JP4335230B2 - 犬用歩行補助具 - Google Patents
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Description
なお、この種の補助具は一般に犬用(ペット用)車椅子と呼ばれているが、本発明は後記のように犬の尻部を載せて支持する座(サドル)を有さず、かつ、犬の後脚疾病のリハビリテーションを含む治療を目的として提案されるものであるから、犬用歩行補助具をその名称として採用している。
犬用車椅子は市販されているものを含めて種々工夫されているが、その基本構成は以下のとおりである(後記特許文献1,2,3)。
本体フレームは、犬の肩部両側から尻部両側に達する長さを有する一対の平行なバーと、これらのバーの後端部を相互に連結する連結バーとから構成されている。
本体フレームの後部下方には、犬の両後脚を端部を載せて支持(又は保持)する後脚支持部材が路面や床面と接触しない状態に設けられている。
この状態で犬の両後脚端部を後脚支持部材へ支持させ、前足のみにより路面又は床面上を歩行させる。
その結果、疾病を有する後脚の十分な保護には好ましいけれども、後脚の疾病のリハビリテーションを含む治療にはほとんど役立たないか、あるいは役立つことが少ない。
したがって、本発明の目的は、獣医のような治療の専門家でなくても、犬の後脚疾病の治療を一般の家庭においても容易に行うことができる犬用歩行補助具を提供することにある。
前記フレーム1の後部レベルを調節することにより、犬の後脚を完全に吊り下げた状態にして疾病のある後脚を十分に保護することができるほか、この後脚を吊り下げた状態でも犬は自由に後脚を動かすことができるから、疾病のリハビリテーションに役立つ。
したがって、獣医のような治療の専門家でなくても、犬の後脚疾病の治療を一般の家庭において容易に行うことができる。
図1は一実施形態の犬用歩行補助具の斜視図、図2は車輪取付け部の部分拡大縦断面図、図3は図2の矢印A−Aに沿う部分断面図、図4は前記犬用歩行補助具を犬に取り付けた状態の概略側面図である。
前記フレーム1の車輪設置位置の下部へほぼ垂直な脚棒5,5をそれぞれ固定するとともに、当該各脚棒5へスライド方向にのみ可動で止めねじ61によりスライド作動を阻止できる状態にスライド筒6を取り付け、各スライド筒の下端へ側方に向けて固定された軸受部材60へそれぞれ対応する車輪7を取り付けている。
また同様な目的のため、フレーム1と肩当て2との交差部やフレーム1と各脚棒5との連結部は、それぞれ溶接により両方の部材を相互に固定している。
前記のようにソケット部20をフレーム1へ溶接する前に、当該フレーム1には犬の体に接触する主要な部分に配置できるように、例えばスポンジその他の多孔性樹脂等からなるパイプ状の緩衝材11を適数装着しておく。また、各ソケット20の装着後、フレーム1の両端部には、安全性のため合成樹脂(例えばポリプラスチックス株式会社製の「ジュラコン」等のポリアセタール)で成形したキャップ10をそれぞれ圧入状に取付ける。
取付けバンド3は、それぞれ肩当て2の両端部分近傍へ小ねじ(符号なし)で取り付けられた第1部分30と第2部分31とから構成され、それぞれの部分30,31の自由端部の一方には雌状連結具32が、他方には雄状連結具33が取り付けられている。また、第1部分30及び第2部分31の一方又は双方の両端間には伸縮調整具34により、伸縮調整可能にしてある。
以上のように肩当て2へ各部品を取り付けた後、当該肩当て2の両端部をそれぞれ対応するソケット部20へ挿入し、小ねじ21によりそれぞれ当該各ソケット部20へ固定する。
この実施形態では、図2で示すように、各脚棒5へ長さ方向に沿って所要長さのスリット50を形成する一方、対応するスライド筒6へねじ62をねじ付けるとともに当該ねじ62の軸端部を前記スリット50へ案内することにより、各スライド筒6の脚棒5に対する回り止めとするほか、そのスライド範囲を規制している。したがってまた、各スライド筒6は前記ねじ62の軸部とスリット50の下端とにより、対応する脚棒5からの抜け出しが防止されるようになっている。
