JP4329495B2 - 投射型表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、空間光変調素子を用いた投射表示装置に適用される、プリズムを接着剤で張り合わせたプリズムアッセンブリを備えた色分解合成光学系に係り、特にプリズムアッセンブリの接着層界面で光が屈折するために発生する波面収差に起因した映像品質の劣化の改善に関する。
カラー投射表示装置は、白色光から3原色光に係るR(赤)、G(緑)、B(青)の色光を分解して対応色の空間光変調素子に導き、当該空間光変調素子で映像信号に応じて光変調された色光を合成して投射し、スクリーン上にカラー映像を表示させるものである。
カラー投射表示装置は、それに適用される空間光変調素子の種類によって次にあげる3種類に大別される。透過型の空間光変調素子を適用したもの、反射型の空間光変調素子を適用したもの、またDMD(Digital Mirror Device)を適用したものがある。
透過型の空間光変調素子及びDMDは、光学構成が比較的簡単にできるために小型化が容易であるが高解像度化に難がある。一方、反射型の空間光変調素子は高解像度化に有利であるが光学構成が複雑となるために小型化に難がある。
特に、反射型の空間光変調素子を適用した投射表示装置は、空間光変調素子を照射する入射光と当該空間光変調素子で変調された反射光とを分離するために偏光ビームスプリッタを必要とする。高コントラストを実現するためには一つの空間光変調素子に対して、通常2つ以上の偏光ビームスプリッタを作用させるために、これが反射型の投射表示装置の光学構成を複雑にしていた。
このような反射型の空間光変調素子における光学構成の課題を解決し構成を小型化した色分解合成光学系が、提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、上記した投射表示装置では、光源として100W以上の高輝度な光源ランプを適用した場合に、偏光ビームスプリッタの透光部材に一般的な光学ガラスであるBK7を選択すると、当該透光部材の複屈折の影響を受けて黒表示画面の角隅のコントラストを低下(黒浮き)させ、表示品質を劣化させる問題があった。
このような問題に対しては、偏光ビームスプリッタの透光部材として、光弾性定数の低い透光性材料を適用すると複屈折が少ないことが知られている(例えば、特許文献2参照。)。
特許文献2が開示するところによれば、少なくとも反射型の空間光変調素子に照射する入射光と、当該空間光変調素子からの変調された反射光を分離するいわゆる主偏光ビームスプリッタについて、その透光部材として上記の低い光弾性定数の透光性材料を適用するのが効果的である。
特開2002−228809公報(第1図) 特開平9−54213号公報(第4−11頁)
ところで、光学用接着剤の屈折率は比較的小さく、エポキシ系やUV硬化型等の接着剤はNd=1.45〜1.6であり、Nd=1.5程度が一般的である。一般的な光学ガラスであるBK7などの硼珪酸ガラスは、Nd=1.5程度であるが、光弾性定数の小さい硝材は重フリント系で鉛の含有率が大きい傾向があり、屈折率が比較的大きく、Nd=1.85程度である。従って、従来はBK7などの硼珪酸ガラスの屈折率と接着剤の屈折率と差が小さいので、プリズムアッセンブリを透過する光束に対し、接着層の存在は無視できた。しかし、低光弾性定数ガラスを採用した場合に、低光弾性定数ガラスと接着層との屈折率の差が大きく、接着層界面で光が屈折するために波面収差が発生し、解像度が劣化するという新たな問題が発生した。
本発明は、以上の点に鑑みなされたもので、少なくとも2個以上のプリズムを接着剤で張り合わせたプリズムアッセンブリを少なくとも1個用いて、前記光源部から出射する白色光を3原色光に係る赤、緑、青の色光に分解し、分解した各色光を空間光変調素子にそれぞれ導き、空間光変調素子で映像信号に応じて光変調された各色光を合成し、前記投射光学系レンズにて投射する投射表示装置の色分解合成光学系において、前記空間光変調素子から前記投射光学系レンズの間の色合成光学系光路上に配置されたプリズムアッセンブリのうち、少なくとも1個のプリズムアッセンブリにおける各プリズム間の接着層の厚さを、各前記空間光変調素子からそれぞれ出射された前記各色光に対応した各光変調光が、各前記プリズム間の接着層に至るまでの各光路長の長短に応じて、光路長が長い場合には薄くし、光路長が短い場合には厚くすることにより、接着層界面で光が屈折するために発生する波面収差を改善し映像品質の優れた投射型表示装置を提供する。
本発明は、上記課題を解決するために、以下の1)〜3)に記載の手段よりなる。
白色光を出射する光源と、複数の画素が2次元状に配置された画素領域を有し、入射した光を映像信号に応じて光変調し変調光とする複数の空間光変調素子と、つのプリズムが光軸に対して45度傾斜した接着層で接合されたプリズムアッセンブリを複数有し、前記光源から出射した前記白色光を赤光,光,光の各色光に分光し、分光された各色光を前記空間光変調素子に導くと共に、前記空間光変調素子で光変調された各色の前記変調光を合成し合成光として出射する色分解合成手段と、前記色分解合成手段を出射した前記合成光を投影する投射手段とを備え、前記色分解合成手段における前記合成光を出射するプリズムアッセンブリである出射側プリズムアッセンブリには2方向から前記変調光が入射し、前記出射側プリズムアッセンブリの前記プリズムにおける一方の側の頂角部の前記接着層の厚さが、他方の側の頂角部の前記接着層の厚さより厚く、各前記頂角における前記空間光変調素子から前記出射側プリズムアッセンブリの前記接着層までの光路長が短い側の頂角が前記一方の側の頂角であることを特徴とする投射型表示装置
前記接着層の厚さが2μm以上10μm以下であり、前記一方の側の頂角部の前記接着層の厚さと前記他方の側の頂角部の前記接着層の厚さとの差が12μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の投射型表示装置。
記プリズムの屈折率と前記接着剤の屈折率との差が、0.1以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の投射型表示装置
以上詳述したように本発明によれば、少なくとも2個以上のプリズムを接着剤で張り合わせたプリズムアッセンブリをすくなくとも1個用いて、前記光源部から出射する白色光を3原色光に係る赤、緑、青の色光に分解し、分解した各色光を空間光変調素子にそれぞれ導き、空間光変調素子で映像信号に応じて光変調された各色光を合成し、前記投射光学系レンズにて投射する投射表示装置の色分解合成光学系において、前記空間光変調素子から前記投射光学系レンズの間の色合成光学系光路上に配置されたプリズムアッセンブリのうち、少なくとも1個のプリズムアッセンブリにおける各プリズム間の接着層の厚さを、各前記空間光変調素子からそれぞれ出射された前記各色光に対応した各光変調光が、各前記プリズム間の接着層に至るまでの各光路長の長短に応じて、光路長が長い場合には薄くし、光路長が短い場合には厚くすることで、接着層界面で光が屈折するために発生する波面収差を改善することができ、解像度劣化を抑制し、映像品質の優れた投射型表示装置を提供することができる。
図1は、その実施例に適用される投射型表示装置の色分解合成光学系の光学構成を示した概略平面図の一例であり、光路を説明するためのものである。
図1は、その実施例に適用される色分解合成光学系の光学構成を示した概略平面図の一例であり、光路を説明するためのものである。
色分解合成光学系290(図中破線で囲まれた部分)は、立方体または角柱状の第1,第2,第3,第4の偏光ビームスプリッタ102,103,104,105を、その偏光分離面121,131,141,151が略X字状に交差するように配置したものであり、さらに、第1の偏光ビームスプリッタ102の入射側の透光面(第1の偏光ビームスプリッタの左側面)、及び第4の偏光ビームスプリッタ105の出射側の透光面(第4の偏光ビームスプリッタの右側面)には、共にG光の偏波面を90°回転する機能を有するG用カラー偏光フィルタ106,107を、また、第1と第3の偏光ビームスプリッタ102,104間及び第3と第4の偏光ビームスプリッタ104,105間には、共にR光の偏波面を90°回転させる機能を有するR用カラー偏光フィルタ108,109を備えている。
次に、上記構成による色分解合成光学系の作用につき同図を用いて詳細に説明する。
図示せぬ光源から発した不定偏光の白色光は第1の偏光板181に入射する。そして、S偏光のみが第1の偏光板181を透過して、G用カラー偏光フィルタ106に入射する。
G用カラー偏光フィルタ106はG光のみの偏波面を90°回転させる波長選択性偏光変換手段であるため、G用カラー偏光フィルタ106を透過するG光(図1の実線)に係るS偏光はP偏光に変換される。また、G用カラー偏光フィルタ106はR光(図1の破線)及びB光(図1の2点鎖線)に対しては何ら作用しないため、それらはS偏光のままである。
