JP4335474B2 - 光ファイバセンサ装置を用いる検出方法 - Google Patents
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Description
本発明は、光ファイバを用いた光電スイッチの一種である光ファイバセンサ装置に関し、特に、薄型のヘッド部を用いた光ファイバユニットに関する。
【従来の技術】
光ファイバセンサ装置は、発光素子(例えば発光ダイオード)及び受光素子(例えばフォトダイオード)を内蔵した装置本体(アンプ部ともいう)と光ファイバユニットからなる。光ファイバユニットは光ファイバケーブル(単に光ファイバということもある)とその先端部に装着されたヘッド部からなり、光ファイバケーブルの基端部は装置本体に接続される。
光ファイバセンサ装置には大きく分けて反射型と透過型とがある。反射型では、1つのヘッド部に2本の光ファイバケーブルが略同一方向を向くように固定された光ファイバユニットを使用する。装置本体に内蔵された光源から発した光は第1の光ファイバの基端部に入射し、光ファイバ内を伝播して、その先端面から出射する。出射した光が検出対象の物体によって反射されると、その反射光が第2の光ファイバの先端面に入射する。入射した光は第2の光ファイバ内を伝播してアンプに内蔵された光検出器に達する。
透過型の光ファイバセンサ装置では、1つのヘッド部に1本の光ファイバケーブルが固定された光ファイバユニットを2本使用する。第1及び第2の光ファイバユニットのヘッド部は、それぞれの光ファイバの先端面(投光面及び受光面)が対向するように所定の距離を隔てて配置される。そして、投光面から受光面への光路を検出対象物が遮らない状態では、第1の光ファイバの先端面から出射した光が第2の光ファイバの先端面に入射し、第2の光ファイバ内を伝播して光検出器に達する。
上記のような光ファイバセンサ装置を用いた物体検出の例として、テーピングマシン等に用いられるパーツフィーダ(チップ部品供給装置)から供給されるチップ部品の検出がある。テーピングマシンは、小型電子機器に使用される電子回路のプリント配線板にチップ電子部品を実装するチップマウンタに電子部品を供給するためのリールを作製する装置である。
図6(a)に、透過型の光ファイバセンサ装置を用いて、パーツフィーダの供給路を流れるチップ部品を検出する場合の光ファイバユニットの取付例を示す。パーツフィーダの供給路51の第1の側面52に、第1の光ファイバ54の先端部に被せられた円筒状のヘッド部55が固定されている。そして、供給路51の第2の側面53に、第2の光ファイバ56の先端に被せられた円筒状のヘッド部57が固定されている。第1及び第2の光ファイバ54及び56の先端面が互いに向き合うように、第1及び第2のヘッド部55及び57の取り付け位置及び角度が調整される。
上述のように、第1及び第2の光ファイバ54及び56の基端部は、装置本体に内蔵された発光素子及び受光素子にそれぞれ接続される。発光素子から発した光が第1の光ファイバ54を通ってその先端面から出射し、光路LPを通って第2の光ファイバ56の先端面に入射する。入射した光は第2の光ファイバ56を通って受光素子に至る。チップ部品が供給路51を流れる際に光路LPを遮るので、受光素子から出力される電気信号が変化する。したがって、受光素子からの電気信号を処理することにより、チップ部品の通過を1つずつ検出することができる。
なお、図6(a)に示すように円筒状のヘッド部55(57)を供給路51の側面等に直接固定することが難しい場合も多く、その場合は図6(b)に示すような専用のL形金具58を用いて固定していた。
【発明が解決しようとする課題】
近年、携帯電子機器等の小型化に伴って、使用される電子部品の小型化とチップマウンタ等の製造設備の小型化が進んでいる。しかし、上述のような従来の光ファイバユニットを用いた光ファイバセンサ装置では、パーツフィーダの供給路51の第1及び第2の側面52及び53の外側に光ファイバ54及び56の取り回しのスペースを確保する必要がある。このことがチップマウンタ全体の小型化の障壁となっていた。また、操作者やメンテナンス作業者等が手や工具を光ファイバ54及び56に引っ掛けて光ファイバ、特にヘッド部との接続部を傷つけることがあり、改善が求められていた。
