JP4332088B2 - エアバッグ・インフレータ - Google Patents

エアバッグ・インフレータ Download PDF

Info

Publication number
JP4332088B2
JP4332088B2 JP2004228391A JP2004228391A JP4332088B2 JP 4332088 B2 JP4332088 B2 JP 4332088B2 JP 2004228391 A JP2004228391 A JP 2004228391A JP 2004228391 A JP2004228391 A JP 2004228391A JP 4332088 B2 JP4332088 B2 JP 4332088B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wire
alloy
inflator
airbag
molybdenum
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004228391A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006046797A (ja
Inventor
誠司 武石
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tanaka Kikinzoku Kogyo KK
Original Assignee
Tanaka Kikinzoku Kogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tanaka Kikinzoku Kogyo KK filed Critical Tanaka Kikinzoku Kogyo KK
Priority to JP2004228391A priority Critical patent/JP4332088B2/ja
Publication of JP2006046797A publication Critical patent/JP2006046797A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4332088B2 publication Critical patent/JP4332088B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Air Bags (AREA)

Description

本発明は、エアバッグ・インフレータ導火線用の材料に関するものである。
車両衝突時の衝撃から乗員を保護する為、車両には種々のエアバッグシステム(膨張式安全装置)が搭載されている。これらエアバッグシステムは、車両内における乗員の座席位置や、衝撃を受けたときの乗員の拘束状況等に応じて、最適な乗員保護ができるように形成されている。特に、現在、例えば運転席側に配置されるもの、助手席側に配置されるもの、側面衝突から乗員を保護するもの等各種エアバッグの需要が急速に拡大している。
まず、通常のエアバッグの構造について説明する。エアバッグの構造の概略を図1に、エアバッグ・インフレータの断面概略図を図2に示す。エアバッグは、バッグ11と、それを収納するカバー12と、インフレータ20(例えば特許文献1)とから構成されている。このインフレータ20は、燃焼時に窒素ガスを発生するガス発生剤21及びガス発生剤を燃焼させる火薬22と、これらの火薬を収容するガス発生装置と、火薬に点火するスクイブ(点火手段)23とを備えている。
特開平8−91167
次に、エアバッグの動作について、簡単に説明する。車両の衝突が発生すると、その衝突を車両内のセンサーが感知し、インフレータ内のスクイブ23に信号を送られ、スクイブが作動する。その後、導火線24が着火し、その火炎により火薬22が燃焼し、ついでガス発生剤21が燃焼する。そしてガス発生剤21の燃焼に伴って発生する窒素ガスが、ガス発生容器25から放出される。インフレータ中の火薬として、例えばジルコニウム(Zr)と過塩素酸カリウム粉末との混合物が用いられる。また、ガス発生剤としては、例えばアジ化ナトリウム(NaN)が一般的に用いられている。
従来、上記のインフレータにおいて、インフレータ用の導火線はニクロム線(Cr−Fe−Ni)が使用されていた。ニクロム線は、温度上昇の立ち上がりが早い、発熱しても切れないといった特徴を有し、また製造コストが安価であるため、導火線としては好適なものとされてきた。
しかしながら、ニクロム線を導火線として用いた場合、エアバッグ作動前に導火線が腐食するため、エアバッグが正常に作動しないおそれがあるという問題が生じた。これは以下の原因による。インフレータの導火線24は、図2に示す様に、燃焼用の火薬22の近傍に設置されている。その燃焼用の火薬22は、火薬成分の一部がガス化することにより、塩素ガス等などの腐食性ガスを発生させる。そのため、導火線の周辺部は腐食性ガス雰囲気下となり、導火線は、常に腐食性ガスに曝されている状態となる。すなわち、ニクロム線を導火線として用いた場合、この導火線は、常時腐食性ガスに曝されることになるので、その耐食性の低さから、腐食が進行することとなる。現在では、自動車のライフサイクルが長期にわたることから、当然に、エアバッグ・インフレータの導火線においても、耐久性が求められる。また、乗員に対する安全性確保の観点から、エアバッグが、正常に作動しないおそれがあることは、非常に問題がある。
上記線材の不十分な点に対し、エアバッグ・インフレータ用の導火線として、白金とタングステンの合金(8%タングステン−白金合金)が知られている。(例えば特許文献1)この合金は、ニクロム線と比較して、耐食性が良く、比抵抗値も大きいことから、近年ニクロム線にかわりインフレータ用の導火線として用いられるようになっている。
しかしながら、白金合金は、材料コストの面から十分な特性を有するものとはいえない。上述したように、近年、エアバッグシステムの需要が急速に拡大していることに伴い、エアバッグ用インフレータの生産量も上昇の一途をたどっている。そのために、インフレータ用の導火線に用いる材料においては、比抵抗値が高く、十分な耐食性有し、さらに上記白金合金と比較して材料コストの面で十分な特性をもった材料が要求されている。
