JP4337579B2 - 溶湯流路の切替装置 - Google Patents

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Description

本発明は、銅等の非鉄金属の製錬工程において、溶湯の流れの切り替えに用いる溶湯流路の切替装置に関する。
一般に、銅の製錬設備として、酸化反応を手段とする連続した複数炉方式による連続製錬装置が知られている。この連続製錬装置は、酸素富化空気とともに供給された銅精鉱を溶解、酸化し、主成分が硫化銅及び硫化鉄の混合物からなるマットと、銅精鉱中の脈石、溶剤、酸化鉄等からなるスラグとを生成する熔錬炉と、この熔錬炉により生成されたマットとスラグとを分離する分離炉と、分離されたマットをさらに酸化して粗銅を生成する製銅炉と、この製銅炉で生成された溶湯を精製して、より品位の高い銅を生成するために複数設置された精製炉とから構成されている。この熔錬炉及び製銅炉には、銅精鉱、酸素富化空気、溶剤、冷剤等を炉内に供給するための複数の管からなる複数のランスが設けられており、また、ガス排出塔がこれらの炉の天井に設けられている。また、分離炉は電極を備えた電気炉とされている。そして、これら熔錬炉、分離炉、製銅炉及び精製炉は、この順に高低差が付けられているとともに、溶湯の流路である樋により連絡され、溶湯はこの樋を重力により流下するようになっている。
上記構成で銅を精錬するには、乾燥した銅精鉱とフラックスとを酸素富化空気を吹き込む。熔錬炉では、原料の溶解と酸化反応が進行し、主成分が硫化銅及び酸化鉄の混合物からなるマットと、銅精鉱中の脈石、溶剤、酸化鉄等からなるスラグが生成される。このマットと、スラグとは、熔錬炉と分離炉とを連結する樋によって、分離炉に送られ、ここで比重差により下層のマットと、上層のスラグとに分離される。分離路のスラグは、オーバーフローしており液面一定となっている。ここで、生成されたスラグには銅がほとんど含まれていないため、そのまま系外に放出される。
一方、分離炉で分離されたマットは、分離炉と製銅炉とを連結する樋により、製銅炉に送られる。この製銅炉では、さらに酸素富化空気を吹き込んでマット中の硫黄と鉄分を酸化し、純度98.5%の粗銅を得る。製銅炉において、連続的に生成された粗銅は、精製炉に注入される。また、この製銅炉における酸化の工程では、銅の一部も参加してスラグの中に取り込まれてしまう。即ち、スラグを水砕により固体粉末化し、乾燥後、熔錬炉に挿入して、銅精鉱とともに溶解させて銅の回収を図っている。
ここで、上記構成の連続製錬装置において、精製炉は、例えば3基等複数設けられているものであり、1基の精製炉が製銅炉より生成された溶湯(溶解した金属鉱であり、ここでは溶解した粗銅を意味する。)を受け入れている間に、他の精製炉では、あらかじめ受け入れられた溶湯を酸化、還元して溶湯からアノードとして鋳造する作業を並行して行うものである。そのため、製銅炉と、精製炉との樋には、溶湯を各精製炉に択一的に送るために次のような方法が用いられている。
即ち、他方の樋に粘土を投入して閉鎖しておき、まず一方の樋にだけ溶湯を流す。つづいて、樋の切り替えのときは、溶湯を流したい樋に高温のバーナーなどを用いて樋先を加熱し、固まっている粗銅を溶解させて溶湯として、ジェットランスを用いて粘土を突き崩して開口させ、その後又は、それと同時に溶湯が流れている樋の開口部に粘土を詰めて閉鎖するとともに、樋にエアーを吹きつけて冷却する。このようにして、溶湯流路の切り替えを行うことができる。
しかし、この方法では、樋を形成しているレンガに急冷、急熱を繰り返すことになり、レンガの劣化が急速に進んでしまい、クラックが発生するなどしてレンガの寿命が短くなるといった問題があった。これにより、または、劣化を防止するために、樋のレンガを頻繁に交換する必要があり、レンガの交換のために炉を停止させなければならないといった問題もあった。また、突き崩された粘土が流路内に残留してしまうことがあり、この残留した粘土が溶湯の流れを妨げるため、所望の溶湯流量を得られないという問題もあった。また、粘土の投入及び突き崩しに人力が必要であるため、切替作業の効率が悪くなるという問題もあった。さらに、粘土により塞がれている流路が、冷却によって固まった溶湯により、樋の開口部を閉塞させてしまうという問題もある。
