JP4337415B2 - エンコーダ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、可動物体の位置決めや速度制御などに用いられる光学式エンコーダに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、干渉型の光学式エンコーダの一つとして、3つの格子を用いる3格子光学系のエンコーダが知られている(例えば、特許文献1参照。)。三格子光学系のエンコーダでは、第1の格子は光源からの光を+1次回折光と−1次回折光との2光束に分離して第2の格子に入射させる。第2の格子は第1の格子のピッチPに対してP/2のピッチで形成されており、入射した2つの回折光を第3の格子上の同一位置に照射する。第3の格子は第1の格子と同一ピッチPで形成されており、入射した2つの回折光は互いの光軸が平行となるよう出射されて、受光素子の受光面に入射する。そのため、受光素子では2つの回折光の干渉光が検出される。
【0003】
例えば、第3の格子を移動スケールに設け、その第3の格子を刻線の方向と直交する方向に距離xだけ移動させると、受光面における+1次回折光の位相変動は+2πx/Pとなり、−1次回折光の位相変動は−2πx/Pとなるので、受光素子で検出される干渉光強度が変化する。この干渉光の強度変化に基づいて、第1および第2の格子と第3の格子との間の相対的移動量を検出することができる。
【0004】
上述したエンコーダでは、2つの回折光が平行となって受光面に入射するので、移動量は検出できるが移動方向を弁別することができない。そこで、第3の格子のピッチを、第1の格子のピッチPよりも1%程度大きくまたは小さくすることにより、移動距離の検出とともに移動方向の弁別を行うようにしたエンコーダが知られている。そのような装置では、第3の格子から出射される2つの回折光の光軸方向がわずかに異なり、受光面上に明暗パターンの干渉縞が形成される。
【0005】
この光軸方向のずれは刻線と直交する方向、すなわち刻線の配列方向に発生するので、明暗パターンの配列方向は刻線の配列方向と同じになる。受光素子は干渉縞ピッチと同一ピッチを有する多分割受光素子で構成され、それらの分割受光素子からは明暗パターンの干渉光強度に応じた信号が出力されるので、移動方向の弁別に必要な位相差信号を取得することができる。
【0006】
【特許文献1】
特開平2002−81964号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したエンコーダでは、干渉縞のピッチは第1および第2の格子と第3の格子との間の刻線ピッチの差で一義的に決定されるので、いったん各格子の刻線ピッチを形成した後では干渉縞ピッチを変えることはできなかった。そのため、例えば、干渉縞ピッチを微調整するというようなことは不可能であり、どうしても干渉縞ピッチを変えたい場合には、格子そのものを変更するしかなかった。
【0008】
本発明は、干渉縞のピッチを調整することのできるエンコーダを提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明によるエンコーダは、可動物体に固定され、可動物体の移動方向に配列された複数の格子を有する回折格子と、光源からの光から2つの光束を形成する光束形成手段と、2つの光束を前記回折格子上において所定間隔だけずらして集光する光学素子と、回折格子から出射される光束の干渉による干渉縞を検出する検出部とを備えることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載のエンコーダにおいて、光学素子は2つの光束を回折格子の格子面からずれた光源側の位置または検出部側の位置にそれぞれ集光するものであって、かつ、光学素子で集光される2つの光束の並列方向に対して、回折格子の格子の方向を所定角度傾けたものである。
請求項3の発明は、請求項1または2に記載のエンコーダにおいて、光学素子は、その円筒軸が回折格子に平行で、2つの光束の並列方向に対して傾いて配設されるシリンドリカルレンズで構成される。
請求項4の発明によるエンコーダは、可動物体に固定され、可動物体の移動方向に配列された多数の格子を有する回折格子と、光源からの光から2つの光束を形成する光束形成手段と、2つの光束を所定間隔だけずらして回折格子に入射させる光学素子と、回折格子から出射された光束の干渉による干渉縞を検出する検出部とを備えることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して本発明の実施の形態を説明する。
−第1の実施の形態−
