JP4338956B2 - 酸化物焼結体、n型熱電変換材料及びそれを用いた熱電変換素子 - Google Patents

酸化物焼結体、n型熱電変換材料及びそれを用いた熱電変換素子 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、良電気伝導性で、高い熱起電力を持つ酸化物焼結体、n型熱電変換材料及びそれを用いた熱電変換素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱電発電は、熱電効果を利用して熱エネルギーを直接電力に変換する技術であり、可動部がなく安定性に優れるため、この技術は体温で作動する腕時計や僻地用電源、宇宙用電源、軍事用電源等として一部で実用化されている。
【0003】
しかし、これまでに用いられてきたPbTe系やBi2Te3系等の熱電変換材料は、Te等の高価な元素や、Pb等の有毒な元素を用いるため、発電用の材料としては、価格と毒性の点に問題があった。
【0004】
そこで、近年、上記問題点を改良した熱電変換材料として、毒性が少なく、価格の安い元素からなるNaを含む層状ペロブスカイト型酸化物で、高い熱電性能を持つ材料が開示されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。
【0005】
しかし、このNa系の複合酸化物は、いずれもp型の熱電変換材料であるため、安全で化学的に安定な酸化物を用いた熱電変換素子の実現のためには、n型の熱電変換材料と組み合わせて用いることが必要とされた。
【0006】
n型の熱電変換材料としては、例えば、Nd2CuO4にZrをドープした複合酸化物及び酸化インジウムにマンガンを含有させた複合酸化物等が開示されている(例えば、特許文献3及び特許文献4参照。)。
【0007】
しかし、これらの複合酸化物は、いずれも熱電性能に難点があり、熱電変換材料として使用するには性能的に不十分であったため、より高性能のn型熱電変換材料が求められていた。
【0008】
この求めに応じ、In及びZnを主体とする複合酸化物が、高い電気伝導性と負の高熱起電力を併せ持ち、n型熱電変換材料として優れた特性を有することが報告されている(特許文献5参照。)。
また、本発明者等も、この複合酸化物のIn/Zn比よりも、Inの割合がより多い領域において、優れた熱電性能を示す複合酸化物からなるn型熱電変換材料を見出し、先に出願している(特許文献6参照。)。
【0009】
【特許文献1】
特開平9−321346号公報
【特許文献2】
特開平10−256612号公報
【特許文献3】
特開2000−012914号公報
【特許文献4】
特開平7−231122号公報
【特許文献5】
特開2000−012915号公報
【特許文献6】
特願2002−074446号
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
このようなIn及びZnを主体とする複合酸化物において、これを熱電変換材料として用いるために、その熱電性能をさらに改良することが望まれていた。
【0011】
本発明は、良電気伝導性で、高熱起電力を持つ酸化物焼結体、n型熱電変換材料及びそれを用いた熱電変換素子を提供することを目的とする。
【0012】
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、In、Zn及びCeを主体とする酸化物焼結体が、より高い電気伝導性と負の高熱起電力を併せ持ち、n型熱電変換材料として優れた特性を有することを見い出した。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の第一の態様によれば、(ZnO)In(mは、1〜19の整数である。)で表される六方晶層状化合物及びCeを含有する酸化物焼結体が提供される。
