JP4331865B2 - 狭帯域ランダム応力変動及び狭帯域ランダム温度変動下における機器のクリープ寿命の予測方法 - Google Patents

狭帯域ランダム応力変動及び狭帯域ランダム温度変動下における機器のクリープ寿命の予測方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、工業用のガス機器等の寿命を予測する方法に関するものであり、更に詳細には、ガス機器の部品等の損傷過程を確率過程として取り扱うことによってガス機器等のクリープ寿命を予測する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
工業炉をはじめとする高温用のガス機器材料には、点検の時期や方法に関する共通の基準はなく、機器の用途に応じた対策が行われている。これらの機器は、高温や腐食など熱的・化学的に厳しい環境で使用されることが多く、全く同じ仕様の機器でも利用者によって機器に対する負荷が異なり、機器の被る損傷の蓄積速度や機器寿命比較的に大きなばらつきが生ずる。この問題に対処するためには、機器の部品の状態を詳細に監視する方法が考えられるが、センサーの動作環境や設置場所の制限、監視に要するコスト増加などの問題が生じるため、実用可能な技術がほとんどないのが現状である。
【0003】
特に、実働条件下のガス機器では、機器の操業スケジュールに伴う起動と停止の繰り返しや、被加熱物等との熱伝達量のばらつきが生じ、材料には比較的に熱応力などの負荷応力のピーク値がランダムに変動する狭帯域ランダム応力変動や、温度の負荷温度のピーク値がランダムに変動する狭帯域ランダム温度変動が加わる。ここで、狭帯域とは熱応力の負荷応力又は温度の負荷温度のピーク値におけるばらつきが比較的に狭い範囲であるという意味である。
また、高温のガス機器では、クリープ変形による損傷が起こると考えられる。クリープ変形とは、ある材料において絶対温度における融点の半分以上の温度の下で一定の大きさの応力が作用するとき、歪みが時間ととも増加することによっておこる変形である。
このため、高温のガス機器開発では、実働条件下の負荷変動によって引き起こされるクリープ変形による損傷蓄積を評価することが可能な損傷評価技術の開発が必要とされている。
【0004】
このような、損傷評価技術として、材料の損傷過程を確率過程として取り扱う方法が知られている。その方法においては次の2種類の方法が知られている。
【0005】
第1の方法は、材料中のき裂の進展を確率過程として取り扱うもので、さらに、損傷発展のモデル中の不規則性の要因として、き裂進展抵抗を採用した研究と、負荷応力の不規則性を採用した研究に分類することが可能である。これらは、不規則性の原因によらず基本的にクラック進展を表す決定論的方程式であるPais則の一部に不規則性の源であるランダム項を取り入れ、確率微分方程式とすることによって損傷発展のモデルを構築している。
【0006】
第2の方法は、連続体損傷力学の概念に基づくもので、変動荷重や、マイクロクラックなどの発生による微視的な材料特性の時間的、空間的変動が、材料強度の巨視的な特性の変化に与える影響を定式化し、損傷の発展を記述する方法である.この方法は、巨視的特性から定義が可能な損傷パラメータを取り扱うことから、実用的な方法の一つである。
【0007】
上記方法の代表的な例として、Silberschmidtによる研究がある。この研究では、ランダムに変動する短軸引張り荷重(Iモード)の損傷蓄積に対して非線形のランジュバン方程式
【数1】
Figure 0004331865
を与えた。ここでf(p)は、モードI損傷に対する決定論的方程式の右辺
【数2】
Figure 0004331865
L(t)は確率項、A、B、C、Dは実験値であり、g(p)は、確率項の強度がある時刻における損傷の蓄積度に比例すると仮定してモデル化されている。また、Silberschmidtの解析においては、非線形ランジュバン方程式を数値的に解くことにより応力変動強度の変化に対するPDFの定性的な変化を示し、応力変動がある場合に起る材料の短命化に関する経験的事実を計算によって示している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述する機器クリープ寿命の予測方法には、次のような問題点がある。
すなわち、第1の方法によってガス機器のクリープ寿命を予測する場合、基本的にクラックの進展を基にして計算するため、機器のうちクラックが形成されやすい場所を決定する必要がある。このとき、一般的に、機器のうち応力が集中しやすい場所を基にして、クラックが発生しやすい場所を決定する。しかしながら、生産現場で稼動するガス機器を構成する部品は形状が複雑であるため、機器のうちクラックを生じやすい場所を予測することが困難な場合が多い。また、ガス機器を構成する部品は形状が複雑であることによって、クラックが形成される場所によって、破壊に至るまでのプロセスが大きく異なる場合がある。
