JP4331476B2 - プリン−2,6−ジアミンのピラゾロ[3,4−d]ピリミジンアナローグを含有する核酸結合性化合物およびそれらの使用 - Google Patents

プリン−2,6−ジアミンのピラゾロ[3,4−d]ピリミジンアナローグを含有する核酸結合性化合物およびそれらの使用 Download PDF

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Description

【0001】
本発明は、7−置換7−デアザ−8−アザ−2,6−ジアミノ−プリン塩基を含んでなる核酸結合性化合物、このような化合物の製造に有用な化合物、それらの種々の使用および診断分野においてこのような化合物を使用して核酸を決定する方法の分野に関する。
【0002】
発明の背景
核酸は、ヒトの体液、食品または健康管理の分野における環境中の遺伝子または微生物の存在または非存在を決定するために有用な被検体であることが見出された。核酸の分析はポリメラーゼ連鎖反応のような核酸増幅の導入後に広く使用されてきている(PCR、米国特許第4,683,202号参照)。こうして、十分な量の核酸が各試料から入手可能である。核酸はこの前処理した試料から、特定の目的に依存して、種々の異なる技術を使用して決定することができる。大部分のアッセイはプローブを使用し、このプローブは固定化されるか、あるいは固定化可能であるか、あるいは1または2以上のリポーター基の取り付けにより標識化される。
【0003】
リポーター基はそれ自体決定可能であるという特性を有するか、あるいは前記リポーター基を介してプローブを測定可能とする試薬とリポーター基を反応させることができる。こうして、例えば、リポーター基により標識化されたプローブを測定することができ、そしてプローブと測定すべき核酸とを含有するハイブリッドであることができる。固定化されたプローブの場合において、プローブと測定すべき核酸との間のハイブリッドをプローブが結合した固相において測定する。特定の形態のアッセイにおいて、特異的配列を有する1つの核酸ばかりでなく、かつまた異なる配列の多数の核酸を測定する。
【0004】
この目的のために、プローブを平らな表面、例えば、ガラスチップ上でアレイ中の小さいスポットで固定化する(EP−A −0 476 014およびTIBTECH(1997)、Vol. 15、465−469、WO89/10977、WO89/11548、米国特許第5,202,231号、米国特許第5,002,867号、WO93/171296)。さらに、非常に小さい面積の中に非常に大きいアレイのオリゴヌクレオチドプローブを作る方法が開発された(米国特許第5,143,854号、WO90/15070、WO92/10092)。多数のオリゴヌクレオチドプローブのミクロ製作アレイ、「DNAチップ」と呼ぶ、は、広範な種類の応用のために大きい有望性を提供する(例えば、下記文献を参照のこと、米国特許第6,156,501号および米国特許第6,022,963号)。
【0005】
しかしながら、核酸の測定は天然塩基AおよびTおよびCおよびG間の塩基対合が異なる安定性を有するという問題にしばしば悩まされる。これは水素結合を形成するこれらの塩基の能力が異なるに起因する。こうして、dA−dT−塩基対は2つの水素架橋を有するが、dG−dC−塩基対は3つの水素架橋を有する。これは、GC含量[1〜3]に依存して、ハイブリッドの溶融温度(Tm)を異ならせる。GC含量が高いほど、Tmはより高い。ハイブリダイゼーションの強度またはハイブリダイゼーションの程度は、生ずるデュプレックスのTmの測定により研究することができる。これは次のようにして実施できる。デュプレックスを溶液中で徐々に増加する温度に暴露させ、例えば、紫外線の吸収により、デュプレックスの変性をモニターする。紫外線の吸収は変性を伴う塩基対の崩壊とともに増加する。Tmは一般に完全にデュプレックスの構造から完全な変性、すなわち、2つの単離された一本鎖の形成までの温度の中点として定義される。
【0006】
したがって、日常的核酸分析において、核酸分子のTmを変化させることがしばしば望まれる。例えば、ある目的で、同一長さの核酸のTmを等しくまたは均質化するか、あるいはTmを核酸または結合領域の長さから独立としてすべてのアッセイについて同様なハイブリダイゼーション条件を適用する位置にあるようにすることが好都合であることがある。これはアレイを使用するアッセイ、例えば、各プローブのハイブリダイゼーション条件が同一でなくてはならないアレイ上のアッセイのために特に必要である。1つの解決法は低いハイブリダイゼーション温度を使用することであった。このような条件下に、低度の塩基配列相補性を有する多数の核酸はプローブに結合するであろう。これは非特異的結合と呼び、同様な配列間の識別を可能としない。
【0007】
他の提案はハイブリダイゼーション混合物中で化学的試薬の使用、例えば、塩化トリテトラアンモニウム(TMAC)の添加に関する。この試薬はdG−DcおよびdA−dT塩基対の安定性間の差を減少するが、短いオリゴヌクレオチドについて効果は不十分である。さらに、TMACのような塩の添加はアッセイの最適化を複雑化するので、好ましくないことがある。他の提案は1つのアッセイにおいて異なる濃度の各異なる(固定化された)プローブを使用することに関する。これはチップ表面上で不可能である場合、技術的に複雑ことが見出された。それ以上のオプションとして、デオキシリボヌクレオチドから構成されるオリゴヌクレオチド中のリボヌクレオチドの置換および逆もまた同じがDNA安定性の適応のために適用された、Hoheisel(1996)、Nucleic Acids Res. 24、430−432。
【0008】
しかしながら、所定の核酸のTmを増加させることが好都合であることもある。これはアンチセンス療法、ミスマッチに、および診断において使用する核酸に有用な核酸の分野において重要である。核酸はプライマーまたはプローブとして使用することができる。この目的は多重反応において使用するプライマーおよびプローブのデザインをいっそう簡単にし、そしてチップ上で使用するより短い捕捉プローブを合成することである。アッセイに使用するチップ表面上のオリゴヌクレオチドの化学的合成は日常的オリゴヌクレオチド合成におけるように有効ではない。ハイブリッドの溶融温度に対する各塩基対の相対的寄与は、オリゴヌクレオチドが短くなればなるほど、より高くなる。結局、ミスマッチおよび完全な合致間の差はより短いオリゴヌクレオチドについてより高い。しかしながら、短いオリゴヌクレオチドは弱くハイブリダイゼーションし、したがって、ハイブリダイゼーション反応は低いストリンジェンシイにおいて実施すべきである。
【0009】
結局、より短いオリゴヌクレオチドにより異なる配列間を識別する、潜在的により高い能力は、低いストリンジェンシイの条件下においてのみ使用することができる。ストリンジェント条件下に、例えば、増幅反応に使用する温度において特に短いオリゴヌクレオチドについて、高いレベルのミスマッチ識別を可能とすることはかなり好都合であろう。さらに、アレイに使用する固体支持体上の化学的合成は日常的合成のように有効でないので、アレイにおいて高い識別力を有する短いオリゴヌクレオチドを使用することは技術水準において望ましい。したがって、ストリンジェント条件下により短いオリゴヌクレオチドを使用する能力はかなり有利である。その相補的鎖に対してハイブリダイゼーションしたオリゴヌクレオチドのTmを増加させる塩基が見出される場合、他の塩基を同一オリゴヌクレオチドにおいて使用して、使用すべき試験系の採択に従いTmをさらに調節することができる。
【0010】
理論的には、他の三座配位塩基対を形成するオリゴヌクレオチドデュプレックスは同様なまたはより高い安定性、例えば、チミジンと反対に2−アミノアデニンを使用する安定性を示すべきである。それにもかかわらず、2−アミノアデニン−チミジン/ウラシル塩基対は低い熱安定性のみを示すことが示された[4〜10]。これまで発表されたデータから、2’−デオキシアデノシン−2−アミン(分子1(下文参照);n2Ad)の追加のNH2基はDNAデュプレックスの塩基対安定性に非常にわずかに寄与することを結論することができる。Tm増加はわずかに1〜2 ℃の範囲である。さらに、この安定性はDaの代わりにデュプレックスの中に組込まれたn2Adの総数に対応しない[11]。デュプレックスDNAについて報告されているような、より強い安定化は、デュプレックスRNAについて、またはDNA−RNAハイブリッドについて見出される[9][10][12]。2−アミノアデニンをRNA[13]またはヘキシトール核酸[14]の中に導入するとき、むしろ高い塩基対安定性が観測される。DNAまたはRNA以外の修飾された主鎖は、2−アミノアデニン−チミジン/ウラシル塩基対の安定性を増強するように見える。
【0011】
n2Ad−dT残基を含有するオリゴヌクレオチドデュプレックスの異常な挙動は、グアニン−シトシン塩基対と同一の、またはそれよりも高い安定性を示すアデニン−チミジン認識モチーフの開発に重要である。下記の化合物において、化合物のプリン部分は8−アザ−7−デアザプリン(ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン)または7−デアザプリン(ピロロ[2,3−d]ピリミジン)で置換してヌクレオシドに導く(2a[15]、2b、2cまたは3[16]、[17]下文参照)。
【0012】
【化30】
Figure 0004331476
【0013】
同様な化学的構造の化合物は先行技術において研究された。7−置換−7−デアザおよび8−アザ−7−デアザプリン2’−デオキシリボヌクレオチドの合成、オリゴヌクレオチドの中へのそれらの組込み、および対応するデュプレックスの安定性は研究されてきている(Seela他、(1997) Nucleoside & Nucleotides 16、963−966)。この文献は7−置換7−デアザ−8−アザ−ジアミノ−プリンを開示していない。ピラゾロピリミジン塩基アナローグによりデュプレックスの安定化は報告された(Seela他、(1988) Helv. Chim. Acta 71、1191−1198;Seela他、(1988) Helv. Chim. Acta 71、1813−1823;およびSeela他、(1989) Nucleic Acids Res. 17、901−910)。
【0014】
オリゴヌクレオチド中のピラゾロ[3,4−d]ピリミジン残基は、また、種々の基の取り付け部位として有効である(WO90/14353)。1または2以上のピラゾロ[3,4-d]ピリミジンを組込んで有するオリゴヌクレオチドはトリプレックスを形成する増強した傾向を有する(Belousov他、(1998) Nucleic Acids Res. 26、1324−1328)。
【0015】
化合物7−ヨード、7−シアノおよび7−プロピニル−7−デアザ−2−アミノ−2’−デオキシアデノシンは合成され(Balow他、(1997) Nucleoside & Nucleotides 16、914−944)、オリゴヌクレオチド配列の中に組込まれた。これらのオリゴヌクレオチドは、非修飾配列に関係してRNA補体に対する増強されるアフィニティーを示す。しかしながら、対応する8−アザ−化合物が作られ、研究された。Seela他、(1999、Nucleoside & Nucleotides 18、1399−1400)は、7−置換8−アザ−7−デアザプリンDNA、その合成および安定性を開示している。この著者は開示された化合物の可能な使用を扱っていない。
【0016】
WO90/03370には、インターカレーター、求電子性架橋剤またはリポーター基が結合しているC3位にリンカーを有する、3,4−二置換および3,4,6−三置換ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン、特に4,6−ジアミノ−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジンが開示されている。これらの化合物は糖に取り付けられ、オリゴヌクレオチドの中に組込まれ、これにより問題の相補的核酸配列の同定、単離、定位および/または検出に使用される。米国特許第5,594,121号には、デュプレックス尾rトリプレックスを形成する能力が増強された新規なオリゴマーが開示されている。オリゴマーは7位にプロピニルおよびアリールを有する7−置換8−アザ−7−デアザ−ジアミノ−プリンを含有する。これらのオリゴマーを含有する組成物は診断目的に使用することができる。
【0017】
高い識別力および短い長さを有するプローブを提供することが要求されており、プローブのTmはストリンジェント条件下に高くかつ診断分野における種々の方法において、例えば、LightcyclerTM系(Roche、ドイツ国マンハイム)、TaqManTM(WO92/02638および対応する米国特許第5,210,015号、米国特許第5,804,375号、米国特許第5,487,972号)。
【0018】
用語および定義
分子生物学およびな化学の慣用技術は、技術水準内に入り、文献に十分に説明されている。例えば、下記の文献を参照のこと:Sambrook他、1989、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory、Cold Spring Harbor、New York; Oligonucleotide Synthesis (M. J. Gait編1984);Nucleic Acid Hybridization (B. D. HamesおよびS. J. Higgins、編、1984);および系列、Methods in Enzymology (Academic Press, Inc.)、これらのすべては引用することによって本明細書の一部とされる。すべての特許、特許出願、および刊行物(前掲および後掲)は引用することによって本明細書の一部とされる。
【0019】
用語「核酸」および「オリゴヌクレオチド」は、ポリデオキシリボヌクレオチド(2−デオキシ−D−リボースを含有する)、ポリリボヌクレオチド(D−リボースを含有する)、およびプリンまたはピリミジン塩基、または修飾されたプリンまたはピリミジン塩基のNグリコシドである、任意の他のタイプのポリヌクレオチドを意味する。用語「核酸」と「オリゴヌクレオチド」との間に長さの意図する区別は存在せず、そしてこれらの用語は互換的に使用されるであろう。それらの用語は分子の一次構造のみを意味する。こうして、これらの用語は二本鎖および一本鎖DNA、ならびに二本鎖および一本鎖RNAを包含する。用語「ポリヌクレオチド」は「核酸」について互換的に使用されるであろう。
【0020】
本発明による核酸結合性化合物について用語「主鎖」または「核酸主鎖」は、核酸結合性化合物中の核塩基を結合する化学的部分の構造を意味する。塩基は主鎖に結合されており、水素結合を介する相補的核酸結合性化合物に対する塩基対合に関与する。これはヌクレオチドを化学的に結合する任意のかつすべての手段から形成された構造物、例えば、天然に存在するホスホジエステルリボース主鎖または非天然結合、例えば、ホスホルチオエート、メチルホスホネート、ホスホルアミデートおよびホスホルトリエステルを包含することができる。ペプチド核酸は非天然結合を有する。
【0021】
したがって、「修飾された主鎖」は、本明細書において使用するとき、前述のヌクレオチド間の化学的結合に対する修飾、ならびに安定性および親和性を増強する使用できる他の修飾、例えば、糖構造に対する修飾を包含する。例えば、デオキシリボースのα−アノマーを使用することができ、ここで塩基は天然のβ−アノマーに関して逆向きである。ある態様において、糖基の2’−O Hは2’−O−アルキルまたは2’−O−アルキル−n(O−アルキル)に変更することができ、これはアフィニティーを含まない分解に対する抵抗を提供する。ホスホジエステル主鎖を有する非修飾ヌクレオチド配列および核塩基を含有する配列が同一の塩基配列決定結果を有する場合、非修飾ヌクレオチド配列は核塩基を含有する配列に対して「コンパティブル」である。こうして、このような配列の主鎖もまたコンパティブルである。
【0022】
用語「核酸結合性化合物」は、任意の配列の核酸とアソシエートしかつ実質的に相補性の核酸に対する結合相手として機能することができる物質を意味する。核酸結合性化合物が一本鎖の形態であるとき、結合は好ましくは相補的塩基対間の水素結合を介して起こる。好ましくは、核酸結合性化合物に結合した非天然塩基、すなわち、本発明の主題は、また、水素結合に関係するが、また、一部分のみまたはすべての天然に存在する塩基、例えば、イノシンに対する水素結合を形成することができる。この分野における専門家は認識するように、大部分のよく知られている「核酸結合性化合物」はDNAまたはRNAのような核酸である。
【0023】
用語「プローブ」は、設計または選択により、定められた前もって決定したストリンジェンシイ下に、プローブを特異的に(すなわち、優先的に)ターゲット核酸に対してハイブリダイゼーションさせることができる特異的ヌクレオチド配列を含有する、合成的または生物学的に産生された核酸(DNAまたはRNA)を意味する。「プローブ」は「捕捉プローブ」の意味で同定されることができ、捕捉プローブはターゲット核酸を「捕捉」することができるので、それはその検出を不明瞭することがある望ましくない物質から分離することができる。いったん分離が達成されると、捕捉されたターゲット核酸の検出は適当な手順を使用して達成することができる。「捕捉プローブ」はしばしば既に固相に結合されている。
【0024】
ハイブリダイゼーションは、完全に相補的な核酸鎖間または小さいミスマッチ領域を含有する「実質的に相補的な」核酸鎖間で起こることができる。完全に相補的な核酸鎖のみがハイブリダイゼーションする条件は、「ストリンジェントハイブリダイゼーション条件」または「配列特異的ハイブリダイゼーション条件」と呼ぶ。実質的に相補的な配列の安定なデュプレックスは、低いストリンジェントハイブリダイゼーション条件下に達成することができる:許容されるミスマッチの程度はハイブリダイゼーション条件の適当な調節によりコントロールすることができる。
【0025】
核酸技術の当業者は、例えば、オリゴヌクレオチドの長さおよび塩基対濃度、イオン強度、およびミスマッチ塩基対の発生率を包含する変数の数を実験的に考慮して、この分野において提供された手引きに従いデュプレックスの安定性を測定することができる(例えば、下記文献を参照のこと、Sambrook他、1989、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory、Cold Spring Harbor、New York;およびWetmur、1991、Critical Review in Biochem. and Mol. Biol. 26(3/4):227−259;両方は引用することによって本明細書の一部とされる)。
【0026】
用語「プライマー」は、核酸鎖に対して相補的なプライマーエクステンション産物の合成が誘導される条件下に、すなわち、適当な緩衝液中の適当な温度において4つの異なるヌクレオシドトリホスフェートおよびエクステンション因子(例えば、DNAポリメラーゼまたは逆転写)の存在下に、DNA合成の開始点として作用することができるオリゴヌクレオチドを意味する。本明細書において使用するとき、「プライマー」は結合仲介増幅プロセスにおいて使用するオリゴヌクレオチドを包含することを意図し、ここで増幅プロセスにおいて1つのオリゴヌクレオチド隣接する位置においてハイブリダイゼーションする第2オリゴヌクレオチドに対する結合により「エクステンション」される。
【0027】
こうして、用語「プライマーエクステンション」は、本明細書において使用するとき、DNA合成の開始点としてプライマーを使用する個々のヌクレオシドトリホスフェートの重合、および2つのプライマーを結合してエクステンションされた産物を形成することを意味する。プライマーは好ましくは一本鎖DNAである。プライマーの適当な長さはプライマーの意図する使用に依存するが、典型的には6〜50ヌクレオチドの範囲である。短いプライマー分子は、一般に鋳型と十分に安定なハイブリッド複合体を形成するために、より低い温度を必要とする。プライマーは鋳型核酸の正確な配列を反映しないが、鋳型とハイブリダイゼーションするために十分に相補的でなくてはならない。
【0028】
所定のターゲット配列を増幅するために適当なプライマーの設計はこの分野においてよく知られており、そして本明細書において引用する文献に記載されている。プライマーは、プライマーの検出または固定化を可能とするが、プライマーの基本的性質、DNA合成の開始点として作用する性質を変更しない、追加の特徴組込むことができる。例えば、プライマーは、ターゲット核酸に対してハイブリダイゼーションしないが、増幅された産物のクローニングを促進する、追加の核酸配列を5’末端に含有することができる。鋳型に対して十分に相補的であるプライマーの領域を、本明細書において、ハイブリダイゼーション領域と呼ぶ。
【0029】
用語「ターゲット」、「ターゲット配列」、「ターゲットセグメント」、「ターゲット領域」、および「ターゲット核酸」は、増幅または研究すべき核酸の領域または配列を意味する。
【0030】
本明細書において使用するとき、プライマー配列とターゲット配列との間に存在するミスマッチの数が、プライマー配列と試料の中に存在することがある非ターゲット配列との間に存在するミスマッチの数より小さい場合、プライマーはターゲット配列に対して「特異的」である。存在するミスマッチの数がプライマー配列とターゲット配列との間に存在する数以下である場合にのみ、安定なデュプレックスが形成するハイブリダイゼーション条件を選択することができる。このような条件下に、プライマーはターゲット配列とのみ安定なデュプレックスを形成することができる。こうして、適当なストリンジェントの増幅条件下にターゲット特異的プライマーを使用すると、ターゲットプライマー結合性部位を含有するターゲット配列を特異的に増幅することができる。配列特異的増幅条件を使用すると、正確に相補的なプライマー結合性部位を含有するターゲット配列を特異的に増幅することができる。
【0031】
ハロゲンはフルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード基を意味する。最も好ましいハロゲン基は−Iおよび−Brである。
アルキル基は好ましくは直鎖状、分枝鎖状または環状の形態で配置された1〜10個の炭素原子を含有するアルキル基から選択される。アルキル基の実際の長さは、アルキル基が位置する特定の位置における立体的位置に依存する。立体的拘束が存在する場合、アルキル基はより小さく、メチルおよびエチル基は最も好ましい。すべてのアルキル、アルケニルおよびアルキニル基は非置換または置換であることができる。上に概説したヘテロ原子による置換は、水溶液中の溶解度の増加を促進するであろう。
【0032】
アルケニル基は好ましくは2〜10個の炭素原子を含有するアルケニル基から選択される。選択のために、アルキル基についてと同様な考察が適用される。また、それらは直鎖状、分枝鎖状または環状であることができる。最も好ましいアルケニル基はエチレン基である。
アルキニル基は好ましくは2〜10個の炭素原子を含有する。再び、それらの炭素原子は直鎖状、分枝鎖状または環状の方法で配置されている。さらに、アルキニル基の中には2以上の三重結合が存在する。最も好ましいアルキニル基は3−プロパルギル基である。
【0033】
アルコキシ基は好ましくは1〜6個の炭素原子を含有し、酸素原子を介して部分の残部に結合している。アルコキシ基の中に含有されるアルキル基について、アルキル基についてと同様な考察が適用される。最も好ましいアルコキシ基はメトキシ基である。
【0034】
「アリール」および「ヘテロアリール」(またはヘテロ芳香族)は、物理的および化学的性質が類似する化合物を有する少なくとも1つの環を含んでなる炭素環式または複素環式基、例えば、5〜6個の環原子および4〜20個の炭素原子、通常4〜9または4〜12個の炭素原子を有する芳香族基を意味し、ここで1〜3個の環原子はN、SまたはOであり、ただし隣接する環原子はO−O、S−S、O−SまたはS−Oではない。アリールおよびヘテロアリールは下記のものを包含する:フェニル、2−、4−および5−ピリミジニル、2−、4−および5−チアゾイル、2−s−トリアジニル、2−、4−イミダゾイル、2−、4−および5−オキサゾリル、2−、4−および4−ピリジル、2−および3−チエニル、2−および3−フラニル、2−および3−ピロリル、必要に応じて好ましくは環C上で酸素、1〜4個の炭素原子のアルキルを代表するハロゲンにより置換されている。
【0035】
ヘテロアリール基は、また、1〜4個の炭素原子のアルキルまたは1〜4個の炭素原子および1〜4個のハロゲン原子のハロアルキルによる環N上の任意の置換を含む。アリールまたはヘテロアリール基上の典型的な置換基は、メチル、エチル、トリフルオロメチルおよびブロモを包含する。このような置換されたアリールまたはヘテロアリール基は、ベンジルおよびその他を包含する。「ヘテロアリール」は、また、2またはそれ以上の環を有する系を意味し、二環式部分、例えば、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾキサゾール、およびインドールを包含する。アリール基はフェニルまたはナフチル部分であり、これらは置換されていないか、あるいは下記の置換基の一または2以上により置換されている:−アミノ、−シアノ、−アミノアルキル、−O−(C1−C10)−アルキル、−S−(C1−C10)−アルキル、(C1−C10)−アルキル、スルホニル、スルフェニル、スルフィニル、ニトロおよびニトロソ。
【0036】
最も好ましいアリール基はフェニル基である。好ましくはアリールアルキル基はベンジル基である。好ましくはアルキルアミノ基はエチルアミノ基である。好ましい−COO(C1−C4)アルキル基はアルキル部分の中に1つまたは2つの炭素原子を含有する(メチルまたはエチルエステル)。他のアリール基はヘテロアリール基、例えば、ピリミジン、プリン、ピロール、またはピラゾールである。アリールおよびヘテロアリール。本発明によれば、用語アリールはまたすべてのヘテロアリールを包含する。
【0037】
アリールオキシ基は好ましくは6〜20個の炭素原子を含有する。それらの炭素原子は1または2以上の芳香族環の中に、および芳香族部分に結合された側鎖(例えば、アルキル鎖)の中に含有される。好ましいアリールオキシ基はフェノキシおよびベンゾキシ基である。
【0038】
「保護基」は、官能部分(例えば、ヒドロキシル基中の酸素またはアミノ基中の窒素)に結合して、官能基が望ましくない方法で反応するのを防止する化学的基である。さらに、保護基は形成される分子の生物学的活性、ここで核酸に対する核酸結合性化合物の結合、を破壊しないで除去できるという事実により、保護基は定義される。適当な保護基は当業者に知られている。例えば、ヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドの5’末端におけるヒドロキシル基のために、特に好ましい保護基は、トリチル基、例えば、ジメトキシトリチル基から選択される。式I中の環外アミノ基における好ましい保護基はアシル基、最も好ましくはベンゾイル基(Bz)、フェノキシアセチルまたはアセチルまたはホルミル、およびアミジン保護基、例えば、N,N−ジアルキルホルムアミジン基、好ましくはジメチル−、ジイソブチル−、ジイソブチリル−およびジ−n−ブチルホルムアミジン基から選択される。
【0039】
好ましいO−保護基はアロイル基、ジフェニルカルバモイル基、アシル基、およびシリル基である。これらの最も好ましい例はベンゾイル基である。好ましいシリル基はトリアルキルシリル基、例えば、トリメチルシリル、トリエチルシリルおよび第三級ブチル−ジメチル−シリルである。他の好ましいシリル基はトリメチルシリル−オキシ−メチル基(TOM)である(スイス国特許出願01931/97)。さらに、好ましい保護基はオルトニトロ−ベンジル保護基、例えば、2−(4−ニトロフェニル)エトキシカルボニル(NPEOC)または光活性化合物、例えば、2−ニトロフェニルプロピルオキシカルボニル(NPPOC)のような基である(Giegrich他、Nucleoside & Nucleotides 1998、17、1987)。本発明によれば、フタロイル基を使用することもできる。
【0040】
本発明において表される式の範囲内の定義中の任意の原子は特定のアイソトープに限定されない。こうして、リン原子(P)は正規の31Pまたは放射性32Pまたはそれらの混合物であることができる。同一のことが水素(H/D/T)、炭素(C)、ヨウ素(Cl、Br、I)および窒素(N)に適用される。
【0041】
化学的合成の間に、任意の反応性基、例えば、−OH、−SH、−NH2、−NH−アルキル、−NH−アルケニレン、−NH−アルキニレン、−NH−アリール (リポーター基中のそれらの基を包含する)は適当な保護基で保護すべきである、すなわち、本発明は式または置換基が選択されるオリゴヌクレオチドの合成用化合物を包含し、ただし−OH、−SH、−NH2、−NH−アルキル、−NH−アルケニレン、−NH−アルキニレン、−NH−アリール基中の1つまたは2つのハロゲン原子は保護基により置換されている。さらに、化学的合成の間に、化合物は便宜上固相に取り付けられるであろう。これらの場合において、前述の置換基の定義をそれに応じて選択する。
【0042】
リポーター基は、一般に、核酸結合性化合物およびそれに結合した核酸を液体、すなわち、試料の残部から区別可能とする基である(リポーター基を結合して有する核酸結合性化合物はまた標識化された核酸結合性化合物、標識化されたプローブまたはちょうどプローブと命名することができる)。用語リポーター基および特定の態様は好ましくはリンカーを包含し、ここでリンカーは使用することを意図する部分(実際の固相または発蛍光団部分)をリポーター基として結合位置に接続するために使用される。リンカーは、固相による主要な妨害を与えないで、測定すべき核酸配列に核酸結合性化合物を結合させることができるという融通性を提供するであろう。同様に、特に疎水性ではないもの、例えば、連続的エチレンオキシ単位に基づくもの、例えば、DE 3943522に開示されているものはこの分野において知られている。
【0043】
「アレイ」とは、装置上の処理可能な位置の配置を意味する。位置は二次元のアレイ、三次元のアレイ、または他のマトリックスの形態で配置することができる。位置の数は小さい数から数百万の範囲であることができる。最も重要なことには、各位置は完全に独立の部位を表す。各位置は核酸結合性化合物を保持し、核酸結合性化合物は第2核酸結合性化合物、核酸、特にターゲット核酸のための結合相手として働くことができる。
【0044】
用語「構築ブロック」または「サブユニット」は、オリゴヌクレオチド合成において使用できる化合物を意味し、ここで引き続いて単一の構築ブロックは化学的に結合して、いっそう複雑な構造、すなわち、オリゴヌクレオチド前駆体を形成する。構築ブロックの例はホスホルアミダイトまたはホスホネートである。
用語「置換された化合物」は、化合物が化合物それ自体以外のそれ以上の化学的基、部分または置換基を保持することを意味する。これらの置換基は原理的には下記のものを包含するが、これらに限定されない:ハロゲンまたはアルキル、アルケニルまたはアルキニル化合物、これらはそれ以上の異種原子置換されていてもよい。
【0045】
発明の説明
前述の問題は、7−置換8−アザ−7−デアザ−2,6−ジアミノ−プリンが組込まれた核酸結合性化合物、これらのオリゴヌクレオチドおよび合成に有用な化合物を開示する本発明の発見により解決することができる。さらに、本発明は、本発明による化合物を使用することができる方法を開示する。
【0046】
驚くべきことには、アデニン残基の代わりに組込まれた7−ヨードまたは7−ブロモ−8−アザ−7−デアザ−2,6−ジアミノ−プリンを有するオリゴヌクレオチドは、溶融温度の予期されざる増加を示す。この発見は5−ハロゲン置換ピリミジンの挙動と対照的である。この効果は平行デュプレックスならびに逆平行デュプレックスについて観測された。これらの発見は技術水準に基づいて予測することができないが、驚くべき発見は、疎水性残基(ハロゲン置換基は疎水性である)で7位(プリンのナンバリング)において置換された、あるいは7位に結合した疎水性部分を含有する残基で置換された、他の8−アザ−7−デアザ−2,6−ジアミノ−プリンに対して一般化することができる。さらに、これらの教示は電子求引性置換基に対して一般化することができる。
【0047】
したがって、この位置において好ましい他の置換基、例えば、アルキル、アルケニルおよびアルキニル、好ましくは6個の炭素原子の長さ、より好ましくは3個の炭素原子の長さを有する置換基は本発明において適する。7位は置換基をDNAの主要な溝の中にエクステンションさせ、ここで置換基は十分な空間を見出し、DNA二重らせんを混乱させない。この効果について可能な説明は、主要な溝からの水の除去、および同時の主要な溝の疎水性化、これによるDNA塩基のスタッキングの増加である。これらの必要条件を満足する置換基は、また、他の官能基、例えば、リポーター基を保持することができる。
【0048】
要約すると、本発明は、7−置換7−デアザ−8−アザ−2,6−ジアミノ−プリン塩基を含んでなる核酸結合性化合物、このような化合物の製造に有用な化合物、それらの種々の使用および診断分野においてこのような化合物を使用して核酸を決定する方法を開示する。
本発明の主題は、複素環式基が一般式Iの基であることを特徴とする、核塩基に対して塩基対合することができる結合した複素環式基を有する主鎖を含んでなる核酸結合性化合物およびそれらの任意の塩である:
【0049】
【化31】
Figure 0004331476
【0050】
式中、
R1はX、R2またはR3から独立であり、そして下記の基から成る群から選択される:
(1) −F、−Cl、−Brまたは−I、
(2) ニトロ、
(3) シアノ、
(4) −COO-
(5) (10)に従い置換された−(C1−C10)−アルキル、
(6) (10)に従い置換された−(C2−C10)−アルケニル、
(7) (10)に従い置換された−(C2−C10)−アルキニル、
(8) (10)に従い置換された−(C6−C22)−アリール、
【0051】
(9) −W− (C1−C10)−アルキル、−W−(C2−C10)−アルケニル、−W−(C2−C10)−アルキニル、−W−(C6−C22)−アリールまたは−W−H、式中W=−S−、−O−、−NH−、−S−S−、−CO−、−COO−、−CO−NH−、−NH−CO−、−NH−CO−NH−、−NH−CS−NH−、−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−、ここでrおよびsは、互いに独立して、1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1である、
【0052】
(10) 置換基(5)〜(9) 、ここでアルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールは−ハロゲン、−SH、−NO2、−CN、−S−(C1−C6)−アルキル、−NR5R6、−N+R5R6R12、−OR12、−COR11、−NH−CO−NR5R6、−NH−CS−NR5R6および−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−NR5R6から成る群から選択される1または2以上の部分により置換されることができ、rおよびsは、互いに独立して、1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1であり、ここでR11は−NHR12、OR12、および−SR12から成る群から選択され、ここでR5、R6およびR12は−H、−(C1−C10)−アルキル、−(C2−C10)−アルケニル、−(C2−C10)−アルキニル、−(C6−C22)−アリールおよびリポーター基から成る群から独立して選択され、リポーター基は細胞内吸収を促進する基であるか、あるいは核酸結合性化合物がその相補的核酸に対してハイブリダイゼーションするとき、結合、架橋または切断の間に後者を攻撃する基である、
【0053】
置換基(5)〜(10)中の前記アルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールは置換されていないか、あるいは−ハロゲン、−SH、−S−(C1−C6)−アルキル、−(C1−C6)−アルコキシ、−OH、−NR5R6、−COR11、−NH−CONR5R6、−NH−CSNR5R6および−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−NR5R6から成る群から選択される1または2以上の部分により置換されており、rおよびsは互いに独立して1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1であり、ただし基(5)〜(7)が−NR5R6、NHR12、−OR12、またはSR12により置換されている場合、R5、R6またはR12はリポーター基ではない、
【0054】
R2、R3はX、R1、R2およびR3から独立し、そして下記の基から成る群から選択される:
(1) −H、
(2) (C1−C10)−アルキル、
(3) (C1−C10)−アルケニル、
(4) (C2−C10)−アルキニル、
(5) (C6−C22)−アリール、
(6) −Z− (C1−C10)−アルキル、−Z−(C2−C10)−アルケニル、−Z−(C2−C10)−アルキニル、−Z− (C6−C22)−アリールまたは−Z−H、ここでZ=−CO−、−CO−NH−、−CS−NH−、−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−、ここでrおよびsは、互いに独立して、1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に1または2である、
【0055】
(7) 置換基(2)〜(6) 、ここでアルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールは−ハロゲン、−NO2、−OR12、−CN、−SH、−S−(C1−C6)−アルキル、−NR5R6、−N+R5R6R12、−COR11、−NH−CONR5R6、−NH−CSNR5R6および−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−NR5R6から成る群から選択される1または2以上の部分により置換されることができ、rおよびsは、互いに独立して、1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1であり、ここでR11は−NHR12およびOR12から成る群から選択され、ここでR5、R6およびR12は−H、−(C1−C10)−アルキル、−(C2−C10)−アルケニル、−(C2−C10)−アルキニル、−(C6−C22)−アリールおよびリポーター基から成る群から独立して選択され、
【0056】
置換基(2)〜(7)中の前記アルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールは置換されていないか、あるいは−ハロゲン、−SH、−S−(C1−C6)−アルキル、−(C1−C6)−アルコキシ、−OH、−NR5R6、−COR11、−NH−CONR5R6、−NH−CSNR5R6および−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−NR5R6から成る群から選択される1または2以上の部分により置換されており、rおよびsは互いに独立して1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1である、
XはR1、R2またはR3から独立であり、そしてNおよびCHから成る群から選択され、そして
Dは核酸結合性化合物の残部に対する基の結合位置である。
【0057】
本発明による核酸結合性化合物が結合することができる核塩基は、天然に存在する核塩基、例えば、アデノシン、グアノシン、ウリジンまたはシチジンまたはそれらの2’−デソキシ誘導体、または天然に存在しない核塩基、例えば、本発明による複素環式基を有する核塩基であることができ、複素環式基の例はピロロ[2,3−d]ピリミジンまたはピラゾロ[3,4−d]ピリミジンまたはそれらのアナローグ、好ましくはグアニンまたはアデニンの前記アナローグまたは7−デアザ−グアニンである。他の非天然複素環式基はこの分野において知られており、そしてここにおいて明白に説明しない。
【0058】
好ましい態様において、本発明は、上に定義した一般式Iおよび残基R2およびR3を有する核酸結合性化合物に関する。これらの核酸結合性化合物は7−デアザ−8−アザ−2,6−ジアミノ−プリンの7位に電子求引性または疎水性置換基を有する。したがって、好ましくは複素環式基置換基に加えて、7位における他の好ましい置換基は特質が疎水性であり、例えば、アルキル、アルケニルおよびアルキニル残基である。しかしながら、主要な溝の中にエクステンションする第1残基が疎水性である場合、それは十分である。詳細には、7位における他の好ましい置換基は下記の残基である:
【0059】
(1) (5)に従い置換された−(C1−C10)−アルキル、
(2) (5)に従い置換された−(C2−C10)−アルケニル、
(3) (5)に従い置換された−(C2−C10)−アルキニル、
(4) (5)に従い置換された−(C6−C22)−アリール、
(5) 置換基(1)〜(4) 、ここでアルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールは−ハロゲン、−SH、−NO2、−CN、−S−(C1−C6)−アルキル、−NR5R6、−N+R5R6R12、−OR12、−COR11、−NH−CO−NR5R6、−NH−CS−NR5R6および−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−NR5R6から成る群から選択される1または2以上の部分により置換されることができ、rおよびsは、互いに独立して、1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1であり、ここでR11は−NHR12、OR12、および−SR12から成る群から選択され、ここでR5、R6およびR12は−H、−(C1−C10)−アルキル、−(C2−C10)−アルケニル、−(C2−C10)−アルキニル、−(C6−C22)−アリールおよびリポーター基から成る群から独立して選択され、リポーター基は細胞内吸収を促進する基であるか、あるいは核酸結合性化合物がその相補的核酸に対してハイブリダイゼーションするとき、結合、架橋または切断の間に後者を攻撃する基である、
【0060】
置換基(1)〜(4)中の前記アルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールは置換されていないか、あるいは−ハロゲン、−SH、−S−(C1−C6)−アルキル、−(C1−C6)−アルコキシ、−OH、−NR5R6、−COR11、−NH−CONR5R6、−NH−CSNR5R6および−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−NR5R6から成る群から選択される1または2以上の部分により置換されており、rおよびsは互いに独立して1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1であり、
ただし基(1)〜(3)が−NR5R6、NHR12、−OR12、またはSR12により置換されている場合、R5、R6またはR12はリポーター基ではない。
より好ましくは、残基(1)は1〜6個の炭素原子の長さ、より好ましくは1〜3個の炭素原子の長さを有し、そして残基(2)および(3)は2〜6個の炭素原子の長さ、より好ましくは2〜3個の炭素原子の長さを有する。
【0061】
