JP4335318B2 - モチリン相同体 - Google Patents

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Description

発明の背景
栄養ホメオスタシスを維持するうえで重要である多数の調節ペプチドが胃腸環境の中で見つかっている。これらのペプチドは消化系の中で合成されることがあり、そして局部的に作用するが、脳の中においても同定されることがある。更に、その逆も見い出されている。即ち、ペプチドが脳の中で合成されるが、胃腸管内の細胞を調節することが見い出されている。この現象は「脳−腸管軸」と呼ばれており、そして飽満の信号を送る、体温を調節する、及び脳と腸管との間のフィードバックを必要とするその他の生理学的過程を調節するのに重要である。
腸管ペプチドホルモンにはガストリン、コレシストキニン(CCK)、セクレチン、ガストリックインヒビトリーペプチド(GIP)、バソアクティブ・インチスティナル・ポリペプチド(VIP)、モチリン、ソマトスタチン、膵臓ペプチド(PP)、サブスタンスP及びニューロペプチドY(NPY)が挙げられ、そしていく通りかの作用メカニズムを利用する。例えば、ガストリン、モチリン及びCCKはエンドクリン型及びニューロクリン型ホルモンとして機能する。その他、例えばガストリン及びGIPはもっぱら内分泌式に作用するものと考えられている。その他の作用態様には、エンドクリン、ニューロクリン及びパラクリン作用の組合せ(ソマトスタムン);排他的ニューロクリン作用(NPY);及びニューロクリン及びパラクリン作用の組合せ(VIP及びサブスタンスP)が挙げられる。ほとんどの腸管ホルモン作用は膜結合型レセプターにより媒介され、そして二次メッセンジャー系を活性化する。腸管ペプチドについては、Mulvihillら、Basic and Clinical Endocrinology, pp.551-570, 第2版、Greenspan F. S. and Baxter, J. D. 編、Appleton & Lange : Norwalk, Connecticut, 1994を参照のこと。
多数のこのような腸管ペプチドは活性化のために多重ペプチド切断を要する不活性な前駆体分子として合成される。VIP、ガストリン、セクレチン、モチリン、グルカゴン及びガラニンを含む「グルカゴン−セクレチン」ファミリーとして知られるファミリーは多重切断及び後翻訳修飾により調節されるペプチドを代表する。
モチリンは哺乳動物種の腸管組織内で見い出せる22個のアミノ酸である(Domschke, W., Digestive Diseases 22(5) : 454-464, 1977)。ブタプレプロモチリンのDNA及びアミノ酸配列が同定されている(米国特許第5,006,469号)。モチリンは胃の運動を増大させる、ペプシン分泌を刺激することにより胃の分泌機能を左右する(Brownら、Canadian J. of Physiol. Pharmacol. 49 : 399-405, 1971)ことができる因子として同定されており、そして最近の証拠は胃及び小腸の筋電気調節における役割を示唆している。モチリンのサイクリック式増大は第三期消化系間筋電気コンプレックス(interdigestive myoelectric complex)及び十二指腸の飢餓収縮に関係することが示唆されている(Cheyら、Gut Hormones,(編)Bloom, S. R., pp. 355-358, Edinburgh, Churchill Livingstone, 1978 ; Leeら、Am. J. Digestive Diseases, 23 : 789-795, 1978;及びItohら、Am. J. Digestive Diseases, 23 : 929-935, 1978)。モチリン及びモチリン類似体は胃腸平滑筋の収縮を供することが実証されているが、その他のタイプの平滑筋細胞は収縮しない(Strunzら、Gastoenterology 68 : 1485-1491, 1975)。
本発明は胃腸系の中で転写されることの見い出されたモチリンに対する相同性を有する新規の分泌タンパク質に関する。この新規のペプチドの発見は身体がどのようにしてその栄養ホメオスタシスを維持するかを更に推論するため及びそのような過程に介在する治療薬の開発、並びに本明細書における教示から明らかとなるその他の用途のために重要である。
発明の概要
一の観点において、本発明は(a)SEQ ID NO:1に示すヌクレオチド配列のヌクレオチド70〜ヌクレオチド111を含んで成るポリヌクレオチド分子;(b)(a)のアレル変異体;(c)(a)及び(b)のオルソログ(ortholog);並びに(d)(a),(b)又は(c)の縮重ヌクレオチド配列;から成る群より選ばれたポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。
別の観点において、本発明は(a)SEQ ID NO:2に示すアミノ酸配列の残基24〜残基37を含んで成るポリペプチド分子;(b)(a)のアレル変異体;及び(c)(a)又は(b)のオルソログ;から成る群より選ばれる単離されたポリペプチドを提供する。
別の観点において、本発明は下記の作用可能式に連結された要素、即ち、転写プロモーター;下記の群から選ばれるDNAセグメント:(a)SEQ ID NO:1に示すヌクレオチド配列のヌクレオチド70〜ヌクレオチド111を含んで成るポリヌクレオチド分子、(b)(a)のアレル変異体(c)(a)又は(b)のオルソログ、並びに(d)(a),(b)又は(c)の縮重ヌクレオチド配列;転写ターミネーター;を含んで成る発現ベクターを提供する。
別の観点において、本発明は下記の作用可能式に連結された要素、即ち、転写プロモーター;下記の群から選ばれるDNAセグメント:(a)SEQ ID NO:1に示すヌクレオチド配列のヌクレオチド70〜ヌクレオチド111を含んで成るポリヌクレオチド分子、(b)(a)のアレル変異体、(c)(a)又は(b)のオルソログ、並びに(d)(a),(b)又は(c)の縮重ヌクレオチド配列;転写プロモーター;を含んで成る発現ベクターの導入された培養細胞を提供し、ここで当該細胞は当該DNAセグメントによりコードされるポリペプチドを発現する。
別の観点において、本発明は(a)SEQ ID NO:2に示すアミノ酸配列の残基24〜残基37を含んで成るポリペプチド分子;(b)(a)のアレル変異体;及び(c)(a)又は(b)のオルソログ;から成る群より選ばれる精製されたポリペプチドを薬理学的に許容されるビヒクルとの組合せにおいて含んで成る薬理組成物を提供する。
別の観点において、本発明は抗体であって、(a)SEQ ID NO:2に示すアミノ酸配列の残基24〜残基117を含んで成るポリペプチド分子;(b)(a)のアレル変異体;及び(c)(a)又は(b)のオルソログから成る群より選ばれたポリペプチドのエピトープに結合する抗体を提供する。
別の観点において、本発明はzsig33ポリペプチドを生産する方法を提供し、この方法は下記の作用可能式に連結された要素、即ち、転写プロモーター;下記の群から選ばれるDNAセグメント:(a)SEQ ID NO:1に示すヌクレオチド配列のヌクレオチド70〜ヌクレオチド111を含んで成るポリヌクレオチド分子、(b)(a)のアレル変異体、(c)(a)又は(b)のオルソログ、及び(d)(a),(b)又は(c)の縮重ヌクレオチド配列;転写ターミネーター;を含んで成る発現ベクターの導入された細胞を培養し、ここで当該細胞は当該DNAセグメントによりコードされるポリペプチドを発現するものであり;そして当該ポリペプチドを回収することを含んで成る。
別の観点において、本発明は胃の運動を刺激する方法を提供し、この方法はそれを必要とする哺乳動物に(a)SEQ ID NO:2に示すアミノ酸配列の残基24〜残基37を含んで成るポリペプチド分子;(b)(a)のアレル変異体;及び(c)(a)又は(b)のオルソログ;から成る群より選ばれる単離されたポリペプチドを薬理学的に許容されるビヒクルの中に含んで成る組成物を、摂取した物質の通過時間又は胃空洞化を増大させるのに十分な量で投与することを含んで成る。
発明の詳細な説明
本発明を詳細に説明する前に、本明細書において使用する一定の用語を定義することが有用でありうる:
「オルソログ」なる語は一の種から得られるポリペプチド又はタンパク質であって、別の種由来のポリペプチド又はタンパク質の機能的対応物であるものを意味する。オルソログ間の配列相違は種形成の結果である。
「パラログ」とは、異なりはするが、一の生体により作られる構造的に近縁するタンパク質をいう。パラログは遺伝子重複により発生するものと信じられている。例えば、α−グロビン、β−グロビン及びミオグロビンが互い同志パラログである。
「アレル変異体」なる用語は、同一の染色座を占める遺伝子の2種以上の別々の形態のいずれかを意味する。アレル変異は突然変異により自然に発生し、そして集団内での表現型多形態をもたらしうる。遺伝子突然変異はサイレントであるか(コードポリペプチドにおいて変化なし)、又は改変されたアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードしうる。アレル変異体なる語は本明細書において遺伝子のアレル変異体によりコードされるタンパク質を意味するためにも用いている。
「発現ベクター」なる語は線形又は環状のDNA分子であって、注目のポリペプチドをその転写を司る追加のセグメントに作用可能式に連結されて含んで成るものを意味する。かかる追加のセグメントにはプロモーター及びターミネーター配列が含まれ、そして任意的に1又は複数の複製起点、1又は複数の選択マーカー、ポリアデニル化シグナル等が挙げられる。発現ベクターは一般にプラスミドもしくはウィルスDNAに由来するか、又は双方の要素を含みうる。
ポリヌクレオチド分子に適用したときの語「単離された」とは、そのポリヌクレオチドがその天然の環境から取り出され、それ故その他の外生もしくは不要なコード配列を含まず、そして遺伝子操作されたタンパク質生産系において利用するのに適当な形態にあることを意味する。かかる単離された分子はその天然の環境から分離されたものであり、そしてcDNA及びゲノムクローンを含む。本発明の単離されたDNA分子はそれらが通常一体化しているその他の遺伝子を含まないが、天然の5′及び3′非翻訳領域、例えばプロモーター及びターミネーターは含みうる。一体化領域の同定は当業者にとって自明であろう(例えば、Dynan and Tijan, Nature 316 : 774-78, 1985を参照のこと)。タンパク質に適用した場合、「単離された」なる語はそのタンパク質がその天然環境以外の条件、例えば血液及び動物組織から隔離された条件において見い出せることを意味する。好適な態様において、この単離されたタンパク質は実質的にその他のタンパク質、特に動物起源のその他のタンパク質を含まない。タンパク質を高度に純粋な形態、即ち、純度95%超、より好ましくは純度99%超で供することが好ましい。
「作用可能式に連結された」なる語は、DNAセグメントについて言及した場合、セグメントがその意図する目的のため、例えば転写がプロモーターにおいて開始し、そしてコードセグメントを経てターミネーターに至るようにその機能を協奏するように並んでいることを意味する。
「ポリヌクレオチド」なる語は5′から3′末端へと解読されるデオキシリボヌクレオチド又はリボヌクレオチド塩基の一本鎖又は二本鎖ポリマーを意味する。ポリヌクレオチドにはRNA及びDNAが含まれ、そして天然起源から単離されうるか、in vitroで合成されうるか、又は天然及び合成分子の組合せから調製されうる。
「ポリヌクレオチド分子の相補体」なる語は、相補性塩基配列を有し、且つ対照の配列と対比して逆方向であるポリヌクレオチド分子を意味する。例えば、配列5′ATGCACGGG 3′は5′CCCGTGCAT 3′に対して相補性である。
「縮重ヌクレオチド配列」なる語は1又は複数の縮重コドン(ポリペプチドをコードする対照ポリヌクレオチド分子との対比において)を含むヌクレオチドの配列を意味する。縮重コドンは異なるヌクレオチドトリプレットを含むが、同一のアミノ酸残基をコードする(即ち、GAU及びGACトリプレットは各々Aspをコードする)。
「プロモーター」なる語はRNAポリメラーゼの結合及び転写の開始を司るDNA配列を含む遺伝子の部分を意味する。プロモーター配列は、常にではないが、一般に遺伝子の5′非コード領域において見い出せる。
「分泌シグナル配列」なる語は、大型ポリペプチドの成分として、その大型ポリペプチドをそれが合成される細胞の分泌経路へと導くポリペプチド(「分泌ポリペプチド」)をコードするDNA配列を意味する。この大型ペプチドは一般に、分泌経路を通過する際に切断されて分泌ペプチドが除去される。
「レセプター」なる語は生体分子(即ち、リガンド)に結合し、そして細胞上のリガンドの作用を媒介する細胞結合型タンパク質を意味する。膜結合型レセプターは細胞外リガンド結合ドメインと、一般にシグナル変換に関与する細胞内エフェクタードメインとを含んで成る多重ドメイン構造を特徴とする。リガンドのレセプターに対する結合は、細胞内のエフェクタードメインとその他の分子との間での相互作用を引き起こすレセプターにおけるコンホメーション変化をもたらす。この相互作用はその後細胞の代謝における変化に結びつく。レセプター−リガンド相互作用に結びつく代謝現象には遺伝子転写、リン酸化、脱リン酸化、サイクリックAMP産生の増大、細胞カルシウムの移動、膜脂質の移動、細胞接着、イノシトール脂質の加水分解及びリン脂質の加水分解が挙げられる。ほとんどの核レセプターは、アミノ末端、トランス作用ドメイン、DNA結合ドメイン及びリガンド結合ドメインを含む多重ドメイン構造も示す。一般に、レセプターは膜結合型、細胞質ゾル型又は核型;モノマー型(例えば甲状腺刺激ホルモンレセプター、ベーターアドレナリン作用性レセプター)又は多量型(例えばPDGFレセプター、成長ホルモンレセプター、IL−3レセプター、CM−CSFレセプター、G−CSFレセプター、エリトロポイエチンレセプター及びIL−6レセプター)であってよい。