以後、それぞれの色光について個別にその光路及び偏波面の変移について説明する。
先ず、G用カラー偏光フィルタ106を透過したP偏光のG光(実線)は、第1及び第2の偏光ビームスプリッタ102,103の偏光分離面121,131を透過直進して、第2の偏光ビームスプリッタ103の透光面103cより出射してG対応の反射型空間光変調素子161に入射する。そして、当該反射型空間光変調素子161においてG対応の映像信号に応じた光変調を受けて反射される。
光変調されて生成したG光のS偏光成分は、第2の偏光ビームスプリッタ103の偏光分離面131で反射され、第4の偏光ビームスプリッタ105に入射する。そして、第4の偏光ビームスプリッタ105の偏光分離面151において反射され、第4の偏光ビームスプリッタ105の透光面105cより出射し、後段に配置したG用カラー偏光フィルタ107に入射する。
G用カラー偏光フィルタ107は前述したようにG光に係る偏波面を90°回転させる機能を有するものであるので、G光のS偏光はP偏光に変換されて出射する。
次に、R光(破線)について説明する。G用カラー偏光フィルタ106を透過したS偏光のR光は、第1の偏光ビームスプリッタ102の偏光分離面121で反射されR用カラー偏光フィルタ108に入射する。ここで、R用カラー偏光フィルタ108はR光の偏波面を90°回転させる波長選択性偏光変換手段であるため、R光はS偏光からP偏光に偏光変換されてこれを出射し、第3の偏光ビームスプリッタ104に入射する。さらに、P偏光のR光は第3の偏光ビームスプリッタ104の偏光分離面141を直進透過しての透光面104bより出射し、R対応の反射型空間光変調素子162に入射する。そして、当該反射型空間光変調素子162においてR対応の映像信号に応じた光変調を受けて反射される。
光変調されて生成したR光のS偏光成分は、第3の偏光ビームスプリッタ104の偏光分離面141で反射され、R用カラー偏光フィルタ109に入射する。当該R用カラー偏光フィルタ109において、R光のS偏光成分はP偏光に偏光変換されて第4の偏光ビームスプリッタ105に入射する。そして、第4の偏光ビームスプリッタ105の偏光分離面151を透過直進して、第4の偏光ビームスプリッタ105の透光面105cより出射し、後段に配置したG用カラー偏光フィルタ107に入射する。
G用カラー偏光フィルタ107はR光には何ら作用せず、R光はP偏光のままこれを出射する。
次に、B光(2点鎖線)について説明する。G用カラー偏光フィルタ106を透過したS偏光のB光は、第1の偏光ビームスプリッタ102の偏光分離面121で反射されR用カラー偏光フィルタ108に入射する。ここで、R用カラー偏光フィルタ108は上記したようにR光のみに作用しB光には何ら作用しないため、B光は偏光変換されることなくS偏光のままこれを出射し、第3の偏光ビームスプリッタ104に入射する。
S偏光のB光は第3の偏光ビームスプリッタ104の偏光分離面141で反射され透光面104aより出射し、B対応の反射型空間光変調素子163に入射する。そして、当該反射型空間光変調素子162においてB対応の映像信号に応じた光変調を受けて反射される。
光変調されて生成したB光のP偏光成分は、第3の偏光ビームスプリッタ104の偏光分離面141を透過直進しR用カラー偏光フィルタ109に入射する。当該R用カラー偏光フィルタ109は前述したようにB光に対しては何ら作用しないため、B光はP偏光のままこれを出射して第4の偏光ビームスプリッタ105に入射する。そして、第4の偏光ビームスプリッタ105の偏光分離面151を透過直進して、第4の偏光ビームスプリッタ105の透光面105cより出射し、後段に配置したG用カラー偏光フィルタ107に入射する。
G用カラー偏光フィルタ107は前述したように、G光のみに作用しB光には何ら作用しないため、B光はP偏光のままこれを出射する。
このようにして、R光、G光、B光の偏波面はP偏光に揃えられて、投射レンズ191を介して図示せぬスクリーンにカラー映像を拡大表示する。
次に、図2を用いて本発明の実施例に適用される色分解合成光学系における、色合成光学系のプリズムアッセンブリ形状を説明する。図1と同じ光学系であり配置、構成を示すために光路の表示をしていないものである。
