JP4336019B2 - 携帯用無線機及びそのrtc用icの補正方法 - Google Patents

携帯用無線機及びそのrtc用icの補正方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は無線機に関するものであり、より具体的には、リアルタイムクロック用の集積回路(RTC用IC)を具備した無線機に関する。
【0002】
【従来の技術】
図3は従来の携帯用無線機の機能ブロック図である。携帯用無線機はCPU301、DSP部303、受信部305、送信部307、周波数シンセサイザ309、TCXO311に加え、RTC部(RTC用IC)313、RTCクロック発振器315、LCD部317、レギュレータ部319、充電制御部321、メモリ部323、オーディオ部325を備えている。携帯用無線機全体の制御はCPU301によって行われる。
【0003】
送信部307は音声信号やデータ信号(メッセージ情報を含む)または制御信号等をアンテナより送信し、逆に受信部305はアンテナから音声信号やデータ信号または制御信号等を受信する。さらに、受信部305及び送信部307では送受信信号の変調及び復調、オーディオ部325は音声の入出力を制御する。レギュレータ部319では電圧制御を行い、充電制御部321ではバッテリの充電を制御している。また、CPU301はメモリ部323に記述されたプログラムに従い、本体の各機能を実行する。LCD部317には日付および時刻情報のほか、本体に備えられた機能及び設定項目を表示する。周波数シンセサイザ部309は基地局との送受信周波数を決定し、TCXO311は周波数シンセサイザ309に基準クロックを供給している。
一方、RTC部313の基準クロックをつくるRTCクロック発振器315には音叉型水晶振動子を補正しないで使用する場合が多く、補正する場合には基地局から送られてくる時刻情報をもとに補正していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、音叉型水晶振動子の周波数精度は±100ppm(20℃±50℃)程度であり、温度補償付き発振器(TCXO、DTCXO)に比較して50倍もの誤差が生じ精度が悪い。
また、基地局の時刻情報を利用する場合にも、基地局との通信が途絶えるようなエリアでは時刻を高精度に保つことが不可能であった。
音叉型水晶振動子の代わりにTCXOやDTCXOを用いたとしても、部品の形状が大きくなったりコストが上がるという欠点があり、解決策としては不適切であった。
本発明は、上記の問題に鑑みて、低コストで精度の高いリアルタイムクロックを発生する無線機を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は上述の課題を解決するため、
基地局から送信される周波数情報に基づいて送受信周波数を決定する周波数シンセサイザと、
前記周波数情報に基づいてAFC制御を行うCPU部と、
日付および時刻情報を表示するLCD部と、
前記周波数シンセサイザに基準クロックを供給する温度補償付き発振器と、
前記温度補償付き発振器の周波数を予め定めた値で分周する分周器と、
前記分周器から供給される周波数に基づいてリアルタイムクロックを発生するRTC用ICと、有し、
前記RTC用ICの時計機能を常に動作させるために、
前記温度補償付き発振器、前記分周器、および前記RTC用ICの電源を常にON状態にするとともに、
前記温度補償付き発振器の周波数と当該周波数に対する印加電圧を格納するメモリ部と、を具備したことを特徴とする携帯用無線機を提供する。
【0006】
さらに、本発明は、
基地局から送信される周波数情報に基づいて送受信周波数を決定する周波数シンセサイザと、
前記周波数情報に基づいてAFC制御を行うCPU部と、
前記周波数シンセサイザに基準クロックを供給する温度補償付き発振器と、
前記温度補償付き発振器の周波数を予め定めた値で分周する分周器と、
前記分周器から供給される周波数に基づいてリアルタイムクロックを発生するRTC用ICと
前記温度補償付き発振器の周波数と当該周波数に対する印加電圧を格納するメモリ部と、を具備した無線機のRTC用ICの補正方法であり、
前記基地局から前記周波数情報を受信し、
前記周波数情報からもとめた周波数と前記周波数シンセサイザの発振周波数とを比較し、
比較結果に基づいて前記温度補償付き発振器をフィードバック制御し、
フィードバック制御された前記温度補償付き発振器の周波数を予め定めた値で分周して前記RTC用ICに供給し、前記RTC用ICの発生するリアルタイムクロックを補正することを特徴とする携帯用無線機のRTC用ICの補正方法を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】
次に、図1〜2を参照して本発明を適用した無線機を詳細に説明する。図1は本発明を適用した携帯用無線機の機能ブロック図であり、図2は本発明を適用した携帯用無線機の動作を説明する処理フロー図である。
図1に示すように、本発明を適用した携帯用無線機は、CPU101、DSP部103、受信部105、送信部107、周波数シンセサイザ109、TCXO111に加え、分周器113、RTC部(RTC用IC)115、LCD部117、レギュレータ部119、充電制御部121、メモリ部123、オーディオ部125を備えている。携帯用無線機全体の制御はCPU101によって行われる。
【0008】
送信部107は音声信号やデータ信号(メッセージ情報を含む)または制御信号等をアンテナより送信し、逆に受信部105はアンテナから音声信号やデータ信号または制御信号等を受信する。さらに、受信部105及び送信部107では送受信信号の変調及び復調、オーディオ部125は音声の入出力を制御する。レギュレータ部119では電圧制御を行い、充電制御部121ではバッテリの充電を制御している。また、CPU101はメモリ部123に記述されたプログラムに従い、本体の各機能を実行する。LCD部11には日付および時刻情報のほか、本体に備えられた機能及び設定項目を表示する。
【0009】
周波数シンセサイザ部109は基地局との送受信周波数を決定し、TCXO111は周波数シンセサイザ109に基準クロックを供給している。111のTCXOは温度補償付き水晶発振器のことである。
TCXO111の周波数偏差は−30℃〜80℃の温度範囲で±2ppmという精度を有している。これは従来RTC用振動子として用いてきた音叉型水晶振動子と比較して50倍高いことを意味する。また、その周波数はPDCでは14.4MHzと12.8MHzとに大別される。一方、RTC部115のクロックは32.768KHzと32KHzとに大別される。
【0010】
よって、TCXO111の周波数が14.4MHzで、RTC部115のクロックに32KHzの周波数を使用する場合には、分周器113はTCXO111の周波数を1/450分周し、RTC部115に供給する。
また、TCXO111の周波数が12.8MHzで、RTC部115のクロックに32KHzの周波数を使用する場合には、分周器113はTCXO111の周波数を1/400分周し、RTC部115に供給する。なお、時計機能を常に動作させるため、携帯用無線機の電源がOFF状態のときにもTCXO111、分周器113、およびRTC部115の電源を常にON状態にする。
【0011】
通常、PDCでは待ち受け状態のときにAFC制御(自動周波数制御)が働いている。AFC制御とは、基地局から送信される非常に高精度な周波数情報に基づいて送受信周波数を制御することである。そのため、AFC制御が働いている場合のTCXO111の精度は±0.3ppmまで高くなる。
本発明の無線機では、このAFC制御で用いている周波数情報をRTC部115の補正にも利用する。
【0012】
図2は、RTC部115を補正するときの処理フロー図である。RTC部115の補正処理が開始すると(ステップ201)、基地局より周波数情報F0を受信する(ステップ203)。続いて、周波数シンセサイザ109より周波数f1を取得する(ステップ205)。
基地局からの周波数情報F0からもとめた周波数f0と、周波数f1とはDSP部103で比較される(ステップ207)。そして、その比較結果はCPU101を介してTCXO111にフィードバックされる(ステップ209)。分周器113はフィードバック制御されたTCXO111の周波数を分周する(ステップ211)。分周された周波数はRTC部115に供給され(ステップ213)、RTC部115の補正が終了する(ステップ215)。
【0013】
さらに、本発明を適用した無線機はTCXOの発振周波数と、それに対する印可電圧とをメモリ部123に格納している。よって、基地局との通信が途絶えるようなエリアでもTCXOの精度である±2.0ppmより高い精度を出すことが可能である。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は上記説明にあるものに限定されないことは明らかである。例えば、本実施の形態では温度補償付き水晶発振器としてTCXOを用いるが、デジタルTCXO(DTCXO)を利用してもよいことは明らかである。
【0014】
【発明の効果】
このように本発明によれば、低コストで精度の高いリアルタイムクロックを発生する無線機を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した携帯用無線機を示す機能ブロック図。
【図2】本発明を適用した携帯用無線機の処理フロー図。
【図3】従来の携帯用無線機を示す機能ブロック図。
【符号の説明】
109 周波数シンセサイザ
111 TCXO
113 分周器
115 RTC部