最も好ましい態様において、複素環式基は7−ブロモ−7−デアザ−8−アザ−2,6−ジアミノ−プリンまたは7−ヨード−7−デアザ−8−アザ−2,6−ジアミノ−プリンである。さらに、極めて酸不安定性グリコシド結合を有し、特定の条件を使用する場合においてのみオリゴヌクレオチド合成において使用できる2−アミノ−アデノシンに比較して、本発明による核酸結合性化合物は非常に安定なグリコシド結合を有するという利点を有する。本発明のそれ以上の態様において、7−デアザ−8−アザ−2,6−ジアミノ−プリンの7位におけるハロゲン化物は擬ハロゲン化物、例えば、−SCNまたは−CNで置換することができる。
前述の好ましい置換基は、また、本発明による方法および使用において好ましい。
【0062】
一般式Iの複素環式基は主として下記の性質により特徴づけられる:
− 塩基は9位(プリンのナンバリング)を介して主鎖に、好ましくは糖部分に結合している。
− 塩基は他の核酸構成成分とスタッキング相互作用を形成することができる芳香族π−電子系を含有する。
− 塩基は特質ヌクレオシドTに対する水素結合のための1または2以上のドナーおよび/またはアクセプター部位を含有する。
【0063】
核酸結合性化合物におけるTmを増加させるために、測定すべき核酸におけるTに対して相補的な1または2以上のAを本発明による複素環式基で置換することができる。次いでオリゴヌクレオチドは、G−C塩基対の順序で結合エネルギーで、しかしA−Tよりも高い安定性で、本発明による塩基と反対にTを含有するターゲット配列に特異的に結合するであろう。これは逆平行または平行のデュプレックスについて等しく十分に働き、それによって天然A−T塩基対は平行または逆平行のデュプレックスに結合する等しい能力を有するが、平行デュプレックスにおいて結合エネルギーはより低い。
【0064】
しかしながら、本発明による複素環式基は、核酸結合性化合物の中に組込まれるとき、平行または逆平行のデュプレックスにおいて反対の鎖中のTに等しく十分に結合するであろう。デュプレックスにおいて逆平行の結合を行うために、逆平行デュプレックス中で通常G−C塩基対を形成する天然GまたはC塩基を前述したように非天然塩基対、例えば、G−iC(イソシトシン)またはよりすぐれたG−meiC(メチル化イソシトシン)またはC−iG(イソグアノシン)で置換しなくてはならない。平行デュプレックスおよび逆平行デュプレックスの要約はEP 0 624 161またはSeela他、Tetrahedron 55(1999)、9481−9500)の中に見出され、そして実施例4中のスキーム11および12の中に概略的に示されている。
【0065】
この一般的原理はもちろん限定されない。なぜなら、6員環において同一の特性を示す塩基は本発明による構造を含有するために前述の説明に基づいて同一の性質を有するからである。特に、塩基対合に参加する部分から複素環式基の部分が遠くなるほど、オリゴマーは化学的構造の修飾、例えば、複素環式基のこの部分への基の結合に対する許容性が大きくなる。下記において、本発明の複素環式基について言及するとき、一般式Iに従う複素環式基について言及する。
【0066】
また、本発明は、式Iの複素環式基の互変異性体の形態および塩を包含する。
本発明による核酸結合性化合物は好ましくは100サブユニットより小さい長さ、より好ましくは10〜30サブユニットの長さを有する。核酸結合性化合物として活性であるために、結合すべき核酸における複素環式基に対する水素結合が、塩基対合により、例えば、Watson−CrickまたはHoogsteen塩基対合により可能であるように、置換基を選択すべきである。置換基がこのような好ましい水素結合を可能としない化合物は、核酸結合性化合物を製造するための中間体として有用であることがある。本発明の好ましい核酸結合性化合物は、化学的に合成された化合物である。
【0067】
核酸結合性化合物は、それが測定すべき核酸または平行または逆平行のデュプレックスの形成に依存して塩基対合により結合させることを意図する核酸に対して実質的に相補的であるヌクレオチド配列を含有するように構築される。それらの核酸は通常少なくとも1つの天然に存在する核塩基、Ade、Cyt、GuaおよびUraを含有するので、本発明による核酸結合性化合物もまたそれらの4つの塩基のいずれかを含有するであろう。しかしながら、本発明によれば、複素環式基の少なくとも1つは式Iの少なくとも1つにより置換される。
【0068】
核酸結合性化合物を核酸の測定用プローブとして使用するか、あるいは化合物または核酸のいずれか他の同定を意図する場合、置換基のいずれかをリポーター基を含有するように選択する。核酸結合性化合物を十分に標識するために有効である数のリポーター基を結合させることができるが、プローブがハイブリダイゼーションアッセイにおいて有効でないように、核酸の認識、核酸に対するアフィニティーおよび溶解度が影響を受けないように、制限された数のリポーター基のみを単一のサブユニットに結合させることが好ましい。非常に好ましい場合において、わずかに1〜4、より好ましくは1または2、最も好ましくはただ1つのリポーター基が各核酸結合性化合物の中に存在するであろう。プローブに結合した2以上のリポーター基を必要とする核酸測定用フォーマットが存在する。このようなフォーマットの1例はWO 92/02638に開示されている。この場合において、リポーター基の1つは蛍光放射体であるが、他方は蛍光クエンチャーである。
【0069】
また、リポーター基を式Iに従わない複素環式塩基に結合することができる。本発明の好ましい態様において、R1はアルキニル−アミノ−C≡C−E−NR5R6、アルケニル−アミノ−C=C−E−NR5R6および−E−NR5R6であり、ここでEは−[(CH2)rF]s−(CH2)r−であり、ここでF=OまたはSそしてrおよびsは互いに独立して1〜18の整数であり、ここでR5およびR6は−H、−(C1−C10)−アルキル、−(C2−C10)−アルケニル、−(C2−C10)−アルキニル、−(C6−C22)−アリールおよびリポーター基から成る群から独立して選択され、R11は−NHR12およびOR12から成る群から選択され、ここでR5、R6およびR12は−H、−(C1−C10)−アルキル、−(C2−C10)−アルケニル、−(C2−C10)−アルキニル、−(C6−C22)−アリールおよびリポーター基から成る群から独立して選択され、前記アルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールは置換されていないか、あるいは−ハロゲン、−SH、−S−(C1−C6)−アルキル、−(C1−C6)−アルコキシ、−OH、−NR5R6、−COR11、−NH−CONR5R6、−NH−CSNR5R6および−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−NR5R6から成る群から選択される1または2以上の部分により置換されており、rおよびsは互いに独立して1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1である。
【0070】
リポーター基は一般に核酸結合性化合物ならびにそれに結合した核酸を液体、例えば、試料の残部と区別可能とする基である(結合したリポーター基を有する核酸結合性化合物もまた標識化された核酸結合性化合物、標識化されたプローブまたはちょうどプローブと命名することができる)。この区別は直接的または間接的に検出可能な基から、または固定化されたまたは固定化可能な基から選択することによって実施することができる。直接検出可能な基は例えば蛍光性化合物、例えば、フルオレセインおよびその誘導体、例えば、ヘキサクロロフルオレセインおよびヘキサフルオロフルオレセイン、ローダミン、プソラレン、スクアレン、ポルフィリン、蛍光性粒子、生物発光性化合物、例えば、アクリジニウムエステルおよびルミノール、またはシアニン色素、例えば、Cy−5である。このような化合物の例はEP 0 680 969に開示されている。
【0071】
さらに、スピン標識、例えば、TEMPO、電気化学的に検出可能な基、フェロセン、ビオローゲン、重金属キレートおよび電気化学発光性標識、例えば、ルテニウムビスピリジル錯体、およびナフトキノン、クエンチャー色素、例えば、ダビシル、およびヌクレアーゼ活性錯体、例えば、FeおよびCuは有用な検出可能な基である。このような化合物の他の例はユーロピウム錯体である。間接的に検出可能な基は、直接的または間接的に標識化される他の部分により認識されることができる基である。このような間接的に検出可能な基の例は、ハプテン、例えば、ジゴキシゲニンまたはビオチンである。例えば、ジゴキシゲニンはジゴキシゲニンに対する抗体により認識されることができる。それらの抗体は直接標識化することができるか、あるいは(ジゴキシゲニン)に対して向けられた標識化抗体により認識されることができる。
【0072】
ジゴキシゲニンの認識をベースとするフォーマットはEP−B−0 324 474に開示されている。ビオチンはアビジンおよび同様な化合物、例えば、ストレプトアビジンおよび他のビオチン結合性化合物により認識されることができる。再び、それらの化合物は直接的または間接的に標識化することができる。それ以上の重要な標識は、原子間力顕微鏡(AFM)または走査トンネル顕微鏡(STM)により直接検出可能なものである。さらに、リポーター基は試料中の他のヌクレオチド配列を妨害しないヌクレオチド配列であることができる。したがって、配列は相補的配列を含有するヌクレオチドにより特異的に認識されることができる。このヌクレオチド配列は直接的または間接的に標識化することができるか、あるいは固定化可能であるか、あるいは固定化することができる。さらに、リポーター基は固相であることができる。
【0073】
核酸結合性化合物と固相との結合は、検出可能な基について上に指摘したように直接的または間接的であることができる。このような固相の例はラテックスビーズまたは金粒子である。本発明の態様において、核酸結合性化合物に結合したそれ以上のリポーター基は任意の正に帯電したまたは負に帯電した基、好ましくはカルボキシレートまたはアンモニウムN+R5R6R12であることができ、ここで置換基は前述の式Iにおいて特定した通りである。これらは、例えば、プロパギレンリンカーを介して塩基に結合させることができ、そしてMALDI−TOF質量分析の感度(MALDI−TOF:マトリックス補助レーザー脱着/イオン化飛行時間)を積極的または消極的モードで増強することができる。アンモニウム基の置換基は好ましくは後標識化を介してオリゴヌクレオチドの中に導入することができる、すなわち、適当な反応性基、例えば、フタロイル基でオリゴヌクレオチド合成前駆体中において保護されたアミノ基がオリゴヌクレオチド合成間に導入されるとき、結合性化合物をリポーター基で後標識化することができる。
【0074】
直接的標識化は、核酸結合性化合物を固相上の反応性基に共有結合させることによって、すなわち、好ましくはリンカーを介して、実施することができる。間接的標識化は検出可能な基するための上に開示したように実施することができる。好ましくは、間接的取り付けは非共有結合的に生物特異的相互作用、例えば、ハプテン−抗体、ビタミン−レセプターおよび核酸−相補的核酸により達成される。再び、それらの相互作用および核酸アッセイにおけるそれらの使用はこの分野において知られている。
【0075】
本発明によるプローブの固定化に有効である固相は、好ましくはポリスチレン、ポリエチレン、プロピレン、ガラス、SiO2およびTiO2から成る群から選択される。このような固相のフォーマットはアッセイの計装およびフォーマットの必要性に従い選択することができる。例えば、固相はビーズまたは容器の形態であることができる。
【0076】
最も普及されている主鎖は、リボヌクレオシド(RNA)またはデオキシリボヌクレオシド(DNA)を含有する核酸の天然に存在する糖ホスフェート主鎖である。したがって、好ましい態様において、核酸結合性化合物の主鎖はホスホジエステル結合およびリボースを含んでなる。過去数年において、オリゴヌクレオチドと同様な性質を有するが、それらの主鎖が異なり、天然に存在するホスホジエステルリボース主鎖と対照的に化学的に結合性天然に存在するヌクレオチド天然に存在するいずれかまたはすべてのから形成された構造を有する、核酸結合性化合物が記載されてきている。
【0077】
したがって、核酸結合性化合物の主鎖が厳密な意味においてオリゴヌクレオチドでない、すなわち、それが修飾される構造を有する場合でさえ、本発明は有効であることが明らかである。主鎖は、例えば、ホスホルチオエート、メチルホスホルチオエート、ホスホルアミデートおよびホスホルトリエステル結合を含む。主鎖の修飾は核酸結合性化合物の性質を変化させる、すなわち、それは安定性およびアフィニティーを増強させることができる。したがって、好ましい態様において、核酸結合性化合物は、主鎖が一般式IIの1または2以上の部分を含んでなる化合物またはそれらの任意の塩である:
【0078】
【化32】
Figure 0004331476
【0079】
式中、
AはO、S、CH2、N−CO− (C1−C10)−アルキルから成る群から選択され、
Lはオキシ、スルファンジイル、−CH2−および−NR22−から成る群から選択され、
Tはオキソ、チオキソおよびセレノキソから成る群から選択され、
Uは−OH、O-、−O−リポーター基、−SH、−S−リポーター基、−SeH、−(C1−C10)−アルコキシ、−(C1−C10)−アルキル、−(C6−C22)−アリール、−(C6−C14)−アリール−(C1−C10)−アルキル、−NR23R24、および−(−O− (C1−C10)−アルキル)n−R25から成る群から選択され、ここでnは1〜6の任意の整数であることができるか、あるいは−NR23R24はNと一緒になって5〜6員の複素環式環であることができ、
Vはオキシ、スルファンジイル、−CH2−および−NR22から成る群から選択され、
【0080】
R14は−H、−OH、−(C1−C6)−アルキル、−(C1−C10)−アルコキシ、−(C2−C10)−アルケニルオキシ、−ハロゲン、−アジド、−O−アリル、−O−アルキニル、およびNH2から成る群から選択され、
R22は−Hおよび−(C1−C10)−アルキルから成る群から独立して選択され、
R23およびR24は−(C1−C10)−アルキル、−(C1−C20)−アリール、−(C6−C14)−アリール−(C1−C10)−アルキル、−(C1−C6)−アルキル−[NH(CH2)c]d−NR26R27およびリポーター基から成る群から独立して選択され、
【0081】
R25は−H、−OH、−ハロゲン、−アミノ、−(C1−C18)−アルキルアミノ、−COOH、−CONH2および−COO (C1−C4)−アルキルおよびリポーター基から成る群から選択され、
R26およびR27は−H、−(C1−C6)−アルキル、および−(C1−C4)−アルコキシ−(C1−C6)−アルキルおよびリポーター基から成る群から独立して選択され、
cは2〜6の整数であり、
dは0〜6の整数であり、そして
Bは式Iの部分であり、
【0082】
【化33】
Figure 0004331476
【0083】
式中、
R1はX、R2またはR3から独立であり、そして下記の基から成る群から選択される:
(1) −F、−Cl、−Brまたは−I、
(2) ニトロ、
(3) シアノ、
(4) −COO-
(5) (10)に従い置換された−(C1−C10)−アルキル、
(6) (10)に従い置換された−(C2−C10)−アルケニル、
(7) (10)に従い置換された−(C2−C10)−アルキニル、
(8) (10)に従い置換された−(C6−C22)−アリール、
(9) −W− (C1−C10)−アルキル、−W−(C2−C10)−アルケニル、−W−(C2−C10)−アルキニル、−W−(C6−C22)−アリールまたは−W−H、式中W=−S−、−O−、−NH−、−S−S−、−CO−、−COO−、−CO−NH−、−NH−CO−、−NH−CO−NH−、−NH−CS−NH−、−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−、ここでrおよびsは、互いに独立して、1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1である、
【0084】
(10) 置換基(5)〜(9) 、ここでアルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールは−ハロゲン、−SH、−NO2、−CN、−S−(C1−C6)−アルキル、−NR5R6、−N+R5R6R12、−OR12、−COR11、−NH−CO−NR5R6、−NH−CS−NR5R6および−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−NR5R6から成る群から選択される1または2以上の部分により置換されることができ、rおよびsは、互いに独立して、1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1であり、ここでR11は−NHR12、OR12、および−SR12から成る群から選択され、ここでR5、R6およびR12は−H、−(C1−C10)−アルキル、−(C2−C10)−アルケニル、−(C2−C10)−アルキニル、−(C6−C22)−アリールおよびリポーター基から成る群から独立して選択され、リポーター基は細胞内吸収を促進する基であるか、あるいは核酸結合性化合物がその相補的核酸に対してハイブリダイゼーションするとき、結合、架橋または切断の間に後者を攻撃する基である、
【0085】
置換基(5)〜(10)中の前記アルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールは置換されていないか、あるいは−ハロゲン、−SH、−S−(C1−C6)−アルキル、−(C1−C6)−アルコキシ、−OH、−NR5R6、−COR11、−NH−CONR5R6、−NH−CSNR5R6および−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−NR5R6から成る群から選択される1または2以上の部分により置換されており、rおよびsは互いに独立して1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1であり、ただし基(5)〜(7)が−NR5R6、NHR12、−OR12、またはSR12により置換されている場合、R5、R6またはR12はリポーター基ではない、
【0086】
R2、R3はX、R1、R2およびR3から独立し、そして下記の基から成る群から選択される:
(1) −H、
(2) (C1−C10)−アルキル、
(3) (C1−C10)−アルケニル、
(4) (C2−C10)−アルキニル、
(5) (C6−C22)−アリール、
(6) −Z− (C1−C10)−アルキル、−Z−(C2−C10)−アルケニル、−Z−(C2−C10)−アルキニル、−Z− (C6−C22)−アリールまたは−Z−H、ここでZ=−CO−、−CO−NH−、−CS−NH−、−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−、ここでrおよびsは、互いに独立して、1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に1または2である、
【0087】
(7) 置換基(2)〜(6) 、ここでアルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールは−ハロゲン、−NO2、−OR12、−CN、−SH、−S−(C1−C6)−アルキル、−NR5R6、−N+R5R6R12、−COR11、−NH−CONR5R6、−NH−CSNR5R6および−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−NR5R6から成る群から選択される1または2以上の部分により置換されることができ、rおよびsは、互いに独立して、1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1であり、ここでR11は−NHR12およびOR12から成る群から選択され、ここでR5、R6およびR12は−H、−(C1−C10)−アルキル、−(C2−C10)−アルケニル、−(C2−C10)−アルキニル、−(C6−C22)−アリールおよびリポーター基から成る群から独立して選択され、
【0088】
置換基(2)〜(7)中の前記アルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールは置換されていないか、あるいは−ハロゲン、−SH、−S−(C1−C6)−アルキル、−(C1−C6)−アルコキシ、−OH、−NR5R6、−COR11、−NH−CONR5R6、−NH−CSNR5R6および−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−NR5R6から成る群から選択される1または2以上の部分により置換されており、rおよびsは互いに独立して1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1である、
【0089】
XはR1、R2またはR3から独立であり、そしてNおよびCHから成る群から選択され、そして
Dは核酸結合性化合物の残部に対する基の結合位置である。
式Iにおいて定義した好ましい基は、特記しない限り、式IIおよび下記の式に適用される。
【0090】
好ましくは、式IIの化合物において、R14は水素である。Lの好ましい定義はオキシである。Uの好ましい定義は−OHおよび−O−リポーター基である。Vの好ましい定義はオキシである。cの好ましい定義は2〜4の整数であり、そしてdのそれは0〜2である。式IIの化合物は、核酸結合性化合物の統合された部分(好ましくは末端の1つにおいてではない)として本発明の複素環式部分を含有するために特に適する。基NR23R24は好ましくはジアルキルアミノ基から成る群から選択される。この基が一緒になって5〜6員環を形成する場合において、それは好ましくはモルホリニル、ピロリジニルまたはピペリジニルである。
【0091】
それ以上の好ましい態様において、糖立体配置はα−D−、β−D−、α−L−およびβ−L−立体配置から成る群から選択され、最も好ましくは化合物は少なくとも1つの2’−デオキシ−β−D−エリスロ−ペントフラノシル部分または1つのβ−D−リボフラノシル部分を含有する。本発明の好ましい態様において、Dは本発明による化合物の糖部分のグリコシドC−1である。
【0092】
本発明の他の態様において、糖はロックされたコンフォメーションである。LNA(Locked Nucleic Acid)は核酸アナローグの新規なクラスである。LNAはWatson−Crick塩基対合ルールに従い、相補的オリゴヌクレオチドに対してハイブリダイゼーションする。しかしながら、DNAおよび他の核酸誘導体と比較したとき、LNAは非常に改良されたハイブリダイゼーション性能を提供する。LNA/DNAまたはLNA/RNAは、DNAまたはRNAにより形成された同様なデュプレックスよりも非常にいっそう熱的に安定である。事実、LNAはこれまで報告された相補的DNAおよびRNAに対して最高のアフィニティーを有する。一般に、LNA/DNAデュプレックスの熱安定性はオリゴ中の修飾された塩基当たり3 ℃〜8 ℃増加する。
【0093】
一般的分子生物学および分子診断の分野内において、LNAの応用の主要な5つの分野は同定され、これらは捕捉プローブ、試料調製、SNP(Single Nucleotide Polymorphisms)の検出、アレレ特異的PCR、およびハイブリダイゼーションプローブ、Molecular Beacons、Padlockプローブ、Taqmanプローブ(WO 92/02638および対応する米国特許第5,210,015号、米国特許第5,804,375号、米国特許第5,487,972号)およびin situハイブリダイゼーションするためのプローブである。大部分の面において、LANはDNAと同様に取扱われる。LANは少なくともDNAのように安定であり、水性緩衝液中に可溶性である。LANはエタノール沈降させ、乾燥し、再懸濁させることができ、そしてゲル、HPLCおよびMALDI−TOF上で分析することができる。
【0094】
LANは新規な核酸アナローグであり、遺伝情報をプロービングしかつ評価する診断アッセイばかりでなく、かつまたアンチセンスおよび他の遺伝的医療のアプローチの性能を劇的に増加させることができる。これらのアナローグは、ちょうど天然の対応物と同様に大部分の応用において利用することができ、ハイブリダイゼーションのために大部分の産生的コンフォメーション中に核酸をロックする。遺伝的プローブのハイブリダイゼーション、または相補的ドッキングは、診断において遺伝情報を評価する主要な形態である。LNAの広範な種類の応用が開発されてきており、個々の遺伝子における特定の疾患を引き起こす単一塩基の突然変異を検出することができる、多数の典型的な感受性かつ特異的アッセイを包含する。
【0095】
我々の遺伝子における小さい変動であり、疾患の素因を引き起こすことがあるSNP(Single Nucleotide Polymorphisms)の検出において、わずかに8ヌクレオチドの捕捉プローブが非常に長い慣用核酸捕捉プローブよりも試料中の突然変異した遺伝子と野生型遺伝子とをいっそう効果的に識別させることができることを示すデータが存在する。したがって、本発明は、また、例えば、糖部分の少なくとも1つの原子、例えば、炭素原子または酸素原子が少なくとも1つの原子を含有する少なくとも1つの架橋部分を介して糖部分の少なくとも1つの他の原子に結合されており、それによりコンフォメーション的に拘束された糖が上に概説したように形成されている、本発明による化合物を包含する。
【0096】
本発明による化合物の合成について、下記の文献を参照のこと:Chemistry of Nucleosides and Nucleotides Part 1、編者L. B. Townsend、Plenum Press New York (1988)、Chapter 2:Synthesis and Properties of Purine Nucleosides and Nucleotides、pp. 113−281または米国特許第5,594,121号。しかしながら、いっそう情報は以下において提供される。
【0097】
核酸結合性化合物の主鎖において、種々の化学的構造を使用することができる。当業者は核酸結合性化合物がまた修飾された3’末端を有することができるという事実を認識する。したがって、本発明の好ましい主題は、主鎖が一般式IIIの1または2以上の部分を含んでなり、tが0または1である、上に概説した核酸結合性化合物またはそれらの任意の塩である:
【0098】
【化34】
Figure 0004331476
【0099】
式中、
t=1である場合、
AはO、S、CH2およびN− (C1−C6)−アルキルから成る群から選択され、
Mはオキシ、スルファンジイル、−NR22−、−(C1−C10)−アルキル−、または−O−(C1−C10)−アルキル−O−、および−S−(C1−C10)−アルキル−O−および−NR22−(C1−C10)−アルキル−O−から成る群から選択され、
R22は−H、−(C1−C10)−アルキル、保護基およびリポーター基から成る群から選択され、
【0100】
R14は−H、−OH、−(C1−C3)−アルキル、−(C1−C6)−アリル、−(C1−C10)−アルコキシ、−(C2−C10)−アルケニルオキシ、−(C2−C10)−アルキニルオキシ、−(O−CH2)n−(ここでnは1〜18の整数であることができる)、−ハロゲン、−アジド、SH、−(C1−C10)−アルキルメルカプト、O−リポーター基、O−固相および−NH2から成る群から選択され、
R15は−H、−(C1−C6)−アルキル、−(C2−C10)−アルケニル、−(C2−C10)−アルキニル、−(C2−C10)−アルキル−カルボニル、−(C3−C19)−アルケニル−カルボニル、−(C3−C19)−アルキニル−カルボニル、−(C6−C14)−アリール−(C1−C10)−アルキル、固相および式IVの基から成る群から選択され、
【0101】
【化35】
Figure 0004331476
【0102】
式中、
Tはオキソ、チオキソおよびセレノキソから成る群から選択され、
Uは−OH、O-、−O−リポーター基、−SH、−SeH、−(C1−C10)−アルコキシ、−(C1−C10)−アルキル、−(C6−C22)−アリール、−(C6−C14)−アリール−(C1−C10)−アルキル、−NR23R24、および−(−O− (C1−C10)−アルキル)n−R25から成る群から選択され、ここでnは1〜6の任意の整数であることができるか、あるいはNR23R24はNと一緒になって5〜6員の複素環式環であることができ、
R23およびR24は−(C1−C10)−アルキル、−(C1−C20)−アリール、−(C6−C14)−アリール−(C1−C10)−アルキル、−(C1−C6)−アルキル−[NH(CH2)c]d−NR26R27から成る群から独立して選択され、
【0103】
R25は−H、−OH、−ハロゲン、−アミノ、−(C1−C18)−アルキルアミノ、−COOH、−CONH2および−COO (C1−C4)−アルキルから成る群から選択され、
R26およびR27は−H、−(C1−C6)−アルキル、および−(C1−C4)−アルコキシ−(C1−C6)−アルキルから成る群から独立して選択され、
R29は−OR30および−SR30から成る群から選択され、
R30は−H、−(C1−C10)−アルキル、−(C2−C10)−アルケニル、−(C6−C22)−アリール、保護基、固相およびリポーター基から成る群から選択され、
cは2〜6の整数であり、
dは0〜6の整数であり、そして
Bは式Iの部分であり、
【0104】
【化36】
Figure 0004331476
【0105】
式中、
R1はX、R2またはR3から独立であり、そして下記の基から成る群から選択される:
(1) −F、−Cl、−Brまたは−I、
(2) ニトロ、
(3) シアノ、
(4) −COO-
(5) (10)に従い置換された−(C1−C10)−アルキル、
(6) (10)に従い置換された−(C2−C10)−アルケニル、
(7) (10)に従い置換された−(C2−C10)−アルキニル、
(8) (10)に従い置換された−(C6−C22)−アリール、
(9) −W− (C1−C10)−アルキル、−W−(C2−C10)−アルケニル、−W−(C2−C10)−アルキニル、−W−(C6−C22)−アリールまたは−W−H、式中W=−S−、−O−、−NH−、−S−S−、−CO−、−COO−、−CO−NH−、−NH−CO−、−NH−CO−NH−、−NH−CS−NH−、−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−、ここでrおよびsは、互いに独立して、1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1である、
【0106】
(10) 置換基(5)〜(9) 、ここでアルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールは−ハロゲン、−SH、−NO2、−CN、−S−(C1−C6)−アルキル、−NR5R6、−N+R5R6R12、−OR12、−COR11、−NH−CO−NR5R6、−NH−CS−NR5R6および−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−NR5R6から成る群から選択される1または2以上の部分により置換されることができ、rおよびsは、互いに独立して、1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1であり、ここでR11は−NHR12、OR12、および−SR12から成る群から選択され、ここでR5、R6およびR12は−H、−(C1−C10)−アルキル、−(C2−C10)−アルケニル、−(C2−C10)−アルキニル、−(C6−C22)−アリールおよびリポーター基から成る群から独立して選択され、リポーター基は細胞内吸収を促進する基であるか、あるいは核酸結合性化合物がその相補的核酸に対してハイブリダイゼーションするとき、結合、架橋または切断の間に後者を攻撃する基である、
【0107】
置換基(5)〜(10)中の前記アルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールは置換されていないか、あるいは−ハロゲン、−SH、−S−(C1−C6)−アルキル、−(C1−C6)−アルコキシ、−OH、−NR5R6、−COR11、−NH−CONR5R6、−NH−CSNR5R6および−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−NR5R6から成る群から選択される1または2以上の部分により置換されており、rおよびsは互いに独立して1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1であり、ただし基(5)〜(7)が−NR5R6、NHR12、−OR12、またはSR12により置換されている場合、R5、R6またはR12はリポーター基ではない、
【0108】
R2、R3はX、R1、R2およびR3から独立し、そして下記の基から成る群から選択される:
(1) −H、
(2) (C1−C10)−アルキル、
(3) (C1−C10)−アルケニル、
(4) (C2−C10)−アルキニル、
(5) (C6−C22)−アリール、
(6) −Z− (C1−C10)−アルキル、−Z−(C2−C10)−アルケニル、−Z−(C2−C10)−アルキニル、−Z− (C6−C22)−アリールまたは−Z−H、ここでZ=−CO−、−CO−NH−、−CS−NH−、−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−、ここでrおよびsは、互いに独立して、1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に1または2である、
【0109】
(7) 置換基(2)〜(6) 、ここでアルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールは−ハロゲン、−NO2、−OR12、−CN、−SH、−S−(C1−C6)−アルキル、−NR5R6、−N+R5R6R12、−COR11、−NH−CONR5R6、−NH−CSNR5R6および−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−NR5R6から成る群から選択される1または2以上の部分により置換されることができ、rおよびsは、互いに独立して、1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1であり、ここでR11は−NHR12およびOR12から成る群から選択され、ここでR5、R6およびR12は−H、−(C1−C10)−アルキル、−(C2−C10)−アルケニル、−(C2−C10)−アルキニル、−(C6−C22)−アリールおよびリポーター基から成る群から独立して選択され、
【0110】
置換基(2)〜(7)中の前記アルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールは置換されていないか、あるいは−ハロゲン、−SH、−S−(C1−C6)−アルキル、−(C1−C6)−アルコキシ、−OH、−NR5R6、−COR11、−NH−CONR5R6、−NH−CSNR5R6および−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−NR5R6から成る群から選択される1または2以上の部分により置換されており、rおよびsは互いに独立して1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1である、
XはR1、R2またはR3から独立であり、そしてNおよびCHから成る群から選択され、そして
Dは核酸結合性化合物の残部に対する基の結合位置であり、そして
t=0である場合において、R15は−Hである。
【0111】
定義および好ましさについて、特記しない限り、事項は式Iおよび式IIにおける置換基について概説したように、式IIIに適用される。好ましい態様において、3’末端は2’,3’−ジデソキシリボース、すなわち、ここでt=0、R15はであり、そしてR14は−Hである、またはそのアナローグを有する。本発明による核酸結合性化合物を、天然にも存在するトリホスフェート化合物でエクステンションするとき、酵素的停止が必要である場合、これは重要である。天然に存在するトリホスフェート化合物は、アデノシン、グアノシン、ウリジン、シチジンまたはチミジンのトリホスフェート、またはアデノシン、グアノシン、ウリジン、シチジンまたはチミジンのトリホスフェートのデソキシ誘導体である。しかしながら、本発明は、また、式VIIIを有する本発明によるトリホスフェート化合物で天然に存在するヌクレオチドのみまたは本発明による核酸結合性化合物を含有するプライマーをエクステンションすることに関する。
【0112】
式I天然に存在する基が化合物の3’末端におけるサブユニット、例えば、ヌクレオチドに結合している核酸結合性化合物は、より長い化合物の合成用出発化合物としておよび/または末端標識化プローブとして有効である。プローブの末端位置は化学的部分の結合にかんがみて最も許容性であるので、このグループの化合物は特に好ましい。
核酸結合性化合物の3’末端に対する修飾にかんがみて、核酸結合性化合物の5’末端もまた修飾することができることが明らかである。したがって、本発明の他の好ましい主題は、式Vの主鎖部分を含んでなる上に概説した核酸結合性化合物およびそれらの任意の塩である:
【0113】
【化37】
Figure 0004331476
【0114】
式中、
AはO、S、CH2およびN− (C1−C6)−アルキルから成る群から選択され、
M’ はオキシ、スルファンジイル、−NR22−、−(C1−C10)−アルキル−または−O−(C1−C10)−アルキル−O−、および−S−(C1−C10)−アルキル−O−および−NR22−(C1−C6)−アルキル−O−から成る群から選択され、
R22は−H、保護基、リポーター基および−(C1−C10)−アルキルから成る群から独立して選択され、
【0115】
R14は−H、−OH、−(C1−C10)−アルコキシ、−(C2−C10)−アルケニルオキシ、−(C2−C10)−アルキニルオキシ、−ハロゲン、−アジド、−SH、−S−(C1−C6)−アルキルメルカプト、O−リポーター基、O−固相およびNH2から成る群から選択され、
R16は−H、−(C1−C6)−アルキル、−(C2−C18)−アルケニル、−(C2−C18)−アルキニル、−(C2−C18)−アルキル−カルボニル、−(C3−C19)−アルケニル−カルボニル、−(C3−C19)−アルキニル−カルボニル、−(C6−C14)−アリール−(C1−C10)−アルキル、保護基または式IVの化合物から成る群から選択され、
【0116】
【化38】
Figure 0004331476
【0117】
式中、
Tはオキソ、チオキソおよびセレノキソから成る群から選択され、
Uは−OH、−SH、−SeH、−(C1−C10)−アルコキシ、−(C1−C10)−アルキル、−(C6−C22)−アリール、−(C6−C14)−アリール−(C1−C10)−アルキル、−NR23R24、および−(−O− (C1−C10)−アルキル)n−R25から成る群から選択され、ここでnは1〜6の任意の整数であることができるか、あるいはNR23R24はNと一緒になって5〜6員の複素環式環であることができ、
【0118】
R23およびR24は−(C1−C10)−アルキル、−(C1−C20)−アリール、−(C6−C14)−アリール−(C1−C10)−アルキル、−(C1−C6)−アルキル−[NH(CH2)c]d−NR26R27から成る群から独立して選択され、
R25は−H、−OH、−ハロゲン、−アミノ、−(C1−C18)−アルキルアミノ、−COOH、−CONH2および−COO (C1−C4)−アルキルから成る群から選択され、
R26およびR27は−H、−(C1−C6)−アルキル、および−(C1−C4)−アルコキシ−(C1−C6)−アルキルから成る群から独立して選択され、
R29は−OR30および−SR30から成る群から選択され、
R30は−H、−(C1−C10)−アルキル、−(C2−C10)−アルケニル、−(C6−C22)−アリール、保護基、固相およびリポーター基から成る群から選択され、
cは2〜6の整数であり、
dは0〜6の整数であり、そして
Bは式Iの部分であり、
【0119】
【化39】
Figure 0004331476
【0120】
式中、
R1はX、R2またはR3から独立であり、そして下記の基から成る群から選択される:
(1) −F、−Cl、−Brまたは−I、
(2) ニトロ、
(3) シアノ、
(4) −COO-
(5) (10)に従い置換された−(C1−C10)−アルキル、
(6) (10)に従い置換された−(C2−C10)−アルケニル、
(7) (10)に従い置換された−(C2−C10)−アルキニル、
(8) (10)に従い置換された−(C6−C22)−アリール、
(9) −W− (C1−C10)−アルキル、−W−(C2−C10)−アルケニル、−W−(C2−C10)−アルキニル、−W−(C6−C22)−アリールまたは−W−H、式中W=−S−、−O−、−NH−、−S−S−、−CO−、−COO−、−CO−NH−、−NH−CO−、−NH−CO−NH−、−NH−CS−NH−、−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−、ここでrおよびsは、互いに独立して、1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1である、
【0121】
(10) 置換基(5)〜(9) 、ここでアルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールは−ハロゲン、−SH、−NO2、−CN、−S−(C1−C6)−アルキル、−NR5R6、−N+R5R6R12、−OR12、−COR11、−NH−CO−NR5R6、−NH−CS−NR5R6および−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−NR5R6から成る群から選択される1または2以上の部分により置換されることができ、rおよびsは、互いに独立して、1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1であり、ここでR11は−NHR12、OR12、および−SR12から成る群から選択され、ここでR5、R6およびR12は−H、−(C1−C10)−アルキル、−(C2−C10)−アルケニル、−(C2−C10)−アルキニル、−(C6−C22)−アリールおよびリポーター基から成る群から独立して選択され、リポーター基は細胞内吸収を促進する基であるか、あるいは核酸結合性化合物がその相補的核酸に対してハイブリダイゼーションするとき、結合、架橋または切断の間に後者を攻撃する基である、
【0122】
置換基(5)〜(10)中の前記アルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールは置換されていないか、あるいは−ハロゲン、−SH、−S−(C1−C6)−アルキル、−(C1−C6)−アルコキシ、−OH、−NR5R6、−COR11、−NH−CONR5R6、−NH−CSNR5R6および−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−NR5R6から成る群から選択される1または2以上の部分により置換されており、rおよびsは互いに独立して1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1であり、ただし基(5)〜(7)が−NR5R6、NHR12、−OR12、またはSR12により置換されている場合、R5、R6またはR12はリポーター基ではない、
