JP4333031B2 - 電子書籍装置 - Google Patents

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JP4333031B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子化された書籍データを表示手段に表示する電子書籍装置関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、各種情報機器の発達に伴い、小説その他の書籍をデジタルデータ化したもの(以下、「書籍データ」と記す。)を再生する電子ブックリーダ(電子書籍装置)が提供されている。この電子ブックリーダは、LCD(Liquid Crystal Display;液晶ディスプレイ)等を備えており、そのLCD表示部において1ページ分の書籍データが表示される様になっている。
【0003】
また、書籍データをWEB経由で配信するサーバ(以下、「書籍データ配信サーバ」と記す。)SDからダウンロードした書籍データを携帯電話において再生することも提案されている。この場合は、携帯電話のLCD表示部に、受信した書籍データが表示される。この種の電子ブックリーダや携帯電話は、小型で携帯性に優れているので、ユーザは移動時或いは出先でも小説等を楽しむことができる。
【0004】
ここで、上記の様な従来の電子ブックリーダ或いは携帯電話における書籍データの表示の具体的態様を図19及び図20に示す。図19において符号191乃至196は夫々LCD表示部に表示される1ページ分の書籍データを示す。ユーザがページの送り操作を適時行うことで、LCD表示領域に表示される書籍データは、ページ191から、ページ192,ページ193…へと遷移する。
【0005】
また、図20において符号201乃至203は夫々LCD表示部に表示される1ページ分の書籍データを示す。この場合も、ユーザがページの送り操作を適時行うことで、LCD表示領域に表示される書籍データはページ201から、ページ202,ページ203…へと遷移する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この種の電子ブックリーダ及び携帯電話は、小型で携帯性に優れる反面、LCD表示部の表示領域の大きさには限界があると共に、視認性の観点から1ページ上には、多くの文字を表示することができない。
【0007】
しかしながら、従来技術に係る電子ブックリーダ及び携帯電話では、図19及び図20に示す様に、表示領域に物理的に表示可能な最大量の書籍データ(図19の例では、40文字分の書籍データ)を単にそのまま表示していたので、ページの境において文章が不自然に区切られてしまうことがあった。
【0008】
従って、ユーザはページの送り操作を行う過程で、表示される文章を読みにくく感じるだけでなく、途中で小説等の内容を把握しきれなくなることもあった。
【0009】
そこで本発明の目的は、携帯性等の観点から表示領域の大きさに制約がある場合であっても、ユーザが快適に小説等を閲読できる電子書籍装置提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成する為に、次のような特徴を有している。
【0011】
請求項1記載の発明は、
書籍データを表示する表示手段と、前記表示手段が一時に表示し得る最大の文字数分の範囲内において、前記書籍データを所定の区切条件に基づいて順次区切る区切手段と、前記区切手段によって区切られる各区切単位の書籍データを、前記表示手段に順次表示させる表示制御手段とを備える電子書籍装置において、
前記表示制御手段は、第1の区切単位の書籍データと、当該第1の区切単位の書籍データに続いて表示される第2の区切単位の書籍データとが類似するか否かを判定する判定手段を更に備え、
前記判定手段が、前記第1の区切単位の書籍データと前記第2の区切単位の書籍データとが類似すると判定した場合は、前記表示手段の表示内容を、前記第1の区切単位の書籍データから前記第2の区切単位の書籍データへと切り替える際に、当該表示内容が切り替わる旨を知らせる為の表示を前記表示手段に表示させることを特徴としている。
【0012】
ここで、表示内容が切り替わる旨を知らせる為の表示は、請求項2記載の発明の様に、前記表示手段の表示領域の全体又は一部を空白とする表示であることが望ましい。
【0013】
請求項1記載の発明によれば、充分な表示領域が確保できる場合のみならず、仮に、携帯性等の観点から表示領域の大きさに制約があり書籍データを閲読するに当たって表示手段の表示内容を頻繁に切り替える必要がある場合であっても、区切手段が、表示手段が一時に表示し得る最大文字数の範囲内において書籍データを所定の区切条件に基づいて順次区切ると共に、表示制御手段が、区切手段によって区切られる各区切単位の書籍データを表示手段に順次表示させるので、表示手段には、所定の区切条件に基づいて区分された書籍データのみが一時に表示される。
【0014】
即ち、表示手段の表示内容は、所定の区切条件に基づいて区分された書籍データ分毎に順次切り替わるので、表示領域に物理的に表示可能な最大量の書籍データを単にそのまま表示していた従来技術に比して、不自然な位置で文章が区切られるのを回避できる。従って、ユーザは小説その他の書籍を快適に閲読できる。また、表示手段の表示内容は、表示制御手段によって自動的に順次切り替えられるので、ユーザはページの送り操作等の様な煩雑な操作を何ら要することがない。
【0024】
ここで、判定手段が第1の区切単位の書籍データと、当該第1の区切単位の書籍データに続いて表示される第2の区切単位の書籍データとが類似するか否かを判定する際の判定基準は、特に限定されるものではないが、例えば、第1の区切単位の書籍データと第2の区切単位の書籍データとにおける文字数又は漢字若しくはひらがなの割合等が類似するか否かを判定する様にするとよい。
【0026】
さらに請求項記載の発明において、判定手段は、第1の区切単位の書籍データと、当該第1の区切単位の書籍データに続いて表示される第2の区切単位の書籍データとが類似するか否かを判定する。表示制御手段は、判定手段が、第1の区切単位の書籍データと第2の区切単位の書籍データとが類似すると判定した場合は、表示手段の表示内容を、第1の区切単位の書籍データから第2の区切単位の書籍データへと切り替える際に、当該表示内容が切り替わる旨を知らせる為の表示を表示手段に表示させる。
【0027】
これにより、仮に第1の区切単位の書籍データと第2の区切単位の書籍データとが類似する場合であっても、表示手段には表示内容が切り替わる旨を知らせる為の表示が表示されるので、ユーザはページの遷移を見落とすことがないという効果を奏する。
【0050】
【発明の実施の形態】
<第1の実施の形態>先ず、外観構成を説明する。図1に示す様に、携帯電話1は、筐体20の所定位置に、アンテナ部3a、LCD表示部6、次ジャンプキー51、前ジャンプキー52、スピードアップキー53、次ページキー54、前ページキー55、スピードダウンキー56、スタート/ストップキー57等を備える。
【0051】
次に内部構成を説明する。図2に示す様に、携帯電話1は、制御部2、無線送受信部3、ワークメモリ部4、キー入力部5、LCD(Liquid Crystal Display)表示部6、電源部7、及び不揮発メモリ部8によりその主要部が構成される。
【0052】
尚、図2は、携帯電話1に特有な機能を実現する為の構成要素を特に示すものであり、当該携帯電話1が周知の一般的な携帯電話としての機能を実現する為に必要なマイク部やスピーカ部等の構成要素の図示は省略している。また、以下に述べる構成要素の説明において、当該携帯電話1を実現する為の構成要素の特徴的な機能について説明するが、各々の構成要素は、その構成要素が備えるべき周知の機能を有しているのは勿論である。
【0053】
制御部2は、システムプログラムを記憶する内部メモリ(図示せず)を備えており、その内部メモリからシステムプログラムを読み出してワークメモリ部4に展開し、展開したシステムプログラムに規定された手順に従って当該携帯電話1の機能を実現すべく各構成要素に制御信号を出力してこれらを統括的に制御する。
【0054】
また、そのシステムプログラムには、制御部2が図3及び図4に示す処理を行う為のプログラムコードが含まれており、制御部2は、それらのプログラムコードに応じた動作を逐次実行する。
【0055】
