JP4338404B2 - 中空糸膜カートリッジの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、浄水器などに使用される中空糸膜カートリッジの製造方法および中空糸膜カートリッジの製造の際に使用される液状樹脂溜め容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
液体を濾過する際には、ハウジング内に中空糸膜を収納した中空糸膜カートリッジを用いることがある。
この中空糸膜カートリッジを製造するには、まず、図8に示すように、中空糸膜20を折り返しながら、かがり糸21で編み込んで、シート状編み地22を作製する。次いで、図9に示すように、樹脂製中空管23を芯にして、シート状編み地22を、中空糸膜20の折り返し部分が外側に位置するようにすし巻き状に巻いて巻層体(中空糸膜の束)24を作製し、樹脂製中空管23を有したまま、この巻層体24を、底部25を有する円筒のハウジング26内に装填する。ここで、巻層体24をハウジング26内に装填する際には、中空糸膜20の一方の折り返しが底部25に近接するようにする。
【0003】
次いで、液状樹脂溜め容器を用いて巻層体に液状樹脂を充填する。ここで用いられる液状樹脂溜め容器は、図10に示されるような、液状樹脂が充填される円筒形の充填部31と、充填部31の底面32に設けられ、外径が充填部31より細くされた管状の導出部33とを有するものである。この液状樹脂溜め容器30においては、上面を有しておらず、充填部が開放されている。また、導出部33の側面34と、充填部31の底面32とは略直交している。
【0004】
次に、図11に示すように、このような液状樹脂溜め容器の導出部33を、ハウジング26の開口部35側から巻層体24の樹脂製中空管23に差し込む。次いで、図12に示すように、液状樹脂溜め容器30内に液状樹脂36を充填し、ハウジング26の底面37側を外側、開口部35側が内側になるような配置で、ハウジング26を遠心機などにより回転させて遠心力をかける。このように遠心力をハウジング26に付加すると、液状樹脂溜め容器30内の液状樹脂36が、導出部33および樹脂製中空管23を介して回転の外側に移動し、やがてハウジング26の底面37にまで達する。そして、さらにハウジング26に遠心力を付加して、ハウジング26の底面37側から、中空糸膜の束である巻層体24の中に液状樹脂を充填する。
次いで、ハウジング内に充填した液状樹脂を硬化させて中空糸膜を固定し、図13に示すように、その中空糸膜を固定した部分38(固定部)におけるハウジング26の底面37近傍を切断して、中空糸膜20が開口した中空糸膜カートリッジ40を得る(例えば、特許文献1参照)。なお、このように遠心力を利用して液状樹脂を中空糸膜間に充填する方法を遠心法ということがある。
【0005】
【特許文献1】
特開平04−284834号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、中空糸膜カートリッジを製造する際に、上述したような、充填部の底面が導出部側面と略直交している液状樹脂溜め容器を用いた場合、遠心力によって充填部の底面に液状樹脂が貼り付いてしまい、液状樹脂溜め容器内に液状樹脂が多量に残ってしまっていた。液状樹脂溜め容器内に残った液状樹脂は中空糸膜の固定に全く利用されないから、液状樹脂の使用効率が低かった。また、液状樹脂が規定量充填したかどうかを確認するのに、液状樹脂溜め容器内に残った液状樹脂量を計量したり、あるいは、目視により残量を確認したりするので、手間を要していた。さらには、液状樹脂溜め容器内に残った液状樹脂を取り除く作業は困難であることから、一回使用した液状樹脂溜め容器は廃棄処分されていた。
