JP4337164B2 - Optical product and manufacturing method thereof - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂基板に光透過層を形成してなるプラスチックレンズ等の光学製品及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
眼鏡用プラスチックレンズなどの光学製品の表面の機械的強度を補い、耐擦傷性を向上させるために、ハードコート層を形成することが広く行われている。
【0003】
このハードコート層の形成は、一般的には、二酸化珪素微粒子とシランカップリング剤を含有するハードコート液を用いてプラスチックレンズ基板にディッピング又はスピン法で塗膜を形成し、その後、塗膜を乾燥、硬化させる湿式法で行われている。
【0004】
また、乾式法によるハードコート層の成膜では、古くから真空蒸着法で二酸化珪素膜を成膜する方法が知られている。近年では、特開平9−68601号公報、特開平8−190002号公報で、シリカ系有機金属を用いるプラズマCVDプロセスのみによるハードコート層の膜形成が提案されている。
【0005】
一方、近年、プラスチックレンズ基板が高屈折率化し、最近では1.7を超える高屈折率レンズが開発されている。このような樹脂基板とハードコート層との屈折率が異なると、屈折率の差から干渉縞が発生するという問題がある。
【0006】
そのため、湿式法では、硬化したハードコート層の屈折率を基板の屈折率と等しくなるようにハードコート液を調整している。
【0007】
また、乾式法では、屈折率が1.44〜1.48である二酸化珪素膜で構成されるハードコート層とプラスチックレンズ基板との屈折率差を調整するため、特開平9−68601号公報、特開平8−190002号公報では、プラスチックレンズ基板とハードコート層の間に屈折率が厚み方向で順次変化し、基板側では基板の屈折率におおむね等しく、ハードコート側はハードコートの屈折率におおむね等しい屈折率を有する屈折率調整層をプラズマCVDで形成することが提案されている。これらの公報では、屈折率調整層を高屈折率化するため、Tiを含む高屈折率用有機金属、あるいはZr、Taを含む高屈折率用有機金属を用いてプラズマCVDを行っている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の技術は、多くの問題点がある。即ち、湿式法によるハードコート層の形成方法は、硬化後の屈折率を基板屈折率と等しくするようにハードコート液を調整するため、ハードコート液の共通性が低く、1種類のレンズ基板に対して1種類のハードコート液を用意することが前提であり、効率が悪いという問題がある。
【0009】
また、プラスチックレンズ基板にハードコート液をディッピングやスピンコートを用いて塗布し、乾燥するには多大の設備が必要であり、これにより、製造コストを押し上げているという問題がある。しかも、有機溶剤を用いているため、有機溶剤が蒸発したり、また、ハードコート液にはポットライフがあり、ポットライフが過ぎたハードコート液は全量交換しなければならないため、産業廃棄物が多く出るという問題がある。さらに、加熱により硬化させるため、エネルギーを消費し、近年の省エネルギーに反するという問題がある。
【0010】
一方、乾式法によるハードコート層の形成では、湿式法のかかる問題点はないが、別の問題がある。即ち、真空蒸着法により形成された二酸化珪素膜は、膜厚1μm前後から優れた耐擦傷性を示すものの、1μmを越えると二酸化珪素膜の圧縮応力により樹脂基板との密着性が低下し、十分な膜厚で成膜できず、そのため、耐擦傷性を満足できないという問題があり、現在ではほとんど用いられていない。
【0011】
また、シリカ系有機金属を用いるプラズマCVD法で二酸化珪素膜をハードコート層として形成する方法では、本発明者の実験では、総合的な耐久品質を確保しようとしたときには、得られたハードコート層の耐擦傷性は、一般的な湿式法で得られたハードコート層とほぼ同等の特性であることが認められている。
【0012】
このように、従来の乾式法では、密着性と耐擦傷性とを両立した品質の良いハードコート層を形成することが困難である。
【0013】
また、特開平9−68601号公報、特開平8−190002号公報で提案されているTi、Zr、Ta等を含む高屈折率用有機金属を用いるプラズマCVD法は、沸点が高く、加水分解により析出しやすい、毒性及び発火に対する危険性があるなど非常に扱い難く、特に、加水分解性の高いこれらの有機金属を用いるため、実際の製造では安定して生産することが困難である。
【0014】
さらに、特開平9−68601号公報、特開平8−190002号公報で提案されているプラズマCVDで形成された屈折率調整層は、耐湿性、耐光性が良くないという問題がある。
【0015】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、第1に、上述したような湿式法の問題点がない乾式法により、密着性と耐擦傷性を両立したハードコート層や、扱いにくい有機金属を用いずに安定して形成され得る屈折率調整層などの光透過層を有する光学製品を提供することを目的とする。
【0016】
第2に、本発明は、耐湿性、耐光性が改良された屈折率調整層等の光透過層を樹脂基板上に有する光学製品を提供することを目的とする。
【0017】
第3に、本発明は、乾式法により、密着性と耐擦傷性を両立したハードコート層を形成できると共に、扱いにくい有機金属を用いずに安定して屈折率調整層を形成できる光学製品の製造方法を提供することを目的とする。
【0018】
第4に、本発明は、耐湿性、耐光性が改良された屈折率調整層等の光透過層を樹脂基板上に形成できる光学製品の製造方法を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記目的を達成するため、鋭意検討を重ねた結果、真空蒸着法とプラズマを用いた化学気相成長法(以下、プラズマCVD法という)とを併用して光透過層を形成することが有効であることを見い出した。
【0020】
即ち、真空蒸着法とプラズマCVD法とを併用して形成した二酸化珪素膜は、真空蒸着法で形成される固い二酸化珪素膜にプラズマCVD法で形成される有機基に富む比較的柔軟な二酸化珪素膜が混合するため、真空蒸着法により形成される二酸化珪素膜の圧縮応力を減少させ、さらに、膜に柔軟性を与えることができる。そのため、密着性に優れ、真空蒸着法で形成される二酸化珪素膜が1μm程度で圧縮応力により密着性が低下するのに対し、4μm程度の厚膜としても十分な密着性を有する。また、プラズマCVD法のみで形成した二酸化珪素膜よりも固い。したがって、密着性と耐擦傷性とが両立した二酸化珪素膜、すなわちハードコート層を形成することができる。
【0021】
また、屈折率調整層等の高屈折率層を形成する場合、真空蒸着法で高屈折率層を形成する蒸着物質を蒸着すると共に、プラズマCVD法で低屈折率層を形成するようにすれば、プラズマCVD法では非常に扱い難い高屈折率用有機金属を使わずに済むので、安定して生産が可能である。
【0022】
さらに、プラズマCVD法を用いて堆積させると、プラズマにより樹脂基板表面に損傷を与え、そのためにプラズマCVD法による堆積膜と樹脂基板との密着性が低下し、密着性の低下のために、堆積膜の耐湿性、耐光性が悪くなっていることを知見した。そのため、プラズマCVDの前に樹脂基板表面に真空蒸着法などのプラズマを用いない成膜方法で密着性改善層を設け、基板表面を保護することにより、基板表面がプラズマで損傷を受けず、プラズマCVDにより形成された堆積膜と樹脂基板との密着性が改善され、耐湿性、耐光性が良好になることを見い出した。
【0023】
これらの検討から、樹脂基板上に、上述した密着性改善層、真空蒸着法とプラズマCVD法とを併用して形成した屈折率調整層、真空蒸着法とプラズマCVD法とを併用して形成したハードコート層、さらに反射防止層を設けることにより、耐湿性、耐光性、密着性、耐擦傷性等に優れた光学製品となること、いずれも乾式法で成膜できるため、生産性がよいことを見い出した。
【0024】
したがって、請求項1記載の発明は、樹脂基板と、前記樹脂基板上に真空蒸着法とプラズマを用いた化学気相成長法とを併用して形成された混成光透過層とを有し、前記真空蒸着法における薄膜材料として、SiO 2 、SiO、ZrO 2 、TiO 2 、TiO、Ti 2 3 、Ti 2 5 、Al 2 3 、Ta 2 5 、CeO 2 、MgO、Y 2 3 、SnO 2 、MgF 2 、WO 3 、Crから選ばれる一種または二種以上の無機物が用いられ、前記プラズマを用いた化学気相成長法における原料として、Si系有機金属が用いられることを特徴とする光学製品を提供する。
【0025】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の光学製品において、前記混成光透過層が、二酸化珪素を主成分とするハードコート層であることを特徴とする光学製品を提供する。
【0026】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の光学製品において、前記混成光透過層が、前記樹脂基板とハードコート層との間に介在し、厚み方向に前記樹脂基板から前記ハードコート層の屈折率へ段階的に又は連続的に変化する屈折率を有する屈折率調整層であることを特徴とする光学製品を提供する。
【0027】
請求項4記載の発明は、請求項2又は3記載の光学製品において、前記樹脂基板と前記混成光透過層との間に、プラズマを用いない成膜法により形成された密着性改善層を有することを特徴とする光学製品を提供する。
【0029】
請求項記載の発明は、請求項記載の光学製品において、前記ハードコート層の上に、反射防止層を有することを特徴とする光学製品を提供する。
【0030】
請求項記載の発明は、一つのチャンバー内で、樹脂基板上に真空蒸着法とプラズマを用いた化学気相成長法とを併用して混成光透過層を成膜する併用成膜工程を有する光学製品の製造方法において、前記真空蒸着法における薄膜材料として、SiO 2 、SiO、ZrO 2 、TiO 2 、TiO、Ti 2 3 、Ti 2 5 、Al 2 3 、Ta 2 5 、CeO 2 、MgO、Y 2 3 、SnO 2 、MgF 2 、WO 3 、Crから選ばれる一種または二種以上の無機物が用いられ、前記プラズマを用いた化学気相成長法における原料として、Si系有機金属が用いられることを特徴とする光学製品の製造方法を提供する。
【0031】
請求項記載の発明は、請求項記載の光学製品の製造方法において、前記併用成膜工程が、二酸化珪素を主成分とするハードコート層を成膜するハードコート成膜工程であることを特徴とする光学製品の製造方法を提供する。
【0032】
請求項記載の発明は、請求項又は記載の光学製品の製造方法において、前記併用成膜工程が、前記樹脂基板上に、厚み方向に前記樹脂基板の屈折率から所定の屈折率へ段階的に又は連続的に屈折率を変化させながら成膜する屈折率調整層成膜工程であることを特徴とする光学製品の製造方法を提供する。
【0033】
請求項9記載の発明は、請求項7又は8記載の光学製品の製造方法において、前記併用成膜工程の前に、前記樹脂基板上にプラズマを用いない成膜法により密着性改善層を成膜する密着性改善層成膜工程を有することを特徴とする光学製品の製造方法を提供する。
【0035】
請求項10記載の発明は、請求項記載の光学製品の製造方法において、前記ハードコート層上に、反射防止層を成膜する反射防止層成膜工程を有することを特徴とする光学製品の製造方法を提供する。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は、下記の実施の形態に限定されるものではない。
【0037】
上述したように、本発明の光学製品は、樹脂基板と、この樹脂基板上に真空蒸着法とプラズマCVD法とを併用して形成された混成光透過層を有する。
【0038】
樹脂基板としては、眼鏡用プラスチックレンズ、光学用プラスチックレンズ、反射防止用フィルム、車両用の窓等のプラスチック光学製品の基材となる樹脂製基板を例示することができる。樹脂基板の材料の種類や形状に制限はない。
【0039】
真空蒸着法は、高真空中で薄膜材料を加熱蒸発させ、この蒸発粒子を樹脂基板上に堆積させて薄膜を形成する方法である。薄膜材料の加熱方法には、抵抗加熱、電子ビーム加熱、アーク加熱等がある。樹脂基板に対する真空蒸着法では、樹脂基板の耐熱性から用いることができる無機物が限られ、例えば、SiO2、SiO、ZrO2、TiO2、TiO、Ti23、Ti25、Al23、Ta25、CeO2、MgO、Y23、SnO2、MgF2、WO3、Crなどを例示することができ、これらの無機物を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。特に、樹脂基板用としては、蒸着温度を低くすることができるSiO、SiO2、ZrO2、TiO2、Ti35、Crが好ましく使用できる。
【0040】
プラズマCVD法は、減圧下のプラズマ放電によって原料ガスを化学的に活性化し、通常の熱励起では困難な化学反応によって膜を堆積させるものである。電界によって加速された電子とガス分子が非弾性衝突して、分子がイオン化、解離乃至励起されて化学活性種ができる。非平衡反応であるので、種々の組成の膜が、熱CVD法に比べてかなり低温で堆積でき、耐熱性が低い樹脂基板の成膜に好適である。プラズマの発生には高周波がよく利用されるが、直流電圧を印加する方法もある。また、磁界を利用して発生したプラズマを拡散することも行われる。
【0041】
本発明では、プラズマCVD法は真空蒸着法と併用して混成光透過層を形成するため、真空蒸着法に高屈折率を与える蒸着物質を受け持たせることができ、プラズマCVD法では、扱いやすく、安定して生産できるSi系有機金属を用いることができる。これにより、非常に扱い難いTi、Zr、Ta等を含む高屈折率用有機金属を使わずに済む。
【0042】