尚、制御部2は無線基地局B等を介して送信されるプログラムコード等に応じた処理を実行することもできる。即ち、制御部2は、無線基地局B等を介して外部供給されるプログラムコード又は該プログラムコードに係るデータに基づいて図3及び図4に示す処理を行うこともできる。
【0056】
無線送受信部3は、アンテナ3aを備えており、該アンテナ3aを介して図2に図示する書籍データ配信サーバSDへアクセスする一方、その書籍データ配信サーバSDからのレスポンスを受信する。特に、無線送受信部3は、書籍データ配信サーバSDの書籍データ記憶部SD1に記憶されている書籍データが通信部(送受信部)SD2から配信されるので、この書籍データを、所定の通信プロトコルに従って無線基地局Bを介して受信する。
【0057】
ワークメモリ部4は、制御部2により実行される後述の各種処理において、システムプログラムや、そのシステムプログラムに係るデータ等を一時的に格納する為の記憶手段であり、例えばRAM(Random Access Memory)等がこれに相当する。
【0058】
キー入力部5は、図1に示す様に、筐体20の所定位置に配置される、次ジャンプキー51、前ジャンプキー52、スピードアップキー53、次ページキー54、前ページキー55、スピードダウンキー56、スタート/ストップキー57、書籍データ配信サーバSDのURL(Uniform Resource Locator)を入力する為の英数字キー、入力されたURL等のデータを確定する為の確定キー、及び複数の書籍データの中から所望の書籍データを選択する為の選択キー等を備えており、これらのキーが押下されるとその押下されたキーに対応する状態変化信号を制御部2へ出力する。
【0059】
LCD表示部6は、制御部2から出力される制御信号に従って、書籍データを文字(文字データ)として表示出力する。このとき、LCD表示部6は、縦8×横5の40文字、又は縦16×横10の160文字の2段階のポイント(大きさ)の何れか一方で文字データを表示できる。この切替えは制御部2によってなされる。また、LCD表示部6は、所定の言語で記述された書籍データ配信サーバSDのホームページの表示も行う。
【0060】
電源部7は、当該携帯電話1を構成する各部に電力を供給する為の充電池を備えており、制御部2からの制御信号に従って、電源のオン/オフの切替え等を行うと共に、充電池の残量を表すデータを制御部2へ通知する。
【0061】
不揮発性メモリ部8は、当該携帯電話1の電源がオフにされても記憶内容が消去されない記憶手段であり、例えば、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable and Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)等がこれに相当する。
【0062】
この不揮発性メモリ部8は、表示速度データ81、書籍データ特定情報82、書籍データ最終アドレス83、書籍データ84、ダウンロード済み書籍データ最終アドレス85、サーバURL(Uniform Resource Locator)86、次表示アドレス87、及び区切りファイル88等を記憶している。
【0063】
表示速度データ81は、LCD表示部6上に表示されるページを次のページへと制御部2が自動的に進める際の速さを表すデータである。ユーザは、スピードアップキー23又はスピードダウンキー26を押下操作することにより、この表示速度データ81を適宜設定することができる。
【0064】
書籍データ特定情報82は、複数種の書籍データの各々に対して予め割り当てられた所謂ID(identification)情報である。制御部2は、この書籍データ特定情報82によって、各々の書籍データを識別することができる。また、当該書籍データ特定情報82を書籍データ配信サーバSDへ送信した場合は、書籍データ配信サーバSDにおいて、該書籍データ特定情報82に対応する書籍データが識別される。
【0065】
書籍データ最終アドレス83は、その書籍データ84の最終アドレス、即ち当該書籍データ84の全体量を表すデータである。書籍データ84は、制御部2によって書籍データ配信サーバSDからダウンロードされるデータである。ダウンロード済み書籍データ最終アドレス85は、現時点においてダウンロードが完了した書籍データ84の量を表すデータである。
【0066】
サーバURL86は、書籍データ配信サーバSDのURLを表すデータである。次表示アドレス87は、一連の書籍データをページ別に区切って表示する際に、次のページの先頭に表示する文字データを表すアドレスである。この次表示アドレス87を参照することにより、制御部2は、或ページとそれに続くページの境目を認識する。
【0067】
区切りファイル88には、ページを区切る個所として好適な文字データ(以下、「区切り目安情報」と記す。)等が予め格納されている。
【0068】
以下、携帯電話1の動作について、図3乃至図10照して説明する。
【0069】
図3は、書籍データの表示に係る携帯電話1の全体的な動作を示すフローチャートである。先ず、ユーザは、携帯電話1のキー入力部5における英数字キーを押下操作することにより、書籍データ配信サーバSDのURLを入力し、確定キーを押下操作する。制御部2は、確定キーの押下に対応する状態変化信号を検知すると、無線基地局Bその他の中継地点を介して、書籍データ配信サーバSDへアクセスする(ステップS301)。
【0070】
次いで制御部2は、書籍データ配信サーバSDから、所定の言語で記述されたテキストデータをダウンロードし、ダウンロードしたテキストデータに基づいて、LCD表示部6に書籍データ配信サーバSDのホームページを表示させる。そのホームページには、複数種の書籍データが紹介されている。
【0071】
ここで、ユーザはLCD表示部6にてホームページを縦覧しつつ、所望の書籍データを検索する(ステップS302)。そして、ユーザは所望の書籍データが見つかると、キー入力部5の選択キーを押下することによりその所望の書籍データを選択する(ステップS303)。これにより、ユーザが選択した書籍データの一部(一定量)が、制御部2によって書籍データ配信サーバSDからダウンロードされ、不揮発メモリ部8に格納される。
【0072】
ここで、ステップS303においてユーザが選択した書籍データの一部のみをダウンロードすることとしたのは、ダウンロードの待ち時間を短縮し、書籍データをいち早く閲覧する為である。また、この様にしておけば、仮にユーザが書籍データの縦覧を途中で止めた場合であっても、通信料や不揮発メモリ部8の記憶領域等を必要以上に浪費するのを防止できる。
【0073】
制御部2は、ユーザが選択した書籍データの一部をダウンロードする過程で、その書籍データを識別する為の書籍データ特定情報82と、その書籍データ84の全体の情報量を表す書籍データ最終アドレス83とを更にダウンロードし(ステップS304)、不揮発メモリ部8に格納する。これらのダウンロードが完了すると、制御部2は書籍データ配信サーバSDとのアクセスを一旦断つ(ステップS305)。
【0074】
次いで、制御部2は、ステップS304においてダウンロードした一定量の書籍データ84の情報量を表すダウンロード済み書籍データ最終アドレス85と、書籍データ配信サーバSDのURLを表すサーバURL86とを不揮発メモリ部8に格納する(ステップS306)。
【0075】
ここでサーバURL86を不揮発メモリ部8に格納することとしたのは、後述するステップS310において再び書籍データ配信サーバSDにアクセスし、残りの書籍データをダウンロードする為である。
【0076】
次いで、制御部2は、ステップS304においてダウンロードした書籍データの先頭の文字データを表すアドレスで以って、次表示アドレス87の初期設定を行う(ステップS307)。
【0077】
次いで、制御部2は後述する自動表示処理を行い、不揮発メモリ8内の書籍データ84から1ページ分の書籍データを区分し、区分した書籍データをLCD表示部6に表示させると共に、その区分した境界を表すアドレスで以って、不揮発メモリ部8内の次表示アドレス87を更新する(ステップS308)。
【0078】
次いで、制御部2は、現在参照中の次表示アドレスが、ダウンロード済み書籍データ最終アドレス85の近傍に達したか否かを判定する(ステップS309)。現在参照中の次表示アドレスが、ダウンロード済み書籍データ最終アドレス85の近傍に達していない場合は(ステップS309;NO)、制御部2は、再びステップS308の自動表示処理を行う。
【0079】
この様にして、ステップS308の自動表示処理が行われる毎に、制御部2によって、LCD表示部6に表示されるページが次のページへと遷移されると共に、次表示アドレス87が更新され、当該次表示アドレス87は、ステップS304でダウンロードした書籍データ84の最終アドレスを表すダウンロード済み書籍データ最終アドレス85に向かって漸近する。
