JP4327913B2 - 遺伝子増幅装置及び遺伝子増幅方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧力の印加により圧縮されて内部の反応液を移動させることが可能な生化学用反応容器およびこの容器を基材として含有する多種類の遺伝子を同時に増幅する装置および方法に関する。更にこうして増幅された多種類の遺伝子を一度に解析する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明者らは、先に特願平9−211694号において、多種類の遺伝子を同時に増幅する装置を開示した。上記先願発明の遺伝子増幅装置は、細胞不透過性かつ核酸透過性の多孔質膜内層および核酸吸着能を有し且つ核酸を固定し得る多孔質膜外層の少なくとも2層からなり蓋材または底材として働く多孔質積層膜(A)と複数のセルを形成した基材とにより形成される複数の反応槽を有するものである。この装置を用いた遺伝子の増幅方法では、複数の反応槽内で増幅された遺伝子は、増幅装置に、遠心力を加える、多孔質積層膜に吸水性材料を接触させる、多孔質積層膜側から真空吸引する、基材の上表面から加熱して反応槽内に含まれる空気を熱膨張性させる等の方法により反応槽内にある遺伝子を含む生化学反応溶液を多孔質積層膜の方へ流動させることによって多孔質積層膜に吸着または固定していた。
【0003】
しかし、反応槽内部には大程の場合、反応液以外にある程度の空気部分が存在し、そのため上記のいずれの方法によっても反応液を効率良く且つ十分に多孔質積層膜へ送り込むことはできなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、多種類の遺伝子を同時に増幅、精製可能な遺伝子増幅装置等に利用して、生化学反応液を効率良く反応槽から取り出すことのできる生化学用反応容器およびこれを使用した遺伝子増幅装置および遺伝子増幅方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、溶液中で生化学反応を行う反応容器において、物理的圧力の印加により反応容器が圧縮変形することによって反応容器内の液体を移動させることを可能とした圧縮変形可能な材料からなる生化学用反応容器に関する。
【0006】
また、本発明は、細胞不透過性かつ核酸透過性の多孔質膜内層2aおよび核酸吸着能を有し且つ核酸を固定し得る多孔質膜外層2bの少なくとも2層からなり蓋材または底材として働く多孔質積層膜(A)と複数のセルを形成した基材(B)とにより形成される複数の反応槽を有する遺伝子増幅装置において、上記基材(B)として上記の生化学用反応容器を用いる遺伝子増幅装置に関する。
【0007】
更に、本発明は、細胞不透過性かつ核酸透過性の多孔質膜内層2aおよび核酸吸着能を有し且つ核酸を固定し得る多孔質膜外層2bの少なくとも2層からなる多孔質積層膜(A)およびそれに脱着可能に貼り合わされた防水膜とからなる蓋材と複数のセルを形成した上記基材(B)とにより形成された複数の反応槽を有する遺伝子増幅装置の各反応槽に、遺伝子を産生する細胞を含む菌液を接種し、細胞培養、遺伝子の精製、増幅を行った後、装置を上下反転しまたは反転しないで、防水膜を剥がした後、反応容器に圧力を印加して反応容器を圧縮することにより菌液を多孔質積層膜(A)の方へ圧流させ、分別濾過後遺伝子を上記多孔質膜2bに配列固定する遺伝子増幅方法に関する。
【0008】
更に本発明は、上記本発明の遺伝子増幅方法により得られた遺伝子が配列固定された多孔質膜2b上で相補性解析を用いることにより行われる遺伝子解析方法に関する。
【0009】
本発明はまた、それぞれの反応槽と対応するように位置決めされた棒状突起を有する植菌用治具にを用いて、反応槽中の遺伝子産生細胞を付着して別の容器に接種し、同じ型の遺伝子増幅装置の各反応槽に植菌複製を行う上記の遺伝子増幅方法に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の生化学用反応容器は、外部からの圧力により圧縮変形可能な材質からなり、圧縮変形されることにより、その内部に収容された生化学反応溶液を移動させることができる特性を有することを特徴とする。
