JP4335460B2 - 界面パッチクランプ - Google Patents
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Description
〔序論〕
本発明は、従来のパッチクランプ法の新規開発を提供する。この新規の技術を界面パッチクランプ法(interface patch clamp method)と呼ぶ。
【0002】
電圧ゲート制御イオンチャンネル(voltage gated ion channel)は、様々な疾病状態における広範囲の新規の処理を潜在的な目標とする。パッチクランプ法の開発が、全細胞(whole cell)におけるイオンチャンネルの機能と薬理学的特性の研究調査のために強力な方法を提供してきた。しかし、このパッチクランプ法は、電圧ゲート制御イオンチャンネルに対する潜在的な活性を有する薬剤の調査およびスクリーニングのための的確な方法を提供するが、この方法は、現時点では、オペレータの技能に著しく依存しており、薬剤スクリーニングのためには非常に時間を要する傾向がある。本発明は、パッチクランプ法を使用してイオンチャンネル遮断/作用薬活性に対して化合物をスクリーニングする速度を増加させるための方法を提供する。この方法は、パッチクランプ法の主要な時間消費的な構成要素の自動化を容易にすると同時に、従来のパッチクランプ記録システムの本質的な特徴を保持することが可能である。
【0003】
〔背景:従来のパッチクランプ〕
パッチクランプ法の成功は、細胞膜の一区域(パッチ)とピペットの先端との間に「ぴったりとした(tight)」(すなわち、高抵抗:ギガオーム)電気シールを形成することが可能であることに基づいている。パッチクランプピペットは一般的にガラスで作られている。Gシール(G−seal)の形成は、このピペットの先端部の外形に依存しており、このピペットの内部に吸引を加えることによって増強される。Gシール形成のための要件が明確に確立されており、このプロセスは、シール形成全体に適用される小さな電圧ステップに応答して記録される電流パルスの表示によって電気的に監視されることが一般的である。Gシールの形成の後で、ピペットの下方の膜の一区域を、全細胞電圧クランプ記録モード(whole cell voltage clamp recording mode)を得るために引き裂いてもよい。
【0004】
予め形成したパッチピペットを使用して適切なGシール形成と全細胞記録モードとを実現するための事象のシーケンスは、次の通りである。
1.適切な細胞を選択する。
2.パッチピペットをその細胞の約50ミクロン上方に位置させる。
3.細胞表面がパッチピペットによって変形させられるまでパッチピペットを降下させる。
4.ピペット先端と細胞膜との間にGシールが形成されるまでピペットの内部に負圧を加える。
5.ピペット先端下の区域内で細胞膜を破壊する負圧をさらに加えることによって全細胞記録モードを確立する。
【0005】
ステップ2とステップ3には時間を要し、かなりの手先の器用さと高度のオペレータ技能とを必要とする。細胞とパッチピペットとの視覚化には高品質の顕微鏡の使用が必要であり、かつ、ピペットを位置決めするためには、各軸においてサブミクロンの分解能を有する高品質の3軸ミクロマニピュレータが必要である。
【0006】
〔発明の概要〕
本発明は、その最も広範な観点から言って、液体/空気界面において(液体/空気界面における表面張力の作用によって)液体媒質中に浮遊させられている1つまたは複数の細胞を提供し、それによって、全細胞電圧クランプ記録のための、細胞が付着して電気シールを形成することが可能な(ピペット先端のような)微細構造電極における液体/空気界面において、1つまたは複数の細胞が入手可能である。本発明によって、微細構造電極が、固体支持表面に対して細胞を押し付ける必要なしに、液体中に浮遊させられている細胞に対し液体/空気界面において高抵抗電気シールを形成させることが可能になる。
【0007】
1つまたは複数の細胞が液体/空気界面内において液体中に位置している状態を生じさせるあらゆる液体のかたまりまたは液体の柱を、本発明で使用することが可能である。例えば、毛管内に表面張力によって保持された液体の柱の中に細胞を浮遊させてもよい。あるいは、支持体から吊り下げられていても支持体によって支持されてもよい液体の小滴の中に細胞を浮遊させてもよい。
【0008】
界面パッチクランプ法を「単一細胞モード(single cell mode)」で操作することが可能であり、または、多数の電極によって細胞マトリックス上で動作するように多重化することも可能である。
本発明の一側面では、界面パッチングに、従来のタイプのパッチピペットを使用することが可能である。細胞が、毛管(例えば、ガラス、ポリエチレンまたは他の適切な材料で作られた毛管)の一方の端部における液体/空気界面上に支持される。パッチピペットの先端を操作して、空気/液体界面に細胞が支持されている毛管の開口の中に入れることが可能であるように、そのパッチピペットの軸線は毛管の軸線と同一直線上にある。毛管またはパッチピペットを単軸マニピュレータ上に装着することが可能である。1つのマニピュレータだけしか必要でなく、これをパッチピペットまたは毛管を動かすために使用してよい。全細胞記録モードを次のように確立する。
6.毛管を細胞の懸濁液の中に漬けることによって細胞外生理溶液(細胞が中に浮遊させられている液体)と空気の間の界面に細胞の層を形成する。この懸濁液中の細胞の密度は、界面において細胞の層を形成するのに充分な数の細胞を供給するのに充分でなければならない。
7.細胞外溶液との電気的接触を非分極性電極(例えばAg/AgClワイヤ)を介して確立し、毛管を固定クランプまたは単軸マニピュレータに取り付ける。
8.電解液溶液で中を満たすことが可能なパッチピペットを用意する。
9.(毛管を移動させることになっている場合は)パッチピペットを単軸マニピュレータまたは固定クランプを介して毛管と同軸に取り付ける。ピペット充填溶液を非分極性電極を介して従来のパッチクランプ増幅器のヘッドステージに接続する。ピペットホルダが、ピペットの内部に吸引を加えることを可能にする。
10.細胞付着パッチ記録モード(cell attached patch mode of recording)を、(例えば、ピペットを毛管と界面とに向けて移動させるか、これとは逆の移動を行うことによって)単一の装着軸線に沿ってピペットと毛管をそれぞれに共に移動させることにより、ピペット先端を界面と接触させることによって確立する。界面に入る際に、ピペットと毛管の両方の動きが停止させられ、ピペット電流がパッチクランプ増幅器上でゼロにオフセットされる。ピペットが空気/液体界面で細胞の1つに接触する時にピペットの抵抗が増大する。その次に、ピペットの内部に吸引を加え、ピペット先端が毛管の内部に位置するまでピペットと毛管とを互いに接近させる。
【0009】