【0014】
本発明の第二の態様によれば、上記の酸化物焼結体からなるn型熱電変換材料が提供される。
【0015】
本発明の第三の態様によれば、上記の熱電変換材料を用いてなる熱電変換素子が提供される。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の酸化物焼結体は、In、Zn及びCeを主体とする複合酸化物であり、(ZnO)In(mは、1〜19の整数である。)で表される六方晶層状化合物及びCeを含有し、好ましくは、さらに、酸化インジウムを含有する。
(ZnO)Inのmは、1〜19であり、好ましくは、1〜9であり、より好ましくは、1〜4である。この範囲外では、電気伝導性が低下し、熱変換材料として適さない場合がある。
Ceの割合は、In及びZnの合計を1としたとき、好ましくは、0<Ce<0.25であり、より好ましくは、0<Ce<0.15である。この範囲外では、電気伝導性が低くなる場合がある。
InとZnの原子数の比は、好ましくは、In:Zn=1:0.1〜1:5であり、より好ましくは、In:Zn=1:0.1〜1:2.5である。この範囲外では、電気伝導性又は熱電能が小さくなる場合がある。
【0017】
これら各種組成の複合酸化物は、必要な元素源を含む原料を、粉末等として均一に混合し、焼成することにより得られる。
複合酸化物を製造するに際して用いられる原料としては、各成分元素、各成分元素の酸化物又はその焼成時に酸化物となる原料が使用できる。
In源としては、例えば、金属(In)、酸化物(In23)、水酸化物[In(OH)3]、硝酸塩[In(NO3)3]等が用いられ、Zn源としては、例えば、金属(Zn)、酸化物(ZnO)、水酸化物[(Zn(OH)2)]、硝酸塩[Zn(NO3)2]等が用いられ、Ce源としては、例えば、金属(Ce)、酸化物(CeO)、炭酸化物[Ce(CO・8HO]、硝酸塩[Ce(NO・6HO]等が用いられる。
また、複合酸化物を製造する際には、他の希土類やイットリウム等の元素源を含む原料を、さらに混合することができる。
【0018】
本発明の酸化物焼結体は、電気伝導性が高く、かつ、負の大きな熱起電力を持っているため、熱電発電の性能の指標であるPF出力因子(電気伝導度×熱電能の二乗)が高く、特に高い酸化物焼結体は、室温においても、約1μW/K2cm以上の値を示す。
尚、一般に、熱起電力の絶対値の大きさと電気伝導度とは負の相関関係にあり、電気伝導度が上がると熱起電力の絶対値は低下してしまうが、本発明の酸化物焼結体では、In、Zn及びCeを主体としているため、従来の複合酸化物に比べ、熱起電力の絶対値と電気伝導度とを共に上昇させるか、又は熱起電力の絶対値の低下を抑制することができる。
【0019】
本発明の酸化物焼結体は、その高い電気伝導性から、熱電変換材料として好適である。また、この酸化物焼結体は、熱電変換材料のみならず、電極等の高電気伝導性が要求される用途にも好適である。さらに、この酸化物焼結体は、1,000K以上の高温度においても熱電性能が低下しないため、高温での使用にも適している。このように、本発明の酸化物焼結体は、良電気伝導性の酸化物材料として有用である。
【0020】
本発明の熱電変換素子は、上記の酸化物焼結体を熱電変換材料として用いた熱電変換素子であり、熱電変換材料をn型熱電変換材料として用いる。それ以外の他の構成部分は、公知の材料で構成できる。例えば、n型熱電変換材料と併用するp型熱電変換材料としては、上述の特許文献に開示された材料を用いることができる。
【0021】
図1は、本発明の熱電変換素子の一実施形態を示す模式図である。熱電変換素子1において、n型熱電変換材料2及びp型熱電変換材料3は、共通の高温側電極4と、2つの低温側電極5及び6に接合している。ここで、高温側電極4を加熱すると、高温側接合部7の温度が上がりThとなり、低温側接合部8の温度Tcとの間に温度差ΔT(ΔT=Th−Tc)が生じ、高温側電極4と低温側電極5及び6との間に電圧が発生する。そして、低温側電極5及び6の間に負荷抵抗(R)を接続すると電流(I)が流れ、この電流を電力(W)として取り出すことができる。