こうした問題を解決するために、溶湯流路の切替装置が用いられている。この溶湯流路の切替装置としては、溶湯を一時的に保持する溶湯受部と、3基の精製炉にあわせて3方向に分岐されている流路と、溶湯受部を傾動させる傾動装置とを備えたものが提供されている。この溶湯流路の切替装置は、傾動装置により溶湯受部を傾動させるものであり、例えば、一方の流路側に傾動させることにより、溶湯受部より溶湯を流出させて、精製炉に供給させるものである(例えば、特許文献1参照。)。
特開平10−185452号公報(段落番号0008、第1図)
上述した特許文献1記載の発明においては、傾動装置により溶湯受部を傾動させるものであるが、一方の流路より製錬炉に注入していると、その他の樋は溶湯の流れが止まっていることになるため、冷えて固まった溶湯や流れが止まっている流路の開口部が閉塞してしまう。このため、ジェットランス等を用いて閉塞された開口部を開口させなければならないので、切替作業に時間が掛かるといった問題があった。また、この溶湯流路の切替装置は、傾動装置によって傾斜させるものであるが、構造上傾斜角度を大きく取ることができないため、溶湯受部に流入してくる溶湯の量によっては使用していない流路より溶湯が漏れ出すことがあり、この対策として樋の開口部を粘土により閉じなければならず、切替作業に時間が掛かるといった問題もあった。また、シーケンス制御を用いてボタン一つ押すだけで自動的に切り替えを行っていたが、例えば、溶湯より発生する熱や、飛散したスプラッシュ等の影響で溶湯受部の下方に設けられた傾動装置にトラブルが発生した場合の制御が困難であったため、移動途中で溶湯流路の切り替えが停止してしまった場合、対処することができず、溶湯が溶湯受部から漏れ出してしまうという恐れがあった。
この発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、流路の切替作業を効率的に行うとともに、溶湯受部の溶湯出口が閉塞するのを防止し、切り替え時のメンテナンス等の手間を低減する溶湯流路の切替装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、この発明は以下の手段を提案している。
請求項1に係る発明は、上流側の樋から排出された溶湯を、少なくとも2方向に分岐して設けられた下流側の分岐樋へ、順次流れの切り替えを行う溶湯流路の切替装置であって、前記樋より排出された溶湯を内部に受け入れて一時的に保持し、該溶湯を前記分岐樋に排出させる一の溶湯出口を備えた溶湯受部と、前記溶湯受部の前記溶湯出口を上下方向に傾斜させる第1の駆動装置と、前記溶湯出口を前記各分岐樋の位置に移動させる第2の駆動装置と、前記溶湯受部を上下方向に傾斜可能に支持する本体フレームと、該本体フレームの下方に設置され、該本体フレームを移動自在に支持するガイド部と、前記本体フレームの上方定位置に設置されて該本体フレームをワイヤを介して吊下する固定架台とを備え、前記第1の駆動装置が前記本体フレームの上方に設置されるとともに、前記第2の駆動装置が前記固定架台に設置されていることを特徴とする。
この発明に係る溶湯流路の切替装置によれば、樋より排出された溶湯を溶湯受部で受けるとともに、少なくとも2方向に分岐されている分岐樋のうちひとつの分岐樋に第2の駆動装置で移動させ、第1の駆動装置で溶湯出口を下方に向けるように駆動させることにより、溶湯が分岐樋に排出される。また、溶湯の排出を他の分岐樋に切り替える場合には、第1の駆動装置により、溶湯出口を上方向に向けさせて溶湯の排出を停止させる。そして、第2の駆動装置で、次に排出させる分岐樋の位置まで移動させた後、第1の駆動装置により溶湯出口を下方向に向けさせて溶湯を排出させる。
さらに、第1の駆動装置及び第2の駆動装置は、飛散したスプラッシュなどの影響を受けないので、動作不良を防止することができる。したがって、溶湯流路の切替装置は、ガイドに沿って確実に移動することができる。また、本体フレームが固定架台に吊下されていることにより、本体フレーム及び溶湯受部の重量の一部を固定架台に分配するので、第2の駆動装置の駆動力を低減できる。
請求項2に係る発明は、請求項1記載の溶湯流路の切替装置において、前記溶湯受部の上方に筒状の排ガスフードが設けられ、該溶湯受部には、その一部を前記排ガスフードの開口部の内方に位置させてプロテクタが設けられていることを特徴とする。
