JP4332513B2

JP4332513B2 - 試験管ホルダー

Info

Publication number: JP4332513B2
Application number: JP2005100952A
Authority: JP
Inventors: 照明伊藤
Original assignee: 株式会社アイディエス
Priority date: 2005-03-31
Filing date: 2005-03-31
Publication date: 2009-09-16
Anticipated expiration: 2025-03-31
Also published as: US20060222573A1; JP2006281018A

Description

この発明は、血液等の検体を収容した試験管を搬送する際に用いられる試験管ホルダーに関する。

血液等の検体を収容する試験管は、透明なガラス製またはプラスチック製で、上端開口にはゴムまたは合成樹脂材料からなるキャップが装着されている。この試験管に収容された検体の分取または分注を行なうために各処理部に搬送するには試験管を試験管ホルダーに垂直状態に保持し、試験管ホルダーを搬送路に案内することにより搬送している。

従って、試験管ホルダーは、長さや径が異なる試験管を垂直状態で安定した状態に保持して搬送できるように構成されている。すなわち、ホルダー本体を構成する基体の基端部位の外周面には搬送系ガイドレールに係合可能な環状溝からなる係合部を有し、基体の軸心部に、先端から基端に向けて所定深さまで穿たれた試験管収容用の円筒形中空部を有している。さらに、ホルダー本体の円筒形中空部内には外径の異なる試験管を選択的に保持可能な試験管装着部を備えたものが知られている（例えば、特許文献１参照。）。
特開２００３−２１１００６号公報

しかしながら、特許文献１の試験管ホルダーは、ホルダー本体の円筒形中空部の内部に設けられた板ばねに、保持すべき試験管の外周面に接触する接触部を有している。さらに、試験管装着部における接触部を試験管の外周面に所定圧力で圧接させるために、複数の板ばね部の外面を取り囲んで結束する板ばね結束用の１個のＯリングを備えた構造である。

従って、板ばねの構造が複雑であるとともに、板ばねの弾性を１個のＯリングによって補う構造である。従って、組み立て作業性が悪くコストアップの原因となるとともに、Ｏリングが損傷した場合のメンテナンスが面倒であるという問題があった。

この発明は、前記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、径及び長さが異なる複数種類の試験管を保持可能であると共に、構造的に簡単で組み立て作業性の向上と耐久性を向上できる試験管ホルダーを提供することにある。

この発明は、前記目的を達成するために、請求項１は、試験管収容用の円筒形中空部１２を有するホルダー本体１０と、前記ホルダー本体１０の前記円筒形中空部１２内に装着され、径及び長さが異なる複数種類の試験管Ａを保持可能な試験管装着用のホルダーユニット１６とを備え、前記ホルダーユニット１６は、前記ホルダー本体１０の円筒形中空部１２内に上下に離間して水平状態に装着され、互いに上下対向するように周方向に配置された複数の挿通孔２０を有する２枚のプレート１８ａ，１８ｂと、前記上下２枚のプレート１８ａ，１８ｂの挿通孔２０に基端部が挿入固定されて鉛直方向に円環状に配置された所定の長さの複数本のワイヤー２２からなり、各ワイヤー２２の先端部が外側に折曲されて試験管挿入案内部２６が形成され、前記ホルダー本体１０から上方に突出して前記円筒形中空部１２の径方向に弾性を持たせた試験管ホルダー部２４を形成したホルダースプリング２５とから構成されていることを特徴とする試験管ホルダーにある。

この発明によれば、長さや径が異なる試験管を保持する試験管ホルダーの構造が簡単で組み立て作業性の向上を図ることができ、コストダウンを図ることができるとともに、耐久性を向上できるという効果がある。

以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。

図１〜図４は第１の実施形態を示し、図１は試験管ホルダーの斜視図、図２は試験管ホルダーの縦断側面図、図３Ａはホルダーユニッの平面図、図３Ｂは図３Ａのａ−ａ線に沿う断面図、図４は試験管を保持した状態の試験管ホルダーの縦断側面図である。本実施形態における試験管ホルダーは、例えば、合成樹脂材料によって成形されたホルダー本体１０を有している。ホルダー本体１０の円筒状基体１１における基端部位の外周面には後述する搬送レールに係合可能な係合部、本実施形態では上下２段のフランジ部１１ａ，１１ｂの間に環状溝１１ｃが設けられている。

円筒状基体１１の軸心部には上端部から上段のフランジ部１１ａの位置に相当する深さまで試験管収容用の円筒形中空部１２が設けられている。円筒状基体１１における長手方向の中央部位外周は大径部１３となっており、この大径部１３に連なる円筒状基体１１の先端部位外周は小径部１４となっている。小径部１４には光検知器等でその存在を検知可能とするための標示部を兼ねた金属リング１５が嵌合されている。

円筒形中空部１２の内部には採血した血液等の検体が収容された透明なガラス製またはプラスチック製の径及び長さが異なる複数種類の試験管Ａを保持する試験管装着用のホルダーユニット１６が設けられている。このホルダーユニット１６は、ホルダー本体１０の円筒形中空部１２内に装着される固定部材１７を有している。この固定部材１７は、上下に離間して円筒形中空部１２の内部に固定された金属製の２枚のプレート１８ａ，１８ｂから構成されている。プレート１８ａ，１８ｂは円環状で、互いに上下対向するように周方向に等間隔に４個の取付け孔１９と８個の挿通孔２０が設けられている。