【0123】
R2、R3はX、R1、R2およびR3から独立し、そして下記の基から成る群から選択される:
(1) −H、
(2) (C1−C10)−アルキル、
(3) (C1−C10)−アルケニル、
(4) (C2−C10)−アルキニル、
(5) (C6−C22)−アリール、
(6) −Z− (C1−C10)−アルキル、−Z−(C2−C10)−アルケニル、−Z−(C2−C10)−アルキニル、−Z− (C6−C22)−アリールまたは−Z−H、ここでZ=−CO−、−CO−NH−、−CS−NH−、−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−、ここでrおよびsは、互いに独立して、1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に1または2である、
【0124】
(7) 置換基(2)〜(6) 、ここでアルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールは−ハロゲン、−NO2、−OR12、−CN、−SH、−S−(C1−C6)−アルキル、−NR5R6、−N+R5R6R12、−COR11、−NH−CONR5R6、−NH−CSNR5R6および−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−NR5R6から成る群から選択される1または2以上の部分により置換されることができ、rおよびsは、互いに独立して、1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1であり、ここでR11は−NHR12およびOR12から成る群から選択され、ここでR5、R6およびR12は−H、−(C1−C10)−アルキル、−(C2−C10)−アルケニル、−(C2−C10)−アルキニル、−(C6−C22)−アリールおよびリポーター基から成る群から独立して選択され、
【0125】
置換基(2)〜(7)中の前記アルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールは置換されていないか、あるいは−ハロゲン、−SH、−S−(C1−C6)−アルキル、−(C1−C6)−アルコキシ、−OH、−NR5R6、−COR11、−NH−CONR5R6、−NH−CSNR5R6および−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−NR5R6から成る群から選択される1または2以上の部分により置換されており、rおよびsは互いに独立して1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1である、
【0126】
XはR1、R2またはR3から独立であり、そしてNおよびCHから成る群から選択され、そして
Dは核酸結合性化合物の残部に対する基の結合位置である。
非常に好ましい化合物は、M’がOであり、R16がHであり、そしてR14が水素およびヒドロキシルから選択される、式Vの化合物である。
それらの化合物は、例えば、5’末端で標識化されたプローブとして使用することができる。置換基の定義に関すると、特記しない限り、前述の定義が適用される。
【0127】
核酸結合性化合物の主鎖は、化合物が相補的配列を有する核酸に結合することができるように、塩基対合複素環を保持する機能を有する。好ましくは、天然に存在する塩基における相補性の程度は、結合すべき核酸領域において同一長さのストレッチに比較して、結合を実施する領域における塩基のストレッチにおいて70%から100%までの範囲であろう。したがって、各配列におけるサブユニットの欠失および挿入は、この計算において、次の適合塩基までギャップとしてカウントされ、こうして含有されるギャップと同数だけ相補性を減少させる。
好ましくは主鎖は糖−ホスフェート部分を含有する。これらから、デオキシ糖を含有する主鎖はさらに好ましい。
【0128】
本発明の部分を包含する、相補的配列の核酸に対して塩基対合することができる部分を保持する主鎖中の各部分はサブユニットと呼ばれる。
異なる種類のサブユニットの主鎖混合物を有する化合物は知られている。最近、新しい種類の非天然核酸結合性化合物が記載された。それらはサブユニット間の少なくとも1つのペプチド結合を含有するので、ペプチド核酸(PNA)と命名された(WO 92/20702)。本発明の核酸結合性化合物は任意の長さを有することができる。しかしながら、化学的合成の好都合性のために、100より小さい、より好ましくは10〜30サブユニットの長さの化合物、例えば、ヌクレオシドは好ましい。
【0129】
本発明による複素環式基および他のアナローグを使用する、本発明による核酸結合性化合物、例えば、プローブとして使用する化合物と、第2核酸結合性化合物との間で形成されたデュプレックスの熱安定性(Tm)を変更すると、デュプレックスの安定性およびミスマッチの識別を最適化することができる(例えば、下記文献を参照のこと、Kwok、Shirley;Chang、Sheng Yung;Sninsky、John J.;Wang、Alice。A guide to the design and use of mismatched and degenrate primers。PCR Methods Appl. (1994)、3(4)、39−47。Tmを変更する1つの有用な面は、アデニン−チミングアニン−シトシン(A−T)デュプレックスが(G−C)デュプレックスよりも低いTmを有するという事実から発生する。これは一部分A−Tデュプレックスが塩基対当たり2つの水素結合を有するが、G−Cデュプレックスは塩基対当たり3つの水素結合を有するという事実による。
【0130】
例えば、塩基が不均質に分布されている、不均質オリゴヌクレオチドアレイにおいて、すべてのプローブについてハイブリダイゼーション条件を同時に最適化することは困難であることがある。こうして、ある態様において、G−Cに富んだデュプレックスを脱安定化しおよび/またはA−Tに富んだデュプレックスを増加させると同時に、ハイブリダイゼーションの配列特異性を維持することが望ましい。これにより、デュプレックスの溶融温度に対して各塩基対の寄与は調和または等化される。これは、例えば、プローブとして使用する核酸結合性化合物中の複素環式基の1または2以上をある種の修飾された、非標準的塩基で置換させることによって達成される。したがって、他の態様において、本発明は、式Iの複素環式基に加えて核酸結合性化合物は一般式Iの基と異なる複素環式基、すなわち、少なくとも1つの他の複素環式基をさらに含有する、本発明による核酸結合性化合物に関する。
【0131】
例えば、グアニン残基を7−デアザ−グアニンで置換すると、一般にデュプレックスは脱安定化するが、アデニン残基を2,6−ジアミノプリンで置換すると、デュプレックスの安定性は増強される。また、種々の他の修飾された塩基を核酸の中に組込んで、デュプレックスの安定性を増強または減少させると同時に、ハイブリダイゼーションの特異性を維持する。オリゴヌクレオチドプローブの中に6−アザピリミジンアナローグを組込むと、一般に相補的核酸に対するプローブの結合アフィニティーは減少する。多数の5−置換ピリミジンは、配列中の天然ピリミジンが置換されているハイブリッドの安定性を増加させる。
【0132】
例はシトシンおよびウラシルの5−ブロモ−、5−メチル−、5−プロピニル−、5−(イミダゾル−2−イル)−および5−(チアゾル−2−イル)−誘導体を包含する。好ましくは、追加の複素環式基はピロロ[2,3−d]ピリミジンまたはピラゾロ[3,4−d]ピリミジンまたはそのアナローグ、特にアデニンまたはグアニンの前記アナローグである。本発明は、また、すべての他の複素環式基がアデニン、グアニン、ウラシル、シトシンまたはチミンとして天然に存在するものである場合に関することを強調すべきである。ヌクレオシドの中に組込むために適当な多数の修飾されたヌクレオシド、ヌクレオチドおよび種々の塩基は、下記を包含する、種々の製造会社から商業的に入手可能である:
【0133】
SIGMA化学会社(ミゾリー州セントルイス)、R & Dシステムス(ミネソタ州ミネアポリス)、Pharmacia LKB Biotechnology (ニュージャージー州ピスカタウェイ)、CLONTECH Laboratories, Inc. (カリフォルニア州パルアルト)、Chem Genes Corp.、Aldrich Chemical Company (ウィスコンシン州ミルウォーキー)、Glen Research, Inc.、GIBCO BRL Life Technologies, Inc. (マリーランド州ガイサーバーグ)、Fluka Chemica−Biochemika Analytika (Fluka Chemie AG、スイス国ブクス)、Invitrogen (カリフォルニア州サンディゴ)、およびApplied Biosystems (カリフォルニア州フォスターシティー)、ならびにこの分野において知られている多数の商業的源。塩基を糖部分に結合させてヌクレオシドを形成する方法は知られている。
【0134】
例えば、例えば、下記の文献を参照のこと:LukevicsおよびZablocka (1991)、Nucleoside Syntesis:Organosilicon Methods Ellis Horwood Limited Chichester、英国ウェストサセックス州およびその中の参考文献。ヌクレオシドをリン酸化してヌクレオチドを生成する方法、およびヌクレオチドをオリゴヌクレオチドの中に組込む方法もまた知られている。例えば、下記の文献を参照のこと:Agrawal(編者)(1993) Protocol for Oligonucleotides and Analogues, Synthesis and Properties, Methods in Molecular Biology Vol. 20、Humana Press、ニュージャージー州トウォタ、およびその中の参考文献。また、下記の文献を参照のこと:CrookeおよびLebleu、およびSanghviおよびCook、およびその中に引用された参考文献、両方共前掲。
【0135】
なお他の態様において、本発明は、本発明による核酸結合性化合物が3’末端において式Iの複素環式基に加えて一般式Iの基と異なる複素環式基、すなわち、少なくとも1つの他の複素環式基をさらに含有する、本発明による核酸結合性化合物に関する。好ましくは、本発明による核酸結合性化合物はピロロ[2,3−d]ピリミジンまたはピラゾロ[3,4−d]ピリミジンまたはそのアナローグ、好ましくはグアニンまたはアデニンの前記アナローグをさらに含んでなる。
【0136】
本発明は、さらに、本発明による核酸結合性化合物および第2核酸結合性化合物の結合性生成物を包含し、本発明による核酸結合性化合物および第2核酸結合性化合物は平行または逆平行の向きで塩基対合により互いに結合されている。置換基が上に定義したとおりである式Iの複素環式基に加えて、本発明による核酸結合性化合物は他の天然核塩基または非天然核塩基、例えば、本発明による複素環式基、ピロロ[2,3−d]ピリミジンまたはピラゾロ[3,4−d]ピリミジンまたはそのアナローグ、好ましくはグアニンまたはアデニンの前記アナローグまたは7−デアザ−グアニンのような複素環式基を有する核塩基を含有することができる。それ以上の非天然複素環式基はこの分野において知られている。
【0137】
本発明の他の態様は、リポーター基の結合により生ずる融点の減少を補償するために、リポーター基が結合されているヌクレオチドから好ましくは1〜5ヌクレオチドだけ離れて、上に定義した式Iの複素環式基が組込まれている、核酸結合性化合物である。なぜなら、リポーター基は、それが結合された点またはヌクレオチドに密接する核酸結合性化合物のハイブリダイゼーション効率を混乱させるからである。
【0138】
本発明の他の態様は、ミスマッチの識別により生ずる融点の減少を補償するために、上に定義した式Iの複素環式基が組込まれている、核酸結合性化合物である。この問題は下記の参考文献において論じられている:Kwok、Shirley;Chang、Sheng Yung;Sninsky、John J.;Wang、Alice。A guide to the design and use of mismatched and degenrate primers。PCR Methods Appl. (1994)、3(4)、39−47。これはウイルスサブタイプの増幅のために有効であり、ここでハイブリダイゼーションストレッチはストレッチの全長にわたって相補的塩基を含有しない。
【0139】
ある態様において、本発明は、保護基が−OH、−SH、−NH2、−NH−アルキル、−NH−アルケニレン、−NH−アルキニレン、または−NH−アリール基の1つまたは2つの水素原子を置換する、本発明による核酸結合性化合物に関するが、本発明による核酸結合性化合物はわずかの複素環式基のみを含有するか、あるいは何もを含有しないことが好ましい。
【0140】
1つの特定の態様は、固体表面に結合した核酸結合性化合物のアレイの分野における核酸結合性化合物の使用であり(例えば、下記文献を参照のこと、米国特許第5,143,854号、米国特許第6,022,963号、米国特許第6,156,501号、WO90/15070、WO92/10092)、固体表面はこれらの参考文献に記載されているような性質を有し、本明細書に記載するように、または下記の文献に記載されているようにして製造することができる:NiemeyerおよびBlohm、Angew. Chem. Int. Ed. 1999、2865−2869。したがって、好ましい態様において、本発明は、1つの核酸結合性化合物がターゲット核酸である、核酸結合性化合物間の相互作用を分析する組成物に関する。
【0141】
この組成物は異なる配列を有する複数の核酸結合性化合物のアレイを含んでなり、ここで前記複数の核酸結合性化合物は既知の位置において固体状支持体に結合されておりかつ相補的核酸結合性化合物またはターゲット核酸に結合するように選択され、それによって核酸結合性化合物のみまたは核酸結合性化合物および相補的核酸結合性化合物 (またはターゲット核酸) は一緒になって主鎖を含んでなる核酸結合性化合物であり、前記主鎖は核塩基に対する塩基対合することができる結合した複素環式基を有し、ここで複素環式基は置換されたピラゾロ[3,4−d]ピリミジンまたはそのアナローグである。異なる種類の支持体、例えば、非多孔質支持体または典型的なペプチド合成支持体よりも低い多孔質の他の固体状支持体が可能である;しかしながら、本発明のある種の応用について、非常に多孔質のビーズ、樹脂、または他の支持体は十分に有効であり、しばしば好ましい。
【0142】
1つのこのような支持体はビーズの形態の樹脂である。一般に、ビーズのサイズは1 nm〜10 μmの範囲であるが、1 mmまでのサイズのいっそう大きい固体状支持体を時には使用することができる。特に好ましい樹脂は下記のものを包含する:Sarin樹脂 (Bachem Bioscience、スイス国、から入手可能であるポリスチレン樹脂);およびTentaGel S AC、TentaGel S PHB、またはTentaGel S NH2樹脂 (ポリスチレン−ポリエチレングリコールのコポリマー、Rappe Polymere、ドイツ国ツビンゲン)。他の好ましい支持体は商業的に入手可能であり、Novabiochem、カリフォルニア州ラジョラ、により記載されている。他の態様において、固体状支持体は平坦であるか、あるいは選択的に別の表面立体配置を取ることができる。
【0143】
例えば、固体状支持体は上昇したまたは窪んだ 領域であることができ、そこで合成を行うか、あるいは多孔質SiO2/ガラスで被覆することができる。ある態様において、固体状支持体は適当な光吸収特性を提供するように選択されるであろう。例えば、支持体は重合したLangmuir Blodgettフィルム、機能化ガラス、Si、Ge、GaAs、GaP、SiO2、SiN4、修飾されたシリコン、または種々のゲルまたはポリマーの任意の1つ、例えば、(ポリ)テトラフルオロエチレン、フッ化(ポリ)ビニリデン、ポリスチレン、ポリカーボネート、または組み合わせであることができる。他の適当な固体状支持体物質は当業者にとって容易に明らかである。好ましくは、固体状支持体の表面は反応性基を含有し、それらの反応性基はカルボキシル、アミノ、ヒドロキシル、チオール、またはその他であることができる。
【0144】
より好ましくは、表面は光学的に透明であり、表面Si−OH機能性を有し、例えば、シリカ表面上に見出される。したがって、固体状支持体がシリカ、ポリマー物質、ガラス、多孔質ガラス、ビーズ、チップ、およびスライドから成る群から選択される、組成物は特に好ましい。核酸結合性化合物のみまたは核酸結合性化合物および相補的核酸結合性化合物 (またはターゲット核酸) が本発明による核酸結合性化合物である、すなわち、それらが前述の式Iの複素環式基を含有する、本発明による組成物は好ましい。相補的核酸結合性化合物(またはターゲット核酸)が前述の式Iの複素環式基を含有する本発明によるトリホスフェートの存在下に、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応により、増幅されるとき、それらは前述の式Iに従う複素環式基を含有することができる。
【0145】
複素環式基が置換ピラゾロ[3,4-d]ピリミジンまたはそのアナローグであることを特徴とする、核酸結合性化合物が主鎖を含んでなり、ために適当主鎖が核塩基に対して塩基対合することができる結合した複素環式基を有する、本発明による組成物は好ましい。好ましい態様において、置換ピラゾロ[3,4-d]ピリミジンまたはそのアナローグは置換7−デアザ−8−アザ−2,6−ジアミノ−プリンまたはその誘導体または7−置換7−デアザ−8−アザ−2,6−ジアミノ−プリンまたはその誘導体である。
【0146】
本発明の他の態様において、置換ピラゾロ[3,4−d]ピリミジンアナローグはアデニンまたはグアニンのピラゾロ[3,4−d]ピリミジンアナローグまたはアデニンまたはグアニンの7−置換ピラゾロ[3,4−d]ピリミジンアナローグであり、ここでアデニンまたはグアニンのアナローグは、置換7−デアザ−8−アザ−2,6−ジアミノ−プリンまたはその誘導体または7−置換7−デアザ−8−アザ−2,6−ジアミノ−プリンについて後述するのと同一の置換基R1を7位にまたはN−置換基R2およびR3を保持することが好ましい。本発明の非常に好ましい態様において、置換7−デアザ−8−アザ−2,6−ジアミノ−プリンまたはその誘導体または7−置換7−デアザ−8−アザ−2,6−ジアミノ−プリンまたはその誘導体は一般式Iを有する:
【0147】
【化40】
Figure 0004331476
【0148】
式中、
R1はX、R2またはR3から独立であり、そして下記の基から成る群から選択される:
(1) −F、−Cl、−Brまたは−I、
(2) ニトロ、
(3) シアノ、
(4) −COO-
(5) (10)に従い置換された−(C1−C10)−アルキル、
(6) (10)に従い置換された−(C2−C10)−アルケニル、
(7) (10)に従い置換された−(C2−C10)−アルキニル、
(8) (10)に従い置換された−(C6−C22)−アリール、
(9) −W− (C1−C10)−アルキル、−W−(C2−C10)−アルケニル、−W−(C2−C10)−アルキニル、−W−(C6−C22)−アリールまたは−W−H、式中W=−S−、−O−、−NH−、−S−S−、−CO−、−COO−、−CO−NH−、−NH−CO−、−NH−CO−NH−、−NH−CS−NH−、−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−、ここでrおよびsは、互いに独立して、1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1である、
【0149】
(10) 置換基(5)〜(9) 、ここでアルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールは−ハロゲン、−SH、−NO2、−CN、−S−(C1−C6)−アルキル、−NR5R6、−N+R5R6R12、−OR12、−COR11、−NH−CO−NR5R6、−NH−CS−NR5R6および−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−NR5R6から成る群から選択される1または2以上の部分により置換されることができ、rおよびsは、互いに独立して、1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1であり、ここでR11は−NHR12、OR12、および−SR12から成る群から選択され、ここでR5、R6およびR12は−H、−(C1−C10)−アルキル、−(C2−C10)−アルケニル、−(C2−C10)−アルキニル、−(C6−C22)−アリールおよびリポーター基から成る群から独立して選択され、リポーター基は細胞内吸収を促進する基であるか、あるいは核酸結合性化合物がその相補的核酸に対してハイブリダイゼーションするとき、結合、架橋または切断の間に後者を攻撃する基である、
【0150】
置換基(5)〜(10)中の前記アルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールは置換されていないか、あるいは−ハロゲン、−SH、−S−(C1−C6)−アルキル、−(C1−C6)−アルコキシ、−OH、−NR5R6、−COR11、−NH−CONR5R6、−NH−CSNR5R6および−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−NR5R6から成る群から選択される1または2以上の部分により置換されており、rおよびsは互いに独立して1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1であり、ただし基(5)〜(7)が−NR5R6、NHR12、−OR12、またはSR12により置換されている場合、R5、R6またはR12はリポーター基ではない、
【0151】
R2、R3はX、R1、R2およびR3から独立し、そして下記の基から成る群から選択される:
(1) −H、
(2) (C1−C10)−アルキル、
(3) (C1−C10)−アルケニル、
(4) (C2−C10)−アルキニル、
(5) (C6−C22)−アリール、
(6) −Z− (C1−C10)−アルキル、−Z−(C2−C10)−アルケニル、−Z−(C2−C10)−アルキニル、−Z− (C6−C22)−アリールまたは−Z−H、ここでZ=−CO−、−CO−NH−、−CS−NH−、−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−、ここでrおよびsは、互いに独立して、1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に1または2である、
【0152】
(7) 置換基(2)〜(6) 、ここでアルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールは−ハロゲン、−NO2、−OR12、−CN、−SH、−S−(C1−C6)−アルキル、−NR5R6、−N+R5R6R12、−COR11、−NH−CONR5R6、−NH−CSNR5R6および−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−NR5R6から成る群から選択される1または2以上の部分により置換されることができ、rおよびsは、互いに独立して、1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1であり、ここでR11は−NHR12およびOR12から成る群から選択され、ここでR5、R6およびR12は−H、−(C1−C10)−アルキル、−(C2−C10)−アルケニル、−(C2−C10)−アルキニル、−(C6−C22)−アリールおよびリポーター基から成る群から独立して選択され、
【0153】
置換基(2)〜(7)中の前記アルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールは置換されていないか、あるいは−ハロゲン、−SH、−S−(C1−C6)−アルキル、−(C1−C6)−アルコキシ、−OH、−NR5R6、−COR11、−NH−CONR5R6、−NH−CSNR5R6および−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−NR5R6から成る群から選択される1または2以上の部分により置換されており、rおよびsは互いに独立して1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1である、
XはR1、R2またはR3から独立であり、そしてNおよびCHから成る群から選択され、そして
Dは核酸結合性化合物の残部に対する基の結合位置である。
【0154】
非常に好ましい態様において、核酸結合性化合物は、好ましくはR1=BrまたはR1=Iである、本発明による核酸結合性化合物である。5〜20ヌクレオチド長さの核酸結合性化合物のアレイを含んでなる組成物はさらに好ましい。
本発明は、さらに、第1本発明による核酸結合性化合物または本発明による組成物と、第2核酸結合性化合物または第2本発明による核酸結合性化合物との結合性生成物に関し、ここで第1核酸結合性化合物または組成物および第2核酸結合性化合物は平行または逆平行の向きで塩基対合により互いに結合されている。
【0155】
本発明は、さらに、本発明による核酸結合性化合物の合成およびこれらの方法において有用な化合物に関する。本発明による核酸結合性化合物は溶液中で、好ましくは固相上で製造することができ、適当ならば自動的合成装置を使用する。適当に誘導化された支持体上に、または成長するオリゴマー鎖上に、各場合においてヌクレオチド塩基を有する、モノヌクレオチドを連続的に縮合させることによって、オリゴマーを段階的にアセンブルすることができる。選択的に、ジヌクレオチドまたはトリヌクレオチドを一緒に結合することによって、核酸結合性化合物をアセンブルすることができる[S. Beaucage他、Tetrahedron 48(12)、2223−2311、(1992);およびTetrahedron 48(28)、6123−6194、(1993)]。修飾されたホスフェート架橋を有するオリゴヌクレオチドを合成するとき、これは特に好都合である。
【0156】
当業者に知られている方法、例えば、トリエステル法、H−ホスホネート法またはホスホルアミダイト法を使用して、オリゴヌクレオチドをアセンブルする[E. Sonveaux、(1986)、Bioorganic Chemistry、14、274−325;S. L. Beaucage他、(1992)、Tetrahedron、48、2223−2311]。
本発明による化合物はオリゴヌクレオチド合成において好都合に使用することができる。なぜなら、ピラゾロ[3,4−d]ピリミジンヌクレオシドの保護基のアンモニア加水分解は数日間を必要とする2−アミノ−アデノシンのアンモニア加水分解よりも非常に速いからである。
【0157】
したがって、本発明のそれ以上の主題は、活性化されたサブユニットを使用する本発明による核酸結合性化合物の化学的合成法であり、ここで前記サブユニットは式I基を含有する。最も好ましい化学的合成法はホスホルアミダイトアプローチを使用する。特に好ましい方法は 一般式VIIの活性化されたサブユニットの1または2以上の化合物を使用する。この方法は、非常に好都合でありかつ必要な試薬、例えば、式Iの基を含有するホスホルアミダイトは含めることが非常に容易であるという利点を有する。
したがって、本発明のそれ以上の主題は、一般式VIIの化合物およびそれらの任意の塩である:
【0158】
【化41】
Figure 0004331476
【0159】
式中、
AはO、S、CH2およびN− (C1−C6)−アルキルから成る群から選択され、
MおよびM’ はオキシ、スルファンジイル、−NR22−、−(C1−C10)−アルキル−、または−O−(C1−C10)−アルキル−O−、および−S−(C1−C10)−アルキル−O−および−NR22−(C1−C6)−アルキル−O−から成る群から独立して選択され、
R22は−Hおよび−(C1−C10)−アルキルの群から選択され、
R14は−H、−OR31、−(C1−C10)−アルコキシ、−(C2−C10)−アルケニルオキシ、−(C2−C10)−アルキニルオキシ、−ハロゲン、−アジド、NHR31、SR31から成る群から選択され、
【0160】
R31は保護基またはリポーター基であり、
R32およびR17は−H、−(C1−C10)−アルキル、−(C2−C10)−アルケニル、−(C6−C22)−アリールから成る群から独立して選択されるか、あるいはNR32R17はNと一緒になって5〜6員の複素環式環を形成することができ、
R18は−(C2−C6)−アルケニルオキシ、置換または非置換の−(C1−C6)−アルキル、または置換または非置換の−(C1−C6)−アルコキシから成る群から選択され、ここで置換基は−ハロゲン、p−ニトロアリールオキシおよび−シアノから成る群から選択される1または2以上の置換基であり、
Bは式Iの基であり、
【0161】
【化42】
Figure 0004331476
【0162】
式中、
R1はX、R2またはR3から独立であり、そして下記の基から成る群から選択される:
(1) −F、−Cl、−Brまたは−I、
(2) ニトロ、
(3) シアノ、
(4) −COO-
(5) (10)に従い置換された−(C1−C10)−アルキル、
(6) (10)に従い置換された−(C2−C10)−アルケニル、
(7) (10)に従い置換された−(C2−C10)−アルキニル、
(8) (10)に従い置換された−(C6−C22)−アリール、
【0163】
(9) −W− (C1−C10)−アルキル、−W−(C2−C10)−アルケニル、−W −(C2−C10)−アルキニル、−W−(C6−C22)−アリールまたは−W−H、式中W=−S−、−O−、−NH−、−S−S−、−CO−、−COO−、−CO−NH−、−NH−CO−、−NH−CO−NH−、−NH−CS−NH−、−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−、ここでrおよびsは、互いに独立して、1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1である、
【0164】
(10) 置換基(5)〜(9) 、ここでアルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールは−ハロゲン、−SH、−NO2、−CN、−S−(C1−C6)−アルキル、−NR5R6、−N+R5R6R12、−OR12、−COR11、−NH−CO−NR5R6、−NH−CS−NR5R6および−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−NR5R6から成る群から選択される1または2以上の部分により置換されることができ、rおよびsは、互いに独立して、1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1であり、ここでR11は−NHR12、OR12、および−SR12から成る群から選択され、ここでR5、R6およびR12は−H、−(C1−C10)−アルキル、−(C2−C10)−アルケニル、−(C2−C10)−アルキニル、−(C6−C22)−アリールおよびリポーター基から成る群から独立して選択され、リポーター基は細胞内吸収を促進する基であるか、あるいは核酸結合性化合物がその相補的核酸に対してハイブリダイゼーションするとき、結合、架橋または切断の間に後者を攻撃する基である、
(11)
【0165】
【化43】
Figure 0004331476
【0166】
式中、
Nucは式Iに対する結合であり、そしてnは1〜18の整数であり、
置換基(5)〜(10)中の前記アルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールは置換されていないか、あるいは−ハロゲン、−SH、−S−(C1−C6)−アルキル、−(C1−C6)−アルコキシ、−OH、−NR5R6、−COR11、−NH−CONR5R6、−NH−CSNR5R6および−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−NR5R6から成る群から選択される1または2以上の部分により置換されており、rおよびsは互いに独立して1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1であり、
ただし基(5)〜(7)が−NR5R6、NHR12、−OR12、またはSR12により置換されている場合、R5、R6またはR12はリポーター基ではない、
【0167】
置換基(5)〜(10)中の前記アルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールは置換されていないか、あるいは−ハロゲン、−SH、−S−(C1−C6)−アルキル、−(C1−C6)−アルコキシ、−OH、−NR5R6、−COR11、−NH−CONR5R6、−NH−CSNR5R6および−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−NR5R6から成る群から選択される1または2以上の部分により置換されており、rおよびsは互いに独立して1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1であり、
ただし基(5)〜(7)が−NR5R6、NHR12、−OR12、またはSR12により置換されている場合、R5、R6またはR12はリポーター基ではない、
R2、R3はX、R1、R2およびR3から独立し、そして下記の基から成る群から選択される:
【0168】
(1) −H、
(2) (C1−C10)−アルキル、
(3) (C1−C10)−アルケニル、
(4) (C2−C10)−アルキニル、
(5) (C6−C22)−アリール、
(6) −Z− (C1−C10)−アルキル、−Z−(C1−C10)−アルケニル、−Z−(C2−C10)−アルキニル、−Z− (C6−C22)−アリールまたは−Z−H、ここでZ=−CO−、−CO−NH−、−CS−NH−、−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−、ここでrおよびsは、互いに独立して、1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に1または2である、
【0169】
(7) 置換基(2)〜(6) 、ここでアルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールは−ハロゲン、−NO2、−OR12、−CN、−SH、−S−(C1−C6)−アルキル、−NR5R6、−N+R5R6R12、−COR11、−NH−CONR5R6、−NH−CSNR5R6および−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−NR5R6から成る群から選択される1または2以上の部分により置換されることができ、rおよびsは、互いに独立して、1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1であり、ここでR11は−NHR12およびOR12から成る群から選択され、ここでR5、R6およびR12は−H、−(C1−C10)−アルキル、−(C2−C10)−アルケニル、−(C2−C10)−アルキニル、−(C6−C22)−アリールおよびリポーター基から成る群から独立して選択され、
【0170】
置換基(2)〜(7)中の前記アルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールは置換されていないか、あるいは−ハロゲン、−SH、−S−(C1−C6)−アルキル、−(C1−C6)−アルコキシ、−OH、−NR5R6、−COR11、−NH−CONR5R6、−NH−CSNR5R6および−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−NR5R6から成る群から選択される1または2以上の部分により置換されており、rおよびsは互いに独立して1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1である、
XはR1、R2またはR3から独立であり、そしてNおよびCHから成る群から選択され、そして
Dは核酸結合性化合物の残部に対する基の結合位置であり、
ただし−OH、−SH、−NH2、−NH−アルキル、−NH−アルケニレン、−NH−アルキニレンまたは−NH−アリール基の1つまたは2つの水素原子は保護基により置換されている。
【0171】
位置2および6におけるアミノ基およびこのような糖部分の遊離5’−ヘキシル基ために適当な保護基が導入された後、モノマーを対応するホスホネートまたはホスホルアミダイト誘導体に変換する。適当なアミノ保護基、例えば、アシル保護基の形態(例えば、イソブチリル、アセチルまたはフェノキシアセチル)をよく知られている方法に従い挿入する[J. C. Schulhof、D. Molko、R. Teoule、(1987)、Nucleic Acids Res. 15、397−416]。
【0172】
糖の遊離5’−OHために適当な保護基の例は4,4’−ジメトキシトリチル残基であり、その挿入は同様に既知の方法に従い実施される[C. B. Reese(1978)、Tetrahedron 34、3143;D. Flockerzi他、(1981)、Liebigs Ann. Chem. 1568]。このようにして保護されたモノマーを下記の文献に記載されているプロトコルに従い対応するホスホネートに変換する:B. C. Froehler他、Nucleic Acids Res. 14、5399]。シアノエチル−ホスホルアミダイト誘導体は、例えば、モノマーをクロロ−β−シアノエトキシ−(N,N−ジイソプロピルアミノ)ホスファンと水性ジクロロメタン中で反応させることによって製造することができる[N. D. Sinha他、(1984)、Nucleic Acids Res. 12、4539]。
【0173】
本発明のそれ以上の主題は、式IXの化合物およびそれらの任意の塩である:
【化44】
Figure 0004331476
【0174】
式中、
AはO、S、CH2およびN− (C1−C6)−アルキルから成る群から選択され、
MおよびM’ はオキシ、スルファンジイル、−NR22−、−(C1−C10)−アルキル−、または−O−(C1−C10)−アルキル−O−、および−S−(C1−C10)−アルキル−O−および−NR22−(C1−C6)−アルキル−O−から成る群から独立して選択され、
R22は−Hおよび−(C1−C10)−アルキルの群から選択され、
R14は−H、−OR31、−(C1−C10)−アルコキシ、−(C2−C10)−アルケニルオキシ、−(C2−C10)−アルキニルオキシ、−ハロゲン、−アジド、NHR31、SR31、またはリO−ポーター基から成る群から選択され、
【0175】
R31は保護基またはリポーター基であり、
R32およびR17は−H、−(C1−C10)−アルキル、−(C2−C10)−アルケニル、−(C6−C22)−アリールから成る群から独立して選択されるか、あるいはNR32R17はNと一緒になって5〜6員の複素環式環を形成することができ、
R18は−(C2−C6)−アルケニルオキシ、置換または非置換の−(C1−C6)−アルキル、または置換または非置換の−(C1−C6)−アルコキシから成る群から選択され、ここで置換基は−ハロゲン、p−ニトロアリールオキシおよび−シアノから成る群から選択される1または2以上の置換基であり、
Bは式Iの基であり、
【0176】
【化45】
Figure 0004331476
式中、
【0177】
R1はX、R2またはR3から独立であり、そして下記の基から成る群から選択される:
(1) −F、−Cl、−Brまたは−I、
(2) ニトロ、
(3) シアノ、
(4) −COO-
(5) (10)に従い置換された−(C1−C10)−アルキル、
(6) (10)に従い置換された−(C2−C10)−アルケニル、
(7) (10)に従い置換された−(C2−C10)−アルキニル、
(8) (10)に従い置換された−(C6−C22)−アリール、
(9) −W− (C1−C10)−アルキル、−W−(C2−C10)−アルケニル、−W −(C2−C10)−アルキニル、−W−(C6−C22)−アリールまたは−W−H、式中W=−S−、−O−、−NH−、−S−S−、−CO−、−COO−、−CO−NH−、−NH−CO−、−NH−CO−NH−、−NH−CS−NH−、−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−、ここでrおよびsは、互いに独立して、1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1である、
【0178】
(10) 置換基(5)〜(9) 、ここでアルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールは−ハロゲン、−SH、−NO2、−CN、−S−(C1−C6)−アルキル、−NR5R6、−N+R5R6R12、−OR12、−COR11、−NH−CO−NR5R6、−NH−CS−NR5R6および−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−NR5R6から成る群から選択される1または2以上の部分により置換されることができ、rおよびsは、互いに独立して、1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1であり、ここでR11は−NHR12、OR12、および−SR12から成る群から選択され、ここでR5、R6およびR12は−H、−(C1−C10)−アルキル、−(C2−C10)−アルケニル、−(C2−C10)−アルキニル、−(C6−C22)−アリールおよびリポーター基から成る群から独立して選択され、リポーター基は細胞内吸収を促進する基であるか、あるいは核酸結合性化合物がその相補的核酸に対してハイブリダイゼーションするとき、結合、架橋または切断の間に後者を攻撃する基である、
(11)
【0179】
【化46】
Figure 0004331476
【0180】
式中、
Nucは式Iに対する結合であり、そしてnは1〜18の整数であり、
置換基(5)〜(10)中の前記アルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールは置換されていないか、あるいは−ハロゲン、−SH、−S−(C1−C6)−アルキル、−(C1−C6)−アルコキシ、−OH、−NR5R6、−COR11、−NH−CONR5R6、−NH−CSNR5R6および−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−NR5R6から成る群から選択される1または2以上の部分により置換されており、rおよびsは互いに独立して1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1であり、
ただし基(5)〜(7)が−NR5R6、NHR12、−OR12、またはSR12により置換されている場合、R5、R6またはR12はリポーター基ではない、
【0181】
R2、R3はX、R1、R2およびR3から独立し、そして下記の基から成る群から選択される:
(1) −H、
(2) (C1−C10)−アルキル、