「相補性/抗相補性ペアー」なる語は適当な条件下で非共有式に結合した安定なペアーを形成する同一でない複数の成分を意味する。例えば、ビオチン及びアビジン(又はストレプトアビジン)が相補性/抗相補性ペアーの典型的な構成員である。その他の典型的な相補性/抗相補性ペアーにはレセプター/リガンドペアー、抗体/抗原(又はハプテンもしくはエピトープ)ペアー、センス/アンチセンスポリヌクレオチドペアー等が挙げられる。相補性/抗相補性ペアーのその後の解離が所望される場合、相補性/抗相補性ペアーは好ましくは<109-1の結合親和力を有する。
本明細書において引用する文献は全てその全体を本明細書の中に組込む。
本発明はモチリンに対する相同性を有する新規の分泌ポリペプチドをコードする新規のヒトDNA配列の発見にある程度基づき、そのうちの最も近縁な相同体はブタモチリンである(SEQ ID NO:3及び4に示す)。モチリンは胃腸生理を調節するポリペプチドのファミリーの構成員である。モチリンが属している胃腸調節において重要なポリペプチドのファミリーはグリカゴン、ガストリン、ガラニン及びバソアクティブ・インテスティナル・ポリペプチド(VIP)を含む。これらのポリペプチドは前駆体の形態で合成され、活性形態に至る多段階プロセシングを要する。本発明のポリペプチドに特に関連するのはモチリン、VIP及びガラニンであり、その場合プロセシングはシグナル配列の除去、しかる後の活性ペプチドの遊離のための1又は複数のアクセサリーペプチドの切断を含む。得られる活性ペプチドは一般に小さく(10〜30個のアミノ酸)、そして更なる後翻訳修飾、例えばアミド化、硫酸化又はグルタミン残基のピロリダンカルボニル酸修飾を要しうる。
この新規のDNAに対応するmRNAの組織分布の分析は、発現が胃の中で最高であり、続いて有意ではあるが減少した発現レベルで小腸及び膵臓であった。ESTは肺cDNAライブラリーにも存在した。このポリペプチドをzsig33と命名した。
本発明のこの新規のzsig33のポリヌクレオチド及びポリペプチドが推定分泌シグナルを有する配列についてのESTデーターベースを質疑することによりまだ同定される。EST配列はモチリンファミリーに関連すると発見及び推定された。EST配列は胎児膵臓ライブラリーに由来する。
全長cDNAによりコードされるこの新規のポリペプチドは117個のアミノ酸である。その推定シグナル配列は23個のアミノ酸残数である(SEQ ID NO:2のアミノ酸残基1〜23)。活性ペプチドは18個のアミノ酸残基と推定され(SEQ ID NO:2のアミノ酸残基24〜41)、SEQ ID NO:2のアミノ酸残基41(Ser)の後方のC末端が切断される。しかしながら、多くの腸管−脳ペプチドは多重切断を要する。例えば、プロガストリンペプチドは101個のアミノ酸であり、そしてN末端で切断され、連続的に小さくなるペプチドを供する(G34, G17及びG14)(Suganoら、J. Biol. Chem. 260 : 11724-11729, 1985)。多重プロセシング工程を要するその他のペプチドにはグルカゴン(そのC末端切断はグルカゴン様ペプチド1及びグルカゴン様ペプチド2をもたらす)及びガラニン(そのプロセシングはGMAPとして知られるC末端ペプチドの切断を包含する)が含まれる。従って、SEQ ID NO:2のアミノ酸(Gln)の後方の切断に基づく追加のペプチドが合成され、そして生物活性を有する14個のアミノ酸のペプチドがもたらされる(SEQ ID NO:2のアミノ酸残基24(Gly)からアミノ酸残酸37(Gln))。
C末端ペプチド(SEQ ID NO:2のアミノ酸42〜117)もある程度特殊な活性を有しうる。モチリンについての活性ペプチドのプロセシング(SEQ ID NO:4に示す)はモチリン結合型ペプチド(MAP)として知られるアミノ酸残基50(Ser)からアミノ酸残基119(Lys)に至る70個のアミノ酸のC末端ペプチドの遊離をもたらす。Adelmanら(米国特許第5,006,469号)はMAPが消化、飲欲及び栄養吸収の調節において一役買うことと仮定している。
ポリペプチドzsig33における高度に保存されたアミノ酸は新しいファミリー構成員を同定するための手段として利用できる。例えば、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)が、様々な組織起源から得られるmRNA由来の保存モチーフをコードする配列を増幅するために利用できる。本発明由来の配列を用いて2種類のかかる保存ドメインが同定された。第一ドメインはSEQ ID NO:2のアミノ酸残基31〜36に見い出され、ここで同定されたそのモチーフはGlu X Gln Arg X Gln(式中、Xは任意のアミノ酸残基である)であり、そして第二ドメインはSEQ ID NO:2のアミノ酸残基78〜84に見い出され、ここで同定されたそのモチーフはAla Pro X Asp X Gly Ile(式中、Xは任意のアミノ酸残基である)である。特に、これらの配列からデザインした高度縮重プライマーがこの目的のために有用である。
当業者は遺伝子コードの縮重性の観点において、SEQ ID NO:2をコードするこれらのポリヌクレオチド分子間で、例えばUをTで置換することにより全てのRNA配列間での相当な配列変更が可能であることを容易に認識できるであろう。かくして、zsig33ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド及びそのRNA均等物は本発明により考慮される。表1には縮重ヌクレオチド位置を示すのに用いる1文字コードを記載する。「解明」はコード文字により示されるヌクレオチドである。「相補」は相補性ヌクレオチドについてのコードを示す。例えば、コードYはC又はTのいずれかを示し、そしてその相補体RはA又はGを示し、AはTに対して相補性であり、そしてGはCに対して相補性である。
Figure 0004335318
所定のアミノ酸について考えられる全てのコドンを包括する縮重コドンを表2に記載する。
Figure 0004335318
当業者は各アミノ酸をコードする全ての考えられるコドンを代表する縮重コドンの決定において多少のあいまいさが導入されることを理解するであろう。例えば、セリン(WSN)についての縮重コドンはある状況においてはアルギニン(AGR)をコードし、そしてアルギニン(MGN)についての縮重コドンはある状況においてはセリンをコードする(AGY)。フェニルアラニン及びロイシンをコードするコドン間でも似たような関係が存在する。かくして、縮重配列により包括されるいくつかのポリヌクレオチドは変異アミノ酸配列をコードし得るが、当業者はかかる変異配列がSEQ ID NO:2のアミノ酸配列を参照することにより容易に同定することができる。変異配列は本明細書に記載の通りにして機能について容易に試験できる。
本発明の好適な態様において、この単離されたポリヌクレオチドはストリンジェンシー条件下でSEQ ID NO:1の類似のサイズの領域又はそれに対して相補性の配列にハイブリダイズするであろう。一般に、ストリンジェンシー条件は規定のイオン強度及びpHにおいて特定の配列に関して熱融点(Tm)よりも約5℃低くなるように選定される。Tmは(規定のイオン強度及びpH下で)完全に対合したプローブに対して標的配列の50%がハイブリダイズする温度である。典型的なストリンジェンシー条件は塩濃度がpH7において少なくとも約0.02Mであり、そして温度が少なくとも約60℃である。
前述の通り、本発明の単離されたポリヌクレオチドにはDNA及びRNAが含まれる。DNA及びRNAを単離するための方法は当業界において周知である。一般に胃からRNAを単離するのが好ましいが、DNAはその他の組織由来のRNAを用いて調製することもでき、又はゲノムDNAとしても単離されうる。総RNAはグアニジンHCl抽出、それに続くCsCl勾配の中での遠心分離による単離を利用して調製できる(Chirgwinら、Biochemistry 18 : 52-94, 1979)。ポリ(A)+ RNAはAviv and Lederの方法(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 69 : 1408-1412, 1972)を利用して総RNAから調製される。相補性cDNA(cDNA)は既知の方法を利用してポリ(A)+ RNAから調製される。zsig33ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドをかくして同定でき、そして例えばハイブリダイゼーション又はPCRにより単離される。
本発明は更にその他の種由来の対応のポリペプチド及びポリヌクレオチドを提供する(オルソログ)。特に注目されるのはその他の哺乳動物種、由来のzsig33ポリペプチド、例えばマウス、ラット、ブタ、ヒツジ、ウシ、イヌ、ネコ、ウマ及びその他の霊長類タンパク質である。ヒトタンパク質のオルソログは本発明により供される情報及び組成を、慣用のクローニング技術と組合せて利用してクローニングできる。例えば、cDNAはこのタンパク質を発現する組織又は細胞タイプから得られるmRNAを用いてクローニングできる。mRNAの適当な起源はノーザンブロットを本明細書に開示する配列からデザインしたプローブでプロービングすることにより同定できる。次いでライブラリーを細胞系の陽性組織のmRNAから調製する。そしてzsig33オルソログコード配列を様々な方法、例えば完全もしくは部分ヒトcDNAにより、又は開示した配列を基礎とする1又は複数の縮重プローブセットによりプロービングすることによって単離できる。cDNAは本明細書に開示の配列からデザインしたプライマーを用い、ポリメラーゼ連鎖反応又はPCR(Mullis、米国特許第4,683,202号)を利用してもクローニングできる。更なる方法において、cDNAライブラリーは宿主細胞を形質転換又はトランスフェクションするために利用でき、そして注目のcDNAの発現はzsig33に対する抗体により検出できる。類似の技術がゲノムクローンの単離にも適用できる。
当業者はSEQ ID NO:1に開示する配列及びそれによりコードされるポリペプチドがヒトzsig33遺伝子及びポリペプチドの単独アレルを表わし、そしてアレル変異及び別のスプライシングを想到できることを理解するであろう。アレル変異体は標準の手順に従って様々な個体からcDNA又はゲノムライブラリーをプロービングすることによりクローニングできる。サイレント突然変異を含むもの及びアミノ酸配列変化をもたらす突然変異を含むもの等のSEQ ID NO:1に示すDNA配列のアレル変異体は、SEQ ID NO:2のアレル変異体の産物であるタンパク質と同様、本発明の範囲に属する。
本発明は更にSEQ ID NO:2のポリペプチド及びそのオルソログに対して実質的に相同性である単離されたzsig33ポリペプチドも提供する。本明細書において用いる用語「実質的に相同性」とはSEQ ID NO:2に示す配列又はそのオルソログに対して50%、好ましくは60%、より好ましくは少なくとも80%の配列同一性を有するポリペプチドを意味する。かかるポリペプチドはSEQ ID NO:2又はそのオルソログに対してより好ましくは少なくとも90%の同一性、そして最も好ましくは95%以上同一であろう。%配列同一性は慣用の方法により決定される。例えば、Altschulら、Bull. Math. Bio. 48 : 603-616, 1986及びHenikoff and Henikoff Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89 : 10915-10919, 1992を参照のこと。簡単には、2本のアミノ酸配列をアライニングし、10のギャップオープニングペナルティー、1のギャップ伸長ペナルティー及び表3に示すHenikoff and Henikoff(前掲)の「ブロッサム62」評点マトリックスを利用してアライメントを最適化する。
Figure 0004335318
%同一性は下記の通りに計算する:
Figure 0004335318
ポリヌクレオチド分子の配列同一性は上記の比を利用する類似の方法により決定する。