さらに、ピペット先端と細胞との間の最初のシールの形成を、ピペットが界面内に入る間に穏やかな吸引を加えることによって促進してもよい。
ピペットの内部にさらに吸引を加えることとピペット抵抗を監視することとによって、ピペット先端と細胞膜との間にGシールが形成される。
11.細胞付着パッチモードの形成の後に、吸引が解除され、ピペット電流がゼロにオフセットされ、保持電圧がピペットに印加される(例えば、−60mV)。
12.全細胞記録モードが従来の仕方で確立されるまでピペット内部に対してさらに吸引を加えることによって、全細胞記録が得られる。
【0010】
本発明では、毛管をその毛管の下向きの端部に空気/液体界面を有する形で直立した方向に(すなわち、ほぼ垂直に)取り付けることが好ましい。
これは、浮遊した細胞が毛管の下向きの端部に自然に「沈降」してその端部において層の形に集められる傾向があるという利点を有する。この層は、細胞数個分の高さでかつ粗く詰め込まれていることが好ましい。したがって、本発明によって、ピペット先端を、この層内の細胞と界面において接触するように(ピペットまたは毛管を単一の軸線に沿って動かすことによって)毛管先端における空気/液体界面に対して上向きに動かしてもよい。毛管内の液体のかたまりの密度に比較した界面における細胞の相対密度または濃度が、操作の視覚化の必要なしに、かつ、ピペット先端/細胞位置関係を多方向に操作する必要なしに、ピペット先端上に細胞を集めることが可能であるということを高い確率で確実なものにしている。驚くべきことに、固体の基板に対して細胞を押し付けることなしに細胞とピペットとの間のGシール形成が生じることが可能であるということが発見されている。
【0011】
この構成が、ピペット先端が最上部にありかつ上向きである形で直立した方向にある(すなわち、ほぼ垂直の)ピペットを使用して操作することが意図されている場合には、このピペットは、充填された電解質溶液が流出して失われることを防止するように形成されなければならない。これは、例えば、特注の装着アセンブリを使用することによって、および/または、(例えば、ピペット軸をU字形またはJ字形に曲げることによって)充填溶液の損失を防ぐようにピペット本体を形成することによって、実現することが可能である。
【0012】
さらに、本発明は、本明細書で説明する界面パッチクランプ法を使用するパッチクランプシステムの自動化を可能にするように制御ロジックを使用する方法と装置を提供する。本明細書で説明する制御ロジックは、膜イオンチャンネル上での活性をスクリーニングするために細胞をパッチクランプして薬剤/化合物を適用するために、1つまたは複数のパッチクランプピペットおよび/または毛管を保持する、1つまたは複数の電気機械式ミクロマニピュレータ/並進移動装置を制御する。本明細書で説明する制御ロジックの主要な利点が、パッチクランプ増幅器からの信号からのフィードバックを使用することによってこのシステムで自動化が実現され、かつ、画像認識ソフトウェアが不要であるということである。
【0013】
本発明は次の添付図面に例示されている。
図1aを参照する。適切なサイズの毛管(1)が、浮遊状態の細胞(3)を含む液体試料(2)を吸い上げて保持することが可能である。この試料は、適切な大量液体リザーバの中に毛管先端を単に漬けることによって吸い上げることが可能である。毛管内の液体はその毛管端部(5)に空気/液体界面を形成する。細胞は最初はこの液体全体に比較的均一に分散している。
【0014】
図1bを参照する。毛管が直立した基本的に垂直の方向配置にあるので、細胞は毛管の下部端部に沈降して粗く詰め込まれ、細胞数個分の高さの層(6)を形成する傾向がある。当業者は、この細胞層の密度と高さが、当初の懸濁液中の細胞濃度、沈降時間、細胞と液体との相対密度等のような因子によって決定されることを理解する。さらに、細胞が重力沈降にだけ依存するのではなくまたは重力沈降にも依存しながら液体から空気/液体界面に向かって移動することを促進し補助する手段を考案することが可能であることも理解できる。この図は、界面に向かって上方に向いたパッチピペット8の先端も示す。
【0015】
図2を参照する。クランプ(9)内に保持された固定パッチピペット(8)に対して、クランプ(7)内に保持された毛管1を相対移動させるために単軸マニピュレータが使用される構成を示している。ピペットが移動させられかつ毛管が固定されているように、これを逆にすることが可能であることを当業者は理解する。この図は、電動式の単軸マニピュレータ(11)に取り付けられている直線軸受スライダ(10)内に締付け固定されている毛管を示す。このマニピュレータは、パッチクランプ増幅器からのフィードバックによってマニピュレータの動きを変化させるように、好ましくはコンピュータによって制御させるべきである。パッチピペットには、従来のヘッドステージに対する接続部(12)が設けられている。このシステムには、さらに、パッチクランプ増幅器/コンピュータの制御を受ける可変吸引源も備えられている。
【0016】
図2aには、追加の電気機械式マイクロマニピュレータが付け加えられている構成が示されている。このマイクロマニピュレータ(13)は、自動制御または手動操作によってガラス毛管を動かすためのものである。第2のマイクロマニピュレータ(14)が、薬剤適用のための皿をガラス毛管に対して上下動させる。第3のマイクロマニピュレータ(15)が、ピペットとの電気的接触とピペットの内部に対して吸引を加える手段とを提供するために、改変されたピペットホルダを移動させる。回転自在の基部(16および17)が、ピペットホルダを記録区域に対して出し入れすることと、ピペット溶液で充填するためにピペットを180度回転させることとを可能にする。
【0017】
さらに、この図は、追加の特徴、すなわち、ピペットホルダ(18)と、パッチクランプヘッドステージ(19)と、皿ホルダ(20)とを示す。
ソフトウェア制御によって自動的にパッチピペットが装填されて充填されるこの装置の一変型が構想されている。さらに、装置内への毛管ガラスの装填と細胞懸濁液による充填も自動化されることが構想されている。
【0018】
図3を参照する。パッチピペット8の先端に保持されかつ毛管内に閉じ込められた液体体積内に置かれているGシール付きの細胞3が示されている。
その次に、細胞付着パッチ/全細胞(電圧クランプ)記録を行ってもよい。
本明細書で説明する本発明は、次の通りの幾つかの重要な特徴を有する。
・ ピペットと細胞の可視化が不要である。
・ 目立つものとは見なされない新規の記録形態
・ 驚くべきことに、細胞を硬質の基板に押し付けることなしに、Gシールの形成が生じる。
・ 細胞は、溶液/空気界面に層を形成する。
・ Gシール形成は、電子フィードバックだけを使用して実現できる。
・ 光学的認識/フィードバックが不要である。
・ システムが自動化可能である。
・ 多数の細胞から記録を同時に得ることを可能にするために、多数の記録毛管およびピペットを使用できる。
【0019】