また、上述した液状樹脂溜め容器は、充填部が開放されているため、遠心力が小さい回転初期には、開放されている部分から液状樹脂がこぼれることがあった。その結果、液状樹脂を無駄に使用していた。このようなことは、回転軸が水平方向の遠心機(縦回転の遠心機)を使用したときに顕著であった。
【0007】
さらに、遠心法によりハウジング内に液状樹脂を充填した際に、図14に示すように、多くの液状樹脂が中空糸膜の束24の中に入り込まずにハウジング26の底面37側に液状樹脂のみからなる部分39を形成することがあり、そして、液状樹脂のみからなる部分39が巻層体24を開口部35側に押し退けてしまうことがあった。その結果、中空糸膜が開口するように固定部を切断した際に、中空糸膜の固定部の厚さが短くなり、十分な強度で固定できなかった。また、液状樹脂のみからなる部分は廃棄されるので、液状樹脂の使用効率が低かった。
【0008】
本発明は、前記事情を鑑みてなされたものであり、遠心法により中空糸膜カートリッジを製造する際でも、液状樹脂を無駄なく使用することができる液状樹脂溜め容器および中空糸膜カートリッジの製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
[1] 中空糸膜カートリッジのハウジング内に中空糸膜を装填し、該ハウジング内の中空糸膜の上に底面が漏斗状に傾斜している液状樹脂溜め容器を載置し、遠心力を付加して液状樹脂溜め容器内の液状樹脂をハウジングの先端に供給した後、該液状樹脂を固化して中空糸膜を固定する工程を有する中空糸膜カートリッジの製造方法であって、
ハウジング内の液状樹脂溜め容器の下部または上部にアンカー材を設けた状態で遠心力を付加することを特徴とする中空糸膜カートリッジの製造方法。
[2] 一度使用した液状樹脂溜め容器の下部の先端を、該液状樹脂溜め容器の先端が延びる方向に対して20〜80度の角度で斜めに切断して再利用することを特徴とする[1]に記載の中空糸膜カートリッジの製造方法。
[3] 前記液状樹脂溜め容器の外径が、前記中空糸膜カートリッジのハウジング内に装入した際に、容器の外面がハウジングの内面に密接する大きさであることを特徴とする[1]または[2]に記載の中空糸膜カートリッジの製造方法。
[4] 遠心力を付加する際に液状樹脂溜め容器の上部が封止されていることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の中空糸膜カートリッジの製造方法。
【0010】
[5] 中空糸膜カートリッジのハウジング内に中空糸膜を装填し、前記ハウジングの側方に底面が漏斗状に傾斜している液状樹脂溜め容器を配置し、該液状樹脂溜め容器の底面とハウジングの底面近傍とを接続し、遠心力を付加して液状樹脂溜め容器内の液状樹脂をハウジングの先端に供給した後、該液状樹脂を固化して中空糸膜を固定する工程を有する中空糸膜カートリッジの製造方法であって、
ハウジング内の中空糸膜の上にアンカー材を設けた状態で遠心力を付加することを特徴とする中空糸膜カートリッジの製造方法。
【0011】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態例)
本発明の液状樹脂溜め容器および中空糸膜カートリッジの製造方法の第1の実施形態例を、図面を参照して説明する。
図1に、中空糸膜カートリッジを製造する際に使用される液状樹脂溜め容器の断面図を示す。この液状樹脂溜め容器1は、液状樹脂が充填される円筒状の充填部2と、充填部2の底面4に設けられた円管状の導出部3とを有している。この液状樹脂溜め容器1においては、底面4が漏斗状に傾斜している。液状樹脂溜め容器1の上部は封止されている。ここで、封止とは、液状樹脂溜め容器1内に液状樹脂を充填した際に、液状樹脂がこぼれ出ないように実質的に封じられていることをいう。したがって、作業性を向上させるために、液状樹脂がこぼれ出ない程度の大きさに開口されていても構わない。