本発明は、以上のような背景のもとになされたものであり、耐食性にすぐれ、比抵抗値が高い上に、コストの安いエアバッグ・インフレータ導火線用の材料を提供することを目的とする。
本発明者は、この課題を解決すべく検討を行い、耐食性に優れ、コスト面に優位性のあるパラジウムを基本とした合金について開発を行うこととした。そして、本発明者は、パラジウムに、比抵抗値を向上させるために好適な添加元素として、モリブデンを添加することとし、この添加量を厳密に規定することで本願の目的とする材料を得ることができることに想到し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、重量%でモリブデン5〜30%、残部パラジウムのパラジウム合金からなるエアバッグ・インフレータ導火線用の材料である。
ここでモリブデンの濃度範囲を5〜30重量%とするのは、5重量%未満では比抵抗値が小さく、30%重量%を超えると、耐食性が悪くなる、比抵抗値が下降傾向を示す等さまざまな問題点が生じるからである。
より好ましくは、重量%でモリブデン10〜15重量%、残部パラジウムのパラジウム合金からなるエアバッグ・インフレータ導火線用の材料である。
上記記載のパラジウム合金を、エアバッグ・インフレータ用の導火線の材料として用いる場合、導火線の製造においては、鋳造加工、塑性加工、切削加工などの各種加工過程を有する。そのため、加工性が悪いと製造コストの面で不利となる。
ここで、モリブデンの濃度範囲を10〜15重量%とするのは、10重量%以上とすることにより、比抵抗値がより好ましい範囲となるが、15重量%以上では、合金自体の硬度が上がり加工性が悪くなるからである。
本発明にかかるパラジウム合金は、加工性に優れているため、インフレータ点火用の導火線の製造における、鋳造加工、塑性加工、切削加工などの加工工程において欠陥を生じさせにくい。さらに比抵抗値が大きく、耐食性に優れるという特徴を有する。
さらに、本発明においては、エアバッグ・インフレータ用の導火線は上記パラジウム合金からなる線材を導火線として備えるエアバッグ・インフレータとした。
上記パラジウム合金からなる線材を使用した導火線は、比抵抗値が高く、加工性が良く、十分な耐食性を有し、さらに従来技術の白金合金と比較して材料コストの面で十分な特性をもった材料であることから、上記エアバッグ・インフレータは、近年のエアバッグシステムの需要拡大に対して、十分な優位性を持つものであるといえる。
本発明に係るエアバッグ・インフレータ導火線用のパラジウム合金は、比抵抗値、加工性、耐食性に優れている材料である。
以下、本発明の好適な実施形態を比較例とともに説明する。
本実施形態では、モリブデン濃度の異なる種々のパラジウム−モリブデン合金線を製造し、使用する線材の外径は0.021mmとした。モリブデン合金の線材の製造工程は以下の通りである。まず、原料となるパラジウム及びモリブデンを予備溶解、その後、アルゴン雰囲気下にて高周波で溶解・成型してインゴットを作成した。このインゴットを溝付圧延、熱間線引き加工により板材又は断面円形の線材棒材を成形後、溝圧延加工、伸線加工により、外径0.021mmの線材を作成した。
比抵抗値の検討
比抵抗値は、試料を線径100μmまで伸線後、電気抵抗器(HEWLETT PACKARD製)にて、単位長さ(1m)当たりの抵抗値(Ω/m)を測定した。この抵抗値に、上記線材の断面積を乗じることで、比抵抗値(μΩcm)を算出した。以下に結果を示す。
Figure 0004332088
表1に本発明にかかるパラジウム合金における、モリブデンの添加量を変化させた場合の比抵抗値について示す。表からわかるように、モリブデン添加量が0wt%から15wt%までは、モリブデンの添加量を多くするにつれ、比抵抗値は上昇することがわかった。一方、モリブデン添加量が15wt%を超えると、比抵抗値は減少傾向を示した。
また、従来技術にかかる合金である白金−タングステン8%合金の比抵抗値を上記比抵抗測定と同じ条件で測定した結果、71.7(μΩcm)であった。本発明にかかるパラジウム−モリブデン8%合金の比抵抗値は84.1(μΩcm)であり、白金−タングステン合金8%の比抵抗値を上まわる事がわかった。
加工性の検討
上記実施形態と同様の方法で、モリブデン添加量をさらに50重量%まで増加して合金線の製作を試みたが、加工性が悪く満足な合金線ができなかった。
以上の結果より、比抵抗値と加工性について検討した結果、本発明にかかるエアバッグ・インフレータ導火線用のパラジウム合金におけるモリブデンの添加量は、5〜30重量%が最適であるといえる。
耐食性の検討
耐食性の検討をするにあたり、火薬を燃焼した際に生じる腐食性ガスによる影響を考慮した試験を行った。試料は上記製法にて製造したモリブデン8重量%合金線材(Pd−Mo8%:外径0.1mm・長さ1000mm)、白金−タングステン8重量%合金線材(Pt−W8%:外径0.1mm・長さ1000mm)及びステンレス線材(SUS304:外径0.2mm・長さ1000mm)の3種類とした。試験方法は、ビーカー中の35%塩酸を10倍希釈した溶液150mLに、上記試料を投入し、この溶液を100℃に加熱後、1時間保持した。この試験を塩酸浸漬試験と呼ぶ。
耐食性の検討は、塩酸浸漬試験において、浸漬試験前と浸漬後のPd−Mo8%合金の腐食状況を確認すること、及び上記塩酸溶液浸漬試験後の各試料の表面形状を比較確認することで行った。
図3に塩酸浸漬試験前と試験後のPd−Mo8%、Pt−W8%及びSUS304各試料についての表面形状を表したSEM像を示す。Pd−Mo8%においては、塩酸浸漬試験前と試験後における表面形状に特に変化が見られないことから、塩酸溶液に対して十分な耐食性を示すことが判る。また塩酸浸漬試験後の各試料の表面形状を比較すると、Pd−Mo8%合金線材は、SUS304の線材と比べて、表面形状に大きな差異が見られ、Pt−W8%合金線材と比べて、表面形状に差異が見られない。以上のことから、Pd−Mo8%合金線材はPt−W8%と同様耐食性に優れた線材であることが判った。
エアバッグ装置の概略を示す図 エアバッグ・インフレータの断面概略図を示す図 塩酸浸漬試験前と浸漬試験後のPd−Mo8%合金線材、Pt−W8%合金線材及びSUS304線材の表面状況を表したSEM像
符号の説明
10 エアバッグ装置
11 エアバッグ
12 カバー
20 インフレータ
21 ガス発生剤
22 火薬
23 スクイブ
24 導火線
25 ガス発生器