この発明に係る溶湯流路の切替装置によれば、排ガスフードにより、溶湯より生じるガスを回収することができる。また、プロテクタは、溶湯受部が溶湯を受ける際に飛散するスプラッシュを受けて溶湯受部の外側にスプラッシュが飛散するのを防止することができる。さらに、プロテクタが排ガスフードの内方に位置していることにより、溶湯受部の移動の際、排ガスフードとプロテクタと接触して移動を妨害するのを防止することができる。


本発明によれば、溶湯受部の溶湯出口を上下方向と回転方向に動作可能とされていることにより、分岐した分岐樋に択一的に溶湯の排出を切り替えることができるので、効率的に精製炉へ溶湯の供給を行うことができる。また、溶湯受部の溶湯出口は、溶湯出口から連続的に溶湯が流れているので、溶湯が冷却して詰まることなく、従来のように溶湯をジェットランス等で突き崩す作業を省くことができる。さらに、溶湯出口から連続的に溶湯が流れているので、従来のように溶湯が漏れ出すといったこともない。したがって、切替作業に手間がかからず、切替作業の時間も従来の切替装置と比較して短縮できる。
以下、図面を参照し、この発明の実施の形態について説明する。
図1は、この発明を用いた複数炉方式による銅の連続製錬装置1である。この連続製錬装置1は、熔錬炉2と、分離炉3と、製銅炉4と、精製炉5とから構成されている。また、この連続製錬装置1は、熔錬炉2、分離炉3、製銅炉4、精製炉5の順に高低差が設けられているとともに、これらの炉の間には、樋6A、6B、6Cが設けられている。
熔錬炉2及び製銅炉4には、それぞれの天井部に垂下され二重管構造を有するランス7、8が複数設けられており、分離炉3には、電極9が設けられている。精製炉5は、3基設けられており、第1の精製炉5Aと、第2の精製炉5Bと、第3の精製炉5Cとから構成されている。製銅炉4と精製炉5とを結ぶ樋6Cは、上流側に配置された樋10と、溶湯流路の切替装置11と、下流側に配置された分岐樋12A、12B、12Cとから構成されている。
図2に示すように、この溶湯流路の切替装置11は、溶湯受部21と、本体フレーム22と、その上方に設けられた固定架台23と、第1の駆動装置13と、第2の駆動装置14とから構成されている。また、溶湯流路の切替装置11の上流側には、樋10の排出口24が配置されており、溶湯流路の切替装置11の下流側には、分岐樋12が配置されている。
本体フレーム22は、フレーム部材を組み合わせたトラス構造とされたものであり、後述する軸部37を介して固定架台23に吊り下げられている。この本体フレーム22は、下部フレーム部材26と、この下部フレーム部材26の両端側に連結された支柱フレーム部材27と、支柱フレーム部材27の上端に架設された上部フレーム部材28とから構成されている。また、下部フレーム部材26の下方には、レール(ガイド部)29が配置されている。
下部フレーム部材26は、軸部30と、下面に配置された車輪31と、両端側に配置された支柱フレーム部材連結部32と、上面に配置された一対の支持部33とを備えており、本体フレーム22は、車輪31を介してレール29に載上されている。支持部33は、基端部を下部フレーム部材26に固定された支柱部34と、この支柱部34の上端に設けられた軸受部35とから構成されている。
上部フレーム部材28は、支柱フレーム部材連結部36と、上方に立設された軸部37と、基端側に配置された滑車部38と、上面に配置された第1の駆動装置14とを備えている。この軸部37の上端には、ベアリング39が設けられている。
また、上部フレーム部材28は、ワイヤ81を介して吊り下げられた排ガスフード40を備えている。この排ガスフード40は、下面に形成された開口部41と、側壁部42と、天井部43とから構成されている。この側壁部42の上部には、図示しない開口部が形成されており、この開口部には、ダクトが連結されている。
第1の駆動装置13は、油圧シリンダ44とされており、この油圧シリンダ44の先端部には、ワイヤ45が接合されている。