Si系有機金属としては、例えば、テトラメチルジシラザン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラメチルシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、エチルトリメチルシラン、アリルトリメチルシラン、イソプロポキシトリメチルシラン、メチルトリビニルシラン、ヘキサメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシラン、1,3−ジメトキシテトラメチルジシロキサン、ジメチルトリメチルシリルアミン、アセトキシメチルトリメチルシラン、アリルジメチルシラン、ビス(ジメチルアミノ)メチルシラン、t−エトキシトリメチルシラン、ジビニルジメチルシラン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、ヘキサメチルジシラザン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン、トリメチルシリルイソシアネート、ビニル−t−ブチルジメチルシラン等を挙げることができる。
【0043】
本発明での真空蒸着法とプラズマCVD法とを併用して形成する混成光透過層としては、特に制限されないが、二酸化珪素膜(ハードコート層)及び屈折率調整層を例示することができる。
【0044】
ハードコート層の形成では、真空蒸着で二酸化珪素を蒸着材料として加熱、蒸発させて樹脂基板表面に直接二酸化珪素を堆積させると共に、プラズマCVDでSi系有機金属を原料ガスとして用いてSi系有機金属自体の分解、あるいは酸素との反応で二酸化珪素を樹脂基板表面に堆積させる。
【0045】
真空蒸着により得られる二酸化珪素膜は良質であり、非常に硬質で、膜厚1μm前後から優れた耐擦傷性を示すが、圧縮応力により、1μmより厚く成膜すると密着性が悪くなり、結局、耐擦傷性が市場品質を満足することはできない。一方、プラズマCVD法により得られる二酸化珪素膜は、膜中に有機基を含むため、柔軟性があり圧縮応力が少ないが、比較的軟質で耐擦傷性に劣り、本発明者が行った実験では、湿式法で得られるハードコート膜と同程度の耐擦傷性を示す。
【0046】
本発明では、真空蒸着法とプラズマCVD法を併用しているので、得られる二酸化珪素膜は真空蒸着によるものとプラズマCVDによるものの混合物となる。そのため、得られる二酸化珪素膜は、プラズマCVD法で得られる二酸化珪素膜よりも硬質であると共に、真空蒸着法で得られる硬質の二酸化珪素膜にプラズマCVD法による圧縮応力を減少させる効果や柔軟性が与えられる。その結果、4μmまで膜厚を厚くしても密着性が低下せず、これに加えて硬質であるため、優れた耐擦傷性を示す。本発明の併用法による4μm厚の二酸化珪素膜は、1μm厚の真空蒸着による二酸化珪素膜、4μm厚の湿式法やプラズマCVD法により得られる二酸化珪素膜より非常に優れた耐擦傷性を有する。
【0047】
また、真空蒸着法とプラズマCVD法の併用により、成膜速度が向上し、生産性が向上するという効果も得られる。
【0048】
一方、屈折率調整層は、樹脂基板とハードコート層との間に介在し、樹脂基板側では樹脂基板とほぼ同じ屈折率を有し、ハードコート層側ではハードコート層とほぼ同じ屈折率を有し、厚み方向に段階的に又は連続的に変化する屈折率を有する傾斜機能を有する層である。
【0049】
この屈折率調整層を樹脂基板とハードコート層の間にバッファーゾーンとして介在させることにより、干渉縞の発生を防止して優れた外観の光学製品を得ることができる。また、樹脂基板の屈折率が変化しても、樹脂基板の屈折率の変化に対して屈折率調整層の樹脂基板側の屈折率を高くすることで対応可能であるため、単に成膜装置の条件を変えるだけであらゆる屈折率の樹脂基板に対応可能である。また、屈折率調整層を介在させることにより、樹脂基板の屈折率にかかわらずハードコート層の光学的条件、言い換えれば製造条件を一定にでき、ハードコート層の製造が容易になるという効果を有する。さらに、ハードコート層の上に形成される反射防止層は、ハードコート層の光学的条件が一定になれば、基板屈折率にかかわらず同じ条件で成膜することができるため、反射防止層の製造が容易になるという効果も有する。
【0050】
近年、プラスチックレンズの屈折率が1.7を超えるような高屈折率化に伴って、樹脂基板側の屈折率調整層の高屈折率化が必要であるとともに、ハードコート層の屈折率(1.44〜1.48の間で任意の調整できる)との段差が大きくなってきている。
【0051】
本発明の真空蒸着法とプラズマCVD法を併用して屈折率調整層を形成する場合、真空蒸着では、TiO2、ZrO2、Ti35等の高屈折率蒸着物質を用い、蒸着物質を加熱、蒸発させて樹脂基板表面に直接高屈折物質を堆積させると共に、プラズマCVDでは、例えば、Si系有機金属を原料ガスとして用いてSi系有機金属自体の分解、あるいは酸素との反応で低屈折率の二酸化珪素を樹脂基板表面に堆積させる。これらの高屈折率蒸着物質と低屈折率堆積膜の成膜比を変えることにより、得られる膜の屈折率を調整することができる。即ち、樹脂基板に成膜を開始するときは樹脂基板の屈折率とほぼ同じ屈折率の膜を成膜し、その後連続的に又は段階的に屈折率を変化させ、最後にハードコート層とほぼ同じ屈折率を有するように高屈折材料と低屈折材料の成膜量を選択する。屈折率の調整は、Si系有機金属蒸気の流量及び蒸着物質の成膜速度を変化させることで任意に調整できる。
【0052】
このような真空蒸着法とプラズマCVD法を併用し、真空蒸着法で高屈折率の蒸着物質を成膜し、プラズマCVD法で低屈折率の膜を成膜することにより、沸点が高く、加水分解により析出しやすい、毒性及び発火に対する危険性があるなど非常に扱い難く、特に、加水分解性が高いと、実際のプラズマCVDでは安定的に使うことが困難であるTi、Zr、Ta等を含む高屈折率用有機金属をプラズマCVD法で用いずに済む。これにより、安定した生産を容易に達成することができる。
【0053】
また、プラズマCVD法を用いて樹脂基板上に膜を形成する場合、プラズマにより樹脂基板、特に高屈折率、超高屈折率素材が損傷を受け、そのため、樹脂基板上に成膜した膜と樹脂基板との密着性が悪くなり、密着性の悪化により、膜の耐湿性、耐光性が悪くなるという問題が発生する。本発明では、屈折率調整層を形成する場合に、プラズマCVD法と真空蒸着法を併用しているため、プラズマで樹脂基板が損傷を受けるおそれがある。
【0054】
そのため、本発明では、プラズマCVD法を用いて樹脂基板上に膜を堆積する前に、プラズマを用いない成膜方法、例えば真空蒸着法で樹脂基板に密着性改善層を形成することが好ましい。これにより、樹脂基板が保護されてプラズマCVDによるプラズマで損傷を受けることを防止して、プラズマCVD法で形成される膜の密着性を高め、膜の耐湿性、耐候性を改善することができる。
【0055】
密着性改善層としては、光学的に影響を与えない程度に薄く成膜しても樹脂基板をプラズマから保護できると共に、樹脂基板と密着性が良好であるなどの観点から選択される。その物理的膜厚は最大でも20〜15nm程度であり、光学的膜厚(屈折率×膜厚)として最大33nm程度である。密着性改善層の種類としては、Al23(屈折率=1.64、最大膜厚=20nm)、SiO(屈折率=1.9、最大膜厚=15nm)、Cr23(屈折率=2.2、最大膜厚=15nm)などを例示することができる。
【0056】
次に、真空蒸着とプラズマCVDを同時に稼働する成膜装置の一実施形態を図1に示す。図1は、一つのチャンバー内で真空蒸着法とプラズマCVD法とを併用して成膜する真空成膜装置を示している。
【0057】
この成膜装置10は、ルーツポンプ及び油拡散ポンプで真空引きが可能なチャンバー11内にプラズマ源1基、蒸着源2基が配置され、それぞれに開閉可能な図示しないシャッターが配置されている。プラズマ源20は、グリッドを持たないエンドホール型であり、円筒型のアノード21の中に同軸でカソード22が配置されている。これらの電極間の間隙がアルゴンガスの導入路となっている。また、アノード21の先端の外周面には電磁コイル23が配置され、アノード21とカソード22との間の直流電流で生じたプラズマを電磁コイル23の磁界で拡散してプラズマ強度が均一になるようになっている。
【0058】
プラズマCVDの原料ガスは、チャンバー11外の図示しない容器から加熱された配管を介してチャンバー11内に所定の流量で導入できるようになっている。また、原料ガス分解用の酸素ガスもチャンバー11内に導入できるようになっている。
【0059】
2つの第1蒸着源31、第2蒸着源32は、それぞれハースと呼ばれる回転可能に支持されている支持台311、321に複数のルツボが支持台の回転に伴って回転して位置が変更できるように配置されている。図1では、第1蒸着源31に2つのルツボ312、313、第2蒸着源32に2つのルツボ322、323が配置されている例を示している。それぞれのルツボには異なる蒸着物質を入れることができ、図1では4種の蒸着物質を入れることができるようになっている。支持台311、321は、それぞれモータ314、324で回転され、支持台に隣接して配置されている電子銃315、325側に任意のルツボを近接させ、電子銃315、325により加熱される蒸着物質を交換できるようになっている。ルツボ内の蒸着物質を加熱する手段として、この装置では電子銃315、325から放出される電子ビーム316、326を用いている。電子ビーム316、326で電子銃315、325に近接している蒸着物質を加熱することにより、蒸着物質を融点以上に加熱して蒸発させ、この蒸発粒子が上方に向かって飛ぶようになっている。
【0060】
チャンバー11の上方には、複数の樹脂基板Wを保持するドーム状のレンズホルダー40がモータ50で回転可能に配置されている。樹脂基板Wは、このレンズホルダー40の内面に露出した被成膜面を下面側にして保持される。
【0061】
この成膜装置10は、真空蒸着とプラズマCVDを同時に稼働して成膜することができると共に、シャッターの開閉により真空蒸着のみを稼働させ、あるいはプラズマCVDのみを稼働させることができるようになっている。
【0062】
このような成膜装置10を用いて樹脂基板に真空蒸着のみ、あるいはプラズマCVDと真空蒸着を併用し、樹脂基板上に、上述した密着性改善層、屈折率調整層、ハードコート層及び反射防止層を形成する方法について説明する。
【0063】
まず、2つの蒸着源31、32のそれぞれのルツボにはそれぞれ異なる蒸着物質を入れておく。例えば、第1蒸着源31のルツボ312には密着性改善層を形成するためのSiO、ルツボ313にはハードコート成膜用及び反射防止膜成膜用のSiO2、第2蒸着源32のルツボ322には屈折率調整層を形成するためのTi35、ルツボ323には反射防止膜成膜用のZrO2を入れる。そして、レンズホルダー40に樹脂基板Wをセットし、チャンバー11内に搬入する。
【0064】
まず、密着性改善層成膜工程を行う。チャンバー11内を真空にした後、プラズマ源20のシャッターは閉じ、モーター50でレンズホルダー40を回転させつつ第1蒸着源31の電子銃315でSiOを蒸発させて密着性改善層を成膜する。
【0065】
次に、屈折率調整層成膜工程を行う。プラズマ源20へはシャッターを閉じた状態でアルゴンガスを流しながらアノード21とカソード22間に直流電圧を印加すると共に、アノード21とレンズホルダー40間にもバイアス電圧を印加し、アノード21とカソード22間にプラズマを発生させる。また、電磁コイル23に電流を流す。Si系有機金属を原料ガスとしてチャンバー11内に導入する。一方、第2蒸着源32のシャッターを閉じた状態で電子銃325でTi35を加熱しておく。そして、プラズマ源20、Si系有機金属流量、電子銃条件等の条件がそろった状態で、それぞれのシャッターを開け、成膜を開始する。成膜開始時の膜の屈折率は樹脂基板とほぼ等しくなるようにSi系有機金属流量、電子銃条件等を調整し、その後、所定の厚みが得られる毎に、Si系有機金属流量やバイアス電圧などを調整しながら、次第に屈折率が低くなるような多層膜を形成し、ハードコート層の屈折率とほぼ等しくなるまで成膜を続ける。所定の屈折率の層が得られたら、プラズマ源20へのシャッター及び第2蒸着源32のシャッターを閉じる。
【0066】
次に、ハードコート層成膜工程を行う。プラズマ源20へのシャッター及び蒸着源31、32のシャッターを閉じた状態で、 Si系有機金属を原料ガスとして導入しながら第1蒸着源31の電子銃315でSiO2を加熱し、プラズマ源、Si系有機金属流量、電子銃条件等の条件がそろった状態で、それぞれのシャッターを開け、成膜を開始する。所定の厚みのハードコート層を形成した後、プラズマ源20へのシャッター及び第1蒸着源31のシャッターを閉じると共に、Si系有機金属の導入を停止する。
【0067】
次に、反射防止層成膜工程を行う。プラズマ源20へのシャッター及び蒸着源31、32のシャッターを閉じた状態で、第1蒸着源31の電子銃315でSiO2及び第2蒸着源32の電子銃325でZrO2を加熱し、いずれか一方のみのシャッターを開け、いずれかの蒸着物質の蒸着を行い、交互にこれらの蒸着物質の蒸着を行う。なお、プラズマ源20のシャッターは開け、プラズマを照射するが、原料ガスの導入は行わない。
【0068】
このようにして一つのチャンバー11内で密着性改善層、屈折率調整層、ハードコート層及び反射防止層を原料ガス、蒸着源を切り替えながら連続して形成することができ、極めて生産性が良好である。
【0069】
なお、一つのチャンバーで一連の成膜工程を行っているが、複数のチャンバーを用いてそれぞれの成膜工程又は複数の成膜工程を行うようにしてもよい。
【0070】
樹脂基板上に、上述した密着性改善層、屈折率調整層、ハードコート層、さらに反射防止層を積層した本発明の光学製品の層構造の一例を図2に示す。図2に示す光学製品は、後述する実施例1で得られたものである。
【0071】