Claims (2)

  1. 基地局から送信される周波数情報に基づいて送受信周波数を決定する周波数シンセサイザと、
    前記周波数情報に基づいてAFC制御を行うCPU部と、
    日付および時刻情報を表示するLCD部と、
    前記周波数シンセサイザに基準クロックを供給する温度補償付き発振器と、
    前記温度補償付き発振器の周波数を予め定めた値で分周する分周器と、
    前記分周器から供給される周波数に基づいてリアルタイムクロックを発生するRTC用ICと、有し、
    前記RTC用ICの時計機能を常に動作させるために、
    前記温度補償付き発振器、前記分周器、および前記RTC用ICの電源を常にON状態にするとともに、
    前記温度補償付き発振器の周波数と当該周波数に対する印加電圧を格納するメモリ部と、を具備したことを特徴とする携帯用無線機。
  2. 基地局から送信される周波数情報に基づいて送受信周波数を決定する周波数シンセサイザと、
    前記周波数情報に基づいてAFC制御を行うCPU部と、
    前記周波数シンセサイザに基準クロックを供給する温度補償付き発振器と、
    前記温度補償付き発振器の周波数を予め定めた値で分周する分周器と、
    前記分周器から供給される周波数に基づいてリアルタイムクロックを発生するRTC用ICと
    前記温度補償付き発振器の周波数と当該周波数に対する印加電圧を格納するメモリ部と、を具備した無線機のRTC用ICの補正方法であり、
    前記基地局から前記周波数情報を受信し、
    前記周波数情報からもとめた周波数と前記周波数シンセサイザの発振周波数とを比較し、
    比較結果に基づいて前記温度補償付き発振器をフィードバック制御し、
    フィードバック制御された前記温度補償付き発振器の周波数を予め定めた値で分周して前記RTC用ICに供給し、前記RTC用ICの発生するリアルタイムクロックを補正することを特徴とする携帯用無線機のRTC用ICの補正方法。
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