上記の問題を解決するためには、図6(a)に示した例では光ファイバ54及び56をパーツフィーダの供給路51の第1及び第2の側面52及び53に沿わせるように敷設する必要がある。しかも、ヘッド部55及び57の側面52及び53からの突出寸法をできるだけ抑えながら光ファイバ54及び56を略直角に曲げて先端面を対向させなければならない。
図6(a)に示した例において、透過型の光ファイバセンサ装置に代えて反射型の光ファイバセンサ装置を用いる場合は、供給路51の第1及び第2の側面52及び53のうち一方のみにヘッド部の取り付けと光ファイバの敷設を行えばよい。しかし、この場合も上記と同様の問題がある。
上記のような問題を解決するために、ブロック状又は板状のヘッド部内に光ファイバを通す管路を形成し、この管路を略直角に曲げた構造が考えられる。しかし、略直角に曲げられた管路の入口から光ファイバを挿入し、出口側から光ファイバの先端面をのぞかせる作業は容易ではなく、無理に光ファイバを押し込めば光ファイバが折れ曲がったり傷ついたりするおそれがある。
そこで、本発明は上記の課題を解決し、板状のヘッド部内で光ファイバケーブルの先端部付近を略直角に曲げた状態で固定することが容易であり、ヘッド部を壁面に直接固定して壁面に沿って光ファイバケーブルを敷設することができる光ファイバユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
本発明による光ファイバユニットは、ヘッド部を構成する板状部材の厚み方向に貫通孔が形成され、板状部材の一面に貫通孔から板状部材の周辺部へ延びる溝が形成され、貫通孔に先端部が固定された光ファイバケーブルが緩やかな曲率で略直角方向に曲げられた状態で溝に埋没するように固定され、板状部材の面に沿う方向に引き出されていることを特徴とする。
このような構造を有する光ファイバユニットを用いることにより、ヘッド部の取り付け対象となる壁面に沿って光ファイバケーブルを敷設することが容易になり、光ファイバの取り回しのために壁面から確保すべきスペースを少なくすることができる。しかも、ヘッド部に対する光ファイバケーブルの固定作業を比較的容易に行うことができる。
使用される光ファイバケーブルは、複数の光ファイバを束ねた多芯ケーブルであることが好ましい。これにより、ヘッド部を構成する板状部材の厚み内で光ファイバケーブルを略直角方向に曲げた状態で固定することが容易になり、その際に光ファイバケーブルに加わる曲げストレスが小さくなる。
また、光ファイバケーブルの先端から所定長さの部分が被覆を除かれたのち貫通孔及び溝部に接着剤で固定されている構造が好ましい。例えば、光ファイバケーブルの先端から所定長さだけ被覆を除いた部分に予め接着剤を塗布した後、先端部を貫通孔に固定し、先端部に続く部分をできるだけ緩やかな曲率で略直角方向に曲げて溝に埋没し、接着剤が硬化するまで保持する。このような簡単な作業によって光ファイバケーブルをヘッド部に固定することができる。
また、ヘッド部を構成する板状部材は金属(例えばステンレススチール)製であり、溝が形成された面の反対側の面と光ファイバケーブルの先端面とが面一になるように研磨加工されていることが好ましい。例えば、上記のようにして光ファイバケーブルをヘッド部に固定する際に、光ファイバケーブルの先端面をヘッド部の表面(溝が形成された面の反対側の面)からわずかに突出させておく。そして接着剤が完全に硬化した後に光ファイバケーブルの先端をヘッド部の表面と一緒に研磨することにより面一にすればよい。こうすることにより、光ファイバケーブルの先端面からの光の出射又は先端面への光の入射に関して損失が少なくなる。
