JP4327998B2 - 投票券取引における資金移動システム - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、競馬、競輪、競艇、オートレース等の公営競技の投票券（勝ち馬券、車券、船券等）をキャッシュレスで購入して投票を行う際の購入金決済方法および払戻金決済方法および投票システムに関する。
【０００２】
【従来の技術】
現在の公営競技業界におけるキャッシュレス投票システムでは、投票を行う加入者に対して、あらかじめ投票専用の口座を開設させて、運用開催前に通常の銀行口座から当該投票専用口座に資金を移動（入金／出金）させておき、この投票専用口座の資金の範囲内で投票券を購入させるようにしたものが一般的であった。
【０００３】
このような投票専用口座では、残高不足を防止するために、公営競技の開催運用中における当該投票専用口座への資金移動（入金／出金）を禁止（ロック）していた。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
このような投票専用口座システムでは、払戻金を引き落としできるのが公営競技の開催が終了した翌日以降であったり、投票専用口座内に投票券の購入資金が不足していたとしても開催運用中には入金ができないなど、運用の柔軟性を欠いていた。
【０００５】
この対策としては、資金移動操作（投票券購入時に出金処理を行い、払戻時に入金を行う）が発生する度に銀行口座からその金額に応じた決済を行うことにより解決することが可能であるが、入出金処理のためのコンピュータハードウエアまたはソフトウエアの処理の負荷を考慮すると、システムに多大な負担がかかることになってしまい、現実的ではない。
【０００６】
また、少額取引についても資金移動が発生するため、手数料に見合った決済取引が行われない可能性がある。
【０００７】
さらに、加入者の銀行口座は通常ロック状態で保護されているため、当該銀行口座に対して自由に口座操作ができない問題がある。
【０００８】
これらの要因のために、公営競技におけるキャッシュレス投票システムでは、資金移動サイクルが潤滑に行われていないとの問題があった。
【０００９】
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、公営競技のキャッシュレス投票システムにおける即時性の高い資金移動をシステムの負担を増加させることなく実現することを技術的課題とする。
【００１０】
【課題を解決するための手段】
本発明は、投票券取引システムを備えた主催者サーバと、該主催者サーバにより管理される仮口座ファイルとで構成し、この仮口座ファイルは利用者の所定銀行口座とのみ関連付けておき、利用者が現実に銀行口座に対して行う入出金処理とは独立して資金移動を可能としたものである。
【００１１】
このように、主催者サーバ側に仮口座ファイルを設けてこの仮口座ファイルに対して銀行からの資金移動を行わせるようにしたので、銀行口座と主催者との資金移動を頻繁に行う必要がなくなり、資金移動のためのシステムの負荷が低減できるとともに、仮口座を用いた即時性のある資金移動が可能となる。
【００１２】
【発明の実施の形態】
【００１３】
【実施例】
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。
【００１４】
図１は、本発明の実施例におけるシステム構成を示すブロック図である。
【００１５】
利用者の端末装置１は、インターネット等のネットワークに接続可能なパーソナルコンピュータ、またはネットワーク接続可能な携帯情報端末である。
【００１６】
銀行口座２は、銀行のシステム内に設けられており、コンピュータシステムの記憶装置内に利用者毎に設定された口座ファイルとして存在している。
【００１７】
この銀行口座に対しては、利用者が銀行の図示しない入出金端末を通じて現金を預け入れ、引き出しすることによってファイル内に記録された残高値が更新されるようになっている。
【００１８】
また、当該銀行口座に対しては、利用者は携帯情報端末等の端末装置１からアクセスすることが可能となっており、当該銀行口座に対して振込指示を行うことにより、銀行口座２から仮口座３に資金移動ができるようになっている。具体的には、この処理は、銀行口座２の口座ファイルに対して端末装置１からの指示により、一定金額の振込指示が行われると、当該利用者名義の口座ファイルの残高値から一定金額が減算され、一方、これに対応する一定金額が仮口座３の口座ファイルの残高値に加算されることにより行われる。
【００１９】
主催者サーバ５には、仮口座３と投票券取引システム４とが設けられている。
【００２０】
仮口座３は、主催者側のシステム内に設定されており、利用者毎に設定された仮口座ファイルで構成されている。この仮口座と前記銀行口座とは、テンポラリに生成される口座連携テーブル７によって１対１に関連付けられている。したがって、投票券取引システム４は、口座連携テーブル７を参照することによって、仮口座と銀行口座の対応関係を認識でき、銀行口座からの振込先仮口座、仮口座からの払戻先銀行口座を容易に判断できるようになっている。
【００２１】
そして、運用が終了すると、当該仮口座および口座連携テーブル７は破棄されるようになっている。
【００２２】
前記投票券取引システム４は、主催者サーバ５内で実現されたプログラムであり、仮口座３から投票券購入資金を移動し、当該投票券購入情報を利用者情報とともに保持し、投票結果に基づく配当金が発生すると、前記仮口座３の残高に当該配当金を加算する処理を行う。
【００２３】
前記仮口座３の口座ファイルには端末装置１からアクセスが可能となっており、利用者は端末装置１を通じて仮口座３に対して一定金額の払戻指示を行うことにより、仮口座３の口座ファイルの残高値から一定金額が減算されて、該金額が銀行口座２の口座ファイル内の残高値に加算されるようになっている。
【００２４】
図２は、資金移動操作の概念を示す図である。同図において、まず利用者は利用開始にあたり、主催者に対して金額の指定を行い、資金移動操作を行う。これ以降、指定した金額が元金となり、主催者サーバ５の仮口座ファイル３ａに元金として登録される。
【００２５】
この資金移動操作の結果、銀行口座ファイル２ａから仮口座ファイル３ａに対して振込処理が行われる。そして、主催者サーバ５より利用者の端末装置１に対して振込結果が通知される。
【００２６】
利用者が端末装置１を通じて馬券の購入操作を行うと、主催者サーバ５がこれを認識して、仮口座ファイル３ａより当該馬券の購入資金分だけ残高値を減算処理する。
【００２７】
レースが確定して、払戻金が発生したときには、主催者サーバ５の仮口座ファイル３ａに当該払戻金の金額が加算される。
【００２８】
ここで、利用者は端末装置１を通じて主催者サーバ５に所定金額を指示して資金移動操作を指示すると、主催者サーバ５の仮口座ファイル３ａより銀行口座ファイル２ａに対して当該金額の振込処理が行われる。この結果、銀行口座ファイル２ａの残高値には振込金額が加算される。
【００２９】
そして、運用終了時には、主催者サーバ５に設定された仮口座ファイル３ａの決済が行われて、主催者サーバ５より利用者端末装置１に対して、払出結果が通知されるとともに、仮口座ファイル３ａから銀行口座ファイル２ａに対して仮口座ファイル３ａの残高値の全てが振り込まれる。
【００３０】
次に、図３乃至図５を用いて具体的な運用例を説明する。
【００３１】
図３において、利用者の銀行口座（銀行口座ファイル２ａ）には、残高が１００，０００円ある。
【００３２】
次に、利用者が利用者端末１を通じて、主催者サーバ５に対して１０，０００円の入金を通知すると、主催者サーバ５は、自システム内に当該利用者の仮口座ファイル３ａを生成するとともに、口座連携テーブル７を生成し、前記仮口座ファイル３ａと銀行口座ファイル２ａとを関係付ける。
【００３３】
そして、主催者サーバ５は、当該利用者の銀行口座ファイル２ａから前記仮口座ファイル３ａに対して１０，０００円の振込処理を行うよう指示する。
【００３４】
この結果、当該利用者の銀行口座ファイル２ａの残高は９０，０００円となる。
【００３５】
