ通される。プランジャーが前方位置へ動くに連れて、プランジャーはソックスの少なくとも一部を延ばしかつ可変容量チャンバーはより大きい体積を採る。しかしながらひとたび注射器が取り外され、または引込められると、ソックスはその初期位置へ引込み、プランジャーを閉位置へ押し戻しかつ同時に可変容量チャンバーを収縮させる。この収縮は装置内に正圧を起こし、これは逆流が発生しないことを意味している。確かに、この正圧がプランジャーの引込みと同時に装置内の幾らかの残留流体を、出口を通して少なくとも部分的に“圧送”するのに充分であることが見出されている。これはプランジャーの引込みまたはバルブの閉鎖が出口を通してバルブ装置内への流体の逆流をしばしば許容する知られている器具とは正反対である。

バルブアセンブリーは互いに取り付けられている２つの部分からなるアウターボデーを備えている。この２つの部分はトップ部分およびベース部分を包含し得る。このトップ部分は実質的に中空でありかつ好適にはより小さい直径または断面のアウター通路、およびより大きい直径または断面のインナー通路を包含し、インナー通路は内側チャンバーの一部を形成している。アウター通路は流体ポートを包含している長手スロットまたは凹部を備え、その理由は以下に詳述されるであろう。ベース部分は実質的に中空であり、かつより小さい直径または断面のアウター通路、およびより大きい直径または断面のインナー通路を包含し、トップ部分によっても区画されている内側チャンバーの一部を形成している。このようにして、２個の部分が取り付けられると、実質的に中央の内側チャンバーが提供される。ベース部分のアウター通路は出口のニードルなどへの取付けを許容するための連結装置により囲まれ得る。

この装置は流路を備え、この流路はバルブアセンブリーを貫通して入口から出口へ、かつ典型的には上述の中央内側チャンバーを通して延びている。

この装置はプランジャーを有している。このプランジャーはプランジャーがより出口側へ動く前方開位置と、プランジャーがより入口側へ向かう引込められた閉位置との間で可動である。プランジャーは典型的には２位置の間で摺動または往復する。

プランジャーは典型的には突出したノーズ部分である前方部分を備えている。好適には、プランジャーはリヤーボデー部分をも備えている。ノーズ部分とボデー部分は一体に形成され得る。プランジャーは好適には少なくとも部分的に貫通して延びる流体流路を備えている。流体流路はノーズ部分を通して延びる内側流れ通路を包含し、これはノーズ部分が開放アウター端部を持ち得ることを意味している。好適には、内側流通路はリヤーボデー部分内の横向き貫通孔を包含して、流体が貫通孔とノーズ部分を通して延びる流れ通路とを通過し得るようにされている。

プランジャーのリヤーボデー部分は典型的にはバルブアセンブリーのトップ部分内のアウター通路を実質的に満たすように輪郭と寸法が定められている。好適には、リヤーボデー部分はバルブアセンブリーのトップ部分の端部と実質的に同一面となる端面を備え、これはこの領域の清掃を極めて容易にする。リヤーボデー部分は典型的には端面近傍のリヤーボデー周りに延びるシール面を備え、このシール面はアウター通路の内側壁をシールする。

プランジャーは弾力性のあるソックスと噛み合う噛合い手段であり得る。噛合い手段はプランジャー上の環状のステップまたはショルダー部分を包含し、かつプランジャーの前進と同時に弾力性のあるソックスを掴みまたは弾力性のあるソックスに噛み合う。代わりに、プランジャーはソックスに対向して押すことができる。