さらに、クラックが形成された場合において、その状況を詳細に測定しなければならないが、ガス機器を構成する部品は形状が複雑であるため、それを詳細に測定することは困難である。
【0009】
以上のことから、生産現場で稼動するガス機器のクリープ寿命を高い精度で予測する場合に、サイズや位置の明確なクラックとして直接計算することによって、基本的にクラック進展を表す決定論的方程式であるParis則の一部に不規則性の源であるランダム項を取り入れ、確率微分方程式とすることによって損傷発展のモデルを構築することは困難な場合が多い。
【0010】
また、第2の方法のうちSilberschmidtの方法よってガス機器のクリープ寿命を予測する方法では、クラックの進展を考慮する必要がないという利点があるが、温度変動する場合については何ら触れておらず、その影響については評価できない。従って、温度変動がある場合ではクリープ寿命を正確に予測することができない。しかしながら、ガス機器では、通常、応力のみではなく温度も変動する場合が多く、その場合には適用できないという問題があった。
従って、この方法によってガス機器の寿命を正確に予測することは困難である。
【0011】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものである。すなわち、その課題とするところは、材料の損傷過程を確率過程として取り扱うときに、変動荷重や、マイクロクラックなどの発生による微視的な材料特性の時間的、空間的変動が、材料強度の巨視的な特性の変化に与える影響を定式化し、損傷の発展を記述することによって機器のクリープ寿命の予測する方法において、狭帯域ランダム応力変動と狭帯域ランダム温度変動との両方が機器に加わる場合におけるクリープ寿命を予測する方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために本発明のクリープ寿命の予測方法は、ロビンソン損傷和に基づく損傷蓄積量の確率密度関数を求め、該確率密度関数に基づいて機器の寿命を予測するランダム応力変動及びランダム温度変動下における機器のクリープ寿命予測方法において、
(1)ランダム応力変動及びランダム温度変動が狭帯域にあるとき、単位時間あたりの損傷量を表す損傷係数を1次式で近似すること、
(2)前記ランダム応力変動σ(t)(瞬時)を時間平均値σ(t)(平均)と確率的変動分σ´との和で表し、前記ランダム温度変動θ(t)(瞬時)を時間平均値θ(t)(平均)と確率的変動分θ´(t)との和で表すことを特徴とする。
【0013】
このような特徴を有するクリープ寿命の予測方法によれば、ロビンソンの損傷和をによる損傷係数を使用して損傷蓄積量の確率密度関数を求ている。ロビンソンの損傷和とは横軸にラーソン、ミラーのパラメータを用い、縦軸に応力を用いた損傷度曲線により決定される寿命を累積することによって損傷蓄積量を算出する方法である。ラーソン、ミラーのパラメータとは、クリープ破壊の場合において、応力が温度と寿命とによって表された経験的な関数である。従って、寿命を予測するときに応力と温度との両方を考慮することができる。さらに、前記ランダム応力振幅変動σ(t)(瞬時)を時間平均値σ(t)(平均)と確率的変動分σ´(t)との和で表し、前記ランダム温度変動θ(t)(瞬時)を時間平均値θ(t)(平均)と確率的変動分θ´(t)との和で示し、さらに、1回当たりの損傷量を表す損傷係数を1次式で近似することにより、損傷蓄積量のランジュバン方程式が導出される。ここで損傷蓄積量のランジュバン方程式とは、応力、温度が一定である場合のロビンソンの損傷和によって示された損傷発展を示す力学方程式に応力変動、温度変動による確率過程を含む関数が取り入れられた確率微分方程式のことである。これにより、ロビンソンの損傷和は、負荷応力及び負荷温度が狭帯域でランダムに変動する場合に拡張される。
これにより、このランジュバン方程式を解くことによって負荷応力と負荷温度との両方が狭帯域でランダムに変動する場合におけるクリープ変形による損傷蓄積量の発展のモデルを示すことができる。すなわち、応力と温度との両方が変動するガス機器の寿命を正確に予測することができる。
【0014】
また、前記損傷蓄積過程として、ランジュバン方程式とそれに相当するフォッカープランクの方程式を用いることを特徴とする。
【0015】
すなわち、前記ランジュバン方程式に相当するフォッカープランク方程式を導出する。ここでフォッカープランク方程式とは、連続的なマルコフ過程において、推移量の3次以上の高次のモーメントを無視できるとして導かれた確率密度関数における2階の偏微分方程式である。また、マルコフ過程とは、確率変数に関する将来の時点t2の情報が現時点t1における情報によって完全に記述される過程である。
そして、このフォッカープランク方程式を解くことにより、実験開始から破壊に至るまでの任意の時刻における損傷蓄積量の確率密度関数を正規分布形で表すことができる。
さらに、このフォッカープランク方程式に基づいて、既に損傷を受けている材料における任意の損傷蓄積量からの残存寿命の予測式を求めることができる。
従って、応力と温度との両方が狭帯域でランダムに変動する場合における損傷の確率密度関数や残存クリープ寿命の予測式を求めることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明における狭帯域ランダム応力変動及び狭帯域ランダム温度変動下における機器のクリープ寿命の予測方法を具体化した実施の形態について、添付図面及び数式を参照しつつ詳細に説明する。尚、本実施の形態の数式に使用された記号の説明を簡単に図1に示す。
【0017】
(確率微分方程式による損傷モデルの考え方)
確率微分方程式による材料の損傷発展のモデルは、材料中にあるき裂の長さや材料に蓄積される損傷量などの状態量の変化を確率過程として捉え、状態空間中でのランダムな時間発展を表す方法である。
【0018】
図2の曲線(1)乃至(3)は、実験開始時t=tbに初期損傷p=pbを持った材料にランダム応力変動及びランダム温度変動を加えた時、材料に蓄積する損傷p(t)がp-t平面上でたどる経路を模式的に示している。こういった経路を記述するために用いるのが確率微分方程式で、本実施の形態ではその中でも次のランジュバン方程式を用いる。
【数3】
Figure 0004331865
ここで、a(p,t)は、損傷の発展に関する決定論的微分方程式の右辺、b(p,t)は損傷の発展に対してランダムな変動応力が与える影響を表し、dWはWiener過程の増分を表す。この式は、1回の実験結果で得た損傷の発展経路を表すのでなく、むしろ多数の実験結果によって描かれる経路全体を表している。
【0019】
図2中の2分布g(p,t | pb,tb)、 t=tg1、tg2は、同じ初期条件(pb,tb)で実験を繰り返した結果、p-t平面上に描かれる経路が、ある特定の領域を通過する頻度から見積もられる確率密度関数(PDF)の時間変化を表している。PDFは、実験の開始直後にはデルタ関数的であるが、その後の損傷の発展に伴ってピークが図中の破線Cのように減衰し、それと共に分布の幅が広がる。このようなPDFの時間変化を表すのがフォッカープランク方程式
【数4】
Figure 0004331865
である。この式は、式(数3)から導出することができ、これを解くことによって、実験開始後の任意の時刻における損傷確率分布や損傷蓄積量の平均(図中の2点鎖線E)、偏差などを見積もることができる。また、PDFと後述するFirst Passage Time の考え方に基づいて残存寿命分布の計算も可能である。
【0020】
(クリープ寿命評価への適用)
以下に示す解析は、ラーソン、ミラーのパラメータで示された一定応力・温度条件下でクリープ損傷度曲線を基準とした線形損傷則であるロビンソンの寿命比則を、ランジュバン方程式とフォッカープランク方程式を用いて狭帯域ランダム応力振幅変動及び狭帯域ランダム温度変動の場合に拡張したものである。
【0021】
すなわち、ある材料がクリープが問題となる応力・温度域にあり、ランダムな変動応力と変動温度が加わる場合を考える。今、これらの変動値を、等しい時間間隔Δt毎に飛躍し、次の飛躍までの間一定の応力σiと温度θiを保つ階段状の関数により近似することができるものと仮定する。ここで、下付き添え字iは、実験開始から起算し、注目している時間までのΔt毎の飛躍の回数を表す。実験開始後のある繰り返し数nの時点で材料に蓄積される損傷量(以降、損傷蓄積量と呼ぶ)pnは、ロビンソンの損傷和に従って矩形波毎に材料に蓄積される損傷量の総和をとって
【数5】
Figure 0004331865
と表せる。ここでpnΔtはnΔt秒後の損傷蓄積量を、Tiは、未損傷材料に対して一定応力かつ一定温度を加えた時の材料のクリープ破断時間を表す。実用上は、Tiは応力と温度の関数Ti = Ti(σ,θ)と考え、ラーソン、ミラーのパラメータσ=θ(k+logTi )を用いた損傷度曲線から見積もることができる。ここで、kは実験によって決定される定数である。式(数5)においては、形式上1/Tiが単位時間当たりに材料が被る損傷量を表す。そこで、ある応力σと温度θでクリープ試験を行った時の単位時間当たりの損傷蓄積量を表す関数
【数6】
Figure 0004331865
を定義してこれをクリープ損傷係数と呼び、クリープ損傷蓄積過程を決定付ける基本的な量とする。クリープ損傷係数を用いれば、ある時間間隔dtに材料が蓄積する損傷量dpを以下の式で表すことができる。
【数7】
Figure 0004331865
これが時間の経過に伴ったクリープ損傷の発展を表す力学方程式である。
【0022】
次に、損傷の力学方程式(数7)におけるランダムに変動する応力と温度の影響を調べる。以降、時間と共にランダムに変動する応力と温度をそれぞれ変動応力、変動温度と呼ぶ。また、それらの瞬時値を、変動応力についてはσ(瞬時)、変動温度についてはθ(瞬時)で表す。ここでは、実働機械の定常運転を想定して、変動応力と変動温度がある時間平均値周りでランダムな変動をするものと考え、これらを以下のように時間平均値σ(平均)(t)、 θ(平均(t)と確率的変動分σ´, θ´に分解する。
【数8】
Figure 0004331865
【数9】
Figure 0004331865
これらの式中の各項は、時間の関数である。また、ここでは式(数8)(数9)の成分のうち、確率的変動分の大きさが平均値に比べて十分に小さい狭帯域変動
【数10】
Figure 0004331865
【数11】
Figure 0004331865
を考える。式(数12)(数13)の右辺の確率的変動分を、変動の強度を表すパラメータQσ、 Qθと、確率的な変動を表現するためのノイズξσ(t)、 ξθ(t)により以下のように表す。
【数12】
Figure 0004331865
【数13】
Figure 0004331865
ここで、ξi(t)、 i =σ,θはガウス分布を有する変化の速い不規則な関数の数学的表現で、そのアンサンブル平均は〈ξi(t) 〉 = 0、異なる時刻t ≠ t´における値ξi(t)、ξi(t´)が統計的に独立で、自己相関関数がディラックのデルタ関数δ(t)を用いて〈 ξi(t) ξi(t´)〉 =δ(t-t´)と表されるものである。また、ξσ(t)、 ξθ(s)は、互いに独立〈 ξσ(t) ξθ(s)〉= 0とする。従って、σ´,θ´は以下の性質をもつことになる。
(a)σ´のアンサンブル平均は、
【数14】
Figure 0004331865
【数15】
Figure 0004331865
(b) 自己相関および相互相関は、
【数16】
Figure 0004331865
【数17】
Figure 0004331865
【数18】
Figure 0004331865
(c) σ´(t)、θ´(t)はガウス分布を示す。
損傷蓄積量を見積もるためには、変動応力の瞬時値σ(瞬時)、及び変動温度の瞬時値θ(瞬時)からφc (σ(瞬時),θ(瞬時))を計算する必要があるが、実用上は変動応力や変動温度を直接利用するのは困難である。そこで、以下に示すように、損傷係数φc(σ(瞬時),θ(瞬時))をσ(平均)とθ(平均)周りでテイラー展開し、それぞれの平均値と変動の強度から損傷係数を見積もる。
【数19】
Figure 0004331865
ここでは、式(数8)式(数9)を使用した。ところが、狭帯域変動の条件式(数10)(数11 )のもとでは、式(数19)の2次以上の高次の項が他の項に非常に小さくなる。そのため、式(数19)中の2次以上の微小項を無視して、
【数20】
Figure 0004331865
により損傷係数を近似する。この式(数20)を式(数7)に代入することにより、次式
【数21】
Figure 0004331865
を得る。この式が、狭帯域ランダム応力・温度変動の場合のロビンソンの損傷則を表すランジュバン方程式である。上式中のφc(平均)はφc(σ(平均),θ(平均))を表し、dWσ(t)およびdWθ(t)はそれぞれσ´,θ´についてのWiener過程の増分である。なお、dWiとξi、 i=σ,θの間には、dWi = ξi dtの関係がある。
式(数21)の右辺の各項の係数は定数であるので簡単に積分することができ、次式のようにp(t)の発展式が得られる。
【数22】
Figure 0004331865
ここで、tbは試験の開始時刻、pbは時刻tbの時点で既に材料に存在した初期損傷量を表す。この式は、いわば初期状態(pb,tb)から始まる無数のクリープ試験の結果を表すものである。ところが、実用上で必要となるのは時刻tの時点で蓄積されている損傷の確率的期待値であるので、上式のアンサンブル平均〈p〉を取ることで、平均値の発展を見積もることができる。
【数23】
Figure 0004331865
この式から明らかなように、このモデルにおいては損傷の平均値の発展は、変動のない場合に通常の方法でロビンソンの損傷則により計算される損傷の発展と一致する。更に、損傷蓄積量の変動の2乗偏差は、
【数24】
Figure 0004331865
となる。ここで、α = (∂φc(平均)/ ∂σ) Qσ、 β = (∂φc(平均)/ ∂θ) Qθとした。従って、材料が損傷を受け始めてから破壊するまでの間の任意の時刻における損傷の分布は、クリープによる損傷度曲線の勾配と応力および温度の変動強度、そして経過時間の平方根に比例した広がりを持つことになる。
【0023】
(フォッカープランク方程式)
材料の損傷評価や寿命評価においては、ある時点で材料に蓄積される損傷の平均値や偏差だけでなく、損傷のPDFや確率分布が重要な役割を果たす。一般的に使用される正規分布や対数正規分布、ワイブル分布は、破壊の確率を対象とするものであるが、フォッカープランク方程式を解くことによって、材料に蓄積される損傷量のPDFの時間変化を捉えることができる。
【0024】
フォッカープランク方程式は、ランジュバン方程式から導出することができ、本解析の場合には、式(数21)から以下に示す偏微分方程式を得る。
【数25】
Figure 0004331865
この式が、狭帯域ランダム応力振幅変動及び狭帯域ランダム温度変動に対する疲労損傷蓄積過程のフォッカープランク方程式である。ここで、g(p,t|pb,tb)は、初期値(p,t)=(pb,tb)によって条件付けられた条件付きPDFである。上式は、各項の係数が定数であるため、g(p,t|pb,tb)について解析的に解くことが可能である。最終的に得られる解は、次の正規分布となる。
【数26】
Figure 0004331865
この式により、初期損傷(pb,tb)が存在する条件下で、損傷を受け始めてから破壊に至るまでの間の任意の時刻における損傷蓄積量のPDF確率密度分布、あるいは任意の損傷蓄積量に到達する時間のPDFを見積もることが可能である。
【0025】
また、余寿命評価First Passage Timeの考え方により、材料の残存寿命分布を見積もることができる。First Passage Timeとは、本解析の場合、未破壊の状態0 ≦ p < 1にある損傷値が最も短期間に破壊の状態p=1に到達するのに要する平均時間を意味する。この時間はフォッカープランク方程式とその解から以下のように求められる。
【数27】
Figure 0004331865
ここでT(p)は、ある時点での損傷蓄積量pから予想される平均の残存寿命を表す。右辺第1項は、くり返し毎の応力振幅及び温度に変動がない場合に既存のロビンソンの損傷則によって与えられる残存寿命値を表し、第2項以降は残存寿命に与える変動の影響を表す。
【0026】
以上詳細に説明したように、本実施の形態における狭帯域ランダム応力変動下における機器の寿命予測方法では、損傷係数φc(σ(瞬時),θ(瞬時))をσ(平均)とθ(平均)周りでテイラー展開し、変動応力の平均値と変動の強度から損傷係数を見積もられた式(数19)中の2次以上の微小項を無視して、式(数20)を得る。さらに、この式を式(数7)に代入することにより、狭帯域ランダム応力変動及び狭帯域ランダム温度変動の場合のロビンソンの損傷和を表すランジュバン方程式(数21)を得ることができる。式(数21)の右辺の各項の係数は定数であるので簡単に積分することができ、式(数22)のように正規化された損傷蓄積量p(t)の発展式が得られる。
これにより、応力と温度との両方が狭帯域でランダムに変動する場合におけるある時点で材料に蓄積される損傷の平均値や偏差を求めることができる。
従って、応力及び温度の両方がランダムに変動する機器の寿命を正確に予測することができる。
【0027】
また、ランジュバン方程式に相当するロビンソンの損傷和に関する条件付確率密度関数の発展を表すフォッカープランク方程式(数25)を導きだし、式(数25)中の各係数は定数であるため、それを解くことによって最終的に式(数26)示す正規分布型の条件付き確率密度関数 g(p,t | pb,tb)が得られる。
これにより、このフォッカープランク方程式を解くことによって、応力及び温度の両方がランダムに変動する場合における正規分布型の条件付き確率密度関数が得られ、さらに、この確率密度関数により、初期損傷(pb,tb)が存在する条件下で、損傷を受け始めてから破壊に至るまでの間の任意の時刻における損傷蓄積量の確率密度分布、あるいは任意の損傷蓄積量に到達する時間の確率密度分布を見積もることが可能である。さらに、フォッカープランク方程式に基づいて、既に損傷を受けている材料の、任意の損傷蓄積量からの残存寿命の予測式を求めることができる。
従って、応力と温度との両方が変動するガス機器の寿命を正確に予測することができる。
【0028】
なお、本実施の形態は、単なる例示にすぎず本発明を何ら限定するものではない。従って、本発明は当然に、その要旨を逸脱しない範囲内での種々の変形、改良が可能である。
【0029】
(セラミックにおけるガス機器の寿命予測)
次に、セラミックにおけるガス機器の寿命予測をセラミック亀裂進展則に基づいて行う。
SCGの挙動は、通常応力拡大係数KIとクラック伝播速度vの関係
【数28】
Figure 0004331865
により表される。ここでaはクラック長を、KIはIモードの応力拡大係数を表す。大部分の構造用セラミック材料では、べき乗則型のクラック伝播速度
【数29】
Figure 0004331865
によって表される。ここでKICは、臨界応力拡大係数、Aとnは材料定数である。また、応力拡大係数は、次式により負荷応力σとaに関連付けられる。
【数30】
Figure 0004331865
ここでYはクラックの形状に関するパラメータである。本節では、式(数28)〜(数30)によるセラミックのクラック伝播則
【数31】
Figure 0004331865
を対象として、負荷応力がランダムに変動したときのクラック長の発展およびクラック長の確率密度関数の発展について考察する。本解析では特に応力が狭帯域ランダム変動を示しているものとする。
【0030】
(クラック進展速度のランジュバン方程式)
今、クラック進展速度da/dtに対する応力変動の影響を次式のように、式(数31)に対する付加項により表す。
【数32】
Figure 0004331865
ここで、右辺第1項は、応力σが一定の場合のクラックの進展速度を示し、クラック進展式が通常使用される応力に変動がない場合のクラック進展速度に相当する。右辺第2項は負荷応力のランダムな変動に起因するクラック進展速度への影響を表していて、係数αは変動の強度に関係する係数、ξ(t)はそのアンサンブル平均が〈 ξ(t) 〉 = 0、自己相関関数が〈 ξ(t) ξ(t-τ) 〉 = δ(τ) ; τ=0の特徴を持つランダム関数である。
今、一つの試みとして、応力が時間と共にある平均値に対してランダムに変動している状態を想定する。
【数33】
Figure 0004331865
ここで、σ(瞬時) は変動応力の瞬時値、σ(平均)は時間平均値、 ´は変動分を表す。また、この応力の変動分は以下の性質を示すものと仮定する。すなわち、
(1) σ´のアンサンブル平均は
【数34】
Figure 0004331865
となる。
(2) σ´はランダム変数ξ(t)と変動の強度に関する定数Qにより
【数35】
Figure 0004331865
と表され、そのの自己相関関数は
【数36】
Figure 0004331865
となる。
(3) σ´はガウス分布を示す。
(4) また、狭帯域のランダム変動を考えているので、
【数37】
Figure 0004331865
以上の性質を持つ変動応力を材料に負荷した結果として生ずるクラック進展速度は、ランダム変数となる。この時のクラック進展速度を得るために、式(数33)を式(数31)に代入する。但し、変動応力が上記の性質(IV)を持つことを考慮して、式(数31)を以下のようにσ(平均)についてテイラー展開する。
【数38】
Figure 0004331865
式(数33)を用いれば、
【数39】
Figure 0004331865
となり、これが変動応力が負荷されたときのクラックの進展に関するランジュバン方程式である。上式中の、γ = A (Y σ(平均) / KIC)nを示す。式(数39)は式(数32)に相当し、右辺第2項の応力の変動強度に関する係数は
【数40】
Figure 0004331865
のように決定できる。式(数39)はn=0,2のとき線形方程式となるが、n=0の場合は通常使用される決定論的方程式となり本解析の対象ではない。また、一般的なn>0かつn ≠ 0.2のときには、式(数39)は非線形方程式となる。本解析では、後者の一般的な場合を対象とするが、このままでは数値解析による解法に頼らざるを得ない。しかしながら、次の変数変換
【数41】
Figure 0004331865
を行うことにより解析的に解くことができる。このとき
【数42】
Figure 0004331865
であるので、式(数39)を次式のようなIto型の確率微分方程式に変換することができる。
【数43】
Figure 0004331865
ここでdW(t)は、1次元ウィナー過程の増分を表す。
この方程式では、移流項である右辺第1項の係数(2-n/n)γと、拡散項である第2項の係数[n(2-n)/2](γ/σ(平均)) Q を定数として取り扱うことができるので容易に積分することができて、
【数44】
Figure 0004331865
を得る。ここでz(tb)はz(t)の初期値、tbは本確率過程の開始時刻である。
【0031】
(マイナー則を対象としたセラミックにおける寿命予測)
最後に、マイナー則を対象として、セラミックにおける狭帯域のランダム応力変動の影響を考察する。本解析には、Ohjiらによって与えられた窒化珪素の寿命値を使用する。
Ohjiらにより材料に負荷する応力σと材料の寿命tLの関係が与えられた。
【数45】
Figure 0004331865
この式は未損傷に応力σを負荷したときの残存寿命を表す。ここで、次の[1/時間]の次元を持ち、単位時間当たりに材料が被る損傷を表す関数
【数46】
Figure 0004331865
を定義して、これを損傷係数と呼ぶことにする。
今、時刻tbに疲労実験を開始し、Nf回繰返し後の時刻teに材料が破断したとする。この時間の区間[tb,te]を長さの等しいNf個の微小時間間隔Δ tに分割し、時間順に番号を付ける。
【数47】
Figure 0004331865
【数48】
Figure 0004331865
時刻tiの時点で材料に負荷する応力値をσ(ti) = σiとすると、tiからti + Δ tの間に材料が受ける損傷Δ pi
【数49】
Figure 0004331865
と表すことができる。従って、時刻tbから時刻tNまでに材料に蓄積される損傷p(tN)は、各微小時間間隔で被る損傷Δ piの総和をとることにより、
【数50】
Figure 0004331865
で与えることができる。ここで、式(数50)においてΔ t → 0の極限をとると、
【数51】
Figure 0004331865
となる。
次に、式(数51)に対する変動応力の影響を調べる。ここで、変動応力を以下のように決定論的項σ(平均)(t)と確率的変動分σ´に分解する。
【数52】
Figure 0004331865
これらの式中の各項は、時間の関数である。
【0032】
今、変動温度と変動応力を式(数52)のように分解したとき、確率的変動分の大きさが決定論的項の大きさと比較して十分に小さく
【数53】
Figure 0004331865
と表すことができるような狭帯域の変動を考える。また、確率的変動分σ´が以下の性質を有すると仮定する。
(a) σ´のアンサンブル平均について
【数54】
Figure 0004331865
(b) σ´の自己相関関数が
【数55】
Figure 0004331865
となる。
(c) σ´(t)はガウス分布を示す。
これらの条件の下で、式(数51))を、σ(平均)まわりでテイラー展開する。
【数56】
Figure 0004331865
上式中の2次以上の微小項は小帯域変動では他の項と比較して小さいことからこれを無視し、さらに式(数52)を使用すると、
【数57】
Figure 0004331865
となる。そして、確率的な損傷蓄積に関する確率微分方程式
【数58】
Figure 0004331865
を得る。なお、上式中のdWσ(t)は、σ´についてのWiener過程の増分を表す。式(数58)の右辺の各項の係数は定数であるので、p(t)の発展は単純に積分することにより得られる。
【数59】
Figure 0004331865
ここでpbは、時刻tbの時点で既に材料に存在した初期損傷を表す。従って、ある時刻tで蓄積されている損傷の確率的期待値は、上式のアンサンブル平均を取ることにより
【数60】
Figure 0004331865
となり、変動のない場合の発展と一致する。更に、蓄積される損傷の変動の2乗偏差は、
【数61】
Figure 0004331865
となる。
【0033】
(Fokker-Plank方程式)
材料の損傷評価や寿命評価においては、ある時点で材料に蓄積される損傷の平均値や偏差だけでなく、損傷の確率密度分布や確率分布が重要な役割を果たす。損傷の確率密度分布は正規分布、対数正規分布を示すのが一般的であるが、応力がランダムに変動する場合の分布は現在のところ明らかではない。ここでは、ランジュバン方程式
【数62】
Figure 0004331865
と等価なFokker-Plank方程式とその解である損傷の確率密度分布関数を導出し、ランダムな応力変動が材料に負荷される条件のもとで、ある時刻において材料に蓄積される損傷の確率分布形状と分布形状を特徴付けるパラメータの決定を試みる。
【0034】
今、ランダム変数p(t)の関数f(p (t))を導入する。微小な時間間隔dtの間の関数fの変化を
【数63】
Figure 0004331865
のように表す。高階の微分の微小な時間間隔dtに比例した寄与を考慮に入れるため、dpの2次の冪まで展開する。さらに、式(数58)を代入して整理すると次式を得る。
【数64】
Figure 0004331865
ここで、(dt)2 → 0、dt ; dWσ → 0、(dWσ)2 = dtを使用した。この式の両辺のアンサンブル平均をとると、
【数65】
Figure 0004331865
となる。ここでは、〈 dWσ 〉 = 0とした。関数f(p(t))が、t=tbにおいて初期値p = pbで条件付けられた条件付確率密度関数(以降、条件付PDF)g(p, t | pb, tb)を持つと仮定して、g(p, t | pb, tb)により(数65)を再び表すと以下のようになる。
【数66】
Figure 0004331865
g(∞, t | pb, tb) = g(-∞, t | pb, tb)=0、∂g(∞, t | pb, tb) / ∂p = ∂g(-∞, t | pb, tb) / ∂p = 0としてこの式を積分すると、以下の偏微分方程式を得る。
【数67】
Figure 0004331865
この式が,クリープ歪に関する条件付PDFの発展を表すFokker-Plank方程式である。