ここで、利用者は銀行口座（銀行口座ファイル２ａ）より４０，０００円の引き落とし（引き出し）を行う。これは、利用者が一般の現金出入機を用いて行うこともできるし、インターネット端末または携帯情報端末を用いて口座間の資金移動という形式で行うこともできる。
【００３６】
この結果、銀行口座ファイル２ａの残高は５０，０００円となる。
【００３７】
次に、利用者が利用者端末装置１を用いて投票（１Ｒ単１番に対して５，０００円）を行うと、主催者サーバ５の仮口座ファイル３ａより投票券購入金額である５，０００円が減算される。
【００３８】
そして、この投票結果が利用者端末装置１に通知される。
【００３９】
次に、図４に示すように、レースの結果、前記利用者の投票が的中し、配当金として１０，０００円が発生したときには、当該金額が仮口座ファイル３ａの残高値に加算される。この結果、仮口座ファイル３ａの残高値は１５，０００円となる。
【００４０】
次に、利用者が配当金の一部を銀行口座に移しておきたい場合（たとえば１０，０００円）には、利用者端末装置１より主催者サーバ５に対して当該金額の資金移動を指示する。この結果、主催者サーバ５の仮口座ファイル３ａより当該利用者の銀行口座ファイル２ａに対して１０，０００円の資金移動（振込）が行われ、その結果、銀行口座ファイル２ａの残高値は６０，０００円となる。
【００４１】
次に、利用者は一般の現金出入機によって、自身の銀行口座（銀行口座ファイル２ａ）に対して３０，０００円の入金を行っており、この結果、利用者の銀行口座ファイル２ａの残高値は９０，０００円となっている。
【００４２】
次に、利用者は利用者端末装置１を通じて主催者サーバ５に対して、次のレースの投票を指示する。ここでは、第２レース（２Ｒ）に対して、複勝で５，０００円だけ投票している。この結果、主催者サーバ５の仮口座ファイル３ａの残高値は０円となっている。
【００４３】
次に、図５に示すように、第２レースの投票結果が不的中であった場合、仮口座ファイル３ａの残高値は０円の状態となっている。
【００４４】
このとき、利用者がさらに投票を続けたい場合には、仮口座ファイル３ａの残高値を増やしておかなければならない。ここでは、利用者は利用者端末装置１を通じて、主催者サーバ５に対して２０，０００円の入金指示を行っている。
【００４５】
この結果、主催者サーバ５は銀行口座ファイル２ａより仮口座ファイル３ａに対して２０，０００円の振込処理を実行する。これによって、主催者サーバ５の仮口座３ａの残高値は２０，０００円となり、銀行口座ファイル２ａの残高値は７０，０００円となっている。
【００４６】
そして、仮口座ファイル３ａの残高値が２０，０００円のままの状態で当該運用が終了すると、主催者サーバ５において決算処理が行われ、仮口座ファイル３ａの残高値が全て利用者の銀行口座ファイル２ａに振り込まれる。
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、本発明は、以下の付記に示したあらゆる概念を含むものである。
【００４７】
（付記１） 投票券取引システムを備えた主催者サーバと、該主催者サーバにより管理される仮口座ファイルとからなり、
前記仮口座ファイルは、利用者の所定銀行口座とのみ関連付けられており、利用者が現実に銀行口座に対して行う入出金処理とは独立して資金移動が可能である投票券取引における資金移動システム。
【００４８】
（付記２） 前記資金移動は、ネットワークを介して利用者端末装置からの指示により行われる付記１記載の投票券取引における資金移動システム。
【００４９】
（付記３） 前記仮口座ファイルは、運用終了時毎に決済されることを特徴とする付記１記載の投票券取引における資金移動システム。
【００５０】
（付記４） 前記主催者サーバには、前記仮口座ファイルと銀行口座とを関連付ける口座連携テーブルを備えていることを特徴とする付記１記載の投票券取引における資金移動システム。
【００５１】
なお、本実施例では、投票券を公営競技の勝ち馬券、車券、船券で説明したが、これに限らず、たとえば宝くじの投票券も含む概念である。このように宝くじの場合、実施例における主催者サーバ５は、宝くじセンターに設置され、投票券取引システム４は、抽選結果を入力して当たりの場合には配当金を決定するシステムとなる。