【0080】
一方、制御部2は、現在参照中の次表示アドレス87が、ダウンロード済み書籍データ最終アドレス85の近傍に達したと判定した場合は(ステップS309;YES)、不揮発メモリ部8からサーバURL86を読出し、読出したサーバURL86が表す書籍データ配信サーバSDのアクセスポイントに再びアクセスする(ステップS310)。
【0081】
次いで、制御部2は不揮発メモリ部8に現在格納されている書籍データ特定情報82と、ダウンロード済み書籍データ最終アドレス85とを書籍データ配信サーバSDへ送信する(ステップS311)。書籍データ特定情報82を送信することにより、書籍データ配信サーバSDに記憶されている複数種の書籍データの内、ステップS303においてユーザが選択した書籍データが識別される。
【0082】
また、ダウンロード済み書籍データ最終アドレス85を送信することにより、書籍データ配信サーバSDにおいて、ステップS304で制御部2が既にダウンロードした書籍データの残りの書籍データの先頭アドレスが認識される。ここで、制御部2は、残りの書籍データを一定量ダウンロードする(ステップS312)。ダウンロードが完了すると、制御部2は書籍データ配信サーバSDとのアクセスを一旦断つ(ステップS313)。
【0083】
次いで、制御部2は、ステップS312においてダウンロードした書籍データを、不揮発メモリ部8に既存の書籍データ84へ追加する(ステップS314)。また、制御部2は、不揮発メモリ部8に既存のダウンロード済み書籍データ最終アドレス85を、ステップS312においてダウンロードした書籍データの最終アドレスで以って更新する(ステップS315)。
【0084】
次いで、制御部2は後述する自動表示処理を行い、不揮発メモリ8内の書籍データ84から1ページ分の書籍データを区分し、区分した書籍データをLCD表示部6に表示させると共に、その区分した境界を表すアドレスで以って、不揮発メモリ部8内の次表示アドレス87を更新する(ステップS316)。
【0085】
ここで、制御部2は、ステップS309乃至ステップS316における処理を、ステップS308における自動表示処理のバックグラウンド処理として行う。従って、現ステップにおいてもユーザはLCD表示部6において書籍データを閲覧できる。
【0086】
次いで、制御部2は、書籍データ最終アドレス83とダウンロード済み書籍データ最終アドレス85とを照合し、これらが一致するか否か判定する(ステップS317)。書籍データ最終アドレス83とダウンロード済み書籍データ最終アドレス85とが一致しない場合は(ステップS317;NO)、制御部2は再びステップS308の処理を行う。
【0087】
一方、制御部2は、書籍データ最終アドレス83とダウンロード済み書籍データ最終アドレス85とが一致する場合は(ステップS317;YES)、書籍データ配信サーバSDから全ての書籍データ84をダウンロードし終えたものとみなし、当該処理を終了する。
【0088】
図4は、自動表示処理を示すフローチャートである。尚、この自動表示処理は、図3に示す処理の一部であり、当該自動表示処理はステップS307、ステップS309、ステップS315、又はステップS317に続いて行われ、且つ当該自動表示処理が終了した場合は、ステップS309又はステップS317の判定が行われる。
【0089】
先ず、制御部2は、不揮発メモリ部8に記憶されている次表示アドレス87を読出し、読出した次表示アドレス87が表す不揮発メモリ部8の記憶領域に一行分の空白を表す文字データ(以下、「CRLF」と記す。)が格納されているか否かを判定する(ステップS401)。
【0090】
次表示アドレス87が表す記憶領域に、CRLFが格納されている場合は(ステップS401;YES)、制御部2はLCD表示部6にブランクを表示する(何も表示しない)(ステップS402)と共に、そのCRLFの次の文字データが格納されている記憶領域を表すアドレスで以って、参照すべき次表示アドレス87を更新する(ステップS403)。
【0091】
次いで、制御部2は表示速度データ81に基づいて、LCD表示部6にブランクを表示する時間(以下、「ブランク表示時間」と記す。)を設定する(ステップS404)と共に、そのブランク表示時間をカウントし、当該ブランク表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS405)。そして、制御部2はブランク表示時間が経過した場合は(ステップS405;YES)、当該処理を終了する。
【0092】
ここで、ステップS402におけるブランク表示の具体的態様について図5を参照して説明する。図5において、符号Aはダウンロードした書籍データの内容を示し、符号51乃至56は夫々LCD表示部6に表示されるページを示す。当該自動表示処理によれば、LCD表示部6に表示されるページは、ページ51,ページ52,ページ53…の順に自動的に遷移する。
【0093】
書籍データAを参照すると、”第2の手記”の文字データの前には、CRLFが3つある(3行分の空白がある)ので、ページ53のブランク表示は、3行分の空白に相当する時間表示し続けられる。また、”第2の手記”の文字データの後には、CRLFが2つある(2行分の空白がある)ので、ページ85のブランク表示は、2行分の空白に相当する時間表示し続けられる。
【0094】
この様に、ブランク表示時間を設けたことにより、ユーザは、作者がCRLF(空白行)を設けることで意図した間或いは余韻を味わうことができる。
【0095】
一方、制御部2は、ステップS401において、次表示アドレス87が表す記憶領域にCRLFが格納されていない場合は(ステップS401;NO)、先ず、ダウンロードした書籍データ84に対して次に説明する禁則処理及び表示領域適応処理を行う。
【0096】
ここで、禁則処理及び表示領域適応処理は、ダウンロードした書籍データをユーザにとって読み易いものにすべく、その書籍データをLCD表示部6の表示領域のサイズに応じて加工する処理をいう。
【0097】
禁則処理は、具体的には、図5のページ51において、”女性にとっ”の直後には”て”を表示できる領域があるにも拘らず、”女性にとっ”の次に空白を表す文字データ(以下、「空白データ」と記す。)を挿入することで、次の行が”、”で始まるのを回避する処理等がこれに相当する。当該処理を行うのは、仮に”女性にとっ”の次に空白データを挿入しないこととすると、次の行の先頭が”、”(読点)になってしまい、ユーザにとって読みにくくなってしまうからである。
【0098】
表示領域適応処理は、具体的には、書籍データAの”第2の手記”の直前には、一連の空白データが3つあるにも拘らず、ページ84において”第2の手記”の直前には1つの空白データのみを表示することにより、この”第2の手記”なる文字データをLCD表示部6における1行中の適宜位置に表示する様にする処理等がこれに相当する。
【0099】
当該処理を行うのは、書籍データAの内容をそのまま表示することとすると、ページ84において”第2の手記”の表示位置が下方に寄りすぎてしまい、ユーザにとって読みにくいものとなってしまうおそれがあるからである。
【0100】
また、仮に書籍データAのおいて、”第2の手記”の直前に空白データが4つあった場合に、書籍データAの内容をそのまま表示することとすると、ページ84において”第2の手記”なる文字データが2行に渡って表示されてしまい、ユーザにとって甚だ読み難いものとなってしまうからである。
【0101】
次いで、制御部2は、上記の様にして禁則処理及び表示領域適応処理を施した書籍データ84から、LCD表示部6に物理的に表示できる最大量分の文字データを取り出す(ステップS406)。
【0102】
次いで、制御部2は、取り出した文字データと、区切りファイル88に含まれる区切り目安情報とを逐一照合し、取り出した文字データの内、区切り目安情報と同じ文字データを検出する(ステップS407)。
【0103】
ここで、区切り目安情報について、図6を参照して説明する。図6は、不揮発メモリ部8に格納されている区切りファイル88の内容を模式的に示す概念図である。図6に示す様に、区切りファイル88は、区切り目安情報61、区切り強度62、例外条件63、及び例外処理64の項目に区分されている。
【0104】
