JP4331936B2 - 化合物半導体の製造方法及び化合物半導体の製造装置 - Google Patents

化合物半導体の製造方法及び化合物半導体の製造装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、化合物半導体の製造方法及び製造装置に関する。また、これらの製造方法又は製造装置で製造した化合物半導体を利用した赤外線波長領域での受光素子・発光素子に関する。
【0002】
特に、本発明は、InAs1−xSb三元混晶化合物半導体の製造方法及び製造装置に関する。また特に、ハイドライド気相エピタキシー(HVPE:Hydride Vapor Phase Epitaxy)法を用いたInAs1−xSb化合物半導体三元混晶の製造方法及び製造装置に関する。さらに、これらの製造方法及び製造装置で製造されたInAs1−xSb結晶(三元混晶)を用いた赤外波長領域での発光素子、受光素子に関する。
【0003】
【従来技術】
赤外線は可視光線の長波長限界である0.75μm以上の長さの波長の電磁波であり、可視光線に比べて透過性が高いため、種々の物質の測定に広く利用されている。
【0004】
例えば、可視光線に近い波長である0.75〜3.00μm(近赤外光)を用いた生体計測技術が注目されている。この波長域の赤外光は生体を通過しやすいからである。特に、近赤外光を皮膚に照射してその透過光を計測することで血液成分を計測する技術の研究が進められている。この研究の目的の一つは、例えば、非侵襲の血糖値センサーである。人体を傷つけずに血液中の血糖値が判明すれば医療上極めて便利である。
【0005】
また例えば、3〜5μm、及び8〜12μmの波長は、「大気の窓」と呼ばれ、この波長域の赤外線は、大気を通過する際に大気に吸収される割合が少ないことが知られている。大気中の、光の波長毎の透過率のグラフが図14に示されている。このグラフから、上記3〜5μm、及び8〜12μmの波長の光に対する透過率が高いことが理解されよう。
【0006】
その一方、この波長域は環境汚染物質(CO,NOx,SOx等々)の吸収波長域となっている。代表的な環境汚染物質の吸収波長の表が図15に示されている。
【0007】
以上述べたように、この大気の窓の波長域における赤外線の透過率を測定すれば、効率的に上記環境汚染物質の測定が可能となると考えられる。したがって、この「大気の窓」の波長域に感度を有する赤外線センサーは、「環境センサー」や「地球センサー」と呼ばれる「大気汚染モニター」としての利用が検討されている。ここで、大気汚染モニターとは、大気の汚染の程度を観測する装置の総称である。
【0008】
以上述べたように、赤外波長領域での発光デバイス(赤外線ダイオード、赤外線レーザなど)及び受光デバイス(赤外線センシング用センサー)は、種々の計測技術に応用可能な幅広い用途を有するデバイスとして注目されている。
【0009】
HgCd 1−x Te
従来から知られている赤外線センサーの一つに水銀・カドミウム・テルル(以下、HgCdTeと呼ぶ)の3元系の材料を利用した素子が知られている。このHgCdTeは、例えば下記特許文献1に記載されている。
【0010】
しかし、HgCdTeは、組成が不均一になりやすいことが知られている。また、Hg、Cd、Teは有毒な物質であり、取り扱いに十分留意する必要がある。さらに、このHgCdTeは、動作温度が77Kと低く、常温では動作しないという問題も知られている。
【0011】
また、このHgCdTeは波長に対して平坦な感度特性(いわゆるブロードな感度特性)を有しており、いわゆるピーク性を有する(ピーキーな)特性は有していない。そのため、特定の波長のみを検出するという目的には向いていない。例えば、上述した大気汚染の検査を行った場合、複数の汚染物質全体の測定はできるが、単一の種類の汚染物質のみの検査を行うのは困難であった。
【0012】
InAs 1−x Sb
上記のような問題点があるHgCdTeに対する代替品として、インジウム・ヒ素・アンチモンの3元系の材料を利用した素子が注目されている。このInAs1−xSbを利用した赤外線発光ダイオードが、例えば下記特許文献2に記載されている。
【0013】
特に、このInAs1−xSbを利用した発光素子・受光素子は、その波長特性に強いピーク性を有する(ピーキー(peaky)な特性である)ことが知られている。すなわち、所定の動作波長に対して強い感度を有すると共に他の波長に対してはそれほど強い感度は有していない特性を備えていることが知られている。
【0014】
さらに、このInAs1−xSbを利用した発光素子・受光素子は、その組成によって上述した動作波長を効率よく制御することができることが知られている。したがって、組成を調整することによって所望の波長にピーク感度を有する発光素子・受光素子を効率よく製造できると考えられている。
【0015】
InAs1−xSb(ここで、xは、InAs1−xSb結晶中のInSbの組成比である)における、組成比xと、そのInAs1−xSbの動作波長(ピーク感度を有する波長)との関係を示すグラフが図16に示されている。このグラフに示されているように、xを0からおよそ0.63まで変化させることによって、動作波長をおよそ3.44μm〜14.9μmの範囲で設定することができる。
【0016】
このような組成比xと動作波長の関係は、バンドギャップの値からも説明できる。InAs1−xSbのバンドギャップEgと、組成比xとの間には、
Eg(eV)=0.70x−0.88x+0.36
なる関係があることが知られている。この関係を表すグラフが図17に示されている。このグラフにおいて、横軸は組成比xであり、縦軸はバンドギャップ(eV)である。この式・グラフからx=0.63のときに、極小値Eg=0.083eVをとることが理解できる。したがって、InAs1−xSbに関して言えば、xを0から0.63まで調整することができれば、InAs1−xSbを用いて理論上実現することができる動作波長をすべて実際に実現することができることになる。