【００５２】
【発明の効果】
本発明によれば、公営競技のキャッシュレス投票システムにおける即時性の高い資金移動をシステムの負担を増加させることなく実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の実施例におけるシステム構成を示すブロック図
【図２】 本発明の実施例における資金移動操作を示す説明図
【図３】 本発明の実施例における資金移動の運用例を示す説明図（１）
【図４】 本発明の実施例における資金移動の運用例を示す説明図（２）
【図５】 本発明の実施例における資金移動の運用例を示す説明図（３）
【符号の説明】
１ 端末装置
２ 銀行口座
２ａ 銀行口座ファイル
３ 仮口座
３ａ 仮口座ファイル
４ 投票券取引システム
５ 主催者サーバ
７ 口座連携テーブル
【発明の属する技術分野】
本発明は、競馬、競輪、競艇、オートレース等の公営競技の投票券（勝ち馬券、車券、船券等）をキャッシュレスで購入して投票を行う際の購入金決済方法および払戻金決済方法および投票システムに関する。
【０００２】
【従来の技術】
現在の公営競技業界におけるキャッシュレス投票システムでは、投票を行う加入者に対して、あらかじめ投票専用の口座を開設させて、運用開催前に通常の銀行口座から当該投票専用口座に資金を移動（入金／出金）させておき、この投票専用口座の資金の範囲内で投票券を購入させるようにしたものが一般的であった。
【０００３】
このような投票専用口座では、残高不足を防止するために、公営競技の開催運用中における当該投票専用口座への資金移動（入金／出金）を禁止（ロック）していた。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
このような投票専用口座システムでは、払戻金を引き落としできるのが公営競技の開催が終了した翌日以降であったり、投票専用口座内に投票券の購入資金が不足していたとしても開催運用中には入金ができないなど、運用の柔軟性を欠いていた。
【０００５】
この対策としては、資金移動操作（投票券購入時に出金処理を行い、払戻時に入金を行う）が発生する度に銀行口座からその金額に応じた決済を行うことにより解決することが可能であるが、入出金処理のためのコンピュータハードウエアまたはソフトウエアの処理の負荷を考慮すると、システムに多大な負担がかかることになってしまい、現実的ではない。
【０００６】
また、少額取引についても資金移動が発生するため、手数料に見合った決済取引が行われない可能性がある。
【０００７】
さらに、加入者の銀行口座は通常ロック状態で保護されているため、当該銀行口座に対して自由に口座操作ができない問題がある。
【０００８】
これらの要因のために、公営競技におけるキャッシュレス投票システムでは、資金移動サイクルが潤滑に行われていないとの問題があった。
【０００９】
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、公営競技のキャッシュレス投票システムにおける即時性の高い資金移動をシステムの負担を増加させることなく実現することを技術的課題とする。
【００１０】
【課題を解決するための手段】
本発明は、投票券取引システムを備えた主催者サーバと、該主催者サーバにより管理される仮口座ファイルとで構成し、この仮口座ファイルは利用者の所定銀行口座とのみ関連付けておき、利用者が現実に銀行口座に対して行う入出金処理とは独立して資金移動を可能としたものである。
【００１１】
このように、主催者サーバ側に仮口座ファイルを設けてこの仮口座ファイルに対して銀行からの資金移動を行わせるようにしたので、銀行口座と主催者との資金移動を頻繁に行う必要がなくなり、資金移動のためのシステムの負荷が低減できるとともに、仮口座を用いた即時性のある資金移動が可能となる。
【００１２】
【発明の実施の形態】
【００１３】
【実施例】
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。