図1は本発明による光学式エンコーダの基本構成を示す図である。図1に示すエンコーダは3格子光学系のエンコーダであって、光源1,コリメートレンズ2,格子3,格子4,シリンドリカルレンズ5,格子6および検出部7を備えている。格子3の刻線ピッチと格子6の刻線ピッチとは同一ピッチP1に設定されており、格子4の刻線ピッチP2はP1/2に設定されている。
【0011】
光源1,コリメートレンズ2,格子3,格子4,シリンドリカルレンズ5および検出部7は相互の位置関係が固定されている。一方、格子6は可動体(不図示)に設けられる移動格子であり、可動体の動作に伴って格子6は上述した格子3,4やシリンドリカルレンズ5等に対して図1のx方向に移動する。
【0012】
図2(a)は図1の格子4,シリンドリカルレンズ5および格子6をx軸正方向から見た図であり、図2(b)はシリンドリカルレンズ5をz軸正方向から見た図である。図1に示した各格子3,4,6では、刻線はy軸方向に平行でx軸方向に沿って所定ピッチで配設されている。一方、シリンドリカルレンズ5の円筒軸J1は、xy平面内においてx軸の正方向に対して角度αだけ傾けて配置されている。ここでは、シリンドリカルレンズ5のz軸の周りの回転をヨーイングと呼ぶことにし、シリンドリカルレンズ5のヨーイング角度をαと表すことにする。
【0013】
光源1にはレーザ光源や発光ダイオード(LED)などが用いられる。光源1から発せられた光はコリメートレンズ2により平行光8とされ、第1番目の格子3に入射する。平行光8は格子3により回折されて、+1次回折光9aと−1次回折光9bとが発生する。実際には高次の回折光も発生するが1次回折光に比べて強度が極端に小さいので、測定光としては1次回折光が利用される。図1に示すように、+1次回折光9aはxz平面内においてz軸から角度θでx軸正方向に出射され、逆に、−1次回折光9bは角度θ’でx軸負方向に出射される。すなわち、格子3は、平行光8を2つの光束9a,9bに分割する光学部材として機能している。
【0014】
ここで、角度θは次式(1)で算出され、角度θ’は次式(2)で算出される。すなわち、θ’=−θとなっている。
【数1】
sinθ=λ/P1 …(1)
sinθ’=−λ/P1 …(2)
【0015】
格子3から出射された回折光9a,9bは、それぞれ第2番目の格子4に入射角θ,−θで入射する。上述したように格子4の刻線ピッチP2は格子3の刻線ピッチP1の1/2に設定されているので、角度θで入射する+1次回折光9aは格子4で回折されて角度−θで出射され、角度−θで入射する−1次回折光9bは格子4で回折されて角度θで出射される。格子4から出射された回折光9a,9bは図2(b)に示すようにシリンドリカルレンズ5に入射する。
【0016】
回折光9a,9bは、図2(b)に示すようにx軸方向に並んだ状態でシリンドリカルレンズ5に入射し、シリンドリカルレンズ5により格子6上に集光される。しかし、シリンドリカルレンズ5の円筒軸J1は格子4の軸J2に対してヨーイング角度αだけ傾いているため、シリンドリカルレンズ5に入射する際に、回折光9aのビーム中心軸19aは軸J1よりもy軸負方向にずれ、回折光9bのビーム中心軸19bは軸J1よりもy軸正方向にずれる。そのため、図2(a)に示すように、格子6上における回折光9aの集光位置はy軸正方向にずれ、回折光9bの集光位置はy軸負方向にずれる。図1に示すように、格子6上において回折光9aの集光位置と回折光9bの集光位置とのy方向の間隔をd1とする。
【0017】
集光された回折光9a,9bは格子6により回折され、回折光9a,9bはそれぞれのビーム中心軸19a,19bに沿って拡がる光束となる。この光束が重なる領域では、y軸方向に並んだ明暗パターンから成る干渉縞パターン10が形成される。受光部7はこの干渉縞強度を観測できる位置に配置される。
【0018】
受光部7には複数の受光素子7a,7b,7c,7dがy軸方向に沿って等間隔で設けられている。例えば、図3のように、干渉縞の光強度パターン20に対して受光素子7a〜7dを配置する。移動スケールである格子6がx方向に移動すると、+1次回折光9aの位相変動は+2πx/P1で、−1次回折光9bの位相変動は−2πx/P1であって、干渉縞パターンはy方向に移動する。
【0019】
このように、干渉縞パターン10に対して複数の受光素子7a〜7dを配置することにより、格子6のx方向への移動量に加えて移動方向も検出することができる。移動方向を検出するためには受光素子の数は原理的には2つでもよいが、本実施の形態では信号のオフセット等を除去する意味で受光素子同士の差分信号を求め、その差分信号に基づいて干渉縞パターン10のsin成分およびcos成分を得るようにしている。
