JP4334890B2 - 熱転写フィルム用スプール - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱転写方式のプリンターに熱転写フィルムを装着するために用いる熱転写フィルム用スプールに関し、特に、電波による情報の非接触的通信による入出力を行うための非接触型情報記憶手段を具備させた熱転写フィルム用スプールであって、その非接触型情報記憶手段を熱転写フィルム用スプールに一層容易に且つ安全な位置に保持させることができるようにした熱転写フィルム用スプールに関する。
【0002】
【従来の技術】
熱転写フィルムは、ポリエチレンテレフタレートなどのプラスチックフィルムの一方の面に耐熱性滑性層を設け、もう一方の面に顔料や染料とバインダーの樹脂などからなる熱溶融性の色材転写層もしくは熱拡散性の色材転写層を設けたものである。これは通常、本体部が円筒状のスプールに所望の長さ、或いは、所定の画面数分が巻かれて担持されており、使用済の熱転写フィルムを巻き取るためのスプールと共に、所定のプリンターに装着して使用されるものである。
【0003】
このような熱転写フィルムの供給用スプールと巻き取り用スプールとは、それぞれを直接プリンターに装着して使用する場合と、予めカセットに両者をセットにして装填し、そのカセットをプリンターに装着して使用する場合とがある。
また、上記のスプールは、プラスチックの射出成形により作製したものが多く、通常、熱転写フィルムを巻き付ける巻芯とその両側の端部に回転軸を取り付けた形状であり、更に、駆動上の必要や、プリンター或いはカセットへの装着の都合から、ギアや切り欠き、フランジ(鍔)が設けられていることもある。
【0004】
また、近年熱転写記録技術の進歩の結果、特に熱転写フィルムは、その種類が多岐にわたるようになっており、これらの多種類の熱転写フィルムを一機種のプリンターで使用する場合が増えている。
この場合、熱転写フィルムの品種の識別は重要な問題であり、例えば、熱転写記録では、熱転写フィルムと熱転写受像シートとを組み合わせて用いるが、その組み合わせは個別に固定されている場合が多く、この組み合わせを誤ると所定の印画性能や耐久性が得られないばかりか、プリンターの誤動作や故障を引き起こす危険性もある。
【0005】
従来、熱転写フィルムの品種の識別は、熱転写フィルムを担持するスプールやカセットなどに品種ごとに異なる色彩を付与したり、品種コードや略称を記入したり、バーコードなどの機械認識コードを設けるなどの手法によって行われていた。また、他にもスプールやカセットの機能を阻害しない範囲で品種ごとに形状を変える手法、即ち、切り欠きの有無や数を変化させるなどの手法も知られている。
【0006】
しかし、これらの手法にはそれぞれ改善の余地があった。例えば、スプールやカセットの色彩を変化させることは、実用上使用し得る色彩の種類には限界があるし、また、異なる色彩のスプールやカセットを多種類用意することは、結果的にスプールやカセットのコスト増を招く問題がある。更にスプールやカセットの意匠性の点で好ましくない場合もある。
品種コードや略称を記入する場合は、その手法としてラベルを貼付するのが一般的であるが、ラベルは本来のスプールやカセットの機能には関わりのない余分な部材であり、更に貼付工程が追加されることで、工程全体を複雑化させコスト増の要因となる。
【0007】
また、熱転写フィルムと組み合わせて用いられる熱転写受像シートは、従来A4サイズやA6サイズなどの所定の寸法に断裁されたものが主流であったが、業務用途向けに長尺のロール状に形成してスプールに巻き付けて担持させたものが使用されるようになっている。このロール状の熱転写受像シートも用途に応じて種類が複数存在し、品種の識別に関する問題は熱転写フィルムの場合と同様である。また、このようなロール状の熱転写フィルムや熱転写受像シートでは、所定の寸法に予め断裁された種類のものと異なり、その使用量もしくは残量を検出することが困難な場合があった。
【0008】
このため、熱転写フィルムや熱転写受像シートとプリンターとの間では、適正な熱転写記録を行うために、種々のデータを送受信してプリンターの作動を制御することが行われるようになっている。