【００１４】
図１は、本発明の実施例におけるシステム構成を示すブロック図である。
【００１５】
利用者の端末装置１は、インターネット等のネットワークに接続可能なパーソナルコンピュータ、またはネットワーク接続可能な携帯情報端末である。
【００１６】
銀行口座２は、銀行のシステム内に設けられており、コンピュータシステムの記憶装置内に利用者毎に設定された口座ファイルとして存在している。
【００１７】
この銀行口座に対しては、利用者が銀行の図示しない入出金端末を通じて現金を預け入れ、引き出しすることによってファイル内に記録された残高値が更新されるようになっている。
【００１８】
また、当該銀行口座に対しては、利用者は携帯情報端末等の端末装置１からアクセスすることが可能となっており、当該銀行口座に対して振込指示を行うことにより、銀行口座２から仮口座３に資金移動ができるようになっている。具体的には、この処理は、銀行口座２の口座ファイルに対して端末装置１からの指示により、一定金額の振込指示が行われると、当該利用者名義の口座ファイルの残高値から一定金額が減算され、一方、これに対応する一定金額が仮口座３の口座ファイルの残高値に加算されることにより行われる。
【００１９】
主催者サーバ５には、仮口座３と投票券取引システム４とが設けられている。
【００２０】
仮口座３は、主催者側のシステム内に設定されており、利用者毎に設定された仮口座ファイルで構成されている。この仮口座と前記銀行口座とは、テンポラリに生成される口座連携テーブル７によって１対１に関連付けられている。したがって、投票券取引システム４は、口座連携テーブル７を参照することによって、仮口座と銀行口座の対応関係を認識でき、銀行口座からの振込先仮口座、仮口座からの払戻先銀行口座を容易に判断できるようになっている。
【００２１】
そして、運用が終了すると、当該仮口座および口座連携テーブル７は破棄されるようになっている。
【００２２】
前記投票券取引システム４は、主催者サーバ５内で実現されたプログラムであり、仮口座３から投票券購入資金を移動し、当該投票券購入情報を利用者情報とともに保持し、投票結果に基づく配当金が発生すると、前記仮口座３の残高に当該配当金を加算する処理を行う。
【００２３】
前記仮口座３の口座ファイルには端末装置１からアクセスが可能となっており、利用者は端末装置１を通じて仮口座３に対して一定金額の払戻指示を行うことにより、仮口座３の口座ファイルの残高値から一定金額が減算されて、該金額が銀行口座２の口座ファイル内の残高値に加算されるようになっている。
【００２４】
図２は、資金移動操作の概念を示す図である。同図において、まず利用者は利用開始にあたり、主催者に対して金額の指定を行い、資金移動操作を行う。これ以降、指定した金額が元金となり、主催者サーバ５の仮口座ファイル３ａに元金として登録される。
【００２５】
この資金移動操作の結果、銀行口座ファイル２ａから仮口座ファイル３ａに対して振込処理が行われる。そして、主催者サーバ５より利用者の端末装置１に対して振込結果が通知される。
【００２６】
利用者が端末装置１を通じて馬券の購入操作を行うと、主催者サーバ５がこれを認識して、仮口座ファイル３ａより当該馬券の購入資金分だけ残高値を減算処理する。
【００２７】
レースが確定して、払戻金が発生したときには、主催者サーバ５の仮口座ファイル３ａに当該払戻金の金額が加算される。
【００２８】
ここで、利用者は端末装置１を通じて主催者サーバ５に所定金額を指示して資金移動操作を指示すると、主催者サーバ５の仮口座ファイル３ａより銀行口座ファイル２ａに対して当該金額の振込処理が行われる。この結果、銀行口座ファイル２ａの残高値には振込金額が加算される。
【００２９】
そして、運用終了時には、主催者サーバ５に設定された仮口座ファイル３ａの決済が行われて、主催者サーバ５より利用者端末装置１に対して、払出結果が通知されるとともに、仮口座ファイル３ａから銀行口座ファイル２ａに対して仮口座ファイル３ａの残高値の全てが振り込まれる。
【００３０】
次に、図３乃至図５を用いて具体的な運用例を説明する。