この光学製品は、屈折率が1.67の樹脂基板上に、真空蒸着法で成膜された屈折率1.9のSiOで構成される密着性改善層が、7nmの膜厚で積層されている。密着性改善層の上には、屈折率が1.67から1.46まで0.023ずつ10段階で屈折率が次第に低下している屈折率調整層が500nmの膜厚で積層されている。屈折率調整層は、Si系有機金属を原料として低屈折率用の二酸化珪素を成膜するプラズマCVD法と、高屈折用のTi35を蒸着物質とした真空蒸着法との併用で形成されている。また、屈折率調整層の上には、二酸化珪素で構成される屈折率が1.44のハードコート層が3000nmの膜厚で積層されている。このハードコート層は、Si系有機金属を原料としたプラズマCVD法と、二酸化珪素を蒸着物質とした真空蒸着法との併用で形成されている。ハードコート層の上には、真空蒸着法で成膜されたハードコート層側から順に40nm厚のZrO2、22.2nm厚のSiO2、67.5nm厚のZrO2、92.5nm厚のSiO2で構成される反射防止層が積層されている。
【0072】
図2に示した光学製品の屈折率調整層は、段階的に屈折率が変化する10層に分割した構造となっているが、分割数の数には制限はなく、また、無段階に屈折率を変化させることも可能である。無段階とした方が基板とハードコート層との屈折率差がリップルとして現れないので、良好な分光特性が得られる。同様に、分割数を増やせば、無段階に近づき、分光特性が向上する。
【0073】
段階的に屈折率を変化させるときは、1ステップでの屈折率の変化は、0.3以下、特に0.2以下とすることが好ましい。また、1ステップでの膜厚は、最低でも20nmを確保する必要があるが、なるべく薄くした方がよい。これらの分割数、1ステップでの屈折率の変化の度合い、膜厚は、基板の屈折率と干渉色品質とを鑑みて決定することが好ましい。
【0074】
ハードコート層の膜厚は最低1000nmを確保すれば、屈折率調整層の耐擦傷性向上効果も含めると、湿式法によるハードコート層と同程度の耐擦傷性を確保できる。
【0075】
このような層構成の光学製品は、密着性改善層が樹脂基板上に形成されているので、次の屈折率調整層を成膜するときのプラズマCVDにより樹脂基板表面が損傷を受けないため、屈折率調整層が密着性改善層を介して樹脂基板に密着性良く積層され、耐湿性、耐光性が良好である。密着性改善層は膜厚が薄いので、光学性能に影響を与えない。また、屈折率調整層が、樹脂基板にほぼ等しい屈折率からハードコート層にほぼ等しい屈折率までを膜厚方向に段階的に屈折率が低下する多層構造で構成されているので、干渉縞が発生せず、外観品質が良好である。また、ハードコート層は、真空蒸着法とプラズマCVD法の併用により、硬質で、かつ、圧縮応力の少ない二酸化珪素膜が十分な膜厚で形成されているので、屈折率調整層との密着性が良好であり、かつ、優れた耐擦傷性を有する。さらに、反射防止層が形成されているので、反射が防止され、透過率が良好である。
【0076】
【実施例】
<実施例1>
図1に示した真空成膜装置10を用いて、図2に示した光学製品を得た。蒸着物質にはSiO、Ti35、SiO2、ZrO2の4種を用いた。予め超音波洗浄機で洗浄しておいたレンズ基板(屈折率=1.67)wをレンズホルダー40にセットした。真空装置の扉を閉め4×10-4Paまでルーツポンプ及び油拡散ポンプで排気した。この時基板加熱は一切行わない。
【0077】
(1)密着性改善層成膜工程
所定圧力到達後、電子銃にて密着性改善物質SiOを蒸着した。水晶式膜厚計により0.2nm/秒の堆積速度となるよう電子銃のエミッション電流を精密に制御した。膜厚が7nmに達した時点でシャッターを閉じ蒸着を終了した。SiO蒸着中はプラズマ源20からは一切のプラズマ照射を行わなかった。
【0078】
(2)屈折率調整層成膜工程
プラズマ源20へはシャッターを閉じた状態でArガスを一定流量18sccmを流しながら、アノード21とカソード22間にDC100Vの放電電圧を印加し、更にアノード21とレンズホルダー40間にはバイアス電圧としてDC120Vを印加した。これにより電極間にプラズマが発生した。プラズマを拡散させるために電磁コイル23に3Aの電流を流した。Si系有機金属は1,1,3,3−テトラメチルジシラザン(以下、TMDSという)を使用した。TMDSを満たしたガラス容器は真空室11とバルブによって仕切られており、バルブを開けることでガラス容器内が減圧され、更に真空室へのガス導入配管系を40〜60℃に加熱することで安定して真空室11内へ原料ガスを導入することができる。この時点での原料ガスの流量は150sccmに設定した。蒸着物質のTi35を電子銃により加熱しシャッターを閉じておく。Ti35の膜堆積速度は0.3nm/秒となるよう電子銃条件を設定した。
【0079】
プラズマ源、TMDSガス、Ti35の電子銃条件が整った状態でいっせいにシャッターを開け、膜付けを開始した。この時の膜堆積速度は1nm/秒で制御した。屈折率調整層の膜付け開始時点での屈折率は、ほぼ基板に等しい1.67である。この状態での膜付けを維持し水晶式膜厚計で膜厚が50nmまで成膜し、第1層目を形成した。
【0080】
第1層の膜厚が50nmに到達した時点でTMDSの流量を200sccmへ増加し、同時にプラズマ源20のバイアス電圧を114Vへ下げた。膜厚が100nmに到達する時点までこの条件を維持し、第2層目を形成した。
【0081】
膜厚が100nmに到達した時点でTMDSの流量を250sccmへ増加し、同時にプラズマ源20のバイアス電圧を108Vへ下げ、膜厚が150nmに到達する時点までこの条件を維持し、第3層目を形成した。
【0082】
膜厚が150nmに到達した時点でTMDSの流量を300sccmへ増加し、同時にプラズマ源20のバイアス電圧を下げ、膜厚が200nmに到達した時点までこの条件を維持し、第4層目を形成した。
【0083】
膜厚が200nmに到達した時点でTMDSの流量を350sccmへ増加し、同時にプラズマ源20のバイアス電圧を96Vへ下げ、膜厚が250nmに到達するまでこの条件を維持し、第5層目を形成した。
【0084】
膜厚が250nmに到達した時点でTMDSの流量を400sccmへ増加し、同時にプラズマ源20のバイアス電圧を90Vへ下げ、膜厚が300nmに到達する時点までこの条件を維持し、第6層目を形成した。
【0085】
膜厚が300nmに到達した時点でTMDSの流量を450sccmへ増加し、同時にプラズマ源20のバイアス電圧を84Vへ下げ、膜厚が350nmに到達する時点までこの条件を維持し、第7層目を形成した。
【0086】
膜厚が350nmに到達した時点でTMDSの流量を500sccmへ増加し、同時にプラズマ源20のバイアス電圧を78Vへ下げ、膜厚が400nmに到達するまでこの条件を維持し、第8層目を形成した。
【0087】
膜厚が400nmに到達した時点でTMDSの流量を550sccmへ増加し、同時にプラズマ源20のバイアス電圧を72Vへ下げ、膜厚が450nmに到達するまでこの条件を維持し、第9層目を形成した。
【0088】
膜厚が450nmに到達した時点でTMDSの流量を600sccmへ増加し、同時にプラズマ源20のバイアス電圧を66Vへ下げ、膜厚が500nmに到達した時点でシャッターを閉じ、第10層目を形成し、屈折率調整層の膜付けを終了した。
【0089】
各ステップは50nmの膜厚で屈折率を0.023づつ小さくなるようにプラズマ源及ぴTMDSの流量条件を設定した。この時点での表面屈折率はほぼ1.46である。
【0090】
(3)ハードコート層成膜工程
TMDSの流量は300sccmに設定し、プラズマ源20はバイアス電圧を60Vに設定する以外は屈折率調整層と同様の条件に設定した。更に電子銃によりSiO2を同時に蒸着させ、トータルでの膜堆積速度は3nm/秒で制御し3000nmの膜厚までハードコート層を設けた。この条件でのハードコート層の屈折率は1.44になるように設定している。
【0091】
(4)反射防止層成膜工程
ハードコート層の上に表1に示す条件の反射防止膜を、SiO2(屈折率=1.46)とZrO2(屈折率=2.0)を交互に蒸着して形成した。反射防止膜形成中は常にハードコート層で照射したプラズマ源20と同条件でプラズマを照射した。ハードコート側より表1の条件で成膜した。なお、表中、λは設計波長の520nmを表す。
【0092】
【表1】

Figure 0004337164
【0093】
実施例1で得られたプラスチックレンズの分光特性を図3(a)に示す。
【0094】
<実施例2>
密着性改善層の材料をCr23にした以外は、実施例1と同様に、同じ真空成膜装置を用いて、同じ基板に密着性改善層、屈折率調整層、ハードコート層、反射防止層を形成した。
【0095】
実施例2で得られたプラスチックレンズの分光特性は、実施例1とほぼ同じであった。
【0096】
<実施例3>
密着性改善層の材料をAl23にした以外は、実施例1と同様に、同じ真空成膜装置を用いて、同じ基板に密着性改善層、屈折率調整層、ハードコート層、反射防止層を形成した。
【0097】
実施例2で得られたプラスチックレンズの分光特性は、実施例1とほぼ同じであった。
【0098】
<実施例4>
反射防止層を表2に示すように変更した以外は、実施例1と同様に、同じ真空成膜装置を用いて、同じ基板に密着性改善層、屈折率調整層、ハードコート層、反射防止層を形成した。
【0099】
【表2】
Figure 0004337164
【0100】
実施例4で得られたプラスチックレンズの分光特性を図3(b)に示す。
【0101】
<比較例1>
実施例1で密着性改善層を形成しない以外は、すべて実施例1と同様に、同じ真空成膜装置10を用いて、同じ基板に屈折率調整層、ハードコート層、反射防止層を形成した。
【0102】
<比較例2>
(1)コーティング組成物の調製
攪拌装置を備えたフラスコ中に、エチルセロソルブ41.15g、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン38.44g、テトラメトキシシラン4.13gを攪拌しつつ順に加え、その後0.05規定塩酸水12.90gを加え30分間攪拌した。続いてシリコン系界面活性剤(日本ユニカー(株)製、商品名“L−7604”)を0.04gさらにメチルセロソルブ分散二酸化チタン−二酸化ジルコニウム−二酸化ケイ素複合微粒子ゾル(TiO2/ZrO2/SiO2=68/17/15(重量比)、固形分濃度20.5重量%、TiO2とZrO2の固溶体を核としてSiO2で被覆された微粒子構造をもつ複合微粒子)103.39gを添加し充分攪拌した後、0℃で24時間放置し熟成を行いコーティング組成物を得た。
【0103】
(2)プラスチックレンズ基板の作製
4-メルカプトメチル-3,6-ジチオ-1,8- オクタンジチオール87g、m-キシリレンジイソシアネート94g、ジブチルスズジラウレート0.02g、内部離型剤0.15g、2-(5-メチル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール0.09gを混合し、充分に攪拌した後、5mmHgの真空下で60分脱気を行った。その後、ガラス型とガスケットよりなるモールド型中に注入し、40℃で7時間保持し、その後40℃から120℃まで10時間かけて昇温する加熱炉中で重合を行い、冷却後、ガラス型とガスケットを除去し、含硫ウレタン系樹脂レンズを得た。
【0104】
得られたレンズは屈折率1.66、アッベ数33であった。
【0105】
(3)硬化被膜の形成
上記方法で作製した含硫ウレタン系樹脂レンズを5重量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液中に5分間浸漬し、洗浄・乾燥した後、(1)で調整したコーティング液を用い、スピンコート法による塗布を行った。スピンコートの条件は、低回転中にハードコート液を塗布した後、回転数:2500rpm、回転時間:1秒で振り切りを行った。塗布後、120℃で30分仮焼成し冷却後、残りの面に同様の条件で塗布し、120℃で3時間加熱・硬化を行い、硬化被膜を設けた。得られた被膜の膜厚は2.3μmであった。
【0106】
尚、市販のプラスチックレンズ用染色剤(セイコープラックス用アンバーD)を用いて90℃の染色浴で3分間生地染色を行ったものについて同様の被膜を設けた。被膜形成前後の透過率を分光光度計(大塚電子(株)製、MCPD−1000)を用いて測定し色差を求めたところΔEabは0.5であり見た目でも大きな色調変化は感じられなかった。
【0107】
(4)反射防止膜の形成
上記の方法で、形成した硬化膜を有するレンズを真空中200Wの出力のアルゴンガスプラズマ中に30秒間暴露させた後、真空蒸着法により、レンズ側から大気側へ向かってSiO2、ZrO2、SiO2、ZrO2、SiO2の5層の薄膜を形成した。形成された反射防止膜の光学的膜厚は、順にSiO2が、約λ/4、次のZrO2とSiO2の合計膜厚が、約λ/4、次のZrO2が、約λ/4、そして最上層のSiO2が約λ/4である(設計波長λは510nm)。
【0108】
以上の実施例1〜4、比較例1、2により得られた合成樹脂製レンズについて次の性能評価試験を行った。
【0109】
(a)耐擦傷性:#0000スチールウールにより荷重1kg/cm2で10往復させた後の被膜の状態を次のように評価した。
【0110】
◎:ほとんど傷がつかない、 ○:少し傷がつく、×:多く傷がつく。
【0111】
(b)密着性:JISD−0202に準じてクロスカットテープ試験によって評価した。すなわち、ナイフを用いて基材表面に縦横に1mm間隔に切れ目を入れ、1平方mmのマス目を100個形成する。次に、その上へセロファン粘着テープ(ニチバン(株)製、商品名「セロテープ」)を強く押しつけ、表面から90度方向に急に強く引張って剥離した後に、基材に残っているマス目の数を見た。
【0112】
(c)耐温水性:60℃の温水に1.5時間浸漬した後も表面状態の変化のないものを良とした。
【0113】
(d)耐久性:耐久性は本質的に密着性の持続であるとの考えから、(c)、(e)、(f)の試験を行った後に、(b)の試験を行い、評価結果に変化のないものを良とした。
【0114】
(e)耐候性:キセノンロングライフフェードメーター(スガ試験機(株)製)を用い、150時間暴露した後、以下の評価を行った。 i)外観:染色を施さないレンズ(白レンズ)の着色の有無を肉眼で評価した。ii)透過率:試験後、分光光度計で染色を施さないレンズ(白レンズ)の可視光の平均透過率を測定した。 iii)密着性:試験後のレンズについて、前記と同様のクロスカット・テープ試験を暴露面について行った。