固定架台23は、フレーム部材を組み合わせたトラス構造とされたものであり、貫通孔46と、上部フレーム部材28より立設された軸部37のベアリング39を受ける受部47と、この軸部37と連接された第2の駆動装置14とを備えている。ここで、この第2の駆動装置14は、油圧シリンダ48と、油圧シリンダ48の先端部と連結されたロッド49とから構成されており、このロッド49の先端部50には、軸部37を回転させる図示しないレバーが取り付けられている。
図3に示すように、溶湯受部21は、有底円筒状に形成された溶湯ボール61と、この溶湯ボール61より突出して形成された溶湯流路62と、この溶湯流路62の先端部に開口して形成された溶湯出口63とから構成されている。溶湯ボール61は、円筒状に形成された円筒壁部64と、溶湯流路62が連結されている開口部65と、略平面とされた底部66とから構成されている。また、円筒壁部64の外面側には、対向して配置された一対の軸部67が突出して設けられており、この軸部67は、図2に示す支持部33の軸受部35に嵌め合わされている。溶湯ボール61の上面には、上面視したとき扇形状のプロテクタ80が設けられている。なお、図2に示すように、この溶湯ボール61の上部には、樋10の排出口24が配置されるとともに、排ガスフード40が配置されている。ここで、プロテクタ80は、排ガスフード40の開口部41の内方となるように配置されている。
図3に示すように、溶湯流路62は、段差のない平坦面とされた底部68と、その周りを囲む側壁部69とから構成されている。この溶湯流路62は、溶湯ボール61の開口部65側である始端から溶湯出口63側である終端に向かうにつれて、水平方向に対して上方に傾斜する方向に延長されている。また、この溶湯流路62の先端部には、プレート70が接合されており、図2に示すように、このプレート70の先端部には、一対のワイヤ45が接合されている。このワイヤ45は、滑車部38を介して油圧シリンダ44と接合されている。
図2に示すように、それぞれの分岐樋12は、溶湯受入口71と、樋72とから構成されており、この溶湯受入口71は、その上面に配置されたプロテクタ73を備えている。
上記構成からなる溶湯流路の切替装置11を用いた連続製錬装置1の製錬方法について説明する。前述したように、乾燥した銅精鉱とフラックスとを酸素富化空気と共に熔錬炉2内にランス7により吹き込み、熔錬炉2内の酸化反応を進行させ、主成分が硫化銅及び硫化鉄の混合物からなるマットと、銅精鉱中の脈石、溶剤、酸化鉄等からなるスラグを生成する。このマットとスラグとは、樋6Aにより分離炉3に送られ、ここで比重差により下層のマットと上層のスラグとに分離される。分離炉3のスラグは、オーバーフローしており、液面一定になっている。ここで生成されたスラグには、銅分がほとんど無いのでそのまま系外に取り出される。
一方、分離炉3で分離されたマットは、樋6Bを介して製銅炉4に送られる。製銅炉4では、さらに酸素富化酸素を吹き込んでマット中の硫黄と鉄分とを酸化し、純度98.5%の粗銅からなる溶湯を生成する。製銅炉4において連続的に生成された溶湯は、樋6Cに排出される。また、このプロセスにおいて、製銅炉4における酸化の工程では、銅の一部も酸化してスラグの中に取り込まれてしまう。つまり、製銅炉4のスラグには、酸化鉄と共にかなりの酸化銅(14〜16%)が含まれる。このため、通常のプロセスでは、製銅炉4のスラグの水砕により固体粉末化し、乾燥後、熔錬炉3に導入して、再び溶解させて銅の回収を図っている。
製銅炉4から樋6Cに排出された溶湯は、溶湯流路の切替装置11を介して、それぞれの分岐樋12A、12B、12Cに排出された後、精製炉5に注入される。
精製炉5は、3基設けられているものであり、例えば第1の精製炉5Aが製銅炉4より生成された溶湯を受け入れている間に、他の精製炉5B、5Cでは、あらかじめ受け入れられた溶湯を酸化、還元して溶湯からより品質を向上させたアノードを鋳造する作業を並行して行うものである。
ここで、製銅炉4より連続的に排出されている溶湯は、樋10を通過した後、溶湯流路の切替装置11に誘導される。図2に示すように、樋10の排出口24より連続的に排出されている溶湯は、溶湯受部21内に流入する。このとき、溶湯受部21に流入する溶湯は、スプラッシュ等により溶湯受部21の外側に飛散しようとするが、プロテクタ80及び排ガスフード40により受けられるので、外側に飛散するのが防止されている。また、溶湯から発生するガスは、溶湯受部21の上部に配置された排ガスフード40により回収され、ダクトを通って排出される。