実質的に相同なタンパク質及びポリペプチドは1又は複数のアミノ酸の置換、欠失又は付加を有することを特徴とする。これらの変化は好ましくはささいなもの、即ち、保存性アミノ酸置換(表4参照)及びタンパク質又はポリペプチドのフォルディング又は活性に有意な影響を及ぼさないその他の置換;典型的には1〜約30個のアミノ酸のわずかな欠失;並びにわずかなアミノ−又はカルボキシル−末端伸長、例えばアミノ末端メチオニン残基、約20〜25残基までの小リンカーペプチド、又は精製を促進する小伸長(アフィニティータグ)、例えばポリヒスチジントラクト、プロテインA(Nilssonら、EMBO J. 4 : 1075, 1985 ; NilssonらMethods Enzymol. 198 : 3, 1991)、グルタチオンSトランスフェラーゼ(Smith and Johnson, Gene 67 : 31, 1988)、マルトース結合タンパク質(Kellerman and Ferenci, Methods Enzymol. 90 : 459-463, 1982 ; GuanらGene 67 : 21-30, 1987)、チオレドキシン、ユビキノン、セルロース結合タンパク質、T7ポリメラーゼ又はその他の抗原性エピトープもしくは結合ドメイン伸長である。一般的には、FordらProtein Expression and Purification 2 : 95-107, 1991を参照のこと(引用するとで本明細書に組入れる)。アフィニティータグをコードするDNAは商業的供給者から入手できる(例えば、Pharmacia Biotech, Piscataway, NJ : New England Biolabs, Beverly, MA)。
Figure 0004335318
20種の標準アミノ酸に加えて、非標準アミノ酸(例えば4−ヒドロキシプロリン、6−N−メチルリジン、2−アミノイソ酪酸、イソバリン及びα−メチルセリン)がzsig33のアミノ酸残基を置換しうる。一定数の非保存性アミノ酸、遺伝子コードによりコードされないアミノ酸、及び非天然アミノ酸がzsig33アミノ酸残基を置換しうる。「非天然アミノ酸」はタンパク質合成の後に修飾されるか、及び/又は標準のアミノ酸のそれとは異なる化学構造をその側鎖において有する。非天然アミノ酸は化学合成されたもの、又は好ましくは市販のものであり、そしてピペコリン酸、チアゾリジンカルボン酸、デヒドロプロリン、3−及び4−メチルプロリン、並びに3,3−ジメチルプロリンが挙げられる。
本発明のzsig33ポリペプチド中の不可欠なアミノ酸を、当業界で既知の方法、例えば部位特異的変異誘発又はアラニンスキャニングによる変異誘発(Cunningham and Wells, Science 244 : 1081-1085, 1989)に従って同定することができる。後者の技術では、本分子内の全ての残基を単一のアラニンで置換し、そしてこれらの変異分子の生物活性(例えば、胃腸細胞収縮の刺激、栄養素取り込みの調節、及び/又は消化酵素の分泌)を検査し、本分子の活性に必須なアミノ酸残基を同定する。Hilton et al., J. Biol. Chem. 271 : 4699-4708, 1996を参照すること。リガンド−レセプター相互作用部位を、核磁気共鳴、結晶学、電子回析又は光親和性標識などの技術による構造の物理的分析から、推定した接触部位のアミノ酸の変異解析と合わせて、同定することができる。例えば、de VosらScience 255 : 306-312, 1992 ; SmithらJ. Mol. Biol. 224 : 899-904, 1992 ; WlodaverらFEBS Lett. 309 : 59-64, 1992を参照すること。腸−脳ペプチドホルモンのグルカゴン−セクレチンファミリーに属する関連構成分子間の相同分析からも不可欠なアミノ酸を推定することができる。
既知の変異誘発法及びスクリーニング法、例えばReidhaar-Olson and Sauer(Science 241 : 53-57, 1988)又はBowie and Sauer(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86 : 2152-2156, 1989)に記載された方法を用いて複数のアミノ酸置換を行い、そして検査することができる。簡単に述べると、前記著者らは、ポリペプチド内の2つ以上の位置を同時にランダムに置換し、機能的なポリペプチドを選択し、そして変異ポリペプチドの配列を決定することによって、各位置の置換許容性を決定する方法を明らかにしている。利用できる他の方法には、ファージによる表示(例えばLowmanらBiochem. 30 : 10832-10837, 1991 ; Ladnerら米国特許第5,223,409号 ; Huse, WIPO公開WO92/06204)及び領域特異的変異誘発(DerbyshireらGene 46 : 145, 1986 ; NerらDNA 7 : 127, 1988)がある。
前記の変異誘発法を、宿主細胞中のクローン化された変異ポリペプチドの活性を検出するための高処理量の自動スクリーニング法と組み合わせることができる。活性(例えば胃腸細胞収縮の刺激、栄養素取り込みの調節、及び/又は消化酵素の分泌)を有するポリペプチドをコードする変異したDNA分子を宿主細胞から回収し、そして最新機器を用いて短時間にその配列を決定することができる。これらの方法によって、注目するポリペプチド内の各アミノ酸残基の重要度を短時間に決定することができ、しかも、これらの方法は、構造が未知のポリペプチドに用いることができる。
前記の方法を用いれば、当業者は、SEQ ID NO:2又はそのアレル変異体の残基24〜37に実質的に相同で、しかもその野生型タンパク質の特性を保持した種々のポリペプチド、を同定及び/又は調節することができる。この様なポリペプチドには、上に一般的に記載された様な追加のポリペプチドセグメントも含まれる。
全長タンパク質及びそのフラグメントを含む本発明のポリペプチドを、従来技術によって一般的に細胞工学的に処理した宿主細胞中で生産することができる。適切な宿主細胞は、外来DNAによって形質転換又は形質導入することができ、そして培養によって増やすことができるタイプの細胞であり、細菌、真菌細胞及び培養された高等真核細胞などである。真核細胞、特に多細胞生物体に由来する培養細胞が好ましい。クローン化されたDNA分子を操作する技術及び外来DNAを種々の宿主細胞に導入する技術が、SambrookらMolecular Cloning : A Laboratory Manual, 2nd ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY, 1989、及びAusubelら(eds.), Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley and Sons, Inc., NY, 1987、に記載されている。これらを引用して本明細書に組み込む。
一般的には、本発明のzsig33ポリペプチドをコードするDNA配列を、発現ベクター内で、その発現のために必要な他の遺伝的要素、例えば、一般的に転写プロモーター及びターミネーターに作用可能に連結する。このベクターは、一般的には1つ以上の選択マーカー及び1つ以上の複製起点も有する。当業者に明らかな様に、他の発現系では、選択マーカーが、別のベクターによって供給されてもよく、そして宿主細胞のゲノムに組み込まれることによって、外来DNAが複製されてもよい。プロモーター、ターミネーター、選択マーカー、ベクター及びその他の要素は、当業者によって通常通りに選択される。多くのこの様な要素は、文献に記載されていて、商業者を介して入取できる。
zsig33ポリペプチドを宿主細胞の分泌経路に組み入れるために、発現ベクター内に分泌シグナル配列(リーダー配列、プレプロ配列又はプレ配列とも称する)を供給する。この分泌シグナル配列は、zsig33ポリペプチドに固有のものでも、他の分泌タンパク質(例えばt−PA)に由来するものでも、又は新たに合成したものでもよい。この分泌シグナル配列を、正しい読み枠で、zsig33 DNA配列に接続する。一般的に、分泌シグナル配列は、注目するポリペプチドをコードするDNA配列の5′に位置するが、ある種のシグナル配列は、注目するDNA配列のほかの位置にある(例えばWelchら、米国特許第5,037,743号 ; Hollandら、米国特許第5,143,830号参照)。
本発明では、培養哺乳動物細胞も宿主として好ましい。哺乳動物の宿主細胞内に外来DNAを導入する方法には、リン酸カルシウム法(WiglerらCell 14 : 725, 1978 ; Corsaro and Pearson, Somatic Cell Genetics 7 : 603, 1981 : Graham and Van der Eb, Virology 52 : 456, 1973)、エレクトロポレーション(NeumannらEMBO J. 1 : 841-845, 1982)、DEAEデキストラン媒介形質導入(Ausubelらeds., Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley and Sons, Inc., NY, 1987)、リポソーム媒介形質導入(Hawley-NelsonらFocus 15 : 73, 1993 ; CiccaroneらFocus 15 : 80, 1993)、及びウィルスベクター(A. Miller and G. Rosman, BioTechniques 7 : 980-90, 1989 ; Q. Wang and M. Finer, Nature Med. 2 : 714-16, 1996)、によるトランスフェクションがあり、これらの文献を引用して本明細書に組み込む。培養哺乳動物細胞における組換えポリペプチドの生産は、例えば、Levinsonら米国特許第4,713,339号;Hagenら、米国特許第4,784,950号;Palmiterら米国特許第4,579,821号 ; 及びRingold米国特許第4,656,134号に開示されていて、これらを引用して本明細書に組み込む。好ましい培養哺乳動物細胞には、COS-1(ATCC No. CRL 1650), COS-7(ATCC No. CRL 1651), BHK 570(ATCC No. CRL 10314), 293(ATCC No. CRL 1573 ; GrahamらJ. Gen. Virol. 36 : 59-72, 1977)及びチャイニーズハムスター卵巣細胞(e. g. CHO-K1 ; ATCC No. CCL 61)の細胞株がある。その他の適切な宿主細胞が当業界に知られていて、それらを公的な寄託機関、例えばAmerican Type Culture Collection, Rockville, Marylandから入取することができる。一般的には、強力な転写プロモーター、例えばSV40又はサイトメガロウィルスのプロモーターが好ましい。例えば、米国特許第4,956,288号参照。他の適切なプロモーターには、メタロチオネイン遺伝子(米国特許第4,579,821号及び4,601,978号、これらを引用して本明細書に組み込む)由来のもの、及びアデノウィルスの主要後期プロモーターがある。
外来DNAが挿入された培養哺乳動物細胞を選択するためには、一般的に薬物選択が用いられる。この様な細胞を一般的には「形質転換体」と称する。
選択性薬剤の存在下に培養され、そして注目遺伝子を子孫細胞に伝えることができる細胞を、「安定な形質転換体」と称する。好ましい選択マーカーは、抗生物質ネオマイシン耐性をコードする遺伝子である。ネオマイシン型の薬剤、例えばG418などの存在下で選択を行う。注目遺伝子の発現レベルを上げるために選択システムを用いることができ、この工程のことを「増幅」と称する。この増幅は、導入遺伝子の産物を高レベルに発現する細胞を選択するために、低レベルの選択性薬剤の存在下で形質転換体を培養し、次に選択性薬剤の量を増やすことによって行われる。好ましい増幅性の選択マーカーは、メトトレキセート耐性を付与するジヒドロ葉酸レダクターゼである。他の薬剤耐性遺伝子(例えば、ハイグロマイシン耐性遺伝子、多剤耐性遺伝子、ピューロマイシンアセチルトランスフェラーゼ)を用いることもできる。表現型の変化を誘導する代替マーカー、例えば緑色蛍光タンパク質、又は細胞表面タンパク質、例えばCD4, CD8, MHCクラスI、胎盤アルカリホスファターゼを用いて、例えば、FACSによる分別又は磁気ビーズによる分別などの方法によって、未形質転換細胞から形質転換細胞を分別することができる。
他の高等真核細胞;例えば植物細胞、昆虫細胞及び鳥類細胞も、宿主として用いることができる。植物細胞における遺伝子発現用のベクターとしてAgrobacterium rhizogenesを用いることが、Sinkar et al., J. Biosci. (Bangalore) 11 : 47-58, 1987に概説されている。昆虫細胞の形質転換及びそれによる外来ポリペプチドの生産が、Guarinoら米国特許第5,162,222号及びWO94/06463に開示されている。一般的にはAutographa california核多角体病ウィルス(AcNPV)に由来する組み換えバキュロウィルスを昆虫細胞に感染させることができる。以下の2つの方法のいずれかを用いて、zsig33ポリペプチドをコードするDNAを、AcNPVのpolyhedrinをコードする遺伝子配列の代りに、バキュロウィルスゲノム中に挿入する。1つ目の方法は、野生型AcNPVと、AcNPV配列に挟まれたzsig33を有する転移ベクターとの間で、相同DNA組換えを行う伝統的な方法である。適切な昆虫細胞、例えばSE9細胞に、野生型AcNPVを感染させ、そしてAcNPVのpolyhedrin遺伝子のプロモーター、ターミネーター、及びフランキング配列に作用可能に連結されたzsig33ポリヌクレオチドをトランスフェクションする。King, L. A. and Possee, R. D., The Baculovirus Expression System : A Laboratory Guide, London, Chapman & Hall ; O’Reilly, D. R. et al., Baculovirus Expression Vectors : A Laboratory Manual, New York, Oxford University Press., 1994 ; and, Richardson, C. D., Ed., Baculovirus Expression Protocols. Methods in Molecular Biology, Totowa, NJ, Humana Press, 1995を参照すること。昆虫細胞内の天然の組換えによって、polyhedrinのプロモーターの支配下にあるzsig33を有する組換えバキュロウィルスが生じるだろう。当業界の通常の方法で、組換えウィルスの保存液を作る。