【0012】
本実施形態例の中空糸膜カートリッジの製造方法では、まず、図8に示すようなシート状編み地22を、図9に示すように、樹脂製中空管23を芯にして、中空糸膜20の折り返し部分が外側に位置するようにすし巻き状に巻いて巻層体(中空糸膜の束)24を作製する。次いで、装填工程において、中空糸膜20の一方の折り返しが底部25に近接するように、巻層体24を、底部25を有するハウジング26内に装填する。
なお、ここで使用するシート状編み地は、図8に示すように両端以外の間に1箇所以上にかがり糸21を設けたシート状編み地22でもよいが、かがり糸がシート状編み地の両端部だけにあるものでもよい。また、図示するような形態に限らず、使用するシート状編み地の長さと幅により、適宜使用し易い位置及び数量のかがり糸を設けることができる。
【0013】
次いで、図2に示すように、ハウジング26内の巻層体24の上に、孔部が形成された円環状のアンカー材5を載置し、続いて、液状樹脂溜め容器1の導出部3をアンカー材5の孔部に通すとともに、巻層体24内の樹脂製中空管23に差し込んで、液状樹脂溜め容器1をハウジング6内に装入する。すなわち、ハウジング26内の液状樹脂溜め容器1の下部にアンカー材5が設けられている。
ここで、樹脂製中空管23の液状樹脂溜め容器1の導出部3の先端は、差込み易い形状であることが好ましく、例えば、ラッパ状、すり鉢状、階段状であることが好ましい。また、樹脂製中空管23の、導出部3差込側と反対側の端面は、樹脂製中空管長手方向に対して20〜80度の角度で傾斜していることが好ましく、40〜60度の角度で傾斜していることがより好ましい。
さらに、アンカー材5としては、例えば、金属製のものが好適に用いられ、5円硬貨のような中心に穴が開いたものであれば、液状樹脂溜め容器1の導出部3を穴に通した状態で液状樹脂を充填することができる。
【0014】
次いで、充填工程において、図3に示すように、液状樹脂溜め容器1の充填部2に切り込み6を入れ、その切り込み6に液状樹脂を充填したシリンジ7の先端部8を挿入し、充填部2内に所定量の液状樹脂36を注入、充填することができる。なお、液状樹脂溜め容器1の上部が封止されず、開放されている場合(通常の場合)には、液状樹脂溜め容器上部の開放部から充填部内に所定量の液状樹脂を注入、充填する。
次いで、回転工程において、図4に示すように、ハウジング26の底面37側が外側、開口部35側が内側に位置するような配置でハウジング26を回転させ、その際に生じる遠心力を利用して、液状樹脂溜め容器1内の液状樹脂を導出部3から導出させ、樹脂製中空管23を介してハウジング26の底面37(ハウジング26の先端)側から巻層体24の中に液状樹脂を充填する。
次いで、充填した液状樹脂を硬化させて中空糸膜を固定し、図13に示すように、その固定した部分(固定部)におけるハウジング26の底面37近傍を切断して中空糸膜20が開口した中空糸膜カートリッジ40を得る。なお、この切断は従来の中空糸膜カートリッジの製造方法と同様である。
【0015】
上述した液状樹脂溜め容器1では、図2に示すように、液状樹脂溜め容器1をハウジング26内に装入した際に、液状樹脂溜め容器1の外面11とハウジング26内面12とが密接するような大きさにされていることから、液状樹脂溜め容器1はハウジング26で保持されて安定する。
【0016】
以上説明した本実施形態例では、液状樹脂溜め容器1の底面4が漏斗状に傾斜しているので、遠心力を付加したときに、液状樹脂溜め容器1の内部に液状樹脂が留まりにくく、液状樹脂溜め容器1に充填した液状樹脂のほぼ全量をハウジング26内に注入することができる。したがって、液状樹脂を効率的に使用できる上に、液状樹脂が規定量注入されたかどうかを容易に判別できる。特に、液状樹脂溜め容器1が透明であればより容易に判別できる。