【0115】
(f)耐熱性:70℃の温風中に1時間さらし、さらに−5℃で15分、60℃で15分のサイクルを5回繰り返した後も表面状態に変化のないものを良とした。
【0116】
(g)耐衝撃性:FDA規格に基づき、中心厚1.0mmのレンズに、127cm上方より鋼球(直径15.9mm、重量16.3g)を落下させ、FDA規格の評価基準に合格したものを良とした。
【0117】
(h)外観:染色を施さないレンズ(白レンズ)の着色の有無を肉眼で評価した。
【0118】
結果を表3に示す。
【0119】
【表3】
Figure 0004337164
【0120】
表3の結果より、密着性改善層を形成しない場合(比較例1)、密着性が悪く、そのため耐温水性、耐久性、耐光性が悪いことが認められる。また、従来の湿式法でハードコート層を形成した場合(比較例2)、密着性は良好であるものの、耐擦傷性がそれほど良くなく、耐熱性、外観もそれほど良くない。
【0121】
これに対して、本発明の光学製品(実施例1〜4)は、密着性改善層、屈折率調整層を設け、さらに、ハードコート層を真空蒸着とプラズマCVDを併用して形成しているので、耐擦傷性に非常に優れ、密着性、耐温水性、耐久性、耐熱性、耐衝撃性に優れると共に、外観にも優れることが認められる。
【0122】
【発明の効果】
本発明の光学製品は、真空蒸着法とプラズマCVD法とを併用して形成された光透過層を備えるため、この光透過層は、これらの成膜方法の長所が組み合わされ、例えば、密着性と耐擦傷性に優れたハードコート層や、生産の容易な屈折率調整層を備える。
【0123】
また、本発明の光学製品は、プラズマを用いない成膜方法で形成された密着性改善層を樹脂基板上に備えるため、密着性改善層の上に成膜されたプラズマを用いる成膜方法のプラズマから樹脂基板を保護し、密着性が改善されている。
【0124】
また、本発明の光学製品は、密着性改善層、真空蒸着法とプラズマCVD法とを併用して形成された屈折率調整層、及び真空蒸着法とプラズマCVD法とを併用して形成されたハードコート層を有するので、耐擦傷性、密着性などの性能に優れている。
【0125】
また、本発明の光学製品の製造方法によれば、真空蒸着法とプラズマCVD法とを併用して光透過層を形成するため、これらの成膜方法の長所が組み合わされ、例えば、密着性と耐擦傷性に優れたハードコート層を形成でき、また、屈折率調整層を容易に形成することができる。
【0126】
また、本発明の光学製品の製造方法によれば、プラズマを用いない成膜方法で密着性改善層を樹脂基板上に形成するため、密着性改善層の上に成膜されたプラズマを用いる成膜方法のプラズマから樹脂基板を保護でき、密着性を改善することができる。
【0127】
さらに、本発明の光学製品の製造方法によれば、密着性改善層、屈折率調整層、ハードコート層をいずれも乾式法で成膜できるため、生産性が良好である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で用いた真空成膜装置を示す概略構成図である。
【図2】実施例1で得られた光学製品の層構造を示す概念図である。
【図3】(a)は実施例1で得られた光学製品の分光特性を示すグラフであり、(b)は実施例4で得られた光学製品の分光特性を示すグラフである。
【符号の説明】
10…真空成膜装置
11…チャンバー
20…プラズマ源
21…アノード
22…カソード
23…電磁コイル
31…第1蒸着源
32…第2蒸着源
40…レンズホルダー
W… 樹脂基板[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an optical product such as a plastic lens formed by forming a light transmission layer on a resin substrate and a method for manufacturing the same.
[0002]
[Prior art]
In order to supplement the mechanical strength of the surface of an optical product such as a plastic lens for spectacles and improve the scratch resistance, a hard coat layer is widely formed.
[0003]
In general, the hard coat layer is formed by forming a coating film on a plastic lens substrate by dipping or spinning using a hard coating solution containing silicon dioxide fine particles and a silane coupling agent. It is performed by a wet method of drying and curing.
[0004]
As a method for forming a hard coat layer by a dry method, a method of forming a silicon dioxide film by a vacuum deposition method has been known for a long time. In recent years, JP-A-9-68601 and JP-A-8-190002 have proposed the formation of a hard coat layer only by a plasma CVD process using a silica-based organic metal.
[0005]
On the other hand, in recent years, plastic lens substrates have increased in refractive index, and recently, high refractive index lenses exceeding 1.7 have been developed. If the resin substrate and the hard coat layer have different refractive indexes, there is a problem that interference fringes are generated due to the difference in refractive index.
[0006]
Therefore, in the wet method, the hard coat liquid is adjusted so that the refractive index of the hard coat layer is equal to the refractive index of the substrate.
[0007]
Further, in the dry method, in order to adjust the refractive index difference between the hard coat layer composed of a silicon dioxide film having a refractive index of 1.44 to 1.48 and the plastic lens substrate, Japanese Patent Laid-Open No. 9-68601, In JP-A-8-190002, the refractive index changes sequentially between the plastic lens substrate and the hard coat layer in the thickness direction, and is substantially equal to the refractive index of the substrate on the substrate side, and the refractive index of the hard coat on the hard coat side. It has been proposed to form a refractive index adjusting layer having substantially the same refractive index by plasma CVD. In these publications, in order to increase the refractive index of the refractive index adjusting layer, plasma CVD is performed using an organic metal for high refractive index containing Ti or an organic metal for high refractive index containing Zr and Ta.
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
However, the conventional technology described above has many problems. That is, the method of forming the hard coat layer by the wet method adjusts the hard coat solution so that the refractive index after curing is equal to the refractive index of the substrate. On the other hand, it is premised that one kind of hard coat liquid is prepared, and there is a problem that efficiency is poor.
[0009]
In addition, a large amount of equipment is required to apply and dry a hard coat solution on a plastic lens substrate using dipping or spin coating, which increases the manufacturing cost. Moreover, since organic solvents are used, the organic solvent evaporates, and the hard coat liquid has a pot life, and the hard coat liquid that has passed the pot life must be completely replaced. There is a problem that comes out a lot. Furthermore, since it hardens | cures by heating, there exists a problem of consuming energy and going against energy saving in recent years.
[0010]
On the other hand, in the formation of the hard coat layer by the dry method, there is no problem with the wet method, but there is another problem. That is, the silicon dioxide film formed by the vacuum evaporation method shows excellent scratch resistance from a film thickness of about 1 μm, but if it exceeds 1 μm, the adhesion with the resin substrate is lowered due to the compressive stress of the silicon dioxide film, Therefore, there is a problem that the scratch resistance cannot be satisfied, and it is hardly used at present.
[0011]
In addition, in the method of forming a silicon dioxide film as a hard coat layer by a plasma CVD method using a silica-based organic metal, the inventor's experiment has shown that when an attempt is made to ensure comprehensive durability, the obtained hard coat layer It has been recognized that the scratch resistance is substantially equivalent to that of a hard coat layer obtained by a general wet method.
[0012]
Thus, with the conventional dry method, it is difficult to form a high-quality hard coat layer that achieves both adhesion and scratch resistance.
