図1は、本発明を適用したパーソナルコンピュータ13の利用例を示している。
ハイビジョンデジタルビデオテープレコーダ(以下、HDVと称する)11は、例えばHDV規格の1080i方式に従って撮像した結果得られた高精細なハイビジョン映像のビデオデータ(以下、HDVデータと称する)を、デジタルビデオテープ12に記録することができる。
HDV11はまた、デジタルビデオテープ12に記録されたHDVデータを、ユーザの手動操作により再生して図示せぬ表示部に表示したり、パーソナルコンピュータ13の制御に基づいて再生し、再生ビデオ信号を、接続線15を介してパーソナルコンピュータ13に送信することができる。
パーソナルコンピュータ(以下、PCと称する)13は、HDV11を制御して、再生させるとともに、HDV11から接続線15を介して送信されてきた再生ビデオ信号に対応するDVのフォーマットをDVD(Digital Versatile Disc)のフォーマット(例えば、MPEG-2(Moving Picture Experts Group-2)フォーマット)に変換し、PC13に装着されたDVD14に書き込むことができる(記録させることができる)。なお、ここでは、DVD-R、DVD-RW、DVD+R、DVD+RW、および、DVD-RAMを全て一括して、DVD14と称している。
例えばHDV11で撮影が繰り返し行われ、デジタルビデオテープ12に、1枚のDVD14の記録容量(例えば、4.3GB)を超えるHDVデータが記録されている場合、PC13は、HDV11から供給されるそのHDVデータを、複数のDVD14−1,14−2,・・・に分けて記録する。その際、PC13は、HDV11でのユーザの撮影操作に応じて分割される撮影された映像の録画区間(チャプタ)が適切に再生されるように、DVD14に記録する(後述)。
接続線15は、有線でも無線でもよく、その実施の形態は特に限定されないが、この例においては、例えば、i.LINK(商標)の専用ケーブルとする。i.LINKは、本願出願人であるソニー株式会社の商標であり、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)1394の高速デジタルシリアルインターフェースである。従って、PC13とHDV11間のデータの授受は、IEEE1394の規格に準拠して行われる。
図2は、PC13の詳細な構成例を表している。
図2のPC13において、CPU21は、例えば、インテル(Intel)社製のペンティアム(登録商標)プロセッサ等で構成され、フロントサイドバス(FSB)54に接続されている。FSB54にはさらに、ノースブリッジ23が接続されており、ノースブリッジ23は、AGP(Accelerated Graphics Port)55を有しているとともに、ハブインタフェース53に接続されている。
ノースブリッジ23は、例えば、インテル社製のAGP Host Bridge Controllerである440BXなどで構成されており、CPU21およびメモリ22を制御する。メモリ22は、RAM(Random Access Memory)、および、キャッシュメモリ(いずれも図示せず)として構成されている。
RAMは、例えば、DRAM(Dynamic RAM)で構成され、CPU21が実行するプログラム、またはCPU21の動作に必要なデータを記憶する。具体的には、例えば、RAMは、起動が完了した時点において、HDD34からロードされたOS(Operating System)やインターネットプログラム、後述するプログラムなどを記憶する。OSは、例えば、マイクロソフト社のいわゆるウィンドウズ(登録商標)XP、またはアップルコンピュータ社のいわゆるMac OS(登録商標)等に代表される、コンピュータの基本的な動作を制御するプログラムである。
キャッシュメモリは、SRAM(Static RAM)などRAMと比較して、より高速な書き込みまたは読み出しの動作を実行できるメモリで構成され、CPU21が使用するプログラムまたはデータをキャッシュする(一時的に記憶する)。
なお、CPU21は、その内部に1次的な、キャッシュメモリに比較して、より高速に動作でき、CPU21自身が制御するキャッシュを有する。
CPU21が実行するプログラムは、リムーバル記録媒体49に一時的わるいは永続的に格納(記録)しておくことができる。このようなリムーバル記録媒体49は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することができる。またプログラムは、ダウンロードサイトから、衛星放送用の人工衛星を介して、無線で転送したり、LANやインターネットといったネットワークを介して転送し、そのようにして転送されてくるプログラムを、受信し内蔵するメモリ22にインストールすることができる。
ノースブリッジ23はまた、AGP55を介して、ビデオコントローラ24を制御する。ビデオコントローラ24は、LCD(Liquid Crystal Display)25またはVGA(Video Graphics Array)方式のディスプレイ(以下、VGA26と記述する)をコントロールする。
ビデオコントローラ24は、CPU21から供給されるデータ(イメージデータまたはテキストデータなど)を受信して、受信したデータに対応するイメージデータを生成するか、または、受信したデータをそのまま内蔵するビデオメモリ(図示せず)に記憶する。ビデオコントローラ24は、LCD25またはVGA26に、ビデオメモリに記憶されているイメージデータに対応する画像を表示させる。LCD25またはVGA26は、ビデオコントローラ24から供給されたデータを基に、画像または文字などを表示する。
ノースブリッジ23はさらに、ハブインタフェース53を介して、サウスブリッジ27とも接続されている。サウスブリッジ27は、例えば、インテル社製のPIIX4Eなどで構成されており、ACリンクバス56、USBバス57、または、IDEバス58に接続されるデバイスの制御等、各種のI/O(Input / Output)を制御する。
具体的には、ACリンクバス56には、モデム28、および、音声入出力部29が接続されている。モデム28は、公衆回線網に接続されており、公衆回線網またはインターネット(いずれも図示せず)を介する通信処理を実行する。音声入出力部29は、マイクロフォン(図示せず)から音声を取り込み、その音声に対応するデータを生成して、メモリ22に出力する。また音声入出力部29は、スピーカ(図示せず)を駆動して、スピーカに音声を出力させる。
サウスブリッジ27のUSBバス57には、USBコネクタ30が接続され、各種USBデバイスが接続可能になされている。またUSBバス57を介して、メモリースティックスロット31とブルーテゥース通信部33が接続されている。メモリースティックスロット31には、メモリースティック(商標)32が装着される。
メモリースティック32は、本願出願人であるソニー株式会社によって開発されたフラッシュメモリカードの一種である。このメモリースティック32は、縦21.5×横50×厚さ2.8[mm]の小型薄型形状のプラスチックケース内に電気的に書換えや消去が可能な不揮発性メモリであるEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory )の一種であるフラッシュメモリ素子を格納したものであり、10ピン端子を介して画像や音声、音楽等の各種データの書き込み及び読み出しが可能となっている。ブルーテゥース通信部33は、ブルーテゥース規格による通信を行う。
サウスブリッジ27のIDEバス58には、HDD34が接続されている。また、IDEバス58には、いわゆるIDEデバイスと称される、CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)ドライブ35や、DVD-R/RWドライブ36が電気的に接続される。DVD-R/RWドライブ36には、上述したDVD14が装着される。
サウスブリッジ27にはまた、BIOS(Basic Input Output System)39、PCI(Peripheral Component Interconnect)バス51、および、LPC(Low Pin Count)バス52が接続されている。
BIOS39は、PC13の基本動作命令を集めたプログラム群であり、例えば、ROM(Read Only Memory)(図示せず)などに記憶されている。また、BIOS39は、OSまたはアプリケーションプログラムと周辺機器との間でのデータの受け渡し(入出力)を制御する。
LPCバス52には、I/O(Input/Output)インタフェース37、およびコントローラ38が接続されている。
I/Oインタフェース37には、パラレル端子40とシリアル端子41が接続されており、それぞれの端子に接続された機器とのデータの授受を行う。
コントローラ38には、ジョグダイヤル42、キーボード43、および、マウス44等の入力機器(入力手段)が接続されており、コントローラ38は、これらの入力機器の制御を行うとともに、電源装置(図示せず)より供給される電力の制御も行う。