【0017】
このInAs1−xSbを用いて赤外線受光素子・赤外線発光素子を作成した場合に、動作波長λとバンドギャップEgとの間には、
λ=1.24/Eg
なる関係があることが知られている。したがって、組成比xを0〜0.63の範囲内で自由に設定することができれば、λ=3.44μm〜14.9μmの範囲の素子を作成することが可能となる。
【0018】
また、このInAs1−xSbを利用した発光素子は、電子移動度が高く応答性能が良いことが知られている。さらに、上述したHgCdTeと異なり、常温(300K)で動作可能という特徴を有している。
【0019】
また、下記特許文献1には、上記HgCdTeに関する記述がある。
【0020】
また、下記特許文献2には、PN接合を用いたInAs1−xSb発光ダイオードの製造方法が記載されている。
【0021】
また、下記特許文献3においては、InAs1−xSbであって、組成比xが高い結晶を製造することができる製造法が記載されている。
【0022】
また、下記特許文献4及び5には、HVPE法に関する記述がある。このHVPE法に関しては実施の形態において後述する。
【0023】
また、下記非特許文献1において、Northwestern Universityのグループが減圧MOCVDで成長させたInAs0.23Sb0.77を用いた受光素子であって、膜厚2.8μmの受光素子が記載されている。
【0024】
また、下記非特許文献2において、液相エピタキシーで成長させたInAs0.89Sb0.11を利用した中赤外発光ダイオードであって、膜厚25μmの受光素子が示されている。
【0025】
【特許文献1】
特開平3−72628号公報
【特許文献2】
特開平6−350134号公報
【特許文献3】
特開2000−86379号公報
【特許文献4】
特開平10−215000号公報
【特許文献5】
特開平10−316498号公報
【非特許文献1】
J. D. Kim, D. Wu, J. Wojkowski, J. Piotrowski, J. Xu, M. Razeghi,"Long-wavelength InAsSb photoconductors operated at near room temperatures(200-300 K)",Appl. Phys. Lett. Vol. 68 (1996) pp. 99-101
【非特許文献2】
X. Y. Gong, H. Kan, T. Makino, T. Iida, K. Watanabe, Y. Z. Gao, M. Aoyama,N. L. Rowell, T. Yamaguchi,"Room-temperature mid-infrared light-emitting diodes from liquid-phase epitaxial InAs/InAs0.89Sb0.11/InAs0.80Sb0.08 heterostructures",Jpn. J. Appl. Phys. Vol. 39 (2000) pp. 5039-5043.
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記InAs1−xSbを利用した発光素子及び受光素子の組成比率の調整は試行錯誤的に行われているのが現状であり、所望の組成のInAs1−xSbを作成するために、各組成毎に試行錯誤を繰り返す必要があった。上で述べたように組成比xを所定の値に自由に設定できれば所望の動作波長のInAs1−xSbが得られるが、組成比を設定する明確な手法は未だ知られていない。つまり、InAs1−xSbを利用した発光素子及び受光素子の効率的な製造は未だ実現されていなかった。
【0026】
これに関し、上記特許文献3では、液相で結晶を成長させる方法が記載されているが、高温の液体を取り扱わなければならず、装置の大規模化が難しい。さらに、結晶の成長速度が遅いので、製造効率が悪化してしまうおそれもある。
【0027】
また、赤外線の受光素子・発光素子として利用するためには、厚膜の構造が必要であるが、従来の手法では、厚膜を作成するのにかなり時間がかかってしまうという問題点があった。
【0028】
この結果、結局InAs1−xSbを用いた素子の製造効率は極めて低かったので、勢い、その価格もかなり高価となる傾向にあり、赤外線を用いた各種計測技術の普及・実用化の障害となるおそれもあった。
【0029】
なお、上記非特許文献1における減圧MOCVD (Low-pressure metalorganic chemical vapor deposition)には結晶の成長速度が遅いという問題がある。
【0030】
また、上記非特許文献2における液相エピタキシー法(Liquid phase epitaxy)は、大面積成長が難しいという問題がある。
【0031】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、所望の組成のInAs1−xSbを効率的に製造する方法及び装置を提供し、併せて、同製造方法及び装置を用いて製造されたInAs1−xSbを利用した発光素子及び受光素子を提供することである。
【0032】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本願発明は、HVPE:Hydride Vaper Phase Epitaxy)法を用いたInAs1−xSbの製造を行うことを提案する。具体的には、本発明は、以下のような手段を採用する。
【0033】
A.化合物半導体の製造方法及びその方法で製造した化合物半導体を利用した赤外線受発光素子