[0013]
In addition, the plasma CVD method using an organic metal for high refractive index including Ti, Zr, Ta and the like proposed in Japanese Patent Laid-Open Nos. 9-68601 and 8-190002 has a high boiling point, and is hydrolyzed. It is very difficult to handle such as being easily precipitated, toxic and ignitable, and in particular, since these organic metals having high hydrolyzability are used, it is difficult to produce stably in actual production.
[0014]
Furthermore, the refractive index adjusting layer formed by plasma CVD proposed in Japanese Patent Application Laid-Open Nos. 9-68601 and 8-190002 has a problem that the moisture resistance and light resistance are not good.
[0015]
The present invention has been made in view of the above circumstances. First, by a dry method that does not have the problems of the wet method as described above, a hard coat layer that achieves both adhesion and scratch resistance, and an organic metal that is difficult to handle. An object of the present invention is to provide an optical product having a light-transmitting layer such as a refractive index adjusting layer that can be stably formed without using a glass.
[0016]
Secondly, an object of the present invention is to provide an optical product having a light transmission layer such as a refractive index adjusting layer with improved moisture resistance and light resistance on a resin substrate.
[0017]
Thirdly, the present invention is an optical product that can form a hard coat layer having both adhesion and scratch resistance by a dry method, and can stably form a refractive index adjustment layer without using a difficult organic metal. An object is to provide a manufacturing method.
[0018]
Fourthly, an object of the present invention is to provide a method for producing an optical product, in which a light transmission layer such as a refractive index adjusting layer having improved moisture resistance and light resistance can be formed on a resin substrate.
[0019]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies in order to achieve the above object, the present inventor formed a light transmission layer by using a vacuum vapor deposition method and a chemical vapor deposition method using plasma (hereinafter referred to as a plasma CVD method) in combination. I found it effective.
[0020]
That is, the silicon dioxide film formed by using both the vacuum deposition method and the plasma CVD method is a relatively flexible silicon dioxide rich in organic groups formed by the plasma CVD method on the hard silicon dioxide film formed by the vacuum deposition method. Since the films are mixed, the compressive stress of the silicon dioxide film formed by the vacuum deposition method can be reduced, and the film can be given flexibility. Therefore, the adhesion is excellent, and the silicon dioxide film formed by the vacuum deposition method has a sufficient adhesion even as a thick film of about 4 μm, whereas the adhesion is reduced by compressive stress at about 1 μm. Moreover, it is harder than the silicon dioxide film formed only by the plasma CVD method. Therefore, it is possible to form a silicon dioxide film having both adhesion and scratch resistance, that is, a hard coat layer.
[0021]
In addition, when forming a high refractive index layer such as a refractive index adjusting layer, a deposition material for forming the high refractive index layer is deposited by a vacuum deposition method, and a low refractive index layer is formed by a plasma CVD method. Since it is not necessary to use an organic metal for high refractive index, which is very difficult to handle in the plasma CVD method, stable production is possible.
[0022]
Furthermore, if the deposition is performed using the plasma CVD method, the surface of the resin substrate is damaged by the plasma, so that the adhesion between the deposited film by the plasma CVD method and the resin substrate is lowered, and the deposition is performed due to the lowering of the adhesion. It was found that the moisture resistance and light resistance of the film had deteriorated. Therefore, before plasma CVD, an adhesion improving layer is provided on the surface of the resin substrate by a film-forming method that does not use plasma, such as vacuum deposition, and the substrate surface is protected so that the substrate surface is not damaged by the plasma. It has been found that the adhesion between the deposited film formed by CVD and the resin substrate is improved, and the moisture resistance and light resistance are improved.
[0023]
From these examinations, on the resin substrate, the above-mentioned adhesion improving layer, the refractive index adjusting layer formed by using the vacuum deposition method and the plasma CVD method in combination, and the vacuum deposition method and the plasma CVD method were used in combination. By providing a hard coat layer and further an antireflection layer, it becomes an optical product excellent in moisture resistance, light resistance, adhesion, scratch resistance, etc., and since all can be formed by a dry method, productivity should be good. I found out.
[0024]
  Therefore, the invention described in claim 1 includes a resin substrate and a hybrid light transmission layer formed on the resin substrate by using a vacuum vapor deposition method and a chemical vapor deposition method using plasma in combination.As a thin film material in the vacuum deposition method, SiO 2 , SiO, ZrO 2 TiO 2 , TiO, Ti 2 O Three , Ti 2 O Five , Al 2 O Three , Ta 2 O Five , CeO 2 , MgO, Y 2 O Three , SnO 2 , MgF 2 , WO Three One or two or more inorganic substances selected from Cr are used, and Si-based organometallic is used as a raw material in the chemical vapor deposition method using plasma.An optical product is provided.
[0025]
A second aspect of the present invention provides the optical product according to the first aspect, wherein the hybrid light transmitting layer is a hard coat layer mainly composed of silicon dioxide.
[0026]
According to a third aspect of the present invention, in the optical product according to the first or second aspect, the hybrid light transmission layer is interposed between the resin substrate and the hard coat layer, and the hard coat is formed from the resin substrate in the thickness direction. An optical product is provided which is a refractive index adjusting layer having a refractive index which changes stepwise or continuously to the refractive index of the layer.
[0027]
  The invention according to claim 4In the optical product according to claim 2 or 3, between the resin substrate and the hybrid light transmission layer,Improvement of adhesion formed by film-forming method without using plasmaLayerAn optical product is provided.
[0029]
  Claim5The described invention is claimed.4The optical product described above is provided with an antireflection layer on the hard coat layer.
[0030]
  Claim6The described invention relates to an optical product having a combined film forming step of forming a hybrid light transmission layer on a resin substrate by using a vacuum vapor deposition method and a chemical vapor deposition method using plasma in a single chamber. In the manufacturing method,As a thin film material in the vacuum deposition method, SiO 2 , SiO, ZrO 2 TiO 2 , TiO, Ti 2 O Three , Ti 2 O Five , Al 2 O Three , Ta 2 O Five , CeO 2 , MgO, Y 2 O Three , SnO 2 , MgF 2 , WO Three One or two or more inorganic substances selected from Cr are used, and Si-based organometallic is used as a raw material in the chemical vapor deposition method using plasma.An optical product manufacturing method is provided.
[0031]
  Claim7The described invention is claimed.6In the optical product manufacturing method described above, the combined film forming step is a hard coat film forming step of forming a hard coat layer mainly composed of silicon dioxide. .
[0032]
  Claim8The described invention is claimed.6Or7In the manufacturing method of the optical product according to the above, the combined film-forming step changes the refractive index stepwise or continuously from the refractive index of the resin substrate to the predetermined refractive index in the thickness direction on the resin substrate. Provided is a method for manufacturing an optical product, which is a film forming step of a refractive index adjusting layer.
[0033]
  The invention according to claim 9In the manufacturing method of the optical product according to claim 7 or 8, before the combined film forming step,Adhesion improving layer film forming process for forming an adhesion improving layer on the resin substrate by a film forming method that does not use plasma.AboutA method for producing an optical product is provided.
[0035]
  Claim10The described invention is claimed.9The method for manufacturing an optical product according to the above-described method includes the step of forming an antireflection layer for forming an antireflection layer on the hard coat layer.
[0036]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described, but the present invention is not limited to the following embodiments.
[0037]
As described above, the optical product of the present invention has a resin substrate and a hybrid light transmission layer formed on the resin substrate by using both the vacuum vapor deposition method and the plasma CVD method.
[0038]
Examples of the resin substrate include a resin substrate used as a base material for plastic optical products such as eyeglass plastic lenses, optical plastic lenses, antireflection films, and vehicle windows. There is no restriction | limiting in the kind and shape of the material of a resin substrate.
[0039]
The vacuum evaporation method is a method in which a thin film material is heated and evaporated in a high vacuum, and the evaporated particles are deposited on a resin substrate to form a thin film. Thin film material heating methods include resistance heating, electron beam heating, and arc heating. In the vacuum deposition method for the resin substrate, the inorganic material that can be used is limited due to the heat resistance of the resin substrate.2, SiO, ZrO2TiO2, TiO, Ti2OThree, Ti2OFive, Al2OThree, Ta2OFive, CeO2, MgO, Y2OThree, SnO2, MgF2, WOThreeCr and the like can be exemplified, and these inorganic substances can be used alone or in admixture of two or more. Especially for resin substrates, the deposition temperature can be lowered SiO, SiO2, ZrO2TiO2, TiThreeOFiveCr can be preferably used.
[0040]
In the plasma CVD method, a raw material gas is chemically activated by plasma discharge under reduced pressure, and a film is deposited by a chemical reaction that is difficult by normal thermal excitation. Electrons and gas molecules accelerated by the electric field collide inelastically, and the molecules are ionized, dissociated or excited to form chemically active species. Since it is a non-equilibrium reaction, films having various compositions can be deposited at a considerably lower temperature than the thermal CVD method and are suitable for forming a resin substrate having low heat resistance. A high frequency is often used to generate plasma, but there is also a method of applying a DC voltage. In addition, plasma generated using a magnetic field is diffused.
[0041]
In the present invention, the plasma CVD method is used in combination with the vacuum vapor deposition method to form a hybrid light transmission layer. Therefore, the vacuum vapor deposition method can be provided with a deposition material that gives a high refractive index. Si-based organometallic that can be stably produced can be used. This eliminates the need for using an organic metal for high refractive index containing Ti, Zr, Ta, etc., which is very difficult to handle.
[0042]
Examples of the Si-based organic metal include tetramethyldisilazane, tetramethoxysilane, tetraethoxysilane, tetramethylsilane, methyltrimethoxysilane, methyltriethoxysilane, ethyltrimethoxysilane, ethyltriethoxysilane, dimethyldimethoxysilane, Dimethyldiethoxysilane, vinyltrimethoxysilane, vinyltriethoxysilane, vinyltrichlorosilane, ethyltrimethylsilane, allyltrimethylsilane, isopropoxytrimethylsilane, methyltrivinylsilane, hexamethyldisiloxane, hexamethyldisilane, 1,3-dimethoxy Tetramethyldisiloxane, dimethyltrimethylsilylamine, acetoxymethyltrimethylsilane, allyldimethylsilane, bis (dimethylamino) methylsilane , T-ethoxytrimethylsilane, divinyldimethylsilane, hexamethylcyclotrisiloxane, hexamethyldisilazane, 1,1,3,3,5,5-hexamethyltrisiloxane, trimethylsilyl isocyanate, vinyl-t-butyldimethylsilane Etc.
[0043]
Although it does not restrict | limit especially as a hybrid light transmission layer formed combining the vacuum evaporation method and plasma CVD method in this invention, A silicon dioxide film (hard-coat layer) and a refractive index adjustment layer can be illustrated.
[0044]
In the formation of the hard coat layer, silicon dioxide is heated and evaporated as a deposition material by vacuum deposition, and silicon dioxide is deposited directly on the surface of the resin substrate. At the same time, Si-based organic metal is used as a source gas by plasma CVD. Silicon dioxide is deposited on the surface of the resin substrate by decomposition of itself or reaction with oxygen.
[0045]
The silicon dioxide film obtained by vacuum deposition is good quality, very hard, and exhibits excellent scratch resistance from about 1 μm thickness, but due to the compressive stress, the film becomes thicker than 1 μm, resulting in poor adhesion. Scratch resistance cannot satisfy market quality. On the other hand, the silicon dioxide film obtained by the plasma CVD method is flexible and has low compressive stress because it contains an organic group in the film, but it is relatively soft and inferior in scratch resistance. It shows the same level of scratch resistance as a hard coat film obtained by a wet method.
[0046]
In the present invention, since the vacuum deposition method and the plasma CVD method are used in combination, the resulting silicon dioxide film is a mixture of the one by vacuum deposition and the one by plasma CVD. Therefore, the obtained silicon dioxide film is harder than the silicon dioxide film obtained by the plasma CVD method, and the effect and flexibility of reducing the compressive stress by the plasma CVD method on the hard silicon dioxide film obtained by the vacuum deposition method. Is given. As a result, even if the film thickness is increased to 4 μm, the adhesion does not decrease, and in addition to this, it is hard, and thus exhibits excellent scratch resistance. The silicon dioxide film having a thickness of 4 μm by the combined method of the present invention has much better scratch resistance than the silicon dioxide film by vacuum deposition having a thickness of 1 μm and the silicon dioxide film obtained by a wet method having a thickness of 4 μm or a plasma CVD method.