PCIバス51には、i.LINK45と、PCカードインタフェース46が接続されている。I.LINK45は、上述したように、CPU21から供給された信号(例えば、後述するHDV11の再生を指令する制御信号等)を専用のケーブル15を介してHDV11に供給するとともに、HDV11からケーブル15を介して供給される信号(例えば、後述する再生ビデオ信号)をCPU21、メモリ22、またはHDD34に供給する。PCカードインタフェース46は、スロット47に接続された機器(カード(図示せず))から供給されたデータを、CPU21またはメモリ22に供給するとともに、CPU21から供給されたデータをスロット47に接続されているカードに出力する。
スロット47には必要に応じて、図2に示されるように、ドライブ48が接続される。この場合、ドライブ48は、スロット47およびPCカードインタフェース46を介して、PCIバス51に接続される。ドライブ48は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリ等からなるリムーバブル記録媒体49に記録されているデータを読み出し、読み出したデータをメモリ22に供給する。また、CPU21の処理により生成されたデータを、ドライブ48に装着されるリムーバブル記録媒体49に記憶させる。
図3は、PC13のCPU21が実行するDVD書き込みプログラム91のソフトウエアモジュールの構成例を示している。
このDVD書き込みプログラム91は、後述するように、デジタルビデオテープ12に記録されているHDVデータのデータ量が、DVD14の1枚の記憶容量(例えば、4.3GB)を超える場合、そのHDVデータを複数のDVD14−1,14−2,・・・に分けて記録することができる。
制御部101が、各部を制御し、HDV11により再生されて供給された、デジタルビデオテープ12に記録されているHDVデータを複数のDVD14に書き込む処理を実行させる。
検出部102は、HDV11との接続状態を常時監視し、HDV11がPC13に接続され、かつ、HDV11の電源が投入されたことを検出する。
HDV制御部103は、調査部104や取得部105からの制御部101を介する指令(要求)に基づいて、HDV11に装着されたデジタルビデオテープ12の再生(k倍速再生を含む)や巻き戻し等を制御する。
調査部104は、HDV11に装着されたデジタルビデオテープ12のHDVデータの記録内容を、後述するように調査し、デジタルビデオテープ12に記録されているHDVデータを、チャプタ毎に分割する。
取得部105は、HDV11を介してデジタルビデオテープ12のHDVデータを取得するとともに、そのフォーマットを、DVのフォーマットからDVDのフォーマットに変換して、HDD34に一時記憶させる。
算出部106は、HDV11に装着されたデジタルビデオテープ12に記録されているHDVデータを記録するために必要なDVD14の枚数を算出する。
DVD書き込み部107は、HDD34に記憶されたデジタルビデオテープ12に記録されているHDVデータを、算出部106で算出された数分のDVD14に書き込む(記録する)処理を行う。
DVDフォーマット部108は、DVD-R/RWドライブ36に装着されたDVD14を書き込み可能な状態にする。
表示制御部109は、DVD書き込み処理の状態に応じた各種GUI(Graphical User Interface)をLCD25等に表示する。
記憶部110は、例えば、メモリ22(図2)内に構成され、調査部104により調査されたデジタルビデオテープ12のHDVデータの内容等が記憶される。
次に、図4のフローチャートを参照して、DVD書き込みプログラム91の処理を説明する。
ステップS1において、PC13に対するユーザの所定の操作により、DVD書き込みプログラム91が起動されると、ステップS2において、制御部101は、表示制御部109を制御して、図5に示すような、DVD書き込みのための操作画面(初期画面)を、LCD25等に表示させる。
この画面には、「ビデオ機器をi.LINKケーブルでパソコンに接続し、電源を入れてください。」のメッセージMG1および「DVDディスクをドライブに挿入してください。」のメッセージMG2(共に、図中、点線の枠で囲まれている)、DVDへの書き込みを開始する際に操作される開始ボタンSB、並びに記録モードをHDモードにまたはビデオモードに設定する際に操作されるタブTB1およびTB2等が設けられている。
なお記録モードをHDモードに設定すると、後述するようにHDの信号をそのまま複数のDVD14に記録することができ、ビデオモードに設定すると、HDの信号を、SDの信号(480i)にダウンコンバートして記録することができる。
ステップS3において、検出部102は、PC13のi.LINK45にHDV11が接続され、電源が投入されていることを検出する。なおこの例の場合、ユーザは、ステップS2で表示された操作画面のメッセージMG1に従って、HDV11をi.LINKケーブル15でPC13に接続し、電源を投入するものとする。
なお、HDV11とPC13がケーブル15を介して接続され、かつ、HDV11の電源が投入されたとすると、HDV11は、予め設定されたHDV11を表す所定の識別番号を、ケーブル15を介して、PC13に送信してくるので、検出部102は、この識別番号を、i.LINK45を介して受信し、HDV11が、PC13に接続され、かつ、その電源が投入されたと判定する。
次にステップS4において、制御部101は、表示制御部109を制御して、図6に示すような、ハイビジョン映像をそのままDVD14に保存する場合に必要な操作内容を示すダイアログDL1(HDモードで記録する際のダイアログ)、およびDVDプレーヤで再生できるDVDを作成する場合に必要な操作内容を示すダイアログDL2(ビデオモードで記録する際のダイアログ)を含む説明ダイアログDLを、LCD15等に表示させる。
ステップS5において、制御部101は、記録モードを、HDモードに設定する。この例の場合、ステップS4で表示された説明ダイアログDLを参照した後、ユーザは、説明ダイアログDLを閉じ、タブTB2(図5)を選択して、記録モードを、HDモードに設定するものとする。
ステップS6において、制御部101は、表示制御部109を制御して、図7に示すようなHDモード用の操作画面を表示させる。この画面には、図5に示した初期画面のメッセージMG1に代えて、「ビデオ機器にテープを入れてください。」のメッセージMG3が表示される。
次にステップS6で表示されたHDモード用の操作画面の開始ボタンSBが操作されると、ステップS7において、HDモードによるDVDへの書き込み処理(デジタルビデオテープ12に記録されたハイビジョン映像をそのまま複数のDVD14に書き込む処理)が開始される。ここでの処理の詳細は、図8のフローチャートに示されている。
ステップS11において、DVDフォーマット部108は、DVD-R/RWドライブ36にDVD14が装着されていることを検出するまで待機し、DVD14が装着されていることを検出すると、ステップS12に進み、装着されているDVD14が書き込み済みであるか否かを判定し、DVD14が書き込み済みであると判定した場合、ステップS13に進む。
ステップS13において、DVDフォーマット部108は、DVD14の記録内容が消去可能であるか否かを判定し、消去不能である(消去できない)と判定した場合、ステップS14に進み、その旨を、制御部101に通知する。制御部101は、表示制御部109を制御して、LCD25等に、DVD14の交換を促すメッセージを表示させる。その後処理は、ステップS12に戻り、それ以降の処理が同様に行われる。
ステップS12で、DVDが書き込み済みではないと判定された場合、またはステップS13で、DVD14の記録内容が消去可能であると判定された場合(ユーザにより記録内容の消去が可能なDVD14がDVD−R/RWドライブ36に装着されたとき)、ステップS15に進み、制御部101は、HDV制御部103を制御して、HDV11に装着されたデジタルビデオテープ12を巻き戻させる。
HDV制御部103は、この要求を受けて、「巻き戻し」を指令する制御信号を生成し、i.LINKケーブル15を介してHDV11に送信する。
PC13から送信されてきた「巻き戻し」を指令する制御信号を、ケーブル15を介して受信すると、HDV11は、デジタルビデオテープ12の巻き戻す。
次にステップS16において、制御部101は、調査部104を制御して、デジタルビデオテープ12に記録されているHDVデータの記録内容を調査させ、そこに記録されているHDVデータを所定の録画区間(チャプタ)毎に分割する。
DVD14には、一般的に、その全録画データが、あらかじめ複数の録画区間に区分されて記録されるようになされており、所定の操作が施されると、任意の録画区間の先頭から再生される。このようなDVD14の録画区間は、一般的に、チャプタと称されている。本実施形態においては、後述するように、PC13に取り込まれたデジタルビデオテープ12のHDVデータが、DVD14に書き込まれる(記録される)場合、デジタルビデオテープ12のHDVデータのうちの、所定の録画開始点から次に現れる録画終了点までの1つの録画区間が、1つのDVD14のチャプタとして取り扱われる。従って、そのような、録画開始点から録画終了点までの録画区間を、DVD14に記録される前においても、チャプタと称することとしている。
以下にここでの処理を具体的に説明する。
調査部104は、はじめに、制御部101を介してHDV制御部103に対して、デジタルビデオテープ12の早送り再生を要求する。HDV制御部103は、この要求を受けて、「k(kは、1より大きい任意の正数値)倍速の再生」を指令する制御信号を生成し、i.LINKケーブル15を介してHDV11に送信する。