特に熱転写フィルムでは、その種類が多岐にわたるようになった結果、品質管理やリサイクルなどの観点から、熱転写フィルム用スプールやカセットなどに、その同一性や履歴、或いは、色濃度などに関する補正データなどの可変ないし固定データを記憶するための情報処理手段を装着することが行われるようになっている。
【0009】
このような情報処理手段の一つとして、電波による情報の非接触的通信による入出力を行う非接触型情報記憶手段が知られている。
このような非接触型情報記憶手段の典型的なものとしては、プリンター装置本体に設けられた情報通信のための送受信装置と、プリンター装置本体内部に着脱自在に装着される熱転写フィルムカセットなどの消耗部材供給装置に設けられ、前記プリンター装置本体に設けられた送受信装置と情報通信可能な送受信装置とで構成される。そして、これら送受信装置は、通常、アンテナとアンテナから入出力される電波によって搬送されるデータないし信号を処理し記憶するICチップなどからなる。
このような情報処理のための通信システムは、通常、RFID〔Radio Frequency Identification(無線周波数認識)〕と呼ばれているものである。
【0010】
このような非接触型情報記憶手段は、所定のアンテナとICチップなどが配置されたタグとして、例えば、熱転写フィルムのスプールやカセットなどの所定部分にこれを接着剤などで貼着する方法が一般的である。
具体的には、例えば、リボンカートリッジのサプライスプールのつば部の後面に、それぞれ環状のフレキシブル配線板(片面にループ状のアンテナと半導体集積回路チップでなるメモリICチップが実装されたもの)、保護フィルム及び保護シートを順次一体に積層してなるタグを貼り付けたインクリボンがある(例えば、特許文献1参照)。
【0011】
また、リボンカセットの側面に半導体チップ、電力供給・データ収集アンテナ及び回路部を一体化して取り付けた熱転写リボンカセットがある(例えば、特許文献2参照)。
【0012】
【特許文献1】
特開2000−355152号公報(図2、図5、図6、第2〜5頁)
【特許文献2】
特開2001−105703号公報(図4、図5、第2〜3頁)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特許文献1または2に記載された「インクリボン」または「熱転写リボンカセット」のように、非接触型情報記憶手段をサプライスプールまたはリボンカセットの表面に貼着して固定する方法は、比較的簡便な方法ではあるものの、実際の接着方法としては、接着作業を容易にするため、例えば、タグの背面に粘着剤と離型紙を用いたセパレート加工を施し、ラベラーなどを使用して貼着する方法が採られている。従って、タグの接着部分には不可避的に凹凸が生じ、表面摩擦などで傷つけられやすく、また比較的容易に剥離されて偽造行為を誘発するという問題もある。
また、前記タグのセパレート加工により、貼着作業自体は容易になるが、離型紙の使用や粘着剤加工などで製造コストが上昇する問題があった。
【0014】
本発明は、前述したような問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、熱転写方式のプリンターに熱転写フィルムを装着するために用いられ、非接触型情報記憶手段として電波によって非接触的に情報の入出力を行うためのアンテナと、該アンテナに接続された情報処理のための記憶素子とを備えたタグが装着された熱転写フィルム用スプールであって、その製造が容易で製造コストを低減できると共に、前記タグが外面に露出せず、剥離や傷つきの問題もなく、前記タグを一層容易に且つ安全な位置に装着でき、プリンター本体に設けられた送受信装置との間で安全、確実に情報通信を行うことのできる熱転写フィルム用スプールを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は、以下の本発明により解決することができる。
即ち、請求項1に記載した発明は、熱転写方式のプリンターに熱転写フィルムを装着するために用いる熱転写フィルム供給用スプールと熱転写フィルム巻き取り用スプールとで形成される熱転写フィルム用スプールにおいて、少なくともいずれか一方のスプールが、円筒状の巻芯の両端に回転軸を設けた形状であって、且つ、少なくとも一方の回転軸が、巻芯とは別ピースで形成され、少なくとも内側に該巻芯の端部内側に挿入して嵌め込まれる円筒状の挿入部を備えると共に、外側には軸部を備えた形状に形成され、更に、該円筒状の挿入部に、細長くて深さの深い凹溝状のポケット部が設けられ、該ポケット部に非接触型情報記憶手段として、電波によって非接触的に情報の入出力を行うためのアンテナと該アンテナに接続された情報処理のための記憶素子とを備えた情報通信用タグが収納されていることを特徴とする熱転写フィルム用スプールからなる。