(3) (C1−C10)−アルケニル、
(4) (C2−C10)−アルキニル、
(5) (C6−C22)−アリール、
(6) −Z− (C1−C10)−アルキル、−Z−(C1−C10)−アルケニル、−Z−(C2−C10)−アルキニル、−Z− (C6−C22)−アリールまたは−Z−H、ここでZ=−CO−、−CO−NH−、−CS−NH−、−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−、ここでrおよびsは、互いに独立して、1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に1または2である、
【0182】
(7) 置換基(2)〜(6) 、ここでアルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールは−ハロゲン、−NO2、−OR12、−CN、−SH、−S−(C1−C6)−アルキル、−NR5R6、−N+R5R6R12、−COR11、−NH−CONR5R6、−NH−CSNR5R6および−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−NR5R6から成る群から選択される1または2以上の部分により置換されることができ、rおよびsは、互いに独立して、1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1であり、ここでR11は−NHR12およびOR12から成る群から選択され、ここでR5、R6およびR12は−H、−(C1−C10)−アルキル、−(C2−C10)−アルケニル、−(C2−C10)−アルキニル、−(C6−C22)−アリールおよびリポーター基から成る群から独立して選択され、
【0183】
置換基(2)〜(7)中の前記アルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールは置換されていないか、あるいは−ハロゲン、−SH、−S−(C1−C6)−アルキル、−(C1−C6)−アルコキシ、−OH、−NR5R6、−COR11、−NH−CONR5R6、−NH−CSNR5R6および−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−NR5R6から成る群から選択される1または2以上の部分により置換されており、rおよびsは互いに独立して1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1である、
XはR1、R2またはR3から独立であり、そしてNおよびCHから成る群から選択され、そして
Dは核酸結合性化合物の残部に対する基の結合位置であり、
ただし−OH、−SH、−NH2、−NH−アルキル、−NH−アルケニレン、−NH−アルキニレンまたは−NH−アリール基の1つまたは2つの水素原子は保護基により置換されている。
【0184】
本発明のそれ以上の主題は、式Xの化合物およびそれらの任意の塩である:
【化47】
Figure 0004331476
【0185】
式中、
MおよびM’ はオキシ、スルファンジイル、−NR22−、−(C1−C10)−アルキル−、または−O−(C1−C10)−アルキル−O−、および−S−(C1−C10)−アルキル−O−および−NR22−(C1−C6)−アルキル−O−から成る群から独立して選択され、
R22は−Hおよび−(C1−C10)−アルキルの群から選択され、
R14は−H、−OR31、−(C1−C10)−アルコキシ、−(C2−C10)−アルケニルオキシ、−(C2−C10)−アルキニルオキシ、−ハロゲン、−アジド、NHR31、SR31、またはリO−ポーター基から成る群から選択され、
R31は保護基またはリポーター基であり、
Bは式Iの基であり、
【0186】
【化48】
Figure 0004331476
【0187】
式中、
R1はX、R2またはR3から独立であり、そして下記の基から成る群から選択される:
(1) −F、−Cl、−Brまたは−I、
(2) ニトロ、
(3) シアノ、
(4) −COO-
(5) (10)に従い置換された−(C1−C10)−アルキル、
(6) (10)に従い置換された−(C2−C10)−アルケニル、
(7) (10)に従い置換された−(C2−C10)−アルキニル、
(8) (10)に従い置換された−(C6−C22)−アリール、
(9) −W− (C1−C10)−アルキル、−W−(C2−C10)−アルケニル、−W −(C2−C10)−アルキニル、−W−(C6−C22)−アリールまたは−W−H、式中W=−S−、−O−、−NH−、−S−S−、−CO−、−COO−、−CO−NH−、−NH−CO−、−NH−CO−NH−、−NH−CS−NH−、−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−、ここでrおよびsは、互いに独立して、1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1である、
【0188】
(10) 置換基(5)〜(9) 、ここでアルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールは−ハロゲン、−SH、−NO2、−CN、−S−(C1−C6)−アルキル、−NR5R6、−N+R5R6R12、−OR12、−COR11、−NH−CO−NR5R6、−NH−CS−NR5R6および−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−NR5R6から成る群から選択される1または2以上の部分により置換されることができ、rおよびsは、互いに独立して、1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1であり、ここでR11は−NHR12、OR12、および−SR12から成る群から選択され、ここでR5、R6およびR12は−H、−(C1−C10)−アルキル、−(C2−C10)−アルケニル、−(C2−C10)−アルキニル、−(C6−C22)−アリールおよびリポーター基から成る群から独立して選択され、リポーター基は細胞内吸収を促進する基であるか、あるいは核酸結合性化合物がその相補的核酸に対してハイブリダイゼーションするとき、結合、架橋または切断の間に後者を攻撃する基である、
(11)
【0189】
【化49】
Figure 0004331476
【0190】
式中、
Nucは式Iに対する結合であり、そしてnは1〜18の整数であり、
置換基(5)〜(10)中の前記アルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールは置換されていないか、あるいは−ハロゲン、−SH、−S−(C1−C6)−アルキル、−(C1−C6)−アルコキシ、−OH、−NR5R6、−COR11、−NH−CONR5R6、−NH−CSNR5R6および−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−NR5R6から成る群から選択される1または2以上の部分により置換されており、rおよびsは互いに独立して1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1であり、
ただし基(5)〜(7)が−NR5R6、NHR12、−OR12、またはSR12により置換されている場合、R5、R6またはR12はリポーター基ではない、
【0191】
R2、R3はX、R1、R2およびR3から独立し、そして下記の基から成る群から選択される:
(1) −H、
(2) (C1−C10)−アルキル、
(3) (C1−C10)−アルケニル、
(4) (C2−C10)−アルキニル、
(5) (C6−C22)−アリール、
(6) −Z− (C1−C10)−アルキル、−Z−(C1−C10)−アルケニル、−Z−(C2−C10)−アルキニル、−Z− (C6−C22)−アリールまたは−Z−H、ここでZ=−CO−、−CO−NH−、−CS−NH−、−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−、ここでrおよびsは、互いに独立して、1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に1または2である、
【0192】
(7) 置換基(2)〜(6) 、ここでアルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールは−ハロゲン、−NO2、−OR12、−CN、−SH、−S−(C1−C6)−アルキル、−NR5R6、−N+R5R6R12、−COR11、−NH−CONR5R6、−NH−CSNR5R6および−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−NR5R6から成る群から選択される1または2以上の部分により置換されることができ、rおよびsは、互いに独立して、1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1であり、ここでR11は−NHR12およびOR12から成る群から選択され、ここでR5、R6およびR12は−H、−(C1−C10)−アルキル、−(C2−C10)−アルケニル、−(C2−C10)−アルキニル、−(C6−C22)−アリールおよびリポーター基から成る群から独立して選択され、
【0193】
置換基(2)〜(7)中の前記アルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールは置換されていないか、あるいは−ハロゲン、−SH、−S−(C1−C6)−アルキル、−(C1−C6)−アルコキシ、−OH、−NR5R6、−COR11、−NH−CONR5R6、−NH−CSNR5R6および−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−NR5R6から成る群から選択される1または2以上の部分により置換されており、rおよびsは互いに独立して1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1である、
XはR1、R2またはR3から独立であり、そしてNおよびCHから成る群から選択され、そして
Dは核酸結合性化合物の残部に対する基の結合位置であり、
ただし−OH、−SH、−NH2、−NH−アルキル、−NH−アルケニレン、−NH−アルキニレンまたは−NH−アリール基の1つまたは2つの水素原子は保護基により置換されている。これらの化合物は前述の核酸結合性化合物およびそれらの前駆体の化学的合成において有用である。
【0194】
長いオリゴマーおよび天然主鎖をベースとするオリゴマーにいっそう適する他のオプションにおいて、オリゴマーは酵素的に製造される。この場合において、出発オリゴマーをポリメラーゼおよびトリホスフェートまたは修飾されたトリホスフェートと反応させて、モノホスフェートまたは修飾されたモノホスフェートをオリゴマーの末端に結合させ、こうしてオリゴマーを伸長させる。また、この方法のために、当業者はいくつかの可能なフォーマット、例えば、ニックトランスレーションのアプローチ、または簡単なプライマーエクステンションを知っているであろう(J. Sambrook、E. F. Fritsch、およびT. Maniatis、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory Press 1989)。
【0195】
したがって、本発明のそれ以上の主題は、プライマーのエクステンション用鋳型として核酸を使用して、トリホスフェートサブユニットをプライマーと反応させることを含んでなる本発明による核酸結合性化合物を酵素的に合成する方法であり、ここでトリホスフェートのサブユニットは式Iの複素環式基を含有する。好ましくは、トリホスフェートのサブユニットは式VIを有する。例えば、7−または8−置換7−デアザ−2’−ジオキシアデノシンおよびグアノシン−トリホスフェートを種々のDNAポリメラーゼさせることによってDNAの中に酵素的に容易に導入することができる(WO00/68422)。
本発明のそれ以上の主題は、一般式VIの化合物およびそれらの任意の塩である:
【0196】
【化50】
Figure 0004331476
【0197】
式中、
AはO、S、CH2およびN− (C1−C6)−アルキルから成る群から選択され、
MおよびM’ はオキシ、スルファンジイル、−NR22−、−(C1−C10)−アルキル−、または−O−(C1−C10)−アルキル−O−、および−S−(C1−C10)−アルキル−O−および−NR22−(C1−C6)−アルキル−O−から成る群から独立して選択され、
R22は−H、−(C1−C10)−アルキル、保護基およびリポーター基の群から選択され、
R14は−H、−OR31、−(C1−C10)−アルコキシ、O−保護基、S−保護基、NH2−保護基、−(C2−C10)−アルケニルオキシ、−(C2−C10)−アルキニルオキシ、−ハロゲン、−アジド、−SH、−(C1−C6)−アルキルメルカプト、およびO−固相から成る群から選択され、
R15およびR16は−H、−(C1−C6)−アルキル、−(C2−C10)−アルケニル、−(C2−C10)−アルキニル、−(C2−C10)−アルキル−カルボニル、−(C3−C19)−アルケニル−カルボニル、−(C3−C19)−アルキニル−カルボニル、−(C6−C14)−アリール−(C1−C10)−アルキル、保護基および固相から成る群から独立して選択され、
Bは式Iの部分に対する結合であり、
【0198】
【化51】
Figure 0004331476
【0199】
式中、
R1はX、R2またはR3から独立であり、そして下記の基から成る群から選択される:
(1) −F、−Cl、−Brまたは−I、
(2) ニトロ、
(3) シアノ、
(4) −COO-
(5) (10)に従い置換された−(C1−C10)−アルキル、
(6) (10)に従い置換された−(C2−C10)−アルケニル、
(7) (10)に従い置換された−(C2−C10)−アルキニル、
(8) (10)に従い置換された−(C6−C22)−アリール、
(9) −W− (C1−C10)−アルキル、−W−(C2−C10)−アルケニル、−W −(C2−C10)−アルキニル、−W−(C6−C22)−アリールまたは−W−H、式中W=−S−、−O−、−NH−、−S−S−、−CO−、−COO−、−CO−NH−、−NH−CO−、−NH−CO−NH−、−NH−CS−NH−、−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−、ここでrおよびsは、互いに独立して、1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1である、
【0200】
(10) 置換基(5)〜(9) 、ここでアルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールは−ハロゲン、−SH、−NO2、−CN、−S−(C1−C6)−アルキル、−NR5R6、−N+R5R6R12、−OR12、−COR11、−NH−CO−NR5R6、−NH−CS−NR5R6および−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−NR5R6から成る群から選択される1または2以上の部分により置換されることができ、rおよびsは、互いに独立して、1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1であり、ここでR11は−NHR12、OR12、および−SR12から成る群から選択され、ここでR5、R6およびR12は−H、−(C1−C10)−アルキル、−(C2−C10)−アルケニル、−(C2−C10)−アルキニル、−(C6−C22)−アリールおよびリポーター基から成る群から独立して選択され、リポーター基は細胞内吸収を促進する基であるか、あるいは核酸結合性化合物がその相補的核酸に対してハイブリダイゼーションするとき、結合、架橋または切断の間に後者を攻撃する基である、
(11)
【0201】
【化52】
Figure 0004331476
【0202】
式中、
Nucは式Iに対する結合であり、そしてnは1〜18の整数であり、
置換基(5)〜(10)中の前記アルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールは置換されていないか、あるいは−ハロゲン、−SH、−S−(C1−C6)−アルキル、−(C1−C6)−アルコキシ、−OH、−NR5R6、−COR11、−NH−CONR5R6、−NH−CSNR5R6および−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−NR5R6から成る群から選択される1または2以上の部分により置換されており、rおよびsは互いに独立して1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1であり、
ただし基(5)〜(7)が−NR5R6、NHR12、−OR12、またはSR12により置換されている場合、R5、R6またはR12はリポーター基ではない、
【0203】
R2、R3はX、R1、R2およびR3から独立し、そして下記の基から成る群から選択される:
(1) −H、
(2) (C1−C10)−アルキル、
(3) (C1−C10)−アルケニル、
(4) (C2−C10)−アルキニル、
(5) (C6−C22)−アリール、
(6) −Z− (C1−C10)−アルキル、−Z−(C1−C10)−アルケニル、−Z−(C2−C10)−アルキニル、−Z− (C6−C22)−アリールまたは−Z−H、ここでZ=−CO−、−CO−NH−、−CS−NH−、−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−、ここでrおよびsは、互いに独立して、1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に1または2である、
【0204】
(7) 置換基(2)〜(6) 、ここでアルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールは−ハロゲン、−NO2、−OR12、−CN、−SH、−S−(C1−C6)−アルキル、−NR5R6、−N+R5R6R12、−COR11、−NH−CONR5R6、−NH−CSNR5R6および−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−NR5R6から成る群から選択される1または2以上の部分により置換されることができ、rおよびsは、互いに独立して、1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1であり、ここでR11は−NHR12およびOR12から成る群から選択され、ここでR5、R6およびR12は−H、−(C1−C10)−アルキル、−(C2−C10)−アルケニル、−(C2−C10)−アルキニル、−(C6−C22)−アリールおよびリポーター基から成る群から独立して選択され、
【0205】
置換基(2)〜(7)中の前記アルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールは置換されていないか、あるいは−ハロゲン、−SH、−S−(C1−C6)−アルキル、−(C1−C6)−アルコキシ、−OH、−NR5R6、−COR11、−NH−CONR5R6、−NH−CSNR5R6および−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−NR5R6から成る群から選択される1または2以上の部分により置換されており、rおよびsは互いに独立して1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1である、
XはR1、R2またはR3から独立であり、そしてNおよびCHから成る群から選択され、そして
Dは核酸結合性化合物の残部に対する基の結合位置であり、
ただし−OH、−SH、−NH2、−NH−アルキル、−NH−アルケニレン、−NH−アルキニレンまたは−NH−アリール基の1つまたは2つの水素原子は保護基により置換されている。
【0206】
これらの化合物において、最も好ましくは−M’R16はトリホスフェート基でありかつ−MR15はOHである。最も好ましい化合物はR14が−Hである化合物である。本発明による核酸結合性化合物の酵素的合成のために特に好ましい化合物は、一般式VIIIの化合物およびそれらの任意の塩である:
【0207】
【化53】
Figure 0004331476
【0208】
式中、
PPPはトリホスフェート基、チオトリホスフェート基またはそれらのアナローグであり、
R14は−H、−OH、−(C1−C10)−アルコキシ、−(C2−C10)−アルケニルオキシ、−(C2−C10)−アルキニルオキシ、−ハロゲン、−アジドおよびNH2から成る群から選択され、
R36は−Hおよび−OHの群から選択され、そして
Bは式Iの基であり、
【0209】
【化54】
Figure 0004331476
【0210】
式中、
R1はX、R2またはR3から独立であり、そして下記の基から成る群から選択される:
(1) −F、−Cl、−Brまたは−I、
(2) ニトロ、
(3) シアノ、
(4) −COO-
(5) (10)に従い置換された−(C1−C10)−アルキル、
(6) (10)に従い置換された−(C2−C10)−アルケニル、
(7) (10)に従い置換された−(C2−C10)−アルキニル、
(8) (10)に従い置換された−(C6−C22)−アリール、
(9) −W− (C1−C10)−アルキル、−W−(C2−C10)−アルケニル、−W−(C2−C10)−アルキニル、−W−(C6−C22)−アリールまたは−W−H、式中W=−S−、−O−、−NH−、−S−S−、−CO−、−COO−、−CO−NH−、−NH−CO−、−NH−CO−NH−、−NH−CS−NH−、−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−、ここでrおよびsは、互いに独立して、1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1である、
【0211】
(10) 置換基(5)〜(9) 、ここでアルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールは−ハロゲン、−SH、−NO2、−CN、−S−(C1−C6)−アルキル、−NR5R6、−N+R5R6R12、−OR12、−COR11、−NH−CO−NR5R6、−NH−CS−NR5R6および−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−NR5R6から成る群から選択される1または2以上の部分により置換されることができ、rおよびsは、互いに独立して、1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1であり、ここでR11は−NHR12、OR12、および−SR12から成る群から選択され、ここでR5、R6およびR12は−H、−(C1−C10)−アルキル、−(C2−C10)−アルケニル、−(C2−C10)−アルキニル、−(C6−C22)−アリールおよびリポーター基から成る群から独立して選択され、リポーター基は細胞内吸収を促進する基であるか、あるいは核酸結合性化合物がその相補的核酸に対してハイブリダイゼーションするとき、結合、架橋または切断の間に後者を攻撃する基である、
【0212】
置換基(5)〜(10)中の前記アルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールは置換されていないか、あるいは−ハロゲン、−SH、−S−(C1−C6)−アルキル、−(C1−C6)−アルコキシ、−OH、−NR5R6、−COR11、−NH−CONR5R6、−NH−CSNR5R6および−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−NR5R6から成る群から選択される1または2以上の部分により置換されており、rおよびsは互いに独立して1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1であり、ただし基(5)〜(7)が−NR5R6、NHR12、−OR12、またはSR12により置換されている場合、R5、R6またはR12はリポーター基ではない、
【0213】
R2、R3はX、R1、R2およびR3から独立し、そして下記の基から成る群から選択される:
(1) −H、
(2) (C1−C10)−アルキル、
(3) (C1−C10)−アルケニル、
(4) (C2−C10)−アルキニル、
(5) (C6−C22)−アリール、
(6) −Z− (C1−C10)−アルキル、−Z−(C1−C10)−アルケニル、−Z−(C2−C10)−アルキニル、−Z− (C6−C22)−アリールまたは−Z−H、ここでZ=−CO−、−CO−NH−、−CS−NH−、−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−、ここでrおよびsは、互いに独立して、1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に1または2である、
【0214】
(7) 置換基(2)〜(6) 、ここでアルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールは−ハロゲン、−NO2、−OR12、−CN、−SH、−S−(C1−C6)−アルキル、−NR5R6、−N+R5R6R12、−COR11、−NH−CONR5R6、−NH−CSNR5R6および−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−NR5R6から成る群から選択される1または2以上の部分により置換されることができ、rおよびsは、互いに独立して、1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1であり、ここでR11は−NHR12およびOR12から成る群から選択され、ここでR5、R6およびR12は−H、−(C1−C10)−アルキル、−(C2−C10)−アルケニル、−(C2−C10)−アルキニル、−(C6−C22)−アリールおよびリポーター基から成る群から独立して選択され、
【0215】
置換基(2)〜(7)中の前記アルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールは置換されていないか、あるいは−ハロゲン、−SH、−S−(C1−C6)−アルキル、−(C1−C6)−アルコキシ、−OH、−NR5R6、−COR11、−NH−CONR5R6、−NH−CSNR5R6および−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−NR5R6から成る群から選択される1または2以上の部分により置換されており、rおよびsは互いに独立して1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1である、
XはR1、R2またはR3から独立であり、そしてNおよびCHから成る群から選択され、そして
Dは核酸結合性化合物の残部に対する基の結合位置であり、
ここで必要に応じて少なくとも1つの保護基は−OH、−SH、−NH2、−NH−アルキル、−NH−アルケニレン、−NH−アルキニレンまたは−NH−アリール基の1つまたは2つの水素原子を置換する。
【0216】
例えば、式VIIIに従う3’−デオキシ−および2’,3’−ジデオキシトリホスフェートサブユニットを配列決定法において停止ヌクレオチドとして使用することができる。
より好ましくは、前述の酵素的合成法は上に定義した式VIIIの化合物をトリホスフェートサブユニットとして使用する。
前述の方法により、本発明の部分を含有するただ1つのモノマーを1つの核酸結合性化合物の中に導入することが原理的に可能であるが、場合に応じて2以上を使用することもできる。核酸結合性化合物を合成する化学的方法を使用するとき、これは特に可能である。
【0217】
これらの本発明による核酸結合性化合物はハイブリダイゼーション法において有効に適用可能である。したがって、本発明のそれ以上の主題は、下記の工程を含んでなる核酸を決定する方法である:前記核酸を含有することが推測される試料を準備し、前記核酸の一部分またはすべてに対して本質的に相補的である、核酸結合性化合物を準備し、前記核酸結合性化合物を前記核酸に結合させる条件下に前記試料を前記核酸結合性化合物と接触させ、そしてハイブリダイゼーションの程度または前記核酸および前記核酸結合性化合物から形成された結合性生成物を前記核酸の存在の測度として決定する。
【0218】
ハイブリダイゼーションにより核酸を決定する方法は、例えば、Sambrook他(上に引用した)から知られている。それらの方法を本発明のプローブの使用に容易に採用することができる。
また、本発明のプローブは、細菌またはウイルスのような病原体、例えば、A、BまたはC型肝炎、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ヒト乳頭腫ウイルスまたはパルボウイルスB19の測定を可能とする。しかしながら、任意の他のウイルスも可能である。
【0219】
本発明の好ましい態様において、核酸結合性化合物(以後において第1核酸結合性化合物と呼ぶ)をハイブリダイゼーション反応において使用して、第2核酸結合性化合物と平行または逆平行のデュプレックスを形成し、ここで第1および/または第2核酸結合性化合物は主鎖を含んでなり、前記主鎖は核塩基に対して塩基対合することができる結合した複素環式基を有し、ここで複素環式基、すなわち、前記少なくとも1つの複素環式基は置換ピラゾロ[3,4−d]ピリミジンまたはそのアナローグであることを特徴とする。好ましくは、ハイブリダイゼーション反応は多重ハイブリダイゼーション反応である、すなわち、第2核酸結合性化合物として複数のターゲット核酸および多重第1核酸結合性化合物が存在する。
【0220】
これは好ましくはアレイの形態で実施する、すなわち、第1核酸結合性化合物は複数の異なる配列を有する異なる核酸結合性化合物を含んでなり、アレイの形態で異なる処理可能な位置上で固相に結合される。それ以上の態様において、核酸結合性化合物を捕捉プローブとして使用し、ここで核酸結合性化合物は核塩基に対して塩基対合することができる複素環式基が結合した主鎖を有し、ここで複素環式基、すなわち、前記少なくとも1つの複素環式基は置換ピラゾロ[3,4−d]ピリミジンまたはそのアナローグであることを特徴とする。最も好ましくは、核酸結合性化合物は式Iの複素環式基およびそれについて記載した置換基を有する核酸結合性化合物である。7位における複素環式基置換基、例えば、ブロモおよびヨードは最も好ましい。
【0221】
好ましい態様において、置換ピラゾロ[3,4−d]ピリミジンまたはそのアナローグを第1核酸結合性化合物の代わりに使用して、第2核酸結合性化合物との平行または逆平行のデュプレックスの溶融温度を増加させ、ここで溶融温度の増加は第1核酸結合性化合物と第2核酸結合性化合物とのデュプレックスの溶融温度に比較して増加し、ここで第1核酸結合性化合物中の複素環式基は第2核酸結合性化合物中で複素環式基に対して相補的である。好ましくは、アデニン塩基のような天然複素環式基は第1核酸結合性化合物において本発明による複素環式基により置換されている。
【0222】
好ましい態様において、置換ピラゾロ[3,4−d]ピリミジンまたはそのアナローグを増幅反応においてプローブとして使用する第1核酸結合性化合物中の複素環式基の代わりに使用して、増幅反応において使用するプライマーの溶融温度に比較して第2核酸結合性化合物とのデュプレックスの溶融温度を増加させ、それによって溶融温度の増加を第1核酸結合性化合物と第2核酸結合性化合物とのデュプレックスの溶融温度と比較し、ここで第1核酸結合性化合物中の複素環式基は第2核酸結合性化合物中で複素環式基に対して相補的である。好ましくは、増幅反応は下記においていっそう詳しく説明するTaqManTMフォーマットである。好ましくは、アデニン塩基のような天然複素環式基は本発明による複素環式基により置換されている。
【0223】
他の態様において、置換ピラゾロ[3,4−d]ピリミジンまたはそのアナローグを第1核酸結合性化合物中の複素環式基の代わりに使用して、第2核酸結合性化合物との平行または逆平行のデュプレックスの溶融温度に対する各塩基対の寄与を調和させる。本発明による複素環式基の寄与の順序で溶融温度に寄与する他の非天然化合物が存在するとき、これは特に重要である。次いで、各複素環式基または塩基の寄与を等化(または調和)させるために、本発明による複素環式基を使用することが重要である。これは既に前述した。この使用は多重反応およびアレイにおいて重要である。
【0224】
他の好ましい態様において、置換ピラゾロ[3,4−d]ピリミジンまたはそのアナローグを第1核酸結合性化合物中の複素環式基の代わりに使用して、第1核酸結合性化合物とのデュプレックスにおいてミスマッチを有する第2核酸結合性化合物中の配列の検出を増強させる。好ましくは、第2核酸結合性化合物はターゲット核酸、例えば、ウイルスのサブタイプである。置換ピラゾロ[3,4−d]ピリミジンまたはそのアナローグは原理的に核酸結合性化合物中のどこにも位置することができる。この使用は、第2核酸結合性化合物がターゲット核酸、ウイルスターゲット、および増幅し、検出しなくてはならないウイルスの異なるサブタイプであるとき、特に重要である。したがって、本発明の他の態様において、置換ピラゾロ[3,4−d]ピリミジンまたはそのアナローグを核酸結合性化合物中の複素環式基の代わりに使用して、ターゲット核酸中のサブタイプの検出を増強させる。
【0225】
他の態様において、置換ピラゾロ[3,4−d]ピリミジンまたはそのアナローグを核酸結合性化合物中の複素環式基の代わりに使用して、核酸結合性化合物の分子内デュプレックスまたはヘアピンの溶融温度を増加させ、それによって溶融温度の増加を核酸結合性化合物の分子内デュプレックスの溶融温度と比較し、ここで核酸結合性化合物中の複素環式基は核酸結合性化合物のハイブリダイゼーションする部分中の複素環式基に対して相補的である。クエンチングを効率よくするために2つの蛍光性標識を密接させるとき、分子ビーコン(Molecular beacons)、スコーピオン(Scorpion)およびTaqMan技術(WO92/02638および対応する米国特許第5,210,015号、米国特許第5,804,375号および米国特許第5,487,972号)において、これは特に重要である。
【0226】
核酸結合性化合物またはプローブの長さを選択することは、ハイブリダイゼーション特異性を最適化するとき、また重要な考察である。より短いプローブはより長いプローブよりも いっそう特異的であり、単一塩基のミスマッチはハイブリッドデュプレックスに対してより大きい脱安定化効果を有する。しかしながら、ハイブリッドの全体の熱力学的安定性は長さとともに減少するので、ある態様において、短いプローブについてデュプレックスの安定性を全体的に増強することが望ましい。したがって、それ以上の態様において、本発明による複素環式基が溶融温度に対して、したがって短いプローブのデュプレックスの長さに対して高い寄与を有するので、置換ピラゾロ[3,4−d]ピリミジンまたはそのアナローグを核酸結合性化合物中の複素環式基の代わりに使用して、検出反応において核酸結合性化合物の長さを減少させることができる。
【0227】
好ましくは、前述した使用において、少なくとも1つ、好ましくは1つまたは2つのリポーター基を核酸結合性化合物またはプローブに取り付ける。好ましくは、複素環式基の代わりに使用する置換ピラゾロ[3,4−d]ピリミジンまたはそのアナローグはリポーター基の1つまたはすべての結合点から1〜5ヌクレオチドだけ離れている。好ましくは、置換ピラゾロ[3,4−d]ピリミジンまたはそのアナローグを核酸結合性化合物中の複素環式基の代わりに使用する。
【0228】
前述した使用のすべては、多重ハイブリダイゼーション反応の形態において、すなわち、第2核酸結合性化合物として複数のターゲット核酸および複数の核酸結合性化合物を存在させて、実施することが好ましい。これは好ましくはアレイの形態で実施する、すなわち、第1核酸結合性化合物は複数の異なる配列を有する異なる核酸結合性化合物を含んでなり、アレイの形態で異なる処理可能な位置上で固相に結合される。
【0229】
本発明のすべての使用において、置換ピラゾロ[3,4−d]ピリミジンアナローグは好ましくはアデニンまたはグアニンの置換ピラゾロ[3,4−d]ピリミジンアナローグまたはアデニンまたはグアニンの7−置換ピラゾロ[3,4−d]ピリミジンアナローグであり、ここでアデニンまたはグアニンのアナローグは好ましくは置換7−デアザ−8−アザ−2,6−ジアミノ−プリンまたはその誘導体または7−置換7−デアザ−8−アザ−2,6−ジアミノ−プリンまたはその誘導体について直接記載したのと同一の7位における置換基R1またはN−置換基R2およびR3を保持できる。
【0230】
より好ましくは、置換ピラゾロ[3,4−d]ピリミジンまたはそのアナローグは置換7−デアザ−8−アザ−2,6−ジアミノ−プリンまたはその誘導体または7−置換7−デアザ−8−アザ−2,6−ジアミノ−プリンまたはその誘導体である。なおより好ましくは、置換7−デアザ−8−アザ−2,6−ジアミノ−プリンまたはその誘導体または7−置換7−デアザ−8−アザ−2,6−ジアミノ−プリンまたはその誘導体は式Iを有し、置換基は下記において定義する通りである。
【0231】
前述の使用において、最も好ましい態様において、置換7−デアザ−8−アザ−2,6−ジアミノ−プリンまたはその誘導体または7−置換7−デアザ−8−アザ−2,6−ジアミノ−プリンまたはその誘導体およびそれらの任意の塩は一般式Iを有する:
【0232】
【化55】
Figure 0004331476
【0233】
式中、
R1はX、R2またはR3から独立であり、そして下記の基から成る群から選択される:
(1) −F、−Cl、−Brまたは−I、
(2) ニトロ、
(3) シアノ、
(4) −COO-
(5) (10)に従い置換された−(C1−C10)−アルキル、
(6) (10)に従い置換された−(C2−C10)−アルケニル、
(7) (10)に従い置換された−(C2−C10)−アルキニル、
(8) (10)に従い置換された−(C6−C22)−アリール、
(9) −W− (C1−C10)−アルキル、−W−(C2−C10)−アルケニル、−W−(C2−C10)−アルキニル、−W−(C6−C22)−アリールまたは−W−H、式中W=−S−、−O−、−NH−、−S−S−、−CO−、−COO−、−CO−NH−、−NH−CO−、−NH−CO−NH−、−NH−CS−NH−、−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−、ここでrおよびsは、互いに独立して、1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1である、
【0234】
(10) 置換基(5)〜(9) 、ここでアルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールは−ハロゲン、−SH、−NO2、−CN、−S−(C1−C6)−アルキル、−NR5R6、−N+R5R6R12、−OR12、−COR11、−NH−CO−NR5R6、−NH−CS−NR5R6および−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−NR5R6から成る群から選択される1または2以上の部分により置換されることができ、rおよびsは、互いに独立して、1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1であり、ここでR11は−NHR12、OR12、および−SR12から成る群から選択され、ここでR5、R6およびR12は−H、−(C1−C10)−アルキル、−(C2−C10)−アルケニル、−(C2−C10)−アルキニル、−(C6−C22)−アリールおよびリポーター基から成る群から独立して選択され、リポーター基は細胞内吸収を促進する基であるか、あるいは核酸結合性化合物がその相補的核酸に対してハイブリダイゼーションするとき、結合、架橋または切断の間に後者を攻撃する基である、
【0235】
置換基(5)〜(10)中の前記アルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールは置換されていないか、あるいは−ハロゲン、−SH、−S−(C1−C6)−アルキル、−(C1−C6)−アルコキシ、−OH、−NR5R6、−COR11、−NH−CONR5R6、−NH−CSNR5R6および−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−NR5R6から成る群から選択される1または2以上の部分により置換されており、rおよびsは互いに独立して1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1であり、ただし基(5)〜(7)が−NR5R6、NHR12、−OR12、またはSR12により置換されている場合、R5、R6またはR12はリポーター基ではない、
【0236】
R2、R3はX、R1、R2およびR3から独立し、そして下記の基から成る群から選択される:
(1) −H、
(2) (C1−C10)−アルキル、
(3) (C1−C10)−アルケニル、
(4) (C2−C10)−アルキニル、
(5) (C6−C22)−アリール、
(6) −Z− (C1−C10)−アルキル、−Z−(C1−C10)−アルケニル、−Z−(C2−C10)−アルキニル、−Z− (C6−C22)−アリールまたは−Z−H、ここでZ=−CO−、−CO−NH−、−CS−NH−、−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−、ここでrおよびsは、互いに独立して、1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に1または2である、
【0237】
(7) 置換基(2)〜(6) 、ここでアルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールは−ハロゲン、−NO2、−OR12、−CN、−SH、−S−(C1−C6)−アルキル、−NR5R6、−N+R5R6R12、−COR11、−NH−CONR5R6、−NH−CSNR5R6および−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−NR5R6から成る群から選択される1または2以上の部分により置換されることができ、rおよびsは、互いに独立して、1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1であり、ここでR11は−NHR12およびOR12から成る群から選択され、ここでR5、R6およびR12は−H、−(C1−C10)−アルキル、−(C2−C10)−アルケニル、−(C2−C10)−アルキニル、−(C6−C22)−アリールおよびリポーター基から成る群から独立して選択され、
【0238】
置換基(2)〜(7)中の前記アルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールは置換されていないか、あるいは−ハロゲン、−SH、−S−(C1−C6)−アルキル、−(C1−C6)−アルコキシ、−OH、−NR5R6、−COR11、−NH−CONR5R6、−NH−CSNR5R6および−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−NR5R6から成る群から選択される1または2以上の部分により置換されており、rおよびsは互いに独立して1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1である、