また、板状部材の周辺部において、溝に埋没された光ファイバケーブルの固定を確実にするために、溝が部分的に覆れている構造も好ましい。つまり、溝に埋没するように固定された光ファイバケーブルを板状部材の周辺部において押さえる部材(部分)があれば、光ファイバケーブルに溝から引き剥がす方向の大きな力が加わったときに剥離しにくくなる。この光ファイバケーブルを板状部材の周辺部において押さえる部材(溝を部分的に覆う部材)は、板状部材と別体として用意されてもよいし、初めから板状部材と一体であってもよい。前者の場合は光ファイバケーブルを溝に埋没した状態で固定した後に、押さえ部材を板状部材に固定することになる。後者の場合は、光ファイバケーブルを板状部材に固定する際に、光ファイバケーブルの先端部を板状部材の周辺部の溝とそれを覆う部分(押さえ部分)からなるトンネル部に先に通し、その後、略直角方向に曲げた光ファイバケーブルの先端部を貫通孔に挿入することになる。この場合も、板状部材の周辺部から貫通孔までの間では光ファイバケーブルを規制するのは溝だけであるから、光ファイバケーブルを急激に直角方向に曲げる無理な力は加わらないし、作業性もさほど悪くならない。
また、板状部材に1又は複数の螺子止め用孔が設けられていることが好ましい。これにより、取付用部材(金具)を別途用いることなくヘッド部を所定箇所に直接かつ確実に固定することができる。
本発明の光ファイバセンサ装置は、上記のような光ファイバユニットと、該光ファイバユニットに接続される装置本体とを備え、装置本体は第1の光ファイバケーブルの基端面に光を入射させるための発光素子と、第2の光ファイバケーブルの基端面から出射する光を検出するための受光素子とを内蔵していることを特徴とする。発光素子から発した光は第1の光ファイバケーブルを通ってその先端面から出射し、第2の光ファイバケーブルの入射面に戻ってきた光は第2の光ファイバケーブルを通って受光素子に至る。受光素子から出力される電気信号(例えば電圧信号)をしきい値と比較することにより、光ファイバユニットのヘッド部近傍の所定領域における検出種対象物の存否を検出することができる。
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る光ファイバユニットのヘッド部の構造例を示し、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は側面図である。このヘッド部10は、厚さ2mm程度のステンレススチール板を切削加工して作成される。また、このヘッド部10は、透過型の光ファイバセンサ装置に用いられるものであり、1つのヘッド部10に1本の光ファイバケーブルが固定されて光ファイバユニットとなる。
図1に示すように、ヘッド部10を構成する板状部材11の厚み方向に貫通孔12が形成され、板状部材11の一面11aに貫通孔12から板状部材11の周辺部へ延びる溝13が形成されている。また、溝13を挟む2箇所に、ヘッド部10を螺子止めするための段付孔14が形成されている。
図2(a)は上記のヘッド部に光ファイバケーブルを固定した光ファイバユニットの断面図であり、図2(b)はヘッド部に固定する前の光ファイバケーブルの加工状態を示す図である。図1及び図2を参照して光ファイバユニットの製作工程の例を説明する。
まず、図2(b)に示すように、光ファイバケーブル20の先端から所定長さLの部分の被覆22を剥がし、素線21を露出する。但し、一実施例において使用した光ファイバケーブル20は、200本程度のコア及びクラッドからなる光ファイバを束ねて素線21が形成されている多芯ケーブルである。次に、光ファイバケーブル20の被覆22の先端部分に金属リング23を被せて(圧入して)固定する。
次に、光ファイバケーブル20の素線21が露出した部分と金属リング23の周りに接着剤を塗布する。一実施例において接着剤として、有機溶剤を含まずアクリル樹脂を侵さない2液性エポキシ系接着剤を使用した。素線21はアクリル系樹脂でできているので表面に接着剤が付きやすいが、被覆22はPVC系樹脂でできているので接着剤が付きにくい。そこで、上記のように被覆22の先端部分に金属リング23を被せて金属リング23に接着剤を塗布する。