Claims (1)

  1. パラジウムとモリブデンとからなる合金であって、重量%でモリブデン8〜15%含み、残部をパラジウムとするパラジム−モリブデン合金からなる線材を導火線として備えるエアバッグ・インフレータ。
JP2004228391A 2004-08-04 2004-08-04 エアバッグ・インフレータ Expired - Fee Related JP4332088B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004228391A JP4332088B2 (ja) 2004-08-04 2004-08-04 エアバッグ・インフレータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004228391A JP4332088B2 (ja) 2004-08-04 2004-08-04 エアバッグ・インフレータ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006046797A JP2006046797A (ja) 2006-02-16
JP4332088B2 true JP4332088B2 (ja) 2009-09-16

Family

ID=36025546

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004228391A Expired - Fee Related JP4332088B2 (ja) 2004-08-04 2004-08-04 エアバッグ・インフレータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4332088B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5183166B2 (ja) * 2007-11-22 2013-04-17 ユニ・チャーム株式会社 動物用トイレ砂

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006046797A (ja) 2006-02-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3992924B2 (ja) エアバッグ膨張器用の点火強化剤組成物
US6769714B2 (en) Low onset dual stage hybrid inflator
JP4029194B2 (ja) 微粒子を生成せずに、無毒、無臭かつ無色のガスを発生させる点火式のガス発生方法
JP2003506257A (ja) 出力可変エアバッグインフレーター
EP1960239B1 (en) A hybrid type gas generator containing a metal charge
US6851374B1 (en) Dual stage inflator for low melting gas generants
EP2594545A1 (en) Igniting powder composition for igniters
EP3036052B1 (en) Manufacture method for double-swage airbag inflator vessel
JP5689065B2 (ja) ガス発生剤組成物及びその成型体、並びにこれを用いたガス発生器
US9079808B2 (en) Gas generator, gas generator holder and method for manufacturing gas generator holder
JPWO2010103811A1 (ja) ガス発生剤組成物及びその成形体、並びにそれを用いたガス発生器
JP4332088B2 (ja) エアバッグ・インフレータ
JP4402705B2 (ja) エアバッグインフレーター用フィルター、およびその製造方法
JP4953983B2 (ja) 筒状部品
JP4098776B2 (ja) マイクロ−ガス発生
US6165296A (en) Gas generant igniter composition and method
EP1661776A1 (en) Installation structure of gas producer and air bag module
JP2005246160A (ja) ガス発生器
JP2009120424A (ja) 顆粒状点火器用発火薬組成物及びそれを用いた点火器
JP5667367B2 (ja) エアバッグ装置及びこれに用いるガス発生器
JP5391440B2 (ja) パイロ型ガス発生器及びガス発生剤組成物の成型体
JP2008174441A (ja) ガス生成システムおよび組成物
WO2008013017A1 (fr) Agent d'allumage, initiateur, générateur de gaz, dispositif airbag, et dispositif de courroie en feuille
JPH08183687A (ja) ガス発生剤組成物
JPH0761314A (ja) ガス発生器における点火器の取付構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060307

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080402

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080414

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080603

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080728

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090317

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090515

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20090515

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090616

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090619

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120626

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120626

Year of fee payment: 3

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120626

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120626

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees