JP4327931B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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    • B60C11/00Tyre tread bands; Tread patterns; Anti-skid inserts
    • B60C11/03Tread patterns
    • B60C2011/0337Tread patterns characterised by particular design features of the pattern
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、他の性能を犠牲にすることなく排水性能を有効に高めることができる空気入りタイヤ、特に高性能タイヤに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の空気入りタイヤ、特に、操縦安定性の向上等を目的として偏平率を小さくした、いわゆる高性能タイヤのトレッドパターンとしては、例えば、トレッド中央域からトレッド接地端に向かってタイヤ周方向に対し傾斜して延びる多数本の傾斜溝を配設することによって多数の区画陸部を形成したものが知られている。
【0003】
かかるタイヤにおいて、排水性をさらに向上させるための手段としては、傾斜溝の溝幅を広げるなどして溝面積比率(ネガティブ率)を高めるのが有用である。
【0004】
即ち、上記トレッドパターンを有するタイヤにおいては、傾斜溝のネガティブ率を高めることによって、タイヤ側方への排水効率が高まり、この結果として、タイヤ全体としての排水性能の向上が期待できるのである。
【0005】
また、排水性能を高めるための他の手段としては、傾斜溝を、タイヤ周方向に対して小さい角度で傾斜する、いわゆるハイアングル溝にすること、及び、傾斜溝をタイヤ赤道側からそれぞれのトレッド接地端側に向かって順次接地域に入る方向に配設して、トレッド部に方向性パターンを形成するのが有用である。
【0006】
しかしながら、これらの排水性能を高めるための手段はいずれも、他の性能を確保する点から自ずと限界があった。
【0007】
そのため、発明者は、トレッド部に、多数本の傾斜溝を配設することによって多数の区画陸部を形成したタイヤについて、他の性能を犠牲にすることなく、排水性能をさらに高めるための詳細な検討を行ない、以下の知見を得た。
【0008】
即ち、かかるタイヤで濡れた路面上を走行する場合、タイヤの接地中央域に存在する水を傾斜溝を通じてタイヤ側方に排出するまでにはかなりの距離があるため、十分に排出することができず、ハイドロプレーニング現象が発生しやすく、特に、偏平率の小さい高性能タイヤでは、トレッド幅がかなり広いことから、上記現象は顕著に生じる傾向があることがわかった。
【0009】
そして、区画陸部に、その内陸側位置から、区画陸部を形成するそれぞれの傾斜溝に向かって該傾斜溝と同じ向きの傾斜で所定形状の1対の切り欠き部を配設し、傾斜溝に水を取り込みやすい形状にすることによって、他の性能を犠牲にすることなく、排水効率が飛躍的に向上することを見出した。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
この発明の目的は、 区画陸部に、適正化を図った1対の切り欠き部を配設することにより、他の性能を犠牲にすることなく排水性能を有効に高めることができる空気入りタイヤ、特に高性能タイヤを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、 この発明は、 トレッド部踏面の少なくとも略半区域に、中央域からトレッド接地端に向かってタイヤ周方向に対し傾斜して延び、かつ、中央域側でタイヤ周方向に対する傾斜角度が比較的小さく、トレッド接地端側で前記傾斜角度が比較的大きい多数本の傾斜溝を配設することによって区画陸部を形成してなる空気入りタイヤにおいて、区画陸部に、その内陸側位置から、それぞれこの区画陸部を形成する2本の傾斜溝に向かって該傾斜溝と同じ向きの傾斜で、陸部高さが減少しかつ表面が末広がり状となるように切除された1対の切り欠き部を配設して、区画陸部を中央側陸部と側方側陸部に実質上2分割することを特徴とする空気入りタイヤである。