[0047]
In addition, the combined use of the vacuum deposition method and the plasma CVD method can improve the film formation rate and improve the productivity.
[0048]
On the other hand, the refractive index adjusting layer is interposed between the resin substrate and the hard coat layer, and has the same refractive index as that of the resin substrate on the resin substrate side and substantially the same refractive index as that of the hard coat layer on the hard coat layer side. And a layer having a gradient function having a refractive index that changes stepwise or continuously in the thickness direction.
[0049]
By interposing this refractive index adjusting layer as a buffer zone between the resin substrate and the hard coat layer, it is possible to prevent the generation of interference fringes and obtain an optical product having an excellent appearance. Further, even if the refractive index of the resin substrate changes, it is possible to cope with the change in the refractive index of the resin substrate by increasing the refractive index on the resin substrate side of the refractive index adjustment layer. It can be applied to resin substrates of any refractive index simply by changing the conditions. Further, by interposing the refractive index adjusting layer, the optical condition of the hard coat layer, in other words, the manufacturing conditions can be made constant regardless of the refractive index of the resin substrate, and the hard coat layer can be easily manufactured. . Furthermore, since the antireflection layer formed on the hard coat layer can be formed under the same conditions regardless of the substrate refractive index, if the optical conditions of the hard coat layer are constant, There is also an effect that manufacture becomes easy.
[0050]
In recent years, as the refractive index of plastic lenses exceeds 1.7, the refractive index adjustment layer on the resin substrate side needs to have a higher refractive index, and the refractive index of the hard coat layer (1 The step can be arbitrarily adjusted between 44 and 1.48).
[0051]
When the refractive index adjustment layer is formed by using the vacuum deposition method and the plasma CVD method of the present invention together, in vacuum deposition, TiO2, ZrO2, TiThreeOFiveIn the plasma CVD, for example, Si-based organic metal is used as a raw material gas to deposit a high-refractive material directly on the resin substrate surface by heating and evaporating the vapor-deposited material. Silicon dioxide having a low refractive index is deposited on the surface of the resin substrate by decomposition of the metal itself or reaction with oxygen. The refractive index of the obtained film can be adjusted by changing the film formation ratio of these high refractive index vapor deposition material and low refractive index deposited film. That is, when starting the film formation on the resin substrate, a film having a refractive index substantially the same as the refractive index of the resin substrate is formed, and then the refractive index is changed continuously or stepwise, and finally the hard coat layer is almost the same. The film formation amounts of the high refractive material and the low refractive material are selected so as to have the same refractive index. The refractive index can be arbitrarily adjusted by changing the flow rate of the Si-based organometallic vapor and the deposition rate of the vapor deposition material.
[0052]
By using such a vacuum deposition method and a plasma CVD method in combination, a high refractive index deposition material is formed by the vacuum deposition method, and a low refractive index film is formed by the plasma CVD method. Ti, Zr, Ta, etc., which are difficult to handle because they are likely to precipitate due to decomposition, are toxic and ignitable, and are particularly difficult to use stably in actual plasma CVD if they are highly hydrolyzable. It is not necessary to use the high refractive index organic metal contained in the plasma CVD method. Thereby, stable production can be easily achieved.
[0053]
In addition, when a film is formed on a resin substrate using the plasma CVD method, the resin substrate, particularly a high refractive index or ultrahigh refractive index material, is damaged by the plasma. Adhesion with the substrate is deteriorated, and deterioration of adhesion causes a problem that the moisture resistance and light resistance of the film are deteriorated. In the present invention, when the refractive index adjustment layer is formed, since the plasma CVD method and the vacuum deposition method are used in combination, the resin substrate may be damaged by the plasma.
[0054]
Therefore, in the present invention, it is preferable to form the adhesion improving layer on the resin substrate by a film forming method that does not use plasma, for example, a vacuum evaporation method, before the film is deposited on the resin substrate using the plasma CVD method. As a result, the resin substrate is protected and prevented from being damaged by plasma by plasma CVD, the adhesion of the film formed by the plasma CVD method can be improved, and the moisture resistance and weather resistance of the film can be improved. .
[0055]
The adhesion improving layer is selected from the standpoint that the resin substrate can be protected from plasma even if it is thinly formed so as not to affect optically, and the adhesion to the resin substrate is good. The physical film thickness is about 20 to 15 nm at maximum, and the optical film thickness (refractive index × film thickness) is about 33 nm at maximum. As the kind of adhesion improving layer, Al2OThree(Refractive index = 1.64, maximum film thickness = 20 nm), SiO (refractive index = 1.9, maximum film thickness = 15 nm), Cr2OThree(Refractive index = 2.2, maximum film thickness = 15 nm) can be exemplified.
[0056]
Next, FIG. 1 shows an embodiment of a film forming apparatus that operates vacuum deposition and plasma CVD at the same time. FIG. 1 shows a vacuum film forming apparatus for forming a film by using both a vacuum vapor deposition method and a plasma CVD method in one chamber.
[0057]
In this film forming apparatus 10, one plasma source and two vapor deposition sources are arranged in a chamber 11 that can be evacuated by a roots pump and an oil diffusion pump, and shutters (not shown) that can be opened and closed are arranged respectively. The plasma source 20 is an end-hole type having no grid, and a cathode 22 is coaxially arranged in a cylindrical anode 21. A gap between these electrodes is an argon gas introduction path. In addition, an electromagnetic coil 23 is disposed on the outer peripheral surface of the tip of the anode 21 so that the plasma generated by the direct current between the anode 21 and the cathode 22 is diffused by the magnetic field of the electromagnetic coil 23 so that the plasma intensity becomes uniform. It has become.
[0058]
The plasma CVD source gas can be introduced into the chamber 11 at a predetermined flow rate through a pipe heated from a container (not shown) outside the chamber 11. In addition, oxygen gas for decomposition of the source gas can be introduced into the chamber 11.
[0059]
The positions of the two first vapor deposition sources 31 and the second vapor deposition sources 32 can be changed by rotating a plurality of crucibles on the support bases 311 and 321 that are rotatably supported, each called a hearth, as the support bases rotate. Are arranged as follows. FIG. 1 shows an example in which two crucibles 312 and 313 are arranged in the first vapor deposition source 31 and two crucibles 322 and 323 are arranged in the second vapor deposition source 32. Each crucible can contain different deposition materials, and in FIG. 1, four kinds of deposition materials can be placed. The support tables 311 and 321 are rotated by motors 314 and 324, respectively, and an arbitrary crucible is brought close to the electron guns 315 and 325 disposed adjacent to the support tables, and vapor deposition is heated by the electron guns 315 and 325. Substances can be exchanged. In this apparatus, electron beams 316 and 326 emitted from electron guns 315 and 325 are used as means for heating the vapor deposition material in the crucible. By heating the vapor deposition material in the vicinity of the electron guns 315 and 325 with the electron beams 316 and 326, the vapor deposition material is heated to the melting point or more to evaporate, and the evaporated particles fly upward. .
[0060]
Above the chamber 11, a dome-shaped lens holder 40 that holds a plurality of resin substrates W is rotatably arranged by a motor 50. The resin substrate W is held with the film formation surface exposed on the inner surface of the lens holder 40 being the lower surface side.
[0061]
The film forming apparatus 10 can perform film formation by simultaneously operating vacuum deposition and plasma CVD, and can operate only vacuum deposition by opening / closing a shutter, or can operate only plasma CVD. Yes.
[0062]
Using such a film forming apparatus 10, only vacuum deposition is performed on the resin substrate, or plasma CVD and vacuum deposition are used together, and the above-described adhesion improving layer, refractive index adjusting layer, hard coat layer, and antireflection are formed on the resin substrate. A method for forming the layer will be described.
[0063]
First, different vapor deposition materials are put in the crucibles of the two vapor deposition sources 31 and 32, respectively. For example, the crucible 312 of the first vapor deposition source 31 is SiO for forming an adhesion improving layer, and the crucible 313 is SiO for forming a hard coat film and an antireflection film.2Ti for forming a refractive index adjustment layer in the crucible 322 of the second vapor deposition source 32ThreeOFive,The crucible 323 has a ZrO film for forming an antireflection film.2Insert. Then, the resin substrate W is set in the lens holder 40 and carried into the chamber 11.
[0064]
First, an adhesion improving layer film forming step is performed. After the inside of the chamber 11 is evacuated, the shutter of the plasma source 20 is closed, and the lens holder 40 is rotated by the motor 50 and SiO is evaporated by the electron gun 315 of the first evaporation source 31 to form an adhesion improving layer. .
[0065]
Next, a refractive index adjusting layer film forming step is performed. A DC voltage is applied between the anode 21 and the cathode 22 while flowing an argon gas with the shutter closed, and a bias voltage is also applied between the anode 21 and the lens holder 40 to the plasma source 20. Plasma is generated between them. Further, a current is passed through the electromagnetic coil 23. Si-based organic metal is introduced into the chamber 11 as a source gas. On the other hand, with the shutter of the second evaporation source 32 closed, the electron gun 325ThreeOFiveKeep heated. Then, with the conditions such as the plasma source 20, the Si-based organometallic flow rate, the electron gun conditions, and the like being met, the respective shutters are opened and film formation is started. The Si-based organometallic flow rate, electron gun conditions, etc. are adjusted so that the refractive index of the film at the start of film formation is approximately equal to that of the resin substrate. While adjusting the voltage or the like, a multilayer film having a refractive index that gradually decreases is formed, and the film formation is continued until the refractive index is substantially equal to the refractive index of the hard coat layer. When a layer having a predetermined refractive index is obtained, the shutter for the plasma source 20 and the shutter for the second evaporation source 32 are closed.
[0066]
Next, a hard coat layer film forming step is performed. With the shutter to the plasma source 20 and the shutters of the deposition sources 31 and 32 closed, the Si gun metal 315 of the first deposition source 31 introduces SiO while introducing Si-based organic metal as a source gas.2Are heated, and the respective shutters are opened with the conditions such as the plasma source, the Si-based organometallic flow rate, the electron gun conditions, etc., and film formation is started. After the hard coat layer having a predetermined thickness is formed, the shutter for the plasma source 20 and the shutter for the first vapor deposition source 31 are closed, and the introduction of the Si-based organic metal is stopped.
[0067]
Next, an antireflection layer film forming step is performed. With the shutter for the plasma source 20 and the shutters of the vapor deposition sources 31 and 32 closed, the electron gun 315 of the first vapor deposition source 31 is used for SiO 22And ZrO with the electron gun 325 of the second evaporation source 322Is heated, one of the shutters is opened, and any one of the deposition materials is deposited, and these deposition materials are alternately deposited. Note that the shutter of the plasma source 20 is opened and plasma is irradiated, but no source gas is introduced.
[0068]
In this way, the adhesion improving layer, the refractive index adjusting layer, the hard coat layer, and the antireflection layer can be continuously formed in one chamber 11 while switching the source gas and the evaporation source, and the productivity is extremely good. It is.
[0069]
Note that although a series of film forming steps is performed in one chamber, a plurality of chambers may be used to perform each film forming step or a plurality of film forming steps.
[0070]
FIG. 2 shows an example of the layer structure of the optical product of the present invention in which the above-described adhesion improving layer, refractive index adjusting layer, hard coat layer, and antireflection layer are laminated on a resin substrate. The optical product shown in FIG. 2 is obtained in Example 1 described later.
[0071]
In this optical product, an adhesion improving layer made of SiO having a refractive index of 1.9 formed by a vacuum deposition method is laminated on a resin substrate having a refractive index of 1.67 with a thickness of 7 nm. Yes. On the adhesion improving layer, a refractive index adjusting layer having a refractive index gradually decreasing in 10 steps from 0.067 to 1.46 in 10 steps is laminated with a film thickness of 500 nm. The refractive index adjustment layer includes a plasma CVD method in which silicon dioxide for low refractive index is formed using Si-based organic metal as a raw material, and Ti for high refractive index.ThreeOFiveIt is formed by the combined use with the vacuum deposition method using as a deposition material. On the refractive index adjusting layer, a hard coat layer made of silicon dioxide and having a refractive index of 1.44 is laminated with a thickness of 3000 nm. This hard coat layer is formed by a combination of a plasma CVD method using Si-based organic metal as a raw material and a vacuum vapor deposition method using silicon dioxide as an evaporation material. On the hard coat layer, ZrO with a thickness of 40 nm is sequentially formed from the hard coat layer formed by vacuum deposition.222.2 nm thick SiO267.5 nm thick ZrO292.5 nm thick SiO2The antireflection layer comprised by these is laminated | stacked.