XはR1、R2またはR3から独立であり、そしてNおよびCHから成る群から選択され、そして
Dは核酸結合性化合物の残部に対する基の結合位置である。
最も好ましい態様において、核酸結合性化合物は、好ましくはR1=BrまたはR1=Iである、本発明による核酸結合性化合物である。
【0239】
また、測定すべき核酸が増幅される場合、本発明による核酸結合性化合物は核酸測定法において使用することができる。核酸の増幅の最初の刊行物以来、種々のプライマーをベースとする核酸の増幅法が記載されてきており、これらは下記のものを包含するが、これらに限定されない:リガーゼ連鎖反応 (LCR、WuおよびWallace、1989、Genomics 4:560−569およびBarany、1991、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88:189−193);ポリメラーゼリガーゼ連鎖反応 (Barany、1991、PCR Methods and Applic. 1:16);ギャップ−LCR (PCT特許公開No. WO90/01069);修復連鎖反応(欧州特許公開No. 439,182 A2)、3SR(Kwoh他、1989、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86:1173−1177);Guatelli他、1990、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:1874−1878;PCT特許公開No. WO 92/0880A)、およびNASBA (米国特許第5,130,238号)。
【0240】
さらに、鎖置換増幅 (SDA)、転写仲介増幅 (TMA)、およびQβ−増幅 (外観については下記の文献を参照のこと:WhelenoyおよびPersing (1996)、Ann. Rev. Microbiol. 50、349−373;AbramsonおよびMeyers、1993、Current Opinion in Biotechnology 4:41-47)。好ましい方法はポリメラーゼ連鎖反応(PCR)である。本発明は、また、ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン、それらの置換変異型またはそれらのアナローグ、特に好ましくはそれらの7−置換変異型として本発明による複素環式基のトリホスフェートの存在における、ターゲット核酸の増幅である。置換基が上に定義したとおりである、一般式Iの複素環式基のトリホスフェートは最も好ましい。
【0241】
本発明による核酸結合性化合物はプライマーおよびプローブとして、例えば、捕捉プローブとして使用することができる。化合物をプローブとして使用する場合、それは好ましくは検出可能なリポーター基を含有する。次いで、検出可能なリポーター基を介して、核酸結合性化合物および核酸から形成されたハイブリッドを決定することができる。アッセイのこのグループをさらに2つのグループに分割することができ、1つは均質アッセイのグループであり、そして他は不均質アッセイである。不均質アッセイにおいて、好ましくは固相に結合させるとき、ハイブリッド(結合性生成物)が決定されるであろう。この態様において、過剰のプローブおよび他の成分はハイブリッドから容易に除去することができ、こうして決定をいっそう容易に実施できるという利点を有する。形成されたハイブリッドは、共有結合的、非共有結合的、特異的または非特異的に固相に結合させることができる。この分野において知られている、いくつかの態様が存在する。
【0242】
いわゆる均質アッセイにおいて、形成されたハイブリッドを固相に結合させないが、溶液中で直接的または間接的に決定する。このようなアッセイの好ましい例はPCT/US 91/05571に開示されており、これは引用することによって本明細書の一部とされる。
【0243】
特に、いくつかの核酸結合性化合物を使用するとき、例えば、PCR−、多重−PCR−または多重−ハイブリダイゼーション法を使用するとき、より低い安定性をまた意味する、より低いTmから生じた、いくつかの特異的ハイブリダイゼーション複合体を喪失しないで、すぐれた特異性を保証する適当なハイブリダイゼーション条件を見出すことはしばしば困難である。診断法において、これは誤った負の結果に導くことがあり、これは回避すべきである。それ以上の困難は生物学的試料、例えば、血液または痰の複雑性の中に存在する。このような試料はしばしばバックグラウンドの核酸を有し、これらは測定法を混乱させ、例えば、誤った正の結果に導く。
【0244】
したがって、式Iの複素環式基はまた多重ハイブリダイゼーション法において使用して、アッセイにおいて形成した1または2以上のハイブリダイゼーション複合体のTmを増加させることができる。そのアッセイにおいて使用した核酸結合性化合物の中に含有される天然塩基の代わりに式Iの複素環式基を導入することによって、ターゲット核酸と形成したハイブリダイゼーション複合体のTmを増加させることができる。なお、このようなTmの変化は、異なる温度におけるそのターゲット核酸との核酸化合物の特異的ハイブリダイゼーションを可能とする。好ましい応用分野はチップ上の多重ハイブリダイゼーション法であり、数百〜数千のプローブを使用する。
【0245】
また、記載した核酸結合性化合物の化学的合成のための中間体および前駆体が本発明に包含される。好ましい中間体および前駆体を後述する。
主鎖を含んでなる核酸結合性化合物を合成するために、固相結合前駆体は好ましく、ここで主鎖は一般式VIの部分およびそれらの任意の塩を含んでなる:
【0246】
【化56】
Figure 0004331476
【0247】
式中、
AはO、S、CH2およびN− (C1−C6)−アルキルから成る群から選択され、
MおよびM’ はオキシ、スルファンジイル、−NR22−、−(C1−C10)−アルキル−、または−O−(C1−C10)−アルキル−O−、および−S−(C1−C10)−アルキル−O−および−NR22−(C1−C6)−アルキル−O−から成る群から独立して選択され、
R22は−H、−(C1−C10)−アルキル、保護基およびリポーター基の群から選択され、
【0248】
R14は−H、−OH、−(C1−C10)−アルコキシ、O−保護基、S−保護基、NH2−保護基、−(C2−C10)−アルケニルオキシ、−ハロゲン、−アジド、−SH、−(C1−C6)−アルキルメルカプト、O−リポーター基、O−固相および−NH2から成る群から選択され、
R15およびR16は−H、−(C1−C8)−アルキル、−(C2−C18)−アルケニル、−(C2−C18)−アルキニル、−(C2−C18)−アルキル−カルボニル、−(C3−C19)−アルケニル−カルボニル、−(C3−C19)−アルキニル−カルボニル、−(C6−C14)−アリール−(C1−C10)−アルキル、保護基および固相から成る群から独立して選択され、
Bは式Iの部分に対する結合であり、
【0249】
【化57】
Figure 0004331476
【0250】
式中、
R1はX、R2またはR3から独立であり、そして下記の基から成る群から選択される:
(1) −F、−Cl、−Brまたは−I、
(2) ニトロ、
(3) シアノ、
(4) −COO-
(5) (10)に従い置換された−(C1−C10)−アルキル、
(6) (10)に従い置換された−(C2−C10)−アルケニル、
(7) (10)に従い置換された−(C2−C10)−アルキニル、
(8) (10)に従い置換された−(C6−C22)−アリール、
(9) −W− (C1−C10)−アルキル、−W−(C2−C10)−アルケニル、−W −(C2−C10)−アルキニル、−W−(C6−C22)−アリールまたは−W−H、式中W=−S−、−O−、−NH−、−S−S−、−CO−、−COO−、−CO−NH−、−NH−CO−、−NH−CO−NH−、−NH−CS−NH−、−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−、ここでrおよびsは、互いに独立して、1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1である、
【0251】
(10) 置換基(5)〜(9) 、ここでアルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールは−ハロゲン、−SH、−NO2、−CN、−S−(C1−C6)−アルキル、−NR5R6、−N+R5R6R12、−OR12、−COR11、−NH−CO−NR5R6、−NH−CS−NR5R6および−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−NR5R6から成る群から選択される1または2以上の部分により置換されることができ、rおよびsは、互いに独立して、1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1であり、ここでR11は−NHR12、OR12、および−SR12から成る群から選択され、ここでR5、R6およびR12は−H、−(C1−C10)−アルキル、−(C2−C10)−アルケニル、−(C2−C10)−アルキニル、−(C6−C22)−アリールおよびリポーター基から成る群から独立して選択され、リポーター基は細胞内吸収を促進する基であるか、あるいは核酸結合性化合物がその相補的核酸に対してハイブリダイゼーションするとき、結合、架橋または切断の間に後者を攻撃する基である、
(11)
【0252】
【化58】
Figure 0004331476
【0253】
式中、
Nucは式Iに対する結合であり、そしてnは1〜18の整数であり、
R2、R3はX、R1、R2およびR3から独立し、そして下記の基から成る群から選択される:
(1) −H、
(2) (C1−C10)−アルキル、
(3) (C1−C10)−アルケニル、
(4) (C2−C10)−アルキニル、
(5) (C6−C22)−アリール、
(6) −Z− (C1−C10)−アルキル、−Z−(C1−C10)−アルケニル、−Z−(C2−C10)−アルキニル、−Z− (C6−C22)−アリールまたは−Z−H、ここでZ=−CO−、−CO−NH−、−CS−NH−、−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−、ここでrおよびsは、互いに独立して、1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に1または2である、
【0254】
(7) 置換基(2)〜(6) 、ここでアルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールは−ハロゲン、−NO2、−OR12、−CN、−SH、−S−(C1−C6)−アルキル、−NR5R6、−N+R5R6R12、−COR11、−NH−CONR5R6、−NH−CSNR5R6および−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−NR5R6から成る群から選択される1または2以上の部分により置換されることができ、rおよびsは、互いに独立して、1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1であり、ここでR11は−NHR12およびOR12から成る群から選択され、ここでR5、R6およびR12は−H、−(C1−C10)−アルキル、−(C2−C10)−アルケニル、−(C2−C10)−アルキニル、−(C6−C22)−アリールおよびリポーター基から成る群から独立して選択され、
【0255】
置換基(2)〜(7)中の前記アルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールは置換されていないか、あるいは−ハロゲン、−SH、−S−(C1−C6)−アルキル、−(C1−C6)−アルコキシ、−OH、−NR5R6、−COR11、−NH−CONR5R6、−NH−CSNR5R6および−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−NR5R6から成る群から選択される1または2以上の部分により置換されており、rおよびsは互いに独立して1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1である、
XはR1、R2またはR3から独立であり、そしてNおよびCHから成る群から選択され、そして
【0256】
Dは核酸結合性化合物の残部に対する基の結合位置であり、
ただし−OH、−SH、−NH2、−NH−アルキル、−NH−アルケニレン、−NH−アルキニレンまたは−NH−アリール基の1つまたは2つの水素原子は保護基により置換されている。このような式VIの化合物は、本発明による核酸結合性化合物を化学的的に合成するために前駆体として使用することができる。この場合において、
化合物を固相に結合させ、好ましいR14、R15、またはR16はO−固相であり、最も好ましいR15は固相である。また、反応性基を保護基で保護することが好ましい。
また、本発明は核酸結合性化合物の前駆体および中間体であり、ここで主鎖は主鎖が一般式IIIの部分およびそれらの任意の塩を含んでなる:
【0257】
【化59】
Figure 0004331476
【0258】
式中、
AはO、S、CH2およびN− (C1−C6)−アルキルから成る群から選択され、
Mはオキシ、スルファンジイル、−NR22−、−(C1−C10)−アルキル−または−O−(C1−C10)−アルキル−O−、および−S−(C1−C10)−アルキル−O−および−NR22−(C1−C6)−アルキル−O−から成る群から選択され、
R22は−H、−(C1−C10)−アルキル、保護基およびリポーター基から成る群から独立して選択され、
【0259】
R14は−H、−OH、−(C1−C10)−アルコキシ、−(C2−C10)−アルケニルオキシ、−(C2−C10)−アルキニルオキシ、−ハロゲン、−アジド、SH、−(C1−C10)−アルキルメルカプト、O−リポーター基、O−固相および保護基に結合した−NH2から成る群から選択され、
R15は−H、−(C1−C6)−アルキル、−(C2−C10)−アルケニル、−(C2−C10)−アルキニル、−(C2−C10)−アルキル−カルボニル、−(C3−C19)−アルケニル−カルボニル、−(C3−C19)−アルキニル−カルボニル、−(C6−C14)−アリール−(C1−C10)−アルキルおよび固相から成る群から選択され、
Bは式Iの部分に対する結合であり、
【0260】
【化60】
Figure 0004331476
【0261】
式中、
R1はX、R2またはR3から独立であり、そして下記の基から成る群から選択される:
(1) −F、−Cl、−Brまたは−I、
(2) ニトロ、
(3) シアノ、
(4) −COO-
(5) (10)に従い置換された−(C1−C10)−アルキル、
(6) (10)に従い置換された−(C2−C10)−アルケニル、
(7) (10)に従い置換された−(C2−C10)−アルキニル、
(8) (10)に従い置換された−(C6−C22)−アリール、
(9) −W− (C1−C10)−アルキル、−W−(C2−C10)−アルケニル、−W −(C2−C10)−アルキニル、−W−(C6−C22)−アリールまたは−W−H、式中W=−S−、−O−、−NH−、−S−S−、−CO−、−COO−、−CO−NH−、−NH−CO−、−NH−CO−NH−、−NH−CS−NH−、−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−、ここでrおよびsは、互いに独立して、1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1である、
【0262】
(10) 置換基(5)〜(9) 、ここでアルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールは−ハロゲン、−SH、−NO2、−CN、−S−(C1−C6)−アルキル、−NR5R6、−N+R5R6R12、−OR12、−COR11、−NH−CO−NR5R6、−NH−CS−NR5R6および−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−NR5R6から成る群から選択される1または2以上の部分により置換されることができ、rおよびsは、互いに独立して、1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1であり、ここでR11は−NHR12、OR12、および−SR12から成る群から選択され、ここでR5、R6およびR12は−H、−(C1−C10)−アルキル、−(C2−C10)−アルケニル、−(C2−C10)−アルキニル、−(C6−C22)−アリールおよびリポーター基から成る群から独立して選択され、リポーター基は細胞内吸収を促進する基であるか、あるいは核酸結合性化合物がその相補的核酸に対してハイブリダイゼーションするとき、結合、架橋または切断の間に後者を攻撃する基である、
(11)
【0263】
【化61】
Figure 0004331476
【0264】
式中、
Nucは式Iに対する結合であり、そしてnは1〜18の整数であり、
置換基(5)〜(10)中の前記アルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールは置換されていないか、あるいは−ハロゲン、−SH、−S−(C1−C6)−アルキル、−(C1−C6)−アルコキシ、−OH、−NR5R6、−COR11、−NH−CONR5R6、−NH−CSNR5R6および−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−NR5R6から成る群から選択される1または2以上の部分により置換されており、rおよびsは互いに独立して1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1であり、
ただし基(5)〜(7)が−NR5R6、NHR12、−OR12、またはSR12により置換されている場合、R5、R6またはR12はリポーター基ではない、
【0265】
R2、R3はX、R1、R2およびR3から独立し、そして下記の基から成る群から選択される:
(1) −H、
(2) (C1−C10)−アルキル、
(3) (C1−C10)−アルケニル、
(4) (C2−C10)−アルキニル、
(5) (C6−C22)−アリール、
(6) −Z− (C1−C10)−アルキル、−Z−(C1−C10)−アルケニル、−Z−(C2−C10)−アルキニル、−Z− (C6−C22)−アリールまたは−Z−H、ここでZ=−CO−、−CO−NH−、−CS−NH−、−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−、ここでrおよびsは、互いに独立して、1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に1または2である、
【0266】
(7) 置換基(2)〜(6) 、ここでアルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールは−ハロゲン、−NO2、−OR12、−CN、−SH、−S−(C1−C6)−アルキル、−NR5R6、−N+R5R6R12、−COR11、−NH−CONR5R6、−NH−CSNR5R6および−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−NR5R6から成る群から選択される1または2以上の部分により置換されることができ、rおよびsは、互いに独立して、1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1であり、ここでR11は−NHR12およびOR12から成る群から選択され、ここでR5、R6およびR12は−H、−(C1−C10)−アルキル、−(C2−C10)−アルケニル、−(C2−C10)−アルキニル、−(C6−C22)−アリールおよびリポーター基から成る群から独立して選択され、
【0267】
置換基(2)〜(7)中の前記アルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールは置換されていないか、あるいは−ハロゲン、−SH、−S−(C1−C6)−アルキル、−(C1−C6)−アルコキシ、−OH、−NR5R6、−COR11、−NH−CONR5R6、−NH−CSNR5R6および−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−NR5R6から成る群から選択される1または2以上の部分により置換されており、rおよびsは互いに独立して1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1である、
XはR1、R2またはR3から独立であり、そしてNおよびCHから成る群から選択され、そして
Dは核酸結合性化合物の残部に対する基の結合位置であり、
ただし−OH、−SH、−NH2、−NH−アルキル、−NH−アルケニレン、−NH−アルキニレンまたは−NH−アリール基の1つまたは2つの水素原子は保護基により置換されており、
ここでR14はO−固相であるか、あるいはR15は固相である。
【0268】
本発明による核酸結合性化合物を化学的に合成するための固相は、好ましくはまた、成長する核酸結合性化合物を固定するためのリンカーを含む。このようなリンカーはこの分野において知られている。好ましくは、このようなリンカーは合成後に切断して前記核酸結合性化合物を遊離させ、例えば、前記核酸結合性化合物の中に遊離3’−ヒドロキシ基を発生させることができる。このようなリンカーはこの分野において知られており、例えば、固相に結合したアミド結合を介しておよびエステルを介して前駆体または中間体に結合したコハク酸である。好ましいR15は固相であるが、式IIIの核酸結合性化合物を化学的に合成するための前駆体において、選択的に、R15は固相であることもできる。前記化合物の反応性基は好ましくは保護基により保護されている。
本発明による好ましい前駆体および中間体のより一般的な式は主鎖を含んでなる化合物であり、前記主鎖は複素環式基が一般式Iの基およびそれらの任意の塩であることを特徴とする、結合した複素環式基を有する:
【0269】
【化62】
Figure 0004331476
【0270】
式中、
R1はX、R2またはR3から独立であり、そして下記の基から成る群から選択される:
(1) −F、−Cl、−Brまたは−I、
(2) ニトロ、
(3) シアノ、
(4) −COO-
(5) (10)に従い置換された−(C1−C10)−アルキル、
(6) (10)に従い置換された−(C2−C10)−アルケニル、
(7) (10)に従い置換された−(C2−C10)−アルキニル、
(8) (10)に従い置換された−(C6−C22)−アリール、
(9) −W− (C1−C10)−アルキル、−W−(C2−C10)−アルケニル、−W−(C2−C10)−アルキニル、−W−(C6−C22)−アリールまたは−W−H、式中W=−S−、−O−、−NH−、−S−S−、−CO−、−COO−、−CO−NH−、−NH−CO−、−NH−CO−NH−、−NH−CS−NH−、−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−、ここでrおよびsは、互いに独立して、1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1である、
【0271】
(10) 置換基(5)〜(9) 、ここでアルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールは−ハロゲン、−SH、−NO2、−CN、−S−(C1−C6)−アルキル、−NR5R6、−N+R5R6R12、−OR12、−COR11、−NH−CO−NR5R6、−NH−CS−NR5R6および−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−NR5R6から成る群から選択される1または2以上の部分により置換されることができ、rおよびsは、互いに独立して、1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1であり、ここでR11は−NHR12、OR12、および−SR12から成る群から選択され、ここでR5、R6およびR12は−H、−(C1−C10)−アルキル、−(C2−C10)−アルケニル、−(C2−C10)−アルキニル、−(C6−C22)−アリールおよびリポーター基から成る群から独立して選択され、リポーター基は細胞内吸収を促進する基であるか、あるいは核酸結合性化合物がその相補的核酸に対してハイブリダイゼーションするとき、結合、架橋または切断の間に後者を攻撃する基である、
【0272】
置換基(5)〜(10)中の前記アルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールは置換されていないか、あるいは−ハロゲン、−SH、−S−(C1−C6)−アルキル、−(C1−C6)−アルコキシ、−OH、−NR5R6、−COR11、−NH−CONR5R6、−NH−CSNR5R6および−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−NR5R6から成る群から選択される1または2以上の部分により置換されており、rおよびsは互いに独立して1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1であり、ただし基(5)〜(7)が−NR5R6、NHR12、−OR12、またはSR12により置換されている場合、R5、R6またはR12はリポーター基ではない、
【0273】
R2、R3はX、R1、R2およびR3から独立し、そして下記の基から成る群から選択される:
(1) −H、
(2) (C1−C10)−アルキル、
(3) (C1−C10)−アルケニル、
(4) (C2−C10)−アルキニル、
(5) (C6−C22)−アリール、
(6) −Z− (C1−C10)−アルキル、−Z−(C1−C10)−アルケニル、−Z−(C2−C10)−アルキニル、−Z− (C6−C22)−アリールまたは−Z−H、ここでZ=−CO−、−CO−NH−、−CS−NH−、−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−、ここでrおよびsは、互いに独立して、1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に1または2である、
【0274】
(7) 置換基(2)〜(6) 、ここでアルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールは−ハロゲン、−NO2、−OR12、−CN、−SH、−S−(C1−C6)−アルキル、−NR5R6、−N+R5R6R12、−COR11、−NH−CONR5R6、−NH−CSNR5R6および−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−NR5R6から成る群から選択される1または2以上の部分により置換されることができ、rおよびsは、互いに独立して、1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1であり、ここでR11は−NHR12およびOR12から成る群から選択され、ここでR5、R6およびR12は−H、−(C1−C10)−アルキル、−(C2−C10)−アルケニル、−(C2−C10)−アルキニル、−(C6−C22)−アリールおよびリポーター基から成る群から独立して選択され、
【0275】
置換基(2)〜(7)中の前記アルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールは置換されていないか、あるいは−ハロゲン、−SH、−S−(C1−C6)−アルキル、−(C1−C6)−アルコキシ、−OH、−NR5R6、−COR11、−NH−CONR5R6、−NH−CSNR5R6および−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−NR5R6から成る群から選択される1または2以上の部分により置換されており、rおよびsは互いに独立して1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1である、
XはR1、R2またはR3から独立であり、そしてNおよびCHから成る群から選択され、
Dは核酸結合性化合物の残部に対する基の結合位置であり、
ここで前記主鎖は結合した固相であり、
ただし−OH、−SH、−NH2、−NH−アルキル、−NH−アルケニレン、−NH−アルキニレンまたは−NH−アリール基の1つまたは2つの水素原子は保護基により置換されている。
【0276】
前駆体の化合物または中間体が主鎖において固相にカップリングされるという可能性の他に、また前記化合物の中に含められた式Iの複素環式基において、例えば、−OH、−SHまたは−NH2を取り付け部位として使用して、それを結合することもできる。前記化合物の他の反応性基を保護基により保護することが好ましい。
【0277】
本発明の他の好ましい態様は、下記の工程を含んでなる核酸の存在、不存在または量を決定する方法である:核酸を含有することが推測される試料を準備し、主鎖を含んでなる核酸結合性化合物を準備し、前記主鎖は核塩基に対して塩基対合することができる複素環式基を結合して有し、ここで複素環式基は置換ピラゾロ[3,4−d]ピリミジンまたはそのアナローグであり、核酸の一部分またはすべてに対して本質的に相補的であることを特徴とし、核酸結合性化合物を核酸に結合させる条件下に前記試料を核酸結合性化合物と接触させ、結合性生成物または核酸と核酸結合性化合物との間のハイブリダイゼーションの程度を核酸の存在、不存在または量の測度として決定する。
【0278】
本発明のそれ以上の態様は、核酸結合性化合物を捕捉プローブとして使用する核酸の存在、不存在または量を決定する方法であり、ここで核酸結合性化合物は主鎖を含んでなり、前記主鎖は核塩基に対して塩基対合することができる複素環式基を結合して有し、ここで複素環式基は置換ピラゾロ[3,4−d]ピリミジンまたはそのアナローグであることを特徴とする。
【0279】
本発明のなお他の態様は、下記の工程を含んでなる核酸中の関係するヌクレオチド配列を区別する方法である:主鎖を含んでなる核酸結合性化合物を準備し、前記主鎖は核塩基に対して塩基対合することができる複素環式基を結合して有し、ここで複素環式基は置換ピラゾロ[3,4−d]ピリミジンまたはそのアナローグでありかつ限定された配列を有することを特徴とし、2つの関係するヌクレオチド配列を有する核酸を準備し、ヌクレオチド配列の各々はターゲット配列を含んでなり、ここでヌクレオチド配列の一方は核酸結合性化合物に対して完全に相補的であり、そしてセグメントの一方は関係するターゲット配列であり、ハイブリダイゼーション条件下に核酸を核酸結合性化合物とインキュベートし、そして核酸結合性化合物とセグメントの各々との間のハイブリダイゼーションの程度を決定する。
【0280】
好ましくは、いずれかの置換ピラゾロ[3,4−d]ピリミジンまたはそのアナローグはdTと対合しかつその相補的核酸鎖に対してハイブリダイゼーションした核酸結合性化合物の溶融温度を増加させるように前記化合物の中に存在する。当業者は理解するように、本発明による核酸結合性化合物の融点の増加は、本発明による複素環式基の環境により影響される。しかしながら、好ましくは、融点はdA−dT対のTmよりも4.7〜7 ℃高く、好ましくは5または5.5 ℃〜7 ℃、より好ましくは6〜7 ℃高い。
非常に好ましい態様において、本発明による方法において、核酸は生物学的物質から、好ましくはヒトまたは動物から単離される。好ましくは、本発明による方法は診断分野において使用される。
【0281】
本発明のなお他の態様において、本発明による核酸結合性化合物が蛍光性標識、好ましくはフルオレセインであるリポーター基を含んでなる、前述の方法が包含される。好ましくは、本発明による核酸結合性化合物は複数の蛍光性標識を含んでなり、蛍光性標識の1つの放射波長は他の蛍光性標識の吸収波長とオーバーラップする。核酸結合性化合物はクエンチング剤をさらに含んでなり、クエンチング剤はフルオレセインであることができる蛍光性標識の蛍光放射をクエンチする。好ましくは、クエンチング剤は蛍光性ローダミンまたはシアニンである。好ましくは、この方法はハイブリダイゼーションに引き続いて蛍光性標識とクエンチング剤との間の空間的関係を、好ましくは核酸結合性化合物のエキソヌクレアーゼの加水分解により、変更する工程をさらに含んでなり、ここでエキソヌクレアーゼの加水分解の結果、標識が解放される。好ましい態様において、ハイブリダイゼーションに引き続いて核酸結合性化合物から解放される標識の量により、核酸結合性化合物と核酸との間のハイブリダイゼーションの程度を決定する。
【0282】
本発明の好ましい態様において、関係する配列が好ましくは単一ヌクレオチドだけ異なる、関係するヌクレオチド配列を区別する方法が開示される。好ましくは、核酸結合性化合物のプライミング能力により、核酸結合性化合物と核酸との間のハイブリダイゼーションの程度を決定し、ここで最も好ましくは前述の増幅反応であることができる増幅反応の一部分としてプライミングが起こる。増幅反応は好ましくはポリメラーゼ連鎖反応である。
【0283】
核酸の存在、不存在または量を決定する方法または関係するヌクレオチド配列を区別する方法において、2以上の核酸結合性化合物を使用することができ、ここで核酸結合性化合物は主鎖を含んでなり、前記主鎖は核塩基に対して塩基対合することができる結合した複素環式基を有し、ここで複素環式基は置換ピラゾロ[3,4−d]ピリミジンまたはそのアナローグであることを特徴とする。好ましくは、2つのの核酸結合性化合物を使用する。好ましい態様において、2つの核酸結合性化合物の第1は蛍光ドナーを含んでなり、そして2つの核酸結合性化合物の第2は蛍光アクセプターを含んでなり、ここで蛍光ドナーの放射波長は蛍光アクセプターの吸収波長とオーバーラップする。次いで、蛍光ドナーと蛍光アクセプターとの間で移動しかつ蛍光アクセプターにより放射された光の量により、ハイブリダイゼーションの程度を測定する。他の態様において、核酸結合性化合物と核酸との間の溶融温度の測定により、ハイブリダイゼーションの程度を決定する。
【0284】
本発明のなお他の態様において、核酸中のターゲット配列の存在を検出する方法が開示され、この方法は下記の工程を含んでなる:ターゲット配列の存在について試験すべき核酸を準備し、ターゲット配列に対して実質的に相補的である配列を有しかつ主鎖を含んでなる核酸結合性化合物を準備し、前記主鎖は核塩基に対して塩基対合することができる複素環式基を結合して有し、ここで複素環式基は置換ピラゾロ[3,4−d]ピリミジンまたはそのアナローグであることを特徴とし、核酸および核酸結合性化合物をハイブリダイゼーション条件下にインキュベートし、そしてハイブリダイゼーションした核酸を同定する。好ましくは、多数の核酸をターゲット配列の存在について試験し、ここで核酸は関係するターゲット配列を有する。
【0285】
最も好ましくは、核酸はターゲット配列内の単一ヌクレオチドだけ互いに異なる。好ましくは、核酸結合性化合物はエクステンション可能な3’−ヒドロキシ基を含んでなるプライマーである。好ましい態様において、重合性酵素を使用するプライマーのエクステンションにより、ハイブリダイゼーションした核酸を同定し、重合性酵素は熱安定性酵素であることができ、そして核酸結合性化合物は増幅反応、好ましくはポリメラーゼ連鎖反応におけるプライマーである。好ましくは、熱安定性酵素はテルムス・アクアティカス(Thermus aquaticus)からのDNAポリメラーゼ、いわゆるTaq−ポリメラーゼである。
【0286】
本発明のなお他の態様において、下記の工程を含んでなるプライマーをエクステンションする方法が開示される:ターゲット配列を含有する核酸を準備し、ターゲット配列に対して相補的な1または2以上の核酸結合性化合物を準備し、ここで核酸結合性化合物は主鎖を含んでなり、前記主鎖は核塩基に対して塩基対合することができる複素環式基を結合して有し、ここで複素環式基は置換ピラゾロ[3,4−d]ピリミジンまたはそのアナローグであることを特徴とし、重合性酵素およびヌクレオチド基質を準備し、そして重合に好適な条件下に核酸、核酸結合性化合物、酵素および基質をインキュベートする。好ましくは、この方法は増幅反応、最も好ましくはポリメラーゼ連鎖反応の一部分である。この方法はcDNA分子の合成において使用することができる。
【0287】
本発明の他の態様は、核酸のヌクレオチド配列を決定する方法であり、この方法は下記の工程を含んでなる:異なる既知の配列を有しかつ主鎖を含んでなる核酸結合性化合物のアレイを準備し、前記主鎖は核塩基に対して塩基対合することはできる複素環式基を結合して有し、ここで複素環式基は置換ピラゾロ[3,4−d]ピリミジンまたはそのアナローグであることを特徴とし、ただし核酸結合性化合物はリポーター基を含有せず、ハイブリダイゼーション条件下に核酸をアレイとインキュベートし、そしてアレイ中のどの核酸結合性化合物が核酸にハイブリダイゼーションするかを決定する。
【0288】
本発明のなお他の態様は、核酸中のターゲット配列のヌクレオチド配列を決定する方法であり、この方法は下記の工程を含んでなる:ターゲット配列を含有する核酸を準備し、主鎖を含んでなる少なくとも2つ核酸結合性化合物を準備し、前記主鎖は核塩基に対して塩基対合することはできる複素環式基を結合して有し、ここで複素環式基は置換ピラゾロ[3,4−d]ピリミジンまたは既知の配列をもつそのアナローグであることを特徴とし、ここで少なくとも2つ核酸結合性化合物の一方はターゲット配列に対して完全に相補的でありかつ核酸結合性化合物の少なくとも1つの他のものは関係するターゲット配列を有し、ハイブリダイゼーション条件下に少なくとも2つ核酸結合性化合物を核酸とインキュベートし、そして核酸結合性化合物の各々と核酸との間のハイブリダイゼーションの程度を測定する。好ましくは、少なくとも1つの他の核酸結合性化合物はターゲット配列と単一のヌクレオチドミスマッチを有する。
【0289】
さらに、本発明は、細胞中の遺伝子の発現を検査する方法を包含し、この方法は下記の工程を含んでなる:細胞中で発現された遺伝子を代表する核酸の集団を準備し、主鎖を含んでなる核酸結合性化合物のアレイを準備し、前記主鎖は核塩基に対して塩基対合することはできる複素環式基を結合して有し、ここで複素環式基は置換ピラゾロ[3,4−d]ピリミジンまたはそのアナローグであることを特徴とし、ただし核酸結合性化合物はリポーター基を含有せず、ハイブリダイゼーション条件下に核酸の集団をアレイとインキュベートし、そしてアレイ中のどの核酸結合性化合物に核酸はハイブリダイゼーションするようになるかを決定し、核酸は必要に応じて、例えば、標識にカップリングされたアデノシントリホスフェートの組込みにより標識する。
【0290】
本発明のなお他の態様は、問題の遺伝子のターゲット配列中の突然変異を同定する方法であり、この方法は下記の工程を含んでなる:ターゲット配列を含んでなる核酸を準備し、異なる配列の核酸結合性化合物のアレイを準備し、ここで異なる配列は野生型ターゲット配列および異なる突然変異ターゲット配列を包含し、ここで核酸結合性化合物は主鎖を含んでなり、前記主鎖は核塩基に対して塩基対合することはできる複素環式基を結合して有し、ここで複素環式基は置換ピラゾロ[3,4−d]ピリミジンまたはそのアナローグであることを特徴とし、ただし核酸結合性化合物はリポーター基を含有せず、ハイブリダイゼーション条件下に核酸をアレイとインキュベートし、そしてアレイ中のどの核酸結合性化合物は核酸とハイブリダイゼーションするようになるかを決定する。
【0291】
前述のすべての方法において、置換ピラゾロ[3,4−d]ピリミジンまたはそのアナローグは置換7−デアザ−8−アザ−2,6−ジアミノプリンまたはその誘導体または7−置換7−デアザ−8−アザ−2,6−ジアミノプリンまたはその誘導体であることができる。本発明の他の態様において、置換ピラゾロ[3,4−d]ピリミジンアナローグはアデニンまたはグアニンの置換ピラゾロ[3,4−d]ピリミジンアナローグまたはアデニンまたはグアニンの7−置換ピラゾロ[3,4−d]ピリミジンアナローグであり、ここでアデニンまたはグアニンのアナローグは好ましくは置換7−デアザ−8−アザ−2,6−ジアミノ−プリンまたはその誘導体または7−置換7−デアザ−8−アザ−2,6−ジアミノ−プリンまたはその誘導体について直接記載したのと同一の7位における置換基R1またはN−置換基R2およびR3を保持できる。
【0292】
好ましい態様において、置換7−デアザ−8−アザ−2,6−ジアミノ−プリンまたはその誘導体または7−置換7−デアザ−8−アザ−2,6−ジアミノ−プリンまたはその誘導体は一般式Iを有する:
【0293】
【化63】
Figure 0004331476
【0294】
式中、
R1はX、R2またはR3から独立であり、そして下記の基から成る群から選択される:
(1) −F、−Cl、−Brまたは−I、
(2) ニトロ、
(3) シアノ、
(4) −COO-
(5) (10)に従い置換された−(C1−C10)−アルキル、
(6) (10)に従い置換された−(C2−C10)−アルケニル、
(7) (10)に従い置換された−(C2−C10)−アルキニル、
(8) (10)に従い置換された−(C6−C22)−アリール、
(9) −W− (C1−C10)−アルキル、−W−(C2−C10)−アルケニル、−W−(C2−C10)−アルキニル、−W−(C6−C22)−アリールまたは−W−H、式中W=−S−、−O−、−NH−、−S−S−、−CO−、−COO−、−CO−NH−、−NH−CO−、−NH−CO−NH−、−NH−CS−NH−、−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−、ここでrおよびsは、互いに独立して、1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1である、
【0295】
(10) 置換基(5)〜(9) 、ここでアルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールは−ハロゲン、−SH、−NO2、−CN、−S−(C1−C6)−アルキル、−NR5R6、−N+R5R6R12、−OR12、−COR11、−NH−CO−NR5R6、−NH−CS−NR5R6および−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−NR5R6から成る群から選択される1または2以上の部分により置換されることができ、rおよびsは、互いに独立して、1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1であり、ここでR11は−NHR12、OR12、および−SR12から成る群から選択され、ここでR5、R6およびR12は−H、−(C1−C10)−アルキル、−(C2−C10)−アルケニル、−(C2−C10)−アルキニル、−(C6−C22)−アリールおよびリポーター基から成る群から独立して選択され、リポーター基は細胞内吸収を促進する基であるか、あるいは核酸結合性化合物がその相補的核酸に対してハイブリダイゼーションするとき、結合、架橋または切断の間に後者を攻撃する基である、
【0296】