組換えバキュロウィルスを作る2つ目の方法は、Luckow, V. A., et al., J. Virol. 67 : 4566-79, 1993に記載されたトランスポゾンを基にしたシステムを利用するものである。このシステムは、Bac-to-Bac kit(Life Technologies, Rockville, MD)として販売されている。このシステムでは、大腸菌内に巨大プラスミド「bacmid」として保持されているバキュロウィルスゲノム中に、zsig33ポリペプチドをコードするDNAを移すために、Tn7トランスポゾンを有する転移ベクターpFastBac1TM(Life Technologies)を利用する。この転移ベクターpFastBac1TMは、注目する遺伝子発現、この場合zsig33、を支配するためにAcNPVのpolyhedrinのプロモーターを用いている。しかし、pFastBac1TMをかなりの程度改修することもできる。polyhedrinプロモーターを除いて、バキュロウィルス塩基性タンパク質プロモーター(Pcor, p6.9又はMPプロモーターとも呼ばれる)に置換することができる。このプロモーターは、バキュロウィルスの感染初期に発現させるためのもので、分泌タンパク質の発現に有利であることが示されている。Hill-Perkins, M. S. and Possee, R. D., J Gen Virol 71 : 971-6, 1990 ; Bonning, B. C.らJ Gen Virol 75 : 1551-6, 1994 ; 及びChazenbalk, G. D., and Rapoport, B., J Biol Chem 270 : 1543-9, 1995を参照すること。この様な転移ベクター構成体では、前記塩基性タンパク質プロモーターの短い型又は長い型のものを用いることができる。更に、zsig33の固有の分泌シグナル配列を、昆虫タンパク質由来の分泌シグナル配列に置換した転移ベクターを作ることもできる。例えば、当構成体中でzsig33の固有の分泌シグナル配列を置換するために、エクジステロイドグリコシルトランスフェラーゼ(EGT)、ミツバチのメリチン(Invitrogen, Carlsbad, CA)又はバキュロウィルスgp67(PharMingen, San Diego, CA)由来の分泌シグナル配列を用いることができる。更に、この転移ベクターは、発現されるzsig33ポリペプチドのC末端又はN末端に位置するエピトープタグ、例えばGlu-Gluエピトープタグ、をコードするDNAを読み枠に合わせて有することができる(Grussenmeyer, T. et al., Proc Natl Acad Sci. 82 : 7952-4, 1985)。当業界に既知の方法で、zsig33を有する当転移ベクターによって大腸菌を形質転換し、組換えバキュロウィルスを表すlacZ遺伝子の破壊されたbacmidを得るためにスクリーニングする。当組換えバキュロウィルスゲノムを有するbacurid DNAを通常の方法で単離し、そしてこれをSpodoptera frugiperda細胞、例えばSf9細胞にトランスフェクションする。続いて、zsig33を発現する組換えウィルスが生産される。当業界の通常の方法で、組換えウィルス保存液を作る。
この組換えウィルスを、宿主細胞、典型的には、夜蛾(fall armyworm)の一種、Spodoptera frugiperda由来の細胞株に感染させる。一般的に、Glick and Pasternak, Molecular Biotechnology : Principles and Applications of Recombinant DNA, ASM Press, Washington, D. C., 1994を参照すること。別の適切な細胞株は、Trichoplusia ni由来の細胞株High FiveOTM(Invitrogen)である(米国特許第5,300,435号)。前記細胞を増殖及び維持するために、市販の無血清培地を用いる。適切な培地は、Sf9細胞のためにはSf900 IITM(Life Technologies)又はESF 921TM(Expression, Systems);及びT. ni細胞のためにはEx-cellO405TM(JRH Biosciences, Lenexa, KS)又はExpress FiveOTM(Life Technologies)である。当細胞を、接種密度約2−5×105細胞から、1−2×106細胞密度まで増殖させ、この時点で、組換えウィルス保存液を、0.1〜10、より典型的には3程度の感染多重度で加える。組換えウィルスを感染させた当細胞は、典型的には、感染後12−72時間で組換えzsig33ポリペプチドを生産し、そして種々の効率でこれを培地中に分泌する。普通は、感染後48時間で当培養液を集める。遠心によって培地から細胞を分離し、上清を得る。zsig33ポリペプチドを含んでいる当上清を、微小孔フィルター、普通は孔サイズ0.45μmのフィルターに通して濾過する。これらの方法は一般的に研究手引書(King, L. A. and Possee, R. D., ibid. ; O’Rcilly, D. R. et al., ibid. ; Richardson, C. D., ibid.)に記載されている。続いて、本明細書に記載した方法で、上清からzsig33ポリペプチドを精製することができる。
本発明では、例えば、zsig33フラグメント又はポリペプチド融合体を生産するために、真菌細胞、例えば酵母細胞、特にはSaccharomyces及びPichia属の細胞を用いることもできる。外来DNAで酵母細胞を形質転換し、そこから組換えポリペプチドを生産する方法が、例えばKawasaki、米国特許第4,599,311号;Kawasakiら、米国特許第4,931,373号;Brake、米国特許第4,870,008号;Welchら米国特許第5,037,743号;及びMurrayら米国特許第4,845,075号、に記載されている。これらの文献を引用して本明細書に組み込む。形質転換された細胞を、選択性マーカーで規定される表現型、普通は薬剤耐性又は特定栄養素(例えばロイシン)非存在下での増殖性によって選択する。酵母用の好ましいベクター系は、Kawasaki et al.,米国特許第4,931,373号で開示されたPOT1ベクター系であり、これによって、グルコース含有培地中での増殖性によって形質転換細胞を選択することができる。酵母での使用に適するプロモーター及びターミネーターには、解糖系酵素の遺伝子に由来するもの(例えばKawasaki、米国特許第4,599,311号;Kingsmanら米国特許第4,615,974号;及びBitter、米国特許第4,977,092号、これらを引用して本明細書に組み込む)及び、アルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子に由来するものがある。米国特許第4,990,446;5,063,154;5,139,936及び4,661,454号を参照すること。これらを引用して本明細書に組み込む。その他の酵母、例えばHansenula polymorpha, Schizosaccharomyces pombe, Kluyveromyces lactis, Kluyveromyces fragilis, Ustilago maydis, Pichia pastoris, Pichia guillermondii, Pichia methanolica及びCandida maltosaのための形質転換系が当業界に周知である。例えばGleesonらJ. Gen. Microbiol. 132 : 3459-3465, 1986及びCregg、米国特許第4,882,279号を参照すること。Aspergillus属の細胞を、McKnightら、米国特許第4,935,349号(これを引用して本文に組込む)に記載の方法に従って用いてもよい。Acremonium chrysogenumを形質転換する方法がSuminoら米国特許第5,162,228号(これを引用して本文に組込む)に開示されている。Neurosporaを形質転換する方法が、Lambowitz、米国特許第4,486,533号(これを引用して本文に組込む)に開示されている。
選択した宿主細胞の増殖に必要な栄養素及びその他の成分を含んでいる培地中で、通常の方法で、形質転換又は形質導入された細胞を培養する。当業界では、種々の適当な培地、例えば限定培地及び複合培地が周知であり、これは、普通、炭素源、窒素源、必須アミノ酸、ビタミン及びミネラルを含んでいる。培地には、必要に応じて増殖因子又は血清などの成分も含まれる。
当培地は、一般的には、外来DNAを有する細胞のために、例えば、発現ベクター上の又は宿主細胞に同時トランスフェクションされた選択性マーカーによって補完される必須栄養素の欠失あるいは薬剤選択性に応じて選択される。P. methanolica細胞を、適当な炭素源、窒素源及び微量栄養素を含有する培地中で、約25−35℃の温度で培養する。通常の方法、例えば小フラスコの振とう、又は発酵槽内の散布によって、十分な給気を液体培養に施す。好ましいP. methanolicaの培地は、YEPD(2%D−グルコース、2% BactoTMペプトン(Difco Laboratories, Detroit, MI), 1% BactoTMイーストエキス(Difco Laboratories), 0.004%アデニン及び0.006%L−ロイシン)である。
発現された組換えzsig33ポリペプチドを、分画法及び/又は通常の精製法及び媒体を用いて精製することができる。サンプルを分画するために、硫酸アンモニウム沈殿、及び酸又はカオトロープ抽出を用いることができる。代表的な精製工程には、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、FPLC及び逆相高性能液体クロマトグラフィーがある。適当な陰イオン交換用媒体には、デキストラン、アガロース、セルロース、ポリアクリルアミド、特異シリカなどの誘導体がある。PEI, DEAE, QAE及びQ誘導体が好ましく、DEAE Fast-Flow Sepharose(Pharmacia, Piscataway, NJ)が特に好ましい。代表的なクロマトグラフィー媒体には、フェニル、ブチル又はオクチル基を有する前記媒体の誘導体、例えばPhenyl-Sepharose FF(Pharmacia), Toyopearl butyl 650(Toso Haas, Montgomeryville, PA)、及びOctyl-Sepharose(Pharmacia)など;又は、ポリアクリル樹脂、例えばAmberchrom CG71(Toso Haas)などがある。適当な固体支持体には、使用条件下で不溶性であるガラスビーズ、シリカベースの樹脂、セルロース性樹脂、アガロースビーズ、及び架橋されたアガロースビーズなどがある。これらの支持体を、アミノ基、カルボキシル基、スルフヒドリル基、ヒドロキシル基及び/又は炭水化物部分を介してタンパク質と結合することができる反応基によって修飾することができる。化学的連結の例には、臭化シアン活性化、N−ヒドロキシスクシンイミド活性化、エポキシド活性化、スルフヒドリル活性化、ヒドラジド活性化、並びに、カルボジイミド連結のためのカルボキシル及びアミノ誘導体によるものがある。これら及びその他の固体媒体は、当業界で周知であり、広く利用されており、そして商業的に入取できる。支持媒体に受容体ポリペプチドを結合する方法が当業界に周知である。特定の方法を日常的に選択することができ、部分的には、選ばれた支持体の特性に応じて決める。例えば、Affinity Chromatography : Principles & Methods, Pharmacia LKB Biotechnology, Uppsala, Sweden, 1988を参照すること。
本発明のポリペプチドを、低分子量及び低pIであることを利用して単離することができる。例えば、本発明のポリペプチドを、低pH値で、陰イオン交換体に結合させることができる。他の精製方法には、レクチン親和性クロマトグラフィー及びイオン交換クロマトグラフィーによるグリコシル化タンパク質の精製法がある(Methods in Enzymol., Vol. 182, “Guide to Protein Purification”, M. Deutscher, (ed.), Acad. Press, San Diego, 1990, pp. 529-39)。あるいは、精製を容易にするために、注目のポリペプチドと親和性タグ(例えば、ポリヒスチジン、マルトース結合タンパク質、イムノグロブリンドメイン)との融合体を作成することができる。