ここで、図1に示す精製炉5Aに溶湯を供給するには、図4に示すように、溶湯受部21の溶湯出口63を図2に示す第2の駆動装置14により溶湯受入口71Aの位置まで移動させる。図2に示すように、溶湯受部21は、軸部67を支持部33の軸受部35に回動自在に嵌め合わされているため、この軸部67を支点として、溶湯出口63を上下方向に向けることができる。即ち、溶湯受部21より溶湯を排出するには、第1の駆動装置13の油圧シリンダ44のロッドを伸ばしてワイヤ45を緩めることにより、軸部67を支点として溶湯受部21が溶湯出口63を下方に向かせるように傾斜する。その結果、図4に示すように、連続的に流入してくる溶湯を、溶湯出口63から溶湯受入口71Aに排出することができる。この際、溶湯受入口71は、プロテクタ73を備えていることにより、スプラッシュ等により溶湯が溶湯受入口71の外側に飛散するのを防止している。
その後、この排出された溶湯は、溶湯受入口71A内から分岐樋12A内に移動して、第1の精製炉5A内に流入させられる。
図1に示す精製炉5は、ある程度溶湯が溜まると、アノード生成のため溶湯の流入を停止させる必要がある。即ち、第1の精製炉5Aの溶湯の供給を停止して別の精製炉5B、5Cに溶湯を供給するには、溶湯流路の切替装置11により溶湯の流入先の切り替えを行う必要がある。ここでは、溶湯流路の切替装置11の切替動作について説明する。
精製炉5Aから精製炉5Bに溶湯の流れの切り替えは、作業者が図示しない油圧バルブのレバーを操作することにより行う。すなわち、作業者は、レバーを操作することにより、図3に示すように、第1の駆動装置13を駆動させて油圧シリンダ44を縮ませ、油圧シリンダ44の先端部に取り付けられたワイヤ45に張力を作用させる。このワイヤ45の張力により、プレート70を上方向に持ち上げ、溶湯流路62を上方向に引き上げて、溶湯の流出を停止させる。このとき、作業者は、レバー操作を行って、溶湯流路62をいったん引き上げた後、もう一度引き下げを行う。そうすることにより、作業者は、油圧シリンダ44が規定の動作を行うことができるかを確認する。
その後、溶湯流路の切替装置11は、第2の駆動装置14により、溶湯出口63を精製炉5Bに連通している図5に示す分岐樋12Bの位置まで移動させる。即ち、図2に示すように、油圧シリンダ48を駆動させると、ロッド49を介して駆動力が軸部37に伝達される。これにより、軸部37に回転力が与えられるので、本体フレーム22は、軸部37と軸部30を回転支点として回動動作をする。このとき、環状に設置されたレール29上に沿って本体フレーム22は回動するので、より正確に回動動作を行うことができる。これにより、溶湯出口63は、図5に示すように溶湯受入口71Bの位置まで移動させられる。この際、図2に示すように、本体フレーム22が固定架台23に吊り下げられていることにより、本体フレーム22の重量の一部を固定架台23に分散しているので、油圧シリンダ48が消費するエネルギーを低減させるとともに、レール29に沿ってスムーズに移動することができる。また、プロテクタ80は、排ガスフード40と接触することなく回動するように配置されているので、溶湯受部21の回動動作を妨害しない。
溶湯出口63が図5に示す溶湯受入口17Bの位置に達すると、油圧シリンダ48を停止させ、油圧シリンダ44を駆動させて、溶湯流路62を傾斜させて溶湯出口63を下方に向ける。これにより、溶湯を排出させることができる。ここで、溶湯流路62の切替動作は、10秒〜12秒で行うようになっている。このとき、この実施の形態で用いられる製銅炉4で生成され精製炉5に供給される溶湯の量は、1時間あたり約40トン、1秒あたり約11kgとされている。したがって、溶湯流路62の切り替え時に110〜132kgの溶湯を溶湯受部21の溶湯ボール61に蓄える必要がある。この点、溶湯受部21の溶湯ボール61の受けることのできる溶湯の容量は、約444kgとされている。すなわち、溶湯ボール61は、溶湯を約40秒蓄えることができるので、あふれ出すことが無い。
図6に示す分岐樋12C及び、12Cから12Aへの移動も上述した手順と同様に行えばよい。