[0072]
The refractive index adjustment layer of the optical product shown in FIG. 2 has a structure that is divided into 10 layers whose refractive index changes stepwise, but there is no limit to the number of divisions, and the refractive index is steplessly refracted. It is also possible to change the rate. Since the difference in refractive index between the substrate and the hard coat layer does not appear as a ripple in the case of steplessness, good spectral characteristics can be obtained. Similarly, if the number of divisions is increased, it approaches steplessly and the spectral characteristics are improved.
[0073]
When the refractive index is changed stepwise, the refractive index change in one step is preferably 0.3 or less, particularly 0.2 or less. The film thickness in one step needs to be at least 20 nm, but it is better to make it as thin as possible. The number of divisions, the degree of change in refractive index in one step, and the film thickness are preferably determined in view of the refractive index of the substrate and the interference color quality.
[0074]
If the film thickness of the hard coat layer is ensured to be at least 1000 nm, including the effect of improving the scratch resistance of the refractive index adjusting layer, it is possible to ensure the same degree of scratch resistance as that of the hard coat layer by the wet method.
[0075]
In the optical product having such a layer structure, since the adhesion improving layer is formed on the resin substrate, the surface of the resin substrate is not damaged by plasma CVD when forming the next refractive index adjustment layer. The refractive index adjustment layer is laminated with good adhesion to the resin substrate via the adhesion improving layer, and the moisture resistance and light resistance are good. Since the adhesion improving layer is thin, the optical performance is not affected. In addition, since the refractive index adjustment layer has a multilayer structure in which the refractive index gradually decreases in the film thickness direction from a refractive index substantially equal to that of the resin substrate to a refractive index substantially equal to that of the hard coat layer, interference fringes are formed. It does not occur and the appearance quality is good. In addition, the hard coat layer is a hard, low-compression silicon dioxide film formed with sufficient film thickness by the combined use of vacuum deposition and plasma CVD. Is good and has excellent scratch resistance. Furthermore, since the antireflection layer is formed, reflection is prevented and the transmittance is good.
[0076]
【Example】
<Example 1>
The optical product shown in FIG. 2 was obtained using the vacuum film forming apparatus 10 shown in FIG. Vapor deposition materials include SiO and TiThreeOFive, SiO2, ZrO24 types were used. A lens substrate (refractive index = 1.67) w previously cleaned by an ultrasonic cleaner was set in the lens holder 40. 4 × 10 with the vacuum device door closed-FourIt exhausted with the roots pump and the oil diffusion pump to Pa. At this time, no substrate heating is performed.
[0077]
(1) Adhesion improving layer film forming step
After reaching the predetermined pressure, the adhesion improving substance SiO was deposited with an electron gun. The emission current of the electron gun was precisely controlled by a quartz film thickness meter so that the deposition rate was 0.2 nm / second. When the film thickness reached 7 nm, the shutter was closed and the deposition was completed. During the SiO deposition, no plasma irradiation was performed from the plasma source 20.
[0078]
(2) Refractive index adjustment layer film forming step
A discharge voltage of DC 100 V is applied between the anode 21 and the cathode 22 while Ar gas is supplied at a constant flow rate of 18 sccm with the shutter closed while the shutter is closed. Further, a DC 120 V bias voltage is applied between the anode 21 and the lens holder 40. Was applied. This generated plasma between the electrodes. A current of 3 A was passed through the electromagnetic coil 23 to diffuse the plasma. As the Si-based organic metal, 1,1,3,3-tetramethyldisilazane (hereinafter referred to as TMDS) was used. The glass container filled with TMDS is separated from the vacuum chamber 11 by a valve, and the inside of the glass container is depressurized by opening the valve, and further stable by heating the gas introduction piping system to the vacuum chamber to 40-60 ° C. Thus, the source gas can be introduced into the vacuum chamber 11. At this time, the flow rate of the source gas was set to 150 sccm. Deposition material TiThree0FiveIs heated with an electron gun and the shutter is closed. TiThreeOFiveThe electron gun conditions were set so that the film deposition rate was 0.3 nm / second.
[0079]
Plasma source, TMDS gas, TiThreeOFiveWith all of the electron gun conditions in place, the shutter was opened at once, and film deposition started. The film deposition rate at this time was controlled at 1 nm / second. The refractive index at the start of film formation of the refractive index adjusting layer is 1.67 which is substantially equal to the substrate. The film attachment in this state was maintained, and a film thickness of 50 nm was formed with a crystal film thickness meter to form a first layer.
[0080]
When the film thickness of the first layer reached 50 nm, the flow rate of TMDS was increased to 200 sccm, and at the same time, the bias voltage of the plasma source 20 was decreased to 114V. This condition was maintained until the film thickness reached 100 nm, and the second layer was formed.
[0081]
When the film thickness reaches 100 nm, the TMDS flow rate is increased to 250 sccm, and at the same time, the bias voltage of the plasma source 20 is lowered to 108 V, and this condition is maintained until the film thickness reaches 150 nm. Formed.
[0082]
When the film thickness reached 150 nm, the TMDS flow rate was increased to 300 sccm, and at the same time, the bias voltage of the plasma source 20 was lowered, and this condition was maintained until the film thickness reached 200 nm, thereby forming the fourth layer. .
[0083]
When the film thickness reaches 200 nm, the TMDS flow rate is increased to 350 sccm, and at the same time, the bias voltage of the plasma source 20 is decreased to 96 V, and this condition is maintained until the film thickness reaches 250 nm to form the fifth layer. did.
[0084]
When the film thickness reaches 250 nm, the TMDS flow rate is increased to 400 sccm. At the same time, the bias voltage of the plasma source 20 is lowered to 90 V, and this condition is maintained until the film thickness reaches 300 nm. Formed.
[0085]
When the film thickness reaches 300 nm, the TMDS flow rate is increased to 450 sccm, and at the same time, the bias voltage of the plasma source 20 is lowered to 84 V, and this condition is maintained until the film thickness reaches 350 nm. Formed.
[0086]
When the film thickness reaches 350 nm, the TMDS flow rate is increased to 500 sccm, and at the same time, the bias voltage of the plasma source 20 is lowered to 78 V, and this condition is maintained until the film thickness reaches 400 nm to form the eighth layer. did.
[0087]
When the film thickness reaches 400 nm, the TMDS flow rate is increased to 550 sccm, and at the same time, the bias voltage of the plasma source 20 is lowered to 72 V, and this condition is maintained until the film thickness reaches 450 nm to form the ninth layer. did.
[0088]
When the film thickness reaches 450 nm, the flow rate of TMDS is increased to 600 sccm, and at the same time, the bias voltage of the plasma source 20 is lowered to 66 V. When the film thickness reaches 500 nm, the shutter is closed and the tenth layer is formed. Then, the film formation of the refractive index adjustment layer was completed.
[0089]
In each step, the flow rate conditions of the plasma source and TMDS were set so that the refractive index was decreased by 0.023 at a film thickness of 50 nm. The surface refractive index at this point is approximately 1.46.
[0090]
(3) Hard coat layer deposition process
The flow rate of TMDS was set to 300 sccm, and the plasma source 20 was set to the same conditions as the refractive index adjustment layer except that the bias voltage was set to 60V. In addition, SiO2Were vapor-deposited simultaneously, and the total film deposition rate was controlled at 3 nm / second to provide a hard coat layer up to a thickness of 3000 nm. Under this condition, the refractive index of the hard coat layer is set to 1.44.
[0091]
(4) Antireflection layer deposition process
An antireflection film having the conditions shown in Table 1 is formed on the hard coat layer by SiO.2(Refractive index = 1.46) and ZrO2(Refractive index = 2.0) was alternately deposited. During the formation of the antireflection film, plasma was always irradiated under the same conditions as the plasma source 20 irradiated with the hard coat layer. A film was formed from the hard coat side under the conditions shown in Table 1. In the table, λ represents the design wavelength of 520 nm.
[0092]
[Table 1]
Figure 0004337164
[0093]
The spectral characteristics of the plastic lens obtained in Example 1 are shown in FIG.
[0094]
<Example 2>
The material of the adhesion improving layer is Cr2OThreeExcept for the above, in the same manner as in Example 1, the same vacuum film forming apparatus was used to form an adhesion improving layer, a refractive index adjusting layer, a hard coat layer, and an antireflection layer on the same substrate.
[0095]
The spectral characteristics of the plastic lens obtained in Example 2 were almost the same as in Example 1.
[0096]
<Example 3>
The material of the adhesion improving layer is Al.2OThreeExcept for the above, in the same manner as in Example 1, the same vacuum film forming apparatus was used to form an adhesion improving layer, a refractive index adjusting layer, a hard coat layer, and an antireflection layer on the same substrate.
[0097]
The spectral characteristics of the plastic lens obtained in Example 2 were almost the same as in Example 1.
[0098]
<Example 4>
Except for changing the antireflection layer as shown in Table 2, the same vacuum film forming apparatus was used as in Example 1, and the adhesion improving layer, the refractive index adjustment layer, the hard coat layer, and the antireflection layer were applied to the same substrate. A layer was formed.
[0099]
[Table 2]
Figure 0004337164
[0100]
The spectral characteristics of the plastic lens obtained in Example 4 are shown in FIG.
[0101]
<Comparative Example 1>
Except that the adhesion improving layer was not formed in Example 1, the refractive index adjustment layer, the hard coat layer, and the antireflection layer were formed on the same substrate using the same vacuum film forming apparatus 10 as in Example 1. .
[0102]
<Comparative Example 2>
(1) Preparation of coating composition
In a flask equipped with a stirrer, 41.15 g of ethyl cellosolve, 38.44 g of γ-glycidoxypropyltrimethoxysilane, and 4.13 g of tetramethoxysilane were added in order, and then 0.05N aqueous hydrochloric acid 12. 90 g was added and stirred for 30 minutes. Subsequently, 0.04 g of silicon surfactant (manufactured by Nippon Unicar Co., Ltd., trade name “L-7604”) and methyl cellosolve dispersed titanium dioxide-zirconium dioxide-silicon dioxide composite fine particle sol (TiO)2/ ZrO2/ SiO2= 68/17/15 (weight ratio), solid content concentration 20.5 wt%, TiO2And ZrO2SiO as a solid solution2After adding 103.39 g of the composite fine particles having a fine particle structure coated with and stirring sufficiently, the mixture was allowed to stand at 0 ° C. for 24 hours to be aged to obtain a coating composition.
[0103]
(2) Fabrication of plastic lens substrate
4-mercaptomethyl-3,6-dithio-1,8-octanedithiol 87 g, m-xylylene diisocyanate 94 g, dibutyltin dilaurate 0.02 g, internal mold release agent 0.15 g, 2- (5-methyl-2-hydroxy 0.09 g of phenyl) benzotriazole was mixed and sufficiently stirred, and then deaerated under a vacuum of 5 mmHg for 60 minutes. Thereafter, it is poured into a mold composed of a glass mold and a gasket, held at 40 ° C. for 7 hours, and then polymerized in a heating furnace heated up from 40 ° C. to 120 ° C. over 10 hours. The gasket was removed to obtain a sulfur-containing urethane resin lens.
[0104]
The obtained lens had a refractive index of 1.66 and an Abbe number of 33.
[0105]
(3) Formation of cured film
The sulfur-containing urethane-based resin lens produced by the above method is immersed in a 5% by weight aqueous sodium hydroxide solution for 5 minutes, washed and dried, and then applied by spin coating using the coating solution prepared in (1). Went. The spin coating conditions were as follows: the hard coat solution was applied during low rotation, and then shaken off at a rotation speed of 2500 rpm and a rotation time of 1 second. After coating, pre-baked at 120 ° C. for 30 minutes, cooled, and coated on the remaining surface under the same conditions, and heated and cured at 120 ° C. for 3 hours to provide a cured coating. The film thickness of the obtained film was 2.3 μm.
