JP4328921B2 - レーザ距離計及びレーザ距離計を用いたレベル計 - Google Patents

レーザ距離計及びレーザ距離計を用いたレベル計 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザ光を利用したレーザ距離計の改良と、このレーザ距離計を使用したレベル計の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図6に従来のレーザ距離計の構成を示す。図6において、10はレーザ距離計本体であり、その内部に測定部101、この測定部101によって駆動されるレーザ102、その出力が測定部101に入力されるフォトダイオード103、およびレンズ104、105、フィルタ106が含まれている。また、測定部101は制御部1010、この制御部1010によって駆動されるトランスミッタ1011、フォトダイオード103の出力が入力されるレシーバ1012から構成されている。11はレーザ距離計本体10に設定を与えるハンドヘルドターミナル、13は光の進路である。12は測定対象物であり、粉体、液体、固体などがある。
【0003】
このような構成において、測定指令が出されると、制御部1010はトランスミッタ1011に短パルス光を出力させる。トランスミッタ1011はレーザ102を駆動して、振幅が数ワットで半値幅が10nS(10-8秒)程度の振幅が大きく幅の狭いジャイアントパルスを出力する。このジャイアントパルスはレンズ104によって平行光に変換され、測定対象物12に向かって矢印13の方向に射出される。測定対象物12から反射した光は矢印13のように左方向に伝播し、レンズ105で集光され、フィルタ106で特定の波長の光のみが取り出され、フォトダイオード103で電気信号に変換される。この変換された電気信号はレシーバ1012で増幅、波形整形され、制御部1010に入力される。制御部1010はジャイアントパルスを射出した時間と反射光を受光した時間の時間差すなわちレーザ距離計と測定対象物12の間を光が往復する時間から、下式(1)に従って測定対象物12までの距離を算出して、例えば4−20mAなどの信号に変換して外部に出力する。
L=(c×t)/2 …………… (1)
L:レーザ距離計と測定対象物間の距離
c:光速
t:時間差
なお、一度の測定だけでは誤差が大きいので、制御部1010は何度か測定を行い、平均値を算出して出力するようにしている。
【0004】
このようなレーザ距離計は、液面のレベルを測定するレベル計に応用することができる。以下、レベル計の従来技術について説明する。図7は超音波を利用したレベル計の構成図である。図7において、20はレベル計本体、21は超音波の送受信部、22は液面、23は超音波が伝播する経路である。液面を測定するときには、送受信部21から超音波のパルス波を矢印23に沿って下方向に発信する。液面22で反射した超音波は矢印23に沿って上方向に伝播し、送受信部21で検出される。超音波を送信した時間と反射波を受信した時間の時間差からレベル計20と液面22間の距離を求める。計算式は前記(1)と同じである。但し、光速cは音速に置き換えなければならない。
【0005】
図8に電波(マイクロ波)を利用したレベル計の従来例を示す。図8において、30はトランスミッタ、31は液面、32はマイクロ波の伝播経路、33は送信波の波形、34は送信波と受信波の周波数の時間遷移を表す図である。この実施例ではFM−CW(Frequency Modulated Continuous Wave)方式を採用している。すなわち、トランスミッタ30から液面31の方向に発信されるマイクロ波は、33に示すように時間と共に周波数が直線的に減少するように変調されている。トランスミッタ30から出力される送信波は液面で反射され、同じトランスミッタ30で受信される。34に示すように、送信波はFM−CW変調されているので、その周波数は送信が開始された直後から直線的に減少する。一方、液面から反射された受信波の周波数はΔt遅れて直線的に減少する。Δtはマイクロ波がトランスミッタ30と液面31の間を往復する時間に等しい。従って、同一時間の送信波と受信波の周波数の差(Δf)は一定になり、このΔfからトランスミッタ30と液面31間の距離を求めることができる。この距離Lは下式(2)で求められる。
L=((c×τ)/(2×ΔF))×Δf …………… (2)
c :光速
τ :送信波の周波数が変化する時間幅(図8を参照のこと)
ΔF:τ時間に送信波の周波数が変化する幅
【0006】
図9に光を用いたレベル計の従来例を示す。図9において、40はレーザ距離計であり、例えば図6のような構成を有している。41はパイプであり、このパイプ41が液面を測定するタンク(図示せず)に垂直に沈められる。このパイプ41内には上下方向にワイヤ42が張られている。43はレーザ光を反射する反射体である。反射体43は液面44上に浮かんでおり、液面44が上下するのに従って、ワイヤ42に沿って上下する。45はレーザ光、46はパイプ41の内部と外部の水面の位置を同一にするための連通管である。レーザ距離計40は細いレーザパルス光を液面44に向かって照射し、液面から反射した反射光を検出して時間差から液面までの距離を測定する。しかし、液面から直接反射する反射光の強度は、液面の波の状態、液体の色、濁りなどによって変化するので、測定が不安定になる場合がある。そのため、液面に反射体43を浮かべて、この反射体43にレーザ距離計40からのレーザ光を反射させるようにしている。こうすることによって、液面の波の状態や液の特性によって測定が不安定になることがないので、常に安定した測定ができる。
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、このようなレーザ距離計及びレベル計は、次のような問題点があった。図6のレーザ距離計では、
(1) レンズなどの光学部分と電気回路部分が一体になっており、消費電力が大きくかつ密閉構造にできないので、防爆構造が取り難い。
(2) 測定する場所に本体を設置しなければならないので、人が行き難い場所に設置しなければならない場合には、メンテナンスが困難になる。
(3) 1箇所しか測定できないので、各測定個所に本体を設置しなければならない。そのため、測定個所が多い場合には設置費用が膨大になる。
(4) 光学部分と電気回路部分が一体になっているので、小型化が困難である。
などの問題点があった。
【0008】
また、図7の超音波式のレベル計は、
(1) 音速は温度によって大きく変化するので本質的に誤差が大きくなる。
(2) 温度を測定して音速の変化を補正することもできるが、実用上温度の測定点はせいぜい数箇所しか取ることができないので、音速の変化を完全に補正することができない。
(3) 強風下では音波が流されるので、測定が不可能になる。
(4) 音波は広がりがあり、狭く絞ることができないので、狭い場所での測定が困難になる。
などの問題点があった。
【0009】
また、図8のマイクロ波を用いたレベル計では、
(1) 電波を出すので、密閉タンクの中でないと使用できない。
(2) マイクロ波の波長は光よりかなり長いのでアンテナが大きくなり、それに従って装置全体も大型、高価になる。
(3) マイクロ波の指向性が悪いので、狭い場所で使用すると特性が極めて悪くなる。
などの問題点があった。
【0010】
さらに、図9のレーザを用いたレベル計では、
(1) 反射体43はレベルの変動に従って常に上下方向に移動しているので、ワイヤ42やパイプ41の内面に引っかかって測定が不可能になる場合がある。
(2) 反射体43が常にワイヤ42やパイプ41をこするので、ごみが出てタンクの液体を汚す。また、最悪の場合にはワイヤ42が切れて測定が不可能になってしまう。
(3) 反射体43から不純物が溶け出して、液体を汚染する。
(4) (1) 〜 (3)の問題点があるので、メンテナンスが大変であり、費用がかかる。
などの問題点があった。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、次のとおりの構成を有するレーザ距離計及びこのレーザ距離計を用いたレベル計である。
(1)所定のレーザパルスを出射するレーザパルス発生部と、測定対象物からの反射光を電気信号に変換する受光部と、一端の先端が一線状に揃い全体としてそれぞれが並列状に配置された複数の光ファイバと、この複数の光ファイバのうちの1つの前記一端を前記一線方向に移動する反射鏡を利用して選択的に前記レーザパルス発生部と前記受光部とに一段接続により光学的に接続する光スイッチと、前記複数の光ファイバの他端の各々に光学的に接続されたセンサヘッドとを有し、前記光スイッチによって前記複数の光ファイバの1つを選択すると共に、前記レーザパルスをこの選択された光ファイバを伝播させて前記センサヘッドから測定対象物に照射し、この測定対象物から反射された反射光を前記センサヘッドで受光して前記選択された光ファイバを伝播させて前記受光部に入力して、前記レーザパルスが発生した時間と前記反射光を受光した時間の時間差から前記測定対象物までの距離を求めるようにしたレーザ距離計。