【0012】
尚、ここでいう「トレッド部踏面の略半区域」とは、トレッド部踏面をパターンセンターで2分したときの一方のトレッド領域をいい、例えば、パターンセンターがタイヤ赤道と一致しない場合の半区域も含まれる。
また、「中央域」とは、パターンセンターを中心としトレッド接地幅の50%の領域をいう。
さらに、「区画陸部の内陸側位置」とは、具体的には陸部の中央の位置をいう。
さらにまた、「傾斜溝と同じ向きの傾斜」とは、具体的には、 平面上で、直交する座標軸で平面を4つに分けたときの第1〜第4象限を考え、 傾斜溝が原点を通り第1象限と第3象限の範囲内にあるとき、 同様の範囲内で傾斜することを意味する。
加えて、「実質上2分割する」とは、具体的には図1に示すように、区画陸部を、中央側陸部と側方側陸部に細溝によって完全に分割する場合の他、中央側陸部と側方側陸部の一部が分割されている場合や、切り欠き部の側壁と側方側陸部の側壁が一体化されている場合等が含まれる。
【0013】
また、前記切り欠き部は、その中央側の陸部高さ減少割合が比較的小さく、その傾斜溝側の陸部高さ減少割合が比較的大きいこと、前記1対の切り欠き部は、区画陸部の前記内陸側位置付近で一部不連続区域を有すること、前記切り欠き前記1対の切り欠き部は、その表面の陸部高さの最小値が傾斜溝の溝深さの少なくとも50%であること、前記切り欠き部の傾斜溝に面する部分の表面と中央側陸部の踏面とのなす交角は、120 〜150 °の範囲であることが好ましい。
【0014】
さらに、区画陸部の、最も先に接地域に入る角部に、その先端に向かって陸部高さが減少する面取り部を形成すること、面取り部は、その陸部高さの減少割合が角部の先端に向かって漸増すること、前記面取り部は、その表面を実質曲面状に形成することが好ましい。
【0015】
さらにまた、側方側陸部は、その中央側陸部の対をなす切り欠き部と向かい合う部分を、中央側陸部の前記内陸側位置に向かって突出する凸状とし、この凸状部分の陸部高さは、側方側陸部の他の部分の陸部高さと同一であること、凸状部分は、その先端部に角部を有し、この角部の形成角度が45〜90°の範囲であること、凸状部分を形成する側壁のうち、先行接地側に位置する側壁は、タイヤ周方向に対する配設角度が60〜85°の範囲であり、後続接地側に位置する側壁は、前記配設角度が5 〜30°の範囲であることが好ましい。
【0016】
加えて、トレッド部踏面の両区域に、中央域からそれぞれのトレッド接地端に向かってタイヤ周方向に対し傾斜して延びる多数本の傾斜溝を配設して、対をなす区画陸部を形成し、これら区画陸部を、中央域側部分からトレッド端側部分に向かって順次接地する配置にして、トレッド部に方向性パターンを形成することが好ましい。
【0017】
さらに加えて、中央域にタイヤ周方向に延びる1対の周方向溝を配設して、これらの間にリブ状陸部を形成することが好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に、 この発明の実施の形態の一例を以下で説明する。
図1は、 この発明に従う空気入りタイヤのトレッドパターンを示したものであり、 図中1はトレッド部踏面、2及び3はトレッド部踏面1の略半区域、4は中央域、5a及び5bはトレッド接地端、6はタイヤ赤道面、7a及び7bは傾斜溝、8a及び8bは区画陸部、9a及び9bは切り欠き部である。
【0019】
この図に示すトレッド部踏面1を有する空気入りタイヤは、トレッド部踏面1の少なくとも略半区域 (図1では両区域2,3)に、中央域4からトレッド接地端5a,5b に向かってタイヤ周方向(タイヤ赤道面6と平行な方向)に対し傾斜して延びる多数本の傾斜溝7a,7b を配設することによって、区画陸部8a,8b を形成したものである。
【0020】
傾斜溝7a,7b は、中央域4側でタイヤ周方向に対する傾斜角度が比較的小さく(好適には10〜40°)、トレッド接地端5a,5b 側で前記傾斜角度が比較的大きい(好適には50〜80°)、いわゆるハイアングル溝である。