次に、図2(a)に示すように、光ファイバケーブル20(素線21)の先端部を貫通孔12に挿通して固定し、できるだけ緩やかな曲率で略直角方向に光ファイバケーブル20(の素線21)を曲げるようにしてヘッド部10(板状部材11)の溝13に埋没させる。そして光ファイバケーブル20に被せた金属リング23をヘッド部10の周辺部の溝13内に位置させた状態で接着剤が硬化するまで保持する。
これにより、光ファイバケーブル20はヘッド部10(板状部材11)の面11a又は11bに沿う方向に引き出され、その先端面21aは引き出し方向に対して略直角方向を向くことになる。接着剤が硬化した後、光ファイバケーブル20の先端面21aが板状部材11の面11b(溝13が形成された面11aと反対側の面)と面一になるように研磨加工を行う。この研磨加工を効率良く行うために、光ファイバケーブル20(素線21)の先端部を貫通孔12に挿通して固定する際に、光ファイバケーブル20の先端面21aが板状部材11の面11bよりわずかに突出するようにしておくことが好ましい。
上記のようにして、厚さ2mm程度の板状のヘッド部10内で光ファイバケーブル20をゆるやかな曲率で略直角方向に曲げて固定した光ファイバユニット10Uを容易に製作することができた。このようにして製作した光ファイバユニット10Uは、略直角方向に曲げた部分での損失が小さく、折れるおそれもないことが確認できた。また、板状部材11に形成された2箇所の段付孔14を用いて、光ファイバユニット10Uのヘッド部10を取付対象の壁部に直接螺子止めすることができる。
図3は、上記の光ファイバユニットを用いた透過型の光ファイバセンサ装置を、チップマウンタのパーツフィーダから供給されるチップ部品の検出に使用する例を示す構成図である。この図は、従来技術の説明で参照した図6に対応している。
図3において、光ファイバセンサ装置1は、装置本体31と2組の光ファイバーユニット(光ファイバーケーブル及びヘッド部)からなる。パーツフィーダの供給路41の第1の側面42の内側に、第1の光ファイバケーブル20Aの先端部に接続された第1のヘッド部10Aが固定されている。そして、供給路41の第2の側面43の内側に、第2の光ファイバケーブル20Bの先端部に接続されたヘッド部10Bが固定されている。第1及び第2の光ファイバケーブル20A及び20Bの先端面が互いに向き合うように、第1及び第2のヘッド部10A及び10Bの取り付け位置が調整される。
第1の光ファイバケーブル20Aの基端部は、装置本体31に内蔵された発光素子を含む光源部32に接続されている。光源部32は駆動回路33によって駆動され、レーザ光を第1の光ファイバ20Aの基端面に供給する。レーザ光は光ファイバケーブル20A内を伝播し、第1のヘッド部10Aに固定された第1の光ファイバ20Aの先端面から投光される。投光されたレーザ光は光路LPを進み、光路LPを遮る物体(チップ部品)が無い場合は第2のヘッド部10Bに固定された第2の光ファイバケーブル20Bの先端面に入射する。
入射したレーザ光は第2の光ファイバケーブル20B内を伝播し、その基端面に接続された装置本体31の受光部34に達する。受光部34の受光素子で受光した光量が電気信号(電圧)に変換され、信号処理回路35に与えられる。信号処理回路35は、受光部34の受光量に相当する電圧信号をしきい値と比較し、比較結果を出力する。2値信号である比較結果は、光路LP上に物体(チップ部品)が存在するか否かを示す信号であり、装置本体31に接続された外部機器(図示せず)に信号ケーブルを介して伝達される。
また、信号処理回路35は、比較結果を上面パネル部36の表示器に表示する。装置本体31によっては、受光量に相当する数値やそのピークホールド値、しきい値等を切替表示するものもある。また、しきい値を設定変更するための押釦スイッチが上面パネル部36に設けられているものもある。
図3に示したように、本発明の光ファイバユニットを用いれば、光ファイバケーブル20A,20Bをパーツフィーダの供給路41の側面42,43に沿って敷設することができ、側面42,43の外側に光ファイバケーブル20A,20Bの取り回しのための余分なスペースを確保する必要が無い。したがって、パーツフィーダ、ひいてはチップマウンタ全体の小型化に寄与することができる。また、操作者やメンテナンス作業者等が手や工具を光ファイバに引っ掛けて光ファイバ、特にヘッド部との接続部を傷つけることが無くなる。