これらの様々な利点を実現するためにソフトウェア制御を受ける実施形態の装置の動作方法の具体例を次で説明する。
(例えば、イオンチャンネル遮断/作用薬活性に関して)化合物をスクリーニングする目的で本発明を使用するためには、パッチピペットに付着させられている細胞に対象の化合物を適用する必要がある。これは様々な方法で、例えば、Gシール形成の前または後に毛管内の細胞外液体にその化合物を添加することによって行うことが可能であることが容易に理解できる。本発明の追加の利点の1つは、毛管内の液体を(例えば、異なった化合物または異なった濃度の化合物を含む)複数の層の形で用意し、その次に、単軸マニピュレータを使用して、(例えば、Gシールを形成している細胞をさらに上方に動かし、毛管の一方の端部における空気/液体界面から離すことによって)選択された層の中にピペット先端上の細胞を物理的に移動させて位置させるために使用することが可能であるということである。
【0020】
化合物の効果を調べる方法のさらに別の具体例を図4から図7に示す。
図4が、細胞懸濁液(2)を含む毛管(1)と、ピペット先端に位置する細胞から全細胞記録を得るための記録位置にあるパッチピペット(8)とを示す。さらに、毛管は、皿(22)(例えば、35mmのプラスチック培養皿等)内に形成されている穴(21)を貫通して挿入されている。この皿は、疎水性を有する材料で作られており、穴は、マニピュレータ(14)によって毛管の軸線に沿って皿を上下させることを可能にする。
【0021】
図5が、細胞外生理溶液(23)を充填した後の皿を示し、この皿は調査対象の薬剤を含んでもよいし、または、後続の段階で薬剤をこの皿に添加してもよい。驚くべきことに、皿内の流体の液面が低い時には、液体が穴を通って漏出する傾向が、
1.水の表面張力と、
2.ガラス毛管へ水/溶液が引き寄せられること
とによって相殺されるので、穴を通しての液体の漏出が生じない。溶液を皿に添加した後に、皿を矢印の方向に下げる。
【0022】
図6が、ガラス毛管の末端とパッチピペットとに接触している皿内の溶液を示す。ここで、皿内の液体の層内にピペット先端/細胞を配置するために、皿と毛管を同時に上昇させる(矢印AおよびB)。薬剤がこの時点で皿内に存在しかつ毛管および皿が上方に迅速に移動させられた場合には、これは、脱感作する(desensitize)作用薬活性の研究調査のために特に有効な迅速応用システムを構成する。
【0023】
図7は、毛管が皿内の液体と接触していないように毛管を上昇させる効果を示す。ピペット先端/細胞は皿内の外部溶液層内に浸されたままである。この溶液は皿の潅流によって容易に交換でき、このことが、1つの細胞からの記録でありながら、多数の薬剤の添加と用量−応答曲線とを得ることを可能にする。
自動化パッチクランプシステムのための制御ロジック
〔序論〕
本明細書で説明する界面パッチクランプ法を使用するパッチクランプシステムの自動化を可能にするために必要とされる制御ロジックの3つの実施形態を次に説明する。それぞれの場合に、ここで説明する制御ロジックは、膜イオンチャンネル上での活性に関するスクリーニングを行うために細胞をパッチクランピングし薬剤/化合物を適用するように、1つまたは複数の電気機械式ミクロマニピュレータ/並進移動装置を制御する。ここで説明する制御ロジックの主な利点が、パッチクランプ増幅器からの信号からのフィードバックを使用することによってこのシステムで自動化が実現されるということと、画像認識ソフトウェアが不要であるということである。
【0024】
〔方法〕
これらの実施形態全てにおけるプログラムに対する入力を、次のようにパッチクランプ増幅器に要求する。
【0025】
Imon=電流監視出力
Vhold=ホールディング電位
パッチクランプ増幅器出力信号から得られるプログラムに対する入力を、次のように要求する。
Inoise=Imonから記録された基線電流ノイズ
Rpip=ピペット抵抗値
Rtot=全抵抗値
Rsは電圧ステップ中のImonから得る。
【0026】
これらの信号と評価値とを、適切なソフトウェアインタフェースを介して既存のソフトウェア(例えば、Hekaソフトウェア)から得ることが想定されている。これらの信号と評価値は、次の変数とパラメータのリストにおいてさらに定義する。
マニピュレータ/並進移動装置からの入力を次のように要求する、または、次の装置に要求する。
【0027】
パッチモジュール マイクロマノメータ エンコーダ
毛管クランプ/ローダエンコーダ及び空信号
ピペット自動化エンコーダ/ローダ及び空信号
細胞浸漬器のための2軸並進移動装置エンコーダ
薬剤適用マイクロマニピュレータ エンコーダ
ピペット ホールダ マイクロマニピュレータ エンコーダ
コンピュータからの制御出力が次の装置のために必要とされる。
【0028】
パッチ モジュール マニピュレータ
ピペット自動化ホールダ
毛管ローダ/クランプ
ピペットローダ/クランプ
細胞充填システムのための2軸並進移動装置
ピペット クランプ
吸引装置
薬剤適用マニピュレータ
薬剤潅流ソレノイド弁システム
【0029】
このソフトウェアは、界面パッチクランプ法を使用してパッチクランピングを行う幾つかの周辺装置を制御するために、パッチクランプ増幅器から得られる信号を使用する。制御ロジックによって制御されるこれらの装置は、幾つかのマイクロマニピュレータと、パッチピペットのための吸引装置と、上述の皿のような記録チャンバの潅流のための弁システムとを含む。
【0030】
幾つかのパラメータが、様々な実験条件に適合するようにオペレータによって変更することが可能な特定の事前設定値である。
【0031】
〔自動化界面パッチクランプのための制御ロジックの概要−第1実施例〕
初期シール形成
Gシールの形成のために必要な移動シーケンスが、界面パッチクランピングに特有であり、および、パッチクランプ増幅器からのフィードバックによって少なくとも1つの単軸マニピュレータ(例えば、パッチモジュールモータ、しかし、ピペットまたは毛管のいずれかをこれらの間の必要な相対移動を実現するために移動させてもよい)を制御することを含む。制御ロジックの第1の実施形態では、例えば図1bに示すように、最初はピペットが毛管から離されているが、パッチピペットが液体/空気界面に入る時に電流監視信号の変化を記録し、この信号をマイクロマニピュレータの停止のトリガとして使用するまで、このピペットを毛管端部の液体/空気界面に向かって移動する。パッチクランプ増幅器の出力からピペット抵抗を導き出してもよく、ピペット抵抗の変化を記録することによって初期シール形成を監視する。ピペットの抵抗が事前設定値を越えて増大しない場合には、制御ロジックは、Gシールの形成がまだ完了していないと推定し、ピペットの抵抗が増大するまでパッチモジュールモータを作動させて、液体/空気界面とピペットとを互いに引き離し、この抵抗の増大は、ピペット先端が液体から引き抜かれる時、すなわち、液体の狭幅の首部(ネック)がピペット先端と毛管端部との間の表面張力によって引き出される時に生じる。事前設定値へと抵抗が増大したことが記録されると、さらにGシールを細胞と共に形成するために、パッチピペットの内部に吸引が加えられ、パッチピペットと液体/空気界面とを互いに事前設定箇所へ向かって移動する。