この装置は少なくとも部分的に弾力性のあるソックスを有する。このソックスはよい記憶性を有するゴム状の弾力性のある材料で形成され得る。本発明の一形態において、ソックスは分離構成要素として形成され得る。この弾力性のあるソックスは実質的に円形のベース部分と伸長筒状壁部分とを包含し得る。ベース部分と壁部分は一体に形成され得る。壁部分は実質的にプランジャーのノーズ部分周りに突出する。ベース部分はバルブアセンブリー内における動きに対して保持される周エッジを備え得る。好適には、周エッジはまたシールエッジを包含する。好ましくは、ベース部分はエラストマー状でありかつ従ってプランジャーの前進と同時に引き延ばされ得る。好ましくは、筒状壁部分は圧縮可能であるかまたは収縮を許容する他の輪郭、例えば壁部分が制御された方法での屈従が許容される輪郭とされる。壁部分は外周凹部を備え、これらの凹部が壁部分の制御された屈従を許容する領域を提供している。筒状壁部分の端部はシールリップまたはシールビードを備え、これはバルブアセンブリーのベース部分に対してシールする。

代わりに、ソックスは筒状壁部分を持たない実質的にデイスク状輪郭部を備え得る。この実施例においては、ソックスは上述と同様な方法でバルブアセンブリーに対して取り付けられる。このソックスは典型的には中央開口である内側開口を備え、その開口を通して典型的にはプランジャーのノーズ部分であるプランジャーの一部が通過し得る。もし所望されるならば、プランジャーは内側開口の壁を掴む環状凹部を備え得る。この配列により、プランジャーはシールを備え得る。

本発明の実施例が以下の図面に関連して記述されるであろう。

まず図１において、そこにはバルブアセンブリーが示されており、そのバルブアセンブリーは入口１０および出口１１と、入口１０から出口１１へバルブアセンブリーを通して延びる流路と、プランジャー１２であって流路内に配置されかつ図３内に図示されている前方開放位置と図２に図示されている引込められた閉鎖位置との往復運動可能であり、上記プランジャーは伸長前方ノーズ部分１３を備えており、少なくともプランジャー１２のノーズ部分１３周りに部分的に突設されている弾力性のあるソックスと、プランジャーをソックスに噛み合わせる噛合い手段１５と、および可変容量チャンバー１６とを包含し、この可変容量チャンバーは図３内に最もよく示されており（ここではチャンバーは最大体積である）、しかし図２内でも視認可能である（ここではチャンバーは最小または殆どゼロの体積である）。

これらの部分に関してより詳細には、実施例内のバルブアセンブリーは互いに取り付けられている２つの部分からなるアウターボデーを包含し、これらの２つの部分はトップ部分１７およびベース部分１８である。これらの部分はプラスチック材料で形成されておりかつ何らかの好適な方法で接合されている。トップ部分１７は図１内に最もよく示されておりかつ実質的に中空である。トップ部分１７は円形でかつより小さい直径を有するアウター通路１９、およびこれも円形でかつ実質的により大きい直径を有するインナー通路２１を包含している。同様に、ベース部分１８はアウター通路２２より実質的に大きい直径を有するインナー通路２１を備えている。これらの２つの部分が図２および図３内に図示されているように接合されると、２個のより大きい直径の通路が内側通路２３を形成する。アウター通路２２は出口１１で終り、一方アウター通路１９は入り口１０で終っている。

トップ部分１７内のアウター通路１９は複数の長手方向の端部開放の流体ポート２４を備えている。ポート２４はアウター通路１９の壁内の凹部を包含しておりかつ端部が開放しており、このことはポートがチャンバー１６と連通していることを意味している。むしろ、ポートは壁に沿い途中で跡絶えていてスムーズ壁部分２５がポート２４の端部と入口１０との間で延びている。この理由は以下に詳述されるであろう。

ベース部分１８は通路２２周りに延びる標準的なルアーロック取付具２６を備え、これはニードルなどがアセンブリーのこのポートに対して取り付けられるように機能する。もちろん、他のタイプの取付具も使用可能である。