図4は、本発明の第2の実施形態に係る光ファイバユニットのヘッド部の構造例を示し、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は側面図である。このヘッド部10’は、反射型の光ファイバセンサ装置に用いられるものであり、1つのヘッド部10’に2本の光ファイバケーブルが固定されて光ファイバユニットとなる。図1に示した第1の実施形態のヘッド部10と異なるのは、板状部材11’に2組の貫通孔12及び溝13が設けられている点のみである。一方の貫通孔12及び溝13に第1の(投光側)光ファイバケーブル20Aを装着し、他方の貫通孔12及び溝13に第2の(受光側)光ファイバケーブル20Bを装着すれば、反射型の光ファイバユニット10U’ができる。
図2(a)及び(b)を参照して説明した光ファイバユニットの製作過程の例は、第2の実施形態の光ファイバユニットにも適用することができる。光ファイバセンサ装置の全体構成についても、基本的には図3に示した透過型の光ファイバセンサ装置1と同様である。但し、図4にヘッド部10’を示した反射型の光ファイバセンサ装置では、第1の光ファイバケーブル20Aの先端面21aから出射した光が検出対象物で反射した場合に第2の光ファイバケーブル20Bの先端面21aに帰ってくる。この光は第2の光ファイバケーブル20B内を伝播して装置本体31の受光部34に達する。検出対象物がヘッド部10’の近傍の検出領域に存在しない場合は反射光が得られないので、受光部34は光を受光しない。
第1の実施形態で説明した動作と同様に、信号処理回路35は受光部34からの受光量に相当する電圧信号をしきい値と比較し、比較結果を出力する。この比較結果は2値信号であり、ヘッド部10’の近傍の検出領域に検出対象物が存在するか否かを示す信号である。
図5は、本発明の第3の実施形態に係る光ファイバユニットの構造例を示し、(a)は断面図、(b)は平面図、(c)は(b)におけるc−c断面図である。この実施形態が図1及び図2に示した第1の実施形態と異なる点は、溝13に埋没された光ファイバケーブル20を板状部材11の周辺部において押さえる押さえ板15を追加した点である。押さえ板15は、図5(c)に示すように、光ファイバケーブル20の軸方向から見た断面が台形に形成され、板状部材11”には押さえ板15の外形に合わせた段部11cが形成されている。
前述のように接着剤を塗布した光ファイバケーブル20を溝13に埋没させた後、図5(b)に矢印ARで示す如く、押さえ板15をスライドさせるようにして段部11cに嵌め込む。こうすることにより、光ファイバケーブル20は図5(c)に示すように、板状部材11の周辺部において溝13と押さえ板15とで囲まれたトンネル状の空間BR内に保持される。
光ファイバケーブル20(素線21)の先端部は貫通孔12に挿通され固定されているので、光ファイバケーブル20の素線21を図5(a)に示すように緩やかな曲率で略直角方向に曲げた状態で板状部材11の溝13に埋没させた状態を接着剤が硬化するまで維持することが容易になる。また、光ファイバケーブル20に溝13から引き剥がす方向の大きな力が加わったときに、押さえ板15が光ファイバケーブル20の剥離を抑制する。なお、板状部材11の表面11aと押さえ板15の表面は略面一になる。
図5に示した構造の変形例として、押さえ板15の部分を板状部材11”の一部分として一体に製作してもよい。つまり、溝13を貫通孔12から板状部材11”の周辺部まで全て面11aに開放するように形成するのではなく、周辺部において部分的に溝を覆う部分を設け、トンネル状の空間BRを形成しておいてもよい。この場合に光ファイバケーブルを板状部材11”に固定して光ファイバユニットを製作する工程は例えば次のようになる。