まず、本発明は、上記課題を解決するために、 III族の金属原料を含むガスと、V族の第1の金属原料を含むガスと、V族の第2の金属原料を含むガスと、を反応容器中に導入し、前記反応容器中でIII−V族化合物半導体を結晶成長させる化合物半導体の製造方法において、前記反応容器中に導入される全ガス中のIII属の金属原料の分圧と、前記全ガス中のV属の第1及び第2の金属原料の分圧の和との比であるV/III比が、1未満の値であることを特徴とする化合物半導体の製造方法である。
【0034】
さらに、本発明は上記化合物半導体の製造方法において、V属の前記第1の金属原料の分圧P1と、V属の前記第2の金属原料分圧P2と、から求められるP1/(P1+P2)の値を調整することによって、製造される化合物半導体の結晶中のV属の前記第1の金属とV属の前記第2の金属との組成比を調整することを特徴とする化合物半導体の製造方法である。
【0035】
このような構成によって、V属の前記第1の金属とV属の前記第2の金属との組成比を調整することが可能となる。
【0036】
また、本発明は、上記の化合物半導体の製造方法において、前記V/III比が、0.05以上の値であることを特徴とする化合物半導体の製造方法である。
【0037】
このような構成によって、化合物半導体の結晶成長速度を一定の値に確保することができる。
【0038】
また、本発明は、上記の化合物半導体の製造方法において、V族の前記第1の金属はアンチモンSbであり、V族の前記第2の金属は、ヒ素Asであり、前記III属の金属は、インジウムInであり、InAs1−xSbの結晶を成長させることを特徴とする化合物半導体の製造方法である。
【0039】
このような構成によって、InAs1−xSbの結晶中のAsとSbの組成比を調整することが可能となる。
【0040】
また、本発明は、上記化合物半導体の製造方法において、前記アンチモンを含むガスとして、トリメチルアンチモン(CHSbを含むガスを用い、前記ヒ素を含むガスとして、アルシンAsHを含むガスを用い、前記インジウムを含むガスとして、塩化インジウムInClを含むガスを用いることを特徴とする化合物半導体の製造方法である。
【0041】
このような原料を利用することによって、InAs1−xSbの結晶を成長させることが可能となる。
【0042】
また、本発明は、上記の化合物半導体の製造方法において、前記反応容器は、その中に導入されるガスを加熱する原料部領域と、前記加熱後のガスを混合する混合領域と、前記混合後のガスを用いて結晶を成長させる反応領域と、の3種の領域を少なくとも含むことを特徴とする化合物半導体の製造方法である。
【0043】
このような領域構成によって、化合物半導体の結晶を効率よく成長させることが可能となる。
【0044】
また、本発明は、上記の化合物半導体の製造方法において、前記反応容器中の前記原料部領域は500℃以上の範囲で加熱され、前記反応領域は、400℃から700℃の範囲で加熱されていることを特徴とする化合物半導体の製造方法である。
【0045】
このような温度構成によって、化合物半導体の結晶を効率よく成長させることが可能となる。
【0046】
また、本発明は、上記の化合物半導体の製造方法において、前記塩化インジウムを、前記原料部領域に配置された金属インジウムに塩化水素ガスHClを反応させることによって生成し、この生成した塩化インジウムをインジウムを含むガスとして用いる化合物半導体製造方法である。
【0047】
このような構成によって、インジウムを効率よく反応領域に供給することが可能となる。
【0048】
また、本発明は、これまで述べた化合物半導体の製造方法で製造されたInAs1−xSb結晶を用いた赤外線発光素子又は赤外線受光素子である。
【0049】
このような赤外線発光素子又は赤外線受光素子を用いれば、赤外線領域中の所定の波長を動作波長とする赤外線発光素子又は赤外線受光素子を構成することができ、赤外線の測定を効率よく行うことができる。
【0050】
B.化合物半導体の製造装置及びその装置で製造した化合物半導体を利用した赤外線受発光素子
まず、本発明は、上記課題を解決するために、インジウムInの原料を含むガスと、アンチモンSbの原料を含むガスと、ヒ素Asの原料を含むガスと、を反応容器中に導入し、前記反応容器中でInAs1−xSb化合物半導体を結晶成長させる化合物半導体の製造装置において、前記反応容器は、その中に導入されるガスを加熱する原料部領域と、前記加熱後のガスを混合する混合領域と、前記混合後のガスを用いて結晶を成長させる反応領域と、の3種の領域を少なくとも含むことを特徴とする化合物半導体の製造装置である。
【0051】
このような構成によって、InAs1−xSbの結晶を効率よく成長させることが可能である。
【0052】
また、本発明は、上記の化合物半導体の製造装置において、前記アンチモンを含むガスとして、トリメチルアンチモン(CHSbを含むガスを用い、前記ヒ素を含むガスとして、アルシンAsHを含むガスを用い、前記インジウムを含むガスとして、塩化インジウムInClを含むガスを用いることを特徴とする化合物半導体の製造装置である。
【0053】
このような原料を利用することによって、InAs1−xSbの結晶を効率よく成長させることが可能となる。
【0054】
また、本発明は、上記の化合物製造装置において、前記反応容器中の前記原料部領域を500℃以上の範囲で加熱する原料部領域ヒータ手段と、前記反応領域を、400℃から700℃の範囲で加熱する反応領域ヒータ手段と、を含むことを特徴とする化合物半導体の製造装置である。
【0055】
このような構成によって、InAs1−xSbの結晶を効率よく成長させることが可能となる。
【0056】
また、本発明は、上記の化合物半導体の製造装置において、前記原料部領域には、金属インジウムを保持する手段が設けられており、前記金属インジウムに塩化水素ガスHClを反応させることによって前記塩化インジウムが生成し、この生成した塩化インジウムをインジウムを含むガスとして用いる化合物半導体製造装置である。
【0057】
このような構成によって、材料となる塩化インジウムを反応領域に効率よく供給することが可能となる。
【0058】