【0032】
全細胞記録モード
細胞付着パッチクランプ記録モードの形成の後に、容量性過渡現象に対する電流(Imon)を監視しながらパッチピペットの内部に吸引を加えることによって、全細胞モードが得られる。ここで説明する制御ロジックでは、全細胞記録モードの形成が、閾値交叉法(threshold crossing method)によって検出されるが、例えばオンラインFFT(高速フーリエ変換)やテンプレート照合等のような他の方法も使用可能であることが当業者に明らかである。制御ロジックは、実験プロトコルの開始の前に全細胞モードの不適正な検出でないかをチェックする。
細胞品質検査
【0033】
このルーチンは、記録された直列抵抗をピペット抵抗に関する値と比較することによって電圧クランプの品質を監視する。この方法を、電圧ステップによって誘発される電流の振幅に対し許容可能な直列抵抗を関係付けることによって、さらに強化してもよいということが理解されるだろう。さらに、連続的に増加する直列抵抗値を示す細胞において、一定に維持したレベルの吸引をピペットに対して加えながら記録を行うことが可能であるように、追加のループを加えてもよい。さらに、細胞の品質を、事前設定値よりも低いものであってはならない保持電流によって監視する。この方法を、保持電流の許容可能な値を電圧ステップに応じた電流の振幅に関係付けることによって強化することが可能であるということが理解できる。
【0034】
薬剤/化合物の適用
薬剤適用の初期段階が界面パッチクランプ法に特有であり、2つの単軸マイクロマニピュレータの制御を含む。必要とされる移動が、界面内へ入る時に記録されるパッチモジュールのマイクロマニピュレータの位置を基準点として使用する。潅流チャンバ内に収容されている溶液の中に細胞を沈め終わると、制御ロジックは、ソレノイド流量制御弁の駆動によって潅流チャンバの潅流を実行するためのルーチンを呼び出す。
【0035】
〔詳細な制御ロジック−第1実施例〕
変数/パラメータ
P=大気圧を0と定めた相対ピペット圧力
d=パッチモジュール位置
d0=パッチモジュール モータ起動位置
d1=界面にピペット挿入時のパッチモジュールモータ位置
d2=ピペット記録位置におけるパッチモジュールモータ位置
d3=容器潅流のためのパッチモジュールモータ位置
dapp=薬剤適用モジュール マイクロマニピュレータ位置
dapp0=薬剤適用モジュール マイクロマニピュレータ位置
dapp1=薬剤適用マイクロマニピュレータ位置 増加1プリセット増加
dapp2=薬剤適用マイクロマニピュレータ位置 増加2プリセット増加
Rs=直列抵抗
Cslow=遅速静電容量補正
Cfast=高速静電容量補正
Inoise=基線ノイズ
Rpip=ピペット抵抗
Rtot=合計抵抗
R1=初期シール抵抗(事前設定値)
R2=全細胞進行のために必要なシール抵抗
Vhold=mVでのプリセットホールド電圧
Imon=電流監視出力
i=事前設定ホールド電流
Ihold=ホールド電圧のためのホールド基線電流
dpid=ピペット ホールダモジュール モータ位置
dpip0=ピペット ホールダモジュール モータ位置 起動
dpip1=ピペット ホールダモジュール モータ位置 ピペットオン
pclamp=ピペット クランプ/ローダ エンコーダの位置
pclamp=0 ピペット クランプされていない(ローディング位置)
pclamp=1 ピペット クランプ状態(記録位置)
rotclamp=ピペット ローダ装填のための回転位置
rotclamp=0 記録位置
rotclamp=1 ピペット充填位置
pipfil=ピペット充填器位置
pipfil=0 事前/事後充填位置
pipfil=1 充填位置
pipsyringe=ピペット充填器潅水位置
pipsyringe=ピペット充填に必要なdv駆動潅水動作(プリセット値)
cclamp=毛管クランプ/ローダエンコーダの位置
cclamp=0 クランプされていない毛管(ローディング位置)
cclamp=1 クランプされた毛管(記録位置)
pload=ピペットローダ空信号
pload=0 ピペットローダ状態
pload=1 ピペットローダ空
cload=毛管ローダ空信号
cload=0 毛管ローダ状態
cload=1 毛管ローダ空状態
celldiph=細胞浸漬のための水平並進移動装置
celldiph=0 細胞容器エンコーダ位置(プリセット)
celldiph=1 浸漬エンコーダ位置(プリセット)
celldipv=細胞浸漬のための垂直並進移動装置
celldipv=0 浸漬前/後エンコーダ位置(プリセット)
celldipv=1 毛管浸漬エンコーダ位置(プリセット)
tdelay=毛管クランプとパッチクランプ起動間の可変遅延
dt=時間間隔
dt1=吸引断プリセット待ち時間間隔
dt2=吸引プリセット時間間隔
dt3=吸引プリセット時間間隔
dt4=吸引プリセット時間間隔
dt5=吸引プリセット時間間隔
x=吸引増加ファクター
f=シールテストパルス頻度
detectmin=0−ve (3Inoise閾値)容量過度変化非検出
detectmin=1−ve (3Inoise閾値)容量過度変化検出
detectmax=0+ve (3Inoise閾値)容量過度変化非検出
detectmax=1+ve (3Inoise閾値)容量過度変化検出
I=全細胞モードフラッグ
I=0 全細胞でない
I=1 全細胞確立
singlemV=プリセット電圧テストパルス
curr=電圧ステップ中プリセットカーソル値記録電流
testcurr=実験プロトコル起動に必要な電流のプリセット値
Valvel−8=潅流皿への溶液供給制御ソレノイド弁
tv=弁駆動の時間間隔(プリセット)
drain valve=潅流皿への供給吸引制御
〔制御ロジック−第2実施例〕
さらに別の実施形態による制御ロジックを、図8のフローチャートとして示す。このフローチャートに示す機能の各々における論理ステップの具体例を次で説明する。
【0036】
【数1】
【0037】
【数2】
【0038】
【数3】
【0039】
【数4】
【0040】
【数5】
【0041】
19、20 前のステップ16はソフトウェア/方法により制御された装置をセ
ットアップするためのルーチンで、装置の発明上の操作関係なく、
その設計は、当事者の通常の能力で可能なものである。ステップ1
9、20はそれぞれ操作が不成功の場合、ピペット及び毛管カセッ
トに再充填し、装置のチェック及び/又は再設定することに関係し
ている。
【0042】
図9は、Gシールの形成に関連するステップ03とステップ04とを示すフローチャートである。これらのステップは、本明細書で説明する方法および装置を制御するためのこの実施形態における最も重要で有益なステップを含む。