図6において、1行分のデータは、例えば1レコードの形態で不揮発メモリ部8に格納されており、互いに関連付けられている。区切り目安情報61には、LCD表示部6のページを区切る境となる文字データとして好適なものが、予め候補として挙げられており、“CRLF”,“。」”,“」”,“。”,“?”,“、”,“を”等が格納されている。
【0105】
区切り強度62とは、各々の区切り情報61をページの境として採用する蓋然性の程度を相対的に表す情報であり、”1”乃至”5”の5つの数値データが格納されている。大きい数値程、その区切り情報61をページの境として採用する蓋然性が高い。
【0106】
この様に区切り強度62を設定するのは次の様な理由による。即ち、仮に区切り強度62を考慮しないこととすると、単に最も後方にある区切り目安情報でページが区切られてしまうので、LCD表示部6には、例えば図7において符号72で示す様なページが表示される。しかし、このページ72では、不自然な位置(“て、”)でページが区切られており、ユーザが書籍データを読むリズムに多少乱れが生じてしまうおそれがある。
【0107】
一方、区切り強度62を考慮にいれた場合は、単に最も後方にある区切り目安情報でページを区切るのではなく、後方にある区切り目安情報の内、最も区切り強度の強い区切り目安情報で以ってページを区切る。その結果、LCD表示部6には、例えば図7において符号71で示す様なページが表示される。
【0108】
このページ71は、“、”よりも区切り強度の強い“。”でページが区切られているので、ユーザがリズムよく書籍データを読むことができる。また、ユーザは、句点“。”による余韻を味わうこともできる。特に、文学作品を味わう場合には、この様な配慮が重要である。
【0109】
但し、照合する文字データが例外条件63に設定されている内容を満たす場合は、制御部2は例外処理74に設定されている処理を行う。具体的には、区切り目安情報“CRLF”の例外条件は“、CRLF”と設定されているので、仮に照合する文字データが“CRLF”であってもその直前に読点“、”がある場合には、例外処理として“CRLF”の区切り強度を本来の4より弱い3にする。
【0110】
即ち、作成者が意図した改行(CRLF)があったとしても、その直前に“、”がある場合は、区切りとしては軽く扱う。この例外処理を行うのは次の様な理由による。即ち、例えば図7において符号73はページを区切る前の書籍データを示すが、この書籍データを、例外処理を行わずにページを区切ることとすれば、“片手を挙げ、”の直後のCRLF(改行)でページが区切られてしまう。
【0111】
これは制御部2が、例外処理を行わない場合、“ありました。”の直後のCRLFと“片手を挙げ、”の直後のCRLFとを制御部2が同じ強さのものとして認識するので、より後方にある“片手を挙げ、”の直後のCRLFをページの区切りとして採用してしまうからである。しかし、この様な位置でページを区切ると、ユーザに違和感を与えてしまう。
【0112】
一方、例外処理を行う場合は、“ありました。”の直後のCRLFでページが区切られる。制御部2が、“片手を挙げ、”の直後のCRLFよりも、“ありました。”の直後のCRLFの方が区切り強度が強いと認識するからである。この場合は、区切る位置が自然であり、ユーザに違和感を与えることがない。
【0113】
上記と同様の理由から、CRLFの直前に“」”があり、直後に“と”がある場合には、CRLFの区切り強度を本来の“5”から“4”に下げる。例えば、書籍データ73において、“「諸君」”と“と言い”との間にはCRLF(改行)があるものの、文章の流れとしてはこれらを続けてもユーザに違和感を与えることがないので、そのCRLFの区切り強度を弱くするわけである。
【0114】
また、区切り目安情報“。」”又は“」”の直後に“と”が続く場合は、それら“。」”又は“」”の区切り強度を本来の“3”から“2”に弱める。これは、“〜」と言いました。”という書籍データがあった場合に、“」”でページが区切られることにより文章の連続性が損なわれない様にする為である。
【0115】
また、制御部2は、区切り情報“」”を検出した場合であっても、その直前における“「”と当該“」”との間の文字数が少なくて句読点や感嘆符もない場合は、区切り情報“」”を区切りの候補にしない。これは、例えば“所詮、自分には、何の縁故も無い下宿に、ひとりで「生活」して行く能力が無かったのです。”という文章(書籍データ)があった場合に“」”でページが区切られることにより文章の連続性が損なわれない様にする為である。
【0116】
また、区切り情報“。”又は“?”を検出した場合であっても、これらが“「”と“」”に挿まれている場合、即ち、会話文中に“。”又は“?”がある場合(但し、“」”の直前は除く)は、これらの区切り強度を本来の“3”から“2”に弱める。これは、できるだけ会話文を1ページ内に収めることにより、ユーザが書籍データを読み易くする為である。
【0117】
また、制御部2は区切り情報“、”を検出した場合であっても、“二、三”等の様に直前が数字で直後も数字である場合、或いは“小、中学生”等の様に同類の文字データに挿まれる場合は、それらの表現を“、”で区切ることを回避するべく“、”を区切り情報の候補にしない。
【0118】
上記の様な区切り情報に基づいて、制御部2は、検出した文字データ(区切り目安情)の内、最も後方(アドレスの値が大きい)且つ、最も区切り強度62が強い文字データ(区切り目安情報)を特定する(ステップS408)。次いで、制御部2は、その特定した文字データの次の文字データが格納されている記憶領域を表すアドレスで以って、参照すべき次表示アドレス87を更新する(ステップS409)。
【0119】
ここで、制御部2は、ステップS406で取り出した書籍データの最後に空白行があるか否かを判定する(ステップS410)。即ち、制御部2は、ステップS409で更新した次表示アドレス87が表す記憶領域にCRLFが格納されているか否かを判定する。
【0120】
制御部2は、書籍データの最後にCRLFがあれば(ステップS410;YES)、ステップS409で更新した次表示アドレス87を、そのCRLFの分だけ戻す(ステップS411)。即ち、制御部2は、そのCRLFの1つ前の文字データが格納されている記憶領域を表すアドレスで以って、ステップS409で更新した次表示アドレス87を更に更新する。
【0121】
この様に、CRLFの分だけ次表示アドレス87を戻すのは、当該処理においては、書籍データを取り出してページを区切る処理を行った結果、LCD表示部6に表示されるページには物理的に空白(余白)が生じることがあるが、その空白と、予め作者又は編集者が意図して挿入した空白行(CRLF)との違いをユーザに対し明確に認識させる為である。
【0122】
即ち、仮にステップS411における処理を行わないこととすると、ユーザに対し、例えば図5においてページ52の最後に表示されている2行分の空白行が、予め書籍データAに挿入されていたCRLFによるものではないかとの疑義を生ぜしめる。
【0123】
これに対し、ステップS411における処理の様に、作者が意図して挿入したCRLFをページの最後に表示するのを回避し、そのCRLFを次のページ83においてブランクとして3行分の間(ブランク表示時間)表示する様にすれば、ページ82の最後に表示されている2行分の空白行が、書籍データAに予め含まれるCRLFではなく、“…でした。”の“。”でページを区切った結果、LCD表示部6に物理的に生じた空白行(余白)である旨をユーザに対して容易に知らしめることができるわけである。
【0124】
かくして、次表示アドレス87が最終的に確定すれば、1ページ分の書籍データが区切られることになる。次いで、制御部2は、区切った書籍データと、現在LCD表示部6に表示されている書籍データとの類似度を解析し、これらが類似しているか否かを判定する(ステップS412)。
【0125】
ここで、制御部2が類似度を解析するアルゴリズムは特に限定されるものではないが、例えば、区切った書籍データの中に、現在LCD表示部6に表示されている文字データと一致する文字データが所定数あれば、これらが類似する旨の判定を行う様にするとよい。
【0126】
制御部2は、区切った書籍データと、現在LCD表示部6に表示されている書籍データとが、類似していると判定した場合は(ステップS412;YES)、区切った書籍データをLCD表示部6に表示する前に、一定時間のブランク状態(何も表示しない状態)を挿入する(ステップS413)。
【0127】
ここで、ステップS413における処理の様に、連続するページ同士が互いに類似する場合にLCD表示部6にブランク状態を挿入することとしたのは、連続するページ同士が互いに類似する場合は、ユーザがページの遷移に気付かずに、遷移後のページを見落としてしまうことがあるので、これを回避する為である。