【0012】
(2)所定のレーザパルスを出射するレーザパルス発生部と、測定対象物からの反射光を電気信号に変換する受光部と、複数の送信側光ファイバと、この複数の送信側光ファイバのうちの1つの一端を選択的に前記レーザパルス発生部に光学的に接続する送信側光スイッチと、前記複数の送信側光ファイバの他端の各々に光学的に接続された送信側センサヘッドと、複数の受信側光ファイバと、この複数の受信側光ファイバの一端を選択的に前記受光部に光学的に接続する受信側光スイッチと、前記複数の受信側光ファイバの他端の各々に光学的に接続された受信側センサヘッドとを有し、前記送信側および受信側光スイッチによって送信側および受信側光ファイバを選択すると共に、前記レーザパルスを前記選択された送信側光ファイバを伝播させて前記送信側センサヘッドから測定対象物に照射し、この測定対象物から反射した反射光を前記受信側センサヘッドで受光して前記選択された受信側光ファイバを伝播させて前記受光部に入力して、前記レーザパルスが発生した時間と前記反射光を受光した時間の時間差から前記測定対象物までの距離を求めるようにしたレーザ距離計。
【0013】
(3)レベルを測定すべき透明液体が入った容器の上部に(1)または(2)のレーザ距離計を設置し、このレーザ距離計により前記容器の底部までの距離を測定して、この測定値と前記透明液体の屈折率とから前記透明液体のレベルを演算するようにしたレーザ距離計を用いたレベル計。
【0014】
(4)レベルを測定する容器の上部に設置された(1)または(2)のレーザ距離計と、レベルを測定する容器の底部に設置された気体噴出口と、この気体噴出口に気体を供給する気体送風装置とを有し、前記レーザ距離計によって前記気体噴出口から噴出した泡の表面までの距離を測定するようにしたレーザ距離計を用いたレベル計。
【発明の実施の形態】
【0015】
以下に、本発明の実施例を図を用いて説明する。図1は本発明に係るレーザ距離計の一実施例を示す構成図である。図1において、50は本体部、51は本体部50に接続される光ファイバ、52は光ファイバ51の一端に光学的に接続されたセンサヘッド、53は本体部50をコントロールするハンドヘルドターミナルである。光ファイバ51の長さは、使用する環境によって数百m〜数kmの長さがある。本体部50には回路部501、電光変換部502、光スイッチ504及び電光変換部502と光スイッチ部504を接続する光ファイバ503が含まれる。また、回路部501はハンドヘルドターミナル53と信号のやり取りをし、また測定結果を外部に出力するためのインターフェイス部5011、コントロールや信号処理を行う制御部5012、レーザ光を出力する送信部5013、反射光を受信する受信部5014から構成されている。また、電光変換部502は、レーザ光を出力する半導体レーザ5021、光信号を電気信号に変換するフォトダイオード5022、ビームスプリッタ5023、ボールレンズ5024、レンズ5025、光ファイバ503と接続するコネクタ5026から構成される。さらに、光スイッチ504は、光ファイバ503が接続されるコネクタ5041、ボールレンズ5042、反射鏡5043及び複数のジョイント部5044から構成される。ジョイント部5044は図1に示すように平行に複数個並べられている。また、反射鏡5043は矢印5045の方向に往復移動できるようにされている。点線で描かれた5043a、5043bはそれぞれの位置に移動したときの反射鏡5043の状態を表している。ジョイント部5044はボールレンズ50441及びコネクタ50442から構成されている。センサヘッド52は各々の測定点に設置される。なお、半導体レーザ5021と送信部5013でレーザパルス発生部を、フォトダイオード5022と受信部5014で受光部を構成している。
【0016】