【0035】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように本発明によれば、ロビンソンの損傷和に基づく損傷蓄積過程から損傷蓄積量の確率密度関数を求め、該確率密度関数に基づいて機器の寿命を予測するランダム応力変動及びランダム温度変動下における機器のクリープ寿命の予測方法において、(1)前記ランダム応力変動及び前記ランダム温度変動が狭帯域にあるとき、単位時間あたりの損傷量を表す損傷係数を1次式で近似し(2)前記ランダム応力変動σ(t)(瞬時)を時間平均値σ(t)(平均)と確率的変動分σ´(t)の和で表し、前記ランダム温度変動θ(t)(瞬時)を時間平均値θ(t)(平均)と確率的変動分θ´(t)との和で表すことことにより、応力、温度が一定である場合のロビンソンの損傷和によって示された損傷発展を示す力学方程式に確率過程を含むランジュバン方程式を導出することができる。このランジュバン方程式は応力変動による確率過程及び温度変動による確率過程の両方を含むものである。これにより、応力及び温度の両方に対する損傷蓄積量の発展のモデルを示すことができる。
従って、応力及び温度の両方が変動する機器の寿命を正確に予測することができる。
すなわち、Silberschmidtの研究では、ランダムに変動する短軸引張り荷重(Iモード)の損傷蓄積に対して非線形のLangevin方程式(数1)を与えた。(数1)のf(p)は、式(数2)に示されるようなモードI損傷に対する決定論的方程式の右辺であり、L(t)は確率項,A,B,C,Dは実験値であるが、g(p)は未定で明確な関数形を与えておらず不十分である。これに対し本発明では、損傷蓄積量に対する応力および温度変動の影響を損傷度曲線の応力ならびに温度微係数から明確に決定することができる。すなわち、Silberschmidtの研究によれば、応力と温度との両方が変動する場合における正確な損傷発展のモデルを示すことができなかったが、本発明によれば、応力ならびに温度微係数から応力と温度との両方が変動する場合における損傷発展のモデルを明確に示すことができる。
【0036】
また、本発明は、前記損傷蓄積過程として、ランジュバン方程式とそれに相当するフォッカープランクの方程式を用いることにより応力振幅及び温度がランダムに変動する場合における、実験開始から破壊に至るまでの任意の時刻における損傷蓄積量の確率密度関数を正規分布形で表すことができる。さらに、フォッカープランク方程式に基づいて、既に損傷を受けている材料の、任意の損傷蓄積量からの残存寿命の予測式を求めることができる。
これにより、応力及び温度の両方がランダムに変動する場合における損傷の条件付き確率密度関数や残存寿命の予測式を求めることができる。従って、応力及び温度の両方が変動する機器の寿命を正確に予測することができる。
すなわち、Silberschmidtの解析においては、非線形ランジュバン方程式を数値的に解くことにより応力変動強度の変化に対するPDFの定性的な変化を示し、応力変動がある場合に起る材料の短命化に関する経験的事実を計算によって示しているが、PDFの関数形や余寿命に対する影響は考察していない。さらに、温度変動の有無については何ら触れておらず、その影響については評価できないが、本解析では、ランダムな応力変動と温度変動の両方の影響を考慮した損傷のPDF導出し、分布形状の時間的な変化を明確に示すと共に、両変動の存在下で任意の損傷蓄積量からの余寿命評価が可能であることを明らかにした。これにより、Silberschmidtの解析においては、応力と温度との両方が変動する機器における寿命の予測を正確に行うことができないが、本発明では応力と温度との両方が変動する機器の寿命を正確に予測することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に使用されている数式の記号を示す表である。
【図2】 p-t平面上におけるある特定の領域を通過する頻度から見積もられる確率密度関数(PDF)の時間変化を表すグラフである。

Claims (2)

  1. ロビンソン損傷和に基づく損傷蓄積量の確率密度関数を求め、該確率密度関数に基づいて機器の寿命を予測するランダム応力変動及びランダム温度変動下における機器のクリープ寿命の予測方法において、
    (1)前記ランダム応力変動及び前記ランダム温度変動が狭帯域にあるとき、単位時間あたりの損傷量を表す損傷係数を1次式で近似すること、
    (2)前記ランダム応力変動σ(t)(瞬時)を時間平均値σ(t)(平均)と確率的変動分σ´との和で表し、前記ランダム温度変動θ(t)(瞬時)を時間平均値θ(t)(平均)と確率的変動分θ´(t)との和で表すこと、
    を特徴とする狭帯域ランダム応力変動及び狭帯域ランダム温度変動下における機器のクリープ寿命の予測方法。
  2. 請求項1に記載された狭帯域ランダム応力変動及び狭帯域ランダム温度変動下における機器のクリープ寿命の予測方法において、
    前記損傷蓄積過程として、ランジュバン方程式とそれに相当するフォッカープランクの方程式を用いることを特徴とする狭帯域ランダム応力変動及び狭帯域ランダム温度変動下における機器のクリープ寿命の予測方法。
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