JP4334059B2 - 原子力発電プラントの運転訓練支援装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はプラント状態を運転訓練用シュミレータで模擬して得る情報に基づいて運転員、技術スタッフなどを訓練する際に使用する原子力発電プラントの運転訓練支援装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
原子力発電プラントにおいては運転員等に対するプラント運転のための教育および訓練が不可欠であり、今日、運転訓練用シュミレータを用いる訓練方法が用いられている。プラント運転での発生が予想される多くの事象はこのシュミレータにおいて再現可能で、受講者はこれらの事象についての理解を深め、これに対処する方法を短時間で学ぶことができる。
【0003】
運転訓練用シュミレータで取り挙げられる事象は多岐にわたるが、現状において取り挙げられる事象は通常の運転において想定される様々な事象の範囲内であり、受講者が習得できる知識もシミュレーションが可能な通常運転における事象の範囲内に限られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この運転訓練用シュミレータによる教育の場面で、最近、これまでよりも広範にわたる炉心損傷以後までを含めた事故処理および対応操作の訓練が求められている。しかし、従来、シュミレータが炉心損傷後の苛酷事故まで取り挙げている例は皆無であり、一方、損傷炉心解析の専用のコードによる解析結果はその多くがプリントによる静的なもので、運転操作を訓練したり、プラント全体への事象の伝播の様子を学習することはできない。
【0005】
また、運転操作の訓練等においては様々な事象がこれまでに訓練してきた内容との連続性が保たれていれば、それだけ記憶のために有利である。しかしながら、損傷炉心解析の専用コードではシミュレーションの機能は、通常、運転訓練に用いるものとは独立したもので、連続性が保たれていない。
【0006】
さらに、苛酷事故に伴う事象の発生は確率が低く、また、通常、極めて複雑に要因がからみ合って容易に扱うことができない。さらに、対象とする時間も数時間から数日にわたり、一方、圧力容器に損傷等が生じたときの過渡変化は非常に速く、この2つの対照的に進行する事象に対応して有効に模擬し、表示することができない。
【0007】
また、訓練で必要なことは対象の事象を理解してこれに対処する方策を決め、操作手順を確実に記憶に留めることであるが、静的な資料が多くなればなる程、訓練の効果は上がらない。特に、事故のプラント全体への波及は極めて多方面にわたり、解析結果の局所的なプロットに頼る限り、プラント全体の把握のためには殆ど役立たない。
【0008】
一方、訓練上望ましいと考えられるのは制御盤等によらないで、ワークステーションで構成するシュミレータで苛酷事故時の各種パラメータの変化を追う方法、あるいは制御盤を用いて緊急対策室と連携して操作する方法などであり、いずれの場合も、運転操作の連続性を考慮すると、通常運転から異常時、非常時を経て連続的に苛酷事故に至る事象を一貫して模擬できることが求められる。しかし、従来のものはこうした要求には全く応えることができない。
【0009】
本発明の目的は通常運転から炉心損傷の発生以後を含む各局面を一貫して訓練することを可能にした原子力発電プラントの運転訓練支援装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の原子力発電プラントの運転訓練支援装置は原子力発電プラントの状態を予め与えられたシミュレーションに必要な状態値に基づいて模擬するシミュレーション手段、および得られた前記原子力発電プラントの状態を示す状態値を処理してグラフィック化して表示するデータ表示処理手段を有し、原子力発電プラントの運転を適正に行うための情報を提供する原子力発電プラントの運転訓練支援装置において、前記シミュレーション手段が該原子力発電プラントの状態を模擬するにあたり、前記予め与えられたシミュレーションに必要な状態値から燃料が破損しているか、否かを判定し、燃料が破損していないと判断されたとき、燃料の破損を想定していない燃料健全時のプラントモデルにて前記シミュレーション手段にシミュレーションを実施させ、燃料が破損していると判断されたとき、その燃料が破損している判断が最初である場合は燃料健全時のプラントモデルの物理量を変換して初期設定し、燃料が破損している判断が最初でない場合は燃料破損時の物理量で初期設定し、燃料破損時のプラントモデルにて前記シミュレーション手段にシミュレーションを実施させるモデル選択手段を有することを特徴とするものである。