【0011】
この生化学用反応容器は、免疫反応、PCR反応、核酸抽出等溶液中で生化学反応を行う反応系に使用することができ、圧力の印加により容器内の液に液流を生ぜしめて濾過操作、混液操作、洗浄操作等を行うに有用である。
【0012】
このような特性を有する本発明の反応容器は、外力により圧縮変形する材料でできておればどのようなどのようなものでもよく、変形に必要な圧力は特に規定するものではなく、手動または簡単な器具および装置により印加できる程度の圧力を意味している。あまりに小さい外力で変形するような材料を使用したものは取り扱いが不便であり、また過度の圧力でしか変形しないものは圧縮装置自体が過大となり取り扱いが容易でないばかりか高価な圧縮装置となり、また反応容器を使用している他の部品が破損する恐れがあり、いずれも好ましくない。
【0013】
ここで変形とは、これも特にその程度を限定するものではなく、内部の液体に圧流を生じさせるような大きさであればよく、好ましくはその厚さが2/3以下、より好ましくは1/2以下、特に好ましくは1/3以下となるものである。
【0014】
上記の性能を有する圧縮変形可能な材料として、弾性材料、発泡弾性材料またはガラス転移温度が使用温度以下である軟質プラスチック材料の発泡体を用いることができるが、好ましくは弾性材料または弾性材料からなる独立気泡発泡体である。材質としてはDNAやタンパク質を吸着せず、反応系を阻害しないものであって、PCR反応の高温度即ち、100℃に近い高温に耐えるものであればよい。使用できる高分子材料は、遺伝子と結合したり吸着したりせず、且つ水に膨潤や溶解をしないものであれば特に限定されない。このような高分子材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル類、ポリスチレン、ポリアミド類、ポリウレタン類、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等が例示できる。特に低密度ポリエチレンが成形性、耐薬品性およびガラス転移温度の点から好ましい。弾性材料としては通常の合成ゴム、天然ゴム、シリコンゴム、ポリウレタン弾性体等が挙げられる。発泡体の場合は気泡が均一で微細なものほど好ましい。
【0015】
本発明の生化学用反応容器は、ひとつの有用な用途として、図1〜図3に示す遺伝子増幅装置に於ける基材Bとして用いることができる。この場合基材としての本発明の反応容器は底を有するセルが形成されたものを用いることも、セルが隔壁だけから形成されたものも用いることもできる。
【0016】
また本発明の生化学用反応容器は1体の反応容器の中に複数の反応槽(ウェル)が形成されていることが好ましい。反応槽は0.001×0.001mm〜10×10mm(縦×横)、深さ0.001〜10mmの範囲内で形成されるが、好ましくは2×2mm(縦×横)程度で深さ0.1〜10mmのものである。反応槽5の容積は1pl程度から形成し得るが、0.001ml〜2ml、より好ましくは0.1ml〜2mlとする。
【0017】
上記のような多数の反応槽を有する反応容器は種々の方法によって作製することができる。反応容器は射出成型、押出成形、圧縮成形、真空成型、トランスファー成形等、公知のいずれの方法を用いてもよい。また発泡体として成形する場合は発泡性高分子ビーズを型に入れて発泡成形することもできる。以上のような直接的な成形とは別に、弾性材料や発泡体のシートまたは板状物から型の打ち抜き、NC旋盤加工、レーザー加工またはウォーター加工を施して作製することもできる。または、めっきやシリコンウエハーのエッチングにより形成したものを鋳型として用いて成型してもよい。
【0018】