このように構成される熱電変換素子は、温度差から起電力を取り出せるだけでなく、電力を逆に加えることで冷却や加熱を行なうヒートポンプとしても用いることができる。
【0022】
【実施例】
以下、実施例に基づき、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
【0023】
実施例1(Zn0.4InCe0.04
酸化インジウム(In)粉(純度99.99%、平均粒径約2μm)10.622g、酸化亜鉛(ZnO)粉(純度99.9%、平均粒径約2μm)1.246g及び酸化セリウム(CeO)(純度99.9%、平均粒径約0.4μm)0.261gを秤量し、遊星ボールミルで1時間混合粉砕した。次に、この混合物をビーカーにとり、1重量%のポリビニルアルコール(PVA)水溶液を12g添加し、良く混合した。これを乾燥機で120℃、5時間乾燥させた後、乳鉢にとり、さらに粉砕しながら100メッシュの篩にかけ、粒度を揃えた。得られた粉末を金型に入れて、幅約5mm、厚さ約5mm、長さ約20mmの棒状に加圧成形した。こうして得られた成形体を、室温から12時間かけて1,450℃まで昇温し、7時間保持した後、8時間かけて室温まで冷却した。
得られた焼結体の表面を約1mm研磨して測定試料とした。X線測定の結果、(ZnO)Inの六方晶層状化合物結晶とIn結晶及びCeO結晶の混合焼結体になっていることが明らかになった。組成分析の結果、Zn、In及びCeのモル比は、Zn:In:Ce=0.164:0.828:0.008であり、配合比とほぼ等しかった。また、密度は、6.8g/cmであった。
【0024】
電気伝導度は、直流4端子法を用いて測定した。また熱電能を測定するために、試料の両端に熱電対を接触させ、試料温度を直接計った。二つの銅ブロックに試料を渡し、銅ブロック間に温度差をつけて熱起電力を測定し、温度差と熱起電力の直線の傾きから熱電能を求めた。
この試料の100℃及び200℃での電気伝導度、熱電能及び出力因子を表1に示した。
【0025】
実施例2(ZnInCe0.04
酸化インジウム粉(純度99.99%、平均粒径約2μm)7.448g、酸化亜鉛粉(純度99.9%、平均粒径約2μm)4.368g及び酸化セリウム(純度99.9%、平均粒径約0.4μm)0.185gを秤量し、遊星ボールミルで1時間混合粉砕した。次に、この混合物をビーカーにとり、1重量%のPVA水溶液を12g添加し、良く混合した。これを乾燥機で120℃、5時間乾燥させた後、乳鉢にとり、さらに粉砕しながら100メッシュの篩にかけ、粒度を揃えた。得られた粉末を金型に入れて、幅約5mm、厚さ約5mm、長さ約20mmの棒状に加圧成形した。こうして得られた成形体を室温から12時間かけて1,450℃まで昇温し、7時間保持した後、8時間かけて室温まで冷却した。
得られた焼結体の表面を約1mm研磨して測定試料とした。X線測定の結果、(ZnO)Inの六方晶層状化合物結晶とIn結晶及びCeO結晶の混合焼結体になっていることが明らかになった。X線回折図を図2に示す。組成分析の結果、Zn、In及びCeのモル比が、Zn:In:Ce=0.493:0.498:0.001であり、配合比とほぼ等しかった。また、密度は、6.3g/cmであった。
この試料の電気伝導度及び熱電能を実施例1と同様に測定し、これらの値から出力因子を求めた。結果を表1に示す。
【0026】
実施例3(ZnInCe0.2