タンパク質の再折りたたみ(及び場合によっては再酸化)の工程を行うことも有益であるだろう。本タンパク質を、好ましくは純度80%超、より好ましくは純度90%超、さらにより好ましくは95%超まで精製する。医薬上純粋である状態、すなわち高分子、特には他のタンパク質及び核酸に関して99.9%超の純度で、且つ感染性及び発熱性物質が含まれない状態が特に好ましい。
好ましくは、精製されたタンパク質は、他のタンパク質、特に動物由来の他のタンパク質を実質的に含まない。
zsig33ポリペプチド又はこのフラグメントを、化学合成によって調製することもできる。zsig33ポリペプチドは、単量体又は多量体;グリコシル化又は非グリコシル化体;PEG化又は非PEG化体;アミド化又は非アミド化体;硫酸化又は非硫酸化体であってよく;そして、最初のメチオニン残基を含んでも含まなくてもよい。例えば、zsig33ポリペプチドを、完全固相合成、部分固相合成、断片の縮合、又は古典的溶液系合成によって合成することもできる。本ポリペプチドを、好ましくは、固相ペプチド合成、例えばMerrifield, J. Am. Chem. Soc. 85 : 2149, 1963に記載の方法によって調製する。この合成は、アルファーアミノ末端を保護したアミノ酸を用いて行われる。更に、不安定な側鎖を有する三官能性のアミノ酸を、本ポリペプチドの合成中に希望しない化学反応が起きることを防ぐために適した基によって保護する。アルファーアミノ保護基を選択的に除いて、そのアミノ末端に次の反応を起こさせる。アルファーアミノ保護基の除去は、側鎖の保護基が除去されない条件で行う。
このアルファーアミノ保護基は、段階的ポリペプチド合成の技術分野で有用であることが知られているものである。これには、アシル型の保護基(例えばホルミル、トリフルオロアセチル、アセチル)、アリール型の保護基(例えばビオチニル)、芳香族ウレタン型の保護基〔例えばベンジルオキシカルボニル(Cbz)、置換ベンジルオキシカルボニル及び9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)〕、脂肪族ウレタン型の保護基〔例えばt−ブチルオキシカルボニル(tBoc)、イソプロピルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル〕、及びアルキル型の保護基(例えばベンジル、トリフェニルメチル)がある。好ましい当保護基はtBoc及びFmocである。
選択された側鎖保護基は、連結中に不変でなければならず、そして、アミノ末端保護基の脱保護中又は連結中に除かれてはならない。更に、この側鎖保護基は、合成完了時に、完成したポリペプチドを変更しない反応条件によって除かれ得るものでなければならない。tBocの化学方法では、三官能性アミノ酸の側鎖保護基は大抵ベンジルを基にしたものである。Fmocの化学方法では、それらは大抵tert−ブチル又はトリチルを基にしたものである。
tBocの化学方法では、好ましい側鎖保護基は、アルギニン用のトシル、アスパラギン酸用のシクロヘキシル、システイン用の4−メチルベンジル(及びアセトアミドメチル)、グルタミン酸、セリン及びスレオニン用のベンジル、ヒスチジン用のベンジルオキシメチル(及びジニトロフェニル)、リシン用の2−CL−ベンジルオキシカルボニル、トリプトファン用のホルミル、そしてチロシン用の2−ブロモベンジルである。Fmocの化学方法では、好ましい側鎖保護基は、アルギニン用の2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−6−スルホニル(Pmc)又は2,2,4,6,7−ペンタメチルジヒドロベンゾフラン−5−スルホニル(Pbf)、アスパラギン、システイン、グルタミン及びヒスチジン用のトリチル、アスパラギン酸、グルタミン酸、セリン、スレオニン及びチロシン用のtert−ブチル、リシン及びトリプトファン用のtBocである。
ホスホペプチドを合成するためには、リン酸基の直接又は合成後の組込みが用いられる。直接組込み法では、セリン、スレオニン又はチロシン上のリン酸基を、Fmocの化学方法ではメチル、ベンジル又はtert−ブチルによって、あるいはtBocの化学方法では、メチル、ベンジル又はフェニルによって保護することができる。Fmocの化学方法では、リン酸基の保護なしに、ホスホチロシンの直接組込みを行うこともできる。合成後の組込み方法では、セリン、スレオニン又はチロシンの未保護ヒドロキシル基を、固相上で、ジ−tert−ブチル−、ジベンジル−又はジメチル−N,N′−ジイソプロピルホスホルアミダイトによって誘導体化して、そして次にtert−ブチルヒドロペルオキシドによって酸化する。
固相合成は、普通、適当な固体支持体に、アルファーアミノが保護された(側鎖が保護された)アミノ酸を連結して、カルボキシ末端から行う。クロロメチル、クロロトリチル又はヒドロキシメチル樹脂に付加された場合、エステル結合が形成され、生成したポリペプチドは、C末端に遊離のカルボキシル基を有する。あるいは、アミド樹脂、例えばベンズヒドリルアミン又はp−メチルベンズヒドリルアミン樹脂(tBoc化学法の場合)、及びRinkアミド又はPAL樹脂(Fmoc化学法の場合)を用いる場合、アミド結合が形成され、生成したポリペプチドは、C末端にカルボキシアミド基を有する。これらの樹脂は、ポリスチレン−もしくはポリアミド−べースのもの又はポリエチレングリコール−グラフトのもの、ハンドル又はリンカーが付いたもの又は付いていないもの、最初のアミノ酸が連結されたもの又は連結されていないものとして市販されている。これらの調製は、Stewartら“Solid Phase Peptide Synthesis”(2nd Edition), (Pierce Chemical Co., Rockford, IL, 1984)and Bayer & Rapp Chem. Pept. Prot. 3 : 3(1986) ; 及びAthertonらSolid Phase Peptide Synthesis : A Practical Approach, IRL Press, Oxford, 1989に記載されている。
アルファーアミノ基、及び必要がある場合には側鎖が保護されているC末端のアミノ酸を、種々の活性化剤、例えばジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、N,N′−ジイソプロピルカルボジイミド(DIPCDI)及びカルボニルジイミダゾール(CDI)を用いて、ヒドロキシルメチル樹脂に付加する。前記アミノ酸を、クロロメチル又はクロロトリチル樹脂に直接に、そのセシウムテトラメチルアンモニウム塩の形で、又はトリエチルアミン(TEA)もしくはジイソプロピルエチルアミン(DIEA)の存在下に付加することができる。アミド樹脂への最初のアミノ酸の付加は、連結反応中のアミド結合形成と同じである。
樹脂支持体への付加後に、アルファーアミノ保護基を、保護の化学法(例えばtBoc, Fmoc)に応じて、種々の薬品によって取り除く。Fmoc除去の程度は、300−320nmの吸光又は導電率によって観察することができる。アルファーアミノ保護基の除去後、残りの保護アミノ酸を、希望する酸列順に段階に連結する。
連結反応のために、種々の活性化剤、例えば、DCC, DIPCDI、2−クロロ−1,3−ジメチルイミジウム ヘキサフルオロホスフェート(CIP)、ベンゾトリアソール−1−イル−オキシ−トリス−(ジメチルアミノ)−ホスホニウム ヘキサフルオロ−ホスフェート(BOP)及びそのピロリジン アナログ(PyBOP)、ブロモ−トリス−ピロリジン−ホスホニウム ヘキサフルオロホスフェート(PyBroP),O−(ベンゾトリアソール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチル−ウロニウム ヘキサフルオロホスフェート(HBTU)及びそのテトラフルオロボレートアナログ(TBTU)又はそのピロリジン アナログ(HBPyU),O−(7−アザベンゾトリアソール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチル−ウロニウム ヘキサフルオロホスフェート(HATU)及びそのテトラフルオロボレート アナログ(TATU)又はそのピロリジン アナログ(HAPyU)を用いることができる。連結反応に用いられる最も一般的な触媒性添加剤には、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、3−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,2,3−ベンゾトリアジン(HODhbt),N−ヒドロキシベンゾトリアソール(HOBt)及び1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアソール(HOAt)がある。過剰(>2.0当量)の各保護アミノ酸を用い、そして連結は普通、N−メチルピロリドン(NMP)中で、あるいは、DMF, CH2Cl2又はこれらの混合液中で行う。各段階で、連結反応の完成度を、例えばニンヒドリン反応(Kaiser et al., Anal. Biochem. 34 : 595, 1970)で観察することができる。
希望するペプチドが完全に合成された後に、適当なスカベンジャーと共に試薬によって、ペプチド−樹脂を切断する。普通は、Fmocペプチドを、スカベンジャー(例えばH2O、エタンジチオール、フェノール及びチオアニソール)と共にTFAによって切断及び脱保護する。tBocペプチドを、普通は、液体HFによって−5〜0℃で1〜2時間処理して切断及び脱保護する。これによって、樹脂からポリペプチドを切断し、そしてほとんどの側鎖保護基を除去する。ポリペプチド中に存在するアミノ酸残基が、切断中に形成されたカチオンによってアルキル化及びアシル化されることを防ぐために、普通は、アニソール、ジメチルスルフィド及びp−チオクレソールなどのスカベンジャーを、液体HFと共に用いる。HF切断の前に、トリプトファンのホルミル基及びヒスチジンのジニトロフェニル基を、DMF中で、各々ピペリジン及びチオフェニルによって取り除く必要がある。システインのアセトアミドメチル基を、酢酸第二水銀によって、あるいは、ヨウ素、トリフルオロ酢酸第三タリウム又はテトラフルオロホウ酸銀によって取り除くことができ、そしてこれらによって同時にシステインをシスチンに酸化する。tBocペプチドの切断及び脱保護に用いるその他の強酸には、トリフルオロメタンスルホン酸(TFMSA)及びトリメチルシリルトリフルオロ酢酸(TMSOTf)がある。
本発明の分子の活性は、胃腸細胞の収縮性、栄養素取り込みの調節及び/又は消化酵素の分泌を測定する種々の検査を用いて測定できる。特に注目するのは、平滑節細胞の収縮性の変化である。例えば、哺乳動物の十二指腸又は他の胃腸平滑筋組織の部分における収縮応答である(Depoortere et al., J. Gastrointestinal Motility 1 : 150-159, 1989、これを引用して本文に組込む)。代表的なインビボ検査では、超音波ミクロメーターを用いて、交連間で放射状に、そして弁底面に縦方向に、寸法変化を測定する(Hansen et al., Society of Thoracic Surgeons 60 : S384-390, 1995)。
胃の運動性は、一般に、胃空洞化に必要な時間及び次の胃腸管を通る通過時間として臨床セッティングにおいて測定される。胃空洞化スキャンは当業者に公知であり、要約すると、経口造影剤、例えばバリウム、又は放射能標識化した食事の使用を含む。固体及び液体は独立して測定することができる。テスト食物又は液体は、アイソトープ(例えば99mTc)で放射能標識され、摂取又は投与の後、胃腸管の通過時間及び胃内容排出が、ガンマカメラを用いる視覚化により測定される(Meyerら., Am. J. Diq. Dis. 21 : 296, 1976 ; Collinsら., Gut 24 : 1117, 1983 ; Maughanら., Diabet. Med. 13 9 Suop. 5 : S6-10, 1996 and Horowitzら, Arch. Intern. Med. 145 : 1467-1472, 1985)。これらの研究は、薬剤の効能を定量するためのプロモティリティー剤の投与の前又は後に行うことができる。
細胞増殖又は分化に作用するzsig33ポリペプチドの能力を測定するアッセイは当該技術分野で公知である。例えば、増殖を測定するアッセイには、ニュートラルレッドに対する化学的感受性(引用により本明細書に組み込まれるCavanaughら、Investigational New Drugs 8 : 347-354, 1990)、放射能標識ヌクレオチドの組込み(引用により本明細書に組み込まれるCookら、Analytical Biochem. 179 : 1-7, 1989)、増殖中の細胞のDNAにおける5−ブロモ−2′−ジオキシウリジン(BrdU)の組込み(引用により本明細書に組み込まれるPorstmannら、J. Immunol. Methods 82 : 169-179, 1985)、及びテトラゾリウム塩の使用(引用により本明細書に組み込まれるMosmann, J. Immunol. Methods 65 : 55-63, 1983 ; Alleyら、Cancer Res. 48 : 589-601, 1988 ; Marshallら., Growth Req. 5 : 69-84, 1995 ; and Scudieroら., Cancer Res. 48 : 4827-4833, 1986)がある。分化を測定するアッセイには、例えば、組織の段階特異的発現に関連する細胞表面マーカー、酵素活性、機能活性又は形態変化の測定がある(引用により本明細書に組み込まれるWatt, FASEB, 5 : 281-284, 1991 ; Francis, Differentiation 57 : 63-75, 1994 ; Raes, Adv. Anim. Cell Biol. Technol. Bioprocesses, 161-171,1989)。