インナー通路２１はインナー通路２０よりも小さい直径を有する。このようにして、通路２１の壁２７はインナー通路２０内に通り、これは図２内に最もよく示されている。更に、壁２７はトップ部分１７の壁２８から幾らか離れるように長さが定められている（図２参照）。この間隔は弾力性のあるソックスの取付けを容易にし、このことは以下に詳述されるであろう。

プランジャー１２はプラスチック材料により形成され、かつ一体ボデーを包含している。このプランジャーはノーズ部分１３およびリヤーボデー部分２９を提供する特別な輪郭を備えている。ノーズ部分１３は僅かにテーパーが付けられ、かつ開放アウター端部３１を通る貫通通路３０を持ち、流体がバルブアセンブリーを通して流れることを許容するように機能する。ボデー部分２９は流体が通過し得る横向き貫通孔３２を備えている。ボデー部分２９はシール領域またはカラー３５付きの実質的に筒状の外壁を備えている。これはまた端壁２５内の流体ポート２４が入口１０の手前で終りシール領域３６として機能するスムーズ領域を提供するからである。このようにして、プランジャーが図２内に示されている閉位置にある時、シールカラー３５がシール領域３６に対してシールして液流に対するシールを提供する。

プランジャー１２が図２内に示されている位置から図３および図４内に示されている位置へ前方へ押されるとプランジャーが数ｍｍだけのみ動き、しかしこの動きはカラー３５をシール領域３６から離れて流れポート２４の領域へ動かし、かつ流体がボデー部分２９の外壁に沿い、流れポート２４を通り、孔３２と通路３０を通して出口１１へと通過することを許容するのに充分である。逆に、プランジャーが図３内に示された位置から図２内に示された位置へ引込められるとプランジャーは再び入口１０から出口１１への通過に対してシールする。

流体はカラー３５が流れポート２４の最外端を通過して流れポート２４が開かれた時のみに流れる。他の全ての期間には内壁２５とカラー３５との間のシールが保持される。

プランジャーは弾力性のあるソックス１４により引込められた位置へ付勢されており、弾力性のあるソックスは追加の機能をも提供する。弾力性のあるソックス１４は優れた記憶性を有するゴム状の弾力性のある材料により作られている。この弾力性のあるソックスは円形ベース部分３９および伸長筒状壁部分４０を備えている。この弾力性のあるソックスは、休止位置にある時には、図１内に示されている輪郭を呈している。ベース部分は引き延ばし得るおよびエラストマー状材料により作られている。このベース部分は周エッジ４１を備えており、この周エッジは周エッジ直近のベース部分の厚さより厚くされている。

図２はソックスの装置への取付けを図示しかつ如何に厚くされた周エッジ４１がベース部分１８の壁２７とトップ部分１７の内壁との間に捕獲されているかを示している。周エッジと筒状壁部分４０の間のベース部分領域は極めて弾力性があり、且つ、伸ばし得る。周エッジ４１はまた装置内の流体通路のシールの機能を果たす。筒状壁部分４０のアウター端部は環状シールリップ４５を備えており、このシールリップはベース部分１８内に形成された環状凹部４６内に適合している。

プランジャー１２は噛合い手段１５を備えており、この噛合い手段はノーズ部分１３のベースから突出した環状ショルダーを包含している。この環状ショルダーはベース部分３９に背後から着座しており、これは図２内に最もよく示されている。このようにして、プランジャー１２が前方へ図２内に示されている位置から図３内に示されている位置へと押されると、噛合い手段１５はベース部分３９を前方へ押すであろう。周エッジ４１は所定位置に捕獲されているので、ベース部分は伸び始め、これは図３内に最もよく示されている。これが起こるに連れて、チャンバー１６（可変容量チャンバーと呼ばれている）は、図２内に最もよく示されている非常に小さいまたは体積ゼロから、図３および図４内に最もよく示されているより大きい体積へと拡大する。このチャンバー１６は流体流路の一部を形成し、これは流体がチャンバー１６を満たしまたは少なくとも部分的に満たし得ることを意味している。もちろん、注射器チップ（これはプランジャーを前方へ押す）が装置から取り外されると同時に、プランジャーは引張られたベース部分３９がその休止位置へ縮み戻されることによって引込められた位置へ引き戻される。この動作はチャンバー１６の体積を減しかつチャンバー内の幾らかの流体を通路３０および出口１１を通して“ポンプ排出”または絞り出す。