酸化インジウム粉(純度99.99%、平均粒径約2μm)7.016g、酸化亜鉛粉(純度99.9%、平均粒径約2μm)4.114g及び酸化セリウム(純度99.9%、平均粒径約0.4μm)0.87gを秤量し、遊星ボールミルで1時間混合粉砕した。次に、この混合物をビーカーにとり、1重量%のPVA水溶液を12g添加し、良く混合した。これを乾燥機で120℃、5時間乾燥させた後、乳鉢にとり、さらに粉砕しながら100メッシュの篩にかけ、粒度を揃えた。得られた粉末を金型に入れて、幅約5mm、厚さ約5mm、長さ約20mmの棒状に加圧成形した。こうして得られた成形体を、室温から12時間かけて1,450℃まで昇温し、7時間保持した後、8時間かけて室温まで冷却した。
得られた焼結体の表面を約1mm研磨して測定試料とした。X線測定の結果、(ZnO)Inの六方晶層状化合物結晶とIn結晶及びCeO結晶の混合焼結体になっていることが明らかになった。組成分析の結果、Zn、In及びCeのモル比が、Zn:In:Ce=0.474:0.478:0.048であった。また、密度は、6.4g/cmであった。
この試料の電気伝導度及び熱電能を実施例1と同様に測定し、これらの値から出力因子を求めた。結果を表1に示す。
【0027】
実施例4(Zn2.5InCe0.5
酸化インジウム粉(純度99.99%、平均粒径約2μm)5.874g、酸化亜鉛粉(純度99.9%、平均粒径約2μm)4.306g及び酸化セリウム(純度99.9%、平均粒径約0.4μm)1.821gを秤量し、遊星ボールミルで1時間混合粉砕した。次に、この混合物をビーカーにとり、1重量%のPVA水溶液を12g添加し、良く混合した。これを乾燥機で120℃、5時間乾燥させた後、乳鉢にとり、さらに粉砕しながら100メッシュの篩にかけ、粒度を揃えた。得られた粉末を金型に入れて、幅約5mm、厚さ約5mm、長さ約20mmの棒状に加圧成形した。こうして得られた成形体を、室温から12時間かけて1,450℃まで昇温し、7時間保持した後、8時間かけて室温まで冷却した。
得られた焼結体の表面を約1mm研磨して測定試料とした。X線測定の結果、(ZnO)Inの六方晶層状化合物結晶とIn結晶及びCeO結晶の混合焼結体になっていることが明らかになった。この試料のX線回折図を図3に示す。組成分析の結果、Zn、In及びCeのモル比が、Zn:In:Ce=0.497:0.402:0.101であり、配合比とほぼ等しかった。また、密度は、6.4g/cmであった。
この試料の電気伝導度及び熱電能を実施例1と同様に測定し、これらの値から出力因子を求めた。結果を表1に示す。
【0028】
実施例5(ZnInCe0.04
酸化インジウム粉(純度99.99%、平均粒径約2μm)6.301g、酸化亜鉛粉(純度99.9%、平均粒径約2μm)5.543g及び酸化セリウム(純度99.9%、平均粒径約0.4μm)0.156gを秤量し、遊星ボールミルで1時間混合粉砕した。次に、この混合物をビーカーにとり、1重量%のPVA水溶液を12g添加し、良く混合した。これを乾燥機で120℃、5時間乾燥させた後、乳鉢にとり、さらに粉砕しながら100メッシュの篩にかけ、粒度を揃えた。得られた粉末を金型に入れて、幅約5mm、厚さ約5mm、長さ約20mmの棒状に加圧成形した。こうして得られた成形体を、室温から12時間かけて1,450℃まで昇温し、7時間保持した後、8時間かけて室温まで冷却した。
得られた焼結体の表面を約1mm研磨して測定試料とした。X線測定の結果、(ZnO)Inの六方晶層状化合物結晶と微量のIn結晶及びCeO結晶の混合焼結体になっていることが明らかになった。組成分析の結果、Zn、In及びCeのモル比が、Zn:In:Ce=0.593:0.399:0.008であり、配合比とほぼ等しかった。また、密度は、6.2g/cmであった。
この試料の電気伝導度及び熱電能を実施例1と同様に測定し、これらの値から出力因子を求めた。結果を表1に示す。
【0029】
参考例1(ZnInCe0.04