他の細胞応答、例えば走化性、接着性、イオンチャンネル流入の変化、第二メッセンジャーレベルの調節及び神経伝達物質の放出を測定するためにアッセイを用いることができる。このようなアッセイは、当該技術分野において公知である。例えば、“Basic & Clinical Endocrinology Ser., Vol. Vol. 3,”Cytochemical Bioassays : Techniques & Applications, Chayen ; Chayen, Bitensky, eds., Dekker, New York, 1983を参照のこと。
zsig33について観察される組織分布の観点において、(天然のリガンド/基質/補因子等も含む)アゴニスト及びアンタゴニストは、試験管内及び生体内適用の両方において多くの能力を有する。zsig33アゴニストとして同定された化合物は胃腸細胞収縮性の刺激、栄養摂取の調節及び/又は消化酵素の分泌を全体内及び試験管内で促進するために役立つ。例えば、アゴニスト化合物は、規定細胞培養培地の成分として役立ち、栄養素の摂取を調節し、これにより、胃腸細胞、例えばG細胞、腸クロム親和細胞並びに胃、十二指腸、近位の空腸、洞及び基底部の上皮粘膜の成長及び/又は発達を特異的に促進するのに役立つ。
消化管−脳ペプチドのファミリーは神経及びCNS機能に関連している。例えば、脳及び消化管の両方におけるレセプターを伴うペプチドNPYは、中枢神経系に投与した時に食欲を刺激することが示されている(Gehlert, Life Science 55(6) : 551-562, 1994)。モチリン免疫反応性は、脳の異なる領域、特に小脳において、及び下垂体において同定されている(Gaspariniら、Hum. Genetics 94(6) : 671-674, 1994)。モチリンは、小脳内で神経伝達物質γ−アミノ酪酸と共存することが見い出されている(Chan-Patay, Proc. Sym. Soth Anniv. Meet. Br. Pharmalog. Soc. : 1-24, 1982)。生理学的研究は、モチリンが、食物摂取挙動(Rosefieldら、Phys. Behav. 39(6) : 735-736, 1987)、膀胱の制御、下垂体成長ホルモン放出に作用するいくつかの証拠を供している。他の消化管−脳ペプチド、例えばCCK、エンケファリン、VIP及びセクレチンは、消化系において活性であることに加えて、血圧、心拍数、挙動、及び痛みの調節に関連することが示されている。それゆえ、zsig33、又はその特定の部分は、特定の神経学的関連性を有すると予想することができよう。
本発明のアミノ酸及びDNA配列の部位特異的変換を用いて、アンタゴニスト、アゴニス又は部分的アゴニストのいずれかであるアナログを作ることができる(Macielayら、Peptides : Chem. Struct. Biol. pp. 659, 1996)。アンタゴニストは、胃腸の運動過剰に関連する臨床的状態、例えば下痢及びクローン病のために役立つ。アンタゴニストは、リガンド−レセプター相互作用の部位をキャラクタライズするための調査試薬としても役立つ。
zsig33リガンド結合ポリペプチドは、リガンドの精製にも用いることができる。そのポリペプチドは、固体支持体、例えばアガロース、架橋アガロース、ガラス、セルロース樹脂、シリカベースの樹脂、ポリスチレン、架橋ポリアクリルアミド、又は使用条件下で安定である同様の材料のビーズに固定化される−ポリペプチドを固体支持体に結合させるための方法は当該技術分野において周知であり、アミン化学、シアノーゲンブロマイド活性化、N−ヒドロキシスクシニミド活性化、エポキシ活性化、スルフヒドリル活性化、及びヒドラジド活性化がある。生じた媒体は、一般に、カラムの形態に形づくられ、リガンドを含む流体が、リガンドがレセプターポリペプチドに結合するように1回又は複数回、カラムを通過させられる。次にリガンドは、リガンド−レセプター結合を破壊するために、塩濃度の変化、カオトロピック剤(グアニジンHCl)、又はpHを用いて溶出される。
リガンド結合レセプター(又は補足物/抗補足物対の一員である抗体)又はその結合フラグメント、及び市販のバイオセンサー装置(BIAcoreTM, Pharmacia Biosensor, Piscataway, NJ)を用いるアッセイを有利に用いることができる。このようなレセプター、抗体、補足物/抗補足物対のメンバー又はフラグメントはレセプターチップの表面に固定化される。この装置の使用は、Karlsson, J. Immunol. Methods 145 : 229-40, 1991及びCunningham及びUells, J. Mol. Biol. 234 : 554-63, 1993により開示される。レセプター、抗体、メンバー又はフラグメントは、アミン又はスルフヒドリル化学を用いて、フローセル内の金フィルムに結合したデキストラン繊維に共有結合される。テストサンプルはそのセル内を通過させられる。リガンド、エピトープ、又は補足物/抗補足物対の反対のメンバーがサンプル中に存在するなら、それは固定化レセプター、抗体又はメンバーに結合し、その媒体の屈折率を変化させ、それは金フィルムの表面プラズモン共鳴の変化として検出されるであろう。このシステムにより、結合アフィニティーを計算することができるオン及びオフ比の決定、並びに結合の化学量論の評価が可能になる。
リガンド結合レセプターポリペプチドは、当該技術分野において周知の他のアッセイ系に用いることもできる。このような系には、結合アフィニティーの決定のためのScatchard分析(Scatchard, Ann. NY Acad. Sci. 51 : 660-72, 1949)及び比色アッセイ(Cunninghamら、Science 253 : 545-48, 1991 : Cunninghamら、Science 245 : 821-25, 1991)がある。
zsig33ポリペプチドは、zsig33エピトープ、ペプチド又はポリペプチドに特異的に結合する抗体を調製するためにも用いることができる。ポリクローナル及びモノクローナル抗体を調製するための方法は当該技術分野において公知である(例えば、引用により本明細書に組み込まれる、Sambrookら ; Molecular Cloning : A Laboratory Manual, Second Edition, Cold Spring Harbor, NY, 1989 ; 及びHurrell, J. G. R., Ed., Monoclonal Hybridoma Antibodies : Techniques and Applications, CRC Press, Inc., Boca Raton, FL, 1982を参照のこと)。当業者に明らかであろうように、ポリクローナル抗体は、種々の温血動物、例えばウマ、ウシ、ヤギ、ヒツジ、イヌ、トリ、ウサギ、マウス、及びラットから作り出すことができる。
zsig33ポリペプチドの免疫原性は、アジュバント、例えばアルム(酸化アルミニウム)又はフロイントの完全もしくは不完全アジュバントの使用により増加させることができる。免疫化のために役立つポリペプチドは、融合ポリペプチド、例えばzsig33又はその一部の、イムノグロブリンポリペプチド又はマルトース結合タンパク質との融合物も含む。そのポリペプチド免疫原は、全長の分子又はその一部であり得る。そのポリペプチド部分が“ハプテン様”であるなら、このようなタンパク質は、有利には、免疫化のための高分子担体(例えばキーホールソンペットヘモシアニン(KLH)、ウシ血清アルブミン(BSA)又は破傷風毒素)に連結又は結合させることができる。
本明細書に用いる場合、用語“抗体”には、ポリクローナル抗体、アフィニティー精製したポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、及び抗原結合フラグメント、例えばF(ab′)2及びFabタンパク質分解フラグメントが含まれる。遺伝子操作された完全な抗体又はフラグメント、例えばキメラ抗体、Fvフラグメント、及び一本鎖抗体等、並びに合成抗原結合ペプチド及びポリペプチドも含まれる。非ヒト抗体は、非ヒトCDRのみをヒト骨格及び定常領域に移植することにより、又は完全な非ヒト可変ドメインを組み込む(任意に、それらを露出した残基の置換によりヒト様表面で“おおう”ことにより“ベニヤ化”抗体にする)ことによりヒトに適合させることができる。特定の例において、ヒト適合化抗体は、正確な結合特性を増強するためにヒト可変領域骨格ドメイン内に非ヒト残基を保持し得る。抗体をヒトに適合させることにより、生物学的半減期を増加させることができ、そしてヒトへの投与による逆免疫反応の可能性が減少する。本明細書で役立つ抗体を生産し又は選択するための別の技術には、zsig33タンパク質又はペプチドへのリンパ球の試験管内露出、及び(固定化又は標識化zsig33タンパク質又はペプチドの使用による)ファージ又は同様のベクターにおける抗体提示ライブラリーの選択がある。
抗体化、それらがzsig33ポリペプチドに、106-1又はそれ超、好ましくは107-1又はそれ超、より好ましくは108-1又はそれ超、最も好ましくは109-1又はそれ超の結合アフィニティー(Ka)で結合する場合に、特異的に結合するとして定義される。抗体の結合アフィニティーは、(例えばScatchard分析により)当業者が直ちに決定することができる。
zsig33タンパク質又はペプチドに特異的に結合する抗体を検出するために、当業者に周知である種々のアッセイを利用することができる。典型的なアッセイは、Antibodies : A Laboratory Manual, Harlou and Lane(Eds.), Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1988に詳細に記載される。このようなアッセイの代表例には、同時免疫電気泳動、ラジオイムノアッセイ、ラジオイムノ−沈降法、酵素連結イムノソルベントアッセイ(ELISA)、ドットブロット又はウエスタンブロットアッセイ、阻害又は競合アッセイ、及びサンドイッチアッセイがある。更に、抗体は、野生型対変異体zsign33タンパク質又はペプチドへの結合についてスクリーニングすることができる。
zsig3に対する抗体は、アフィニティー精製によりzsig33を単離するためにzsig33を発現する細胞を標識するため;zsig33ポリペプチドの循環レベルを決定するための診断アッセイのため;潜在的な病理又は病気のマーカーとして可溶性zsig33を検出又は定量するため;FACSを用いる分析法において;発現ライブラリーをスクリーニングするため;抗イディオタイプ抗体を作り出すため;及び中和性抗体として又は試験管内及び生体内においてzsig33活性をブロックするためのアンタゴニストとして用いることができる。適切な直接的タグ又はラベル(標識)には、放射性核種、酵素、基質、補因子、インヒビター、蛍光マーカー、ケミルミネセンスマーカー、磁気粒子等があり;間接的タグ又はラベル(標識)は、中間体としてのビオチン−アビジン又は他の補足物/抗補足物対の使用を特徴とする。本明細書の抗体は、直接的にも間接的にも薬剤、毒素、放射性接種等に接合させることができ、これらのユンジュゲートは、生体内診断又は治療適用のために用いることができる。
本発明の分子は、zsig33の機能を媒介するレセプターを同定し、及び単離するのに用いることができる。例えば、本発明のタンパク質及びペプチドは、カラムに固定化することができ、そのカラムに膜調製物を流すことができる(Immobilized Affinity Ligand Techniques, Hermansonら., eds., Academic Press, San Diego, CA, 1992, pp.195-202)。タンパク質及びペプチドは放射能標識することも、(Methods in Enzymol., vol. 182,“Guide to Protein Purification”, M. Deutscher, ed., Acad. Press, San Diego, 1990, 721-737)、フォトアフィニティー標識することも(Brunner et al., Ann. Rev. Biochem. 62 : 483-514, 1993 and Fedan et al., Biochem. Pharmacol. 33 : 1167-1180, 1984)でき、特定の細胞表面タンパク質を同定することができる。
本発明のポリペプチド、核酸及び/又は抗体は、胃腸細胞収縮性、消化酵素及び酸の分泌、胃腸の運動性、消化酵素の補給に関連する異常;炎症、特に胃腸系に作用するもの;逆流疾患及び栄養吸収の調節の治療に用いることができる。本発明の分子での治療で有益であろう特定の状態には、これらに限らないが、糖尿病性胃不全麻痺、術後胃不全麻痺、迷走神経切断、慢性特発性腸偽閉塞症及び胃食道逆流疾患がある。更なる使用には、放射線学的研究のための胃内容排出、胆のう収縮の刺激及び洞切除術がある。