【００３１】
図３において、利用者の銀行口座（銀行口座ファイル２ａ）には、残高が１００，０００円ある。
【００３２】
次に、利用者が利用者端末１を通じて、主催者サーバ５に対して１０，０００円の入金を通知すると、主催者サーバ５は、自システム内に当該利用者の仮口座ファイル３ａを生成するとともに、口座連携テーブル７を生成し、前記仮口座ファイル３ａと銀行口座ファイル２ａとを関係付ける。
【００３３】
そして、主催者サーバ５は、当該利用者の銀行口座ファイル２ａから前記仮口座ファイル３ａに対して１０，０００円の振込処理を行うよう指示する。
【００３４】
この結果、当該利用者の銀行口座ファイル２ａの残高は９０，０００円となる。
【００３５】
ここで、利用者は銀行口座（銀行口座ファイル２ａ）より４０，０００円の引き落とし（引き出し）を行う。これは、利用者が一般の現金出入機を用いて行うこともできるし、インターネット端末または携帯情報端末を用いて口座間の資金移動という形式で行うこともできる。
【００３６】
この結果、銀行口座ファイル２ａの残高は５０，０００円となる。
【００３７】
次に、利用者が利用者端末装置１を用いて投票（１Ｒ単１番に対して５，０００円）を行うと、主催者サーバ５の仮口座ファイル３ａより投票券購入金額である５，０００円が減算される。
【００３８】
そして、この投票結果が利用者端末装置１に通知される。
【００３９】
次に、図４に示すように、レースの結果、前記利用者の投票が的中し、配当金として１０，０００円が発生したときには、当該金額が仮口座ファイル３ａの残高値に加算される。この結果、仮口座ファイル３ａの残高値は１５，０００円となる。
【００４０】
次に、利用者が配当金の一部を銀行口座に移しておきたい場合（たとえば１０，０００円）には、利用者端末装置１より主催者サーバ５に対して当該金額の資金移動を指示する。この結果、主催者サーバ５の仮口座ファイル３ａより当該利用者の銀行口座ファイル２ａに対して１０，０００円の資金移動（振込）が行われ、その結果、銀行口座ファイル２ａの残高値は６０，０００円となる。
【００４１】
次に、利用者は一般の現金出入機によって、自身の銀行口座（銀行口座ファイル２ａ）に対して３０，０００円の入金を行っており、この結果、利用者の銀行口座ファイル２ａの残高値は９０，０００円となっている。
【００４２】
次に、利用者は利用者端末装置１を通じて主催者サーバ５に対して、次のレースの投票を指示する。ここでは、第２レース（２Ｒ）に対して、複勝で５，０００円だけ投票している。この結果、主催者サーバ５の仮口座ファイル３ａの残高値は０円となっている。
【００４３】
次に、図５に示すように、第２レースの投票結果が不的中であった場合、仮口座ファイル３ａの残高値は０円の状態となっている。
【００４４】
このとき、利用者がさらに投票を続けたい場合には、仮口座ファイル３ａの残高値を増やしておかなければならない。ここでは、利用者は利用者端末装置１を通じて、主催者サーバ５に対して２０，０００円の入金指示を行っている。
【００４５】
この結果、主催者サーバ５は銀行口座ファイル２ａより仮口座ファイル３ａに対して２０，０００円の振込処理を実行する。これによって、主催者サーバ５の仮口座３ａの残高値は２０，０００円となり、銀行口座ファイル２ａの残高値は７０，０００円となっている。
【００４６】
そして、仮口座ファイル３ａの残高値が２０，０００円のままの状態で当該運用が終了すると、主催者サーバ５において決算処理が行われ、仮口座ファイル３ａの残高値が全て利用者の銀行口座ファイル２ａに振り込まれる。
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、本発明は、以下の付記に示したあらゆる概念を含むものである。
【００４７】
（付記１） 投票券取引システムを備えた主催者サーバと、該主催者サーバにより管理される仮口座ファイルとからなり、
前記仮口座ファイルは、利用者の所定銀行口座とのみ関連付けられており、利用者が現実に銀行口座に対して行う入出金処理とは独立して資金移動が可能である投票券取引における資金移動システム。