【0016】
本発明において、一方の回転軸の円筒状の挿入部に設ける細長くて深さの深い凹溝状のポケット部は、前記情報通信用のタグを収納するために設けるものであり、シート状のタグを上下および左右方向に大きく動くことなく収納できる寸法であれば自由に設計して設けることができる。
また、このようなポケット部を設けた回転軸は、巻芯やもう一方の回転軸など、従来の熱転写フィルム用スプール部材と同様に、ポリスチレンやABS樹脂などのプラスチックの射出成形により容易に製造することができる。
【0017】
前記のような構成を採ることにより、前記情報通信用のタグは、接着剤の塗布や粘着剤によるセパレート加工を施すことなく、そのまま回転軸の挿入部に設けられた前記ポケット部に収納し、その挿入部を巻芯の端部内側に挿入し、嵌め込むだけで、ポケット部の開口部が巻芯で塞がれ、安全に熱転写フィルム用スプールに装着される。
従って、情報通信用のタグの装着が容易で、その製造コストを低減することができる。また、摩擦などによりタグが傷つけられることもなく、剥離などを心配する必要もなく、確実にプリンター本体に設けられた送受信装置と非接触による通信が可能となり、適正な熱転写印画を行うことができる。更に、外部からはタグの存在を視認できないため偽造行為の誘発を防止することもできる。
【0018】
尚、本発明の前記回転軸の円筒状の挿入部に設ける細長くて深さの深い凹溝状のポケット部は、熱転写フィルムの供給用スプールと巻き取り用スプールのうち、供給用スプールに設けることがより好ましいが、巻き取り用スプールに設けることもできる。
また、本発明の応用形態として、熱転写フィルム用スプールをカセットに装着して使用する場合は、前記タグ収納用のポケット部をカセットに設けることもできる。
更に、情報通信用のタグとして、情報の書き込み、消去、再書き込みを繰り返し行えるタグを用いた場合は、前記ポケット部にタグを収納した後、その開口部に嵌め込み式などのプラスチックの成形蓋を取り付けてもよく、或いは、更に成形蓋を超音波シールなどで熱溶着して完全密封して使用することもでき、それによりタグを一層安全に保護できると共に、偽造防止の点でも有効である。
【0019】
請求項2に記載した発明は、前記ポケット部が、円筒状の挿入部の周面の一部から反対側の周面に向けて、回転軸の軸線に沿う方向に細長くて深さの深い凹溝状に設けられていることを特徴とする請求項1記載の熱転写フィルム用スプールからなる。
【0020】
このような構成を採ることにより、請求項1に記載した発明の作用効果に加えて、前記ポケット部がフラットな形状に形成されるので、前記タグの収納作業を一層容易に行えると共に、タグを収納した回転軸の挿入部を巻芯の端部に挿入し、嵌め込むことにより、ポケット部の開口部が自動的に巻芯の内周面で閉鎖されるので、特に開口部の閉鎖手段を用いる必要がなく、一層容易に前記タグを熱転写フィルム用スプールに装着することができる。
【0021】
また、請求項3に記載した発明は、前記ポケット部が、円筒状の挿入部の周面の内側に、該周面に沿って、挿入部の先端側が開口する円弧形の凹溝状に設けられていることを特徴とする請求項1記載の熱転写フィルム用スプールである。
【0022】
このような構成は、前記タグの平面寸法に対して、円筒状の挿入部の直径が小さい場合に適するものであり、前記タグをポケット部に収納する際、タグを挿入部の先端側の開口部から、その円弧形に沿うように曲げながら差し込む必要があるが、ポケット部の開口部の長さをタグの寸法に合わせて大きくできるので問題なくタグを収納することができる。
この場合、収納したタグを安全にポケット部に保持させるためには、ポケット部の開口部の一部にタグの抜け出しを防止する係止爪を設けてもよく、また、巻芯の内側に、回転軸の挿入部を挿入して嵌め込んだ時、ポケット部の開口部に接する位置に、凸状の肉厚部を設けてタグの抜け出しを防止するようにしてもよい。
【0023】