各スライド筒6の上端寄り部分には孔を形成してその孔と一致する位置にナット状部61aを溶接し、当該ナット状部61aへ蝶ねじからなる止めねじ(押しねじ)61をねじ込むことにより、所望のレベルで当該スライド筒6を対応する脚棒5へ固定することができるようにしてある。
図1及び図3で示されているように、各軸8は、車輪7,7が前進方向に向かって徐々に相互の間隔が狭まり、下方に向かって相互の間隔が徐々に広がるように適度に傾斜した状態とすることにより、各車輪7が安定して直進するようにしてある。
また、第1部分40及び第2部分41の一方又は双方の両端間には伸縮調整具44により、伸縮調整可能にしてある。
この状態で胴支持バンド4の第1部分40と第4部分41とを適度に緊張させ(あるいは適度に弛ませ)、犬9の胴90後部を前記胴支持バンド4で支持する。そして、後脚の疾病が最も重くて犬が四脚で歩行できない状態であれば、各スライド筒6の上下方向の位置を調節することにより、犬9の後脚91が路面ないし床面Gへ接触しない程度に前記フレーム1後部を浮上させた状態で犬9を前足のみで歩行させる。
また、犬9は後脚91の状態が良いときとかその他の理由で後脚91を動かしたいときはいつでも動かせる状態にあるので、その動きにより後脚91の疾病を回復の方向へ促進させることができる。
このように調節することにより、後脚91による軽い歩行運動を繰り返させて疾病の回復を促進させることができる。そして、このような状態においても犬は自らの選択により、後脚を床面等から浮かせた状態で前足のみで歩行をすることも、あるいは、後脚を使用して歩行することもできるから、獣医のような治療の専門家でなくても、犬の後脚疾病のリハビリテーションを含む治療を一般の家庭において容易に行うことができる。
10 キャップ
11 緩衝材
2 肩当て
20 ソケット部
21 小ねじ
22 緩衝材
3 取付けバンド
4 胴支持バンド
5 脚棒
50 スリット
6 スライド筒
60 軸受部材
61 止めねじ
62 ねじ
7 車輪
70 スリーブ状部
8 軸
80 ボルト部
Claims (2)
- 犬の尻部後方から胴部両側を経て肩部両側に達するに十分なほぼU字状のフレーム(1)と、当該フレーム(1)の先端部分に設けられたほぼアーチ形状の肩当て(2)と、当該肩当て(2)を犬の首部に取り付けるために当該肩当て(2)に設けられた取付けバンド(3)と、前記フレーム(1)の平行部へ犬の胴後部を支えるように取り付けられた胴支持バンド(4)と、当該胴支持バンド(4)よりも後方位置において前記フレーム(1)の両側方下部へ設置された車輪(7,7)とを備え、前記フレーム(1)の車輪設置位置の下部へパイプ状のほぼ垂直な脚棒(5,5)をそれぞれ固定するとともに、当該各脚棒(5)へスライド方向に可動なスライド筒(6)を取り付け、前記各脚棒(5)には長さ方向に沿ってそれぞれ一定長さのスリット(50)を形成し、当該各スリット(50)には、前記各脚棒(5)に対する各スライド筒(6)の回り止めとスライド範囲の規制が可能な状態に、対応する各スライド筒(6)に取り付けられたねじ(62)の軸部を案内する一方、前記各スライド筒(6)には対応する脚棒(5)に対するスライド作動を阻止できる状態に止めねじ(61)をそれぞれ取り付け、前記各スライド筒(6)の下端側方に向けて固定された軸受部材(60)へそれぞれ対応する車輪(7)を取り付けたことを特徴とする、犬用歩行補助具。
- 前記フレーム(1),肩当て(2),各脚棒(5)及び各スライド筒(6)はJIS7N01,同7003及び同5083の中のいずれかのアルミニウム合金のパイプからなり、前記フレーム(1)と肩当て(2)の交差部及び前記フレーム(1)と各脚棒(5)は溶接されている、請求項1に記載の犬用歩行補助具。
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- 2006-05-23 JP JP2006143416A patent/JP4335230B2/ja not_active Expired - Fee Related
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