また、本発明は、上記の化合物半導体の製造装置で製造されたInAs1−xSb結晶を用いた赤外線発光素子又は赤外線受光素子である。
【0059】
このような赤外線発光素子又は赤外線受光素子は、赤外線領域中の所定の波長を動作波長とする赤外線発光素子又は赤外線受光素子を構成することができ、赤外線の測定を効率よく行うことができる。
【0060】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0061】
本実施の形態では、InAs1−xSbを高速に結晶成長させる方法を説明する。
【0062】
1.ハイドライド気相エピタキシー法
まず、本実施の形態で採用するハイドライド気相エピタキシー(HVPE:Hydride Vapor Phase Epitaxy)法について説明する。なお、この方法は、ハイドライド気相成長法と呼ばれることもある。
【0063】
このHVPE法は、100μm程度の厚膜形成の手法の一つとして知られており、Ga、Inなどをハロゲン化物として気流輸送し、V族水素化物と反応させて化合物半導体を製造する方法である。
【0064】
HVPE法においては、石英反応管の中に基板を挿入し、この基板上に結晶を成長させていく。この際、結晶が成長する部分(つまり、基板が配置されている位置)のみならず、周囲を覆う石英反応管も高温となるホットウォール(Hot Wall)方式を採用している。
【0065】
これに対して例えば、有機金属気相エピタキシー法(MOVPE:Metalorganic Vapor Phase Epitaxy)は、HVPE法と同様に石英反応管を用いる方法である。しかし、MOVPE法においては、石英反応管は高温にならずに、石英反応管の中の基板結晶のみが加熱されるコールドウォール(Cold Wall)方式を採用している。なお、分子線エピタキシー法(MBE:Molecular Beam Epitaxy)は、超高真空チャンバーを使用し、石英を反応系に含まない方法である。
【0066】
石英反応管ホットウォール方式であるHVPE法の利点の一つに、結晶の成長速度が大きいという点がある。この利点があるため、ある程度の膜厚が必要な高感度の光センサー、厚膜で高品質な結晶が要求されるパワーデバイス(特にGaAsを用いた電源系のパワーデバイス)の製造にHVPE法は用いられてきた。このHVPE法に関しては、上記特許文献4、特許文献5に記載されている。
【0067】
2.製造のための装置の説明
本実施の形態においてHVPE法を利用してInAs1−xSb化合物半導体を製造する様子を示す説明図が図1に示されている。この図1には、HVPE法を利用してInAs1−xSb化合物半導体を製造する装置の断面図が示されている。
【0068】
この図に示すように、この装置は、反応容器となる石英反応管10を備えている。石英反応管10は3つの領域に分けて、それぞれ以下のように呼ぶ。まず、原料部領域(Material Preparation Zone)20aにおいては、3本のガス導入パイプ30(a〜c)が石英反応管10中に伸長しており、この3本のガス導入パイプ30(a〜c)を介してガスが外部から石英反応管10中に導入される。次に、ガス混合領域(Gas Mixing-Zone)20bは、上記3本のガス導入パイプ30(a〜c)の吐出口から、基板40までの空間であり、この領域でガスが混合される。反応領域(Reaction Zone)20cは、混合されたガスが反応する領域である。InAs1−xSb化合物半導体の結晶が成長する基板40はこの位置に置かれる。なお、石英反応管10は、請求の範囲における反応容器の一例に相当する。
【0069】
また、図1に示すように、各ガスは3本のガス導入パイプ30(a〜c)を介して、石英反応管10中に導入され、ガス混合領域20b、反応領域20cを順に通過して、最終的に排出口50から排出される。
【0070】
各領域はヒータで覆われており、所定の温度に維持されている。原料部領域20aの周囲には原料部領域ヒータ60aが備えられており、およそ500℃以上の温度に調整されている。また、ガス混合領域20bにはガス混合領域ヒータ60bが備えられている。また、反応領域20cには、反応領域ヒータ60cが備えられており、およそ400℃〜700℃の温度に調整されている。
【0071】
3.用いるガスについて
石英反応管10には、3本のガス導入パイプ30(a〜c)が設けられており、それぞれ所定のガスを石英反応管10中に導入する役割を果たしている。
【0072】
まず、ガス導入パイプ30aは、キャリアガス(Carrier Gas)とトリメチルアンチモン(Trimethylantimony:(CHSb)を石英反応管10中に導入する。キャリアガスとしては、水素ガスH、又は、水素ガスH+不活性ガス(IG)の混合ガスを用いる。本実施の形態では、後者の混合ガスを用いた例を以下説明する。もちろんキャリアガスとして用いられる種々のガスを利用してもかまわない。
【0073】
ガス導入パイプ30bは、キャリアガスと塩化水素(HCl)を石英反応管10中に導入する。本実施の形態においては、このガス導入パイプ30bの途中、すなわち、原料部領域20a中の途中に金属インジウム(In Metal)70を載せたボート72を配置している。この位置に金属インジウム70を配置することによって、ガス導入パイプ30bの吐出口からは、塩化インジウム(InCl)を含むガスが吐出される。このボート72は、請求の範囲における金属インジウムを保持する手段の一例に相当する。
【0074】
ガス導入パイプ30cは、キャリアガスとアルシン(Arsine:AsH)を石英反応管10中に導入する。
【0075】
4.装置中の反応
本願発明者は、InAs1-xSbxを高速成長するため、ハイドライド気相成長(HVPE)法における結晶成長の可否及び固相組成xの検討を熱力学解析に基づいて行った。ここで、xは、Sbの固相の組成比率である。なお、InAs1−xSbは、InAsと、InSbとの混晶であると考えられるので、このxは、InAs1−xSb中のInSbの比率でもある。
【0076】
検討の前提として、本願発明者は、III族であるInの原料として塩化物のInClを採用した。そして、V族のAs,Sbの原料として、それぞれAsH(アルシン),(CHSb(トリメチルアンチモン)を用いた。これらの原料をキャリアガス(Hと不活性ガス(IG)の混合ガス)で輸送することにした。
【0077】
このような条件の下での、V族原料の供給比(AsHと(CHSbの供給分圧比)と、成長するInAs1−xSb混晶の固相組成xとの関係を、熱力学解析に基づき検討したのである。
【0078】
まず、結晶の成長部、すなわち基板40の位置する部位では、次の6種の平衡反応が存在する(式(1)−式(6))。以下、示す式中において、alloyは合金を意味し、gはガスすなわち気体を意味する。
【0079】
【数1】
Figure 0004331936
ここでInCl,As及びSbはそれぞれ原料部における次の反応で生じている(式(7)−式(9))。ここで、原料部とは、図1における原料部領域20aと同様の意味である。すなわち、本実施の形態では、以下の反応を生じさせるために原料部領域20aを500℃以上に加熱しているのである。500℃以上であれば、AsH→As、(CHSb→Sbの反応が起こるし、InClも発生するからである。500℃程度の低温であっても、ガス化されれば、供給ガスのレシオには自由度があり設定でき、実施可能である。
【0080】
【数2】
Figure 0004331936
以上の式から成長部(基板40の位置する部位)に存在するガス種はInCl,InCl,As,As,Sb,Sb,SbCl,HCl,RH,H,Inert gas(IG:不活性ガス)の11種となる。ここで、結晶の成長条件(成長部における条件)を次のように設定する。
【0081】
【数3】
Figure 0004331936
ここで、成長温度Tは、反応領域20cにおける温度であり、本実施の形態では、400℃〜700℃が好ましい温度である。この範囲でも特に500℃が好ましい温度である。また、反応管内圧力ΣPiは、種々の圧力を採用できるが、本実施の形態では1atmを採用している。また、本実施の形態ではIII族としてInを採用している。したがって、本実施の形態におけるIII属の分圧P IIIは、InClの分圧P In C と等しい。
【0082】
なお、本特許では、圧力をPの文字で表す。特に右肩にoが記されているPは、ガスを入力するときの圧力を意味し、oが記されていないPは、結晶が成長する基板40の位置における圧力を意味する。ある成長条件における各ガス種の平衡分圧Piは以下の連立方程式(式(10)‐式(22))を解くことにより求められる。まず、(1)−(6)の反応式より、以下の式(10)−式(15)が導かれる。
【0083】
【数4】
Figure 0004331936
これらの式において、K−Kはそれぞれ上記反応式(1)−(6)の平衡定数(温度の関数)で、反応の自由エネルギーΔGoより求められる。αInAs,αInSbはそれぞれInAs1−xSb中のInAs,InSbの活量であり、正則容体モデルにより次の式(16)、式(17)でそれぞれ表される。
【0084】
【数5】
Figure 0004331936
ここで、ΩInAs−InSbはInAsとInSbの相互作用パラメータで、DLPモデルより2250cal/molと見積もった。さらに系の束縛条件より、圧力に関し、以下の式(18)が導き出せる。
【0085】
【数6】
Figure 0004331936
また、結晶の析出の際、固相に取り込まれるIII族とV族の原子数は等量であるので、この点に関し、以下の式(19)が導かれる。
【0086】
【数7】
Figure 0004331936
一方、固相に取り込まれない塩素、水素、IGの原子数が結晶の成長の前後で不変であることから、以下の式(20)、(21)が導かれる。
【0087】
【数8】
Figure 0004331936
ここでAは系内の塩素の水素とIGに対する原子数の比である。最後に、PRHに関する束縛条件より、以下の式(22)が導かれる。
【0088】
【数9】
Figure 0004331936
各ガス種の成長部における平衡分圧を計算した後、目的とするInAs1−xSb混晶の固相組成xを得るために必要なV族原料供給比RSbを以下の式(23)を用いて求めた。
【0089】
【数10】
Figure 0004331936
なお、RSbの定義を表す式は以下の式(24)である。
【0090】
【数11】
Figure 0004331936
さて、上記式(23)を表したグラフが図2に示されている。このグラフは、反応領域20cの温度が500℃、反応管内部の総圧力ΣPiが1atmであり、III族源のInClのガス分圧が5.0×10−4atmである。また、F(上記「数3」参照)すなわちキャリアガス中の水素割合は1である。図2のグラフの縦軸は、成長した結晶、すなわちInAs1−xSb混晶のxの値、すなわちSbの固相組成比を表す。また、横軸は、原料となるV族ガス中のSbの分圧比RSbである。このRSbは、Sb/(Sb+As)で表される。
【0091】
この図2のグラフから、通常のIII−V族混晶の成長で用いられているV/III比=1.0の条件ではx>0.2以上のInAs1−xSb混晶の成長が極めて難しいことが理解される。すなわち、x>0.2以上とするためには、原料となるガス中のSbの比であるRSb(=Sb/(Sb+As))を0.85から1.00の極めて狭い数値範囲内で制御しなければならず、制御が困難となることが予想されるのである。このV/III比の定義は、上記「数3」中に示されている。
【0092】
一方、RSbが小さい場合においてもV/III比を1より小さくすることでxの大きなInAs1−xSb混晶が得られることが図2のグラフに示唆されている。
【0093】
そこで、従来、III−V族混晶の成長では、V/III比=1.0の条件が採用されていたのに対し、本実施の形態では、V/III比を1.0より小さくすることによって、図2に示されているグラフのいわゆる「傾き」を小さくすることができる。このことは、RSbの変化に対するxの変化を大きくならないようにすることができることを意味する。その結果、本実施の形態によれば、InAs1−xSb混晶中のSbの比率xを容易に制御することが可能となった。例えば、V/III比=0.1の場合には、図2に示した例では、グラフがほぼ直線となり、RSbの変化に対してほぼリニアに(比例して)xが変化することが理解できよう。
【0094】
このように、本実施の形態においては、化合物半導体の製造において、従来ほぼ1の値であったV/III比を、1より小さな値とすることで、製造する化合物半導体中の組成比率を容易に制御することが可能となった。具体的にはInAs1−xSb混晶における組成比率xの値を自由に制御することができるのである。
【0095】
5.理論値と実験値
次に、図3には、理論値と実験値との比較を表すグラフが示されている。このグラフの縦軸、横軸は、図2のグラフと全く同様であり、結晶の成長条件も全く同様である。この図3には、図2におけるV/III比=1.0の場合について、理論値(計算値)と、実験値とを記載されている。この図中実線が、理論値を表し、●が実験値を表す。
【0096】
次に、図4にも、理論値と実験値との比較を表すグラフが示されている。このグラフの縦軸は図2、図3と同様に、成長した結晶、すなわちInAs1−xSb混晶のxの値、すなわちSbの固相組成比を表す。一方、横軸は、V/III比である。結晶の成長条件については、図2、図3と全く同様である。
【0097】
この図4においては、RSbをパラメータとしてグラフが描かれている。具体的には、RSbが0.4と0.7の場合についてグラフが描かれている。図4において、実線はRSbが0.4の場合の理論値のグラフであり、●はRSbが0.4の場合の実験値である。また、破線はRSbが0.7の場合の理論値のグラフであり、○はRSbが0.7の場合の実験値である。
【0098】
6.成長速度
次に、図5には、結晶の成長速度を表すグラフが示されている。このグラフにおいても、図2と同様に、反応領域20cの温度が500℃、反応管内の総圧力ΣPiが1atmであり、III族源のInClのガス分圧が5.0×10−4atmである。また、F(上記「数3」参照)すなわちキャリアガス中の水素割合は1である。
【0099】
この図5のグラフの縦軸は、結晶の成長速度(μm/h)であり、横軸は、入力する原料のガスのV/III比である。なお、RSbは0.7の値に固定している。このグラフに示されているように、V/III比が小さくなると結晶の成長速度が下がることが理解される。図2のグラフで示したように、V/III比は小さい方が、RSbの変化に対するアンチモンの組成比xの値がリニアに変化するのでxの値の調整がより容易となるが、極端に小さい場合には結晶の成長速度が低下してしまう。そのため、V/III比はおよそ0.05以上の値にすることが好ましい。
【0100】
なお、図5の実施例では、トータルフローレートが600cc/分である。成長速度は、以下のような手法で増大させることが可能である。
【0101】
(1)石英反応管10に導入する原料の供給分圧比を増加する。
【0102】
(2)石英反応管10に供給するガスのトータルフローレートを増加する。
【0103】
7.温度
上述したように本実施の形態では、反応領域20cの温度として500℃を採用している。この理由を説明するために、InAs1−xSbの平衡状態図を図6に示す。InAs1−xSbは、(InAs)1−x(InSb)擬2元混晶と見なすことができる。この場合の平衡状態図が図6に示されており、縦軸は温度を表し、横軸はInAs1−xSb中のInSbの組成比すなわちxを表す。
【0104】
この図6のグラフに示されているように、温度が500℃の場合は、xがどの値でもInAs1−xSbはすべて固体になることが理解できる。したがって、温度を500℃にすれば、どのような組成割合でも結晶が成長できるのである。したがって、本実施の形態では500℃を採用している。本実施の形態では、500℃を採用したが、およそ400℃〜500℃の範囲であれば、全組成の結晶を成長させることが可能であるので好ましい。
【0105】
なお、本件の特許請求の範囲では、反応領域20cの温度範囲として400℃〜700℃と規定している。これは、図6に示すように、組成比が非常に小さい場合(約0.05未満)では、700℃の近傍でも結晶が成長するからである。
【0106】
また、本実施の形態では、原料部領域をおよそ500℃以上の温度範囲で加熱しているが、これは金属インジウムがInClとなる条件温度を選択したものである。各種条件が異なる場合には、金属インジウムがInClとなりうる妥当な温度を設定することが好ましい。
【0107】
8.R Sb の調整、V/III比の調整
本実施の形態では、V/III比を1より小さい値に設定すれば、RSbの値を変化させることによって、InAs1−xSbのx(固相組成比)の値を調整することができる方法を提案した。
【0108】
ここで、V/III比やRSbの値を変化させる具体的な手法としては、例えば、ガス中の金属材料の供給分圧比を変化させることが好ましい。トリメチルアンチモン((CHSb)の供給分圧、アルシン(AsH)の供給分圧を調整することによってRSbを調整することができる。
【0109】
例えば、以下のような手順で供給分圧を設定することも好ましい。
【0110】
(1)トータルフローレートを決定する。
(2)石英反応管10内部の圧力を決定する。
(3)III属金属の原料(塩化インジウム)の供給分圧(P InCl)を決定する。図2に示す例では、このIII属金属の供給分圧は5.0×10−4atmに設定している。
(4)V属金属の原料の供給分圧を決定する。すなわちP AsH3とP (CH3)3Sbとの和を決定する。これによって、上で定めたIII属金属原料の供給分圧との比、すなわち、V/III比が決定される。
(5)V属金属間の供給分圧比を決定する。すなわちP AsH3とP (CH3)3Sbとの比を決定する。これによって、RSbが決定される。
(6)原料のキャリアガス中のHと不活性ガスIGの混合比を決定する。
(7)結晶成長のための温度を決定する。図2に示す例では、この温度は500℃に設定している。
なお、各元素の量を調整する手法は、上で述べた手法以外にも従来から知られている各種の手法をそのまま利用することがもちろん可能である。なお、トリメチルアンチモン(CHSbは、トリの「T」、メチルの「M」を利用してTMSbと称する場合もある。この場合、上記P (CH3)3Sbは、P TMSbと記載される。
【0111】
9.各元素の原料
各元素の原料は、上で述べた例以外でも種々の物質が利用可能である。
【0112】
(1)例えば、ヒ素の原料としては、ビスジメチルアミノアルシンクロライド(As[N(CHCl)、ジエチルアミノアルシンジクロライド(As[N(C]Cl)、ジエチルアミノジエチルアルシン((CAs[N(C])、ジエチルアルシン((CAsH)が挙げられる。これらが図7に示されている。
【0113】
また、例えば、ヒ素の原料としては、ジメチルアルシンクロライド((CHAsCl)、第3ブチルアルシン(TBA)(t−CAsH)、テトラメチルジアルシン((CHAsAs(CH)、トリエチルアルシン((CAs)、トリメチルアルシン(CHAs)が挙げられる。これらが図8に示されている。
【0114】
また、例えば、ヒ素の原料としては、トリノーマルプロピルアルシン(n−CAs、トリフェニルアルシン((CAs)、トリスジメチルアミノアルシン(As[N(CH)が挙げられる。これらが図9に示されている。
【0115】
また、例えば、ヒ素の原料としては、トリエトキシアルシン(As(OC)、トリイソプロキシアルシン(As(i−O−C)、トリメトキシアルシン(As(OCH)、トリノーマルブトキシアルシン(As(n−O−C)、ヒ酸(HAsO)、臭化ヒ素(AsBr)、塩化ヒ素(AsCl)、5酸化2ヒ素(As)、3酸化2ヒ素(As)、ヒ酸水素2ナトリウム(NaHAsO)、ヒ酸ナトリウム(NaAsO)が挙げられる。これらが図10に示されている。
【0116】
(2)例えば、アンチモンの原料としては、ジメチル第3ブチルアンチモン((CH(t−C)Sb)、トリエチルアンチモン((CSb)、トリ−i−プロピルアンチモン(i−CSb)、トリメチルアンチモン(CHSb)、トリメチルアンチモンジブロマイド((CHSbBr)、トリスジメチルアミノアンチモン(Sb[N(CH)が挙げられる。これらが図11に示されている。
【0117】
また、例えば、アンチモンの原料としては、トリエトキシアンチモン(Sb(OC)、トリイソプロポキシアンチモン(Sb(i−O−C)、トリノーマルブトキシアンチモン(Sb(n−O−C)、トリノーマルプロポキシアンチモン(Sb(n−O−C)、5塩化アンチモン(SbCl)、5フッ化アンチモン(SbF)が挙げられる。これらが図12に示されている。
【0118】
また、例えば、アンチモンの原料としては、3塩化アンチモン(SbCl)、3臭化アンチモン(SbBr)、3フッ化アンチモン(SbF)、3ヨウ化アンチモン(SbI)、5酸化2アンチモン(Sb)、3酸化2アンチモン(Sb)が挙げられる。これらが図13に示されている。
【0119】
10.まとめ
以上述べたように、本実施の形態によればピーク性を有する(peaky)赤外線発光素子、赤外線受光素子の材料となるInAs1−xSb結晶を効率的に製造することが可能となった。
【0120】
そして、このようにして製造したInAs1−xSbを用いて赤外線発光素子・赤外線受光素子を作成すれば、所望の波長を動作波長とする赤外線発光素子・赤外線受光素子が得られる。
【0121】
11.応用例
なお、本実施の形態では、InAs1−xSb化合物半導体の製造を説明したが、III属の金属と、V属の第1の金属と、V属の第2の金属と、からなる化合物半導体であれば、上記InAs1−xSbと同様の物理的化学的性質を有するので、本質的に同様の手法で製造することが可能である。
【0122】
【発明の効果】
以上、述べたように、本発明によれば、V属金属とIII属金属の化合物半導体を効率的に製造可能な化合物半導体の製造方法が得られる。特に、本発明においては、各金属の組成比を調整することができるため、所望の組成比の化合物半導体を製造することができる。
【0123】
また、本発明によれば、化合物半導体であるInAs1−xSbを効率よく製造可能な製造方法及び製造装置が得られる。特に、上記組成比xを所望の値に調整することができる製造方法及び製造装置が得られる。
【0124】
さらに、製造した化合物半導体を用いて赤外線発光素子や赤外線受光素子を作成すれば、所望の波長を動作波長とする赤外線発光素子・赤外線受光素子が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態における化合物半導体製造装置の断面図である。
【図2】本実施の形態におけるRSbと、製造される化合物半導体のアンチモン固相組成比であるxの関係を示すグラフであって、V/III比をパラメータとするグラフである。
【図3】図2のグラフ中に、実験値を表示したものである。
【図4】本実施の形態におけるV/III比と、製造される化合物半導体のアンチモン固相組成比であるxの関係を示すグラフであって、RSbをパラメータとするグラフである。また、グラフ中には、実験値も表示されている。
【図5】 本実施の形態におけるInAs1−xSbの結晶の成長速度を示すグラフであり、V/III比に対する成長速度がグラフに示されている。
【図6】InAs1−xSbの平衡状態図である。
【図7】ヒ素の原料の他の例を示す説明図である。
【図8】ヒ素の原料の他の例を示す説明図である。
【図9】ヒ素の原料の他の例を示す説明図である。
【図10】ヒ素の原料の他の例を示す説明図である。
【図11】アンチモンの原料の他の例を示す説明図である。
【図12】アンチモンの原料の他の例を示す説明図である。
【図13】アンチモンの原料の他の例を示す説明図である。
【図14】大気の透過率を表すグラフである。
【図15】各種ガスの吸収波長を表す表である。
【図16】InAs1−xSb混晶のSb組成比であるxの値と、そのInAs1−xSb混晶の動作波長の関係を表すグラフで、代表的な汚染ガスの吸収位置も示すものである。
【図17】InAs1−xSbのバンドギャップEgと、組成比xとの間の関係を表すグラフである。
【符号の説明】
10 石英反応管
20a 原料部領域
20b ガス混合領域
20c 反応領域
30a、30b、30c ガス導入パイプ
60a 原料部領域ヒータ
60b ガス混合領域ヒータ
60c 反応領域ヒータ
70 金属インジウム
72 ボート

Claims (11)

  1. III族の金属原料であるインジウムInを含むガスと、V族の第1の原料であるアンチモンSbを含むガスと、V族の第2の原料であるヒ素Asを含むガスと、を反応容器中に導入し、前記反応容器中でIII−V族化合物であるInAs1−xSbの半導体を結晶成長させるHVPE法を利用した化合物半導体の製造方法において、
    前記反応容器中に導入される全ガス中のIII族の金属原料の分圧と、前記全ガス中のV族の第1及び第2の原料分圧の和との比であるV/III比が、1未満の値であることを特徴とするHVPE法を利用した化合物半導体の製造方法。
  2. 請求項1記載のHVPE法を利用した化合物半導体の製造方法において、
    V族の前記第1の原料の分圧P1と、V族の前記第2の原料分圧P2と、から求められるP1/(P1+P2)の値を調整することによって、製造される化合物半導体であるInAs1−xSbの結晶中のV属の前記第1の原料とV族の前記第2の材料との組成比を調整することを特徴とする化合物半導体の製造方法。
  3. 請求項1又は2記載のHVPE法を利用した化合物半導体の製造方法において、
    前記V/III比が、0.05以上の値であることを特徴とする化合物半導体の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のHVPE法を利用した化合物半導体の製造方法において、
    前記アンチモンを含むガスとして、トリメチルアンチモン(CHSbを含むガスを用い、
    前記ヒ素を含むガスとして、アルシンAsHを含むガスを用い、
    前記インジウムを含むガスとして、塩化インジウムInClを含むガスを用いることを特徴とする化合物半導体の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のHVPE法を利用した化合物半導体の製造方法において、
    前記反応容器は、その中に導入されるガスを加熱する原料部領域と、前記加熱後のガスを混合する混合領域と、前記混合後のガスを用いて結晶を成長させる反応領域と、の3種の領域を少なくとも含むことを特徴とする化合物半導体の製造方法。
  6. 請求項5記載のHVPE法を利用した化合物半導体の製造方法において、
    前記反応容器中の前記原料部領域は500℃以上の範囲で加熱され、前記反応領域は、400℃から700℃の範囲で加熱されていることを特徴とする化合物半導体の製造方法。
  7. 請求項5又は6記載の化合物半導体の製造方法において、
    前記塩化インジウムを、前記原料部領域に配置された金属インジウムに塩化水素ガスHClを反応させることによって生成し、この生成した塩化インジウムをインジウムを含むガスとして用いる化合物半導体製造方法。
  8. インジウムInの原料を含むガスと、アンチモンSbの原料を含むガスと、ヒ素Asの原料を含むガスと、を反応容器中に導入し、前記反応容器中でInAs1−xSb化合物半導体を結晶成長させる化合物半導体の製造装置において、
    前記反応容器は、その中に導入されるガスを加熱する原料部領域と、前記加熱後のガスを混合する混合領域と、前記混合後のガスを用いて結晶を成長させる反応領域と、の3種の領域を少なくとも含み、
    前記反応容器中に導入される全ガス中のIII族の金属原料であるインジウムInの分圧と、前記全ガス中のV族の原料であるアンチモンSb及びヒ素Asの分圧の和と、の比であるV/III比が、1未満の値であることを特徴とするHVPE法を利用した化合物半導体の製造装置。
  9. 請求項記載の化合物半導体の製造装置において、
    前記アンチモンを含むガスとして、トリメチルアンチモン(CHSbを含むガスを用い、
    前記ヒ素を含むガスとして、アルシンAsHを含むガスを用い、
    前記インジウムを含むガスとして、塩化インジウムInClを含むガスを用いることを特徴とするHVPE法を利用した化合物半導体の製造装置。
  10. 請求項又は記載の化合物製造装置において、
    前記反応容器中の前記原料部領域を500℃以上の範囲で加熱する原料部領域ヒータ手段と、
    前記反応領域を、400℃から700℃の範囲で加熱する反応領域ヒータ手段と、
    を含むことを特徴とするHVPE法を利用した化合物半導体の製造装置。
  11. 請求項又は10に記載の化合物半導体の製造装置において、
    前記原料部領域には、金属インジウムを保持する手段が設けられており、
    前記金属インジウムに塩化水素HClを反応させることによって前記塩化インジウムが生成し、この生成した塩化インジウムをインジウムを含むガスとして用いるHVPE法を利用した化合物半導体製造装置。
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