このような構成を採ることにより、請求項1に記載した発明の作用効果に加えて、回転軸の円筒状の挿入部の直径がタグの寸法(長さ)よりも小さい場合でも、ポケット部の開口部の長さを大きくできるので、問題なくタグをポケット部に収納して熱転写フィルム用スプールに装着することができる。
尚、以上のような非接触による情報通信用タグの熱転写フィルム用スプールへの装着方法は、例えば、熱転写受像シートが巻き取りロールとしてプリンターに供給される場合には、熱転写受像シート用スプールにも同様に適用することができるものである。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を用いて本発明の実施の形態について説明する。
但し、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の図面に限定されるものではない。
図1の(イ)、(ロ)は、本発明の熱転写フィルム用スプールの一実施例の概略の構成を示す図であり、(イ)は、その正面図、(ロ)は、(イ)のA−A線断面図である。
図2は、本発明の熱転写フィルム用スプールに用いる非接触型情報通信用タグを収納するポケット部を設けた回転軸の一例の構成を示す斜視図である。
図3は、本発明の熱転写フィルム用スプールに用いる非接触型情報通信用タグを収納するポケット部を設けた回転軸の図2とは異なる一例の構成を示す斜視図である。
図4は、本発明の熱転写フィルム用スプールに収納する非接触型情報通信用タグの一例の構成を示す平面図である。
【0025】
図1に示した熱転写フィルム用スプール100は、通常は、熱転写フィルムの供給用スプールとして用いられるタイプのスプールであって、(イ)の正面図に示すように、中央部の円筒状の巻芯1と、その両側の端部に装着された回転軸2と回転軸2a とで形成され、一方(図において左側)の回転軸2は、内側から外側に向かって、巻芯1の端部内側に挿入して嵌め込まれる円筒状の挿入部3、フランジ9、軸部4が順に設けられて形成され、また、もう一方(図において右側)の回転軸2a は、内側から外側に向かって、巻芯1の端部内側に挿入して嵌め込まれる円筒状の挿入部3a 、フランジ9a 、軸部4a が順に設けられて形成されると共に、円筒状の挿入部3a には、図1の(ロ)のA−A線断面図および図2に示すように、円筒状の挿入部3a の周面の一部から反対側の周面に向けて、回転軸の軸線に沿う方向に細長くて深さの深い凹溝状のポケット部8a が設けられ、このポケット部8a に、例えば図4に示したような構成の非接触型情報通信用タグ20を収納できるように構成されている。
【0026】
また、回転軸2a の挿入部3a の外周面には、図1の(ロ)および図2に示すように、ガイド用凸条部6、6を設け、また巻芯1の内周面には、これに対応するガイド用溝7、7を設けて、回転軸2a の挿入部3a を巻芯1に挿入する際のガイドとし、また、両者の位置決めおよび回転時のスリップを防止できるように構成されている。この点は図には示していないが、もう一方の回転軸2についても同様に構成することができる。
【0027】
このような熱転写フィルム用スプール100の製造は、特に限定はされないが、例えば、プラスチックの射出成形により容易に製造することができる。射出成形で製造する場合、使用する樹脂としては、ポリスチレン、ABS樹脂、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12などのポリアミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などのポリエステル、中密度ポリエチレン乃至高密度ポリエチレンなどのポリエチレンなどを使用することができる。これらの中でもポリスチレン、ABS樹脂は、適度の硬さ、機械的強度を備えると同時に、低コストであることから特に好ましく使用することができる。
【0028】
図1に示したような構成を採ることにより、円筒状の巻芯1の一方(図において左側)の端部の内側に、回転軸2をその挿入部3を挿入して嵌め込んだ後、もう一方(図において右側)の端部の内側に、回転軸2a (図2も参照)の円筒状の挿入部3a に設けられたポケット部8a に、図4に示したような構成の非接触型情報通信用タグ20を差し込んで収納し、その回転軸2a の挿入部3a を、巻芯1の内周面に設けられたガイド用溝7、7と挿入部3a 外周面に設けられたガイド用凸条部6、6とを位置合わせして挿入し、嵌め込むことにより、非接触型情報通信用タグ20が回転軸2a の挿入部3a のポケット部8a に収納された熱転写フィルム用スプール100を容易に組み立てることができる。