このような構成において、測定指令が出されると、その指令はインターフェイス部5011を介して制御部5012に伝えられる。制御部5012は反射鏡5043を移動させて、測定したいセンサヘッドが接続されているジョイント部の上にくるようにする。次に発信部5013にレーザパルスを出力するように指令する。送信部5013は半導体レーザ5021を制御して、振幅が数ワットで半値幅が10nS程度のジャイアントパルスを出力する。このジャイアントパルスはレンズ5025で集束され、ビームスプリッタ5023を透過してボールレンズ5024で再度集束され、コネクタ5026を通って光ファイバ503に入射される。光ファイバ503は、電光変換部502と光スイッチ504を光学的に結合する。光ファイバ503から出射したジャイアントパルスはボールレンズ5042で集束され、反射鏡5043で反射してジョイント部5044に入射する。ジョイント部5044は複数個並んでいるが、反射鏡5043を平行移動することによって、任意のジョイント部にジャイアントパルスを入射させることができる。ジョイント部に入射したジャイアントパルスはボールレンズ50441で集束され、コネクタ50442を通って光ファイバ51に入射されてセンサヘッドに伝えられ、センサヘッド52内のレンズ521で平行光に変換されて、距離を測定する対象物に照射される。対象物から反射した光はセンサヘッド52に入射し、ジャイアントパルスとは逆の経路を通ってビームスプリッタ5023に達して、このビームスプリッタ5023で反射されてフォトダイオード5022に入射される。フォトダイオード5022は入射された光を電気信号に変換して、受信部5014に出力する。受信部5014はこの信号を増幅、波形整形する。制御部5012はジャイアントパルスを出射してから反射光を受信するまでの時間差から、測定対象物までの距離を演算する。この演算結果は、インターフェイス部5011により、4−20mAの電流値に変換されて外部に出力される。何回か測定を繰り返して平均化することは、図6の従来例と同じである。なお、距離の測定値は光ファイバ51、503の長さを加算したものになるが、距離が既知の対象物を測定して光ファイバの長さを求めて補正することができる。また、センサヘッドのレンズやファイバの端面から反射して戻ってくる光を検出して補正することもできる。
【0017】
図2に本発明に係るレーザ距離計の他の実施例を示す。なお、図1と同じ要素には同一符号を付し、説明を省略する。この実施例は、測定対象物に照射するジャイアントパルスが伝播する経路と測定対象物から反射した光が伝播する経路を別にしたものである。図2において、60は本体部、602は電光変換部である。図1の実施例ではジャイアントパルスの伝播する経路と反射光が伝播する経路が同じであったので、これらを分離するビームスプリッタが必要であったが、この実施例では経路が別なので、ビームスプリッタは不要である。その他は図1の電光変換部502と同じである。6041は送信側光スイッチであり、光ファイバ6031を介して電光変換部602と光学的に接続されている。611は送信側光ファイバであり、一端が送信側光スイッチ6041に接続され、他端には送信側センサヘッド621が接続されている。送信側光スイッチ6041の内部構造は図1の光スイッチ504とほぼ同じであり、電光変換部602からのジャイアントパルスを複数ある送信側光ファイバ611の1つに送出する。6042は受信側光スイッチであり、光ファイバ6032を介して電光変換部602と光学的に接続されている。612は受信側光ファイバであり、一端が受信側光スイッチ6042に接続され、他端には受信側センサヘッド622が接続されている。受信側光スイッチ6042の内部構造も図1の光スイッチ504とほぼ同じであり、受信側センサヘッド622の1つで受光した測定対象物からの反射光を電光変換部602に伝達する。このようにすると、振幅が大きいジャイアントパルスと微小な反射光が完全に分離されるので、より高精度の測定ができる。
なお、図1、図2のレーザ距離計は、距離の測定だけでなく、液体のレベルの測定に用いることもできる。
【0018】
図3にこれらのレーザ距離計を用いたレベル計の実施例を示す。図3において、70は本発明に係るレーザ距離計である。71は透明な液体が満たされたタンク、72はその液面である。73はタンク71の底面に設置された反射板、74はレーザ距離計70の出力が入力される演算・表示部である。
【0019】
このような構成において、図3の左側に記載されているように、レーザ距離計70と反射板73との距離をL0、液面72と反射板73との距離をXとする。レーザ距離計70から発信した光パルスはタンク71内の液体を透過して反射板73で反射され、矢印75のようにレーザ距離計に戻って距離が測定される。このとき測定される距離Lは、空気の屈折率をnA、タンク71内の液体の屈折率をnとすると、
L=(L0―X)×nA+X×n
になる。nAはほぼ1であり、かつnは1以上なので、Lは必ずL0より大きくなる。上式から