【0020】
ところで、干渉縞パターン10のピッチは格子6上における回折光9a,9bの集光位置のずれ量d1に依存している。そして、このずれ量d1はシリンドリカルレンズ5のヨーイング角度αに依存しているので、ヨーイング角度αを調整することにより、受光素子7a〜7dの間隔d2(図3参照)に合わせ込むように干渉縞パターン10のピッチを調整することができる。
【0021】
図4は本実施の形態に対する比較例を示す図であり、シリンドリカルレンズを用いない3格子型エンコーダの光学系を示す図である。格子31の刻線ピッチをP3としたとき、格子32の刻線ピッチはP3/2に設定されている。また、格子33の刻線ピッチはP3+ΔPのように刻線ピッチP3に対して僅かに異なるように設定され、例えば、0.99×P3程度に設定される。
【0022】
平行光8は格子31で回折されて、上述した格子3の場合と同様に+1次回折光34a,−1次回折光34bを発生する。その後、回折光34a,34bはそれぞれ格子32により回折されて、3番目の格子33の同一位置に入射する。仮に、格子33の刻線ピッチがP3であった場合には、格子33で回折されて出射される回折光34a,34bのビーム中心軸は一致することになる。ところが、格子33の刻線ピッチは0.99×P3のようにピッチP3から僅かにずれているため、図4に示すように各回折光34a,34bのビーム中心軸の方向が異なり、各回折光34a,34bの干渉によって干渉縞パターン35が形成されることになる。
【0023】
干渉縞パターン35のピッチは格子33のピッチのずれ量ΔPに依存しているので、格子33の刻線ピッチを高精度に形成する必要があった。同様に、干渉縞パターン35を検出する複数の受光素子7a〜7dのピッチに対しても、干渉縞パターン35のピッチと合致するように高精度が要求されていた。また、干渉縞パターン35のピッチと受光素子7a〜7dのピッチとの間に許容できない誤差が発見された場合には、格子33や受光部7を交換する必要があった。
【0024】
しかし、上述した本実施の形態では、組立時にシリンドリカルレンズ5のヨーイング角度αを調整することにより、干渉縞パターン10のピッチと受光素子7a〜7dのピッチとを容易に合わせこむことができる。また、移動格子6の移動方向と直交するy方向に干渉縞パターン10を形成することができるとともに、、上述したようにシリンドリカルレンズ5のヨーイング角度αの大きさに応じて回折光9a,9bの集光位置はx方向にもずれる。その結果、y方向に並んだ干渉縞パターン10だけでなく、y軸から傾いた方向に並んだ干渉縞パターンを形成することが可能となる。そのため、干渉縞パターンをx方向にしか形成できない従来のエンコーダに比べて、エンコーダ取り付けに関する装置の設計自由度が増すという効果も有している。
【0025】
上述した実施の形態では回折光9a,9bを格子6上に集光したが、各回折光9a,9bの集光位置を格子6の上下、すなわち格子面の前方および後方のいずれかにずらすようにしても良い。このように、各集光位置を格子6の上下のいずれかにずらした場合、回折光9a,9bに対して格子6をヨーイングさせると、集光位置同士のy方向間隔を変更することができる。すなわち、干渉縞パターン10のピッチを変えることができる。
【0026】
図5は格子6のヨーイング角度βと集光位置のy方向間隔を説明する図である。図5(a)は、回折光9a,9bの集光位置が格子6より下にあって、かつ、格子6がヨーイング角度β=0である場合を示しており、上述した図1の場合に対応している。一方、図5(b)は、回折光9a,9bの集光位置が格子6より下にあって、格子6がヨーイング角度β≠0である場合を示している。
【0027】
図5(a),(b)において、A1およびB1は格子4から出射される回折光9a,9bの出射位置を示している。また、A2,B2は、シリンドリカルレンズ5で集光された回折光9a,9bの格子6上における入射位置をそれぞれ示している。19a,19bは、前述したように回折光9a,9bのビーム中心軸であり、回折光9a,9bの進行方向を示している。40は格子6の刻線である。41,42は格子4から出射される回折光9a,9bの進行方向のベクトルを表している。
【0028】
格子4から出射される回折光9a(ビーム中心軸19a),9b(ビーム中心軸19b)が格子6によって回折されたときに、ベクトル41,42の刻線40に直交する成分は回折により変化して例えばゼロとなるが、ベクトル41,42の刻線40に平行な成分41a,42aは保存される。
【0029】