【0128】
具体的には、図8に示す様な互いに類似するページ81とページ82とが連続して表示される場合を想定すると、先ずユーザはページ81を読み終えると、次のページ82を即座に読み始めるべく、ページ81の文頭(図中、概略“ぼくは”の辺り)に視線を再び移し、ページ82が表示されるのを待機する。
【0129】
ところが、ページ81の次のページであるページ82も“ぼくは”で始まることや、両者のページにひらがなが多いこと、更には、両者のページに表示される文字数が近似していること等が相まって、ユーザがページ81からページ82の遷移に気付かない場合がある。
【0130】
そこで、この様な問題を回避するべく、ステップS413における処理の様に、ページ81とページ82との間に一定時間のブランク状態を挿入する。これにより、ページ81がページ82に遷移する過程で表示されるブランク状態がユーザの注意を引くので、ユーザが、ページ81からページ82への遷移を見落とすことがないという効果を奏する。
【0131】
一方、制御部2は、区切った書籍データと、現在LCD表示部6に表示されている書籍データとが類似しておらず、ブランク表示を挿む必要がないと判定した場合は(ステップS412;NO)、その区切った書籍データをLCD表示部6に表示し続ける時間(表示更新待ち時間)を算出する(ステップS414)。
【0132】
この表示更新待ち時間(T)の算出方法は、特に限定されないが、例えば、T=Tu×(N+0.5×M)なる式にしたがって算出するとよい。この式においてNは、区切った書籍データに含まれる全部の文字データ(句読点等を表す文字データも含む。)の数を表し、Mは区切った書籍データに含まれる文字データの内、漢字に対応する文字データの数を表し、Tuはユーザがひらがな1文字を読むのに要する概略の時間を表す。
【0133】
次いで、制御部2は区切った書籍データを、ステップS414で算出した表示更新待ち時間(T)が経過するまでLCD表示部6に表示する(ステップS415)。その過程で制御部2は、表示更新待ち時間をカウントし、表示更新待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS416)。そして、制御部2は、表示更新待ち時間が経過した場合は(ステップS416;YES)、当該処理を終了する。
【0134】
以下、図3及び図4に示す処理におけるLCD表示部6の表示態様について具体的に説明し、併せてジャンプキー21、前ジャンプキー22、スピードアップキー23、次ページキー24、前ページキー25、スピードダウンキー26、及びスタート/ストップキー27の機能についても説明する。
【0135】
図9及び図10は、LCD表示部6に表示される書籍データを示す。図9には、ページ91乃至ページ99の9ページ分の書籍データが示されている。これらの書籍データは自動表示処理においてLCD表示部6に表示される書籍データを時系列的に並べたものである。
【0136】
予め、ユーザはスピードアップキー23又はスピードダウンキー26を押下操作することにより、ページの送り速度を表す表示速度データ81を設定する。スピードアップキー23を押下することによりページの送り速度を早めることができ、スピードダウンキー26を押下することによりページの送り速度を低下させることができる。
【0137】
さて、制御部2は、一旦自動表示処理を開始すると、表示速度データ81が表す速度でLCD表示部6に表示するページをページ91,ページ92,ページ93…の順で自動的に遷移させる。
【0138】
尚、制御部2は、ユーザによって表示速度データ81の設定が予めなされなかった場合は、デフォルトで設定された所定の表示速度でページを切替える。また、ユーザは、自動表示処理が行われている最中においても、表示速度データ81の値をスピードアップキー23又はスピードダウンキー26を押下操作することにより調整できる。これにより、ユーザは煩雑なページの送り操作を行うことなく、最適な速度で書籍データを閲覧できる。
【0139】
但し、制御部2は、次ページキー24の押下を検知した場合は、表示速度データ81の設定に拘らずに、LCD表示部6に表示中のページを次のページに切替える。従って、ユーザは、自動的にページが切替わる前にそのページを読み終えた場合は、次ページキー24を押下操作することにより、ただちに次のページを閲覧できる。
【0140】
但し、制御部2は、自動表示処理によってページを1ページ分進めた直後に次ページキー24の押下操作による状態変化信号を検知した場合は、その状態変化信号を無視する。具体的には、制御部2は、表示更新待ち時間が経過した直後から時間のカウントを開始し、所定の時間が経過するまでは次ページキー24の押下を受け付けない。
【0141】
これは、ユーザがページを次に進めるべく次ページキー24を押下したが、ユーザが押下するのとほぼ同時に表示更新待ち時間が経過してページが自動的に進んでしまった場合等は、実質的に2ページ分が一度に遷移してしまうこととなるので、これを回避する為である。
【0142】
一方、制御部2は、前ページキー25の押下を検知した場合は、表示速度データ81の設定に拘らずに、LCD表示部6に表示中のページを前のページに戻す。従って、ユーザは、ページを読み終える前に、そのページが遷移してしまった場合は、前ページキー25を押下操作することにより前のページを再度閲覧できる。
【0143】
そして制御部2は、ユーザによる次ページキー24或いは前ページキー25の押下を検知し、上述の様にしてページを遷移させた後は、表示速度データ81が設定されている場合はその表示速度データが表す速度で、表示速度データ81が設定されていない場合はデフォルト速度で、自動表示処理を再開する。
【0144】
また、制御部2は、ユーザによる次ジャンプキー21の押下を検知した場合は、ページの切替え動作を中断し、現在LCD表示部6に表示しているページから起算して、次の約4又は5ページ分の書籍データを、表示ポイントを小さくしてLCD表示部6上に表示させる。
【0145】
具体的には、LCD表示部6にページ95が表示されているときに、ユーザが次ジャンプキー21を押下すると、制御部2は、ページ95を図10に示すページ101に遷移させる。このページ101には、図10に示す様に、ページ96乃至ページ99の4ページ分の書籍データが小さなポイントで表示されている。
【0146】
更に、LCD表示部6にページ101が表示されている場合において、ユーザが再び次ジャンプキー21を押下すると、ページ101はページ102へと遷移する。このページ102には、ページ99から起算して、次の4ページ分の書籍データ(図9には示さず)が小さなポイントで表示されている。
【0147】
一方、制御部2は、ユーザによる前ジャンプキー22の押下を検知した場合は、ページの切替え動作を中断し、現在LCD表示部6に表示しているページから逆算して、前の約4又は5ページ分程度の書籍データを、表示ポイントを小さくしてLCD表示部6上に表示する。
【0148】
具体的には、LCD表示部6にページ95が表示されているときに、ユーザが前ジャンプキー22を押下すると、ページ95は、図10に示すページ104に切替わる。このページ104には、図4に示す様に、ページ91乃至ページ95の5ページ分の書籍データが小さなポイントで表示されている。
【0149】
更に、LCD表示部6にページ104が表示されている場合において、ユーザが再び前ジャンプキー22を押下すると、ページ104はページ103へと遷移する。このページ103には、ページ91から逆算して、前の4ページ分の書籍データ(図9には示さず)が小さなポイントで表示されている。
【0150】
この様に、次ジャンプキー21又は前ジャンプキー22を押下すると、文字データのポイントが小さくなることにより、LCD表示部6上に多くの文字データが表示されるので、ユーザは次ページキー24又は前ページキー25を用いる場合に比して、より広い範囲の書籍データを一覧できるという利便性がある。
【0151】
また、前述の様に制御部2は、次ジャンプキー21又は前ジャンプキー22の押下を検知した場合は、ページの送りを中断するので、ユーザは、図10に示す様な小さいフォントで表示されるページにおいて、読みたい個所を見つけた場合は、ページの送りを再開させるべくスタート/ストップキー27を押下する。
【0152】