【0011】
このような運転訓練支援装置においては燃料が破損していないと判断されたときと、そうでないときとをプラントモデルを切り換えてシミュレーションを実施するので、通常運転から炉心損傷の発生以後を含めた対応操作までを一貫して訓練することができる。
【0012】
また、本発明の運転訓練試験装置は燃料健全時のプラントモデルと燃料破損時のプラントモデルとを切り換えるにあたり、燃料が破損していると判断されたとき、その燃料が破損している判断が最初である場合は燃料健全時のプラントモデルの物理量を変換して初期設定し、燃料が破損している判断が最初でない場合は燃料破損時の物理量で初期設定した燃料破損時のプラントモデルに切り換えることを特徴とする。
【0013】
このような運転訓練支援装置においては燃料温度に応じた切り換えを果たすことが可能で、状態の変化を的確に突き止めたうえでプラントモデルを切り換えることができる。
【0014】
さらに、本発明の運転訓練試験装置はシミュレーション速度を設定するシミュレーション速度設定手段を備え、シミュレーション速度を設定するにあたり、シミュレーション速度を望ましい時間あるいは予測されるプラント状態値に基づいて定めることを特徴とする。
【0015】
このような運転訓練支援装置においては訓練上の望ましい時間に基づいて決まるシミュレーション速度により、たとえば進行速度の早い事象は進み具合をゆっくりさせて詳細に観察させることが可能になる。
【0016】
また、本発明の運転訓練試験装置は状態を示すデータをグラフィック化して表示するにあたり、状態の変化による同一対象部分での複数の物理的挙動を互いに相違する色を用いて表示することを特徴とする。
【0017】
このような運転訓練支援装置においては複数の物理的挙動を互いに相違する色で表示するので、挙動が視覚的に据え易くなり、理解を早め、かつ正確なものとすることができる。
【0018】
さらに、本発明の運転訓練試験装置は状態を示す該データをグラフィック化して表示するにあたり、状態の変化に伴う流体挙動を矢印および流線を用いて表示することを特徴とする。 このような運転訓練支援装置においては流体挙動を矢印および流線で表示するので、流体挙動が視覚的に据え易くなり、理解を早め、かつ正確なものとすることができる。
【0019】
また、本発明の運転訓練試験装置は音響信号を発生する音響発生手段を備え、音響信号を発生するにあたり、原子力発電プラントの動作時の音響を音響発生装置から出力することを特徴とする。
【0020】
このような運転訓練支援装置においてはシミュレーション中に事象の発生に合わせて模擬音を出力することにより臨場感を持たせることが可能になる。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施の形態を説明する。本実施の形態に係る方法はシュミレータ内の初期状態選択手段、初期値読み込み手段、モデル選択手段、第1のプラントシミュレーション手段、第2のプラントシミュレーション手段、操作信号発生手段、操作信号入力手段、プラントシステム機器シミュレーション手段、データ表示処理手段、シミュレーション速度設定手段、シミュレーション状態保存手段を用いて実施する。
【0022】
以下、図1のフローチャートを参照して詳細に説明する。シミュレーションの開始にあたり、初めに、プラントの初期状態を選択する(ステップ101)。次に、初期状態から指定されたファイルを読み込んだプラント状態の模擬値を設定する(ステップ102)。
【0023】
次に、燃料が健全であるか、否かを判定する(ステップ103)。この判定の結果、健全であると判定したとき、プラントのシミュレーションは燃料健全時のプラントモデルを使用して実施する(ステップ104)。この燃料健全時のプラントモデルとは従来と同様な燃料の破損を想定していないモデルのことである。本実施の形態はこのモデルとは別に燃料が破損した場合に用いる専用のプラントモデルを有する。
【0024】
2つのシミュレーションに用いるプラントモデルの切り換えの条件として、たとえば全燃料にわたって被覆管の最高温度が被覆管の損傷を発生する温度を超えたとき、燃料内の物質が圧力容器内に流出するので、その影響を模擬することが不可欠であり、これを健全であるか、否かの判定の基準として利用する。すなわち、
・ 燃料最高温度<基準値のとき、燃料健全時のプラントモデル