ケーブル15を介してHDV11から送信されてきた「k倍速の再生」を指令する制御信号を受信すると、HDV11は、巻き戻されたデジタルビデオテープ12をk倍速で早送りして再生し、その結果デジタルビデオテープ12から再生された再生ビデオ信号を、ケーブル15を介してPC13に順次送信する処理を開始する。
なおk倍速の早送り再生の場合、デジタルビデオテープ12に記録された全てのフレームが再生されるのではなく、所定の枚数のフレームが間引かれて再生される。即ち、デジタルビデオテープ12に記録された全てのフレームのうちの、所定間隔の位置にあるフレームがスキャンされて、スキャンされたフレームに対応するデータのみが、再生ビデオ信号として、HDV11よりPC13に送信される。
このようにデジタルビデオテープ12の早送り再生が開始されると調査部104は、HDV11から送信されてきた再生ビデオ信号(スキャンされたフレームのデータ)を、i.LINKケーブル15を介して取得して、取得したフレームのデータの中からの、そのフレームの時間情報の取得を開始する。
フレームのデータの中には、そのフレームに対応するビデオデータ(画像および音声データ)以外に、例えば、そのフレームのフレーム番号の情報、そのフレームの撮影時刻(年、月、日、時、分、および秒)の情報、そのフレームが録画開始点である場合、それを表す情報(以下、録画開始点情報と称する)、そしてそのフレームが録画終了点である場合、それを表す情報(以下、録画終了点情報と称する)等からなる時間情報が含まれている。
記録開始点は、ユーザがHDV11の録画ボタン(図示せず)を押下して、撮影を開始した時点のデジタルビデオテープ12の位置(点)であり、録画終了点は、録画ボタンを解除した時点のデジタルビデオテープ12の位置(点)である。
なお録画開始点情報を含むフレームの1つ前のフレームを、ここでは、便宜上、録画終了点情報を含むフレームと称することにする。即ち、録画終了点情報を含むフレームには、録画終了点情報に対応する具体的な情報が含まれないこともある。
そして調査部104は、録画開始点情報、およびそれに続く録画終了点情報を取得したとき、録画開始点情報を含むフレームから、録画終了点情報を含むフレームまでを1つの録画区間(チャプタ)と認識し、その録画区間の時間情報を生成する。即ち、そのチャプタの開始時刻(年、月、日、時、分、および、秒)、終了時刻(年、月、日、時、分、および、秒)、並びに、そのチャプタの長さ(時間)を含む時間情報が生成される。このようにしてHDVデータがチャプタ毎に分割される。
調査部104は、デジタルビデオテープ12のテープエンドまで早送り再生されたことを検出すると、それまでに認識した各チャプタのそれぞれの時間情報をリスト化したチャプタリスト(図示せず)を生成する。
なおステップS16でデジタルビデオテープ12の記録内容の調査がなされている間は、制御部101は、表示制御部109を制御して、図9に示すようなGUIを表示させる。これによりユーザに、デジタルビデオテープ12の記録内容の調査中であることを認識させることができる。
次にステップS17において、制御部101は、取得部105を制御して、デジタルビデオテープ12のHDVデータを、HDV11よりi.LINKケーブル15を介して取得させ、HDD34に一時記憶させる。取得部105はそのとき、HDD34に記憶されたビデオデータのフォーマットを、DVのフォーマットからDVDのフォーマット(例えば、MPEG-2フォーマット)に変換し、HDD34に記憶するとともに、変換前のDVのフォーマットのビデオデータをHDD34から削除する。
なおステップS17でHDVデータの取得されている間は、制御部101は、表示制御部109を制御して、図10に示すようなGUIを表示させる。これによりユーザに、デジタルビデオテープ12に記録されているHDVデータの取り込み中であることを認識させることができる。
次に、ステップS18において、制御部101は、算出部106を制御して、デジタルビデオテープのHDVデータを記録するのに必要はDVD14の枚数を算出させる。この処理の詳細は、図11のフローチャートを示されている。
ステップS51において、算出部106は、HDVデータを書き込むDVD14を1個想定する。具体的には、算出部106は、想定したDVD14の数をカウントするカウンタiの値を1に初期設定するとともに、1枚のDVD14にHDVデータを記録することができる時間(記録可能時間)を記憶する。なお想定されたDVD14を、以下において、想定DVDと称するとともに、想定されるDVD14の数とカウンタiの値は対応するので、i(i=1,2,・・・)の添え字を付して表すものとする(想定DVDi)。