制御部2は、スタート/ストップキー27の押下を検知すると、表示する書籍データのポイントを再び大きなポイントに戻すと共に、ページの送りを再開する。具体的には、制御部2は、LCD表示部6にページ104が表示されている場合において、ユーザによるスタート/ストップキー27の押下を検知すると、LCD表示部6に表示中のページ104をページ91に切替える。そして、ページの送りを再開することにより、ページ91をページ92,ページ93,ページ94…へと遷移させる。
【0153】
また、制御部2は、次ジャンプキー21、前ジャンプキー22、次ページキー24、及び前ページキー25が一定時間押下し続けられていること検知すると、恰もそれらのキーが素早く複数回押下されたのと同等の処理を行う。具体的には、LCD表示部6にページ91が表示されている場合において、ユーザが次ページキー24を一定時間押下し続けると、ページ91がページ92,ページ93…へと高速に遷移する。
【0154】
ここで、ユーザが次ページキー24の押下を止めると、制御部2は、再び表示速度データ81或いはデフォルトにて設定された表示速度に戻してページの送りを行う。
【0155】
尚、自動表示処理が行われている最中においてスタート/ストップキー27を押下すると、当該自動表示処理が中断し、ページの送りをユーザが手動で行うこともできる。
【0156】
この場合は、次ジャンプキー21、前ジャンプキー22、次ページキー24、及び前ページキー25の押下操作によってのみLCD表示部6のページが遷移するので、ユーザは自分の操作で書籍データを読み進めることができる。従って、書籍データをじっくりと味わって読みたい場合等には便利である。また、ここでスタート/ストップキー27を再び押下すると、自動表示処理が再開される。
【0157】
尚、第1の実施の形態における記述内容は、本発明を適用した携帯電話1の好適な1例にすぎず、本発明はこれに限定されるものではない。
【0158】
例えば、上記自動表示処理において制御部2がダウンロードした書籍データを区切る処理に起因して、ページ91の様にLCD表示部6上に余白が生じる場合は、図11におけるページ111の様に本来の文字データの部分を枠で囲ってもよいし、或いは、ページ112の様に余白部分を暗色で塗りつぶしてもよい。但し、作者が意図して挿入した空白行(CRLF)をユーザに知らしめる為に、ブランク表示する場合はこの限りでない。
【0159】
この様にすれば、ユーザは、LCD表示部6上に表示される余白が、空白データとして書籍データに本来的に含まれていたものではないことを視覚的に確認でき、書籍データを一層的確に味わうことができる。
【0160】
<第2の実施の形態>先ず、外観構成を説明する。図12は、本発明を適用したゴーグル型表示装置の外観概略図である。図12に示す様に、ゴーグル型表示装置12は、本体部13と、この本体部13を頭部に装着する為のベルト部14とを備えて構成される。
【0161】
本体部13は、一対の表示部131,131、ICカード15を出入可能に受け入れるICカード挿入部132、及びリモコン16の赤外線信号を受信する受信部133を、その外郭に備える。
【0162】
一対の表示部131,131は、当該ゴーグル型表示装置12の装着時には、一方が右目、他方が左眼に位置する様に配置されており、両方の表示部131,131は互いに同期をとって同じ表示を行う。
【0163】
ICカード15は、読み書き可能な不揮発性メモリとしてのICチップを内蔵して成るカード状の記憶媒体である。
【0164】
リモコン16は、次ジャンプキー161、前ジャンプキー162、スピードアップキー163、次ページキー164、前ページキー165、スピードダウンキー1666、スタート/ストップキー167、及び送信部168を備えており、これらのキーが押下されるとその押下されたキーに対応する赤外線信号を送信部168から送信する。尚、上記各種キーの機能は、第1の実施の形態における携帯電話1のキー入力部5が備える同一名称の各種キーと概略同様である。
【0165】
次に内部構成を説明する。図13は、ゴーグル型表示装置12の内部構成を示すブロック図である。図13に示す様に、本体部13は、制御部130、一対の表示部131,131、受信部133、読み書き部134、ワークメモリ部135、及び電源部136を備える。
【0166】
制御部130は、システムプログラム(図示せず)及び区切りファイル1302を記憶する内部メモリ1301を備えており、その内部メモリ1301からシステムプログラムを読み出してワークメモリ部135に展開し、展開したシステムプログラムに規定された手順に従って、当該ゴーグル型表示装置12の機能を実現すべく、各構成要素に制御信号を出力してこれらを統括的に制御する。
【0167】
また、そのシステムプログラムには、制御部130が後述する処理を行う為のプログラムコードが含まれており、制御部130は、それらのプログラムコードに応じた動作を逐次実行する。
【0168】
一対の表示部131,131は夫々、LCD表示部1311と光学処理部1312とを備えている。LCD表示部1311は、制御部130から出力される制御信号に従って、ICカード15のメモリに記憶されている書籍データ152を文字(文字データ)として表示する。
【0169】
光学処理部1312は、LCD表示部1311によって表示される文字データを拡大するレンズや、そのレンズによる拡大率を調整する為の調整部等(何れも図示せず)を備えて成る。これにより、当該ゴーグル型表示装置12の装着時においてユーザは、文字が恰も眼前の大型のディスプレイに表示されているかの様にみえる。
【0170】
受信部133は、リモコン16の送信部168から送信される赤外線信号を受信し、受信した赤外線信号に応じた入力信号を制御部130へ出力する。
【0171】
読み書き部134は、制御部130からの制御信号に従って、ICカード挿入部132(図12参照)に挿入されるICカード15のメモリから書籍データ152等を読取る一方、該メモリに対して書き込みを行う。
【0172】
ワークメモリ部135は、制御部130により実行される各種処理において、システムプログラムや、そのシステムプログラムに係るデータ等を一時的に格納する為の記憶手段であり、例えばRAM等がこれに相当する。
【0173】
電源部136は、当該ゴーグル型表示装置12を構成する各部に電力を供給する為の充電池を備えており、制御部130からの制御信号に従って、電源のオン/オフの切替え等を行う。
【0174】
ICカード15は、表示速度データ151、書籍データ152、及び次表示アドレス153、及び最終アドレス154を記憶している。
【0175】
表示速度データ151は、表示部131に表示される1ページ分の書籍データを、制御部130が自動的に遷移させる際の速さを表すデータである。ユーザは、リモコン16のスピードアップキー163又はスピードダウンキー166を押下操作することにより、この表示速度データ151を適宜設定することができる。
【0176】
書籍データ152は、予めICカード15に記憶されるデータである。尚、ICカード15は、記憶容量は非常に大きいので、長編小説更には辞書等に相当する様な大容量の書籍データを記憶させておくこともできる。
【0177】
次表示アドレス153は、一連の書籍データ152をページ別に区切って表示する場合において次のページの先頭に表示する文字データを表すアドレスである。制御部130は、この次表示アドレス153を参照することにより、次に表示すべきページを認識できる。従って、この次表示アドレス153は所謂しおりとしての機能を有している。
【0178】
最終アドレス154は、書籍データ152における最後の文字データが格納されている記憶領域を表すアドレス、即ち、書籍データ152の全体の情報量である。
【0179】
以下、図14を参照して制御部130の内部メモリ1301に記憶されている区切りファイル1302について説明する。図14に示す様に、区切りファイル1302は、区切り目安情報1302a、区切り強度1302b、例外条件1302c、及び例外処理1302dの項目に区分されている。尚、図14において、1行分のデータは、例えば1レコードの形態で内部メモリ1301に記憶されており、互いに関連付けられている。
【0180】
区切り目安情報1302aには、表示部131に表示されるページを区切る境となる文字データとして好適なものが、予め候補として挙げられており、「CRLF」、「.”」、「?”」、「!”」、「.」、「,”」、「,」等が格納されている。
【0181】
区切り強度とは、各々の区切り目安情報1302aをページの境として採用する蓋然性の程度を相対的に表す情報であり、”2”乃至”5”の5つの数値データが格納されている。大きい数値程、その区切り目安情報1302aが、ページを区切る境として採用される蓋然性が高い。