本発明の生化学用反応容器を基材として用いた本発明の遺伝子増幅装置を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の遺伝子増幅装置の多孔質積層膜(A)が底材として働く場合の一例を示したものである。この場合基材としての反応容器は底のない隔壁のみからなるセルを形成したものが用いられる。底材1は材質の異なる少なくとも2層の多孔質膜2a(多孔質膜内層)および2b(多孔質膜外層)からなる多孔質積層膜(A)により形成される(以下、本発明においては、多孔質積層膜が蓋材として用いられる場合であれ底材として用いられる場合であれ、反応槽の内側として働く方の多孔質膜を多孔質膜内層、多孔質内層と積層してその外側に接して用いられる多孔質膜を多孔質膜外層と言う)。
【0019】
本発明の遺伝子増幅装置においては、上記多孔質積層膜(A)を反応容器である基材(B)と組み合わせることによって多数の反応槽5が形成される。多孔質積層膜(A)が底材として働く図1または図2の場合には、基材(B)即ち反応容器はセルが底部のない隔壁4だけから形成されたものが用いられる。反応槽は所望の形状および所望の数をもって形成すればよい。
【0020】
反応容器のセルを区画する隔壁4は、各反応槽5を仕切り、隣接する反応槽中の成分が相互に混合しないように多孔質積層膜(A)の上部に設置される。 隔壁は、あらかじめ隔壁のみを形成し、熱融着、接着、粘着または成型品の凹凸嵌合のいずれかの手段で多孔質膜上に設置しても、あるいは多孔質膜に適当な膜厚のパターンを塗布することによって形成してもよい。隔壁の成型方法として厚膜パターン塗布する場合には、弾性材料をスクリーン印刷、ロールコーティング、ディスペンサーにより厚膜塗布することができる。また発泡性のインクを多孔質積層膜上にスクリーン印刷、ロールコーティング、ディスペンサーにより塗布した後熱処理等により発泡させて形成してもよい。
【0021】
図2は多孔質積層膜(A)が底材として用いられる場合の本発明の遺伝子増幅装置の側面図を示している。
【0022】
図9は多孔質積層膜(A)が蓋材1'として使用される場合の本発明の遺伝子増幅装置の1例を示す。基材(B)としての反応容器は、図9(a)に図示するように、そのセルが隔壁だけでなく底を有して形成されたものが使用される。この底を有する基材3上に、図9(b)に示すように多孔質積層膜Aが蓋1'として覆せられて遺伝子増幅装置が構成される。
【0023】
底を有する基材3は、上記のように、セルの底部と隔壁とが一体に形成されていてもよいが、また底部を構成する基材上に隔壁を別に形成してもよい。例えば、成形加工によりまたはシートを断裁して作製した隔壁を底部を構成する材に接着等の方法で取り付けてもよいし、あるいは厚膜印刷等により底板上に隔壁を形成してもよい。成形加工は射出成形、押出成形、圧縮成形、真空成形、トランスファー成形、ブロー成形等を用いることができる。シートの断裁には旋盤による加工、金属製の治具によるシートの打ち抜き、レーザーによる穴開け等の方法が使用できる。
【0024】
また厚膜印刷の手法としてはスクリーン印刷、ロールコーティング、ディスペンサー塗布等が使用できる。
【0025】
この場合、基材として用いられる反応容器は、隔壁と底部の材料がともに圧縮変形可能な材質であってもよいし、隔壁部分だけが圧縮変形可能な材質であってもよいが、少なくとも隔壁部分には圧縮変形可能な材質を使用する必要がある。
【0026】
多孔質積層膜Aは、これを蓋材1'として使用する場合も底材1として使用する場合も同じものを用いることができる
【0027】
多孔質積層膜を構成する多孔質膜内層2aとしては、細胞フィルターとして機能するもの、即ち細胞あるいは細胞の残渣を透過せず、遺伝子およびタンパク質を透過することができる孔径の膜であればよい。具体的な孔径としては0.2〜1.6μm、好ましくは0.3〜0.8μmのものが例示される。膜の材質としてはDNAおよび蛋白質を吸着しないものであれば特に限定されないが、セルロース濾紙、ガラスフィルター、酢酸セルロースメンブレン、再生セルロースメンブレン、ポリカーボネートメンブレン、必要に応じて表面修飾されたナイロンメンブレン、ポリビニリデンフルオライドメンブレンなどが例示される。
【0028】