本発明の分子の運動及び神経効果は、肥満症及び神経学的フィードバックが栄養吸収を調節する他の代謝異常の治療に役立つ。本発明の分子は、満腹、グルコース吸収及び代謝、並びにニューロパシー関連の胃腸の障害を調節するために役立つ。
本発明の分子は、グルコースを含む、抗低血糖症調製物への添加物として及び迅速な栄養作用を必要とする経口剤のための吸収増強剤としても役立つ。更に、本発明の分子は、グルコース誘導性インスリン放出を刺激するために用いることができる。
医薬的使用のため、本発明のタンパク質は、非経口、鼻内吸入、特に静脈内又は皮下デリバリーのために、慣用的な方法に従って調剤される。静脈内投与は、1〜数時間の典型的な期間にわたるボーラス注射又は注入によるであろう。一般に、医薬製剤は、医薬として許容されるビヒクル、例えば塩類溶液、緩衝塩類溶液、水中の5%デキストロース等と組み合わせてzsig33タンパク質を含むであろう。製剤は、更に、1又は複数の賦形剤、防腐剤、可溶化剤、緩衝剤、容器表面上のタンパク質の損失を防ぐためのアルブミン等を含み得る。調剤の方法は当該技術分野において公知であり、引用により本明細書に組み込まれるRemignton’s Pharmaceutical Sciences, Gennaro, ed., Mack Publishing Co., Easton PA, 1990に開示される。治療投与量は、一般に、1日当り患者の体重1kg当り0.1〜100μg、好ましくは0.5〜20μgであるが、正確な投与量は、治療すべき状態の性質及び激しさ、患者の特性等を考慮して容認された基準に従って医師により決定されよう。投与量の決定は当業者のレベル内にある。本タンパク質は、急性治療のために、1週間又はそれ未満にわたって、しばしば1〜3日の期間にわたって投与しても、慢性治療において、数ヶ月又は数年にわたって用いてもよい。例えば、zsig33の治療に有効な量は、胃の運動性及び栄養吸収の変化を測定するために用いられるパラメータに臨床的に大きな変化を与えるのに十分な量である。このような測定を行うための特定のテストは当業者に周知である。
実施例
実施例1
分泌配列を含むcDNAについてのcDNAデータベースの調査は、モチリンとを相同性を有する発現される配列タグ(EST)を示した。そのcDNAはヒト胎児膵臓cDNAライブラリー由来である。
EST配列の確認を、ESTの起源であるcDNAの配列分析により行った。このcDNAはプラスミド内に含まれており、それをクローニング部位を用いて切り出した。その分析は、そのcDNAが、zsig33をコードするDNAの完全なコーディング配列を包含していることを示した。
実施例2
Clonetech(Palo Alto, CA)からのHuman Multiple Tissue Blots及びHuman RNA Masterドットブロットを用いてノーザン分析を行った。そのプローブは約40bpオリゴヌクレオチドのZC12,494(配列番号:5)であった。そのプローブを、T4 Polynucleotide Kinase’(Life Technologies, Inc, Gaithersburg, MD)及びT4 Polynucleotide Kinase Forward Buffer(Life Technologies, Inc.)を用いて端を標識した。そのプローブを、NUCTRAPプッシュカラム(Stratagene, La Jolla, CA)を用いて精製した。プレハイブリダイゼーションのため及びノーザンブロットのためのハイブリダイズ溶液としてEXPRESSHYB(Clonetech)溶液を用いた。ハイブリダイゼーションを42℃で行い、そのブロットをRTで2×SSC及び0.05% SDSで洗い、次に71℃で1×SSC及び0.1% SDSで洗った。約600bpの転写物が、膵臓及び小腸で見られた弱いシグナルと共に、胃内の強力なシグナルとして観察された。
実施例3
2匹の雄のSprague-Dauleyラット約12週令(Harlan, Indianapolis, IN)をウレタンで麻酔し、それらの胃を小さな膜の切開により露出させた。2つの2.4mm変換用結晶を、円形の収縮が2つの結晶間の距離の変化としてモニターできるように、胃の洞部分においた。その結晶は、VETBOND TISSVE ADHESIVE(3M, St. Paul, MN)で接着した。
1μMのアセチルコリン10μlを、2つの結晶の間に胃に局所的に適用し、2つの結晶間の距離を迅速であるが一時的に増加させた。1μMのノルエピネフリン(NE)10μlにより2つの結晶間の距離を減少させた。NEで誘導した減少の大きさは、アセチルコリンで誘導した増加の約50%の距離であった。両方の応答は一時的であった。
リン酸緩衝液(PBS)10μlの陰性対照を結晶間に局所的に適用した場合に効果はなかった。
(配列番号:2のアミノ酸残基24(Gly)〜アミノ酸残基37(Gln)までの)14アミノ酸zsig33ペプチドをPBSに溶かし、最終濃度1μg, 10μg又は100μgについて局所的に適用した。1μgのzsig33は結晶の距離の持続的な周期的な増加及び減少を誘導した。この効果は、濃度10μg及び100μgでテストした場合に速度及び振幅の両方の応答が増加し、投与量に依存するようである。
実施例4
8匹の雌のob/obマウス約6週令(Jackson Labs, Bar Harbor, ME)を、2週間、1日4時間の摂食スケジュールに順応させた。摂食スケジュールで2週間後、マウスに、それらの食事時間の直後(食事後)に、経口強制栄養法により、100μlの滅菌0.1% BSA中14アミノ酸zsig33ペプチド(配列番号:2のアミノ酸残基24(Gly)〜アミノ酸残基37(Gln))100μgを与えた。30分後に、マウスを0.5ml容量の25%グルコースで経口的に刺激した。血清グルコースレベルを測定するために、眼窩後方の採血を行った。zsig33投与の前、経口グルコース刺激の前、並びにグルコース刺激後1,2,4、及び20時間に血液を採取した。
zsig33ペプチドを経口グルコース刺激前30分に100μgで経口的に与えた場合に、食事後グルコース吸収の増加が見られた。
実施例5
配列番号:2のアミノ酸残基24(Gly)〜アミノ酸残基37(Gln)に相当するペプチドであるzsig33−1を、モデル431A Peptide Synthesizer(Applied Biosystems/Perkin Elmer, Foster City, CA)を用いて、固相ペプチド合成により合成した。Fmoc-Glutamine樹脂(0.63mmol/g ; Advanced Chemtech, Louisville, NY)を、最初の支持体樹脂として用いた。1mmolアミノ酸カートリッジ(Anaspec, Inc. San Jose, CA)を合成のために用いた。2(1−Hベンゾトリアゾール−1−イル1,1,3,3−テトラメチルメルロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HoBt)、2m N,N−ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルピロリドン、ジクロロメタン(全てApplied Biosystem/Perkin Elmer)及びピペリジン(Aldrich Chemical Co., St. Louis, MO)の混合物を合成試薬のために用いた。
zsig33−1ペプチドの合成についての凝集可能性及び困難性のレベルを予想するためにPeptide Companionソフトウェア(Peptides International, Louisville, KY)を用いた。製造元の説明に従ってシングルカップリングプログラムを用いて合成を行った。
ペプチドを、(Peptide Cleave manual, Applied Biosystems/Perkin Elmerに従って)標準TFA開裂法に従って固相から開裂させた。ペプチドの精製を、C18, 10μm半調製用カラム(Lydac, Hesperial, CA)を用いてRP-HPLCにより行った。そのカラムから溶出した画分を収集し、エレクトロスプレー質量分析により、量及び純度について分析した。その溶出された材料の2つのプールを収集した。質量分析は、両方のプールが、1600ダルトンの分子量のzsig33の精製形態を含んでいることを示した。これは予想通りの分子量であり、従ってそれらのプールを組み合わせ、凍結し、そして凍結乾燥した。
実施例6
zsig33の“GeneBridge 4 RH Panel”でのマッピングのために、20μlの反応物を96ウェルマイクロタイタープレート(Stratagene, La Jolla, CA)にセットし、“Robocycler Gradient 96”サーマルサイクラー(Stratagene)に用いた。95のPCR反応物の各々は、2μlの10×KlenTaq PCR反応緩衝液(CLONTECH Laboratories, Inc., Palo Alto, CA), 1.6μlのdNTP混合物(各々2.5mM, Perkin-Elmer, Foster City, CA), 1μlのセンスプライマー、1μlのアンチセンスプライマー、2μlの“RediLoad”(Research Genetics, Inc., Huntsville, AL), 0.4μlの50×Advantage KlenTaq Polymerase Mix(Clontech Laboratories, Inc.)、個々のハイブリッドクローン又は対照からのDNA 25μg及び総量20μlになるようなddH2Oからなっている。その反応物に等量の鉱油を重層し、密封した。PCRサイクラーの条件は次の通りであった:95℃で5分の変性の最初の1サイクル、95℃で1分の変性、64℃で1分のアニーリング及び72℃で1.5分の伸長の35サイクル、次に72℃で7分の伸長の最後の1サイクル。その反応物を3% NuSieve GTGアガロースゲル(FMC Bioproducts, Rockland, ME)での電気泳動により分離した。
その結果は、zsig33は、WICGR染色体3放射ハイブリッドマップ上のフレームワークマーカーAFMA216ZGlから10.43cR_3000に位置することを示した。近位及び遠位フレームワークマーカーは各々AFMA216ZGl及びD3S1263であった。取り囲むマーカーの使用は、zsig33を一体化したCDB染色体3マップ上の3p26.1領域内に置く(The Genetic Location Database, University of Southhampton, wwwサーバー:http://cedar. genetics. soton. ac. uk/public_html/)。
実施例7
局所的に適用されたzsig33ペプチド(配列番号:2のアミノ酸24〜37)の、断食させた雄のSprague-Dawleyラット(Harlan, Indianapolis, IN)の胃を通してのフェノールレッドの変化への効果を評価した。ラット(6の動物、8週令)を、ウレタン(0.5ml/25%溶液100グラム)で麻酔する前24時間、断食させた。麻酔した後、その動物に1mlのフェノールレッド溶液(2%メチルセルロース溶液中50mg/ml)1mlを経口的に強制摂食させた。
各々の動物の胃を、小さく腹に切り込みを入れて露出させ、1μgのzsig33ペプチド又はスクランブル配列ペプチドのアミノ酸対照を、強制摂食後5分に、胃に局所的に適用した。胃に残ったフェノールレッドの量を、強制摂食後30分に抽出した胃の内容物の光字密度を測定することにより決定した。
zsig33ペプチドはスクランブルペプチドと比較して、約25%だけ、胃内に残ったフェノールレッドの量を減少させ、このことは、zsig33ペプチドが、これらのラット内の胃内容排出も促進することを示す。
実施例8
16の雌のob/obマウス8週令(Jackson Labs, Bar Harbor, ME)に、2週間、特別1日に4時間の摂食スケジュールを行った。マウスには、1日の午前7:30〜11:30分に無制限に摂食させた。摂食スケジュールを2週間行った後、マウスを8匹の2つのグループに分けた。1つのグループには、食事を与える直前及び4時間の摂食時間の終りに、経口強制摂食により、100μl滅菌0.1%BSQA中1.0μg/マウスのzsig33−1(14アミノ酸ペプチド)及び他のビヒクル(14アミノ酸スクランブル配列ペプチド)を与えた。そのマウスに、14日間、1日に2回、注入し、その間、食事を与え、毎日、体重を測定した。14日目に、zsig33−1ペプチドの2回目の経口強制摂食の直後、マウスを0.5ml容量の25%グルコースで刺激した。眼窩後方の採血を、zsig33−1ペプチド又はビヒクルの投与の直前(t=30分)、並びにグルコース刺激後0,1,2、及び4時間に、血清グルコースレベルを決定するために行った。
結果は、zsig33−1を1μg/マウスで経口的に与えた場合、毎日の体重又は食物摂取測定に、又は14日目に測定したグルコースクリアランスに影響はないことを示した。
実施例9
A.消化管ノーザン組織ブロット
ノーザンブロットを、以下のソースからのmRNAを用いて調製した:
1.ヒト結腸直腸腺癌細胞系SW480からのRNA(Clontech, Palo Alto, CA)
2.ヒト小腸組織からのRNA(Clontech)