【0021】
そして、この発明の構成上の主な特徴は、区画陸部8a,8b の所定位置に所定形状の1対の切り欠き部9a,9b を配設すること、より具体的には、区画陸部8a,8b に、その内陸側位置10から、それぞれこの区画陸部8a,8b を形成する2本の傾斜溝7a1 ,7a2又は7b1 ,7b2に向かって該傾斜溝7a1 ,7a2又は7b1 ,7b2と同じ向きの傾斜で、陸部高さHが減少しかつ表面11が末広がり状となるように切除された1対の切り欠き部9a,9b を配設して、区画陸部8a,8b を中央側陸部12と側方側陸部13に実質上2分割することにある。
【0022】
即ち、トレッド部に傾斜溝を配設した従来タイヤの場合には、タイヤ前方に存在する路面上の水をタイヤの外方に十分に排出することができず、接地時にその水をタイヤ接地面がまともに踏みこんでしまうため、ハイドロプレーニング現象を引き起こしやすいという問題点があったが、この発明では、区画陸部8a,8b に1対の切り欠き部9a,9b を配設することによって、タイヤのトレッド接地域に存在する水を、これら切り欠き部9a,9b を通じて傾斜溝7a,7b 内に強制的に取りこむことができ、この取りこんだ水は、傾斜溝7a,7b 内を通ってタイヤ側方へ速やかに排出されるため、排水効率が高まるとともにタイヤ接地面の水圧を低下させることができ、この結果、排水性能を向上させることができるのである。
【0023】
また、この発明では、排水性を向上させるための手段として、溝の配設ではなく、切り欠き部9a,9b の配設によって達成していることから、陸部の剛性低下が少なくなるとともに、区画陸部全体としての接地性も向上することになる。
【0024】
図2(a)〜(d) は、切り欠き部9a,9b の断面形状を示すため、それぞれ図1のA−A線、B−B線、C−C線及びD−D線上で切断したときの切り欠き部9a,9b の断面形状である。尚、切り欠き部9a,9b は、タイヤのトレッド接地域に存在する水を傾斜溝7a,7b 内に取り込みやすくするため、この取りこんだ水が区画陸部8a,8b の内陸側位置10から傾斜溝7a1 ,7a2又は7b1 ,7b2に向かって該傾斜溝7a1 ,7a2又は7b1 ,7b2と同じ向きの傾斜で、陸部高さHが減少しかつ表面11が末広がり状となるように形成すればよく、図2(a)〜(d) に示す断面形状だけには限定されず、種々の態様を採ることができる。
【0025】
前記切り欠き部9a,9b は、その中央側の陸部高さ減少割合を比較的小さく、その傾斜溝側の陸部高さ減少割合を比較的大きくすることが好ましい。
【0026】
尚、前記減少割合Rの大きさは、簡便的には、切り欠き部9a,9b の表面11が中央側陸部12の踏面とのなす交角θの大きさによって表わすことができる。
【0027】
前記1対の切り欠き部9a,9b は、区画陸部8a,8b の前記内陸側位置10付近で一部不連続区域を有する場合、陸部剛性を高く設定できるため、操縦安定性を高める場合は好ましい。
【0028】
ここで、「切り欠き部9a,9b が一部不連続区域を有する」とは、切り欠き部9a,9b の先端部が互いに連結しない場合を意味する。尚、図1では、接地性を重視するため、中央側陸部12と側方側陸部13の間に細溝24を配設して、切り欠き部9a,9b が側方側陸部13の側壁22,23 から完全に分離した場合を示してあるが、細溝24は、必要に応じて適宜配設することができる。
【0029】
また、前記切り欠き部9a,9b は、その表面形状を種々の形状にすることができるが、表面11をタイヤ接地面上に投影するとき、その形状を略三角形状 (図1)にすることが、中央側陸部12の踏面14と路面の間に存在する水を傾斜溝7a,7b 内にスムーズに流し込みやすくなる点で好ましい。即ち、タイヤ接地面内の水は、基本的にはタイヤの中央域4からトレッド接地端5a,5b に向かって流れる傾向があるため、前記表面11を、区画陸部8a,8b の内陸側位置10を頂点とし、これからそれぞれの傾斜溝7a1 ,7a2又は7b1 ,7b2に向かって略三角形状でかつ末広がり状に形成することにより、タイヤ幅方向内側に位置する中央側陸部12の踏面14と路面との間に存在する水をこの切り欠き部9a,9b の表面11を通じて傾斜溝7a,7b 内に取りこむのを容易にするからである。