多孔質膜外層2bとしては、核酸吸着能を有し、核酸を膜上に吸着、固定化するものであればよく、材質としては特に限定されないが、ガラスフィルター、ニトロセルロースメンブレン、ナイロンメンブレン、ジエチルアミノエタンセルロースメンブレン、プラスチャージ導入ナイロンメンブレン、ポリビニリデンフルオライドメンブレン等が例示される。また、孔径としては培養後核酸を吸着、固定化させる際に目詰まり等のトラブルを生じさせない範囲であればよく、具体的には0.1〜2.0μm、好ましくは0.2〜0.8μmのものが例示される。
【0029】
本発明に使用する多孔質膜内層2aは、DNAが透過可能な膜であるため、各反応槽に菌液を加えて培養を行う場合に、DNAが多孔質膜内層2aを介して隣り合う反応槽に漏れ入り、反応槽の内容物が汚染される問題が生じる。そのため、多孔質膜内層には、隔壁と接する部分、即ち隔壁に相当する形に、その細孔を封じて、隣り合う反応槽中の菌液またはその成分の一部が混ざり合わないようにする必要がある。細孔を封じる方法としては、熱または溶媒により膜を緻密化させたり、固形分を含む液を含浸させたのち乾燥して細孔を閉塞する等の方法を用いることができる。細孔を封じる方法としては上記の方法を含め、どの方法を用いてもよいが、多孔質膜内層がPVDF(ポリビニリデンフルオライド)や酢酸セルロースのような熱可塑性の材料である場合、熱溶融により膜を緻密化する方法が好ましい。この場合ヒーターは金属製の治具を切削等により任意に凹凸を設けることにより形成したものを用いることができる。熱溶融を行う場合の温度は材料により異なるが、PVDFの場合は荷重が0.2〜2kg/cm2で200〜270℃の条件で1〜5秒、酢酸セルロースの場合は荷重はPVDFと同様とし、温度280〜350℃の条件で1〜5秒が好ましい。
【0030】
多孔質膜内層と多孔質膜外層との間には、遺伝子および菌液の透過を確保するために全面に接着剤等を使用して一体化することはできない。また両多孔質膜は相互に剥離可能に一体化される必要がある。そのために剥離可能な融着、粘着または接着剤を用いて、好ましくは、次に述べる多孔質膜内層と隔壁との接着と同様、隔壁に相当する部分だけで接合することである。多孔質膜内層と多孔質膜外層との一体化の状態を図10(c)に示す。
【0031】
蓋材または底材としての多孔質積層膜Aとセルが隔壁部分だけから形成されている基材(B)との一体化は、熱融着、粘着または接着剤により行うことができる。一体化は図10(d)に示すように、多孔質膜内層の基材のセル隔壁と接する部分に熱融着剤、粘着剤または接着剤が取り付けられる。多孔質積層膜を基材と接合するまでは、図10(c)に示すように接着剤等の表面には離型紙を取り付けておいてもよい。図12(d)には、このようにして多孔質積層膜と基材の隔壁部とが一体化された状態を示す。
【0032】
熱融着はそれぞれの熱融着材料の融点付近もしくは融点以上の温度の加熱による圧着により接着する。熱融着を行う場合それぞれの熱融着材料の融点は接近していることが望ましい。熱融着は多孔質積層膜を作製してからそれを基材と接着してもよいし、多孔質膜内層、多孔質膜外層および基材を3者同時に接着してもよい。
【0033】
粘着剤または接着剤は反応阻害がなければ特に制限されない。接着剤としては、アクリル系、ウレタン系、エポキシ系、アミノ鎖導入エポキシ系接着剤が好ましい接着剤として例示できる。また粘着剤としてはアクリル系の水性エマルジョンタイプが例示できる。
【0034】
粘着剤または接着剤を用いる場合、基材との密着性を向上させるため、基材にフレーム処理を施してもよい。
【0035】
また低融点のシーラントを塗布するか、熱融着性シーラントメッシュを介して高分子材料が溶融しないような低融点で熱融着する方法を用いることもできる。この方法を用いれば、全面を加熱しても材料の物性変化や変形が生じることもないので、パターン加熱、位置合わせ等の工程を回避できる。
【0036】
また多孔質膜外層は、遺伝子増幅装置内での遺伝子増幅の後、この膜に固定された遺伝子をさらに増幅させるため、またはハイブリダイゼーション解析に用いるため、一連の工程の最後に剥離する必要がある。そのため比較的緩和な条件での熱融着、接着剤により擬似接着、または粘着されていることが好ましい。