図2に示すように、空間光変調素子161,162,163から投射レンズ191の間に色合成光学系が配置されているが、解像度のシミュレーションを行うと、介在する部材が投射レンズに近い位置にあるほど、その部材の面精度や形状の影響を受けて解像度が劣化しやすいことがわかった。本願では、投射レンズに最も近くに配置されたプリズムアッセンブリの解像度劣化要因に着目したところ、各プリズム間の接着層の厚さを、各前記空間光変調素子からそれぞれ出射された前記各色光に対応した各光変調光が、各前記プリズム間の接着層に至るまでの各光路長の長短に応じて、光路長が長い場合には薄くし、光路長が短い場合には厚くすることで、解像度劣化を抑制できることを見出した。
光学系において、光軸と主光線(光線に対して斜めにレンズの中心を通る光)とを含む平面をタンジェンシャル平面(子午平面)、この面内に含まれる光線をタンジェンシャル光線(子午光線)という。一方、主光線を含みタンジェンシャル平面に垂直な平面をラディアル平面(球欠平面)、この面内に含まれる光線をラディアル光線(球欠光線)という。
ラディアル光線によって生ずる像面とタンジェンシャル光線によって生ずる像面とが異なるのが非点収差であり、これらの像面がそれぞれ湾曲しているのが像面湾曲である。ラディアル像をサジタル(sagittal)像、タンジェンシャル像をメリジオナル(meridional)像ともいう。
従来からコントラスト感度・解像度を定量的に評価する方法としてMTF(Moduration Transfer Function)測定が用いられている。MTF曲線は、ラディアル方向とタンジェンシャル方向とを測定し、ラディアルとタンジェンシャルとの特性が揃っていること、及びMTFが100%に近いほどコントラスト・解像度が高く、MTFが60%以上あれば画質に満足できることが知られている。
以下、MTF特性曲線を用いさらに詳細に各プリズム間の接着層の厚さについて説明する。図3に本実施例に適用される色分解合成光学系の最も投射レンズに近いプリズムアッセンブリを示す。同図に示すように、接着層の各端部の厚さをそれぞれA,B,C,Dとした。
対角0.7インチのSXGA(1280×1024画素)反射型空間周波数変調素子を適用した色分解合成光学系を想定して以下の条件に場合わけしシミュレーションを行った。
(a)厚さに差がなく平行な場合
A:7μm 、B:7μm、C:7μm、D:7μm
(b)空間光変調素子からの変調光が、プリズム間の接着層に至るまでの光路長の長短に応じて、光路長が長い場合には薄く、光路長が短い場合には厚い状態
A:10μm 、B:5μm、C:10μm、D:5μm
(c)空間光変調素子からの変調光が、プリズム間の接着層に至るまでの光路長の長短に応じて、光路長が長い場合には厚く、光路長が短い場合には薄い状態
A:5μm 、B:10μm、C:5μm、D:10μm
(d)厚さに差がなく平行で接着層が厚い場合
A:15μm 、B:15μm、C:15μm、D:15μm
上記の解像度シミュレーションは、プリズムのガラス材料にPBH56(屈折率1.85)を用い、接着剤として屈折率1.55のものを用いた場合について算出したものである。
それぞれの場合の解像度シミュレーション結果を図4に示す。図の(a)〜(d)は、それぞれの場合わけに対応している。
図4のグラフは、本実施例に適用される色分解合成光学系を用い、画像を投射したスクリーン中心部の画像の解像度MTFを示している。横軸は画像素子のデフォーカスを示し、最良フォーカス位置を零としている。縦軸は解像度の高低をあらわすMTFである。対角0.7インチSXGA画像素子の1画素が分解するかどうかに相当する50ラインペア/mmのMTFを示している。直線がラディアル、点線がタンジェンシャルのMTFを示している。各カーブの頂点のずれが非点隔差を表しており、前述のようにMTFが高くかつ頂点のずれが無いほうが解像度が高く見える。
図4の結果から得られた知見について説明する。(a)と(b)は近い結果が得られおり(b)に関してはラディアルとタンジェンシャルとの特性が揃っていることを示している。(c)は非点隔差が大きく解像度が低下していることがわかる。空間光変調素子からの変調光が、プリズム間の接着層に至るまでの光路長の長短に応じて、光路長が長い場合には厚く、光路長が短い場合には薄い状態に接着層が開くと屈折率差による解像度劣化を増大する方向になり、解像度が悪くなる。また(d)は平行であるが接着層が15μmと厚い場合であり、(a)に比べ非点隔差が悪化している。このことは接着層の平均厚さが薄い方がよいことを示している。
従って、接着層の平均厚さが薄く、空間光変調素子からの変調光が、プリズム間の接着層に至るまでの光路長の長短に応じて、光路長が長い場合には薄く、光路長が短い場合には厚い状態とすること(b)で、解像度劣化を抑制できることがわかる。