この場合、ポケット部8a に収納された非接触型情報通信用タグ20は、ポケット部8a の開口部が巻芯1の内周面で自動的に閉鎖されるので、特に開口部に閉鎖手段を用いなくても抜け出すことがなく、安全にポケット部8a 内に保持される。また、収納された非接触型情報通信用タグ20は、外部からは見えないので偽造防止の点でも効果的である。
【0029】
図2、図3は、それぞれ本発明の熱転写フィルム用スプールに用いる非接触型情報通信用タグを収納するポケット部を設けた回転軸の一例の構成を示す斜視図であり、いずれもポケット部の形状を説明するため、巻芯の端部内側に挿入する挿入部側から見た斜視図である。
図2は、図1に示した熱転写フィルム用スプール100に用いた回転軸2a の構成を示すものであり、回転軸2a は、図において手前側から後方に向けて、巻芯1の端部内側に挿入される円筒状の挿入部3a とフランジ9a と軸部4a とを備えると共に、円筒状の挿入部3a には、その周面の一部から反対側の周面に向けて、回転軸の軸線に沿う方向に細長くて深さの深い凹溝状のポケット部8a が設けられ、更に挿入部3a の周面の前記ポケット部8a を設けた部分とは異なる位置に、巻芯1の内周面に設けられたガイド用溝7、7〔図1の(ロ)参照〕に嵌め込んでスライドさせて挿入できるようにガイド用凸条部6、6を設けて構成したものである。
【0030】
回転軸2a をこのように構成することにより、ポケット部8a がフラットな形状に形成されるので、図4に示したような非接触型情報通信用タグ20のポケット部8a に収納する際、その収納作業を一層容易に行えるようになり、また、非接触型情報通信用タグ20を収納した回転軸2a の巻芯1への挿入など、熱転写フィルム用スプール100の組み立てを生産性よく行えるようになる。
【0031】
図3に示した回転軸2b は、その挿入部3b に設ける非接触型情報通信用タグを収納するポケット部8b の形状のみを、前記図2に示した回転軸2a とは異なる形状に変更して構成したものであり、その他の部分は、図2に示した回転軸2a と同様に形成して構成したものである。
即ち、図3に示した回転軸2b は、そのポケット部8b を、円筒状の挿入部3b の周面の内側に、その周面に沿って、挿入部3b の先端側が開口する円弧形の凹溝状に形成して構成したものである。
このような構成は、請求項3に記載した発明の熱転写フィルム用スプールのポケット部の構成に相当するものであり、前述したように、例えば、図4に示したような非接触型情報通信用タグ20の平面寸法に対して、円筒状の挿入部3b の直径が小さく、非接触型情報通信用タグ20をフラットな状態でポケット部に収納しきれない場合に適するものである。
【0032】
前記のような構成を採ることにより、ポケット部8b を、円筒状の挿入部3b の周面の内側に、その周面に沿って円弧形の凹溝状になるように形成できるので、挿入部3b の直径が比較的小さい場合でも、ポケット部8b の開口部の長さおよびその深さを収納する非接触型情報通信用タグ20の平面寸法(縦・横の寸法)に合わせて大きくすることができる。
従って、非接触型情報通信用タグ20をポケット部8b に収納する際、タグ20をポケット部8b の円弧に沿って曲げながら挿入する必要はあるが、問題なく非接触型情報通信用タグ20をポケット部8b に収納することができ、熱転写フィルム用スプールに安全に装着することができる。
この場合、ポケット部8b に収納された非接触型情報通信用タグ20の抜け出しを防止するためには、前述したように、ポケット部8b の開口部の一部にタグ20の抜け出し防止用の係止爪を設けてもよく、また、巻芯1の内周面側に、回転軸2b の挿入部3b を挿入して嵌め込んだ時、ポケット部8b の開口部に接する位置に、凸状の肉厚部を設けてタグ20の抜け出しを防止するようにしてもよい。
【0033】