酸化インジウム粉(純度99.99%、平均粒径約2μm)3.275g、酸化亜鉛粉(純度99.9%、平均粒径約2μm)8.644g及び酸化セリウム(純度99.9%、平均粒径約0.4μm)0.081gを秤量し、遊星ボールミルで1時間混合粉砕した。次に、この混合物をビーカーにとり、1重量%のPVA水溶液を12g添加し、良く混合した。これを乾燥機で120℃、5時間乾燥させた後、乳鉢にとり、さらに粉砕しながら100メッシュの篩にかけ、粒度を揃えた。得られた粉末を金型に入れて、幅約5mm、厚さ約5mm、長さ約20mmの棒状に加圧成形した。こうして得られた成形体を、室温から12時間かけて1,450℃まで昇温し、7時間保持した後、8時間かけて室温まで冷却した。
得られた焼結体の表面を約1mm研磨して測定試料とした。X線測定の結果、(ZnO)Inの六方晶層状化合物結晶、微量のIn結晶及びCeO結晶の混合焼結体になっていることが明らかになった。組成分析の結果、Zn、In及びCeのモル比が、Zn:In:Ce=0.814:0.183:0.003であり、配合比とほぼ等しかった。また、密度は、5.7g/cmであった。
この試料の電気伝導度及び熱電能を実施例1と同様に測定し、これらの値から出力因子を求めた。結果を表1に示す。
【0030】
比較例1(Zn0.4In
酸化インジウム粉(純度99.99%、平均粒径約2μm)10.74g及び酸化亜鉛粉(純度99.9%、平均粒径約2μm)1.26gを秤量し、遊星ボールミルで1時間混合粉砕した。次に、この混合物をビーカーにとり、1重量%のPVA水溶液を12g添加し、良く混合した。これを乾燥機で120℃、5時間乾燥させた後、乳鉢にとり、さらに粉砕しながら100メッシュの篩にかけ、粒度を揃えた。得られた粉末を金型に入れて、幅約5mm、厚さ約5mm、長さ約20mmの棒状に加圧成形した。こうして得られた成形体を、室温から12時間かけて1,450℃まで昇温し、7時間保持した後、8時間かけて室温まで冷却した。
得られた焼結体の表面を約1mm研磨して測定試料とした。X線測定の結果、(ZnO)Inの六方晶層状化合物結晶及びIn結晶の混合焼結体になっていることが明らかになった。組成分析の結果、Zn及びInのモル比が、Zn:In=0.165:0.835であり、配合比とほぼ等しかった。また、密度は、6.9g/cmであった。
この試料の電気伝導度及び熱電能を実施例1と同様に測定し、これらの値から出力因子を求めた。結果を表1に示す。
【0031】
比較例2(ZnIn
酸化インジウム粉(純度99.99%、平均粒径約2μm)7.564g及び酸化亜鉛粉(純度99.9%、平均粒径約2μm)4.436gを秤量し、遊星ボールミルで1時間混合粉砕した。次に、この混合物をビーカーにとり、1重量%のPVA水溶液を12g添加し、良く混合した。これを乾燥機で120℃、5時間乾燥させた後、乳鉢にとり、さらに粉砕しながら100メッシュの篩にかけ、粒度を揃えた。得られた粉末を金型に入れて、幅約5mm、厚さ約5mm、長さ約20mmの棒状に加圧成形した。こうして得られた成形体を、室温から12時間かけて1,450℃まで昇温し、7時間保持した後、8時間かけて室温まで冷却した。
得られた焼結体の表面を約1mm研磨して測定試料とした。X線測定の結果、(ZnO)Inの六方晶層状化合物結晶及びIn結晶の混合焼結体になっていることが明らかになった。組成分析の結果、Zn及びInのモル比が、Zn:In=0.497:0.503であり、配合比とほぼ等しかった。また、密度は、6.3g/cmであった。
この試料の電気伝導度及び熱電能を実施例1と同様に測定し、これらの値から出力因子を求めた。結果を表1に示す。
【0032】
比較例3(ZnIn