更に、最適な接着層の厚み、接着層の厚み差について説明する。接着層膜厚が平行で、平均厚さをパラメータとしたときのMTF特性を図5に示す。
各膜厚にてラディアル方向のMTFを最大とするようにフォーカスしたときのMTFを示した。厚くなるにつれてタンジェンシャル方向のMTFが低下している。MTFの格差を10%以下程度とすると、平均膜厚は10μm以下が望ましいことがわかった。0〜2.5μmまではほとんど影響しないこともわかる。
また、偏光ビームスプリッタの膜面の平面精度や、耐熱性などの信頼性等を考慮すると、接着剤厚さゼロで作製することは実質的に不可能であり、少なくとも2μm以上は必要である。
図6に接着層の厚みの差とMTFの解析データを示す。横軸は接着層の厚みの差(図3においてA=C,B=DとしたときのB−AまたはD−C)、縦軸は図5と同様にMTFを示している。
中心膜厚を7.5μmとした。タンジェンシャル特性カーブに着目すると、接着層の厚みの差が正すなわち空間光変調素子からの変調光が、プリズム間の接着層に至るまでの光路長の長短に応じて、光路長が長い場合には厚く、光路長が短い場合には薄い状態に開くと、低下していくことがわかる。接着層の厚みの差は負、すなわち空間光変調素子からの変調光が、プリズム間の接着層に至るまでの光路長の長短に応じて、光路長が長い場合には薄く、光路長が短い場合には厚い状態に開いたほうが高解像度に有利である。
最適値は−5μmにピークがある。−5μmからさらに接着層の厚みの差を増やし、−10μmを越えると、MTFが逆に低下していき、−15μmではその差が10%以上となり、非点隔差が増え、解像度が低下することを示している。投射画像の解像度を確保するには、ラディアル、タンジェンシャルともにMTF60%以上あることが望ましいので、接着層の厚み差の量は0μm〜−12μm程度が良好である。
接着層の厚み差の解像度性能への影響は、プリズムのガラス材料の屈折率と、接着剤の屈折率との屈折率差が大きいほど顕著に表れる。
ここで、プリズムのガラス材料の屈折率(Np)と、接着剤の屈折率(Na)との屈折率差(ΔN=Np−Na)をパラメータとしてMTF特性をシミュレーションした結果を、図7及び図8に示す。なお、グラフ中の数値は、屈折率差を表している。
図7は接着層平均膜厚とMTFを、屈折率差をパラメータとして表したグラフである。ラディアル光線を最良フォーカスに調整したときの、タンジェンシャル光線のMTF特性を示している。屈折率差が大きいほど、接着層の平均膜厚の影響が大きいことがわかる。屈折率差が大きい場合は、できるだけ接着層を薄くする必要があり、10μm以下が望ましい。
図8は、接着層の厚み差とMTFを、屈折率差をパラメータとして表したグラフである。同図より、屈折率差(ΔN)が0.1であっても、接着層の厚み差(図3においてA=C,B=DとしたときのB−AまたはD−C)を負にすることによって、その解像度劣化防止に効果があることがわかる。すなわち、投射レンズに最も近いプリズムアッセンブリの接着層の厚み差を若干負側(約−5μmに最適値がある)にすることによって、タンジェンシャルとラディアル方向のMTFが両立して良好となる。接着層の厚み差が負というのは、すなわち空間光変調素子からの変調光が、プリズム間の接着層に至るまでの光路長の長短に応じて、光路長が長い場合には薄く、光路長が短い場合には厚い状態に開いた方が解像度に有利である。この表現を言い換えると、投射レンズに相対的に近い側(図3のAおよびC側)の接着層が薄く、投射レンズから遠い側(図3のBまたはD側)の接着層が厚いということである。
また、屈折率差(ΔN)が0.3以上では、その効果が更に顕著である。
この効果は、図2の投射レンズに最も近いプリズムアッセンブリ105のみならず、投射レンズ側から数えて2個目、すなわち空間光変調素子の直前にあるプリズムアッセンブリ103,104においても、同様の傾向がある。
以上の説明は、本実施例に適用される対角0.7インチのSXGA(1280×1024画素)反射型空間周波数変調素子を適用した色分解合成光学系を基にしたが、プリズムアッセンブリ接着層の平均厚さが薄く、空間光変調素子からの変調光が、プリズム間の接着層に至るまでの光路長の長短に応じて、光路長が長い場合には薄く、光路長が短い場合には厚い状態とすることで、解像度劣化を抑制でき、最適値は実使用素子によって決まることは言うまでもない。