・ 燃料最高温度≧基準値のとき、燃料破損時のプラントモデル
のように決定する。
【0025】
この判定基準はこれに代えて、金属材料からなる被覆管が高温により酸化反応を生じ、被覆管が大きく破損する温度を使用してもよい。また、シミュレーションの精度を考慮して被覆管が損傷する温度よりもある値だけ低い温度を使用してもよい。
【0026】
一方、判定の結果、燃料が健全でない、つまり破損状態であると見極めると、異常判定が最初であるか、否かを判定する(ステップ105)。そして、最初であると判断したときは燃料健全時のプラントモデルと接続する(ステップ106)。一般に、シミュレーション用プラントモデルはその目的によって計算する物理量の精度、精度を得るためのモデルの詳細度が異なる。このため、ここではこれらの物理量を変換して接続する。
【0027】
たとえば、図2に示すようなモデルのノーディングをした場合、燃料健全時のプラントモデルの水の質量Mfを燃料破損時のモデルと対応するノードの体積Vf1、Vf2の比で分割して、
Mf1=Vf1/(Vf1+Vf2)*Mf…(1)
Mf2=Vf2/(Vf1+Vf2)*Mf…(2)
のように初期設定する。
【0028】
また、崩壊熱などの時間依存の物理量はそのときの状態量を接続してシミュレーションを実施する。すなわち、崩壊熱のモデルは
αHi/αt=βi*φ−λi*Hi、i=1、2、、、N…(3)
ここで、Hi:第i群の崩壊熱
φ:中性子束
βi:第i群の崩壊熱生成割合
λi:第i群の崩壊熱崩壊定数
である。
【0029】
すなわち、第i群の崩壊熱Hiを保存して燃料健全時のプラントモデルから入力することで、燃料破損時のモデルの初期値として用いることができる。また、他の時間依存の状態量についても同様に扱うことができる。
【0030】
次に、燃料破損時のモデルの初期値が得られたならば、破損レベルでのシミュレーションを実施する(ステップ107)。ここで、計算内容は原子炉および格納容器内の流体ならびに固体の圧力、温度、質量などである。これに加えて、燃料と水との化学反応、核分裂生成物、熱源の移動、燃料および各構成物の変形量を求める。すなわち、たとえば、次の量を算出することになる。
【0031】
熱水力現象としては
(1) 炉心ヒートアップ、水−ジルコニウム反応・水素発生
(2) 炉心溶融、炉心溶融によるブロッケージ
(3) 炉心スランプ(下部プレナムへの溶融炉心の落下)
(4) 圧力容器破損、溶融デブリの格納容器への放出
(5) 格納容器内炉心デブリの輻射による格納容器内雰囲気の温度上昇
(6) コア・コンクリート反応によるペデスタル床の侵食、非凝縮ガスの発生
(7) 格納容器の破損
核分裂生成物(FP)の挙動としては
(1) 過熱・溶融燃料からのFPの放出
(2) コア・コンクリート反応時のFP蒸発放出
(3) FP蒸気・エアロゾールの一次系/格納容器内での移行・沈着
(4) 一次系内の温度上昇による付着、FPの再蒸発
(5) サプレッションプールでのFPの除去
【0032】
さらに、原子炉および格納容器内の状態量が得られたならば、これらに基づいて他のタービンなどのプラントシステム機器の状態を計算する。次に、操作スイッチからの操作信号を入力し(ステップ108)、プラントシステム機器のすべてにわたってシミュレーションを実施する(ステップ109)。
【0033】
次に、プラント状態およびプラントシステム機器の状態を示すデータをディスプレイにグラフィック化して表示するべく処理する(ステップ110)。望ましい表示例の幾つかは後に図面を参照して詳しく説明されるが、いずれも視覚的に据え易く表示する必要がある。
【0034】
ところで、シミュレーションの時間は1周期のプロセス時間が実際に計算機でかかった時間よりも短ければ、実時間より早く、反対に、これよりも長ければ、実時間より遅いことになる。通常の訓練ではプラント運転の現実感を持たせるために実時間で動作するように計算のタイムステップと計算の待ち時間とを調整している。
【0035】
苛酷事故は、図3に示すように、一度事象が発生したならば、長時間にわたることから、学習を効果的に行うことを意図するのであれば、プラントの状態の変化が緩やかに推移するときには実際の数倍の速度で模擬することが考えられる。しかし、このような長時間にわたる事象の中でも機械的な破壊などを伴う事象では数秒から数分で終了することも起こり得る。このような事象の理解を深めるには短時間で終了させるのではなく、ゆっくりと時間をかけて事象を進ませるのが望ましい。
【0036】