【0030】
前記1対の切り欠き部9a,9b は、その陸部高さHの最小値が傾斜溝7a,7b の溝深さDの少なくとも50%にすることが、排水性を高める点で好ましい。
【0031】
区画陸部8a,8b の、最も先に接地域に入る角部15に、その先端16に向かって陸部高さHが減少する面取り部を形成することが、ブロック剛性の確保と溝分岐点での水圧減少効果を得る点で好ましい。
【0032】
また、ブロック剛性の確保と溝分岐点での水圧減少効果の双方をより一層バランス良く満足させるには、この面取り部15の陸部高さHの減少割合Rを角部の先端16に向かって漸増させること、または、前記面取り部15の表面17を実質曲面状に形成することがより好ましい。
【0033】
尚、図1等では、面取り部15及び切り欠き部9a,9b を明確に示すため、便宜上、それらの一部に斜線を施してある。
【0034】
また、切り欠き部9a,9b の傾斜溝7a,7bに面する部分の表面と中央側陸部の踏面とのなす交角θ (図2(d))は、120 〜150 °の範囲にすることが好ましい。
【0035】
さらに、側方側陸部13は、その中央側陸部12の対をなす切り欠き部9a,9b と向かい合う部分18を、中央側陸部12の前記内陸側位置10に向かって突出する凸状とし、この凸状部分18の陸部高さHを、側方側陸部13の他の部分の陸部高さHと同一にすることが好ましい。
【0036】
即ち、側方側陸部13の前記部分18を凸状にすることによって、区画陸部8a,8b ( 特に中央側陸部12)の踏面に存在する水の流れは、2つの切り欠き部 9a,9bのいずれかに瞬時に振り分けられ、それぞれの切り欠き部9a,9bに隣接する傾斜溝7a1 ,7a2又は7b1 ,7b2の溝底及びそれぞれの傾斜溝の配設方向に向かって傾斜溝7a1 ,7a2又は7b1 ,7b2内に強制的に流し込ませることができ、タイヤ側方への排水効率が高まるからであり、また、凸状部分18の陸部高さHを、側方側陸部13の他の部分の陸部高さHと同一にすることによって、水を振り分ける作用はより一層顕著になる。
【0037】
凸状部分18は、その先端部21に角部を有し、この角部21の形成角度βは45〜90°の範囲にすることが好ましい。前記形成角度が45°未満だと、ブロック剛性が不足しがちであり、特にスポーツ走行時の摩耗が問題になるおそれがあるからであり、また、前記形成角度が90°よりも大きい (鈍角の)場合には、上述した水の流れをスムーズに振り分けることができず、十分な排水性能が得られなくなる傾向があるからである。
【0038】
凸状部分18を形成する側壁22,23 のうち、先行接地側に位置する側壁22は、タイヤ周方向に対する配設角度γが60〜85°の範囲にし、後続接地側に位置する側壁23は、前記配設角度δが5 〜30°の範囲であることが好ましい。即ち、前記側壁22を、トレッド接地端5a,5b 側に位置する傾斜溝7a,7b の配設角度と同様な角度で配設することによって、タイヤ側方へのよりスムーズな排水を実現することができ、また、前記側壁23を、タイヤ周方向に対して小さい角度で配設することによって、タイヤ前方への排水効率を高めることができるからである。
【0039】
加えて、中央側陸部12と側方側陸部13のそれぞれの分割部分は、実質的にタイヤ周方向( 5〜30°)とタイヤ幅方向(60〜85°)に分割されているため、タイヤ周方向及び幅方向のいずれの入力に対しても陸部が柔軟に変形することができ、この結果、良好な接地性が得られるため、特に操縦安定性に有利である。
【0040】
また、この発明では、トレッド部踏面1のいずれか一方の半区域2又は3に、上述した構成を採用すればよいが、特に、排水性を重視する高性能タイヤの場合には、図1に示すように、トレッド部踏面1の両区域2,3に、中央域4からそれぞれのトレッド接地端5a,5b に向かってタイヤ周方向に対し傾斜して延びる多数本の傾斜溝7a,7b を配設して、対をなす区画陸部9a,9b を形成し、これら区画陸部9a,9b を、中央域4側からトレッド接地端5a,5b 側部分に向かって順次接地する配置にして、トレッド部に方向性パターンを形成することが好ましい。