[0106]
In addition, the same film was provided about what dye | stained cloth for 3 minutes in a 90 degreeC dyeing | staining bath using the commercially available dyeing | staining agent for plastic lenses (Amber D for Seiko Plax). When the transmittance before and after the film formation was measured using a spectrophotometer (MCPD-1000, manufactured by Otsuka Electronics Co., Ltd.) and the color difference was determined, ΔEab was 0.5, and no significant color tone change was felt.
[0107]
(4) Formation of antireflection film
After the lens having the cured film formed by the above method is exposed in an argon gas plasma having an output of 200 W in a vacuum for 30 seconds, SiO 2 is evaporated from the lens side to the atmosphere side by vacuum deposition.2, ZrO2, SiO2, ZrO2, SiO2A five-layer thin film was formed. The optical thickness of the formed antireflection film is in order of SiO2Is approximately λ / 4, and the following ZrO2And SiO2The total film thickness is about λ / 4, and the following ZrO2Is about λ / 4, and the uppermost SiO2Is approximately λ / 4 (design wavelength λ is 510 nm).
[0108]
The following performance evaluation test was performed on the synthetic resin lenses obtained in Examples 1 to 4 and Comparative Examples 1 and 2.
[0109]
(A) Scratch resistance: Load of 1kg / cm with # 0000 steel wool2The state of the coating after 10 reciprocations was evaluated as follows.
[0110]
A: Almost scratched; O: Slightly scratched; X: Scratched a lot.
[0111]
(B) Adhesiveness: evaluated by a cross-cut tape test according to JISD-0202. That is, using a knife, cuts are made at intervals of 1 mm vertically and horizontally on the surface of the substrate to form 100 squares of 1 mm 2. Next, cellophane adhesive tape (made by Nichiban Co., Ltd., trade name “cello tape”) is strongly pressed onto it, and after suddenly pulling and peeling from the surface in a 90 degree direction, the cells remaining on the base material are peeled off. I saw a number.
[0112]
(C) Warm water resistance: Even when immersed in warm water at 60 ° C. for 1.5 hours, the one having no change in surface condition was regarded as good.
[0113]
(D) Durability: From the idea that durability is essentially the persistence of adhesion, the tests of (b) are conducted and evaluated after the tests of (c), (e), and (f). Those with no change in the results were considered good.
[0114]
(E) Weather resistance: The following evaluation was performed after exposure for 150 hours using a xenon long life fade meter (manufactured by Suga Test Instruments Co., Ltd.). i) Appearance: The presence or absence of coloring of a lens (white lens) that was not dyed was evaluated with the naked eye. ii) Transmittance: After the test, the average visible light transmittance of a lens (white lens) that was not stained with a spectrophotometer was measured. iii) Adhesion: The lens after the test was subjected to the same cross-cut tape test as described above on the exposed surface.
[0115]
(F) Heat resistance: after being exposed to warm air at 70 ° C. for 1 hour, and after repeating a cycle of 15 minutes at −5 ° C. for 15 minutes and 60 ° C. for 5 times, the surface state was not changed. .
[0116]
(G) Impact resistance: Based on the FDA standard, a steel ball (diameter 15.9 mm, weight 16.3 g) was dropped from above 127 cm onto a lens with a center thickness of 1.0 mm, and passed the evaluation standard of the FDA standard. Was good.
[0117]
(H) Appearance: The presence or absence of coloring of a lens (white lens) that was not dyed was evaluated with the naked eye.
[0118]
The results are shown in Table 3.
[0119]
[Table 3]
Figure 0004337164
[0120]
From the results of Table 3, it can be seen that when the adhesion improving layer is not formed (Comparative Example 1), the adhesion is poor, and therefore the warm water resistance, durability and light resistance are poor. Further, when the hard coat layer is formed by a conventional wet method (Comparative Example 2), the adhesion is good, but the scratch resistance is not so good, and the heat resistance and appearance are not so good.
[0121]
On the other hand, the optical product (Examples 1 to 4) of the present invention is provided with an adhesion improving layer and a refractive index adjusting layer, and further, a hard coat layer is formed by using both vacuum deposition and plasma CVD. Therefore, it is recognized that it has excellent scratch resistance, adhesion, hot water resistance, durability, heat resistance, impact resistance and appearance.
[0122]
【The invention's effect】
Since the optical product of the present invention includes a light transmission layer formed by using both the vacuum vapor deposition method and the plasma CVD method, this light transmission layer combines the advantages of these film formation methods. And a hard coat layer with excellent scratch resistance and a refractive index adjusting layer that is easy to produce.
[0123]
Further, since the optical product of the present invention includes an adhesion improving layer formed by a film forming method that does not use plasma on a resin substrate, the optical product of the film forming method that uses plasma formed on the adhesion improving layer is used. The resin substrate is protected from plasma and the adhesion is improved.
[0124]
Moreover, the optical product of the present invention was formed by using an adhesion improving layer, a refractive index adjusting layer formed by using a vacuum deposition method and a plasma CVD method in combination, and a combination of a vacuum deposition method and a plasma CVD method. Since it has a hard coat layer, it has excellent performance such as scratch resistance and adhesion.
[0125]
Further, according to the method for producing an optical product of the present invention, the light transmission layer is formed by using both the vacuum vapor deposition method and the plasma CVD method. Therefore, the advantages of these film formation methods are combined. A hard coat layer having excellent scratch resistance can be formed, and a refractive index adjusting layer can be easily formed.
[0126]
In addition, according to the method for manufacturing an optical product of the present invention, the adhesion improving layer is formed on the resin substrate by a film forming method that does not use plasma, so that the plasma formed on the adhesion improving layer is used. The resin substrate can be protected from the plasma of the film method, and the adhesion can be improved.
[0127]
Furthermore, according to the method for producing an optical product of the present invention, the adhesion improving layer, the refractive index adjusting layer, and the hard coat layer can all be formed by a dry method, so that the productivity is good.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic configuration diagram showing a vacuum film forming apparatus used in Examples.
2 is a conceptual diagram showing a layer structure of an optical product obtained in Example 1. FIG.
3A is a graph showing the spectral characteristics of the optical product obtained in Example 1, and FIG. 3B is a graph showing the spectral characteristics of the optical product obtained in Example 4. FIG.
[Explanation of symbols]
10 ... Vacuum deposition system
11 ... Chamber
20 ... Plasma source
21 ... Anode
22 ... Cathode
23 ... Electromagnetic coil
31 ... 1st vapor deposition source
32 ... Second deposition source
40 ... Lens holder
W ... Resin substrate

Claims (10)

樹脂基板と、
前記樹脂基板上に真空蒸着法とプラズマを用いた化学気相成長法とを併用して形成された混成光透過層とを有し、
前記真空蒸着法における薄膜材料として、SiO 2 、SiO、ZrO 2 、TiO 2 、TiO、Ti 2 3 、Ti 2 5 、Al 2 3 、Ta 2 5 、CeO 2 、MgO、Y 2 3 、SnO 2 、MgF 2 、WO 3 、Crから選ばれる一種または二種以上の無機物が用いられ、
前記プラズマを用いた化学気相成長法における原料として、Si系有機金属が用いられることを特徴とする光学製品。
A resin substrate;
Have a said resin vacuum deposition method on a substrate and hybrid light transmission layer formed by combination of a chemical vapor deposition method using plasma,
Wherein the thin film material in a vacuum deposition method, SiO 2, SiO, ZrO 2 , TiO 2, TiO, Ti 2 O 3, Ti 2 O 5, Al 2 O 3, Ta 2 O 5, CeO 2, MgO, Y 2 O 3 , one or more inorganic substances selected from SnO 2 , MgF 2 , WO 3 and Cr are used,
An optical product characterized in that Si organic metal is used as a raw material in the chemical vapor deposition method using the plasma .
請求項1記載の光学製品において、
前記混成光透過層が、二酸化珪素を主成分とするハードコート層であることを特徴とする光学製品。
The optical product according to claim 1,
An optical product, wherein the hybrid light transmission layer is a hard coat layer mainly composed of silicon dioxide.
請求項1又は2記載の光学製品において、
前記混成光透過層が、前記樹脂基板とハードコート層との間に介在し、
厚み方向に前記樹脂基板から前記ハードコート層の屈折率へ段階的に又は連続的に変化する屈折率を有する屈折率調整層であることを特徴とする光学製品。
The optical product according to claim 1 or 2,
The hybrid light transmission layer is interposed between the resin substrate and the hard coat layer,
An optical product comprising a refractive index adjustment layer having a refractive index that changes stepwise or continuously from the resin substrate to the refractive index of the hard coat layer in a thickness direction.
請求項2又は3記載の光学製品において、
前記樹脂基板と前記混成光透過層との間に、
プラズマを用いない成膜法により形成された密着性改善層を有することを特徴とする光学製品。
The optical product according to claim 2 or 3,
Between the resin substrate and the hybrid light transmission layer,
An optical product comprising an adhesion improving layer formed by a film forming method that does not use plasma.
請求項記載の光学製品において、
前記ハードコート層の上に、反射防止層を有することを特徴とする光学製品。
The optical product according to claim 4 .
An optical product comprising an antireflection layer on the hard coat layer.
一つのチャンバー内で、樹脂基板上に真空蒸着法とプラズマを用いた化学気相成長法とを併用して混成光透過層を成膜する併用成膜工程を有する光学製品の製造方法において、
前記真空蒸着法における薄膜材料として、SiO 2 、SiO、ZrO 2 、TiO 2 、TiO、Ti 2 3 、Ti 2 5 、Al 2 3 、Ta 2 5 、CeO 2 、MgO、Y 2 3 、SnO 2 、MgF 2 、WO 3 、Crから選ばれる一種または二種以上の無機物が用いられ、
前記プラズマを用いた化学気相成長法における原料として、Si系有機金属が用いられることを特徴とする光学製品の製造方法。
In a manufacturing method of an optical product having a combined film forming step of forming a hybrid light transmission layer on a resin substrate by using a vacuum vapor deposition method and a chemical vapor deposition method using plasma in one chamber.
Wherein the thin film material in a vacuum deposition method, SiO 2, SiO, ZrO 2 , TiO 2, TiO, Ti 2 O 3, Ti 2 O 5, Al 2 O 3, Ta 2 O 5, CeO 2, MgO, Y 2 O 3 , one or more inorganic substances selected from SnO 2 , MgF 2 , WO 3 and Cr are used,
A method for producing an optical product, wherein Si-based organometallic is used as a raw material in the chemical vapor deposition method using plasma .
請求項記載の光学製品の製造方法において、
前記併用成膜工程が、二酸化珪素を主成分とするハードコート層を成膜するハードコート成膜工程であることを特徴とする光学製品の製造方法。
In the manufacturing method of the optical product according to claim 6 ,
The method for manufacturing an optical product, wherein the combined film formation step is a hard coat film formation step of forming a hard coat layer mainly composed of silicon dioxide.
請求項又は記載の光学製品の製造方法において、
前記併用成膜工程が、前記樹脂基板上に、厚み方向に前記樹脂基板の屈折率から所定の屈折率へ段階的に又は連続的に屈折率を変化させながら成膜する屈折率調整層成膜工程であることを特徴とする光学製品の製造方法。
In the manufacturing method of the optical product according to claim 6 or 7 ,
The combined film forming step forms a film on the resin substrate while changing the refractive index stepwise or continuously from the refractive index of the resin substrate to a predetermined refractive index in the thickness direction. A method for producing an optical product, which is a process.
請求項7又は8記載の光学製品の製造方法において、
前記併用成膜工程の前に、
前記樹脂基板上にプラズマを用いない成膜法により密着性改善層を成膜する密着性改善層成膜工程を有することを特徴とする光学製品の製造方法。
In the manufacturing method of the optical product according to claim 7 or 8,
Before the combined film forming step,
Method of manufacturing an optical product characterized by having a higher adhesiveness improving layer deposition engineering for forming the adhesion improving layer by a deposition method using no plasma in the resin substrate.
請求項記載の光学製品の製造方法において、
前記ハードコート層上に、反射防止層を成膜する反射防止層成膜工程を有することを特徴とする光学製品の製造方法。
In the manufacturing method of the optical product according to claim 9 ,
An optical product manufacturing method comprising an antireflection layer forming step of forming an antireflection layer on the hard coat layer.
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