そこで、本実施の形態においてはシミュレーション速度を設定する段階を含む(ステップ112)。このような方法により、特に、指定した時間領域ではタイムステップを細かくすること、あるいは待ち時間を長く設定することで事象を時間をかけて詳細に示すことができる。
【0037】
また、一連のシミュレーションでは事象を実時間に対して進ませる速度を予め設定することで学習成果をより高めることができる。たとえば、
【表1】
【0038】
などのように時間に対してタイムステップおよび待ち時間を設定する。また、このタイムステップの設定は次に起こる事象をシュミレータ自体が予測して設定してもよい。すなわち、たとえば1分後に圧力容器の厚さが零となることが予測可能であるとすれば、事象はここで大きく変化することになるので、タイムステップは短く設定し、詳細にその過程を表示できるようにする。図4にこのような事象のシミュレーション結果の表示例を示している。イラストにより事象の(2)から(3)への変化を詳細に観察することができる。
【0039】
次に、実施したシミュレーションの初期状態および他のすべての状態をファイルに保存する(ステップ112)。さらに、終了に向けてシミュレーション終了信号が与えられたか、否かを判断する(ステップ113)。シミュレーション終了信号が入力されたときはタスクを終了する。シミュレーション終了信号が与えられないとき、ステップ103に戻り、シミュレーションを継続する。
【0040】
本実施の形態での望ましい表示例の幾つかを説明する。図5は燃料の破損時の炉心の状態を示したもので、望ましくは、炉心の温度は色を相違させて表示し、視覚的に据え易くする。また、溶融落下を構造の変化で表示し、理解し易くする。さらに、それぞれの事象について詳しく知りたいときにはその部分を選択し、表示することができる。
【0041】
また、圧力容器内のガスおよびエアロゾルの流れはその方向と大きさとを矢印で示し、視覚的に据え易くする。すなわち、図6(a)に示すように、流れのない場合は矢印が示されず、一切の流動が発生していないと知ることができる。一方、流れのある場合、図6(b)に示すように、矢印によって流れ方向と大きさとが示され、詳しい流体挙動を知ることが可能である。
【0042】
さらに、これらの流れは移動する粒子を仮定してその粒子が流線方向に移動するようにして視覚的に据え易くする。図7(a)(b)はそれぞれ粒子の流れのない場合および粒子の流れのある場合を示している。このような方法においても、一方では流動が発生しないと知ることができ、他方では粒子の移動から挙動を正しく理解することが可能である。
【0043】
また、図8は事故の進展に伴うシミュレーション結果から原子炉建家内の状態を示したもので、ドライウェルおよびウェットウェルなどの温度、圧力、放射性物質の量などを知ることができる。また、これにより計測機器などが使用できるか、否か等を学習することが可能である。
【0044】
さらに、本実施の形態は同一事象について別々に実施したシミュレーション結果からお互いの相違点を確認することができる。たとえば、図9において、ケース2の実線は現在シミュレーション中で5時間が経過したことを表し、点線はケース2より注水のタイミングが早い場合のサンプルである。同じ注水量であっても、燃料溶融がある場合とない場合とでは溶融した燃料を冷却するためにその潜熱分の注水が必要であり、水位の上昇速度が遅くなっている。
【0045】
このように本実施の形態においては通常運転から炉心損傷の発生以後を含めた対応操作まで極めて多岐にわたる局面を一貫して訓練することができる。
【0046】
さらに、本発明の第2の実施の形態を説明する。本実施の形態に係る方法は上記実施の形態の各手段と共に、プラント動作時の音響を音響発生装置から出力する音響発生手段を用いて実施する。
【0047】
本実施の形態は図10に示すように、特に、音響発生手段による音響信号を発生する段階を含む(ステップ114)。
【0048】
たとえば、圧力容器が破損した場合、圧力が降下し、また、内部流体の流出が発生することで音響が発生する。このような場合以外でも機器の破損等で音響が発生する。このような音響は実際のプラントではマイクロフォン等で据えることが可能である。そこで、シミュレーションにおいても事象の発生と同時に音響信号を発生する。訓練用音響はデータベースに人工的に作られた音を蓄えておく。このデータベースから事象に合う音響を選択し、音響発生装置から出力する。図11に模擬音が発生する様子を示している。
【0049】