酸化インジウム粉(純度99.99%、平均粒径約2μm)6.384g及び酸化亜鉛粉(純度99.9%、平均粒径約2μm)5.616gを秤量し、遊星ボールミルで1時間混合粉砕した。次に、この混合物をビーカーにとり、1重量%のPVA水溶液を12g添加し、良く混合した。これを乾燥機で120℃、5時間乾燥させた後、乳鉢にとり、さらに粉砕しながら100メッシュの篩にかけ、粒度を揃えた。得られた粉末を金型に入れて、幅約5mm、厚さ約5mm、長さ約20mmの棒状に加圧成形した。こうして得られた成形体を、室温から12時間かけて1,450℃まで昇温し、7時間保持した後、8時間かけて室温まで冷却した。
得られた焼結体の表面を約1mm研磨して測定試料とした。X線測定の結果、(ZnO)Inの六方晶層状化合物結晶になっていることが明らかになった。組成分析の結果、Zn及びInのモル比が、Zn:In=0.598:0.402であり、配合比とほぼ等しかった。また、密度は、6.2g/cmであった。
電気伝導度及び熱電能を実施例1と同様に測定し、これらの値から出力因子を求めた。結果を表1に示す。
【0033】
比較例4(ZnIn
酸化インジウム粉(純度99.99%、平均粒径約2μm)8.702g及び酸化亜鉛粉(純度99.9%、平均粒径約2μm)3.298gを秤量し、遊星ボールミルで1時間混合粉砕した。次に、この混合物をビーカーにとり、1重量%のPVA水溶液を12g添加し、良く混合した。これを乾燥機で120℃、5時間乾燥させた後、乳鉢にとり、さらに粉砕しながら100メッシュの篩にかけ、粒度を揃えた。得られた粉末を金型に入れて、幅約5mm、厚さ約5mm、長さ約20mmの棒状に加圧成形した。こうして得られた成形体を、室温から12時間かけて1,450℃まで昇温し、7時間保持した後、8時間かけて室温まで冷却した。
得られた焼結体の表面を約1mm研磨して測定試料とした。X線測定の結果、(ZnO)Inの六方晶層状化合物結晶になっていることが明らかになった。組成分析の結果、Zn及びInのモル比が、Zn:In=0.817:0.183であり、配合比とほぼ等しかった。また、密度は、5.7g/cmであった。
この試料の電気伝導度及び熱電能を実施例1と同様に測定し、これらの値から出力因子を求めた。結果を表1に示す。
【0034】
【表1】
Figure 0004338956
【0035】
実施例の試料は、Ceを含まない比較例の試料に比べ、100℃及び200℃のいずれの温度においても、電気伝導度が高いにも拘わらず、熱電能は大きな負の値を示すことから、n型の熱電変換材料として有用であることが分かった。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、良電気伝導性で、高熱起電力を持つ酸化物焼結体、n型熱電変換材料及びそれを用いた熱電変換素子を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱電変換素子の一実施形態を示す模式図である。
【図2】実施例2の酸化物焼結体のX線回折図である。
【図3】実施例4の酸化物焼結体のX線回折図である。
【符号の説明】
1 熱電変換素子
2 n型熱電変換材料(酸化物焼結体)
3 p型熱電変換材料
4 高温側電極
5、6 低温側電極
7 高温側接合部
8 低温側接合部

Claims (4)

  1. (ZnO)In(mは、1〜19の整数である。)で表される六方晶層状化合物及びCeを含有し、
    Ceの割合が、In及びZnの合計を1としたとき、0<Ce<0.25であり、
    InとZnの原子数の比が、In:Zn=1:0.1〜1:2.5である酸化物焼結体。
  2. さらに、酸化インジウムを含有する請求項1に記載の酸化物焼結体。
  3. 請求項1又は2に記載の酸化物焼結体からなるn型熱電変換材料。
  4. 請求項3に記載の熱電変換材料を用いてなる熱電変換素子。
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