また、液状樹脂溜め容器1の内側に液状樹脂が残っていない場合には、そのまま液状樹脂溜め容器1を再生利用できる。さらに、液状樹脂溜め容器1の内側に液状樹脂が付着して残ったとしても、その残った液状樹脂は少量であり、容易に引き剥がして除去できるので、液状樹脂溜め容器1を再生して利用することができる。
【0017】
また、本実施形態例の液状樹脂溜め容器1は、上部が封止されているから、回転初期の遠心力が小さいときでも、液状樹脂がこぼれにくく、液状樹脂を無駄に使用することを防止できる。
【0018】
また、本実施形態例では、液状樹脂溜め容器の下部にアンカー材5を設けており、遠心力を付加した際にアンカー材5が回転の外側方向に移動しようとし、巻層体24をハウジング26の底面37方向に押し込むので、ハウジング26の底面37と巻層体24との間に液状樹脂のみの部分を形成させないで、液状樹脂を中空糸膜20の間に確実に充填させることができる。したがって、中空糸膜20が開口するように切断した際には、ハウジング26の底面37近傍でハウジング26を切断できるので、固定部の厚さが厚くなり、十分な強度で中空糸膜20を固定できる。また、液状樹脂の固化物の廃棄処分量が少なくなるので、液状樹脂を使用効率が向上する。
【0019】
液状樹脂溜め容器1を一度使用すると、導出部3の先端部に液状樹脂36がわずかながらでも残り、引き剥がしを行わない状態で再利用すると液状樹脂36は当然導出部3を通過しにくくなり、ハウジング26の底面37へ液状樹脂36が完全には充填されない状態となる。
ここで、一度使用した液状樹脂溜め容器1の導出部3の先端部を切断すると、残留した液状樹脂36を取り除くことができ、再利用できるようになる。この時、先端の延びる方向に対して角度が20〜80度となるように斜めに切断すると、再利用時に、液状樹脂36が樹脂製中空管へ入り込み易くなる。より好ましくは40〜60度の角度で切断し、角度が45度に近づく程より好ましい。
さらに、導出部切断と引き剥がしの両工程を併せて行えば、より完全に再利用できる。また、液状樹脂溜め容器1の先端を切断することによって、液状樹脂溜め容器1が新品か再利用品かを見分けるためのマーカーになる。
液状樹脂溜め容器1を二度以上再利用することもできるが、何度再利用されたかの判別は難しくなる。
【0020】
なお、本発明は、上述した第1の実施形態例に限定されない。例えば、上述した実施形態例では、液状樹脂溜め容器の下部にアンカー材を載置したが、本発明では、液状樹脂溜め容器の上部にアンカー材を載置しても、同様の効果が発揮される。
【0021】
また、上述した実施形態例では、ハウジング26内に液状樹脂溜め容器1を装填したが、ハウジング26内に液状樹脂溜め容器1を装填しなくてもよい。以下に、ハウジング26内に液状樹脂溜め容器1を装填しないで、液状樹脂溜め容器1内の液状樹脂をハウジング26内に充填する第2の実施形態例について説明する。
【0022】
(第2の実施形態例)
図5および図6に、第2の実施形態例における液状樹脂溜め容器の使用形態を示す。
本実施形態例では、図5に示すように、固定治具41に設置されたハウジング42内に、中空糸膜43からなる巻層体44を装填し、次いで、ハウジング42の側方に配置された液状樹脂溜め容器45内に所定量の液状樹脂46を注入、充填する。本実施形態例で使用される液状樹脂溜め容器45の底面47は漏斗状に傾斜しており、また、その先端は、ハウジング42内の底面48近傍と供給パイプ49によって接続されている。
次いで、回転工程において、図6に示すように、液状樹脂溜め容器45の先端およびハウジング42の底面48側が外側に位置するような配置で液状樹脂溜め容器45およびハウジング42を固定冶具41ごと回転させ、その際に生じる遠心力を利用して、液状樹脂溜め容器45内の液状樹脂46を先端から導出させ、供給パイプ49を介してハウジング42の底面48(ハウジング42の先端)側に導入し、巻層体44の中に液状樹脂46を充填する。