【００４８】
（付記２） 前記資金移動は、ネットワークを介して利用者端末装置からの指示により行われる付記１記載の投票券取引における資金移動システム。
【００４９】
（付記３） 前記仮口座ファイルは、運用終了時毎に決済されることを特徴とする付記１記載の投票券取引における資金移動システム。
【００５０】
（付記４） 前記主催者サーバには、前記仮口座ファイルと銀行口座とを関連付ける口座連携テーブルを備えていることを特徴とする付記１記載の投票券取引における資金移動システム。
【００５１】
なお、本実施例では、投票券を公営競技の勝ち馬券、車券、船券で説明したが、これに限らず、たとえば宝くじの投票券も含む概念である。このように宝くじの場合、実施例における主催者サーバ５は、宝くじセンターに設置され、投票券取引システム４は、抽選結果を入力して当たりの場合には配当金を決定するシステムとなる。
【００５２】
【発明の効果】
本発明によれば、公営競技のキャッシュレス投票システムにおける即時性の高い資金移動をシステムの負担を増加させることなく実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の実施例におけるシステム構成を示すブロック図
【図２】 本発明の実施例における資金移動操作を示す説明図
【図３】 本発明の実施例における資金移動の運用例を示す説明図（１）
【図４】 本発明の実施例における資金移動の運用例を示す説明図（２）
【図５】 本発明の実施例における資金移動の運用例を示す説明図（３）
【符号の説明】
１ 端末装置
２ 銀行口座
２ａ 銀行口座ファイル
３ 仮口座
３ａ 仮口座ファイル
４ 投票券取引システム
５ 主催者サーバ
７ 口座連携テーブル
Claims (2)
- ネットワークを介して銀行システムに接続される主催者側処理装置と、ネットワークを介して前記銀行システム及び前記主催者側処理装置に接続される利用者端末とを有する投票システムにおいて、
前記主催者側処理装置は、投票券の販売、配当金の払い戻しを行う投票券取引システムと、この投票券取引システムの利用者の仮口座のファイル、及び、この利用者の前記銀行システムにおける銀行口座と前記仮口座とを連携する口座連携テープルを記憶した記憶手段とを有し、
前記利用者端末装置は、前記主催者側処理装置に対して入金指示、及び投票券購入指示を前記ネットワークを介して通知し、前記銀行システムに対して前記仮口座への振込指示を前記ネットワークを介して通知し、
前記主催者側処理装置は、前記入金指示があったときに前記銀行口座からの資金移動及び移動された資金を前記仮口座の残高へ加算する処理を行い、前記投票券購入指示があったときに投票券購入代金を前記仮口座の残高から減算する処理を行い、投票結果に基づき前記利用者への配当金が発生したときにこの配当金を前記仮口座の残高へ加算する処理を行い、取引終了時に前記仮口座の残高を前記ネットワークを介して前記銀行口座へ振込む処理を行う
ことを特徴とする投票システム。 - 投票券の販売、配当金の払い戻しを行う投票券取引システムと、この投票券取引システムの利用者の仮口座のファイル、及び、ネットワークを介して接続される銀行システムにおけるこの利用者の銀行口座と前記仮口座とを連携する口座連携テーブルを記憶した記憶手段とを有し、
ネットワークを介して前記利用者の端末からの入金指示を受信したときに、この入金指示に基づき、前記銀行口座からのネットワークを介した資金移動処理及び移動された資金を前記仮口座の残高に加算する処理を行い、
ネットワークを介して前記利用者の端末からの投票券購入指示を受信したときに、この投票券購入指示に基づく投票券購入代金を前記仮口座の残高から減算する処理を行い、
投票結果に基づき前記利用者への配当金が発生したときにこの配当金を前記仮口座の残高へ加算する処理を行い、
取引終了時に前記仮口座の残高を前記ネットワークを介して前記銀行口座へ振込む処理を行う
ことを特徴とする主催者側処理装置。
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