【0182】
制御部2は、書籍データ152と各々の区切り目安情報1302aとを逐一照合し、表示部131の表示領域において物理的に表示可能な量の書籍データ152に含まれる区切り目安情報(文字データ)の内、区切り強度が強く、且つ後方にある区切り目安情報で以ってページを区切る。
【0183】
但し、制御部130は、照合する文字データが例外条件1302cに設定されている内容を満たす場合は例外処理1302dに設定されている処理を行う。具体的には、仮に制御部130が区切り目安情報「.」を検出した場合であっても、▲1▼例えば「0.25」の様に「.」の直前及び直後に数字がある場合、▲2▼例えば「No.7」の様に「.」の直前が「No」で後に数字が続く場合、▲3▼例えば「U.S.A」や「J.F.Kennedy」の様に「.」の直前及び直後に大文字がある場合、▲4▼例えば「Mr.」「Dr.」「p.m.」「Apr.」「St.」の様に「.」が略語を表記する為に使用される場合には、例外処理が適用され、制御部130は「.」を区切り目安情報として捉えない。
【0184】
この例外処理を行うのは次の様な理由による。即ち、仮に例外処理を行わずにページを区切ることとすれば、例えば図15に示すページ171の様に「Dr.」という不自然な位置でページが区切られてしまう場合があるからである。これは、原則として「,」よりも「.」の方が区切り強度が強いことによる。
【0185】
一方、ページを区切るに際して例外処理を行うこととすれば、制御部130が区切り目安情報として「Dr.」の「.」を検出した場合であっても、これが例外条件1302cを満たすので、当該「.」で以ってページを区切ることはない。その結果、図15に示すページ172の様に「Dr.」よりも後方にある「man,」の「,」で以ってページが区切られることになり、表示内容がユーザにとって非常に読み易いものとなる。
【0186】
更に別の例に基づいて説明すると、仮に例外処理を行わずにページを区切ることとすれば、例えば図15に示すページ173の様に「No.」という不自然な位置でページが区切られてしまう場合がある。
【0187】
これに対し、ページを区切るに際して例外処理を行うこととすれば、制御部130が区切り目安情報として「No.」の「.」を検出した場合であっても、これが例外条件1302cを満たすので、当該「.」で以ってページを区切ることはない。その結果、図15に示すページ174の様に「No.2704,」の「,」で以ってページが区切られることになり、ユーザにとって非常に読み易いものとなる。
【0188】
以下、ゴーグル型表示装置12の動作のについて、図16及び図17を参照して説明する。
【0189】
図16は、書籍データの表示に係るゴーグル型表示装置12の全体的な動作を示すフローチャートである。先ず、ユーザは、所定のICカード15をICカード挿入部132へ挿入する(ステップS1601)。制御部130は、ICカード挿入部132へのICカード15の挿入を検知すると、後述する自動表示処理を開始する。
【0190】
即ち、制御部130は、ICカード15に記憶されている書籍データ152を読み出して、1ページ分の書籍データを区分し、区分した書籍データを一対の表示部131,131に表示させると共に、その区分した境界を表すアドレスで以って、ICカード15のメモリ内の次表示アドレス153を更新する(ステップS1602)。
【0191】
次いで、制御部130は、その次表示アドレス153(現在参照中の次表示アドレス)が、最終アドレス154と等しくなったか否かを判定する(ステップS1603)。現在参照中の次表示アドレスが最終アドレス154に達した場合は(ステップS1603;YES)、制御部130は当該処理を終了する。
【0192】
一方、制御部130は、現在参照中の次表示アドレス153と最終アドレス154とが等しくない場合は(ステップS1603;NO)、ユーザから書籍データ152の閲覧を中止する旨の割り込み信号があるか否かを判定する(ステップS1604)。尚、この割り込み信号は、ユーザがリモコン16のスタート/ストップキー167を押下することにより生成される。
【0193】
制御部130は、ユーザから書籍データ152の閲覧を中止する旨の割り込み信号が無い場合は(ステップS1604;NO)、再びステップS1602の処理に戻る。一方、ユーザから書籍データ152の閲覧を中止する旨の割り込み信号を検知した場合は(ステップS1604;YES)、制御部130は現在参照中の次表示アドレス153をICカード15に格納し(ステップS1605)、当該処理を終了する。
【0194】
この様に、ユーザが途中で書籍データの閲覧を中止する場合であっても、制御部130が、ユーザが最後に閲覧したページを表す次表示アドレス153を、所謂しおりとしてICカード15に格納するので、次に書籍データを閲覧するときにユーザは読み始める個所を探すという煩雑な作業を要することがない。
【0195】
図17は、自動表示処理を示すフローチャートである。尚、この自動表示処理は、図16に示す全体的な処理の一部であり、当該自動表示処理はステップS1601又はステップS1604に続いて行い、且つ当該自動表示処理が終了した場合は、ステップS1604の判定が行われるものとする。
【0196】
先ず、制御部130は、ICカード15のメモリに記憶されている次表示アドレス153を読出し、読出した次表示アドレス153が表す文字データが、一行分の空白を表す文字データ(CRLF)であるか否かを判定する(ステップS1701)。
【0197】
次表示アドレス153が表す文字データがCRLFである場合は(ステップS1701;YES)、制御部130は表示部131,131にブランクを表示する(ステップS1702)と共に、そのCRLFの次の文字データが格納されている記憶領域を表すアドレスで以って、参照すべき次表示アドレス153を更新する(ステップS1703)。
【0198】
次いで、制御部130は表示速度データ151に基づいて表示部131,131にブランクを表示する表示更新待ち時間を設定する(ステップS1704)と共に、その表示更新待ち時間をカウントし、表示更新待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS1705)。そして、制御部130は、表示更新待ち時間が経過した場合は(ステップS1705;YES)、当該処理を終了する。
【0199】
一方、制御部130は、ステップS1701において、次表示アドレス153が表す文字データがCRLFでない場合は(ステップS1701;NO)、表示部131,131に物理的に表示可能な最大限の書籍データを、ICカード15から取り出し(ステップS1706)、取り出した書籍データに対して、第1の実施の形態で説明した禁則処理及び表示領域適応処理を施す。
【0200】
次いで、制御部130は、禁則処理及び表示領域適応処理を施した書籍データと、区切りファイル1302に含まれる区切り目安情報1302aとを逐一照合し、禁則処理及び表示領域適応処理を施した書籍データの内、区切り目安情報1302aと同じ文字データを検出する(ステップS1707)。
【0201】
次いで、制御部130は、検出した文字データ(区切り目安情報1302a)の内、最も後方(アドレスの値が大きい)且つ、最も区切り強度1302bが強い文字データ(区切り目安情報1302a)を特定する(ステップS1708)。次いで、制御部130は、特定した文字データの次の文字データが格納されている記憶領域を表すアドレスで以って、参照すべき次表示アドレス153を更新する(ステップS1709)。
【0202】
かくして、1ページ分の書籍データが特定される。ここで、制御部130は、特定したページの最後にCRLFがあるか否かを判定する(ステップS1710)。制御部2は、ページの最後にCRLFがあれば(ステップS1710;YES)、ステップS1709で更新した次表示アドレス153を、そのCRLFの分だけ戻す(ステップS1711)。
【0203】
即ち、制御部130は、そのCRLFの1つ前の文字データが格納されている記憶領域を表すアドレスで以って、ステップS1709で更新した次表示アドレス153を更に更新する。
【0204】
この様に、CRLFの分だけ次表示アドレス87を戻すのは、当該処理においては、書籍データを取り出してページを区切る処理を行った結果、LCD表示部6に表示されるページには物理的に空白(余白)が生じることがあるが、その空白と、予め作者又は編集者が意図して挿入した空白行(CRLF)との違いをユーザに対し、明確に認識させる為である。