次に、図4は、本発明の熱転写フィルム用スプールに収納する非接触型情報通信用タグの一例の構成を示す平面図であり、図4に示した非接触型情報通信用タグ20は、ポリエチレンテレフタレートシートなどの支持体の上に、電波によって非接触的に情報の入出力を行うための銅製などのアンテナ22と、そのアンテナ22に接続された情報処理のための記憶素子、即ち、ICチップ21とが設けられた構成であり、更に必要に応じて、その上に保護フィルムなどの保護層を設けて構成したものである。
【0034】
このような非接触型情報通信用タグ20は、従来、熱転写フィルム用スプールやカセットなどに取り付ける際には、更に一方の面に、ヒートシール剤やホットメルト材などの熱接着性樹脂層を設けるか、粘着剤を用いたセパレート加工を施し、被接着面に熱接着または加圧接着して取り付けられていた。
しかし、本発明では、このような熱接着性樹脂層の積層やセパレート加工を施す必要がなく、それでいて非接触型情報通信用タグ20を容易に且つ安全に熱転写フィルム用スプールに取り付けられるようにしたものであり、製造工程の簡略化と共に、接着剤や離型紙の使用を省略することができ、生産性の向上と大幅な製造コストの低減を可能としたものである。
【0035】
【発明の効果】
以上、詳しく説明したように、本発明によれば、熱転写方式のプリンターに熱転写フィルムを装着するために用いられ、非接触型情報記憶手段として電波によって非接触的に情報の入出力を行うためのアンテナと、該アンテナに接続された情報処理のための記憶素子とを備えたタグが装着された熱転写フィルム用スプールであって、その製造が容易で製造コストを低減できると共に、前記タグが外面に露出せず、剥離や傷つきの問題もなく、また、外側からはタグの存在を視認できないため、偽造行為などの誘発も防止することができ、前記タグを一層容易に且つ安全な位置に装着でき、プリンター本体に設けられた送受信装置との間で安全、確実に情報通信を行うことのできる熱転写フィルム用スプールを生産性よく提供できる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1の(イ)、(ロ)は、本発明の熱転写フィルム用スプールの一実施例の概略の構成を示す図であり、(イ)は、その正面図、(ロ)は、(イ)のA−A線断面図である。
【図2】本発明の熱転写フィルム用スプールに用いる非接触型情報通信用タグを収納するポケット部を設けた回転軸の一例の構成を示す斜視図である。
【図3】本発明の熱転写フィルム用スプールに用いる非接触型情報通信用タグを収納するポケット部を設けた回転軸の図2とは異なる一例の構成を示す斜視図である。
【図4】本発明の熱転写フィルム用スプールに収納する非接触型情報通信用タグの一例の構成を示す平面図である。
【符号の説明】
1 巻芯
2、2a 、2b 回転軸
3、3a 、3b 挿入部
4、4a 、4b 軸部
5、5a 切り欠き部
6 ガイド用凸条部
7 ガイド用溝
8a 、8b ポケット部
9、9a 、9b フランジ
20 非接触型情報通信用タグ
21 ICチップ
22 アンテナ
100 熱転写フィルム用スプール

Claims (3)

  1. 熱転写方式のプリンターに熱転写フィルムを装着するために用いる熱転写フィルム供給用スプールと熱転写フィルム巻き取り用スプールとで形成される熱転写フィルム用スプールにおいて、少なくともいずれか一方のスプールが、円筒状の巻芯の両端に回転軸を設けた形状であって、且つ、少なくとも一方の回転軸が、巻芯とは別ピースで形成され、少なくとも内側に該巻芯の端部内側に挿入して嵌め込まれる円筒状の挿入部を備えると共に、外側には軸部を備えた形状に形成され、更に、該円筒状の挿入部に、細長くて深さの深い凹溝状のポケット部が設けられ、該ポケット部に非接触型情報記憶手段として、電波によって非接触的に情報の入出力を行うためのアンテナと該アンテナに接続された情報処理のための記憶素子とを備えた情報通信用タグが収納されていることを特徴とする熱転写フィルム用スプール。
  2. 前記ポケット部が、円筒状の挿入部の周面の一部から反対側の周面に向けて、回転軸の軸線に沿う方向に細長くて深さの深い凹溝状に設けられていることを特徴とする請求項1記載の熱転写フィルム用スプール。
  3. 前記ポケット部が、円筒状の挿入部の周面の内側に、該周面に沿って、挿入部の先端側が開口する円弧形の凹溝状に設けられていることを特徴とする請求項1記載の熱転写フィルム用スプール。
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