次いで、充填した液状樹脂46を硬化させて中空糸膜を固定し、図7に示すように、その固定した部分(固定部)におけるハウジング42の底面48近傍を切断して中空糸膜43が開口した中空糸膜カートリッジ50を得る。
【0023】
本実施形態例においても、液状樹脂溜め容器45の底面45が漏斗状に傾斜しているから、遠心力を付加して液状樹脂溜め容器45に充填した液状樹脂46のほぼ全量をハウジング42内に注入することができる。したがって、液状樹脂46を効率的に使用できる上に、液状樹脂が規定量注入されたかどうかを容易に判別できる。また、液状樹脂溜め容器45を再生利用することも可能になる。
【0024】
第2の実施形態例で、アンカー材を必要とする場合には、液状樹脂溜め容器45の上部や下部にアンカー材を設置しても意味はなく、中空糸膜43の上にアンカー材を直接載せることになる。
【0025】
【実施例】
まず、中空糸膜(三菱レイヨン(株)製EX270T)4960本を使用し、図8に示すように、シート状編み地22に加工した。このシート状編み地22を用いて、図9に示すように、導出部3を差込む側の端部がラッパ状で、もう一端は先端の角度が45度に傾斜した樹脂製中空管23を中心にシート状編地22を巻いて、巻層体24を作製し、この巻層体24を、中空糸膜20の一方の折り返しが底部25に近接するように、底部25を有するハウジング26(内径45mm)内に装填した。
次いで、図2に示すように、ハウジング26内の巻層体24の上に、中央に孔部が形成されたコイン状のアンカー材5を載置し、図1に示す液状樹脂溜め容器1(ポリエチレン製)の導出部3をアンカー材5の孔部に通すとともに、巻層体24に差し込んで、ハウジング26内に液状樹脂溜め容器1を装入した。次いで、液状樹脂溜め容器1の開放部から、液状樹脂であるウレタン樹脂(日本ポリウレタン(株)製、主剤C4403/硬化剤N4224)18gを充填部2内に注入、充填した。
次いで、図4に示すように、ハウジング26の底面37側が外側、開口部35側が内側になるような配置で、40℃の雰囲気下、回転数200rpmでハウジング26を45分間回転させた。そして、その際に生じた遠心力によって、液状樹脂溜め容器1から樹脂製中空管23を介して、巻層体24内に液状樹脂を充填した。
次いで、充填した液状樹脂を硬化させて中空糸膜を固定し、図13に示すように、その固定した部分38(固定部)におけるハウジング26の底面近傍を切断して中空糸膜20が開口した中空糸膜カートリッジ40を得た。
【0026】
上述した製造方法では、液状樹脂溜め容器に充填した液状樹脂を全て巻層体内に注入することができた。また、液状樹脂溜め容器内に充填した液状樹脂がこぼれることがなかった。さらに、ハウジングを回転させた際には、アンカー材によって巻層体がハウジングの底面に押し込まれたので、確実に液状樹脂を巻層体内に充填することができた。したがって、中空糸膜の固定に液状樹脂を効率的に利用できた。これらの結果より、液状樹脂の使用効率が大幅に向上した。
また、得られた中空糸膜カートリッジは中空糸膜が強固に固定されていた。
【0027】
【発明の効果】
本発明の液状樹脂溜め容器によれば、遠心法により中空糸膜カートリッジを製造する際でも、液状樹脂を無駄なく使用することができる。また、液状樹脂が規定量注入されたかどうかを容易に判別でき、さらには、液状樹脂溜め容器を再生利用できる。
また、本発明の中空糸膜カートリッジの製造方法によれば、中空糸膜を十分な強度で固定できる上に、液状樹脂を無駄なく使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の液状樹脂溜め容器の一実施形態例を示す断面図である。