置換基(5)〜(10)中の前記アルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールは置換されていないか、あるいは−ハロゲン、−SH、−S−(C1−C6)−アルキル、−(C1−C6)−アルコキシ、−OH、−NR5R6、−COR11、−NH−CONR5R6、−NH−CSNR5R6および−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−NR5R6から成る群から選択される1または2以上の部分により置換されており、rおよびsは互いに独立して1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1であり、ただし基(5)〜(7)が−NR5R6、NHR12、−OR12、またはSR12により置換されている場合、R5、R6またはR12はリポーター基ではない、
【0297】
R2、R3はX、R1、R2およびR3から独立し、そして下記の基から成る群から選択される:
(1) −H、
(2) (C1−C10)−アルキル、
(3) (C1−C10)−アルケニル、
(4) (C2−C10)−アルキニル、
(5) (C6−C22)−アリール、
(6) −Z− (C1−C10)−アルキル、−Z−(C1−C10)−アルケニル、−Z−(C2−C10)−アルキニル、−Z− (C6−C22)−アリールまたは−Z−H、ここでZ=−CO−、−CO−NH−、−CS−NH−、−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−、ここでrおよびsは、互いに独立して、1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に1または2である、
【0298】
(7) 置換基(2)〜(6) 、ここでアルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールは−ハロゲン、−NO2、−OR12、−CN、−SH、−S−(C1−C6)−アルキル、−NR5R6、−N+R5R6R12、−COR11、−NH−CONR5R6、−NH−CSNR5R6および−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−NR5R6から成る群から選択される1または2以上の部分により置換されることができ、rおよびsは、互いに独立して、1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1であり、ここでR11は−NHR12およびOR12から成る群から選択され、ここでR5、R6およびR12は−H、−(C1−C10)−アルキル、−(C2−C10)−アルケニル、−(C2−C10)−アルキニル、−(C6−C22)−アリールおよびリポーター基から成る群から独立して選択され、
【0299】
置換基(2)〜(7)中の前記アルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールは置換されていないか、あるいは−ハロゲン、−SH、−S−(C1−C6)−アルキル、−(C1−C6)−アルコキシ、−OH、−NR5R6、−COR11、−NH−CONR5R6、−NH−CSNR5R6および−(CH2)n−[O−(CH2)r]s−NR5R6から成る群から選択される1または2以上の部分により置換されており、rおよびsは互いに独立して1〜18の整数でありそしてnはrおよびsから独立に0または1である、
XはR1、R2またはR3から独立であり、そしてNおよびCHから成る群から選択され、そして
Dは核酸結合性化合物またはそれらの任意の塩の残部に対する基の結合位置である。
【0300】
なお他の好ましい態様において、核酸結合性化合物は本発明による核酸結合性化合物であり、好ましくはR1は上に定義した疎水性または電子求引性置換基、好ましくは複素環式基置換基であり、ここでBrまたはIは最も好ましい。
本発明のすべての方法または使用において、本発明による複素環式基を組込んで有する核酸結合性化合物は反対の鎖に結合して平行または逆平行のデュプレックスを形成する。
【0301】
本発明は、さらに、式Iの複素環式基を含有する1または2以上の核酸結合性化合物と、生理学的に許容される賦形剤と、適当ならば、適当な添加剤および/または慣用の助剤とを含んでなる医薬組成物に関する。したがって、本発明の1つの態様は本発明による核酸結合性化合物を含んでなる医薬組成物である。他の態様は医学において使用するための本発明による核酸結合性化合物である。非常に一般的方法において、本発明は、療法的に有効な組成物においてこのような核酸結合性化合物を使用することに拡張される。このような組成物はアンチセンスオリゴヌクレオチド、三重ヘリックス形成オリゴヌクレオチド、アプタマーまたはリボザイム、特にアンチセンスオリゴヌクレオチドとして本発明による核酸結合性化合物を含むことを意味すると理解される。
【0302】
本発明は、さらに、フタル酸から誘導された保護基を包含する(例えば、下記文献を参照のこと、Ramzaeva他、(1999)、Nucleoside & Nucleotides 18、1439−1440;Rich B. Meyer、Methods in Molecular Biology 26(1994)、pp. 73−91、Human Press, Inc. 米国ニュージャージー州トトワ;Griffey他、(1996)、J. Med. Chem. 39、5100−5109;GibsonおよびBenkovic (1987)、Nucleic Acids Res. 15、6455−6467)。デソキシアデノシン、デソキシ−グアノシンまたはデソキシ−イソグアノシンのピラゾロ[3,4−d]ピリミジンアナローグのアミノアルキニルまたはアミノアルケニル側鎖はフタル酸で保護することができ、それによってイミドが形成する。オリゴヌクレオチドから比較的容易に除去することができるトリフルオロアセチル保護基と対照的に、脂肪族側鎖からのフタロイル基の除去は、例えば、ペプチドについてように容易ではない。
【0303】
したがって、ヒドラジンを使用しなくてはならないであろう。しかしながら、ピリミジンヌクレオシドが分解するので、オリゴヌクレオチドこれらの場合においてヒドラジンを使用することができない。アルキニル化合物、特にプロパルギルアミンのアミン基ならびに連鎖中の他の位置上のアリル位置に存在するものは塩基性が低い。これにより、フタロイル基はいっそう容易に除去することができ、そしてメチルアミンを使用してはならない。脱保護は標準的条件、すなわち、濃アンモニア溶液全部でないにしても、60 ℃において12時間実施する。フタロイル基の利点は、アミノ基の両方のH原子位置がアシル化されることである。通常のアシル基、例えば、米国特許第5,151,507号において使用されるトリフルオロアセチル(TFA) 基について、アミノ基はアシル化によりキャップされ、その後モノ機能化される。後にTFA基を除去し、それによってアセチル基は結合して止まり、除去が困難である。このような目的のためのフタロイル基の利点は明らかである。
【0304】
それゆえ、本発明の1つの態様において、置換基が下記式を有するフタルイミドアルキル、フタルイミドアルケニル、またはフタルイミドアルキニル基の群から選定される塩基部分に結合している、ヌクレオシドアデノシンまたはデソキシアデノシン、グアノシンまたはデソキシグアノシン、イソグアノシンまたはデソキシイソグアノシン、シチジンまたはデオキシシチジン、ウリジンまたはデソキシウリジン、チミジンまたはデソキシチミジン、またはこれらのヌクレオシドのアナローグを含んでなるオリゴヌクレオチドを合成するための構築ブロックが提供される:
【0305】
【化64】
Figure 0004331476
【0306】
式中Nucは塩基部分に対する置換基の結合位置であり、そしてnは1〜18の整数であり、ただしフタルイミドアルキニルまたはフタルイミドアルキル基はデソキシウリジンのC5−原子に結合していず、そしてただしフタルイミドアルキニル基は7−デアザ−デオキシグアノシンのC7−原子に結合していない。他の好ましい態様において、これらのヌクレオシドのアナローグはピラゾロ[3,4−d]ピリミジンアナローグである。他の好ましい態様において、構築ブロックはホスホルアミダイト誘導体である。
【0307】
さらに、本発明は、オリゴヌクレオチドを合成するための本発明による構築ブロックの使用に関する。さらに、塩基部分に結合した−(CH2)n−NH2、−CH=CH−(CH2)n−NH2、または−C≡C−(CH2)n−NH2のアミノ基がフタロイル基で誘導化されており、そしてnが1〜18の整数であり、ただし−(CH2)n−NH2または−C≡C−(CH2)n−NH2基がデオキシウリジンのC5−原子に結合していず、そしてただし−C≡C−(CH2)n−NH2基が7−デアザ−デオキシグアノシンのC7−原子に結合していない、ヌクレオシドアデノシンまたはデソキシアデノシン、グアノシンまたはデソキシグアノシン、イソグアノシンまたはデソキシイソグアノシン、シチジンまたはデオキシシチジン、ウリジンまたはデソキシウリジン、チミジンまたはデソキシチミジン、またはこれらのヌクレオシドのアナローグを含んでなるオリゴヌクレオチドを合成するための構築ブロックからオリゴヌクレオチドを合成する方法において、保護基としてフタロイル基を使用することが考えられる。
【0308】
他の好ましい態様において、これらのヌクレオシドのアナローグはピラゾロ[3,4−d]ピリミジンアナローグである。本発明のそれ以上の態様において、構築ブロックはホスホルアミダイト誘導体である。本発明のなお他の態様において、本発明による構築ブロックからオリゴヌクレオチドを合成する方法が開示される。
下記の実施例により、本発明を説明する。これらの実施例は本発明を限定しない。
下記の実施例により、本発明を詳細に説明する。
【0309】
実施例
実施例 17 −ブロモ− 8 −アザ− 7 −デアザプリン− 2,6 −ジアミンヌクレオシドについての合成およびデータ
1.1. モノマーの合成および性質
− アルコキシヌクレオシド4a、b[18]は、8−アザ−7−デアザプリン−2,6−ジアミン(ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6−ジアミン)ヌクレオシド2a、b(プリンのナンバリングを説明の節を通じて使用する)の合成の前駆体として働く。アミン化を鋼ボンベ中で実施した(4日間、25%水性NH3、70 ℃)。両方のヌクレオシド(2a、b)を結晶形態で単離した。わずかの関係する8−アザ−7−デアザプリン−2,6−ジアミンヌクレオシドは以前に製造された[19〜22]。
【0310】
化合物2aをアデノシンデアミナーゼ(ADA)で処理すると、8−アザ−7−デアザ−2’−デオキシグアノシン[18]が生成した。反応を紫外線分光光度測定的に追跡した(第1a図)。
時間従属的スペクトルは2つの等吸収点(λ=234 nmおよび267 nm)を示し、出発物質がただ1つの反応生成物に変換されたことが指示される。2aの脱アミン化はプリンヌクレオシドのそれよりも非常にゆっくり起こる。7−ブロモ誘導体3b[18]は、以前に観測されたように[20]、それらの条件下に高い酵素濃度においてさえ脱アミン化されなかった。
【0311】
【化65】
Figure 0004331476
【0312】
次に、酸性媒質中の化合物2a、bのN−グリコシル結合の半減期を測定し、化合物1と比較した。反応を0.5N HCl中で温室において実施し、紫外線分光光度測定的にならびにHPLC分析により追跡した(第1表)。
【0313】
【表1】
Figure 0004331476
【0314】
第1表のデータから明らかなように、8−アザ−7−デアザプリン−2,6−ジアミンヌクレオシド(2a)は親2−アミノ−2’−デオキシグアノシン(1)よりも約15倍高いグリコシル結合を示す。2bのグリコシル結合はこれらの条件下に安定である。応を2N HCl中で実施するとき、加水分解が起こる(第1表)。さらに、7−ブロモ置換基は、逆相HPLC上で化合物2aまたは1に比較して、分子の親油性特性を増加させ、これにより化合物2bのクロマトグラフィー移動度を減少させる(第1b図)。
【0315】
糖部分のN←→S擬回転平衡に対する核塩基の影響を研究するために、ヌクレオシド1〜3の1H−NMRスペクトルをD2O中で測定した。PSEUROTプログラムを使用して5つのビシナル1H、1Hカップリングに基づいて解析を実施した[23]。表2に従い、8−アザ−7−デアザプリン−2,6−ジアミンヌクレオシド2aは対応するプリンヌクレオシド1よりもいっそう顕著なN−配座異性体集団を示すが、関係する7−デアザプリンヌクレオシド3のN−型集団は減少する。これは8−アザ−7−デアザプリン系の□−電子欠乏の増加と一致する。電子求引性7−ブロモ置換基の追加の効果は観測されなかったが、8−アザ−7−デアザ−2’−デオキシグアノシン[24]の7−位置の中に導入されたいっそう電子誘引シアノ基について見出された。C(4’)−C(5’)結合の回りのコンフォメーションが示すように、8−アザ−7−デアザプリン−2,6−ジアミンヌクレオシド2aおよびbは8−アザ−7−デアザ−2’−デオキシグアノシン[24]のようにγt−(−sc)−回転異性体集団を好むが、正規のプリンヌクレオシドについてγ(+)g−(+sc)−コンフォメーションが優勢を占める[25]。
【0316】
【表2】
Figure 0004331476
【0317】
過去において、いくつかの研究所は2−アミノ−2’−デオキシアデノシン(1)について簡単なプロトコルを報告した。ベンゾイル保護基を完全に除去するために猛烈な加水分解条件を必要とする[4]が、いっそう不安定性のフェノキシアセチル(pac)残基は困難なく除去された[26]、[27]。それにもかかわらず、N−ビス−アシル化誘導体の生成は分子のモノ保護[28]および脱プリン化に付されるアシル化誘導体の傾向の増加[4]のために困難に直面する。ヌクレオシド2a、bはプリンヌクレオシド1よりも有意にいっそう安定という観測(第1表)に従い、N−アシル誘導体2a、bは同様な性質を示すであろう。したがって、一時的保護のプロトコルに従いフェノキシアセチル誘導体5aならびにベンゾイル化合物5bを製造した[29]。2,4,5−トリクロロフェニルフェノキシアセテート[27]または塩化ベンゾイル[30]をアシル化剤として使用した。プリン化合物1について記載された[19]ように、ビス−フェノキシアシル化誘導体5aを形成した。しかしながら、5aの収率はむしろ低かった(30%)。
【0318】
ビス−ベンゾイル化ヌクレオシド5bは非常によりすぐれた収率で単離された(63%)(スキーム2;a)6a:ピリジン、Me3SiCl、2,4,5−トリクロロフェニルフェノキシアセテート、40 ℃、12時間、6b:ピリジン、Me3SiCl、PhCOCl、温室、12時間、b)ピリジン/(MeO)2 Tr−Cl、温室、4時間、c)THF、2−シアノエチルジイソプロピルホスホルアミドクロリダイト、温室、30分)。標準的反応条件[31]を使用して、両方の化合物(5a、b)をDMT−誘導体6a、bに変換した。2−シアノエチルジイソプロピルホスホルアミドクロリダイトおよび(iPr)2EtNの存在下にホスフィチル化すると、ホスホルアミダイト7a、bが得られた[32]。しかしながら、ベンゾイル化誘導体6bはTHF溶液中で低い溶解度を有するので、大きい体積を使用しなくてはならなかった。これに従い、ホスフィチル化は有効ではなく、通常80%の範囲であるホスホルアミダイトの収率は67%に減少した(スキーム2)。
【0319】
【化66】
Figure 0004331476
【0320】
化合物5aの脱保護(25%水性、NH3、40 ℃、HPLCのモニター)は、第1 pac基が5分以内に除去されることを示したが、第2 pac基の除去は20分であった。温室において、完全な脱保護は1時間よりも短い時間で起こる。化合物5bの2つのベンゾイル基の完全な除去(25%水性、NH3、40 ℃、HPLCのモニター)は8〜9時間を必要とするが、ビス−ベンゾイル化プリンヌクレオシド1の脱保護は数日を与えた[4][7]。この観点から、ベンゾイル保護されたホスホルアミダイト7bはオリゴヌクレオチド中の化合物2aの組込みに有用な構築ブロックを提供する。それにもかかわらず、中間体6bの低い溶解度は問題を提示する。
【0321】
これにもかかわらず、N,N’−ジアルキルメチリデン誘導体8a、bの合成を実施した。プリンヌクレオシド1の中にN,N’−ジメチルアミノメチリデンを導入する最初の試みは、保護基が不安定であったために、失敗におわった[28]。2’−デオキシグアノシンの8−アザ−7−デアザプリンアナローグの環外アミノ機能を保護するためにN,N’−ジブチルアミノメチリデン[33]が以前に使用された[34]。同一基が今回ヌクレオシド2a、bの中に導入された。ビス−アミジン8a、bが主要な生成物(50%の収率)として得られたが、モノ付加物(9a、b)が主要な化合物(17%)として生成した。いっそう激しい条件を使用するとき、モノ付加物の形成を回避することができる。保護されたヌクレオシド8a、bについて、完全な脱保護時間(濃アンモニア、40 ℃、260 nmにおけるHPLCのモニター)は8aについて440分であり、そして8bについて450分であると、測定された。モノ保護された中間体が形成するので、半減期値を与えることができない。
【0322】
【化67】
Figure 0004331476
【0323】
引き続いて、4,4’−ジメトキシトリチル残基を導入した。反応を仕上げ、次いでシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにかけた後、1つのN,N’−ジブチルアミノメチリデン残基が加水分解してホルミル基が得られた(スキーム3;a)ピリジン/(MeO)2 Tr−Cl、温室、4時間、b)THF、2−シアノエチルジイソプロピルホスホルアミドクロリダイト、温室、30分)。この基は現在2−アミノ機能を保護しているが、6−アミノ基はまだジブチルアミノメチリデン残基を保持している。NMRスペクトルをベースとして化合物10a、bの構造を確立した。アミノ基(10.77 ppm)およびホルミル残基のプロトン(9.56 ppm)はJ=9.88 Hzで二重項に分割されている。
【0324】
この特徴的なカップリングパターンは、5−アザ−7−デアザ−2’−デオキシグアノシン[35]および2−アミノ−8−アザ−7−デアザプリン2’−デオキシヌクレオシド[36]のホルミル誘導体について既に観測されている。DMT誘導体10a、bのホスフィチル化をTHF中でクロロ(2−シアノエチル)−(ジイソプロピルアミノ)ホスフィンの存在下に実施して、ホスホルアミダイト10a、bを生成した(スキーム3)。これらのホスホルアミダイトならびにベンゾイル保護基を保持する対応する構築ブロック7bを固相オリゴヌクレオチド合成において効率よく使用して、高いカップリング収率を得ることができる。すべての化合物を1H−、13C−、および31P−NMRスペクトルおよび元素分析により特性決定した(第3表および実験部分)。
【0325】
【表3】
Figure 0004331476
【0326】
1.2. オリゴヌクレオチド
合成および特性決定
− ホスホルアミダイト7bおよび11bならびに標準的ホスホルアミダイトを使用して、オリゴヌクレオチド102〜116の自動化固相合成(第4〜6表)を実施した。オリゴヌクレオチドを脱トリチル化し、オリゴヌクレオチド精製カートリッジ上でまたは逆相HPLCにより精製した(精製条件については実験部分を参照のこと)。化合物の均質性は4×250 mmのNucleoPac PA−カラム(DIONEX、P/N 04318、米国)上でイオン交換クロマトグラフィーにより証明された。記載するようにヘビ毒液ホスホジエステラーゼおよびアルカリ性ホスファターゼにより、オリゴヌクレオチドの組成を決定した(第2a図、第2b図参照)[2]。
【0327】
8−アザ−7−デアザプリン−2,6−ジアミンヌクレオシド2aはdAよりもわずかに移動する。ブロモ化合物2bは第2b図から理解できるように、非常に疎水性である。修飾されたオリゴヌクレオチドから、MALDI−TOF質量分析を実施した(第6表、実験部分)。正しい質量がすべての場合において見出され、60 ℃において10時間のアンモニア処理の間にすべての保護基が分離されたことを強調される。
【0328】
1.2.2. デュプレックスの安定性
3つの水素結合が存在するために、n2Ad−dT塩基対(II)はdG−dC対(III)と同一または類似する安定性を有することが期待される。DNA溶融実験から得られた実験データが示すように、n2Ad−dT塩基対を含有するデュプレックスの熱安定性はdA−dT対を使用するときよりも多少高いが、dG−dC対のそれよりもなお非常に低いままである。このジレンマを説明するために種々の研究が実施されてきているが、確信できる答えは得られてきていない。この事柄のむしろ詳細な検査がSagy他[11]によりなされた。この著者はモチーフdA−dU、dI−dC、dA−dTおよびdI−m5Cdにより表される二座の塩基対の熱安定性を三座の対、例えば、n2Ad−dT、dG−dC、dG−m5Cdおよびその他のそれと比較した。
【0329】
酵素的に合成された交互オリゴヌクレオチドを使用して、実験は実施された。2−アミノ基が非存在であるかぎり(二座の塩基対)、種々のデュプレックスのすべては特定の塩基構造から独立して非常に類似する安定性を示す。三座の塩基対に導く2−アミノ基を挿入することによって、この類似性は消失する。dG−dC塩基対は現在n2Ad−dT対よりも非常にいっそう安定である。また、著者らはピリミジン部分に結合した5−置換基の有意な効果を認めた;5−メチル基の存在はむしろ小さい安定性を生ずるが、より大きいアルキル基はDNAを脱安定化する。
【0330】
【化68】
Figure 0004331476
【0331】
プリンヌクレオシドに比較して塩基対安定性に対する8−アザ−7−デアザプリン−2,6−ジアミンヌクレオシド2a、bの影響を評価するために、すべての3つの化合物を非自己相補的デュプレックス5’−d(TAGGTCAATACT)(102)および5’−d(AGTATTGACCTA)(103)の中に組込んだ。このデュプレックスを我々の研究所において標準として使用して、熱安定性およびらせん形成の構造的挙動に対する修飾されたヌクレオシドの影響を研究した。(102・103)のTm値は0.1 M NaCl中で10 mM MgCl2および10 mM Na−カコジレート緩衝液の存在下に46 ℃である。
【0332】
6 dA残基の代わりに6 n2Ad残基を組込むと、Tm値を4 ℃だけ増加させる(デュプレックス104・105、第4表参照)。これは0.7 ℃のTm増加/残基に対応する。他の研究所において実施された実験から同様な発見が報告された[5〜12]。4つの8−アザ−7−デアザプリン−2,6−ジアミンヌクレオシド2aをdAで置換したとき、既に46 ℃から52 ℃へTm値が増加したことが測定され、これは1.5 ℃/修飾された残基に対応する(デュプレックス102・103対108・109の比較)。n2Ad残基により引き起こされる安定性の増加はわずかに0.7 ℃であるので、8−アザ−7−デアザプリン−2,6−ジアミンはプリン−2,6−ジアミンのそれよりもdTといっそう安定な三座の塩基対を形成する。
【0333】
【表4】
Figure 0004331476
【0334】
7−デアザプリンならびに8−アザ−7−デアザプリンはDNAの主要な溝の中に十分に収容されることが示された[1〜3]。特に、ハロゲンはデュプレックスの安定性に関して非常に好適な性質を示す。これにより、7−ブロモ誘導体2bでdA残基を今回置換する。表4によれば、デュプレックス(20・21)は顕著な安定性を示す。Tm値は68 ℃であり、これに対してdA−dT対を使用するデュプレックスのそれは46 ℃であった。デュプレックスの安定性は5.5 ℃/修飾された塩基だけ強化される。同一位置に4つのdG残基を含有するデュプレックス(106・107)は65 ℃のTm値に導き、これは5 ℃のTmの増加に対応する。こうして、dA−dT認識モチーフに従う塩基対のモチーフIV(スキーム4)の安定性は現在dG−dC対(塩基対III)と同程度に安定性である。
【0335】
この予期されざる観測は、プリン−2,6−ジアミンヌクレオシド1のそれに比較して8−アザ−7−デアザプリン−2,6−ジアミンヌクレオシド2a、bのアミノ基の塩基性の差に基づいて説明することができる。前述したように、化合物1の第3水素結合はn2Ad−dT塩基対の安定性に対する寄与は非常にわずかである(スキーム4、塩基対III)が、dG−dC対の安定性に対するdGの2−アミノ基の寄与は大きい。この分子の化学的構造に関すると、dGおよびイソGbの両方のアミノ基はアシル化グアニジン部分の一部分であり、これはn2Adの2−アミノ基よりも塩基性がかなり低いことが期待され、n2Adの2−アミノ基もまた現在芳香族であるグアニジン系の一部分であるが、電子誘引部分に結合されていない。
【0336】
これらの差はdGまたはイソGbに比較して1の2−アミノ基の塩基性を低くさせる。この性質はアルカリ性に対する1のアシル化2−アミノ基の非常に高い抵抗性において既に認められる(上を参照)。次に、化合物1および2a、bが異なる理由を説明しなくてはならない。化合物1と反対に、2−または6−アミノ基において正電荷およびピラゾール窒素−2において負電荷を有する化合物2a、b塩基のメソメリー構造を描くことができる。
【0337】
これらのメソメリー式は1のそれを超えた2aの2−アミノ基の酸性度(塩基度の減少)を説明する。ブロモまたは他の電子誘引置換基を7位に導入すると、この効果はさらに強化される。こうして、2aの2−アミノ基は1の2−アミノ基よりもdTとの水素結合のよりすぐれたドナーである。追加のブロモ置換基はいくつかの好適な効果を引き起こすことができる:(i) それは2−アミノ基をさらに酸性化する;(ii) それはDNA−デュプレックスの主要な溝の中の疎水性基を表す;(iii) それは2−アミノ基と水素結合を形成する。モノマー単位のそれらの性質を別として、核酸デュプレックス内の塩基の環境的条件はn2Ad−dT塩基対の安定性をモジューレートするに違いない。そうでなければ、このような塩基対の安定性がDNA−デュプレックス、DNA−RNAハイブリッドまたはRNA−デュプレックスにおいて異なる理由を説明することができない。
【0338】
【化69】
Figure 0004331476
【0339】
しかも、Tm値が組込まれた8−アザ−7−デアザプリン残基の数とともに直線的に増加するかどうかは証明されてきていない。化合物1の場合において、このような研究が行われ、ポリ(dA−dT)において、n2Ad−残基によるdAの置換が50%を超えなかったとき、直線的関係が存在することが示された。しかしながら、低い塩濃度においてTm値を測定したとき、より高いn2Ad−組込みにおいてTm値はそれ以上増加しなかった。dAの代わりにn2Adを含有するシアノファージS−2LのDNAについて、合成オリゴヌクレオチドについて実施されたのと同様な観測が得られた[38]。
【0340】
デュプレックスのらせん構造を同定するために、デュプレックス102・103〜110・111のCDスペクトルを測定した[39]。すべてのデュプレックスのCDスペクトルはB様DNA構造を示し、270 nm〜290 nm付近において正のコットン効果および250 nm付近において負のローブを有する(第3a図参照)。
【0341】
プリンヌクレオシド1はDNAとよりも相補的RNAといっそう安定なデュプレックスを形成することが報告された[40]。したがって、1または2a、bを含有するオリゴヌクレオチドは相補的オリゴヌクレオチド114とハイブリダイゼーションした(第5表)。第5表によれば、DNA−RNAハイブリッド104・114は親102・114のそれを超えたTm増加を示す。8−アザ−7−デアザプリン−2,6−ジアミン残基は1のそれと同様な効果を示す。ブロモ化合物2bが組込まれたとき、追加の安定化が観測される。DNA−RNAハイブリッドのCDスペクトル(第3b図参照)はA−DNAの形態を採用する。
【0342】
【表5】
Figure 0004331476
【0343】
最後に、ヌクレオシド1および2a、bの塩基対合性質は平行鎖化DNA(ps−DNA)において研究された[37]、[42]。この目的のために、dC−dGをm5iCd−dGおよび/またはdC−iGd対と交換することが必要であった。標準的デュプレックスとして、ハイブリッド(102・115)または(116・103)を選択した。両方の系列の実験において、プリン−2,6−ジアミン(1)はps−ハイブリッド(104・115および116・105)を脱安定化した。ヌクレオシド2aは既にわずかにより安定なデュプレックスに導いた(第6表参照)。逆平行DNAの場合におけるように、ブロモ誘導体2bはTm値(110・115および116・111)をわずかに増加させた。ps−ハイブリッドの2組のCD−スペクトル(第4a図、第4b図)はむしろaps−ハイブリッドのそれらと異なる(第4a図参照)。
【0344】
これらの結果から明らかなように、2−アミノ基はプリン化合物の系列を脱安定化し、aps−DNAにおいて観測される安定化効果を有意に減少させる。モノ置換プリン−2−アミンまたは8−アザ−7−デアザプリン−2−アミンはps−DNAの安定性に対してむしろ好ましくない影響を有することが既に観測されたので、この挙動は驚くべきことではない[36][42]。
【0345】
【表6】
Figure 0004331476
【0346】
8−アザ−7−デアザプリンヌクレオシド2a、bの2つのアミノ基をベンゾイル残基またはジブチルアミノメチレン基で保護することができ、ここで酸性脱トリチル化またはアンモニア中の標準的条件下の脱保護の間に脱プリン化の問題は発生しない。脱プリン化およびプリン−2,6−ジアミンヌクレオシド1のアミノ保護基の非常に高い安定性の問題は観測されない。
【0347】
1. 3 実験の部分
モノマー:一般的事項[2]参照。フラッシュクロマトグラフィー(FC):シリカゲル60H(Merk、ドイツ国ダーマシュタット)上で0.4バール。薄層クロマトグラフィー(TLC):アルミニウムシートシリカゲル60 F254(0.2 mm、Merk、ドイツ国)。TLC走査:CS−930 TLCスキャナー(Shimazu、日本国)。フラッシュクロマトグラフィー(FC)およびTLCのための溶媒系:CH2Cl2/MeOH 98:2(A)、CH2Cl2/MeOH 95:5(B)、CH2Cl2/MeOH 9:1(C)、CH2Cl2/アセトン 95:5(D)、CH2Cl2/アセトン 9:1(E)、CH2Cl2/EtOAc 85:15(F)。融点:Buechi−SMP−20装置(Buechi、スイス国);未補正。NMRスペクトル:Avance−DPX−250およびAMX−500スペクトロメーター(Bruker、ドイツ国);δ値(ppm)は内部SiMe4 (1H、13C)からダウンフィールドである。Microanalytisches Labor Beller (Geuttingen、ドイツ国)により、微量分析を実施した。
【0348】
オリゴヌクレオチド:
オリゴヌクレオチド102〜116の合成および精製。合成は自動化DNA合成装置(Applied Biosystems、ホスホロアミダイト化学用ABI 392−08)により1 μmolの規模で[(MeO)2Tr]ib2Gd、[(MeO)2Tr]bz6Ad、[(MeO)2Tr]bz4Cdおよび[(MeO)2Tr]Tdの3’−ホスホロアミダイトならびに誘導体7bおよび11bのホスホロアミダイトを使用して実施した。オリゴマーの合成は、ホスホロアミダイトのDNA合成装置の正規プロトコルに従った。固体支持体から切断後、オリゴヌクレオチドを25%NH3/H2O(12〜15時間、60 ℃)中で脱保護した。
【0349】
5’−(ジメトキシトリチル)−オリゴマーの精製をOPCカートリッジならびに逆相HPLC(RP−18)により実施した。下記の溶媒の勾配を使用した(A、MeCN;B、0.1M (Et3NH)OAc(pH 7.0)/MeCN 95:5):3分B中の20%A、12分B中の15〜40%A、1.0 ml/分の流速。4,4’−ジメトキシトリチル残基を除去するために、温室において5分間2.5%CHCl2COOH/CH2Cl2で処理した。脱トリチル化オリゴマーを逆相HPLCで精製した:勾配、20分B中の1〜20%A、流速1 ml/分。塩を溶離するためにH2Oを使用してオリゴマーを短いカラム(RP−18、シリカゲル)上で脱塩したが、オリゴマーをMeOH/H2O 3:2で溶離した。オリゴマーをSpeed−Vac蒸発装置で凍結乾燥すると、無色固体状物が得られ、これを−24 ℃において凍結させた。
【0350】
【表7】
Figure 0004331476
【0351】
MALDI−TOFスペクトルはBiflex IIIでT. Wenzel博士(Bruker Saxonia、ドイツ国)により測定された。ヌクレオシド組成の分析。分析は[37]に記載されているように実施された。ヌクレオシド成分の吸光係数:ε260:dA 15400、dT 8800、dG 11700、dC 7600、iGd 7400、m5iCd 6300、2a 8800、2b 8700。ヘビ毒液ホスホジエステラーゼ(EC 3.1.4.1.、Crotallus durissus)およびアルカリ性ホスファターゼ(EC 3.1.3.1.、E. coli)をRoche Diagnostics GmbH(ドイツ国)から入手した。
【0352】
Tm値の測定および熱力学的データ。Cary熱電制御装置を装備したCary−1/1E UV/VISスペクトロメーター(Varian、オーストラリア国)で、吸収対温度のプロファイルを測定した。Pt−100抵抗器を有する参照電池でTm値を測定し、メルトウィン(Meltwin)3.0プログラムを使用して熱力学的データを計算した[43]。
円偏光二色スペクトル。サーモスタット(Lauda−RCS−6浴)制御の1 cmのキュベットを有するJasco−600(Jasco、日本国)でCD−スペクトルを記録した。紫外線スペクトル:150−20スペクトロメーター(Hitachi、日本国)。
3−ブロモ−1−[2−デオキシ−β−D−エリスロ−ペントフラノシル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6−ジアミン(2b)。水性25%NH3(80 ml)中の化合物4B[18](1.0 g、2.6 mmol)の溶液を鋼容器中で70 ℃に4日間加熱した。溶媒を蒸発させ、残留物を熱H2O中に溶解した。冷却すると、結晶化が起こった。
【0353】
無色針状結晶(646 mg、72%)。融点155 ℃。TLC (C) : Rf 0.2. UV (MeOH) : 260 (8700), 278 (9000). 1H-NMR ((D6) DMSO) : 2.16, 2.68 (2m, H2-C (2')) ; 3.38, 3.48 (2m, H2-C (5')) ; 3.77 (m, H-C (4')) ; 4.36 (m, H-C (3')) ; 4.72 (t, J=4.9, HO-C (5')) ; 5.19 (d, J=4.1, HO-C (3')) ; 6.32 (‘t’J=6.5, H-C (1')) ; 6.39 (s, NH2) ; 6.77 (br, NH2). 分析:計算値:C10H13BrN6O3 (345.2) : C 34.80, H3.80, N24.35 ; 実測値:C34.97, H3.97, N24.21。
【0354】
N4,N6−ビス(フェノキシアセチル)−1−[2−デオキシ−β−D−エリスロ−ペントフラノシル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6−ジアミン(5a)。化合物2a[15](1.5 g、5.6 mmol)をピリジンとの共蒸発により乾燥した。残留物をピリジン(25 ml)中に溶解し、温室において攪拌しながら塩化トリメチルシリル(3.3 ml、26 mmol)を添加した。15分間攪拌し、ピリジン(15 ml)中の2,4,5−トリクロロフェニルフェノキシアセテート(5.4 g、16.4 mmol)[27]の溶液を一度に添加した。反応混合物を40 ℃において16時間攪拌した。それを冷却し(氷浴)、H2O(4.2 ml)を添加した。5分後、水性25%NH3(6 ml)を導入し、この混合物を濃縮乾固した。残留物をFC(溶離剤:A→C)に適用すると、無色泡状物が得られた(900 mg、30%)。
【0355】
TLC (C) : Rf 0.4. UV (MeOH) : 266 (9100). 1H-NMR ((D6) DMSO) : 2.26, 2.82 (2m, H2-C (2')) ; 3.34, 3.48 (2m, H2-C (5')) ; 3.82 (m, H-C (4')) ; 4.44 (m, H-C (3')) ; 4.73 (t, J=5.5, HO-C (5')) ; 5.14 (s, OCH2)) ; 5.17 (d, J=4.3, HO-C (3')) ; 6.60 (‘t’J=6.3, H-C (1')) ; 6.92-7.32 (m, 原子. H) ; 8.41 (s, H-C (3)) ; 10.77 (s, NH) ; 11.30 (s, NH). 分析:計算値:C26H26N6O7 (534.5) : C 58.42, H4.90, N15.72 ; 実測値:C58.68, H4.78, N15.20。
【0356】
N4,N6−ビス(フェノキシアセチル)−1−[2−デオキシ−5−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−β−D−エリスロ−ペントフラノシル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6−ジアミン(6a)。化合物5a (0.8 g、1.5 mmol)をピリジンと2回の共蒸発させた。残留物をピリジン(2 ml)中に溶解し、塩化4,4’−ジメトキシトリチル(0.6 g、1.77 mmol)を添加した。4時間攪拌し、次いで溶液をMeOH(5 ml)で希釈し、5%水性重炭酸ナトリウム(3×20 ml)で洗浄した。有機層を乾燥(Na2SO4)し、濃縮乾固した。残留物をFC(溶離剤:D→E)により精製すると、無色泡状物が得られた(310 mg、25%)。
【0357】
TLC (E) : Rf 0.3. UV (MeOH) : 266 (8900). 1H-NMR : ((D6) DMSO) : 2.32, 2.81 (2m, H2-C (2')) ; 2.99 (2m, H2-C (5')) ; 3.67 (2s, OCH3) ; 3.95 (m, H-C (4')) ; 4.53 (m, H-C (3')) ; 5.15 (s, OCH2)) ; 5.33 (d, J=4.7, HO-C (3')) ; 6.62 (‘t’J=6.3, H-C (1')) ; 6.69-7.31 (m, 原子. H) ; 8.36 (s, H-C (3)) ; 10.83 (s, NH) ; 11.56 (s, NH). 分析:計算値:C47H44N6O9 (836.9) : C 67.45, H5.30, N10.04 ; 実測値:C66.95, H5.41, N10.15。
【0358】
N4,N6−ビス(フェノキシアセチル)−1−[2−デオキシ−5−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−β−D−エリスロ−ペントフラノシル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6−ジアミン3’−[(2−シアノエチル)−N,N−ジイソプロピル−ホスホルアミダイト](7a)。THF(0.5 ml)中の化合物7a(0.15 g、0.18 mmol)の溶液に、(IPr)2EtN(0.12 ml、0.71 mmol)および2−シアノエチルジイソプロピルホスホルアミドクロリダイト(64 mg、0.27 mmol)を添加した。アルゴ雰囲気下に温室において30分間攪拌した。次いで、この混合物をCH2Cl2 (20 ml)および5%水性NaHCO3で希釈した。この混合物をCH2Cl2(3×15 ml)で抽出した。一緒にした有機層を乾燥(Na2SO4)し、蒸発すると、油状物が得られた。残留物をFC(溶離剤:F)にかけると、無色泡状物が得られた(80 mg、43%)。TLC(F):Rf 0.8。31P− NMR(CDCl3):149.2、149.4。
【0359】
N4,N6−ビス(ベンゾイル)−1−[2−デオキシ−β−D−エリスロ−ペントフラノシル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6−ジアミン(5a)。化合物2a[17](1 g、3.8 mmol)をピリジンとの共蒸発させ、ピリジン(40 ml)およびTMS−Cl(4.0 g、36.8 mmol)中に溶解した。反応混合物をアルゴ雰囲気下に攪拌し、0 ℃に冷却し、PhCOCl(6.6 ml、57 mmol)を溶液に30分かけて滴下した。温室において一夜攪拌した後、この混合物をEtOAc(200 ml)中で希釈し、飽和重炭酸ナトリウム溶液(200 ml)および氷冷H2O(200 ml)で洗浄した。水性層をEtOAc(2×400 ml)で抽出した。一緒にした有機層を蒸発乾固し、THF/MeOH/H2O 5:4:1(250 ml)中に溶解した。暗色黄色溶液を0 ℃に冷却し、2N NaOH(25 ml)を添加し、40分間攪拌した。残留物をFC(溶離剤:A→C)により精製すると、1.1 g(61%)の非晶質固体状物が得られた。
【0360】
TLC (B) : Rf 0.3. UV (MeOH) : 245 (16400), 274 (15200). 1H-NMR ((D6) DMSO) : 2.13, 2.67 (2m, H2-C (2')) ; 3.38, 3.52 (2m, H2-C (5')) ; 3.84 (m, H-C (4')) ; 4.46 (m, H-C (3')) ; 4.72 (t, J=5.7, HO-C (5')) ; 5.29 (d, J=4.4, HO-C (3')) ; 6.66 (‘t’J=6.5, H-C (1')) ; 7.51-8.11 (m, 原子. H) ; 8.40 (s, H-C (3)) ; 10.95 (s, NH) ; 11.49 (s, NH). 分析:計算値:C24H22N6O5 (474.5) : C 60.75, H4.67, N17.71 ; 実測値:C61.03, H4.70, N17.58。
【0361】
N4,N6−ビス(ベンゾイル)−1−[2−デオキシ−5−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−β−D−エリスロ−ペントフラノシル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6−ジアミン(6a)。6aについて記載したように、ピリジン(3 ml)中の5a (500 mg、1.05 mmol)およびDMT−Cl(460 mg、1.35 mmol)を使用した。残留物をFC(溶離剤:D→E)により精製すると、400 mg(49%)の無色泡状物が得られた。
TLC (E) : Rf 0.4. UV (MeOH) : 244 (16400), 275 (15200). 1H-NMR ((D6) DMSO) : 2.35, 2.67 (2m, H2-C (2')) ; 3.07, 3.10 (2m, H2-C (5')) ; 3.68, 3.69 (2s, OCH3) ; 3.97 (m, H-C (4')) ; 4.56 (m, H-C (3')) ; 5.35 (d, J=4.8, HO-C (3')) ; 6.72-8.11 (m, 原子. H) ; 8.36 (s, H-C (3)) ; 11.01 (s, NH) ; 11.54 (s, NH)。
【0362】