次にステップS52において、算出部106は、ステップS16で作成されたチャプタリストから、1つのチャプタを再生順に選択する。以下において、ここで選択されたチャプタを、適宜、対象チャプタと称する。
ステップS53において、算出部106は、想定DVDiに、対象チャプタ全部を書き込むことができるか否かを判定し、書き込むことができると判定した場合、ステップS54に進む。すなわち、記憶されている、想定DVDiの記録可能時間が、対象チャプタの録画時間以上である場合、対象チャプタ全部を想定DVDiに書き込むことができると判定され、ステップS54に進む。
ステップS54において、算出部106は、対象チャプタを、書き込み候補のリストに加える。このとき、算出部106は、記憶している想定DVDiの記録可能時間から、対象チャプタの録画時間を除算し、その結果得られた時間を、想定DVDiの記録可能時間とする(想定DVDiの記録可能時間を更新する)。
次にステップS55において、算出部106は、ステップS52ですべてのチャプタが選択されたか否かを判定し、まだ選択されていないチャプタが残っていると判定した場合、ステップS52に戻り、次のチャプタを対象チャプタとして選択し、ステップS53以降の処理を実行する。
ステップS53で、対象チャプタの全部を書き込むことができないと判定された場合(ステップS52乃至ステップS55の処理が繰り返されて、想定DVDiの記録可能時間が短くなり、記録可能時間が、対象チャプタの録画時間より短くなった場合)、ステップS56に進む。
ステップS56において、算出部106は、対象チャプタを、記憶している想定DVDiの記録可能時間だけ書き込んだ場合、対象チャプタが感知区間WLで途切れるか否かを判定する。感知区間WLとは、図12に示すように、対象チャプタの開始時刻から所定時間の範囲WL1、および図13に示すように、対象チャプタの終了時刻までの所定時間の範囲WL2である。
図12の例は、対象チャプタを、想定DVDiの記録可能時間Tlだけ書き込んだ場合、対象チャプタが感知区間WL1で途切れ、図13の例では、感知区間WL2で途切れることになる。また図14は、対象チャプタをすべて想定DVDiに書き込むことはできないが、感知区間WLでは途切れない例を示している。
図11に戻りステップS56で、対象チャプタが感知区間WLで途切れると判定された場合(図12または図13)、ステップS57に進み、算出部106は、書き込みを行うDVD14を新たに想定する(カウンタiの値を1だけインクリメントし、記録可能時間を1枚のDVD14の記録可能時間とする(記録可能時間をリセットする))。
その後、ステップS54で、算出部106は、対象チャプタを、書き込み候補のリストに加え、記憶している想定DVDiの記録可能時間から、対象チャプタの記録時間を除算し、その結果得られた時間を、想定DVDiの記録可能時間とする。
ステップS56およびステップS57を経由して、ステップS54で対象チャプタが書き込み候補リストに追加されることは、その対象チャプタは、その対象チャプタの1つ前のチャプタまでとは異なるDVD14に記録されることを意味している。すなわち図12または図13に示したように、続けてDVD14に書き込んだ場合、対象チャプタが始まってすぐに(図12)、または終了する直前で途切れてしまうようなとき(図13)、その対象チャプタは、他のDVD14に全体が書き込まれるようになる。
ステップS56で、対象チャプタが感知区間WLで途切れないと判定された場合(図14)、ステップS58に進み、算出部106は、対象チャプタの、開始時刻から、想定DVDiの記録可能時間Tl分の部分(以下、対象チャプタ前部分と称する)Wf(図14)を、書き込み候補リストに加える。
次にステップS59において、算出部106は、新たに書き込みを行うDVD14を想定する(カウンタiの値を1だけインクリメントし、記録可能時間を1枚のDVD14の記録可能時間とする(記録可能時間をリセットする))。
そしてステップS60において、算出部106は、対象チャプタの、対象チャプタ前部Wf分以降の部分(以下、対象チャプタ後部分と称する)We(図14)を、書き込み候補リストに加える。このとき、算出部106は、記憶している想定DVDiの記録可能時間から、対象チャプタ後部分Weの記録時間を除算し、その結果得られた時間を、想定DVDiの記録可能時間とする(記録可能時間を更新する)。
すなわち対象チャプタ後部分Weは、ステップS59で、新たなDVD14が想定された後に、書き込み候補リストに追加されるので、対象チャプタ前部分Wfまでとは異なるDVD14に記録されることになる。