X=(L−L0)/(n−1) ………………… (3)
になり、液体のレベルXを求めることができる。但し、nA=1とした。また、液面72が波立つなどしてレーザ距離計70が液面72で反射した光を受光して距離を出力した場合を考えると、この場合のレーザ距離計70の出力は
L=L0―X
になる。Xは0より大きいので、測定値Lは常にL0より小さくなる。この式からXを求めると、
X=L0―L ……………………………………… (4)
になる。演算・表示部74は、レーザ距離計70の測定値を調べて、その値がL0より大きければ前記(3)式を用い、L0より小さければ前記(4)式を用いて液面のレベルを計算して表示し、また外部に4−20mAなどの電流信号で出力する。
【0020】
なお、液面72からの反射率はせいぜい数%であるが、反射板73からの反射率は20%以上になるので、ほとんどの場合は前記(3)式で計算できる。従って、常にタンク底部からの距離を測定していると仮定して、(4)式による演算を省略することができる。
また、液面が安定な場合やタンク71の底部の反射率が高い場合は、タンク底部に設置した反射板73を省略することができる。
また、液体の屈折率nは温度によって変化する場合があるが、液温を測定して補正するようにしてもよい。
さらに、通常液面からの反射光よりタンク底部からの反射光の方が強度が高いので、前記(3)式を用いるか(4)式を用いるかの判断を、測定値によらないで、受光した反射光の強度から判断するようにしてもよい。
【0021】
図4に本発明に係るレベル計の他の実施例を示す。図4において、80は図1または図2で説明したレーザ距離計である。81はレベルを測定する液体が入った容器、82はその液面である。83は容器81の底面に設置された気体噴出口である。この気体噴出口には気体送風装置84から導管85を介して常に気体が供給されている。そのため、気体噴出口からは常に気体(泡)が噴出している。86はこの噴出した泡を表している。87はレベルを表示し、外部に4−20mAなどの出力を出す表示部である。レーザ距離計80は液面82に噴出した泡に向かってレーザ光を出射し、泡の表面から反射した反射光を受光して液面82までの距離を測定する。このようにすると、液面が泡立つので、測定する液体が透明であっても安定に測定できる。
【0022】
図5に、図4の実施例の変形例を示す。なお、図4と同じ要素には同一符号を付し、説明を省略する。図5において、88はパイプであり、泡がこのパイプを通るようにする。こうすると、より安定して測定することができる。なお、パイプ88の内面は反射率が高い方が、より安定して測定することができる。
また、レーザ距離計80の出射光を広げるようにしてもよい。この場合、ホログラムなどを使用して、線状に広げるようにすると、より安定して測定することができる。
【発明の効果】
本発明によれば、次の効果が期待できる。
【0023】
請求項1および請求項2の発明によれば、1台の本体部に複数のセンサヘッドを接続できるようにした。そのため、測定個所が多くなっても安価なセンサヘッドを増設するだけでよいので、システム全体のコストを大幅に削減することができる。また、本体部とセンサヘッドを光ファイバで結んで分離できるようにした。この光ファイバは数kmの長さに伸ばすことができるので、電気回路を含まないセンサヘッドのみ防爆域に置くことができ、簡単に防爆構造にすることができる。また、センサヘッドのみ測定場所に置いて本体部はメンテナンスが容易な場所に置くことができるので、メンテナンスが難しい場所や温度の場所でも使用できる。さらに、センサヘッドは小型化が容易なので、狭い場所にも設置できるという利点がある。
【0024】
また、請求項2の発明によれば、測定対象物に発信するレーザパルスの経路と反射光の経路を分離するようにしたので、より精度の高い測定が可能になる。
【0025】
また、請求項3の発明によれば、反射率の高い容器の底からの反射光を測定して補正するようにしたので、安定にレベルを測定することができる。また、請求項1または請求項2の発明によるレーザ距離計を使用したので、これらの発明の効果も得られる。
【0026】
さらに、請求項4の発明によれば、容器の底から泡を噴出して、その泡にレーザ光を照射するようにしたので、透明液体でも測定が可能になる。また、液面の状態に左右されずに、安定して測定できる。さらに、請求項1または請求項2の発明によるレーザ距離計を使用したので、これらの発明の効果も得られる。