このように本実施の形態においては、特にシミュレーション中に事象の発生に合わせて模擬音を出力することで、より臨場感を持たせることが可能になる。
【0050】
【発明の効果】
本発明においては燃料が健全であるか、否かを判定し、健全であるとき、燃料健全時のプラントモデルにてシミュレーションを実施し、健全でないとき、燃料破損時のプラントモデルにてシミュレーションを実施するので、通常運転から炉心損傷以後を含めた対応操作までを一貫して訓練することができる。
【0051】
したがって、本発明によれば、原子力発電プラントの運転訓練における教育成果をより高めることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る運転訓練支援装置の第1の実施の形態における動作を示すフローチャート。
【図2】 本発明に係る運転訓練支援装置の第1の実施の形態におけるプラントモデルの物理量の接続を示す図。
【図3】 本発明に係る運転訓練支援装置の第1の実施の形態におけるプラントモデルの切り換えおよびシミュレーション速度設定を示す図。
【図4】 本発明に係る運転訓練支援装置の第1の実施の形態における異なるシミュレーション速度設定による応答を示す図。
【図5】 本発明に係る運転訓練支援装置の第1の実施の形態における圧力容器内の物理的挙動の表示例を示す図。
【図6】 (a)(b)は流体の流れのイラストによる表示例を示す図。
【図7】 (a)(b)は粒子の流動のイラストによる表示例を示す図。
【図8】 本発明に係る運転訓練支援装置の第1の実施の形態における各領域でのプラント状態量の表示例を示す図。
【図9】 苛酷事故事象の比較表示例を示す図。
【図10】 本発明に係る運転訓練支援装置の第2の実施の形態における動作を示すフローチャート。
【図11】 本発明に係る運転訓練支援装置の第2の実施の形態における音響の発生例を示す図。
Claims (6)
- 原子力発電プラントの状態を予め与えられたシミュレーションに必要な状態値に基づいて模擬するシミュレーション手段、および得られた前記原子力発電プラントの状態を示す状態値を処理してグラフィック化して表示するデータ表示処理手段を有し、原子力発電プラントの運転を適正に行うための情報を提供する原子力発電プラントの運転訓練支援装置において、前記シミュレーション手段が該原子力発電プラントの状態を模擬するにあたり、前記予め与えられたシミュレーションに必要な状態値から燃料が破損しているか、否かを判定し、燃料が破損していないと判断されたとき、燃料の破損を想定していない燃料健全時のプラントモデルにて前記シミュレーション手段にシミュレーションを実施させ、燃料が破損していると判断されたとき、その燃料が破損している判断が最初である場合は燃料健全時のプラントモデルの物理量を変換して初期設定し、燃料が破損している判断が最初でない場合は燃料破損時の物理量で初期設定し、燃料破損時のプラントモデルにて前記シミュレーション手段にシミュレーションを実施させるモデル選択手段を有することを特徴とする原子力発電プラントの運転訓練支援装置。
- 前記モデル選択手段は、前記燃料健全時のプラントモデルと前記燃料破損時のプラントモデルとを切り換えるにあたり、燃料最高温度と基準値とを比較し、燃料温度が基準値を超えたとき、前記燃料破損時のプラントモデルに切り換えることを特徴とする請求項1記載の原子力発電プラントの運転訓練支援装置。
- さらに、シミュレーション速度を設定するシミュレーション速度設定手段を備え、該シミュレーション速度を設定するにあたり、該シミュレーション速度を望ましい時間あるいは予測されるプラント状態値に基づいて定めることを特徴とする請求項1記載の原子力発電プラントの運転訓練支援装置。
- 前記データ表示処理手段は、状態を示す該データをグラフィック化して表示するにあたり、状態の変化による同一対象部分での複数の物理的挙動を互いに相違する色を用いて表示することを特徴とする請求項1記載の原子力発電プラントの運転訓練支援装置。
- 前記データ表示処理手段は、状態を示す該データをグラフィック化して表示するにあたり、状態の変化に伴う流体挙動を矢印および流線を用いて表示することを特徴とする請求項1記載の原子力発電プラントの運転訓練支援装置。
- さらに、音響信号を発生する音響発生手段を備え、該音響信号を発生するにあたり、該原子力発電プラントの動作時の音響を音響発生装置から出力することを特徴とする請求項1記載の原子力発電プラントの運転訓練支援装置。
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