【0041】
また、図1では、排水性をより一層向上させると共に、操縦安定性を高めるため、中央域4にタイヤ周方向に延びる1対の周方向溝25a,25b を配設するとともに、これらの間にリブ状陸部26を形成し、傾斜溝7a,7b が周方向溝25a,25b に開口する構成を示してあるが、この構成は必要に応じて適宜選択等することができる。
【0042】
このように、上記構成にした傾斜溝7a,7b と前記周方向溝25a,25b とを組み合わせたトレッドパターンにすれば、傾斜溝7a,7b によるタイヤ側方への排水作用だけでなく、さらに、周方向溝25a,25b によるタイヤ前後方向への排水作用も生じるため、排水性能はより一層向上させることができる。
【0043】
また、発明者は、上記トレッドパターンを有するタイヤについても、タイヤ負荷転動時における排水機構について検討し、排水効率をさらに向上させるための検討をしたところ、かかる排水機構は経時的に変化すること、より具体的に言えば、タイヤの接地直前は、周方向溝によるタイヤ前方への排水が主であり、また、接地直後(接地時も含む。)は、周方向溝によるタイヤ前後方向への排水よりもむしろ、傾斜溝によるタイヤ側方への排水が主であるという知見を得た。
【0044】
そして、上記構成を採用するのに加えて図3及び図4に示すように、リブ状陸部26の側壁26a,26b の、周方向溝25a,25b に傾斜溝7a,7b が開口する位置19,20 と対応する部分に、これらとそれぞれ隣接する周方向溝25a,25b 内に突出する擬似陸部27を固設し、前記擬似陸部27の陸部高さHを、リブ状陸部26の側壁26a から離れるに従って漸減するような傾斜面で形成すれば、排水性能がさらに向上することがわかった。図2(e),(f)は、擬似陸部27の断面形状を明らかにするため、図3のE−E, F−F上で切断したときのものである。
【0045】
即ち、上記擬似陸部27を設けることにより、特に、接地直後における周方向溝25a,25b 内を流れる水が、配設角度の異なる傾斜溝7a,7b 内へスムーズに流れ込むことができ、接地直後における傾斜溝7a,7b によるタイヤ側方への排水効率が顕著に高められ、これによって、タイヤの排水性能をより一層向上させるからである。
【0046】
尚、周方向溝25a,25b をトレッド部に1対配設するのは、1本だけだとハイドロプレーニング現象の発生を十分に抑制することができず良好な排水性能が得られないからである。
【0047】
また、周方向溝25a,25b は、タイヤ周方向に沿って延びる形状であればよく、図1に示すような直線状だけには限定されず、種々の形状にすることができる。
【0048】
さらに、トレッド中央域4にリブ状陸部26を配設するのは、中央域4に位置する陸部の剛性を大きくすることによって、微小舵角応答性を高め、乾いた路面での操縦安定性を確保するためである。
【0049】
尚、上述したところは、この発明の実施形態の一例を示したにすぎず、請求の範囲において種々の変更を加えることができる。例えば、上述したタイヤは、いずれも1個の区画陸部8a,8b に1対の切り欠き部9a,9b を配設した場合についてだけ説明してきたが、必要に応じて2対以上の切り欠き部を配設してもよい。
【0050】
【実施例】
次に、この発明に従う空気入りタイヤを試作し、性能を評価したので以下で説明する。
・実施例1
実施例1のタイヤは、図3に示すトレッドパターン及び図2に示す断面形状(但し、細溝24の配設は除く。)を有し、タイヤサイズがPSR205/55R16(トレッド幅:170 mm)であり、傾斜溝7a,7b 、周方向溝25a,25b 、切り欠き部9a,9b 、リブ状陸部26、面取り部15、及び擬似陸部27等の寸法等については表1にまとめて示す。尚、トレッド部以外のタイヤ構造については、従来の乗用車用空気入りタイヤの構造とほぼ同様とした。
【0051】
・実施例2