ステップ03(ジャンクションヌル(junction null))では、ピペット先端は最初に毛管の先端のメニスカス(meniscus)の下方に間隔を置いた位置にある。その次に、制御ロジックすなわちソフトウェアは、メニスカスとピペット先端の間の電気的接触によって検出される接触が生じるまで、メニスカスに向けてピペット先端を移動させるようにパッチモジュールモータを制御する。その次に、この移動を停止させると同時に、ピペット抵抗を測定し、モータ位置を記録する(図1bと図3に示すように、d=d1)。Rtotが予め決められた範囲の外にある時には、その実験を中止する。
【0043】
ステップ04では、Rtotを測定し、これが予め決められた閾値よりも大きい時には、細胞がピペット先端上に位置しているとみなし、その結果として、ピペットに吸引が加えられ、制御ロジックは、予め決められた記録位置へとピペット先端を毛管内の液体の中にさらに奥に送り込むようにパッチモジュールモータを制御する(図1bと図3に示すように、d=d2)。その次に、制御ロジックはステップ05に進み、Gシールを検査する。
【0044】
ステップ04の開始時にRtotが予め決められた閾値よりも小さい場合には、制御ロジックは、ピペット先端には細胞が存在しないとみなす。その次に、制御ロジックは、予め決められた時間間隔t1だけ待機した後に、パッチモジュールモータを制御して、Rtotが予め決められた閾値よりも大きいことが測定されるまでピペットから離れる方向に毛管を移動させ、このRtotが予め決められた閾値よりも大きいことが測定された時に、この移動を停止させる。この位置ではピペット先端がまだ毛管内の液体と接触したままであるが、毛管とピペットの間の表面張力によって引っ張られた液体の首部(ネック)すなわちブリッジだけを介して毛管内の液体に接触しているにすぎないと考えられる。その次に、制御ロジックは、Rtotが低下して、予め決められた閾値に等しくなるまで待機する。その次に、制御ロジックは、パッチモジュールモータを制御して、ステップ03でピペット先端が最初に毛管のメニスカスと接触した時の位置であるd=d1にピペット先端を戻す。その次に、Rtotが予め決められた閾値よりも大きい場合には、制御ロジックは、ピペット先端が細胞と接触しているとみなし、ピペットに吸引を加え、パッチモジュールモータを制御してピペットを動かし、d=d2における予め決められた記録位置へと毛管内にピペットを送り込む。
【0045】
0.5秒間から10秒間であってよく、好ましくは約1秒間から5秒間である時間間隔t1の間の待機が、毛管先端における細胞の移動を可能にし、これは毛管メニスカスを引き出すピペット先端の移動によって促進されると考えられる。
Rtotが予め決められた閾値よりも依然として小さい場合には、時間t1の間の待機とピペットのわずかな移動とのステップを、失敗条件(ステップ20)に達するまで、予め決められた反復回数にわたって反復する。
〔制御ロジック−第3実施形態〕
図10から図16が、本発明の制御ロジックの第3の実施形態を例示するフローチャートである。この第3の実施形態の各様相は、しかるべき場合に、第1の実施形態および第2の実施形態と共通である。しかし、第3の実施形態は、本発明者による実験の結果として得られた幾つかの改善点を含む。
【0046】
図10が、制御ロジックすなわち制御ソフトウェアの動作の全てを示すフローチャートである。これを、オートパッチシステム(AutoPatch system)と呼ぶ。図11から図16と、図10a、図10b、図11a、図16aおよび図16bとが、図10のフローチャート内の操作をより詳細に示すフローチャートである。
【0047】
図10は、関連ハードウェア全ての初期化を含むオートパッチシステムのセットアップを説明している。これは、検査スィープ(test sweep)を開始するまでのステップ302を含み、その後に界面または細胞位置発見ステップ304と、ギガシール検査ステップ306と、全細胞検出ステップ308と、適格性認定ステップ310と、実験ステップ312とが本明細書に記述の通りに行われる。パッチングプロセス中は、毛管とペトリ皿との相互の相対位置を一定に保つために、毛管とペトリ皿との動きがソフトウェアによって共にロックされているということを理解されたい。ペトリ皿の移動はこのパッチングプロセスにおいては全く役割を果たさない。
【0048】
最初に、ピペット先端の約1mm以内に液体/空気界面を位置させるために、毛管とペトリ皿はピペットに向かって事前設定された距離だけ急速に移動する(ステップ314)。この初期(大まかな)位置決めは、パッチングプロセスの開始と界面への到達との間の時間間隔を短縮するために行われる。パッチピペット先端と液体/空気界面との間の距離は、最初は、ピペットと毛管の装着のために十分な空間を与えるように1mmよりも大きい。大まかな位置決めの後に、シール検査パルスが開始され(ステップ316)、並進移動装置(毛管およびペトリ皿)が、液体/空気界面内にピペットが入る前に低速度に切り換えられる。
【0049】
図10aと図10bが、制御ロジックすなわち制御ソフトウェアによって様々な時点で使用される安全終了ルーチン318とリセットルーチンとをより詳細に示す。
図11が、図10の界面または細胞ロケータルーチン304をより詳細に示すフローチャートである。このルーチンでは、吸引をピペットの内部に加え、毛管とペトリ皿とを低速(例えば10マイクロメートル/秒)でピペットに向かって移動させる(ステップ322)。界面が検出される時点を求めるために電流を各スィープ後に監視する(ステップ324)。界面を、回路が形成される時の基線電流のオフセットまたは電流パルスの出現によって検出する(326)。従来のパッチクランプとは対照的に、界面パッチクランプ法によるシール形成は、ピペット先端と界面の外側浸漬溶液との間の接触とほぼ同時に生じさせることが可能である(328)。制御ロジックは、シール検査パルスの終点における容量性過渡現象の出現を求めて電流軌跡を監視することによって、開路(空中のピペット先端)と急速に形成されたシールとを区別する(ステップ326)。この過渡現象はピペットの静電容量を原因としており、ピペットを界面において溶液の中に浸すのに応じて増大する。ピペット先端が空気/液体界面に接触するか交差する時には、この静電容量は、電気ノイズの中で検出できない可能性が高い。しかし、ピペット先端が液体の中に入り込むにつれて静電容量が増大し、こうしたノイズを超えて検出可能となる。
【0050】
ピペットが界面に入った後に、毛管(および、ペトリ皿の移動)が停止され、ジャンクションヌルが行われてもよく、ピペット抵抗が監視される。ピペット先端上の細胞の存在が、ピペット抵抗の増加によって表示され、このピペット抵抗は、システムがその次のステップに進むことを制御ロジックが許可する前に事前設定値に達していなければならない。細胞を検出した後にギガシール検査306を行う。
【0051】
図11aは、図11の界面すなわち細胞位置発見ルーチン304の界面接触(interface hit)ルーチン330をより詳細に示す。