【0205】
かくして、次表示アドレス153が最終的に確定すれば、1ページ分の書籍データが区切られることになる。ここで、制御部130は、区切った書籍データと表示部131,131に現在表示されている書籍データとの類似度を解析し、これらが類似しているか否かを判定する(ステップS1712)。
【0206】
制御部130は、区切った書籍データと表示部131,131に表示中の書籍データとが類似していると判定した場合は(ステップS1712;YES)、区切った書籍データを表示部131,131に表示する前に、一定時間のブランク状態を挿入する(ステップS1713)。
【0207】
ここで、ステップS1713における処理の様に、連続するページ同士が互いに類似する場合に表示部131,131にブランク状態を挿入することとしたのは、連続するページ同士が互いに類似する場合は、ユーザがページの遷移に気付かずに、遷移後のページを見落としてしまうことがあるので、これを回避する為である。
【0208】
一方、制御部130は、区切った書籍データと表示部131,131に表示中の書籍データとが類似しておらず、ブランク表示を挿むべきでないと判定した場合は(ステップS1712;NO)、表示更新待ち時間を算出する(ステップS1714)。
【0209】
この表示更新待ち時間(T)の算出方法は、特に限定されないが、例えば、T=Tu×Nなる式にしたがって算出するとよい。この式においてNは、区切った書籍データに含まれる全部の文字データの数を表し、Tuはユーザがアルファベット1文字を読むのに要する概略の時間を表す。
【0210】
次いで、制御部130は区切った書籍データを、ステップS1714で算出した表示更新待ち時間(T)が経過するまで表示部131,131に表示させる(ステップS1715)。その過程で制御部130は、表示更新待ち時間をカウントし、表示更新待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS1716)。そして、制御部130は、表示更新待ち時間が経過した場合は(ステップS1716;YES)、当該処理を終了する。
【0211】
上記の様な処理によれば、図20のページ201乃至ページ203に示す様な従来技術による書籍データの表示態様は、図18に示すページ181乃至ページ184の様に改善されることになる。
【0212】
即ち、図18に示すページ181乃至ページ184では、従来技術の様に不自然な位置でページが区切られることがなく、コンマやピリオド等の区切り目安情報においてページが区切られるので、ユーザにとって非常にみやすいものとなる。
【0213】
尚、第2の実施の形態における記述内容は、本発明を適用したゴーグル型表示装置12の好適な1例にすぎず、本発明はこれに限定されるものではない。
【0214】
例えば、一対の表示部131,131は、何れか一方のみを備え、片目だけに配置する様にしてもよい。この様にすれば、ゴーグル型表示装置12を小型且つ軽量に実現できるから携帯性の向上に寄与する。また、ユーザは、書籍データを閲読していない方の眼で周囲の状況を把握できるという利便性がある。また、表示部131に表示される書籍データを閲読するのではなく、眼の網膜に書籍データを直接映す様にしてもよい。また、本発明は、携帯電話、携帯型電子機器、腕装着型電子機器、又は身体装着型電子機器等に適用して特に好適である。
【0215】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、充分な表示領域が確保できる場合のみならず、仮に、携帯性等の観点から表示領域の大きさに制約があり書籍データを閲読するに当たって表示手段の表示内容を頻繁に切り替える必要がある場合であっても、区切手段が、表示手段が一時に表示し得る最大文字数の範囲内において書籍データを所定の区切条件に基づいて順次区切ると共に、表示制御手段が、区切手段によって区切られる各区切単位の書籍データを表示手段に順次表示させるので、表示手段には、所定の区切条件に基づいて区分された書籍データのみが一時に表示される。
【0216】
即ち、表示手段の表示内容は、所定の区切条件に基づいて区分された書籍データ分毎に順次切り替わるので、表示領域に物理的に表示可能な最大量の書籍データを単にそのまま表示していた従来技術に比して、不自然な位置で文章が区切られるのを回避できる。従って、ユーザは小説その他の書籍を快適に閲読できる。また、表示手段の表示内容は、表示制御手段によって自動的に順次切り替えられるので、ユーザはページの送り操作等の様な煩雑な操作を何ら要することがない。
【0220】
さらに、仮に第1の区切単位の書籍データと第2の区切単位の書籍データとが類似する場合であっても、表示手段には表示内容が切り替わる旨を知らせる為の表示が表示されるので、ユーザはページの遷移を見落とすことがないという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した携帯電話1の外観概略図。
【図2】携帯電話1の内部構成を示すブロック図。
【図3】携帯電話1の全体的な処理を示すフローチャート。
【図4】携帯電話1の自動表示処理を示すフローチャート。
【図5】携帯電話1による書籍データの表示態様を説明する為の図。
【図6】区切りファイル88の内容を模式的に示す概念図。
【図7】携帯電話1による書籍データの更に別の表示態様を説明する為の図。
【図8】携帯電話1による書籍データの更に別の表示態様を説明する為の図。
【図9】携帯電話1による書籍データの更に別の表示態様を説明する為の図。
【図10】携帯電話1による書籍データの更に別の表示態様を説明する為の図。
【図11】携帯電話1による書籍データの更に別の表示態様を説明する為の図。
【図12】本発明を適用したゴーグル型表示装置12の外観概略図。
【図13】ゴーグル型表示装置12の内部構成を示すブロック図。
【図14】区切りファイル1302の内容を模式的に示す概念図。
【図15】ゴーグル型表示装置12による書籍データの表示態様を説明する為の図。
【図16】ゴーグル型表示装置12の全体的な動作を示すフローチャート。
【図17】ゴーグル型表示装置12の自動表示処理を示すフローチャート。
【図18】ゴーグル型表示装置12による書籍データの更に別の表示態様を説明する為の図。
【図19】従来技術における書籍データの表示態様を説明する為の図。
【図20】従来技術における書籍データの更に別の表示態様を説明する為の図。
【符号の説明】
1 携帯電話
2 制御部
3 無線送受信部
4 ワークメモリ部
5 キー入力部
51 次ジャンプキー
52 前ジャンプキー
53 スピードアップキー
54 次ページキー
55 前ページキー
56 スピードダウンキー
57 スタート/ストップキー
6 LCD表示部
7 電源部
8 不揮発メモリ部
81 表示速度データ
82 書籍データ特定情報
83 書籍データ最終アドレス
84 書籍データ
85 ダウンロード済み書籍データ最終アドレス
86 サーバURL
87 次表示アドレス
88 区切りファイル
61 区切り目安情報
62 区切り強度
63 例外条件
64 例外処理
12 ゴーグル型表示装置
13 本体部
14 ベルト部
15 ICカード
16 リモコン装置
SD 書籍データ配信サーバ
SD1 書籍データ記憶部
SD2 通信部

Claims (2)

  1. 書籍データを表示する表示手段と、前記表示手段が一時に表示し得る最大の文字数分の範囲内において、前記書籍データを所定の区切条件に基づいて順次区切る区切手段と、前記区切手段によって区切られる各区切単位の書籍データを、前記表示手段に順次表示させる表示制御手段とを備える電子書籍装置において、
    前記表示制御手段は、第1の区切単位の書籍データと、当該第1の区切単位の書籍データに続いて表示される第2の区切単位の書籍データとが類似するか否かを判定する判定手段を更に備え、
    前記判定手段が、前記第1の区切単位の書籍データと前記第2の区切単位の書籍データとが類似すると判定した場合は、前記表示手段の表示内容を、前記第1の区切単位の書籍データから前記第2の区切単位の書籍データへと切り替える際に、当該表示内容が切り替わる旨を知らせる為の表示を前記表示手段に表示させることを特徴とする電子書籍装置。
  2. 前記表示内容が切り替わる旨を知らせる為の表示が、前記表示手段の表示領域の全体又は一部を空白とする表示である請求項記載の電子書籍装置。
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