N4,N6−ビス(ベンゾイル)−1−[2−デオキシ−5−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−β−D−エリスロ−ペントフラノシル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6−ジアミン3’−[(2−シアノエチル)−N,N−ジイソプロピル−ホスホルアミダイト](7b)。7aについて記載したように、THF(3 ml)中の6b(110 mg、0.43 mmol)、(IPr)2EtN(75 μl、0.43 mmol)および2−シアノエチルジイソプロピルホスホルアミドクロリダイト(38 μl、0.17 mmol)を60 ℃において使用した。油状残留物をFC(溶離剤:F)にかけると、92 mg(67%)の無色泡状物が得られた。TLC(F):Rf 0.8。31P− NMR(CDCl3):149.82、149.63。
【0363】
N4,N6−ビス((ジ−n−ブチルアミノ)メチレン)−1−[2−デオキシ−β−D−エリスロ−ペントフラノシル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6−ジアミン(8a)。MeOH(5 ml)中の2a(300 mg、1.13 mmol)の攪拌懸濁液に、N,N−ジ−n−ブチルアミドジメチルアセタール(790 μl、3.39 mmol)を添加した。40 ℃において2時間攪拌した。反応混合物を蒸発乾固し、残留物をシリカゲル上に吸収させた。FC(溶離剤:A→B)に適用すると、2つの主要な生成物が得られた。より速く移動するゾーンから、8aの無色泡状物(330 mg、53%)が単離された。
【0364】
TLC (B) : Rf 0.4. UV (MeOH) : 235 (22800), 274 (13800), 322 (25700). 1H-NMR (CDCl3) : 0.87-0.95 (m, CH2CH3) ; 1.26-1.38 (m, CH2CH3) ; 1.57-1.60 (m, CH2CH2) ; 2.42-2.92 (m, H2-C (2')) ; 3.26-3.72 (2m, H2-C (5'), NCH2) ; 3.88 (m, H-C (4')) ; 4.39 (m, H-C (3')) ; 4.78 (t, J=5.8, HO-C (5')) ; 5.21 (d, J=4.8, HO-C (3')) ; 6.55 (‘t’J=6.9, H-C (1')) ; 7.93 (s, H-C (3)) ; 8.66 (s, N=CH) ; 8.88 (s, N=CH). 分析:計算値:C28H49N8O3 (544.7) : C 61.74, H8.88, N20.57 ; 実測値:C61.71, H8.91, N20.57。
【0365】
より遅く移動するゾーンから、1−[2−デオキシ−β−D−エリスロ−ペントフラノシル]−N6−ビス((ジ−n−ブチルアミノ)メチレン)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6−ジアミン(9a)(80 mg、17%)が得られた。
TLC (B) : Rf 0.3. UV (MeOH) : 235 (23000), 275 (14900), 320 (22100). 1H-NMR ((D6) DMSO) : 0.88-0.95 (m, CH2CH3) ; 1.27-1.36 (m, CH2CH3) ; 1.53-1.62 (m, CH2CH2) ; 2.21 (m, H-C (2')) ; 2.91 (m, H-C (2')) ; 3.38-3.59 (2m, H2-C (5'), NCH2) ; 3.79 (m, H-C (4')) ; 4.40 (m, H-C (3')) ; 4.78 (t, J=5.8, HO-C (5')) ; 5.19 (d, J=4.4, HO-C (3')) ; 6.36 (s, NH2) ; 6.40 (‘t’J=6.5, H-C (1')) ; 7.77 (s, H-C (3)) ; 8.69 (s, N=CH). 分析:計算値:C19H31N7O3 (405.5) : C 56.28, H7.71, N24.18 ; 実測値:C55.98, H7.52, N24.05。
【0366】
N4,N6−ビス((ジ−n−ブチルアミノ)メチレン)−3−ブロモ−1−[2−デオキシ−β−D−エリスロ−ペントフラノシル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6−ジアミン(8b)。8aについて記載したように、MeOH(7 ml)中の2b(350 mg、1 mmol)およびN,N−ジ−n−ブチルアミドジメチルアセタール(720 μl、3.1 mmol)を40 ℃において2時間使用した。FC(溶離剤:A→B)後、2つの主要な生成物が単離された。より速く移動するゾーンから、8bが泡状物(310 mg、50%)として得られた。
TLC (B) : Rf 0.3. UV (MeOH) : 235 (22500), 275 (14500), 320 (22100). 1H-NMR ((D6) DMSO) : 0.94-0.99 (m, CH2CH3) ; 1.32-1.44 (m, CH2CH3) ; 1.59-1.73 (m, CH2CH2) ; 2.21 (m, H-C (2')) ; 2.91 (m, H-C (2')) ; 3.32-3.78 (2m, H2-C (5'), NCH2) ; 3.89 (m, H-C (4')) ; 4.40 (m, H-C (3')) ; 4.78 (t, J=5.8, HO-C (5')) ; 5.19 (d, J=4.4, HO-C (3')) ; 6.81 (‘t’J=6.5, H-C (1')) ; 8.69 (s, N=CH) ; 8.94 (s, N=CH). 分析:計算値:C28H47BrN8O3 (623.6) : C 53.93, H7.60, N17.97 ; 実測値:C54.01, H7.52, N18.05。
【0367】
より遅く移動するゾーンから、3−ブロモ−1−[2−デオキシ−β−D−エリスロ−ペントフラノシル]−N6−ビス((ジ−n−ブチルアミノ)メチレン)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6−ジアミン(9b)(75 mg、16%)が得られた。
TLC (B) : Rf 0.3. UV (MeOH) : 236 (21600), 276 (14000), 320 (21900). 1H-NMR ((D6) DMSO) : 0.90-0.96 (m, CH2CH3) ; 1.30-1.39 (m, CH2CH3) ; 1.59-1.73 (m, CH2CH2) ; 2.23 (m, H-C (2')) ; 2.89 (m, H-C (2')) ; 3.35-3.78 (2m, H2-C (5'), NCH2) ; 3.84 (m, H-C (4')) ; 4.43 (m, H-C (3')) ; 4.80 (t, J=5.7, HO-C (5')) ; 5.23 (d, J=4.6, HO-C (3')) ; 6.40 (s, NH2) ; 6.81 (‘t’J=6.4, H-C (1')) ; 8.65 (s, N=CH). 分析:計算値:C19H30BrN7O3 (484.4) : C 47.11, H6.24, N20.24 ; 実測値:C47.23, H6.52, N20.35。
【0368】
1−[2−デオキシ−5−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−β−D−エリスロ−ペントフラノシル]−N4− ((ジ−n−ブチルアミノ)メチレン)−N6−ホルミル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6−ジアミン(10a)。6aについて記載したように、ピリミジン(0.5 ml)中の8a(80 mg、0.15 mmol)、DMT−Cl(60 mg、0.18 mmol)を使用した。残留物をFC(溶離剤:D→E)により精製すると、85 mg(77%)の無色泡状物が得られた。
TLC (E) : Rf 0.3. UV (MeOH) : 235 (22800), 276 (20000), 320 (24800). 1H-NMR (CDCl3) : 0.98-1.05 (m, CH2CH3) ; 1.14-1.48 (m, CH2CH3) ; 1.65-1.78 (m, CH2CH2) ; 2.42-2.92 (m, H2-C (2')) ; 3.35-3.70 (2m, H2-C (5'), NCH2) ; 3.71 (s,OCH3) ; 4.06 (m, H-C (4')) ; 4.39 (m, H-C (3')) ; 5.21 (d, J=4.8, HO-C (3')) ; 6.55 (‘t’J=6.6, H-C (1')) ; 6.76-7.96 (m, 原子. H) ; 7.94 (d, J=10.5, NH) ; 7.96 (s, H-C (3)) ; 8.81 (s, N=CH) ; 9.57 (d, J=10.5, CHO). 分析:計算値:C41H49N7O6 (735.9) : C 66.92, H6.71, N13.32 ; 実測値:C66.85, H6.56, N13.40。
【0369】
3−ブロモ−1−[2−デオキシ−5−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−β−D−エリスロ−ペントフラノシル]−N4− ((ジ−n−ブチルアミノ)メチレン)−N6−ホルミル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6−ジアミン(10b)。6aについて記載したように、ピリミジン(2 ml)中の8a(310 mg、0.5 mmol)、DMT−Cl(202 mg、0.6 mmol)を使用した。残留物をFC(溶離剤:D→E)により精製すると、250 mg(61%)の無色泡状物が得られた。
TLC (E) : Rf 0.3. UV (MeOH) : 235 (22900), 276 (21100), 320 (25300). 1H-NMR ((D6) DMSO) : 0.90-0.96 (m, CH2CH3) ; 1.28-1.37 (m, CH2CH3) ; 1.61-1.68 (m, CH2CH2) ; 2.21 (m, H-C (2')) ; 2.91 (m, H-C (2')) ; 3.03 (2m, H2-C (5')) ; 3.35-3.52 (m, NCH2) ; 3.69 (s,OCH3) ; 3.90 (m, H-C (4')) ; 4.48 (m, H-C (3')) ; 5.32 (d, J=4.7, HO-C (3')) ; 6.46 (‘t’J=6.2, H-C (1')) ; 6.73-7.31 (m, 原子. H) ; 8.99 (s, N=CH) ; 9.56 (d, J=9.89, NH) ; 10.77 (d, J=9.88, CHO). 分析:計算値:C41H48BrN7O6 (814.8) : C 60.44, H5.94, N12.03 ; 実測値:C60.36, H5.73, N11.85。
【0370】
1−[2−デオキシ−5−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−β−D−エリスロ−ペントフラノシル]−N4− ((ジ−n−ブチルアミノ)メチレン)−N6−ホルミル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6−ジアミン3’−[(2−シアノエチル)−N,N−ジイソプロピル−ホスホルアミダイト](11a)。7aについて記載したように、THF(2 ml)中の10a(110 mg、0.15 mmol)、(IPr)2EtN(78 μl、45 mmol)および2−シアノエチルジイソプロピルホスホルアミドクロリダイト(47 μl、0.2 mmol)を使用した。油状残留物をFC(溶離剤:F)にかけると、75 mg(53%)の無色泡状物が得られた。TLC(F):Rf 0.8。31P− NMR(CDCl3):149.58、149.52。
【0371】
3−ブロモ−1−[2−デオキシ−5−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−β−D−エリスロ−ペントフラノシル]−N4− ((ジ−n−ブチルアミノ)メチレン)−N6−ホルミル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6−ジアミン3’−[(2−シアノエチル)−N,N−ジイソプロピルホスホルアミダイト](11b)。7aについて記載したように、THF(1 ml)中の10b(90 mg、0.11 mmol)、(iPr)2EtN(63 μl、36 mmol)および2−シアノエチルジイソプロピルホスホルアミドクロリダイト(31 μl、0.14 mmol)を使用した。油状残留物をFC(溶離剤:F)にかけると、80 mg(72%)の無色泡状物が得られた。TLC(F):Rf 0.8。31P− NMR(CDCl3):149.58、149.53。
【0372】
実施例 27 −ヨード−誘導体の合成
ハロゲン化「プリン」およびピリミジン塩基を含有するオリゴヌクレオチドを合成した。ブロモおよびヨード置換基を8−アザ−7−デアザプリン−2,6−ジアミン(2b、c)の7位またはウラシル残基(3b、c)の5位の中に導入した。2bを保護するためにイソブチリル残基および2cを保護するためにベンゾイル基を使用して、ホスホルアミダイトを合成した。残基2bまたは2cを含有するデュプレックスは、同一位置に2’−デオキシアデノシン、プリン−2,6−ジアミン2’−デオキシリボヌクレオシド(1)または2aを含有する非修飾対応物よりも常により高いTm値を与えた。
【0373】
デュプレックス5’−d(TAGGTCAATACT)(102)・5’−d(AGTATTGACCTA)(103)中のdAを置換する6つの2d残基は、Tm値を48 ℃から75 ℃(4.5 ℃/修飾)に上昇させた。これと反対に、オリゴヌクレオチドデュプレックスの中に5−ハロゲン化2’−デオキシウリジン3bまたは3cを組込んでも、「プリン」がそれらに対して反対に位置することに無関係に、熱安定性に対する影響は非常にわずかであった。DNAにおいて観測されたデュプレックスの熱安定性に対する正の効果が、また、DNA−RNAハイブリッドまたは平行の向きを有する鎖を有するDNAにおいて見出された。
【0374】
下記のデータは、8−アザ−7−デアザプリン−2,6−ジアミン2’−デオキシリボヌクレオシド2b、cおよび2’−デオキシウリジン誘導体3b、cの7位の中に導入されたハロゲン置換基、例えば、ブロモおよびヨード置換基の効果を比較する(プリンのナンバリングを使用する;スキーム6参照)。これらのヌクレオシドをデュプレックスDNAの種々の位置の中に組込み、そして組込みの数を段階的に増加させる。ハロゲン置換基は主要な溝の中に向けられるので、「プリン」およびピリミジンヌクレオシドの両方の系列において、効果を定量することは重要であった。
【0375】
さらに、安定化効果は修飾されたヌクレオシドの組込み数の増加とともに安定することが他のデュプレックス安定化ヌクレオシドから知られているので、多重組込みの効果を研究した(C. Bailly、M. J. Waring、Nucleic Acids Res. 1998、26、4309およびその中の参考文献;J. Seugi、E. Szakonyi、M. Vorlickova、J. Kypr、J. Biomolec. Struct. Dyn. 1996、13、1035)。7−ハロゲン化7−デアザプリン(=ピロロ[2,3−d]ピリミジン)を組込んだオリゴヌクレオチドデュプレックスは、7−ヨードおよび7−ブロモ化合物の系列において差を示し(F. Seela、M. Zulauf、Chem. Eur. J. 1998、4、1781)、これらはハロゲンの空間的必要条件(ファンデルワールス半径:Br=1.85Å;I=1.98Å(A. Bondi、J. Phys. Chem. 1964、68、441)から生じ、および/またはブロモ残基に比較してヨード置換基のいっそう疎水性の特性から生ずる。
【0376】
こうして、8−アザ−7−デアザプリン−2,6−ジアミンヌクレオシド(2c)の7−ヨード誘導体を合成し、ホスホルアミダイトに変換し、そして7−ヨード化8−アザ−7−デアザプリン−2,6−ジアミンヌクレオシド2cを含有する多数のオリゴヌクレオチドを合成した。これらのデュプレックスの熱安定性を比較すると、B−DNAの主要な溝の同様な環境の中に位置するピリミジンまたは8−アザ−7−デアザプリン残基の中に導入されたハロゲンの間における、デュプレックス安定化における顕著な差が例示される。
【0377】
【化70】
Figure 0004331476
【0378】
2.1. モノマーの合成および性質
6−イソプロポキシ化合物4(F. Seela、G. Becher、Synthesis 1998、2、207)からオートクレーブ中において70 ℃において水性NH3で4日間処理することによって、7−ヨード化8−アザ−7−デアザプリン−2,6−ジアミン2’−デオキシヌクレオシド2cを合成した。ハロゲン化ヌクレオシド2a、b (F. Seela、G. Becher、Synthesis 1998、2、207)ならびに2’−デオキシウリジン誘導体3a〜cはどこかで記載された(J. Asakura、M. J. Robins、J. Org. Chem. 1990、55、4928)。ハロゲン置換基は、最も遅く移動する化合物としてヨード化2cおよび3cを有するRP−HPLCカラム上のヌクレオシドの移動度を変化させる(第5a図および第5b図)。保持時間はヌクレオシドの疎水特性を意味する;塩基−修飾されたオリゴヌクレオチドの組成を後に分析するためにデータを使用した。
【0379】
【表8】
Figure 0004331476
【0380】
修飾されたヌクレオシド2a〜cおよび3a〜cの核塩基は、糖部分のN←→S擬回転平衡に影響を及ぼす。これはDNAの糖ホスフェート主鎖のコンフォメーションに影響を与える。この目的のために、ピラゾロ[3,4−d]ピリミジンヌクレオシド2cならびにピリミジンヌクレオシド3a〜cの1H NMRスペクトルをD2O中で測定し、そして3J[1H,1H]NMRカップリング定数を測定した。プログラムPSEUROT(Van J. Wijk、C. Altona、‘PSEUROT 6.2−A Program for the Conformational Analysis of the Five−Membered Rings’,University of Leiden, July 1993)を使用して、3J[1H,1H]カップリングに基づいてコンフォメーションを解析した。表9によれば、8−アザ−7−デアザプリン−2,6−ジアミンヌクレオシド2aは対応するプリンヌクレオシド1よりも高いN−配座異性体の集団を示す。
【0381】
C(4’)−C(5’)結合の回りのコンフォメーションは、8−アザ−7−デアザプリン−2,6−ジアミンヌクレオシド2cは8−アザ−7−デアザ−2’−デオキシ−グアノシン(F. Seela、G. Becher、H. Rosemeyer、H. Reuter、G. Kastner、I. A. Mikhailopulo、Helv. Chim. Acta 1999、82、105)のようにγt−(−sc)−回転異性体の集団を好むことを示すが、正規のプリンヌクレオシドについて、γ(+)g−(+sc)−またはγ(-)g−(ap)−コンフォメーションが優勢を占める (G. Blackburn、M. J. Gait、‘Nucleic Acids in Chemistry and Biology’、IRL Press、Oxford University Press、1990、p. 28)。また、ピリジンヌクレオシド3a〜cの糖部分のコンフォメーションは5位における置換基により影響を受ける(第9表)。5−置換基をもたない3aとMeまたはハロゲン置換基をもつ誘導体3b、cとの間で主要な変化が観測される。
【0382】
【表9】
Figure 0004331476
【0383】
ヌクレオシド2bのアミノ基の反応性はむしろ1と異なるので、種々の残基を塩基の保護について研究した。以前に、ヌクレオシド2bはN,N−ジ−(n−ブチル)ホルムアミジン(dnb)残基で保護した。今回、一時的保護のプロトコルを使用して、イソブチリル基を導入した(2b→13a)(G. S. Ti、B. L. Gaffney、R. A. Jones、J. Am. Chem. Soc. 1982、104、1316)。副生物として、モノ−保護されたヌクレオシド14が単離された(22%)。モノ−アシル化化合物の生成が他の2,6−ジアミノプリンヌクレオシドの場合において観測されてきている(I. Luyten、
A. V. Aerschot、J. Rozenski、R. Busson、およびP. Herdewijn、Nucleoside Nucleotides 1997、16、1649)。
【0384】
25%水性NH3中で40 ℃において化合物13aまたは14のアルカリ性加水分解を実施するとき、速い脱保護が観測された(スキーム7参照)。13aまたは14の半減期を測定し、それぞれ、4.5分および20.5分であった。それが示すように、この保護基は固相オリゴヌクレオチド合成に適当である。ヨードヌクレオシ2cを保護するために、2bにおけるように一時的保護のプロトコルをを使用したが、この場合において、ベンゾイル基を選択した(2c→13b)。13bの完全な脱保護時間(25%水性NH3中で40 ℃、260 nmにおけるHPLCモニター)は450分であった。段階的反応のために、半減期を測定しなかった。
【0385】
標準的反応条件を使用して、塩基保護ヌクレオシド13a、bならびにピリジンヌクレオシド3a〜cをDMT−誘導体15a、b、および17a〜cに変換した(Y. S. Sanghvi、G. D. Hoke、S. M. Freier、M. C. Zounes、C. Gonzalez、L. Cummins、H. Sasmor、P. D. Cook、Nucleic Acids Res. 1993、21、3197)。DMT−誘導体15a、bのホスフィチル化をTHF中で2−シアノエチルジイソプロピルホスホルアミドクロリダイトの存在下に実施して、ホスホルアミダイト16a、b(スキーム7)を生成した;ジクロロメタン中で17a〜cから、ピリミジン構築ブロック18a〜cを製造した(Y. S. Sanghvi、G. D. Hoke、S. M. Freier、M. C. Zounes、C. Gonzalez、L. Cummins、H. Sasmor、P. D. Cook、Nucleic Acids Res. 1993、21、3197)。
【0386】
それらのホスホルアミダイト(16a、bおよび18a〜c)を固相オリゴヌクレオチド合成において使用した。すべての化合物を1H−、13C−、および31P−NMRスペクトルおよび元素分析により特性決定した(第10表)。8−アザ−7−デアザプリンの13C NMRデータならびにピリミジンヌクレオシドのそれらを第11表に要約する。ゲーテッド・デカップルド・スペクトル(gated−decoupled spectra)に従い、割りあてを実施した。その事柄について情報をわずかの情報与えた文献の検索として、3a〜cのNMRデータを含めた。
【0387】
【化71】
Figure 0004331476
【0388】
【表10】
Figure 0004331476
【0389】
2.2. オリゴヌクレオチド
2.2.1. 合成および特性決定
ホスホルアミダイト16a、bおよび18a〜cならびに標準的構築ブロックを使用して、オリゴヌクレオチドの自動化固相合成(表11〜17)を実施した。合成は標準的プロトコル(S. L. Beauge、M. Caruthers、Tetrahedron Lett. 1981、22、1859)に従い、そしてカップリング収率は常に97%より高かった。ハロゲン化dU−残基を含有するオリゴヌクレオチドは、カノニカルホスホルアミダイトを保護するために4−t−ブチルフェノキシアセチル(tac)基の使用を必要とする(E. Ferrer、C. Fabrega、R. G. Garcia、F. Azorin、R. Eritja、Nucleoside Nucleotides 1996、15、907;J. C. Schulhof、D. Molko、およびR. Teoule、Nucleoside Nucleotides 1987、15、397;R. D. SheardyおよびN. C. Seeman、J. Org. Chem. 1986、51、4301)。
【0390】
これらの場合において、温室において濃アンモニアを使用して脱保護を実施したが、すべての他の場合において、脱保護は60 ℃において実施した。オリゴヌクレオチドを脱トリチル化し、精製カートリッジ(Applied Biosystems、‘User’s Manual for Oligonucleotide Purification Cartridges’)または逆相HPLC(精製条件、実験の部分参照)により精製した。化合物の均質性はイオン交換クロマトグラフィーにより証明された(実験の部分参照)。記載されたように(F. Seela、C. Wei、Helv. Chim. Acta 1999、82、726)ヘビ毒液ホスホジエステラーゼおよび適用を使用するタンデム加水分解および引き続くRP−18 HPLCにより、オリゴヌクレオチドの組成を決定した。典型的な例は第5c図および第5d図に示されている。新しく組込まれたヨードヌクレオシド2cまたは3cはカノニカルDNA構成成分よりもゆっくり移動する。また、オリゴヌクレオチドをMALDI−TOF質量分析により特性決定した。検出された質量は計算値とよく一致する(第18表)。
【0391】
【表11】
Figure 0004331476
【0392】
2.2.2 オリゴヌクレオチドデュプレックスの塩基対安定性
7−ブロモヌクレオシド2bはDNAデュプレックスを強く安定化することが見出されたが、非ハロゲン化化合物2aのデュプレックスに対する寄与は非常にわずかである(また、下記の文献を参照のこと:F. Seela、G. Becher、Helv. Chim. Acta 2000、83、928;F. Seela、G. Becher、M. Zulauf、Nucleoside Nucleotides 1999、18、1399)。デュプレックス安定性に対するプリン−2,6−ジアミンヌクレオシド1の寄与はより低い(C. Cheong、I. J. Tinoco、A. Chollet、Nucleic Acids Res. 1988、16、5115;J. D. Hoheisel、H. Lehrach、FEBS Lett. 1990、274、103)。こうして、化合物1−チミン塩基対を含有するDNAデュプレックスはdA−dT対をもつものよりもほんのわずかに安定である。
【0393】
ブロモヌクレオシド2bの安定化作用が組込み数の増加により連続的に増加するか、あるいは多重組込みにより安定化するかどうかは知られていなかったので−他の修飾されたヌクレオシドについて報告されているように (C. Bailly、M. J. Waring、Nucleic Acids Res. 1998、26、4309およびその中の参考文献)−1系列のオリゴヌクレオチドを合成し、これらのオリゴヌクレオチドは連続的方法でまたは離れた位置にハロゲン化化合物2bを含有した。修飾された残基を二本鎖DNAの一方または両方の鎖の中に組込んだ。組込みの総数をデュプレックスにおいて1から6に増加させた。化合物2aを含有する非ハロゲン化デュプレックスを比較のために製造した。ブロモヌクレオシド2bの組込みを別として、ヨード化合物2cをまた合成した。すべての実験について、非自己相補的デュプレックス5’−d(TAGGTCAATACT)(102)・5’−d(AGTATTGACCTA)(103)を選択した。
【0394】
非ハロゲン化ヌクレオシド2aは標準的デュプレックス102・103のTm値をわずかに1 ℃/修飾された残基だけ増加させる(第11表およびF. Seela、M. Zulauf、2001、提出)。逆に、ブロモ化合物2bは4〜5 ℃の安定化/修飾された残基を寄与し、これは非カノニカル塩基により誘導された、顕著に高い安定化を表す。この効果の強さは配列従属的であるが、デュプレックスの安定性は第6図に示すように2bの組込み数とともに増加する。ヨードヌクレオシド2cをブロモ化合物2bで置換したとき、デュプレックス安定化に関する同様な効果が観測される(第11表)。dG(F. Seela、G. Becher、Helv. Chim. Acta 1999、82、1640) またはdA(F. Seela、M. Zulauf、J. Chem. Soc. Perkin Trans. 1 1999、479)のピラゾロ[3,4−d]ピリミジン誘導体の中に導入されたハロゲン置換基の効果はわずかに2 ℃/修飾された残基である。
【0395】
ハロゲン化2’−デオキシウリジン誘導体3bまたは3cを使用して、ハロゲン化8−アザ−7−デアザプリンヌクレオシド2bまたは2cを含有するデュプレックスについて記載した実験と同様な組の実験を実施した(第12表)。ブロモヌクレオシド3bまたはヨードヌクレオシド3cのいずれも、非ハロゲン化3aまたはdTのそれに比較してデュプレックスの安定性を有意に増加しない。こうして、8−アザ−7−デアザプリン(ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン)部分の7位に位置するハロゲン置換基を有する型I(スキーム8)の塩基対のみがハロゲン置換基により安定化されるが、ピリミジン塩基の5位に結合した型II(スキーム8)の塩基対はdA−dT対を有するものに比較してわずかの影響を発揮する。
【0396】
【化72】
Figure 0004331476
【0397】
【表12】
Figure 0004331476
【0398】
【表13】
Figure 0004331476
【0399】
【表14】
Figure 0004331476
【0400】
dTに対して反対に組込まれたハロゲン化ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン化合物2bまたは2cに比較して、dAをもつハロゲン化ピリミジンヌクレオシド3bまたは3cの塩基対の安定性は低かったので、dAの代わりにプリン−2,6−ジアミンヌクレオシド1に対して反対にハロゲン化ピリミジンヌクレオシド3a〜cが位置する、三座の塩基対を形成する(スキーム9、bp型III)。この場合において、第3水素結合が可能である場合、塩基対の強化を期待することができる。しかしながら、dA−残基をヌクレオシド1で置換することによって、これらのデュプレックスのTm値もまた影響を有意に受けなかった(第13表)。
【0401】
これにより示されるように、IIIa〜c(スキーム9)に示すように2−アミノ基は可能な塩基対に参加せず、これは1とdTとの間の塩基対について観測されたものに類似する(F. Seela、M. Zulauf、2001、提出;C. Cheong、I. J. Tinoco、A. Chollet、Nucleic Acids Res. 1988、16、5115;J. D. Hoheisel、H. Lehrach、FEBS Lett. 1990、274、103)。ヌクレオシド2aとピリミジンヌクレオシド3a〜cとの間で形成した塩基対IVaを含有するデュプレックス(スキーム9)の場合において、同様な挙動が見出された(第13表)。それにもかかわらず、塩基対IVb、cを組込んだデュプレックスは塩基対IIIb、cを含有するものよりもわずかに安定である。
【0402】
【化73】
Figure 0004331476
【0403】
【表15】
Figure 0004331476
【0404】
ピリミジンヌクレオシド3b〜cに対して反対にハロゲン化8−アザ−7−デアザプリンヌクレオシド2bまたは2cを組込むとき、有意なデュプレックス安定化が観測された(第14表およびスキーム10、型VおよびVIのbp)。Tm−増加は約4〜5 ℃/ハロゲン化ヌクレオシド2bまたは2cの組込まれた残基である。ハロゲン化ヌクレオシド2bまたは2cを含有するすべてのデュプレックス(スキーム10)は、どのピリミジンモノマーがそれに対して反対に位置するかどうかにかかわらず、非常に同様なTm値を与える。こうして、修飾されたプリン残基に結合したハロゲン置換基のみがデュプレックス安定化に導くが、2’−デオキシウリジンの5位に結合したハロゲンのデュプレックス安定性に対する寄与は非常にわずかである(S. M. FreierおよびK.−H. Altman、Nucleic Acids Res. 1997、25、4429;F. Seela、Y. He、Helv. Chim. Acta 2000、83、2527;S. Wang、E. T. Kool、Biochemistry 1995、34、4125)。
【0405】
【化74】
Figure 0004331476
【0406】
【表16】
Figure 0004331476
【0407】
2.2.3 塩基の識別
4つのカノニカルDNA−構成成分に対するヨードヌクレオシド2cの識別を研究するために、第15表に従いハイブリダイゼーション実験を実施した。期待されるように、塩基対2c−dTは最も強い(102・100、Tm=59 ℃)が、ミスマッチを形成するデュプレックスのそれらは有意により低い温度において溶融する(第15表)。ヨードヌクレオシド2cの識別はカノニカルヌクレオシドのそれに類似し、ただしデュプレックス401・100(Tm=52 ℃)はデュプレックス102・100(Tm=59 ℃)よりも7 ℃低いTm値を示すが、デュプレックス401・103 (Tm=46 ℃)は親デュプレックス102・103(Tm=48 ℃)とほとんど同一の安定性を有する。401・103の高いTm値は、dGと化合物2cとの間で明らかに形成されないdG−dAフーグスティーン(Hoogsteen)対が形成する結果である。
【0408】
【表17】
Figure 0004331476
【0409】
2−アミノ−8−アザ−7−デアザ−デニン誘導体を含有するデュプレックスのCD−スペクトルを次に測定した。第7a図に表示された曲線から、B様DNA構造を推定することができる。270〜290 nm付近に正のコットン効果および250 nmにおいて負のローブが、標準的デュプレックス(102・103)について観測される。1を含有するデュプレックス104・105のCDスペクトルは110・111のそれに類似する有意差を示すが、デュプレックス108・109は260 nm付近により強いコットン効果および235 nmにおいて正のものを示す。7−置換8−アザ−−7−デアザ−7−ヨードグアニンを含有するオリゴヌクレオチドについて、同様な差が観測された(N. Ramzaeva、F. Seela、Helv. Chim. Acta 1996、79、1549)。
【0410】
2.4 DNA−RNAハイブリッド
DNA−RNAハイブリッドの安定性に対する2、6−ジアミノヌクレオシド1および2a、bの影響を研究するために、オリゴデオキシリボヌクレオチド110、300、302、304、304、104および102をオリゴリボヌクレオチド403とハイブリダイゼーションさせた。第16表は種々の修飾がDNA−RNAハイブリッドのデュプレックス安定性に対して有意な影響を発揮するを示す。非ハロゲン化ヌクレオシド1または2aの組込みはDNA−RNA構造を非常にわずかに安定化するが、2bを含有するオリゴヌクレオチドと403(110・403)とのハイブリダイゼーションはDNAにおけるようなデュプレックス安定性の有意な増加を示す。化合物3bおよび3cはDNA−RNAの熱安定性を小さい程度に増強し、これはまた2’−デオキシウリジンの他の修飾について観測される(B. C Froehler、S. Wadwani、T. J. Terhorst、S. R. Gerrard、Tetrahedron 1992、33、5307;J. Sagi、A. Szemzeu、K. Ebinger、A. Szaboclcs、G. Sagi、E. Ruff、L. Eutveus、Tetrahedron Lett. 1993、34、2191)。キメラハイブリッドの淡色性はDNA−DNAデュプレックスのそれらを超えてわずかに減少される(データは示されていない)。第7B図のCD−スペクトルから理解できるように、DNA−RNAハイブリッドはA−形態を採用する(N. Ramzaeva、C. Mittelbach、F. Seela、Helv. Chim. Acta 1997、80、1809)。
【0411】
【表18】
Figure 0004331476
【0412】
2.5 平行鎖の向きを有するデュプレックス
また、ヌクレオシド1、2a〜cの塩基対合を平行鎖DNAにおいて研究された[29]。この目的のために、dC−dG対をm5 iCd−iCd対で置換することが必要であった。デュプレックス102・115および116・103を標準として使用した(F. Seela、C. Wei、G. Becher、M. Zulauf、P. Leonard、Bioorg. Med. Chem. Lett. 2000、10、289)。dA−残基をジアミノヌクレオシド1で置換すると、ps−デュプレックス104・115および116・105の安定性はわずかに減少した(第17表)。
【0413】
2a〜cをps−DNAの中に組込むと、Tm値が有意に増加した。dTの代わりに置換ピリミジンヌクレオシド3b、cを組込むと、Tm値はわずかに小さく変化するだけである。これから、逆平行連鎖の向きを有するDNAと同様に、「プリン」ヌクレオシド2b、cのハロゲン置換基はこれらのデュプレックスを安定化するが、デュプレックス安定性に対するピリミジンヌクレオシドのハロゲン置換基の寄与は非常にわずかであると結論することができる。
【0414】
【表19】
Figure 0004331476
【0415】
2.3. 結論
8−アザ−7−デアザプリン2’−デオキシヌクレオシド(2b、c)の7位または2’−デオキシウリジン残基(3a〜c)の5位の中に導入されたハロゲン置換基は、核酸デュプレックスの安定性に対して非常に異なる影響を有する。7−ハロゲン化8−アザ−7−デアザプリン2’−デオキシヌクレオシド2b、cの場合において、各モノマーはデュプレックス安定性に対して約4 ℃〜5 ℃を寄与するが、ピリミジンヌクレオシド3a〜cは非常にわずかの影響を示すか、あるいは効果を示さないことさえある。
【0416】
これは驚くべきことである。なぜなら、両方の系列のヌクレオシドはB−DNAの主要な溝の中に向けられ、両方は同一ではなく、非常に類似する環境であるからである。両方の、ハロゲン化ピリミジンおよびハロゲン化8−アザ−7−デアザプリンヌクレオシドがDNA−デュプレックスの中に存在するとき、後者のみがデュプレックス安定性に寄与する。結局、親油性ハロゲン置換基により誘導された主要な溝の疎水性特性および水分子の駆逐は、主要な溝のハロゲン化により誘導される主要な効果ではない。明らかなように、最も近い隣の存在物間のスタッキング相互作用は2b、cの場合において強化されるが、3b、cでは強化されない。
【0417】
2.4. 実験の部分
モノマー。一般的事項。前述の文献を参照のこと(F. Seela、G. Becher、Helv. Chim. Acta 2000、83、928;F. Seela、G. Becher、M. Zulauf、Nucleoside Nucleotides 1999、18、1399;F. Seela、M. Zulauf、J. Chem. Soc. Perkin Trans. 1 1999、479)。フラッシュクロマトグラフィー(FC):シリカゲル60H(Merk、ドイツ国ダーマシュタット)上で0.4バール。薄層クロマトグラフィー(TLC):アルミニウムシート、シリカゲル60 F254(0.2 mm、Merk、ドイツ国)。FCおよびTLCのための溶媒系:CH2Cl2/MeOH 9:1(A)、CH2Cl2/MeOH 95:5(B)、CH2Cl2/アセトン9:1(C)、CH2Cl2/EtOAc 85:15(D)、CH2Cl2/アセトン95:5(E)。融点:Buchi−SMP−20装置(Buchi、スイス国);未補正。NMRスペクトル:Avance−DPX−250およびAMX−500スペクトロメーター(Bruker、ドイツ国);δ値(ppm)は内部SiMe4 (1H、13C)からダウンフィールドである。Microanalytisches Labor Beller (Geuttingen、ドイツ国)により、微量分析を実施した。
【0418】
オリゴヌクレオチド。−オリゴヌクレオチドの合成はDNA合成装置、モデル392(Applied Biosystems、ドイツ国ウェイテルシュタット)により実施した。Cary熱電制御装置を装備したCary−1/3 UV/VISスペクトロメーター(Varian、オーストラリア国)で、溶融曲線を測定した。Pt−100抵抗器を有する参照電池で温度を連続的に測定し、メルトウィン(Meltwin)3.0プログラム(J. A. McDowellD. H. Turner、Biochemistry 1996、35、14077)を使用して、デュプレックス形成の熱力学的データを計算した。
【0419】
サーモスタット(Lauda−RCS−6浴)制御の1 cmのキュベットを有するJasco−600(Jasco、日本国)でCD−スペクトルを記録した。紫外線スペクトル:150−20スペクトロメーター(Hitachi、日本国)。記載されたように(F. Seela、G. Becher、Helv. Chim. Acta 2000、83、928;F. Seela、G. Becher、 M. Zulauf、Nucleoside Nucleotides 1999、18、1399) 下記の吸光係数を使用してオリゴマーの酵素的加水分解実施した:ε2607Gd 2700、dT 8800、dC 7300、dA 15400、dG 11700、2a 8800、2b 8700、2c 8700、3a 10000、3b 4800、3c 3700。ヘビ毒液ホスホジエステラーゼ(EC 3.1.15.1.、Crotallus durissus)およびアルカリ性ホスファターゼ(EC 3.1.3.1.、E. coli)をRoche Diagnostics GmbH(ドイツ国)から入手した。MALDI−TOFスペクトルはBiflex III (Bruker Saxonia、ドイツ国)により測定された。
【0420】
オリゴヌクレオチドの合成および精製。−合成は1 μmolの規模で2a〜cを含有するオリゴヌクレオチドの合成に[(MeO)2Tr]ib2Gd、[(MeO)2Tr]bz6Ad、[(MeO)2Tr]bz4Cdおよび[(MeO)2Tr]Tdおよび3a〜cを含有するオリゴヌクレオチドの合成に[(MeO)2Tr]tac2Gd、[(MeO)2Tr]tac6Ad、[(MeO)2Tr]tac4Cdおよび[(MeO)2Tr]Tdの3’−ホスホロアミダイトを使用して実施した。固体支持体からオリゴヌクレオチドを切断した後、第1のオリゴヌクレオチドを25%NH3中で12〜15時間、60 ℃において脱保護した。後者を脱保護のために25%NH3中で12〜15時間、60 ℃においてインキュベートした。5’−(ジメトキシトリチル)−オリゴマーの精製を逆相HPLC(RP−18)により実施した。
【0421】
下記の溶媒の勾配を使用した(A、0.1M (Et3NH)OAc(pH 7.0)/MeCN 95:5;B、MeCN):3分A中の20%B、12分A中の20〜40%B、1.0 ml/分の流速。濃縮したオリゴヌクレオチド溶液を温室において5分間2.5%CHCl2COOH/CH2Cl2で処理して4,4’−ジメトキシトリチル残基を除去した。脱トリチル化オリゴマーを逆相HPLCで精製した:勾配、20分A中の0〜20%B、流速1 ml/分。オリゴマーを短いカラム(RP−18、シリカゲル)上で脱塩し、次いでSpeed−Vac蒸発装置で凍結乾燥すると、無色固体状物が得られ、これを−24 ℃において凍結させた。精製したオリゴマーを100μlの2回蒸留したH2O中に溶解し、純度をDionex−Nucleopac−PA−100 HPLCカラム(4×250 nm、P/N 043010;Dionex、ドイツ国イドステイン)。