実施例2のタイヤは、図4に示すトレッドパターン及び図5に示す断面形状をを有し、表2に示すような傾斜溝7a,7b 、周方向溝25a,25b 、切り欠き部9a,9b 、リブ状陸部26、面取り部15、及び擬似陸部27等の寸法等を有することを除いて実施例1のタイヤとほぼ同様に構成した。
【0052】
・従来例
従来例のタイヤは、図6に示すトレッドパターンを有し、タイヤサイズがPSR205/55R16(トレッド幅:170 mm)であり、周方向溝101 〜103 及び傾斜溝104 〜106 の寸法等については表3に示す。
【0053】
【表1】
Figure 0004327931
【0054】
【表2】
Figure 0004327931
【0055】
【表3】
Figure 0004327931
【0056】
(試験方法)
上記各供試タイヤをJATMA で規定する標準リムに装着し、タイヤ内圧:2.3kgf/cm2 、タイヤ負荷荷重:実車2名乗車相当の条件下で、濡れた路面での排水性能、乾いた路面での操縦安定性能、パターンノイズ及び耐摩耗性を評価するための試験を行なった。
【0057】
濡れた路面での排水性能は、直進走行時の排水性能と、旋回走行時の排水性能のに双方によって評価した。
【0058】
直進走行時の排水性能は、水深5mmの濡れた路面を走行させ、速度をステップ的に増加させていき、ハイドロプレーニング現象が発生したときの速度を測定し、これによって評価した。
【0059】
旋回走行時の排水性能は、水深5mmの半径80mの濡れた旋回路面を走行させ、速度をステップ的に増加させていき、ハイドロプレーニング現象が発生したときの速度を測定し、これによって評価した。
【0060】
乾いた路面での操縦安定性能は、乾いた路面状態にあるサーキットコースを各種走行モードにてスポーツ走行したときのテストドライバーによるフィーリングによって評価した。
【0061】
パターンノイズは、平滑な路面上を走行させ、100km /hから惰行させたときの車内音をテストドライバーによるフィーリングによって評価した。
【0062】
耐摩耗性は、高速道路、市街地路及び山坂路を想定したモード走行において、5000km走行後のタイヤトレッド表面の状態を目視で観察すると共に、残溝深さをを計測し、これら結果から総合的に評価した。
【0063】
これらの評価結果を表4に示す。尚、表4中の数値は、いずれも従来例を100 とした指数比で示してあり、直進走行時の排水性能、旋回走行時の排水性能、乾いた路面での操縦安定性能、パターンノイズ及び耐摩耗性は、いずれも数値が大きいほど優れている。
【0064】
【表4】
Figure 0004327931
【0065】
表4の結果から、実施例1及び2はいずれも、従来例に比べて、濡れた路面での排水性能、乾いた路面での操縦安定性能、パターンノイズ及び耐摩耗性のいずれの性能とも優れている。
【0066】
【発明の効果】
この発明によって、パターンノイズや耐摩耗性等の他の性能を犠牲にすることなく排水性能を有効に高めることができる空気入りタイヤ、特に高性能タイヤを提供することが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に従う空気入りタイヤのトレッド部の一部を展開した図である。
【図2】 (a) 〜(d) はそれぞれ図1のA−A、B−B、C−C及びD−D線上の断面図であり、(e),(f) はそれぞれ図3のE−E及びF−F線上の断面図である。
【図3】 この発明に従う他の空気入りタイヤ (実施例1)のトレッド部の一部を展開した図である。
【図4】 この発明に従う他の空気入りタイヤ (実施例2)のトレッド部の一部を展開した図である。
【図5】 (a) 〜(d) はそれぞれ図4のG−G,H−H,I−I及びJ−J線上の断面図であり、(e),(f) はそれぞれ図3のK−K及びL−L線上の断面図である。
【図6】 従来タイヤ (従来例) のトレッド部の一部を展開した図である。
【符号の説明】
1 トレッド部踏面
2,3 トレッド部踏面1の略半区域
4 中央域
5a,5b トレッド接地端
6 タイヤ赤道面
7a,7b 傾斜溝
8a,8b 区画陸部
9a,9b 切り欠き部
10 区画陸部8a,8b の内陸側位置
11 切り欠き部9a,9b の表面