ソックスはプランジャー１２が引込められた閉位置にある時、ソックス内に依然としてプランジャーを引込み位置へ保つ張力が残るように設計されている。

ソックスの筒状壁部分４０は間隔を隔てた外周溝４３の配列を備え、これは図１および図２内に最もよく図示されている。これらの溝は筒状壁部分４０の図２内に示されている実質的に非屈従位置から、図３内に示されている屈従位置への屈従（バックリング）制御を容易にする。このバックリングはベース部分３９の伸びを補足する。筒状壁部分（ソックスステムとも呼ばれている）は自然状態および図２内に示されている位置へ戻る記憶を備えている。このようにして、壁部分が図３内に示されている屈従位置を占めている時、壁部分は注射器（または他のタイプの器具）が入口１０から除去されるやいなやプランジャーを押し戻すことをも助ける。

図４において、プランジャー１２が全開位置にあると、プランジャーノーズは環状シールリップ４５に対してシールする。

図５−７は本発明の別の実施例を示しており、主な相違点はプランジャー上の弾力性のあるソックスの輪郭である。同様部分には同様符号が付されている。

この実施例においては、プランジャー４７は上述のプランジャーと同様であるが、例外はノーズ部分４８がＯリング４９を包含し、このＯリングがアウター通路２２の内側壁と摺動係合しており、これにより流体がノーズ部分４８の外壁に沿って流れることを阻止している。プランジャーはデイスク形の弾力性のあるソックス５１を支持しており、かつ筒状部分が無い点で上述の弾力性のあるソックスと相違している。ソックス５１は再び外周厚肉シールエッジ５２を備え、これは図６および図７内に図示されているようにバルブハウジング内に捕獲されている。

プランジャー４７が、図６内に示されている引込み位置から、図７内に示されている伸長位置へ動くと、この動きは弾力性のあるソックス５１に伸びを起す。この伸び動作は可変容量チャンバー１６の体積を増す。注射器チップ（図示されていない）または他の同様な器具が入口１０から除去されると、プランジャー４７は引き伸ばされたソックスにより提供される付勢力により図６内に示されている閉位置へ引込められるであろう。更に、ソックスの当初位置への収縮復帰はチャンバー１６の体積を減し、これは逆流を阻止する積極的な圧力を提供する。更なるＯリング５５がプランジャー４７のアウターエッジ上に配置されている。

各実施例において、空気小通路５６が備えられてソックスの収縮と同時にチャンバー２３内への空気の通過を許容しかつソックスの伸長と同時にチャンバー２３からの空気の通過を許容している。

バルブアセンブリーはチャンバー１６内に積極的圧力を保持することにより流体の逆流を阻止している。

図８および９においてそこにはバルブアセンブリーに装着され得るアンチサイフォン手段が図示されており、これはオーストラリヤ特許第７３６３２６号内に記述されており、その明細書は関連資料としてここに取り込まれている。この実施例においては、一般にアンチサイフォン手段は２つの部分ハウジングの一方であるボトムケーシング６９内に適合しているスリーブ６４を包含している。スリーブ６４は、弾力性のある材料、またはスリーブが開放フィンガー７４に接触する領域内で弾力性のある材料、によって形成され得る。好適には、スリーブはサントプレンまたは同様な材料により形成される。スリーブ６４は皿形７５のインナー部分および筒形のアウター部分６９とを備え、アウター部分は栓７１の内側壁に沿って延び、かつ小リップ７２で終り、この小リップはスリーブを所定位置に保持するために栓７１の前端を越えて突出している。スリーブのインナー部分７５はボトムケーシング６９の最も内側の環状ランド部分６５に対してシールされている。このようにして、スリーブはボトムケーシング６９がトップケーシング６２に対して取り付けられる前にボトムケーシング６９内に配置される。環状厚肉小部分６６がスリーブ上に備えられており、そこに皿形部分７５が結合しまたはアウター部分６９の一部になる。好適には、スリーブ全体は単一材料片により形成される。