その後処理は、ステップS55に進み、すべてのチャプタが選択されたか否かが判定され、選択されていないチャプタが存在する場合、ステップS52に戻り、それ以降の処理が行われる。
ステップS55で、すべてのチャプタが選択されたと判定された場合、ステップS61に進み、算出部106は、デジタルビデオテープ12に記録されているHDVデータを記録するのに必要なDVD14の枚数を算出し(カウンタiの値を取得し)、制御部101に通知する。
その後、処理は、図8のステップS19に進む。
ステップS19において、制御部101は、DVDフォーマット部108を制御して、いま装着されているDVD14の記録内容を、必要に応じて消去させ、これから開始するHDVデータのDVD14への書き込みに備える。
なおDVD14の記録内容を消去する必要がある場合、制御部101は、表示制御部109を制御して、図15に示すような、記録内容を消去することユーザに確認するメッセージを表示させる。
ステップS20において、制御部101は、DVD書き込み部107を制御して、必要なDVD14の数に応じたディスクイメージを生成させる。
具体的には、DVD書き込み部107は、記憶部110に、算出部106で算出された枚数分のDVD14の記憶領域を確保するとともに、HDD34から読み出したデジタルビデオテープ12に記録されているHDVデータを、ステップS18で生成した書き込み候補リストに従って、チャプタ毎に各DVD14としての記憶領域に分割し、ディスクイメージを作成する。
なおステップS18でDVD14の必要枚数が算出され、ステップS19でDVD14の記録内容が消去され、そしてステップS20でディスクイメージが作成されている間は、制御部101は、表示制御部109を制御して、図16に示すようなGUIを表示させる。これによりユーザに、DVD14への書き込みの準備中であることを認識させることができる。
次にステップS21において、DVD書き込み部107は、ステップS20で作成したディスクイメージの中の1枚目のDVD14のディスクイメージを、いま装着されているDVD14に書き込む。このとき制御部101は、表示制御部109を制御し、図17に示すような、HDVデータを記録するのに必要なDVD14の数に対応するモニタバーB(図17の例では、2本のモニタバーB1およびB2)を含むGUIを表示させるとともに、いま書き込みが行われているDVD14が何枚目であって、その記録状況を表すように、モニタバーBに影を付すようにしている。
ステップS22において、DVD書き込み部107は、ディスクイメージの書き込みが完了したか否か、すなわちデジタルビデオテープ12に記録されていたHDVデータのDVD14への記録が完了したか否かを判定し、完了していないと判定した場合、その旨を、制御部101に通知する。
ステップS23において、制御部101は、表示制御部109を制御して、図18に示すようなDVD14の入れ替えを促すメッセージを表示させる。
ステップS24乃至ステップS27において、ステップS11乃至ステップS14における場合と同様の処理が行われ、書き込み可能な他のDVD14が装着されるまで待機し、そのようなDVD14が装着されたとき、ステップS19に戻り、上述したように、いま装着されたDVD14に対するHDVデータの書き込みが開始される。
例えば2枚目のDVD14への書き込みが開始された場合、図19に示すようなGUIが表示される。
ステップS22で、デジタルビデオテープ12に記録されていたHDVデータのすべてが記録されたと判定された場合、DVD書き込み処理は終了し、DVD書き込みプログラム91は、処理を終了させる(図4)。
以上のように、HDV11による撮像の結果得られたHDVデータ(デジタルビデオテープ12に記録されているHDVデータ)を、そのまま複数のDVD14に記録するようにしたので、撮像した高精細なハイビジョン映像を、例えばPC13で、高精細な状態で視ることができる。
またDVD14の記録容量の関係で、チャプタの全部を書き込むことができない場合、そのまま書き込めば再生時において、そのチャプタがはじめってすぐに、または終了する直前に途切れてしまうとき、他のDVD14にそのチャプタ全部を書き込みようにしたので、ユーザが見やすいようにHDVデータをDVD14に記録することができる。
なお、本明細書において、記録媒体により提供されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
11 HDV, 12 デジタルビデオテープ, 13 PC, 14 DVD, 101 制御部, 102 検出部, 103 HDV制御部, 104 調査部, 105 取得部, 16 算出部, 107 DVD書き込み部, 108 DVDフォーマット部, 109 表示制御部