【0027】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレーザ距離計の一実施例を示す構成図である。
【図2】本発明のレーザ距離計の他の実施例を示す構成図である。
【図3】本発明のレーザ距離計を用いたレベル計の一実施例を示す構成図である。
【図4】本発明のレーザ距離計を用いたレベル計の他の実施例を示す構成図である。
【図5】本発明のレーザ距離計を用いたレベル計の変形実施例を示す構成図である。
【図6】従来のレーザ距離計の構成図である。
【図7】従来の超音波を用いたレベル計の構成図である。
【図8】従来のマイクロ波を用いたレベル計の構成図である。
【図9】従来のレーザ距離計を用いたレベル計の構成図である。
【符号の説明】
50 本体部
51 光ファイバ
52 センサヘッド
5013 送信部
5014 受信部
5021 半導体レーザ
5022 フォトダイオード
504 光スイッチ
6041 送信側光スイッチ
6042 受信側光スイッチ
611 送信側光ファイバ
612 受信側光ファイバ
621 送信側センサヘッド
622 受信側センサヘッド
70 レーザ距離計
73 反射板
80 レーザ距離計
83 気体噴出口
84 気体送風装置

Claims (4)

  1. 所定のレーザパルスを出射するレーザパルス発生部と、測定対象物からの反射光を電気信号に変換する受光部と、一端の先端が一線状に揃い全体としてそれぞれが並列状に配置された複数の光ファイバと、この複数の光ファイバのうちの1つの前記一端を前記一線方向に移動する反射鏡を利用して選択的に前記レーザパルス発生部と前記受光部とに一段接続により光学的に接続する光スイッチと、前記複数の光ファイバの他端の各々に光学的に接続されたセンサヘッドとを有し、前記光スイッチによって前記複数の光ファイバの1つを選択すると共に、前記レーザパルスをこの選択された光ファイバを伝播させて前記センサヘッドから測定対象物に照射し、この測定対象物から反射された反射光を前記センサヘッドで受光して前記選択された光ファイバを伝播させて前記受光部に入力して、前記レーザパルスが発生した時間と前記反射光を受光した時間の時間差から前記測定対象物までの距離を求めるようにしたレーザ距離計。
  2. 所定のレーザパルスを出射するレーザパルス発生部と、測定対象物からの反射光を電気信号に変換する受光部と、複数の送信側光ファイバと、この複数の送信側光ファイバのうちの1つの一端を選択的に前記レーザパルス発生部に光学的に接続する送信側光スイッチと、前記複数の送信側光ファイバの他端の各々に光学的に接続された送信側センサヘッドと、複数の受信側光ファイバと、この複数の受信側光ファイバの一端を選択的に前記受光部に光学的に接続する受信側光スイッチと、前記複数の受信側光ファイバの他端の各々に光学的に接続された受信側センサヘッドとを有し、前記送信側および受信側光スイッチによって送信側および受信側光ファイバを選択すると共に、前記レーザパルスを前記選択された送信側光ファイバを伝播させて前記送信側センサヘッドから測定対象物に照射し、この測定対象物から反射した反射光を前記受信側センサヘッドで受光して前記選択された受信側光ファイバを伝播させて前記受光部に入力して、前記レーザパルスが発生した時間と前記反射光を受光した時間の時間差から前記測定対象物までの距離を求めるようにしたレーザ距離計。
  3. レベルを測定すべき透明液体が入った容器の上部に請求項1または請求項2に係るレーザ距離計を設置し、このレーザ距離計により前記容器の底部までの距離を測定して、この測定値および前記透明液体の屈折率とから前記透明液体のレベルを演算するようにしたことを特徴とするレーザ距離計を用いたレベル計。
  4. レベルを測定する容器の上部に設置された請求項1または請求項2に係るレーザ距離計と、前記レベルを測定する容器の底部に設置された気体噴出口と、この気体噴出口に気体を供給する気体送風装置とを有し、前記レーザ距離計によって前記気体噴出口から噴出した泡の表面までの距離を測定するようにしたことを特徴とするレーザ距離計を用いたレベル計。
JP26241899A 1999-09-16 1999-09-16 レーザ距離計及びレーザ距離計を用いたレベル計 Expired - Fee Related JP4328921B2 (ja)

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