まず、図2(b)を用いて説明した光ファイバケーブル20の前処理は同じでよい。つまり、先端から所定長さLの部分の被覆22を剥がし、素線21を露出した後、光ファイバケーブル20の被覆22の先端部分に金属リング23を被せて固定する。そして、素線21が露出した部分と金属リング23の周りに接着剤を塗布する。
この後、図5において、光ファイバケーブル20(素線21)を先端面21aからトンネル状の空間BRに通し、先端面21aを溝13の上部空間に一旦出して金属リング23がトンネル状の空間BR内に位置するようにする。この後、素線21の先端部を下方に曲げるようにして貫通孔12に通す。前述のように先端面21aが板状部材11の面11bよりわずかに突出するようにしておき、接着剤が完全に硬化した後に、光ファイバケーブル20の先端面21aが板状部材11の面11bと面一になるように研磨加工を行う。
以上、本発明のいくつかの実施形態と変形例を図面に沿って説明したが、図示の構造や形状は一例に過ぎない。本発明は上記の実施形態や変形例に限らず、種々の形態で実施することができる。
例えば、ヘッド部を構成する板状部材11の材質は、ステンレススチールに限らず、他の金属板や樹脂製の板を用いて製作してもよい。加工方法についても切削加工に限らず、例えば樹脂の射出成形によって製作してもよい。また、上記の実施形態では光ファイバケーブル20として複数の光ファイバを束ねて素線21が形成されている多芯ケーブルを用いたが、本発明はこれに限らず、単芯の光ファイバケーブルを用いて実施することも可能である。
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の光ファイバユニットとそれを用いた光ファイバセンサ装置によれば、板状のヘッド部を直接壁面に固定することができ、光ファイバケーブルを壁面に沿って敷設することができるので、光ファイバケーブルの取り回しのための余分なスペースを確保する必要がない。したがって、光ファイバユニットの取り付け対象の装置を小型化することができると共に、操作者やメンテナンス作業者等が手や工具を光ファイバに引っ掛けて光ファイバを傷つけるおそれがなくなる。また、板状のヘッド部の厚み内で光ファイバケーブルを略直角方向に曲げて固定する作業が容易であり、曲げ部分での損失が小さく、折れるおそれもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る光ファイバユニットのヘッド部の構造例を示し、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は側面図である。
【図2】(a)はヘッド部に光ファイバケーブルを固定した光ファイバユニットの断面図であり、(b)はヘッド部に固定する前の光ファイバケーブルの加工状態を示す図である。
【図3】第1の実施形態の光ファイバユニットを用いた透過型の光ファイバセンサ装置を、パーツフィーダから供給されるチップ部品の検出に使用する例を示す構成図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る光ファイバユニットのヘッド部の構造例を示し、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は側面図である。
【図5】本発明の第3の実施形態に係る光ファイバユニットの構造例を示し、(a)は断面図、(b)は平面図、(c)は(b)におけるc−c断面図である。
【図6】(a)は従来の透過型の光ファイバユニットをパーツフィーダの供給路に取り付けた状態を示す斜視図であり、(b)は別の取り付け方法を示す側面図である。
【符号の説明】
1 光ファイバセンサ装置
10 ヘッド部
11 板状部材
11a,11b 板状部材の面
12 貫通孔
13 溝
14 螺子止め用孔(段付孔)
15 押さえ板
20 光ファイバケーブル
21 素線
21a 先端面
22 被覆
23 金属リング
32 光源部(発光素子)
34 受光部(受光素子)
Claims (6)