ここまでは投射レンズに最も近い偏光ビームスプリッタの接着層について述べたが、反射型空間周波数変調素子側の偏光ビームスプリッタの接着層に用いてもよく、また同時に用いてもよい。
本実施例は、反射型空間周波数変調素子を用いた色分解合成光学系についてのみ述べたが、他の空間周波数変調素子を用いた色分解合成光学系に用いた場合も同様に、光学ガラス材料と接着剤との屈折率差が大きい場合には、例えばダイクロイックプリズムを使う色分解合成光学系においても、空間光変調素子からの変調光が、プリズム間の接着層に至るまでの光路長の長短に応じて、光路長が長い場合には薄く、光路長が短い場合には厚い状態とすることで、解像度の劣化を防ぐことができる。
なお、ダイクロイックプリズムと偏光ビームスプリッタとが混在する色分解合成光学系に用いてもよい。
本発明の実施例に適用される色分解合成光学系の概略平面図である。 本発明の実施例に適用される色分解合成光学系において、色合成光学系のプリズムアッセンブリ形状を示す概略平面図である。 本発明の実施例に適用される色分解合成光学系において、最も投射レンズに近いプリズムアッセンブリを示した図である。 本発明の実施例に適用される色分解合成光学系において、最も投射レンズに近いプリズムアッセンブリのMTF特性図である。 本発明の実施例に適用される色分解合成光学系において、最も投射レンズに近いプリズムアッセンブリの接着層の厚みに関するMTF特性図である。 本発明の実施例に適用される色分解合成光学系において、最も投射レンズに近いプリズムアッセンブリの接着層の厚み差の量に関するMTF特性図である。 本発明の実施例に適用される色分解合成光学系において、プリズムのガラス材料の屈折率と、接着剤の屈折率との屈折率差をパラメータとして、MTF特性をシミュレーションした結果を示した図である。 本発明の実施例に適用される色分解合成光学系において、プリズムのガラス材料の屈折率と、接着剤の屈折率との屈折率差をパラメータとして、MTF特性をシミュレーションした結果を示した図である。
符号の説明
106,107…G用カラー偏光フィルタ
108,109…R用カラー偏光フィルタ
290…色分解合成光学系
181…第1の偏光板
191…投射レンズ
102…第1の偏光ビームスプリッタ(入射側偏光ビームスプリッタ)
103…第2の偏光ビームスプリッタ(主偏光ビームスプリッタ)
104…第3の偏光ビームスプリッタ(主偏光ビームスプリッタ)
103c,104a,104b…透光面
105…第4の偏光ビームスプリッタ(出射側偏光ビームスプリッタ)
161,162,163…空間光変調素子
121,131,141,151…偏光分離面

Claims (3)

  1. 白色光を出射する光源と、
    複数の画素が2次元状に配置された画素領域を有し、入射した光を映像信号に応じて光変調し変調光とする複数の空間光変調素子と、
    つのプリズムが光軸に対して45度傾斜した接着層で接合されたプリズムアッセンブリを複数有し、前記光源から出射した前記白色光を赤光,光,光の各色光に分光し、分光された各色光を前記空間光変調素子に導くと共に、前記空間光変調素子で光変調された各色の前記変調光を合成し合成光として出射する色分解合成手段と、
    前記色分解合成手段を出射した前記合成光を投影する投射手段と、
    を備え、
    前記色分解合成手段における前記合成光を出射するプリズムアッセンブリである出射側プリズムアッセンブリには2方向から前記変調光が入射し、
    前記出射側プリズムアッセンブリの前記プリズムにおける一方の側の頂角部の前記接着層の厚さが、他方の側の頂角部の前記接着層の厚さより厚く、各前記頂角における前記空間光変調素子から前記出射側プリズムアッセンブリの前記接着層までの光路長が短い側の頂角が前記一方の側の頂角であることを特徴とする投射型表示装置
  2. 前記接着層の厚さが2μm以上10μm以下であり、前記一方の側の頂角部の前記接着層の厚さと前記他方の側の頂角部の前記接着層の厚さとの差が12μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の投射型表示装置。
  3. 記プリズムの屈折率と前記接着層の屈折率との差が、0.1以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の投射型表示装置。
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