図12が、細胞との接触が界面すなわち細胞位置発見ルーチン304で検出し終わった後に行われるギガシール検査ルーチン306のフローチャートである。ギガシール検査ルーチン306は、ピペット抵抗の変化を測定しながら、ピペット内部に加えられる吸引のレベルを事前設定された増分(334)と時間(336)ずつ増加させる反復ループ332を含む。吸引は、最大限の真空が得られるかまたはギガシール形成が生じるまで増加させられる。これらの条件のいずれか一方が満たされると、ループが終了し、吸引が停止させられる(338)。最大限の吸引が加えられてはいるがギガシールが未だ形成されていない場合には、ギガシール形成または時間切れまで反復ループを繰り返す。ギガオームシールの形成は、その次のステップへの移行を可能にするために必要である。
【0052】
図13が、図10の全細胞検出ルーチン308をより詳細に示す。このルーチンでは、ピペットの静電容量を原因とする過渡現象が打ち消され、この後に、容量性過渡現象の出現を調べるために電流を監視しながら(346)、ピペット内部に加えられる吸引のレベルを事前設定された増分(342)と時間(344)ずつ増加させる反復ループ340が続く。これらの過渡現象は細胞膜の静電容量の充電および放電を原因としており、全細胞記録モードの形成を表している。
【0053】
図14が、図10の適格性認定ルーチン310をより詳細に示す。実験における使用に関する適格性を認定するためには、細胞は、検査パルスに対する応答で予め決められた振幅および極性に等しいかまたはこれより大きい電圧ゲート制御(または他の)電流を示さなければならない(348)。この適格性認定は、細胞が適格になるか、または時間切れになるまで続く。この適格性認定中は、品質モニタ350も実行される。
【0054】
図15が、図14および後述の図16の品質監視ルーチン350のフローチャートである。これは、直列抵抗(RSeries)および電流(Imon)の測定値に応じてピペット吸引を変化する反復ループを含む。ピペットを経由して細胞膜を通過する電流の流れが、RSeriesを原因とする電圧誤差を生じさせる。RSeriesの値が全細胞記録中に増加することが多いが、この効果を、ピペット内部に吸引を加えることによって低減させることが可能である(352)。保持電位(通常は−60mV)での電流の値の増加がギガシールの喪失を表し、これは過剰な吸引によって引き起こされる可能性がある。RSeriesとIMonとの許容可能な値をソフトウェアのための設定に入力する。監視ルーチンを適格性認定段階中と実験中の両方において実行する。
【0055】
図16が、図10の実験ルーチン312をより詳細に示す。実験ルーチンでは、図4−7の全てに示す方法によって薬剤適用を行うために必要なペトリ皿と毛管の移動を行う。この移動中に、ソレノイドで操作する流量制御弁によって、外部溶液/薬剤を加えた外部溶液でペトリ皿を満たす(358)。薬剤を加える前には、1つまたは複数の検査パルスによって誘発された電流が、(設定に入力された)予め決められたパーセンテージの範囲内で再生可能でなければならない。
【0056】
図16aと図16bが、実験ルーチン312のトレースラン(trace run)ルーチン354と安定化ルーチン356とをより詳細に示す。
図17が、界面パッチクランプ法を使用したソフトウェア制御によるギガシール形成を示す、自動化パッチクランプシステム(オートパッチ)から得られた電流(1)と電圧(2)の記録を示す。MK1細胞からの記録。
【0057】
図18が、毛管を位置d2に移動させた後に観察した容量性過渡現象の増加を示す、自動化界面パッチクランプシステム(オートパッチ)から得られた電流(1)と電圧(2)の記録を示す(記録(a)および(b))。記録(c)と(d)が、ピペット静電容量の自動補償と−60mVへの保持電位の変化との後に得られたものである。図17と同じ細胞から得た記録。
【0058】
図19が、自動化界面パッチクランプシステム(オートパッチ)から得られた電流(1)と電圧(2)の記録を示す。記録(a)と記録(b)が、界面パッチクランプ法を使用するギガシール形成(細胞付着パッチモード)の後に得られた。完全なソフトウェア制御下でピペット内部に吸引を加えることによって、膜パッチを破壊し、記録(c)と記録(d)に示す全細胞記録を得た。全細胞記録モードの確立が、電流軌跡上の大きな容量性過渡現象の存在によって示されている。図17および図18と同じ細胞から得た記録。
【0059】
図20が、界面パッチクランプ法を使用する自動化パッチクランプシステム(オートパッチ)を使用して得られた全細胞記録モードにおける膜の電流(1)および電圧(2)の記録を示す。保持電位は−60mVであり、記録(a)と記録(b)が、+30mVへの電圧ステップに応答した外見上のカリウム電流(Kv1.1)を示す。図17、図18および図19と同じ細胞から得た記録。
【0060】
図21が、界面パッチクランプ法を使用して得られた全細胞記録モードにおいてMK1細胞から記録されたカリウム電流に対するカリウムチャンネル遮断薬であるテトラエチルアンモニウム(TEA)の効果を示す。全細胞記録モードの確立の後に、図4から図7で示しかつ前述した方法によって細胞を記録皿の中に入れた。
【0061】
(a)が、通常の細胞外溶液中で得られた電流を示し、
(b)が、TEA(5mM)を含む細胞外溶液で皿内の溶液を置き換えた効果を示す。
(c)TEAの遮断効果が洗浄によって元に戻された。
当業者は次の事項を容易に理解する。
【0062】
1.界面パッチクランプ法を使用する記録の安定性が、従来のパッチクランピングの安定性よりも優れている。界面パッチクランプ法の安定性が従来のパッチクランプ法の安定性よりも優れているのは、細胞がパッチピペットだけによって保持されるからである。従来のパッチクランプ記録では、細胞はパッチピペットと固体基板とによって保持され、振動のためにピペットが基板に対して相対移動してGシールの喪失を生じさせる傾向がある。界面パッチクランプは、従来のパッチクランプ装置とは対照的に、薬剤適用中の振動の影響を比較的受けにくい。
【0063】
2.この薬剤適用方法は、複数の記録ピペット/毛管に対して使用されることが可能であり、したがって、高スループットの電気生理学的分析システムのための基礎を形成することが可能である。界面パッチクランプ法を、多数のピペットおよび多数の毛管と組み合わせて、各ピペットをそのそれぞれに位置合わせされた毛管の中に個別に次々と入れるか、または同時に一斉に入れる形で使用することも可能である。現時点では好ましくはないが、2つ以上の毛管の中に逐次的に入れられる単一のピペットを使用することも可能である。多重パッチクランプ記録を、用途に応じて逐次的にまたは同時に行うことも可能である。
【0064】