- ヘッド部を構成する板状部材には、厚み方向の貫通孔と、厚み方向の螺子止め用孔と、前記板状部材の一面に前記貫通孔から前記板状部材の周辺部へ延びる溝とが形成され、先端から所定長さ素線が被覆されていない非被覆部分と当該素線が被覆された被覆部分とを有する光ファイバケーブルが、当該非被覆部分のうち先端部が貫通孔に固定され、当該非被覆部分のうち先端部に続く部分が緩やかな曲率で略直角方向に曲げられ、かつ、当該被覆部分の一部とともに前記溝に埋没するように固定され、前記板状部材の面に沿う方向に引き出されている光ファイバユニットと、当該光ファイバユニットに接続され、発光素子及び受光素子を内蔵している装置本体と、を備える光ファイバセンサ装置を用いる検出方法であって、
前記ヘッド部は、前記螺子止め用孔に前記貫通孔から検出光が出射する向きとは反対向き又は前記貫通孔に検出光が入射する向きに螺子が挿入されて、取り付け対象に固定され、
第1の前記光ファイバケーブル内を伝播する前記発光素子からの検出光が、前記板状部材内で略直角方向に曲げられてその先端面から検出領域に出射し、当該検出領域から第2の前記光ファイバケーブルの先端面に入射した検出光が、前記板状部材内で略直角方向に曲げられて第2の前記光ファイバケーブル内を伝播して前記受光素子で受光され、前記受光素子で受光した検出光の受光量に基づいて、検出対象物が前記検出領域に存在するか否かを検出することを特徴とする、光ファイバセンサ装置を用いる検出方法。 - 前記非被覆部分は、前記溝に接着剤で固定されることを特徴とする、請求項1記載の光ファイバセンサ装置を用いる検出方法。
- 前記被覆部分の一部には金属リングが被せられ、当該金属リングが接着剤により前記溝に埋没するように固定されることを特徴とする、請求項1又は2記載の光ファイバセンサ装置を用いる検出方法。
- 前記板状部材は金属製であり、前記溝が形成された面の反対側の面と第1及び第2の前記光ファイバケーブルの先端面とが面一になるように研磨加工されていることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項記載の光ファイバセンサ装置を用いる検出方法。
- 検出光を検出領域に投光するための第1の前記貫通孔が前記板状部材に形成され、第1の前記光ファイバケーブルの前記非被覆部分の先端部が第1の前記貫通孔に固定されている第1の前記光ファイバユニットと、検出領域から検出光を受光するための第2の前記貫通孔が前記板状部材に形成され、第2の前記光ファイバケーブルの前記非被覆部分の先端部が第2の前記貫通孔に固定されている第2の前記光ファイバユニットと、を備える光ファイバセンサ装置を用いる検出方法であって、 第1の前記光ファイバユニットの前記ヘッド部は、前記螺子止め用孔に第1の前記貫通孔から検出光が出射する向きとは反対向きに螺子が挿入されて、取り付け対象に固定されるとともに、第2の前記光ファイバユニットの前記ヘッド部は、第1の前記光ファイバケーブルの先端面と第2の前記光ファイバケーブルの先端面とが互いに向き合うように、前記螺子止め用孔に第2の前記貫通孔に検出光が入射する向きに螺子が挿入されて、取り付け対象に固定されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項記載の光ファイバセンサ装置を用いる検出方法。
- 検出光を検出領域に投光するための第1の前記貫通孔と、検出領域から検出光を受光するための第2の前記貫通孔とが前記板状部材に形成され、第1の前記光ファイバケーブル及び第2の前記光ファイバケーブルの前記非被覆部分の先端部がそれぞれ第1の前記貫通孔及び第2の前記貫通孔に固定されている光ファイバユニットを備える光ファイバセンサ装置を用いる検出方法であって、
前記光ファイバユニットの前記ヘッド部は、前記螺子止め用孔に第1の前記貫通孔から検出光が出射する向きとは反対向き又は第2の前記貫通孔に検出光が入射する向きに螺子が挿入されて、取り付け対象に固定されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項記載の光ファイバセンサ装置を用いる検出方法。
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