スリーブは本来は図８内に示されている位置を採るように設計されており、そこではスリーブはフィンガー７４に対して衝合し、またはフィンガーから僅かに離れている。この位置において、スリーブは流体通路をチャンバー６７の残部から隔離する。バルブ部材６１が前方へ押されると、この配列は図９内に示されている位置を採る。バルブ部材が前方へ押されるに連れて、バルブ部材はフィンガー７４を変形させまたはフィンガーを離すように押す。フィンガー７４は次にスリーブ６４をチャンバー６７内へ押し戻し／引き延ばす。この動きはチャンバー６７内の空気の排気小開口６８を通してのチャンバーからの排出を起す。図８および図９内に示されている特殊実施例における排気口６８はチャンバー６７と出口７３の間に延びている。特に、排気口６８は内側通路内のチャンバー６７とねじ７０の間を通過している。この位置に排気口を有することの利点は排気口がバルブアセンブリーの外面の如何なる清掃／払拭によっても詰まらされないことである。もちろん、排気口６８はバルブアセンブリーの便利な如何なる外側部分へチャンバー６７から空気を排出することが可能である。

バルブ部材（プランジャー）６１が前方へ押された時、流体はいまや入口６０から出口７３へと流通可能である。バルブ部材６１が図９内に示された位置から図８内に示された位置へ押し戻されると、引張られたスリーブ６４は図８内に示された位置へ収縮復帰し、かつフィンガー７４／バルブ部材６１に対して衝合しまたは僅かな間隔を隔てる。これが起こると、空気は排気口６８を通してチャンバー６７内に入り圧力を均等化する。このようにして、空気は排気口７６を通過し、かつ出口１６を通過することはない。これによる効果はバルブ部材６１が引込められるに連れて、空気は好適に排気口６８を通してチャンバー６７内に動くので流体は出口７３を通して吸い戻されない。この理由は出口７３が通常ある形のニードルアセンブリーまたはボデー近接手段に接続されかつ出口７３を通して流体を吸い戻すことが遥かに困難であり、それから空気を排気口６８に通過させるからである。このようにして、この配列はアンチサイフォン手段として機能して体液（例えば血液）がバルブアセンブリー内へ吸い戻されることを阻止する。

この配列の別の利点はスリーブ６４のお陰で汚染されている可能性のある空気がバルブアセンブリーの流体流路から分離状態に保たれることである。

評価されるべきことは、本発明の精神および範囲から離れることなく本発明に対して各種の他の変更および修正がなされ得ることである。

図１はバルブ装置の各種構成要素の展開断面を示している。 図２はプランジャーが引込み位置にある閉位置のバルブを示している。 図３はプランジャーが前方位置へ動いた部分開放位置のバルブを示している。 図４は全開位置にあるバルブを示している。 図５は筒状部分を包含していない僅かに異なるソックス配置を有する第２実施例を示している。 図６はプランジャーが引込み閉位置にありかつソックスが実質的に非引張りモードにある図５のバルブアセンブリーを示している。 図７はプランジャーが前方開放位置へ押されかつ弾力性のあるソックスが引張られている図６のバルブアセンブリーを示している。 図８はプランジャーが閉位置にある本発明の第３実施例を示している。 図９は開位置にある図８の発明を示している。

Claims (14)