3.ヒト胃組織からのRNA(Clontech)
4.ヒト腸平滑筋細胞系(Hism ; ATCC No. CRL-1692 ; American Type Culture Collection, 12301 Parklawn Drive, Rockville, MD)
5.正常なヒト結腸細胞系(FHC ; ATCC No. CRL-1831 ; American Type Culture collection)
6.ヒトの正常な胎児小腸細胞系(FHs74 Int. ; ATCC No. CCL241 ; American Type Culture Collection)
全体のRNAを、酸グアニジウム法(Chomczynskiら、Anal. Biochem. 162 : 156-159, 1989)により、Hism, FHC及びFHs74 Int.から単離した。ポリA+ RNAを、全RNAを、ポリA+ RNAを保持するカラム(Avivら、Proc. Nat. Acad. Sci. 69 : 1408-1412, 1972)を通して溶出することにより選択した。各々のサンプルからのポリA+ RNA 2μgを、2.2Mホルムアルデヒド及びリン酸緩衝液中に分離した。そのRNAを一晩、20×SSC中のNytran膜(Schleicher及びSchuell, Keene, NH)に移した。そのブロットを、0.12ジュールでUV Stratalinker 2400(Stratagene, La Jolla, CA)中に処理した。次にそのブロットを1時間、80℃に熱した。
PCRにより増幅した(配列番号:1に示される)全長のcDNAを用いて、50ngのzsig33 DNA及び42.5μlの水を、製造元の説明に従ってRediprimeペレットキット(Amersham, Arlington Heights, IL)を用いて32P dCTPで放射能標識した。そのブロットを55℃で一晩、EXPRESSHYB(Clontech)中でハイブリダイズさせた。そのブロットを室温で2×SSC及び0.1% SDSで、次に65℃で2×SSC及び0.1% SDSで、そして最後に65℃で0.1×SSC及び0.1% SDSで洗った結果は、zsig33は胃RNAとハイブリダイズするが、他の組織源からのRNAとはハイブリダイズしないことを示した。
B.腫瘍ノーザンブロット
Northern TerritoryTM-Human Tumor Panel Blot II(Invitrogen, San Diego, CA)及びNorthern TerritoryTM Human Stomach Tumor Panel Blot(Invitrogen)を、zsig33 RNAの発現パターンについて分析した。
Human Tumor Panel Blotは、レーン当り20μgの全RNAを含んでおり、それを、2%変性ホルムアルデヒドゲル上に走らせた。そのブロットは、食道腫瘍、正常な食道、胃腫瘍、正常な胃、結腸腫瘍、正常な結腸、直腸腫瘍及び正常な直腸からのRNAを含んでいた。Stomach Tumor Panel Blotは、4つの別個のドナーのヒトの正常な組織から単離された全RNAを含んでいた。20μgのRNAを各々のサンプルレーンに用い、各々のドナーからの正常及び腫瘍セットをレーンに交互においた。
約40bpオリゴヌクレオチドZC12,494(配列番号:5)であるプローブを調製した。そのプローブを、T4ポリヌクレオチドキナーゼ(Life Technologies, Inc., Gaithersburg, MD)及びT4ポリヌクレオチドキナーゼフォワードバッファー(Life Technologies, Inc.)を用いて端を標識した。それらのプローブを、NUCTRAPプッシュカラム(Stratagene, La Jolla, CA)を用いて精製した。その腫瘍ブロット及び胃ブロットを、両方とも、同じ方法で処理した。EXPRESSHYB(Clontech)溶液を、プレハイブリダイゼーションのため及びノーザンブロットのためのハイブリダイジング溶液として用いた。ハイブリダイゼーションを42℃で行い、そのブロットを60℃で0.2×SSC及び0.01% SDS中で洗い、次に70℃で0.1×SSC及び0.1% SDS中で洗った。結果は、zsig33は、Human Tumor Panel及びHuman Stomach Tumor Panelの両方において正常な胃組織において排他的に発現されることを明らかに示す。
以上の記載から、本発明の特定の実施形態が詳述する目的のため本明細書に記載されているが、本発明の精神及び範囲から離れることなく種々の改良を行うことができることが認められるであろう。従って、本発明は、添付の請求の範囲以外では限定されない。
配列表
(1)一般情報
(i)出願人:ZymoGenetics, Inc. 1201 Eastlake Avenue East Seattle WA USA 98102
(ii)発明の名称:モチリン相同体
(iii)配列の数:7
(2)SEQ ID NO:1の情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:351塩基対
(B)タイプ:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖
(ii)分子のタイプ:cDNA
(ix)特徴:
(A)名称/キー:コード配列
(B)位置:1...351
(D)他の情報:
(A)名称/ギー:シグナル_ペプチド
(B)位置:1...69
(D)他の情報:
(A)名称/キー:成熟ペプチド
(B)位置:70...351
(D)他の情報:
(xi)配列の詳細:SEQ ID NO:1:
Figure 0004335318
(2)SEQ ID NO:2の情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:117アミノ酸
(B)タイプ:アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖
(ii)分子のタイプ:タンパク質
(v)フラグメントタイプ:内部
(xi)配列の詳細:SEQ ID NO:2:
Figure 0004335318
(2)SEQ ID NO:3の情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:546塩基対
(B)タイプ:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖
(ii)分子のタイプ:cDNA
(ix)特徴:
(A)名称/キー:コード配列
(B)位置:40...396
(D)他の情報:
(xi)配列の詳細:SEQ ID NO:3:
Figure 0004335318
(2)SEQ ID NO:4の情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:119アミノ酸
(B)タイプ:アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖
(ii)分子のタイプ:タンパク質
(v)フラグメントタイプ:内部
(xi)配列の詳細:SEQ ID NO:4:
Figure 0004335318
(2)SEQ ID NO:5の情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:40塩基対
(B)タイプ:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖
(ii)分子のタイプ:その他
(vii)直接起源:
(B)クローン:ZC12494
(xi)配列の詳細:SEQ ID NO:5:
Figure 0004335318
(2)SEQ ID NO:6の情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:6アミノ酸
(B)タイプ:アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖
(ii)分子のタイプ:なし
(xi)配列の詳細:SEQ ID NO:6:
Figure 0004335318
(2)SEQ ID NO:7の情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:7アミノ酸
(B)タイプ:アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖
(ii)分子のタイプ:なし
(xi)配列の詳細:SEQ ID NO:7:
Figure 0004335318

Claims (18)

  1. ポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチド分子であって:
    (a)SEQ ID NO:1に示すヌクレオチド配列のヌクレオチド70〜ヌクレオチド111を含んで成るポリヌクレオチド分子;及び
    (b)SEQ ID NO:2に示すアミノ酸配列の残基24〜残基37をコードするヌクレオチド配列;
    から成る群より選ばれる、ポリヌクレオチド分子。
  2. ポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチド分子であって:
    (a)SEQ ID NO:1に示すヌクレオチド配列のヌクレオチド70〜ヌクレオチド123を含んで成るポリヌクレオチド分子;及び
    (b)SEQ ID NO:2に示すアミノ酸配列の残基24〜残基41をコードするヌクレオチド配列;
    から成る群より選ばれる、ポリヌクレオチド分子。
  3. ポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチド分子であって:
    (a)SEQ ID NO:1に示すヌクレオチド配列のヌクレオチド70〜ヌクレオチド351を含んで成るポリヌクレオチド分子;及び
    (b)SEQ ID NO:2に示すアミノ酸配列の残基24〜残基117をコードするヌクレオチド配列;
    から成る群より選ばれる、ポリヌクレオチド分子。
  4. ポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチド分子であって:
    (a)SEQ ID NO:1に示すヌクレオチド配列のヌクレオチド1〜ヌクレオチド111を含んで成るポリヌクレオチド分子;及び
    (b)SEQ ID NO:2に示すアミノ酸配列の残基1〜残基37をコードするヌクレオチド配列;
    から成る群より選ばれる、ポリヌクレオチド分子。
  5. SEQ ID NO:1に示すヌクレオチド配列のヌクレオチド1〜ヌクレオチド351を含んで成る、単離されたポリヌクレオチド分子。
  6. 前記ポリヌクレオチドがDNAである、請求項1記載の単離されたポリヌクレオチド分子。
  7. 下記の作用可能式に連結された要素を含んで成る発現ベクター:
    転写プロモーター;
    (a)SEQ ID NO:1に示すヌクレオチド酸配列のヌクレオチド70〜ヌクレオチド111を含んで成るポリヌクレオチド分子;及び
    (b)SEQ ID NO:2に示すアミノ酸配列の残基24〜残基37をコードするヌクレオチド配列;
    から成る群より選ばれるDNAセグメント;並びに
    転写ターミネーター。
  8. 請求項7記載の発現ベクターが導入され、前記DNAセグメントによりコードされるポリペプチドを発現する培養細胞。
  9. 単離されたポリペプチドであってSEQ ID NO:2に示すアミノ酸配列の残基24〜残基37を含んで成るポリペプチド
  10. 単離されたポリペプチドであってSEQ ID NO:2に示すアミノ酸配列の残基24〜残基41を含んで成るポリペプチド
  11. 単離されたポリペプチドであってSEQ ID NO:2に示すアミノ酸配列の残基24〜残基117を含んで成るポリペプチド
  12. 単離されたポリペプチドであってSEQ ID NO:2に示すアミノ酸配列の残基1〜残基37を含んで成るポリペプチド
  13. SEQ ID NO:2に示すアミノ酸配列の残基1〜残基117を含んで成る、単離されたポリペプチド。
  14. 精製された請求項9記載のポリペプチドを、薬理学的に許容されるビヒクルとの組合せにおいて含んで成る、薬理組成物。
  15. 抗体であってSEQ ID NO:2に示すアミノ酸配列の残基24〜残基117を含んで成るポリペプチドのエピトープに特異的に結合する抗体。
  16. ポリペプチドを製造する方法であって:
    請求項7記載の発現ベクターが導入され、これにより前記DNAセグメントによりコードされるポリペプチドを発現する細胞を培養する;そして
    当該ポリペプチドを回収する;
    ことを含んで成り、当該ポリペプチドがSEQ ID NO:2に示すアミノ酸配列の残基24〜残基37を含んで成る、前記方法。
  17. 胃の運動を刺激する方法であって、それを必要とするヒトを除く哺乳動物にSEQ ID NO:2に示すアミノ酸配列の残基24〜残基37を含んで成るポリペプチドを含んで成る薬理組成物を、摂取した物質の通過時間又は胃の空洞化を増大するのに十分な量で投与することを含んで成る方法。
  18. 胃の運動を刺激するための薬剤の調製における、請求項14に記載の薬理組成物の使用。
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