上述のように、細胞を位置させることが可能な液体/空気界面を発生させる液体の柱を生じさせるために毛管を使用することは、本発明の一般的な原理にとって必ずしも不可欠であるというわけでなない。同じ効果が得られる他の方法を想定することが可能である。例えば、図22に示すように、液体の液滴すなわち「小滴」を支持表面上に設けてもよい。この表面は貫通する穴を有し、液滴がこの穴の上を覆う。表面張力がこの液滴からの液体が穴を通って抜け落ちることを防止する。液滴の中に細胞が浮遊させられる。このことが、パッチピペットのような適切な電極が液滴とその中に含まれる細胞とに到達することを可能にする。図22に示す構成では、穴を中に持つ支持表面が壁を形成する皿または他の容器に対して他の液体を出入りさせるための手段が設けられている。細胞を電極に付着させ終わると直ぐに、細胞の外側表面を周囲の液体に露出させるために、他の液体をバッチモードまたは流出モードで容器内に送り込むことが可能である。こうした構成では、当然のことながら、最初の液体と残っている未付着の細胞とが電極/ピペット区域から洗い流されることになる。
【0065】
穴が空いていない支持表面上に液滴を施してもよいということが本発明の範囲内に含まれている。図23に示すように、表面張力の効果が、適切な液体の液滴が適切な支持表面の下側に自動的に付着することを可能にする場合がある。支持表面は、例えば、ガラスまたは他の材料のカバースリップであってもよい。細胞が中に浮遊している液滴が本発明による空気/液体界面を提供し、したがって、上述の通りの界面パッチクランプ法で使用されてもよい。
【0066】
上述のように、図23に示す構成と図24に示す構成は、測定値を同時にまたは逐次的に(および個別的に)得るために多数の電極を多重化することが可能であるように、細胞懸濁液のマトリックスを形成することを可能にする。
従来のガラス「パッチピペット」を同等の電極で置き換えることが可能であることを当業者は理解する。この電極が、細胞を付着させることが可能な微細構造を有しかつ必要な電気的接続を実現するシート材料(例えばシリコンウェーハ)上の単一の領域または領域のマトリックスであってもよいということが本発明の範囲内に含まれると見なされている。例えば、図25に示すように、微細構造をシリコンウェーハ(例えば酸化シリコンウェーハ)上にエッチングしてもよく、この微細構造は、本発明による構成の液体/空気界面から細胞を捕捉することが可能なように設計され適合化されている。したがって、本発明の性能と利点は現時点で好ましい従来のガラスパッチピペットに限定されず、機能的に同等の手段を含む。
【0067】
上述のように、液体溶液中の薬剤を様々な方法で細胞に適用することが可能である。例えば、空気界面が毛管内に形成される場合には、毛管を経由して薬剤を適用することが可能である。あるいは、(図4〜7を参照して説明したように)薬剤を皿の中に潅流させることによって薬剤を適用することが可能である。さらに、図22に示すように、薬剤を含む液体を皿または容器を通して流すことによって潅流を実現することが可能である。
【0068】
薬剤適用のさらに別の構成を図26aと図26bとに示す。この場合には、電極(例えば、パッチピペット)がウェル(well)の下部壁を貫通する。細胞の懸濁液を上述のように毛管内に充填する。その次に、上述のように単一の細胞を各ピペットの先端に付着させる。細胞をピペット先端に付着させた後に、懸濁液中の残りの細胞を含む毛管を取り外すことが可能である。その次に、薬剤溶液(23)を各ウェル(図26b)の中に小分けし、その次に、周囲の薬剤溶液の環境内にある細胞に対してパッチクランプ測定を行うことが可能である。
パッチクランピング条件の最適化
当業者は、界面パッチクランピング法および装置に関する本明細書に含まれる一般的な教示内容の中で、パッチクランプ測定のために特定の条件を最適化することが必要な場合があるということを理解する。例えば、懸濁液中の細胞の濃度と充填密度とを最適化することが必要となる場合がある。さらに、細胞および/または溶液が温度の影響を受けやすく、したがって、最適の操作温度を求めることが必要となる場合がある。本発明は、細胞が位置している液体/空気界面の形成に依存しているので、最適なレベルの表面張力等を得るために懸濁液体媒質のオスモル濃度を最適化することが必要であることもある。
【図面の簡単な説明】
【図1a】細胞の懸濁液を含む毛管を示す図である。
【図1b】毛管の末端における空気/液体界面に形成された層を有する細胞を示す図である。
【図2】可動毛管を有する界面パッチクランプ記録装置の全体的な構成を示す図である図である。
【図2a】薬剤/化合物の適用を伴う界面パッチクランプのための装置を示す図である。
【図3】記録モードの準備が整ったパッチピペットに付着した細胞を示す図である。
【図4】界面パッチクランプ記録中に薬剤/化合物の適用を示す(開始位置)図である。
【図5】界面パッチクランプ記録中に薬剤/化合物の適用を示す(皿に加えられた細胞外溶液と、下方に移動させられた皿)図である。
【図6】界面パッチクランプ記録中に薬剤/化合物の適用を示す(界面領域と接触させられた皿内の溶液)図である。
【図7】界面パッチクランプ記録中に薬剤/化合物の適用を示す(皿内の溶液表面の上方に引き上げられた毛管)図である。
【図8】本発明のさらなる別の様相を実施する制御ロジックのフローチャートである。
【図9】図8のGシール形成段階の一例のフローチャートである。
【図10】本発明のさらなる別の様相を実施する制御ロジックのフローチャートである。
【図10a】図10のリセットルーチンをより詳細に示すフローチャートである。
【図10b】図10の安全終了(safe quit)ルーチンをより詳細に示すフローチャートである。
【図11】図10の界面または細胞ロケータルーチンをより詳細に示すフローチャートである。
【図11a】図11の界面接触ルーチンをより詳細に示すフローチャートである。
【図12】図10のギガシール検査ルーチンをより詳細に示すフローチャートである。
【図13】図10の全細胞検出ルーチンをより詳細に示すフローチャートである。
【図14】図10の適格性認定(qualification)ルーチンをより詳細に示すフローチャートである。
【図15】図14の品質監視(quality monitor)ルーチンをより詳細に示すフローチャートである。
【図16】図10の実験ルーチンをより詳細に示すフローチャートである。
【図16a】図16のラントレース(run trace)ルーチンをより詳細に示すフローチャートである。
【図16b】図16の安定化ルーチンをより詳細に示すフローチャートである。
【図17】界面パッチクランプ法を使用したソフトウェア制御による自動化パッチクランプシステム(オートパッチ)から得られた電流(1)と電圧(2)の記録を示す(MK1細胞からの記録)図である。
【図18】界面パッチクランプ法を使用したソフトウェア制御による自動化パッチクランプシステム(オートパッチ)から得られた電流(1)と電圧(2)の記録を示す(MK1細胞からの記録)図である。