プレート１８ａと１８ｂとの間には４本のスペーサロッド２１が鉛直方向に設けられ、これらスペーサロッド２１の上下両端部は取付け孔１９に挿入された状態で溶接固定されている。従って、２枚のプレート１８ａ，１８ｂは上下に離間して平行に保たれている。さらに、プレート１８ａ，１８ｂの８個の挿通孔２０には所定の長さの鋼線からなる複数本のワイヤー２２の基端部が挿通孔２０に挿入された状態で溶接固定されている。従って、複数本のワイヤー２２は等間隔に円環状に配置され、先端部にはホルダー本体１０から上方に突出して円筒形中空部１２の径方向に弾性を持たせることにより、試験管ホルダー部２４を形成したホルダースプリング２５が構成されている。

ホルダースプリング２５の試験管ホルダー部２４は、側面視で略くの字状に屈曲されて狭窄部が形成され、径及び長さが異なる複数種類の試験管Ａを保持できるようになっている。さらに、試験管ホルダー部２４の上端部は各ワイヤー２２が外側に折曲され、傾斜部からなる試験管挿入案内部２６が形成されている。また、ホルダースプリング２５の基端部側で、円筒形中空部１２の開口端近傍にはゴム輪２７が嵌着され、ホルダースプリング２５の試験管ホルダー部２４を弾性的に狭めることにより、試験管Ａを確実に保持できるようにしている。

図４は試験管Ａを垂直状態に保持した試験管ホルダーを搬送する搬送レール３１に支持した状態を示す。搬送レール３１は試験管ホルダーのホルダー本体１０の外径より若干幅広い搬送路３２が設けられている。搬送路３２の内側面には搬送レール３１の長手方向に亘って連続する凸条部３３が互に対向して設けられている。そして、この凸条部３３にホルダー本体１０の上下２段のフランジ部１１ａ，１１ｂの間に形成された環状溝１１ｃが嵌合されている。

搬送レール３１の搬送路３２の内部には搬送ベルト３４が搬送レール３１の搬送方向に沿って張設されており、この搬送ベルト３４の上面には試験管ホルダーのホルダー本体１０の底面が接触して設けられている。従って、搬送ベルト３４の走行に伴って試験管ホルダーが搬送路３２に沿って搬送されるようになっている。

このように構成された試験管ホルダーによれば、試験管収容用の円筒形中空部１２を有するホルダー本体１０と、このホルダー本体１０の円筒形中空部１２内に装着され、径及び長さが異なる複数種類の試験管Ａを保持可能な試験管装着用のホルダーユニット１６とを備えた構造である。ホルダーユニット１６は、ホルダー本体１０の円筒形中空部１２内に装着される２枚のプレート１８ａ，１８ｂと、これら２枚のプレート１８ａ，１８ｂに基端部が固定されて円環状に配置されると共に、円筒形中空部１２の径方向に弾性を持たせた試験管ホルダー部２４を形成したホルダースプリング２５とから構成されている。

従って、試験管ホルダー部２４を形成したホルダースプリング２５は、円筒形中空部１２の径方向に弾性を有し、試験管Ａの径及び長さが異なっても、試験管Ａの胴部を確実に把持することができ、１種類の試験管ホルダーで、径及び長さが異なる複数種類の試験管Ａを保持できる。

しかも、試験管ホルダーの部品点数が少なく、組立作業が簡単であるため、コストダウンを図ることができる。また、試験管ホルダー部２４の上端部が外側に折曲され、試験管挿入案内部２６が形成されているため、上方から挿入される試験管Ａの挿入性が向上する。

なお、この発明は、前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組合わせてもよい。

この発明の第１の実施形態を示し、試験管ホルダーの斜視図。同実施形態の試験管ホルダーの縦断側面図。同実施形態のホルダーユニッの平面図。図３Ａのａ−ａ線に沿う断面図、同実施形態の試験管を保持した試験管ホルダーの縦断側面図。

符号の説明

Ａ…試験管、１０…ホルダー本体、１２…円筒形中空部、１６…ホルダーユニット、１７…固定部材、１８ａ，１８ｂ…プレート、２０…挿通孔、２２…ワイヤー、２４…試験管ホルダー部、２５…ホルダースプリング、２６…試験管挿入案内部

Claims

試験管収容用の円筒形中空部１２を有するホルダー本体１０と、
前記ホルダー本体１０の前記円筒形中空部１２内に装着され、径及び長さが異なる複数種類の試験管Ａを保持可能な試験管装着用のホルダーユニット１６とを備え、
前記ホルダーユニット１６は、
前記ホルダー本体１０の円筒形中空部１２内に上下に離間して水平状態に装着され、互いに上下対向するように周方向に配置された複数の挿通孔２０を有する２枚のプレート１８ａ，１８ｂと、
前記上下２枚のプレート１８ａ，１８ｂの挿通孔２０に基端部が挿入固定されて鉛直方向に円環状に配置された所定の長さの複数本のワイヤー２２からなり、各ワイヤー２２の先端部が外側に折曲されて試験管挿入案内部２６が形成され、前記ホルダー本体１０から上方に突出して前記円筒形中空部１２の径方向に弾性を持たせた試験管ホルダー部２４を形成したホルダースプリング２５とから構成されていることを特徴とする試験管ホルダー。