図5(a)の場合、格子6から紙面裏側方向(z負方向)に出射される回折光9a,9bは、それらのビーム中心軸19a,19bが間隔d1の入射位置A2およびB2から僅かにy方向に拡がるように進行する(図1参照)。そのため、集光位置43a,43bの間隔d3は入射位置A2,B2の間隔d1よりも広くなっている。なお、集光位置43a,43bはベクトル41,42の中間、すなわち、成分41a,42aの中間にあるとして考える。
【0030】
一方、図5(b)の場合、刻線40はヨーイング角度βだけ傾いているため、ベクトル41,42の刻線40に平行な成分41b,42bの大きさは、図5(a)の場合の成分41a,42aよりも大きくなる。集光点44a,44bは成分41b,42bの中間にあるので、その間隔d4は図5(a)の場合の間隔d3よりも大きくなる。また、β<0の場合や、集光位置が格子6の上側であった場合にも間隔d3はd3≠d1となる。
【0031】
このように、回折光9a,9bの集光位置を格子6の上下にずらして格子6をヨーイングさせると、間隔d3を変えることができる。その結果、受光面に形成される干渉縞パターン10のピッチも変化する。例えば、図1のようにエンコーダを装置に固定した後に、干渉縞パターン10のピッチと受光素子7a〜7dのピッチとの間に誤差が発見された場合、可動体側に固定されている格子6の上下方向位置および取り付け角度(ヨーイング角度β)を調整することにより、干渉縞パターンのピッチ10と受光素子7a〜7dのピッチとを合わせ込むことが可能となる。なお、ここでは可動体側に設けられた格子6の上下方向位置および取り付け角度βを調整するような構成としたが、格子3,4およびシリンドリカルレンズ5の方を一体で上下方向位置および取り付け角度を変えても良い。
【0032】
−第2の実施の形態−
図6は、本発明によるエンコーダの第2の実施の形態を示す図である。なお、図6において、図1と同様の部分には同一符号を付し、以下では異なる部分を中心に説明する。図6に示すエンコーダでは、柱状のガラスブロック50が図1の格子4と同様の機能を担っており、ガラスブロック50の下面50bには格子51が設けられている。格子51は反射型の回折格子であるが、図1の格子3と同一のピッチP1を有している。その他の構成は図1と同様であり、格子6の刻線ピッチは格子51と同一のP1である。また、第1の実施の形態と同様に、シリンドリカルレンズ5はガラスブロック50および格子51に対して角度αだけヨーイングしている。
【0033】
コリメートレンズ2からの平行光8は、ガラスブロック50の上面50aに垂直入射し、ガラスブロック50内を透過した後に格子51に入射する。平行光8の入射により、反射型格子51は+1次回折光9aを平行光8の入射軸に対して角度θ方向に、−1次回折光9bを角度−θ方向にそれぞれ発生する。発生した+1次回折光9aは、ガラスブロック50の上面50aおよび下面50bで繰り返し全反射されてガラスブロック50内を+x方向に伝搬し、側面50cで反射された後に下面50bから出射される。一方、−1次回折光9bは、ガラスブロック50の上面50aおよび下面50bで繰り返し全反射されてガラスブロック50内を−x方向に伝搬し、側面50dで反射された後に下面50bから出射される。
【0034】
ガラスブロック50から出射された回折光9a,9bは、図1の場合と同様にシリンドリカルレンズ5によって格子6上に集光される。格子6上における回折光9a,9bの集光位置は、図1の場合と同様にy方向に間隔d1だけずれている。そのため、格子6から出射される回折光9a,9bの干渉によって、検出部7の受光面にy方向の干渉縞パターン10が形成される。シリンドリカルレンズ5をヨーイングさせることによってy方向の干渉縞パターン10ができる理由は図1の場合と全く同様であり、ここでは説明を省略する。上述したように、第2の実施の場合にも、第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0035】
−第3の実施の形態−
図7は本発明によるエンコーダの第3の実施の形態を示す図であり、図1のエンコーダの第1番目の格子3をビームスプリッタ60およびミラー61で置き換え、ピッチP1/2の格子4をピッチP1の格子62で置き換えたものである。図1に示した第1の実施の形態では、格子3により平行光8を2つの光束9a,9bに分割したが。第3の実施の形態では、ビームスプリッタ60により平行光8を2つの光束63a,63bに分割する。
【0036】