12 中央側陸部
13 側方側陸部
14 中央側陸部12の踏面
15 角部(又は面取り部)
16 面取り部15の先端
17 面取り部15の表面
18 側方側陸部13の凸状部分
19,20 傾斜溝7a,7b が周方向溝25a,25b に開口する位置
21 凸状部分18の先端部
22,23 凸状部分18の側壁
24 細溝
25a,25b 周方向溝
26 リブ状陸部
27 擬似陸部

Claims (14)

  1. トレッド部踏面の少なくとも略半区域に、中央域からトレッド接地端に向かってタイヤ周方向に対し傾斜して延び、かつ、中央域側でタイヤ周方向に対する傾斜角度が比較的小さく、トレッド接地端側で前記傾斜角度が比較的大きい多数本の傾斜溝を配設することによって区画陸部を形成してなる空気入りタイヤにおいて、
    区画陸部に、その内陸側位置から、それぞれこの区画陸部を形成する2本の傾斜溝に向かって該傾斜溝と同じ向きの傾斜で、陸部高さが減少しかつ表面が末広がり状となるように切除された1対の切り欠き部を配設して、区画陸部を中央側陸部と側方側陸部に実質上2分割することを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記切り欠き部は、その中央側の陸部高さ減少割合が比較的小さく、その傾斜溝側の陸部高さ減少割合が比較的大きい請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記1対の切り欠き部は、区画陸部の前記内陸側位置付近で一部不連続区域を有する請求項1又は2記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記切り欠き部の表面をタイヤ接地面上に投影するとき、その形状が略三角形状である請求項1、2又は3記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記1対の切り欠き部は、その表面の陸部高さの最小値が傾斜溝の溝深さの少なくとも50%である請求項1〜4のいずれか1項記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記切り欠き部の傾斜溝に面する部分の表面と中央側陸部の踏面とのなす交角(θ)は、120〜150°の範囲である請求項1〜5のいずれか1項記載の空気入りタイヤ。
  7. 区画陸部の、最も先に接地域に入る角部に、その先端に向かって陸部高さが減少する面取り部を形成する請求項1〜6のいずれか1項記載の空気入りタイヤ。
  8. 面取り部は、その陸部高さの減少割合が角部の先端に向かって漸増する請求項7記載の空気入りタイヤ。
  9. 前記面取り部は、その表面を実質曲面状に形成する請求項7又は8記載の空気入りタイヤ。
  10. 側方側陸部は、その中央側陸部の対をなす切り欠き部と向かい合う部分を、中央側陸部の前記内陸側位置に向かって突出する凸状とし、この凸状部分の陸部高さは、側方側陸部の他の部分の陸部高さと同一である請求項1〜9のいずれか1項記載の空気入りタイヤ。
  11. 凸状部分は、その先端部に角部を有し、この角部の形成角度 (β)が45〜90°の範囲である請求項10記載の空気入りタイヤ。
  12. 凸状部分を形成する側壁のうち、先行接地側に位置する側壁は、タイヤ周方向に対する配設角度(γ)が60〜85°の範囲であり、後続接地側に位置する側壁は、前記配設角度(δ)が5 〜30°の範囲である請求項10又は11記載の空気入りタイヤ。
  13. トレッド部踏面の両区域に、中央域からそれぞれのトレッド接地端に向かってタイヤ周方向に対し傾斜して延びる多数本の傾斜溝を配設して、対をなす区画陸部を形成し、これら区画陸部を、中央域側部分からトレッド端側部分に向かって順次接地する配置にして、トレッド部に方向性パターンを形成する請求項1〜12のいずれか1項記載の空気入りタイヤ。
  14. 中央域にタイヤ周方向に延びる1対の周方向溝を配設して、これらの間にリブ状陸部を形成する請求項1〜13のいずれか1項記載の空気入りタイヤ。
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