【図19】界面パッチクランプ法を使用したソフトウェア制御による自動化パッチクランプシステム(オートパッチ)から得られた電流(1)と電圧(2)の記録を示す(MK1細胞からの記録)図である。
【図20】界面パッチクランプ法を使用したソフトウェア制御による自動化パッチクランプシステム(オートパッチ)から得られた電流(1)と電圧(2)の記録を示す(MK1細胞からの記録)図である。
【図21】界面パッチクランプ法を使用して得られた全細胞記録モードにおいてMK1細胞から記録された、カリウムチャンネル遮断薬剤であるテトラエチルアンモニウム(TEA)のカリウム電流に対する効果を示す図である。
【図22】支持表面を貫通する穴を覆いかつ本発明による空気/液体界面をもたらす液体の小滴の中に浮遊させられた細胞を示す図である。
【図23】本発明による空気/液体界面を形成する、細胞懸濁液を含む小滴のさらに別の実施形態を示す図である。
【図24】多重化界面パッチクランピングアレイを示す図である。
【図25】本発明による別の形態の電極微細構造を示す図である。
【図26a】パッチクランピングされた細胞に対する薬剤適用のためのマルチウェル(multiwell)構成を示す図である。
【図26b】パッチクランピングされた細胞に対する薬剤適用のためのマルチウェル(multiwell)構成を示す図である。
Claims (13)
- パッチクランプピペットの先端に付着させられた細胞を提供し、かつ細胞膜の一区域と前記先端の間に高抵抗(ギガオーム)電気シールを有するようにする方法であって、
i)液体中に細胞の懸濁液を含む毛管を提供する段階と、
ii)空気と前記細胞が中に浮遊している前記液体との間の界面において、前記毛管の一方の端部に細胞の層の形成を生じさせる段階と、
iii)前記ピペットと前記毛管の一方または両方を共通の移動軸線に沿ってそれぞれ一緒に移動させることによって前記パッチクランプピペットの前記先端を前記界面と接触させる段階と、
iv)前記界面においてまたはその付近で前記先端を前記細胞層内の細胞と接触させる段階と、
v)前記細胞を前記先端に付着させる段階
と、を含み、
前記細胞層を、前記毛管をほぼ直立した方向に取り付けることと、前記浮遊した細胞が前記毛管の下側の端部に沈降して層の形で集まることを可能にすることとによって形成し、
前記ピペットが前記界面と接触する間と前記先端を細胞に接触させる間に、前記ピペットに穏やかな吸引を加える方法。 - 前記細胞が中に浮遊させられている前記液体は細胞外生理溶液である請求項1に記載の方法。
- 前記細胞層は細胞数個分の高さでありかつ粗く詰め込まれている請求項1に記載の方法。
- 前記毛管を、前記界面が前記毛管の下部の開放端部に位置する形でほぼ直立させて取り付け、前記ピペットの前記先端が上方に向いた形で前記ピペットをほぼ直立させて取り付ける請求項1に記載の方法。
- 前記毛管と前記ピペットとを固定位置にある前記毛管と同心に取り付け、前記ピペットは前記共通の軸線に沿って移動可能である請求項1に記載の方法。
- 前記毛管と前記ピペットとを固定位置にある前記ピペットと同心に取り付け、前記毛管は前記共通の軸線に沿って移動可能である請求項1に記載の方法。
- 前記ピペット先端と前記空気/液体界面との間の接触と、および/または、その後の前記液体内への前記ピペット先端の移動とを、ピペットの静電容量を監視することによって検出する請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
- 前記ピペットと前記界面の間の接触の後、予め決められた時間内に前記界面またはその付近で細胞に接触していない場合に、前記ピペットを前記界面から引き離し、その次に前記ピペットを移動し前記界面に戻して、細胞に接触させる試みを繰り返す請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
- 請求項1から8のいずれか1項に記載の方法を実行するようにコンピュータによって制御される装置であって、
i)パッチクランプピペットと、
ii)パッチクランプ増幅器と、
iii)前記パッチクランプ増幅器の制御の元で、パッチクランプピペットのための可変吸引源と、
iv)毛管と、
v)垂直に装着される毛管のためのホルダと、
vi)先端が上向きに向いている形で逆向に前記毛管と同じ軸線上に垂直に装着されるパッチクランプピペットのためのホルダと、
vii)前記パッチクランプ増幅器からのフィードバック制御の元で、毛管とピペットの共通の移動軸線に沿った相対移動を制御し、かつ、前記毛管の下向きの先端の中に前記ピペットの前記先端が入ることを可能にするマニピュレータと、
を含む装置。 - 多数の毛管で構成されるアレイと多数のピペットで構成されるアレイとを含む請求項9に記載の装置。
- 前記ピペット先端が前記毛管の端部において空気/液体界面と接触して、前記装置の動作中に前記毛管内の前記液体の中に入る時に、前記ピペットの静電容量を検出するためのピペット静電容量センサを含む請求項9または10に記載の装置。
- コンピュータプログラム制御パッチクランピングプロセスを行う方法である請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
- i)パッチクランプピペットと、
ii)パッチクランプ増幅器と、
iii)前記パッチクランプ増幅器の制御の元で、パッチクランプピペットのための可変吸引源と、
iv)毛管と、
v)垂直に装着される毛管のためのホルダと、
vi)先端が上向きに向いている形で逆向に前記毛管と同じ軸線上に垂直に装着されるパッチクランプピペットのためのホルダと、
vii)前記パッチクランプ増幅器からのフィードバック制御の元で、毛管とピペットの共通の移動軸線に沿った相対移動を制御し、かつ、前記毛管の下向きの先端の中に前記ピペットの前記先端が入ることを可能にするマニピュレータと、を含む装置を使用して、
パッチクランプピペットの先端に付着させられた細胞を提供し、かつ細胞膜の一区域と前記先端の間に高抵抗(ギガオーム)電気シールを有するようにする方法を、
i)液体中に細胞の懸濁液を含む毛管を提供し、
ii)空気と前記細胞が中に浮遊している前記液体との間の界面において、前記毛管の一方の端部に細胞の層の形成を生じさせ、
iii)前記ピペットと前記毛管の一方または両方を共通の移動軸線に沿ってそれぞれ一緒に移動させることによって前記パッチクランプピペットの前記先端を前記界面と接触させ、
iv)前記界面においてまたはその付近で前記先端を前記細胞層内の細胞と接触させ、
v)前記細胞を前記先端に付着させるようにし、
前記細胞層を、前記毛管をほぼ直立した方向に取り付けることと、前記浮遊した細胞が前記毛管の下側の端部に沈降して層の形で集まることを可能にすることとによって形成し、
前記ピペットが前記界面と接触する間と前記先端を細胞に接触させる間に、前記ピペットに穏やかな吸引を加えるように、制御して行わせるコンピュータプログラム。
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