【図2】 本発明に係る第1の実施形態例の中空糸膜カートリッジの製造方法において、中空糸膜カートリッジのハウジング内に液状樹脂溜め容器を装入したときの態様を示す断面図である。
【図3】 本発明に係る第1の実施形態例の中空糸膜カートリッジの製造方法において、液状樹脂溜め容器内に液状樹脂を充填しているときの態様を示す断面図である。
【図4】 本発明に係る第1の実施形態例の中空糸膜カートリッジの製造方法において、液状樹脂を巻層体内に充填しているときの態様を示す断面図である。
【図5】 本発明に係る第2の実施形態例の中空糸膜カートリッジの製造方法において、中空糸膜カートリッジのハウジング内に液状樹脂溜め容器を装入したときの態様を示す断面図である。
【図6】 本発明に係る第2の実施形態例の中空糸膜カートリッジの製造方法において、液状樹脂を巻層体内に充填しているときの態様を示す断面図である。
【図7】 本発明に係る第2の実施形態例の中空糸膜カートリッジの製造方法において、中空糸膜を固定した部分を切断したときの態様を示す断面図である。
【図8】 シート状編み地の一例を示す平面図である。
【図9】 巻層体をハウジング内に装填するときの態様を示す斜視図である。
【図10】 従来の液状樹脂溜め容器を示す断面図である。
【図11】 従来の中空糸膜カートリッジの製造方法において、中空糸膜カートリッジのハウジング内に液状樹脂溜め容器を装入したときの態様を示す断面図である。
【図12】 従来の中空糸膜カートリッジの製造方法において、液状樹脂を巻層体内に充填しているときの態様を示す断面図である。
【図13】 中空糸膜を固定した部分を切断したときの態様を示す断面図である。
【図14】 従来の中空糸膜カートリッジの製造方法において、液状樹脂を硬化させたときの態様を示す断面図である。
【符号の説明】
1,45 液状樹脂溜め容器
4,47 底面
5 アンカー材
20,43 中空糸膜
26,42 ハウジング
36,46 液状樹脂
40,50 中空糸膜カートリッジ
Claims (5)
- 中空糸膜カートリッジのハウジング内に中空糸膜を装填し、該ハウジング内の中空糸膜の上に底面が漏斗状に傾斜している液状樹脂溜め容器を載置し、遠心力を付加して液状樹脂溜め容器内の液状樹脂をハウジングの先端に供給した後、該液状樹脂を固化して中空糸膜を固定する工程を有する中空糸膜カートリッジの製造方法であって、
ハウジング内の液状樹脂溜め容器の下部または上部にアンカー材を設けた状態で遠心力を付加することを特徴とする中空糸膜カートリッジの製造方法。 - 一度使用した液状樹脂溜め容器の下部の先端を、該液状樹脂溜め容器の先端が延びる方向に対して20〜80度の角度で斜めに切断して再利用することを特徴とする請求項1に記載の中空糸膜カートリッジの製造方法。
- 前記液状樹脂溜め容器の外径は、前記中空糸膜カートリッジのハウジング内に装入した際に、容器の外面がハウジングの内面に密接する大きさであることを特徴とする請求項1または2に記載の中空糸膜カートリッジの製造方法。
- 遠心力を付加する際に液状樹脂溜め容器の上部が封止されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の中空糸膜カートリッジの製造方法。
- 中空糸膜カートリッジのハウジング内に中空糸膜を装填し、前記ハウジングの側方に底面が漏斗状に傾斜している液状樹脂溜め容器を配置し、該液状樹脂溜め容器の底面とハウジングの底面近傍とを接続し、遠心力を付加して液状樹脂溜め容器内の液状樹脂をハウジングの先端に供給した後、該液状樹脂を固化して中空糸膜を固定する工程を有する中空糸膜カートリッジの製造方法であって、
ハウジング内の中空糸膜の上にアンカー材を設けた状態で遠心力を付加することを特徴とする中空糸膜カートリッジの製造方法。
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