1. 注射装置で用いる逆流防止バルブであって、
   上記バルブが、
   入口（１０）と出口（１１）と、
   入口から出口へバルブを通って伸びている第１流路と、
   プランジャー（１２）であって、上記第１流路内に配置され、且つ、流体が入口から出口へ流れ得る前方開放位置と、流体の入口から出口への流れが阻止される引込み閉鎖位置と、の間で可動であり、且つ、該プランジャーを通って又は該プランジャーに沿って、少なくとも部分的に伸びている液体第２流路（３０）を有しており、且つ、前方部分を有している、プランジャーと、
   少なくとも部分的に弾力性のあるソックス（１４）であって、バルブに固着されたアウターエンド（４１）と、プランジャーに噛み合わされたインナー部分（４５）と、を有しており、これによって、プランジャーの引込み閉鎖位置から前方開放位置への往復運動がソックスの少なくとも一部を伸長するようになっている、ソックスと、
   プランジャーとソックスとによって区画される壁を有する可変容量チャンバー（１６）と、
   を包含しており、
   チャンバーが、上記第１流路の一部を形成し、チャンバーはプランジャーが引込み閉鎖位置にある時により小さいまたはゼロの体積を持ち、且つ、プランジャーが伸長された位置にある時により大きい体積を持つようになっており、これによってプランジャーの引込みと同時に可変容量チャンバーの体積が減少して、流体を、第２流路を通して出口へと送るポンプ動作を起し、これによって逆流を減しまたは阻止するようにした、逆流防止バルブ。
2. バルブが、互いに取り付けられる２つの部分で形成されているアウターボデーを備えている、請求項１の逆流防止バルブ。
3. ２つの部分の一つが、より小さい直径または断面のアウター通路（１９）と、より大きい直径または断面のインナー通路（２０）と、を有するトップ部分（１７）を包含し、インナー通路が内側チャンバーの一部を形成している、請求項２の逆流防止バルブ。
4. アウター通路が、流体ポートを包含する少なくとも１個の長手方向スロットまたは凹部（２４）を備えている、請求項３の逆流防止バルブ。
5. ２つの部分の他方が、より小さい直径または断面のアウター通路と、より大きい断面または直径のインナー通路を有するベース部分と、を包含しており、且つ、このベース部分もトップ部分により区画された内側チャンバーの一部を形成している、請求項３の逆流防止バルブ。
6. 入口から出口へバルブを通して延びかつ内側チャンバーの中央部を通して延びる流体第３流路（２４）を有する、請求項５の逆流防止バルブ。
7. プランジャーが、弾力性のあるソックスと噛み合うための噛合い手段を有する、請求項１の逆流防止バルブ。
8. 噛合い手段が、プランジャー上の環状ステップまたはショルダー部分を包含し、これがプランジャーの前進と同時に弾力性のあるソックスを掴みまたは噛み合う、請求項７の逆流防止バルブ。
9. ソックスが、実質的な円形ベース部分（３９）と、伸長筒状壁部分（４０）と、を有する請求項１の逆流防止バルブ。
10. プランジャーが、伸長前方ノーズ部分（１３）を有しており、且つ、ソックスの壁部分（４０）が、プランジャーの前方ノーズ部分の実質的に周りに延びている、請求項９の逆流防止バルブ。
11. 円形ベース部分が、周エッジ（４１）を有しており、該周エッジが、バルブアセンブリー内でのプランジャーの動きに対抗して動かないように、保持されている、請求項１０の逆流防止バルブ。
12. 筒状壁部分が、圧縮可能なものであって、例えば、制御された方法によって壁部分を縮ませることができるようにすることによって、長さを短くできるように構成されているものを含んでいる、請求項１１の逆流防止バルブ。
13. ソックスが、実質的にデイスク状輪郭を備えている、請求項１の逆流防止バルブ。
14. ソックスが、バルブに取り付けられるアウター周エッジおよびプランジャーの前方部分が通過し得る典型的には中央開口である内側開口を備えている、請求項１３の逆流防止バルブ。

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