光束63a,63bはともに平行光であり、ビームスプリッタ60を透過した光束63bは格子6に垂直に入射する。一方、ビームスプリッタ60によりx正方向に反射された光束63aは、さらにミラー61でz負方向に反射されて格子62に垂直に入射する。光束63a,63bはそれぞれ格子62により回折されるが、本実施の形態では光束63bの+1次回折光64bと、光束63aの−1次回折光64aとを用いて干渉縞を形成する。
【0037】
刻線ピッチP1の格子からは、+1次回折光64bは角度θで出射され、−1次回折光64aは角度−θで出射される。回折光64a,64bはシリンドリカルレンズ5により格子6上に集光される。第1の実施の形態と同様に回折光64a,64bの集光位置はy方向に間隔d1だけずれており、それらが干渉することによりy方向の干渉縞パターン10が検出部7の受光面に形成される。そのため、第3の実施の場合にも、第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0038】
なお、上述した実施の形態ではシリンドリカルレンズ5を用いて回折光を集光しているが、格子6をヨーイングさせて干渉縞パターンのピッチを調整する場合を除いて、必ずしも回折光を集光する必要はない。例えば、図8に示すような構成としても良い。図8では、平面基板70a,70bを光路に挿入して、それぞれを任意角度αで傾斜させる。
【0039】
以上説明した実施の形態と特許請求の範囲の要素との対応において、格子3,51およびビームスプリッタ60は光束形成手段を、格子6は回折格子をそれぞれ構成する。また、本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではない。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、干渉縞のピッチを調整することのできるエンコーダを提供し、検出精度の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるエンコーダの第1の実施の形態を示す図である。
【図2】格子4,シリンドリカルレンズ5および格子6の関係を示す図であり、(a)は図1のx軸正方向から見た図であり、(b)はシリンドリカルレンズ5をz軸正方向から見た図である。
【図3】受光素子7a〜7dの配列と干渉縞の光強度パターン20との関係を示す図である。
【図4】本実施の形態に対する比較例を示す図である。
【図5】格子6のヨーイング角度βと集光位位置のy方向間隔を説明する図であり、
(a)は集光位置が格子6上にある場合を、(b)は集光位置が格子6の前後にずれていて、かつ、β≠0である場合をそれぞれ示している。
【図6】本発明によるエンコーダの第2の実施の形態を示す図である。
【図7】本発明によるエンコーダの第3の実施の形態を示す図である。
【図8】図6に示す装置の変形例を示す図である。
【符号の説明】
1 光源
2 コリメートレンズ
3,4,6,31〜33,51,62 格子
5 シリンドリカルレンズ
7 検出部
7a〜7d 受光素子
8 平行光
9a,9b,34a,34b,64a,64b 回折光
10,35 干渉縞パターン
40 刻線
50 ガラスブロック
60 ビームスプリッタ
61 ミラー
α,β ヨーイング角度
Claims (4)
- 可動物体に固定され、前記可動物体の移動方向に配列された複数の格子を有する回折格子と、
光源からの光から2つの光束を形成する光束形成手段と、
前記2つの光束を前記回折格子上において所定間隔だけずらして集光する光学素子と、
前記回折格子から出射される光束の干渉による干渉縞を検出する検出部とを備えることを特徴とするエンコーダ。 - 請求項1に記載のエンコーダにおいて、
前記光学素子は前記2つの光束を前記回折格子の格子面からずれた前記光源側の位置または前記検出部側の位置にそれぞれ集光するものであって、かつ、前記光学素子で集光される2つの光束の並列方向に対して、前記回折格子の格子の方向を所定角度傾けることを特徴とするエンコーダ。 - 請求項1または2に記載のエンコーダにおいて、
前記光学素子は、その円筒軸が前記回折格子に平行で、前記2つの光束の並列方向に対して傾いて配設されるシリンドリカルレンズで構成されることを特徴とするエンコーダ。 - 可動物体に固定され、前記可動物体の移動方向に配列された多数の格子を有する回折格子と、
光源からの光から2つの光束を形成する光束形成手段と、
前記2つの光束を所定間隔だけずらして前記回折格子に入射させる光学素子と、
前記回折格子から出射された光束の干渉による干渉縞を検出する検出部とを備えることを特徴とするエンコーダ。
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