上記の構成によれば、溶湯受部21の溶湯出口63を上下方向と回転方向に動作可能であることにより、3方向に分岐した分岐樋12に択一的に溶湯の排出を切り替えることができるので、効率的に精製炉5へ溶湯の供給を行うことができる。また、溶湯受部21の溶湯出口63は、溶湯流路62の切り替えを行っている間を除いて、ほぼつねに溶湯が流れ出しているので、溶湯が詰まることなく、従来のように溶湯をジェットランス等で突き崩す必要が無い。その結果、切替作業の効率を向上させることができる。また、従来のような複数溶湯出口が設けられた溶湯流路の切替装置のように、使用していない樋から溶湯が流れ出すことが無いので、手間がかからず、安全に切替作業を行うことができる。
また、第2の駆動装置14が固定架台23に設置されていることにより、溶湯受部21より飛散する溶湯の影響を受けることが無いので、回転動作をスムーズに行えるとともに、メンテナンス作業も軽減できる。
また、本体フレーム22が固定架台23に吊り上げられていることにより、本体フレーム22及び溶湯受部21の重量を分散させることができるので、第2の駆動装置14のエネルギー消費を軽減させることができるとともに、本体フレーム22をレール29に沿ってスムーズに移動させることができる。
また、排ガスフード40とプロテクタ80とにより、溶湯受部21において飛散するスプラッシュを受けるので、溶湯が溶湯受部21の外側に飛散するスプラッシュを防止する。その結果、切替作業を安全に行うことができるとともに、レール29上にスプラッシュが飛散することが無いので、切替動作をスムーズに行うことができる。
また、溶湯受部21の動作の際、排ガスフード40とプロテクタ80とが接触することが無いので、動作をスムーズに行うことができる。
なお、本実施の形態では、銅の連続製錬装置に適用したものを説明したが、これに限るものではなく、他の銅製錬装置や、銅以外の金属製錬装置における溶湯の切替にも適用することができる。
また、本実施の形態では、精製炉を3基としたことにより、分岐樋を3方向に分け、3方向に切替可能としたが、これに限るものではなく、精製炉が2基以上設置された連続製錬装置であれば適用できる。
この発明の一実施形態に係る溶湯流路の切替装置を用いた連続製錬装置の概略構成図である。 この発明の一実施形態に係る溶湯流路の切替装置の側面図である。 この発明の一実施形態に係る溶湯流路の切替装置の溶湯受部を示す図であって、(a)は溶湯受部の正面図、(b)は(a)における溶湯受部をA−A面から見た断面図である。 この発明の一実施形態に係る溶湯流路の切替装置の切替動作を示す概略上面図である。 この発明の一実施形態に係る溶湯流路の切替装置の切替動作を示す概略上面図である。 この発明の一実施形態に係る溶湯流路の切替装置の切替動作を示す概略上面図である。
符号の説明
10 樋
11 溶湯流路の切替装置
12 分岐樋
13 第1の駆動装置
14 第2の駆動装置
21 溶湯受部
63 溶湯出口

Claims (2)

  1. 上流側の樋から排出された溶湯を、少なくとも2方向に分岐して設けられた下流側の分岐樋へ、順次流れの切り替えを行う溶湯流路の切替装置であって、
    前記樋より排出された溶湯を内部に受け入れて一時的に保持し、該溶湯を前記分岐樋に排出させる一の溶湯出口を備えた溶湯受部と、
    前記溶湯受部の前記溶湯出口を上下方向に傾斜させる第1の駆動装置と、
    前記溶湯出口を前記各分岐樋の位置に移動させる第2の駆動装置と、
    前記溶湯受部を上下方向に傾斜可能に支持する本体フレームと、
    該本体フレームの下方に設置され、該本体フレームを移動自在に支持するガイド部と、
    前記本体フレームの上方定位置に設置されて該本体フレームをワイヤを介して吊下する固定架台とを備え、
    前記第1の駆動装置が前記本体フレームの上方に設置されるとともに、前記第2の駆動装置が前記固定架台に設置されていることを特徴とする溶湯流路の切替装置。
  2. 請求項1記載の溶湯流路の切替装置において、
    前記溶湯受部の上方に筒状の排ガスフードが設けられ、該溶湯受部には、その一部を前記排ガスフードの開口部の内方に位置させてプロテクタが設けられていることを特徴とする溶湯流路の切替装置。
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