【0422】
ヌクレオシド組成の分析。−オリゴヌクレオチドを0.1 M Tris−HCl緩衝液(pH 8.3)中に溶解し、37 ℃においてヘビ毒液ホスホジエステラーゼ(3 μl)で45分間処理し、次いでアルカリ性ホスファターゼ(3 μl)でさらに30分間処理した。反応混合物を逆相HPLC(RP−18、260 nm、勾配A、0.7 ml/分)。2a〜cおよび3a〜cの保持時間を標準として使用した(第5図)。ヌクレオシドの吸光係数およびピーク面積をオリゴヌクレオチドの組成の定量に使用した(第5a図〜第5d図)。
【0423】
1−(2−デオキシ−β−D−エリスロ−ペントフラノシル)−3−ヨード−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6−ジアミン (2c)。水性25%NH3溶液(80 ml)中の6−アミノ−1−[2’−デオキシ−β−D−エリスロ−ペントフラノシル]−3−ヨード−4−イソプロポキシ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6−ジアミン12(F. Seela、G. Becher、Synthesis 1998、2、207)(1 g、2.3 mmol)の溶液を70 ℃に4日間加熱した。溶媒を蒸発乾固し、残留物を熱水中に溶解し、結晶化させた。融点154 ℃。TLC (A) : Rf 0.2. UV (MeOH) : 223 (31800), 260 (8700), 278 (9100). 1H-NMR ((D6) DMSO) : 2.12 (m, Hα-C (2')) ; 2.67 (m, Hβ-C (2')) ; 3.38, 3.44 (m, H2-C (5')) ; 3.73 (m, H-C (4')) ; 4.33 (m, H-C (3')) ; 4.73 (t, J=5.7, OH-C (5')) ; 5.17 (d, J=4.3, OH-C (3')) ; 6.27 (‘t’J=6.5, H-C (1')) ; 6.34 (br, NH2) ; 6.62 (br, NH2). 分析:計算値:C10H13IN6O3 (392.2) : C 30.63, H3.34, N21.43 ; 実測値:C30.91, H3.61, N21.27。
【0424】
3−ブロモ−1−(2−デオキシ−β−D−エリスロ−ペントフラノシル)−4,6−[(2−メチルプロパノイル)アミノ]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン (12a)。化合物2b (F. Seela、G. Becher、Synthesis 1998、2、207)(0.74 g、2.14 mmol)を無水ピリジンと3回共蒸発させ、温室において攪拌しながら無水ピリジン(5 ml)中に溶解した。Me3SiCl(1.37 ml、10.8 mmol)、および15分後無水イソ酪酸(3.56 ml、21.5 mmol)を添加した。攪拌を3時間続けた。反応混合物を氷浴中で冷却し、H2Oで希釈し、5分後、水性25%NH3 (4.3 ml)を添加した。30分後、反応混合物を蒸発乾固し、トルエンと共蒸発させた(3回)。残基をFC(CH2Cl2/MeOH 9:1)により精製すると、2つのゾーンが得られた。速く移動するゾーンから、化合物13aが無色非晶質固体状物が得られた(500 mg、48%)。
【0425】
Rf (A) 0.4. UV (MeOH) : 284 (9500), 239 (33900). 1H-NMR ((D6) DMSO) : 1.15 (m, 2CH (CH3)2) ; 2.25 (m, Hα-C (2')) ; 2.75 (m, Hβ-C (2')) ; 2.86 (m, 2CH (CH3)2) ; 3.47 (m, H2-C (5')) ; 3.81 (m, H-C (4')) ; 4.44 (m, H-C (3')) ; 4.73 (t, J=5.5, OH-C (5')) ; 5.32 (d, J=4.3, OH-C (3')) ; 6.54 (‘t’J=6.6, H-C (1')) ; 10.59, 10.72 (2s, 2NH). 分析:計算値:C18H25BrN6O5 (485.3) : C 44.55, H5.19, N17.32 ; 実測値:C44.90, H5.28, N16.81。
【0426】
4−ブロモ−3−ブロモ−1−(2−デオキシ−β−D−エリスロ−ペントフラノシル)−6−[(2−メチルプロパノイル)アミノ]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン (14)。上記反応において、ゆっくり移動する移動するゾーンから、無色非晶質固体状物が得られた(0.2 g、22%)。
Rf (A) 0.36. UV (MeOH) : 282 (10900), 237 (49500). 1H-NMR ((D6) DMSO) : 1.04, 1.07 (m, CH (CH3)2) ; 2.21 (m, Hα-C (2')) ; 2.71 (m, Hβ-C (2')) ; 2.90 (m, CH (CH3)2) ; 3.46 (m, H2-C (5')) ; 3.78 (m, H-C (4')) ; 4.38 (m, H-C (3')) ; 4.72 (t, J=5.6, OH-C (5')) ; 5.28 (d, J=4.3, OH-C (3')) ; 6.42 (‘t’J=6.4, H-C (1')) ; 6.96, 7.76 (br, NH2) ; 10.08 (br, NH). 分析:計算値:C14H19BrN6O4 (415.2) : C 40.49, H4.61, N20.24 ; 実測値:C40.58, H4.72, N19.93。
【0427】
1−[2−デオキシ−β−D−エリスロ−ペントフラノシル]−4,6−ジベンズアミド−3−ヨード−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン (12a)。化合物2c (1.0 g、2.55 mmol)をトルエンと2回共蒸発させた。それを無水ピリジン(40 ml)およびTMS−Cl(3.25 ml、25.5 mmol)を攪拌しながら添加した。反応混合物をアルゴ雰囲気下に攪拌し、0 ℃に冷却し、PhCOCl(3.0 ml、25.8 mmol)を30分以内にを滴下した。温室において一夜攪拌した後、この混合物をEtOAc(200 ml)で希釈し、飽和水性NaHCO3溶液(200 ml)および氷冷H2O(200 ml)で洗浄した。水性相をEtOAc(2×400 ml)で抽出した。一緒にした有機相を蒸発乾固し、残留物をTHF/MeOH/H2O(250 ml、5:4:1)中に溶解した。暗色有機溶液を0 ℃に冷却し、次いで2N NaOH(25 ml)を添加し、さらに40分間攪拌した。残留物をFC(CH2Cl2/MeOH、98:2 → CH2Cl2/MeOH、95:5)により精製すると、非晶質固体状物が得られた(1.15 g、75%)。
【0428】
TLC (B) : Rf 0.4. UV (MeOH) : 244 (17400), 276 (14200). 1H-NMR ((D6) DMSO) : 2.13 (m, Hα-C (2')) ; 2.67 (m, Hβ-C (2')) ; 3.38, 3.52 (m, H2-C (5')) ; 3.84 (m, H-C (4')) ; 4.46 (m, H-C (3')) ; 4.72 (t, J=5.7, OH-C (5')) ; 5.29 (d, J=4.4, OH-C (3')) ; 6.66 (‘t’J=6.5, H-C (1')) ; 7.51-8.11 (m, 原子. H) ; 10.54, 10.78 (s, 2NH). 分析:計算値:C24H21IN6O5 (586.4) : C 48.01, H3.53, N14.00 ; 実測値:C47.93, H3.53, N14.05。
【0429】
3−ブロモ−1−[2−デオキシ−5−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−β−D−エリスロ−ペントフラノシル]−4,6−ジイソブチリルアミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン (15a)。化合物13a (0.5 g、1.03 mmol)を無水ピリジンと3回共蒸発させ、ピリジン(1.5 ml)中に溶解した。DMT−Cl(0.45 g、1.33 mmol)を添加し、この混合物を温室において3時間攪拌した。反応をMeOHの添加によりクエンチし、この混合物を蒸発乾固し、トルエンと3回共蒸発させた。FC(CH2Cl2/MeOH10:1)により、無色泡状物として15aが得られた(0.57 g、70%)。
Rf (B) 0.3. UV (MeOH) : 237 (52000), 283 (10500). 1H-NMR ((D6) DMSO) : 1.04-1.17 (m, 2 (CH3)2CH)) ; 2.29 (m, Hα-C (2')) ; 2.85 (m, Hβ-C (2')) ; 2.89 (m, 2 (CH3)2CH)) ; 3.07 (m, H2-C (5')) ; 3.71 (s, 2 MeO) ; 3.94 (m, H-C (4')) ; 4.46 (m, H-C (3')) ; 5.35 (m, OH-C (3')) ; 6.57 (m, H-C (1')) ; 10.57, 10.74 (s, 2NH). 分析:計算値:C39H43BrN6O7 (787.2) : C 59.47, H5.46, N10.67 ; 実測値:C59.08, H5.37, N10.39。
【0430】
3−ブロモ−1−[2−デオキシ−5−O−(4,4’−ジメトキシトリフェニルメチル)−β−D−エリスロ−ペントフラノシル]−4,6−ジイソブチリルアミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン3’−[(2−シアノエチル)−N,N−ジイソプロピルホスホルアミダイト](16a)。無水CH2Cl2(3 ml)中の化合物15a(0.24 g、0.3 mmol)の溶液に、(Ar)(iPr)2EtN(0.16 ml、0.9 mmol)および2−シアノエチルジイソプロピルホスホルアミドクロリダイト(91 μl、0.41 mmol)を添加し、この混合物を温室において30分間攪拌した。反応をTLCによりモニターした。次いで、反応混合物をCH2Cl2で希釈し、水性5%NaHCO3溶液で2回洗浄し、ブラインで洗浄した。有機相を乾燥(Na2SO4)し、生成物をFCにより分離すると、無色泡状物が得られた(0.25 g、84%)。
【0431】
Rf (E) 0.63, 0.69. UV (MeOH) : 282 (10000), 237 (49500). 31P-NMR (CDCl3), 149.61, 149.65. 1H-NMR ((D6) DMSO) : 1.11-1.35 (m, 4CH (CH3)2) ; 2.51 (m, Hα-C (2')) ; 2.66 (m, Hβ-C (2')) ; 2.95-3.91 (m, H2-C (5')) ; CH (CH3)2 ; CH2CH2) ; 3.80 (s, MeO), 4.26 (m, H-C (4')) ; 4.82 (m, H-C (3')) ; 6.71 (m, H-C (1')) ; 6.75-7.44 (m, 原子. H) ; 8.39, 8.59 (br, 2NH). 分析:計算値:C48H60BrN8O8P (921.2) : C 58.36, H6.08, N11.35 ; 実測値:C58.86, H6.18, N11.55。
【0432】
1−[2−デオキシ−5−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−β−D−エリスロ−ペントフラノシル]−4,6−ジベンズアミド−3−ヨード−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン(15b)。化合物13b(450 mg、0.75 mmol)を無水ピリジンと2回共蒸発させた。残留物をピリジン(2 ml)中に溶解し、塩化ジメトキシトリチル(305 mg、0.9 mmol)を添加した。4時間攪拌した後、溶液を5 mlのMeOHで希釈し、水性5%NaHCO3溶液(3×20 ml)で洗浄した。有機相を乾燥(Na2SO4)し、濃縮乾固した。残留物をFC(CH2Cl2/アセトン、95:5→CH2Cl2/アセトン、9:1)により精製すると、375 mg(55%)の無色泡状物が得られた。TLC(CH2Cl2/アセトン、9:1):
【0433】
Rf (B) 0.4. UV (MeOH) : 244 (16900), 276 (16200). 1H-NMR ((D6) DMSO) : 2.35 (m, Hα-C (2')) ; 2.67 (m, Hβ-C (2')) ; 3.07, 3.09 (2m, H2-C (5')) ; 3.70 (s, 20H3) ; 3.96 (m, H-C (4')) ; 4.56 (m, H-C (3')) ; (d, J=4.8, OH-C (3')) ; 6.72-8.11 (m, 原子. H) ; 10.54, 10.78 (2s, 2NH). 分析:計算値:C45H39IN6O7 (902.73) : C 59.87, H4.35, N9.31 ; 実測値:C59.93, H4.33, N9.39。
【0434】
1−[2−デオキシ−5−O−(ジメトキシトリチル)−β−D−エリスロ−ペントフラノシル]−4,6−ジベンズアミド−3−ヨード−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン3’−[(2−シアノエチル)−N,N−ジイソプロピルホスホルアミダイト](16b)。化合物15b(330 mg、0.37 mmol)をTHF(5 ml)中に溶解した。(iPr)2EtN(186 μl、1.07 mmol)および2−シアノエチルジイソプロピルホスホルアミドクロリダイト(108 μl、0.48 mmol)をアルゴ雰囲気下に添加した。30分後、この混合物をCH2Cl2 (20 ml)および水性5%NaHCO3溶液(2×20 ml)で希釈した。この混合物をCH2Cl2(3×15 ml)で抽出した。一緒にした有機相を乾燥(Na2SO4)し、蒸発させると、油状物が得られた。残留物をFC(CH2Cl2/EtOAc、85:15)により精製すると、280 mg(69%)の無色泡状物が得られた。TLC(D):Rf 0.8。31P− NMR(CDCl3):149.37、149.38。
【0435】
実施例 3アレイ前駆体化合物の研究
標準的方法に従い、スキーム11における本発明によるホスホルアミダイト19(=8aおよび16a)〜23および既に前述した標準的A、G、CおよびTホスホルアミダイトから第19表に示すオリゴヌクレオチドを合成した。また、ホスホルアミダイトはグレン・リサーチ(Glen Research)から入手可能であり、製造業者の推奨に従い使用した(注文番号:10−1906−02(20)、10−1964−02(21)、10−1056−02(22)、10−1067−02(23))。記載されたように、260 nmの波長における温度従属的吸収を測定するUV/VIS分光法により、ハイブリダイゼーション挙動を研究した。
【0436】
【化75】
Figure 0004331476
【0437】
【化76】
Figure 0004331476
【0438】
【表20】
Figure 0004331476
【0439】
リポーター基で標識化するときでさえ、溶融挙動は平行および逆平行のモードにおいて非常に類似することを示すことができるであろう。この状況は、本発明の有用性を例示する、本発明による核酸結合性化合物を表面に結合しまたはアレイを構築するとき、あるいは天然または非天然の核酸結合性化合物のアレイにそれが結合するときの状況に類似する。これはリンカーを含有するオリゴヌクレオチド501により例示され、ここでリンカーによりオリゴヌクレオチドは固相に結合し、オリゴヌクレオチド503と同様な標識化ターゲット核酸に対してハイブリダイゼーションすることができる。
【0440】
実施例 4逆平行および平行ハイブリダイゼーションの可視化
平行または逆平行のデュプレックスにおける水素結合の相互作用パターンをスキーム12および13において可視化する。
【0441】
【化77】
Figure 0004331476
【0442】
【化78】
Figure 0004331476
【0443】
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【図面の簡単な説明】
【図1A】 第1A図:化合物2aのデミネイション(demination)の紫外線スペクトル。
【図1B】 第1B図:化合物1、2aおよび2bの高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)プロファイル。
【図2A】 第2A図:2aを含有するオリゴヌクレオチドのヘビ毒液ジエステラーゼ/アルカリ性ホスファターゼ加水分解物の高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)プロファイル。
【図2B】 第2B図:2bを含有するオリゴヌクレオチドのヘビ毒液ジエステラーゼ/アルカリ性ホスファターゼ加水分解物の高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)プロファイル。
【図3】 第3図:逆平行DNA/DNAデュプレックス(第3A図)および逆平行DNA/RNAデュプレックス(第3B図)の円偏光二色性スペクトル。
【図4】 第4図:平行DNA/DNAデュプレックス(第4A図)および平行DNA/RNAデュプレックス(第4B図)の円偏光二色性スペクトル。
【図5】 第5図:ヌクレオシド1、2a〜c(a)および3a〜cおよびdT(b)のHPLCプロファイル。ヌクレオシドの混合物を逆相HPLC上で260 nmにおいて分析した(RP−18、勾配:0.1 Mの(Et3NH)OAc(pH 7.0)/MeCN(95:5)、0.7 ml/分、中で 0〜20)。0.1 MのTris−HCl緩衝液(pH 8.3)中で37 ℃においてヘビ毒液ホスホジエステラーゼで、次いでアルカリ性ホスファターゼで酵素的に加水分解した後における、オリゴヌクレオチド100(c)および304(d)のHPLCプロファイル。HPLCはRP−18カラム(200×10 mm)上、0〜30、上で0.1 Mの(Et3NH)OAc(pH 7.0)/MeCN(95:5)、0.7 ml/分、中で実施した。ピーク検出:260 nm。
【図6】 第6図:Tm増加の傾向vs 2b残基の数。
【図7】 第7図:(a) 100 MmのNaCl、100 mMのMnCl2、および60 mMのNa−カコジレート(pH 7.0)中のデュプレックス102・103・108・109・111・104・105のCDスペクトル。(b) 100 Mm NaCl、100 mMのMnCl2、および60 mMのNa−カコジレート(pH 7.0)中のデュプレックス102・403・108・403・110・403・104・403のCDスペクトル、オリゴヌクレオチドの濃度は5 μM+5 μM(一本鎖濃度)。
【配列表】
Figure 0004331476
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Claims (29)

  1. 複数の核酸結合化合物間の相互作用を分析するための組成物において、当該組成物は、異なる配列を有する複数の核酸結合化合物のアレイを含んでなり、当該複数の核酸結合化合物は、固体支持体に既知の位置において結合しており、そして相補的核酸結合化合物に結合するように選択され、
    ここで、前記核酸結合化合物のみ又は核酸結合化合物と相補的結合化合物は、ヌクレオチド配列及び主鎖を含んで成り、当該主鎖は当該ヌクレオチド配列中のヌクレオチドを連結しそして複素環基に結合しており、当該複素環基は、核塩基に対して塩基対合することが出来る下記の構造:
    Figure 0004331476
    (式中、R1はF、Cl、BrもしくはI原子又はシアノ基であり、
    R2及びR3は水素であり、
    XはNであり、そして
    Dは、当該複素環基の、当該核酸結合化合物への結合位置である)
    で表され、又はその塩であり、そして
    前記主鎖は、下記一般式II:
    Figure 0004331476
    〔式中、
    AはO、S、CH 2 、N−CO−(C 1 −C 10 )−アルキルから成る群から選択され、
    Lはオキシ、スルファンジイル、−CH 2 −および−NR 22 −から成る群から選択され、
    Tはオキソ、チオキソおよびセレノキソから成る群から選択され、
    Uは−OH、O - 、−O−リポーター基、−SH、−S−リポーター基、−SeH、−(C 1 −C 10 )−アルコキシ、−(C 1 −C 10 )−アルキル、−(C 6 −C 22 )−アリール、−(C 6 −C 14 )−アリール−(C 1 −C 10 )−アルキル、−NR 23 R 24 、および−(−O−(C 1 −C 10 )−アルキル) n −R 25 から成る群から選択され、ここでnは1〜6の任意の整数であることができるか、あるいは−NR 23 R 24 はNと一緒になって5〜6員の複素環式環であることができ、
    Vはオキシ、スルファンジイル、−CH 2 −および−NR 22 から成る群から選択され、
    R 14 は−H、−OH、−(C 1 −C 6 )−アルキル、−(C 1 −C 10 )−アルコキシ、−(C 2 −C 10 )−アルケニルオキシ、−ハロゲン、−アジド、−O−アリル、−O−アルキニル、およびNH 2 から成る群から選択され、
    R 22 は−Hおよび−(C 1 −C 10 )−アルキルから成る群から独立して選択され、
    R 23 およびR 24 は−(C 1 −C 10 )−アルキル、−(C 1 −C 20 )−アリール、−(C 6 −C 14 )−アリール−(C 1 −C 10 )−アルキル、−(C 1 −C 6 )−アルキル−[NH(CH 2 ) c ] d −NR 26 R 27 およびリポーター基から成る群から独立して選択され、
    R 25 は−H、−OH、−ハロゲン、−アミノ、−(C 1 −C 18 )−アルキルアミノ、−COOH、−CONH 2 および−COO (C 1 −C 4 )−アルキルおよびリポーター基から成る群から選択され、
    R 26 およびR 27 は−H、−(C 1 −C 6 )−アルキル、および−(C 1 −C 4 )−アルコキシ−(C 1 −C 6 )−アルキルおよびリポーター基から成る群から独立して選択され、
    cは2〜6の整数であり、
    dは0〜6の整数であり、
    Bは、前記複素環基への結合手である〕
    で示される構造を有する、
    ことを特徴とする組成物。
  2. 前記固体支持体が、シリカ、ポリマー材料、ガラス、多孔性ガラス、ビーズ、チップ及びスライドから成る群から選択される、請求項1に記載の組成物。
  3. R1がBr又はIである、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 核酸結合化合物の、捕捉プローブとしての使用において、当該核酸結合化合物が、ヌクレオチド配列及び主鎖を含んで成り、当該主鎖は当該ヌクレオチド配列中のヌクレオチドを連結しそして複素環基に結合しており、当該複素環基は、核塩基に対して塩基対合することが出来る下記の構造:
    Figure 0004331476
    (式中、R1はF、Cl、BrもしくはI原子又はシアノ基であり、
    R2及びR3は水素であり、
    XはNであり、そして
    Dは、当該複素環基の、当該核酸結合化合物への結合位置である)
    で表され、又はその塩であり、そして
    前記主鎖は、下記一般式II:
    Figure 0004331476
    〔式中、
    AはO、S、CH 2 、N−CO−(C 1 −C 10 )−アルキルから成る群から選択され、
    Lはオキシ、スルファンジイル、−CH 2 −および−NR 22 −から成る群から選択され、
    Tはオキソ、チオキソおよびセレノキソから成る群から選択され、
    Uは−OH、O - 、−O−リポーター基、−SH、−S−リポーター基、−SeH、−(C 1 −C 10 )−アルコキシ、−(C 1 −C 10 )−アルキル、−(C 6 −C 22 )−アリール、−(C 6 −C 14 )−アリール−(C 1 −C 10 )−アルキル、−NR 23 R 24 、および−(−O−(C 1 −C 10 )−アルキル) n −R 25 から成る群から選択され、ここでnは1〜6の任意の整数であることができるか、あるいは−NR 23 R 24 はNと一緒になって5〜6員の複素環式環であることができ、
    Vはオキシ、スルファンジイル、−CH 2 −および−NR 22 から成る群から選択され、
    R 14 は−H、−OH、−(C 1 −C 6 )−アルキル、−(C 1 −C 10 )−アルコキシ、−(C 2 −C 10 )−アルケニルオキシ、−ハロゲン、−アジド、−O−アリル、−O−アルキニル、およびNH 2 から成る群から選択され、
    R 22 は−Hおよび−(C 1 −C 10 )−アルキルから成る群から独立して選択され、
    R 23 およびR 24 は−(C 1 −C 10 )−アルキル、−(C 1 −C 20 )−アリール、−(C 6 −C 14 )−アリール−(C 1 −C 10 )−アルキル、−(C 1 −C 6 )−アルキル−[NH(CH 2 ) c ] d −NR 26 R 27 およびリポーター基から成る群から独立して選択され、
    R 25 は−H、−OH、−ハロゲン、−アミノ、−(C 1 −C 18 )−アルキルアミノ、−COOH、−CONH 2 および−COO (C 1 −C 4 )−アルキルおよびリポーター基から成る群から選択され、
    R 26 およびR 27 は−H、−(C 1 −C 6 )−アルキル、および−(C 1 −C 4 )−アルコキシ−(C 1 −C 6 )−アルキルおよびリポーター基から成る群から独立して選択され、
    cは2〜6の整数であり、
    dは0〜6の整数であり、
    Bは、前記複素環基への結合手である〕
    で示される構造を有する、
    ことを特徴とする使用。
  5. R1がBr又はIである、請求項4に記載の使用。
  6. 核酸の存在、不存在又は量を決定するための方法において、
    前記核酸を含むと予想されるサンプルを用意し、
    前記核酸の部分又は全体に対してストリンジェント条件下でハイブリダイズすることが出来る程相補的である核酸結合化合物を用意し、
    前記サンプルと前記核酸結合化合物とを、当該核酸結合化合物が当該核酸に結合して二本鎖を形成するストリンジィエント条件下で接触せしめ、そして
    前記核酸結合化合物と前記核酸とのハイブリダイゼーションの程度又は結合生成物を測定して、前記核酸の存在、不存在又は量の測定結果とする、
    ことを含んでなり、
    前記核酸結合化合物が、ヌクレオチド配列及び主鎖を含んで成り、当該主鎖は当該ヌクレオチド配列中のヌクレオチドを連結しそして複素環基に結合しており、当該複素環基は、核塩基に対して塩基対合することが出来る下記の構造:
    Figure 0004331476
    (式中、R1はF、Cl、BrもしくはI原子又はシアノ基であり、
    R2及びR3は水素であり、
    XはNであり、そして
    Dは、当該複素環基の、当該核酸結合化合物への結合位置である)
    で表され、又はその塩であり、そして
    前記主鎖は、下記一般式II:
    Figure 0004331476
    〔式中、
    AはO、S、CH 2 、N−CO−(C 1 −C 10 )−アルキルから成る群から選択され、
    Lはオキシ、スルファンジイル、−CH 2 −および−NR 22 −から成る群から選択され、
    Tはオキソ、チオキソおよびセレノキソから成る群から選択され、
    Uは−OH、O - 、−O−リポーター基、−SH、−S−リポーター基、−SeH、−(C 1 −C 10 )−アルコキシ、−(C 1 −C 10 )−アルキル、−(C 6 −C 22 )−アリール、−(C 6 −C 14 )−アリール−(C 1 −C 10 )−アルキル、−NR 23 R 24 、および−(−O−(C 1 −C 10 )−アルキル) n −R 25 から成る群から選択され、ここでnは1〜6の任意の整数であることができるか、あるいは−NR 23 R 24 はNと一緒になって5〜6員の複素環式環であることができ、
    Vはオキシ、スルファンジイル、−CH 2 −および−NR 22 から成る群から選択され、
    R 14 は−H、−OH、−(C 1 −C 6 )−アルキル、−(C 1 −C 10 )−アルコキシ、−(C 2 −C 10 )−アルケニルオキシ、−ハロゲン、−アジド、−O−アリル、−O−アルキニル、およびNH 2 から成る群から選択され、
    R 22 は−Hおよび−(C 1 −C 10 )−アルキルから成る群から独立して選択され、
    R 23 およびR 24 は−(C 1 −C 10 )−アルキル、−(C 1 −C 20 )−アリール、−(C 6 −C 14 )−アリール−(C 1 −C 10 )−アルキル、−(C 1 −C 6 )−アルキル−[NH(CH 2 ) c ] d −NR 26 R 27 およびリポーター基から成る群から独立して選択され、
    R 25 は−H、−OH、−ハロゲン、−アミノ、−(C 1 −C 18 )−アルキルアミノ、−COOH、−CONH 2 および−COO (C 1 −C 4 )−アルキルおよびリポーター基から成る群から選択され、
    R 26 およびR 27 は−H、−(C 1 −C 6 )−アルキル、および−(C 1 −C 4 )−アルコキシ−(C 1 −C 6 )−アルキルおよびリポーター基から成る群から独立して選択され、
    cは2〜6の整数であり、
    dは0〜6の整数であり、
    Bは、前記複素環基への結合手である〕
    で示される構造を有する、
    ことを特徴とする方法。
  7. 前記核酸結合化合物が、蛍光性化合物、スピン標識、ハプテン、及び原子間力顕微鏡(AFM)又は走査トンネル顕微鏡(STM)により検出可能な基からなる群から選択されるレポーター基を有する、請求項6に記載の方法。
  8. 前記レポーター基が蛍光ラベルである、請求項7に記載の方法。
  9. 前記核酸結合化合物が、前記蛍光ラベルによる蛍光の放射を消光する消光剤を更に含んでなる、請求項8に記載の方法。
  10. 前記蛍光ラベルがフルオレッセインであり、そして前記消光剤が蛍光ローダミン又はシアニンである、請求項9に記載の方法。
  11. 前記蛍光ラベルと前記消光剤との間の空間関係をハイブリダイゼーション後に変更する工程を更に含み、前記蛍光ラベルと前記消光剤との間の空間関係の変更が、前記核酸結合化合物のエキソヌクレアーゼ加水分解により達成され、エキソヌクレアゼ加水分解の結果としてラベルの遊離が起こる、請求項9又は10に記載の方法。
  12. 前記核酸結合化合物と前記核酸との間のハイブリダイゼーションの程度が、ハイブリダイゼーション後に核酸結合化合物から遊離するラベルの量により決定される、請求項11に記載の方法。
  13. 前記核酸結合化合物と前記核酸との間のハイブリダイゼーションの程度が、核酸結合化合物のプライミング能力により決定される、請求項6に記載の方法。
  14. 前記のプライミングが、ポリメラーゼ連鎖反応の部分として生ずる、請求項13に記載の方法。
  15. 1より多くの核酸結合化合物が使用される、請求項8に記載の方法。
  16. 2の核酸結合化合物が使用される、請求項15に記載の方法。
  17. 前記2の核酸結合化合物の第1が蛍光ドナーを含んでなり、そして前記2の核酸結合化合物の第2が蛍光アクセプターを含んでなり、ここで、当該蛍光ドナーの放射波長が前記蛍光アクセプターの吸収波長と重なる、請求項16に記載の方法。
  18. ハイブリダイゼーションの程度が、前記蛍光ドナーと前記蛍光アクセプターとの間で移動しそして当該傾向アクセプターにより放射される光の量により決定される、請求項17に記載の方法。
  19. 前記ハイブリダイゼーションの程度が、前記核酸結合化合物と前記核酸との間の溶融温度の測定により決定される、請求項18に記載の方法。
  20. R1がBr又はIである、請求項6〜19のいずれか1項に記載の方法。
  21. プライマー延長のための方法において、当該方法が、
    a)標的配列を含んでなる核酸を用意し、
    b)前記核酸配列に相補的な1又は複数の核酸結合化合物を用意し、
    c)重合酵素及びヌクレオチド基質を用意し、そして
    d)前記核酸、前記核酸結合化合物、前記酵素及び基質を、重合のために好都合な条件下でインキュベートする、
    ことを含んでなり、ここで、前記核酸結合化合物が、ヌクレオチド配列及び主鎖を含んで成り、当該主鎖は当該ヌクレオチド配列中のヌクレオチドを連結しそして複素環基に結合しており、当該複素環基は、核塩基に対して塩基対合することが出来る下記の構造:
    Figure 0004331476
    (式中、R1はF、Cl、BrもしくはI原子又はシアノ基であり、
    R2及びR3は水素であり、
    XはNであり、そして
    Dは、当該複素環基の、当該核酸結合化合物への結合位置である)
    で表され、又はその塩であり、そして
    前記主鎖は、下記一般式II:
    Figure 0004331476
    〔式中、
    AはO、S、CH 2 、N−CO−(C 1 −C 10 )−アルキルから成る群から選択され、
    Lはオキシ、スルファンジイル、−CH 2 −および−NR 22 −から成る群から選択され、
    Tはオキソ、チオキソおよびセレノキソから成る群から選択され、
    Uは−OH、O - 、−O−リポーター基、−SH、−S−リポーター基、−SeH、−(C 1 −C 10 )−アルコキシ、−(C 1 −C 10 )−アルキル、−(C 6 −C 22 )−アリール、−(C 6 −C 14 )−アリール−(C 1 −C 10 )−アルキル、−NR 23 R 24 、および−(−O−(C 1 −C 10 )−アルキル) n −R 25 から成る群から選択され、ここでnは1〜6の任意の整数であることができるか、あるいは−NR 23 R 24 はNと一緒になって5〜6員の複素環式環であることができ、
    Vはオキシ、スルファンジイル、−CH 2 −および−NR 22 から成る群から選択され、
    R 14 は−H、−OH、−(C 1 −C 6 )−アルキル、−(C 1 −C 10 )−アルコキシ、−(C 2 −C 10 )−アルケニルオキシ、−ハロゲン、−アジド、−O−アリル、−O−アルキニル、およびNH 2 から成る群から選択され、
    R 22 は−Hおよび−(C 1 −C 10 )−アルキルから成る群から独立して選択され、
    R 23 およびR 24 は−(C 1 −C 10 )−アルキル、−(C 1 −C 20 )−アリール、−(C 6 −C 14 )−アリール−(C 1 −C 10 )−アルキル、−(C 1 −C 6 )−アルキル−[NH(CH 2 ) c ] d −NR 26 R 27 およびリポーター基から成る群から独立して選択され、
    R 25 は−H、−OH、−ハロゲン、−アミノ、−(C 1 −C 18 )−アルキルアミノ、−COOH、−CONH 2 および−COO (C 1 −C 4 )−アルキルおよびリポーター基から成る群から選択され、
    R 26 およびR 27 は−H、−(C 1 −C 6 )−アルキル、および−(C 1 −C 4 )−アルコキシ−(C 1 −C 6 )−アルキルおよびリポーター基から成る群から独立して選択され、
    cは2〜6の整数であり、
    dは0〜6の整数であり、
    Bは、前記複素環基への結合手である〕
    で示される構造を有する、
    ことを特徴とする方法。
  22. 前記の方法が、ポリメラーゼ連鎖反応の部分である、請求項21に記載の方法。
  23. 前記方法が、cDNA分子の合成に使用される、請求項21に記載の方法。
  24. R1がBr又はIである、請求項2123のいずれか1項に記載の方法。
  25. 核酸中の標的配列のヌクレオチド配列を決定する方法において、当該方法が、
    a)標的配列を含んでなる核酸を用意し、
    b)既知配列を有する少なくとも2の核酸結合化合物を用意し、当該少なくとも2の核酸結合化合物の一方は前記標的配列の完全に相補的な配列を有し、そして当該すくなくとも2の核酸結合化合物の少なくとも1の他方は関連する標的配列を有し、
    c)前記少なくとも2の核酸結合化合物を前記核酸と共に、ハイブリダイゼーション条件下でインキュベートし、そして
    d)前記核酸結合化合物のそれぞれと前記核酸との間のハイブリダイゼーションの程度を決定する、
    ことを含んでなり、ここで、前記核酸結合化合物が、ヌクレオチド配列及び主鎖を含んで成り、当該主鎖は当該ヌクレオチド配列中のヌクレオチドを連結しそして複素環基に結合しており、当該複素環基は、核塩基に対して塩基対合することが出来る下記の構造:
    Figure 0004331476
    (式中、R1はF、Cl、BrもしくはI原子又はシアノ基であり、
    R2及びR3は水素であり、
    XはNであり、そして
    Dは、当該複素環基の、当該核酸結合化合物への結合位置である)
    で表され、又はその塩であり、そして
    前記主鎖は、下記一般式II:
    Figure 0004331476
    〔式中、
    AはO、S、CH 2 、N−CO−(C 1 −C 10 )−アルキルから成る群から選択され、
    Lはオキシ、スルファンジイル、−CH 2 −および−NR 22 −から成る群から選択され、
    Tはオキソ、チオキソおよびセレノキソから成る群から選択され、
    Uは−OH、O - 、−O−リポーター基、−SH、−S−リポーター基、−SeH、−(C 1 −C 10 )−アルコキシ、−(C 1 −C 10 )−アルキル、−(C 6 −C 22 )−アリール、−(C 6 −C 14 )−アリール−(C 1 −C 10 )−アルキル、−NR 23 R 24 、および−(−O−(C 1 −C 10 )−アルキル) n −R 25 から成る群から選択され、ここでnは1〜6の任意の整数であることができるか、あるいは−NR 23 R 24 はNと一緒になって5〜6員の複素環式環であることができ、
    Vはオキシ、スルファンジイル、−CH 2 −および−NR 22 から成る群から選択され、
    R 14 は−H、−OH、−(C 1 −C 6 )−アルキル、−(C 1 −C 10 )−アルコキシ、−(C 2 −C 10 )−アルケニルオキシ、−ハロゲン、−アジド、−O−アリル、−O−アルキニル、およびNH 2 から成る群から選択され、
    R 22 は−Hおよび−(C 1 −C 10 )−アルキルから成る群から独立して選択され、
    R 23 およびR 24 は−(C 1 −C 10 )−アルキル、−(C 1 −C 20 )−アリール、−(C 6 −C 14 )−アリール−(C 1 −C 10 )−アルキル、−(C 1 −C 6 )−アルキル−[NH(CH 2 ) c ] d −NR 26 R 27 およびリポーター基から成る群から独立して選択され、
    R 25 は−H、−OH、−ハロゲン、−アミノ、−(C 1 −C 18 )−アルキルアミノ、−COOH、−CONH 2 および−COO (C 1 −C 4 )−アルキルおよびリポーター基から成る群から選択され、
    R 26 およびR 27 は−H、−(C 1 −C 6 )−アルキル、および−(C 1 −C 4 )−アルコキシ−(C 1 −C 6 )−アルキルおよびリポーター基から成る群から独立して選択され、
    cは2〜6の整数であり、
    dは0〜6の整数であり、
    Bは、前記複素環基への結合手である〕
    で示される構造を有する、
    ことを特徴とする方法。
  26. 前記少なくとも1の他方の核酸結合化合物が、標的配列に対して単一のヌクレオチドミスマッチを有する、請求項25に記載の方法。
  27. R1がBr又はIである、請求項25又は26に記載の方法。
  28. ヌクレオチド配列及び主鎖を含んで成る核酸結合化合物において、当該主鎖は当該ヌクレオチド配列中のヌクレオチドを連結しそして複素環基に結合しており、当該複素環基は、核塩基に対して塩基対合することが出来る下記の構造:
    Figure 0004331476
    (式中、R1はF、Cl、BrもしくはI原子又はシアノ基であり、
    R2及びR3は水素であり、
    XはNであり、そして
    Dは、当該複素環基の、当該核酸結合化合物への結合位置である)
    で表され、又はその塩であり、そして
    前記主鎖は、下記一般式II:
    Figure 0004331476
    〔式中、
    AはO、S、CH 2 、N−CO−(C 1 −C 10 )−アルキルから成る群から選択され、
    Lはオキシ、スルファンジイル、−CH 2 −および−NR 22 −から成る群から選択され、
    Tはオキソ、チオキソおよびセレノキソから成る群から選択され、
    Uは−OH、O - 、−O−リポーター基、−SH、−S−リポーター基、−SeH、−(C 1 −C 10 )−アルコキシ、−(C 1 −C 10 )−アルキル、−(C 6 −C 22 )−アリール、−(C 6 −C 14 )−アリール−(C 1 −C 10 )−アルキル、−NR 23 R 24 、および−(−O−(C 1 −C 10 )−アルキル) n −R 25 から成る群から選択され、ここでnは1〜6の任意の整数であることができるか、あるいは−NR 23 R 24 はNと一緒になって5〜6員の複素環式環であることができ、
    Vはオキシ、スルファンジイル、−CH 2 −および−NR 22 から成る群から選択され、
    R 14 は−H、−OH、−(C 1 −C 6 )−アルキル、−(C 1 −C 10 )−アルコキシ、−(C 2 −C 10 )−アルケニルオキシ、−ハロゲン、−アジド、−O−アリル、−O−アルキニル、およびNH 2 から成る群から選択され、
    R 22 は−Hおよび−(C 1 −C 10 )−アルキルから成る群から独立して選択され、
    R 23 およびR 24 は−(C 1 −C 10 )−アルキル、−(C 1 −C 20 )−アリール、−(C 6 −C 14 )−アリール−(C 1 −C 10 )−アルキル、−(C 1 −C 6 )−アルキル−[NH(CH 2 ) c ] d −NR 26 R 27 およびリポーター基から成る群から独立して選択され、
    R 25 は−H、−OH、−ハロゲン、−アミノ、−(C 1 −C 18 )−アルキルアミノ、−COOH、−CONH 2 および−COO (C 1 −C 4 )−アルキルおよびリポーター基から成る群から選択され、
    R 26 およびR 27 は−H、−(C 1 −C 6 )−アルキル、および−(C 1 −C 4 )−アルコキシ−(C 1 −C 6 )−アルキルおよびリポーター基から成る群から独立して選択され、
    cは2〜6の整数であり、
    dは0〜6の整数であり、
    Bは、前記複素環基への結合手である〕
    で示される構造を有する、
    ることを特徴とする核酸結合化合物。
  29. R1がBr又はIである、請求項28に記載の核酸結合化合物。
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