【0037】
底材または蓋材としての多孔質積層膜は、好ましくはその各層が独立して基材から着脱し得るよう、構成される。着脱可能とするためには、多孔質膜の各層のいずれかに基材のセル隔壁の部位にそって粘着剤をパターン塗布する、あるいは凹凸嵌合を設置する等、いずれの方法によってもよい。多孔質膜は各反応槽単位で独立して剥離し得るようにしてもよい。
【0038】
本発明の遺伝子増幅装置は、実験の都合により所望の形状の反応槽が所望の数含まれるよう、形成すればよい。本発明の遺伝子増幅装置をシート状に成形し、これを必要に応じて切り取って使用してもよい。
【0039】
本発明の遺伝子増幅装置は多孔質積層膜の更に外側に着脱可能に防水性膜14を設けてもよい。防水性膜としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンフィルム、PETフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム等の高分子フィルムが例示される。
【0040】
本発明の遺伝子増幅装置が防水性膜14を有する場合には、各反応槽5内へ培養液6を添加し、それぞれの目的遺伝子を有する宿主細胞を接種してそのまま培養すればよい(図2)。
【0041】
本発明の遺伝子増幅装置において、防水性膜を設けない場合は、本発明の遺伝子増幅装置を図3に示すごとく、バット中で水中へ浸けて培養に用いればよい。防水性膜は、操作環境が湿潤で、底部分からの乾燥が防止できる場合、あるいは多孔質膜下層2bのDNA固定容量が十分であり、吸着されなかったDNAが底部分からリークしない場合には必要がない。
【0042】
いずれの場合にも、本発明の遺伝子増幅装置に宿主細胞を接種し、増殖させる際、反応槽内部は図4に示すごとくなる。
【0043】
本発明の遺伝子増幅装置を用いて得られる遺伝子固定化膜を複製するため、本発明はさらに接種用治具を提供する。接種用治具としては、図5に示すごとき本発明の遺伝子増幅装置の反応槽の形状に位置決めされた棒状突起を有する接種用治具10が例示される。かかる接種用治具を用いることによって、容易に遺伝子固定化膜の複製を得ることができる。
【0044】
次いで、本発明の遺伝子増幅方法について説明する。
本発明の遺伝子増幅方法においては、本発明の装置の反応槽内に目的遺伝子を有するベクターが導入された細胞を接種し、この細胞を培養して、遺伝子の精製、増殖を行う。本発明の方法により好適に増幅される目的遺伝子としては、酵母ゲノム遺伝子、ラン藻ゲノム遺伝子、ヒトゲノム遺伝子等が例示されるが、ベクターに組み込み可能なサイズのものであれば、特に限定されない。
【0045】
目的遺伝子をベクターに導入する際、後のPCR反応を容易にするために、図6に示すごとく、目的遺伝子の両端に共通のPCRプライマー結合部位を導入しておくことが好ましい。かかる目的遺伝子をベクターへ挿入させる方法、およびベクターを用いて宿主細胞を形質転換する方法は、当業者によく知られている。
【0046】
本発明の遺伝子増幅方法において、用いる宿主細胞−ベクター系は特に限定されず、遺伝子工学の分野で用いられる大腸菌−M13ファージ、大腸菌−PUCプラスミド、酵母−YACプラスミド等がいずれも好適に用いられる。これらは目的遺伝子の種類および解析目的に応じて適当なものを選択すればよい。特に増殖に伴いベクターが菌体外へ放出されるような種類の宿主−ベクター系を用いれば、目的遺伝子を含むベクターが増殖に伴って菌体外に放出されるため、後の操作が容易である。かかる宿主−ベクター系としてはベクターにM13ファージを用い、宿主細胞に大腸菌を用いる方法が例示される。M13ファージは、増殖に伴い一本鎖のベクターが菌体外に放出されるため、後の精製工程が容易となる。
【0047】
遺伝子産生細胞は、多連ディスペンサロボットあるいは図5に示すごとき接種用治具10等で各反応槽5内へ接種すればよい。また、一旦接種、増殖させた細胞を、図5に示すごとくさらに、反応槽に対応する接種用治具10を用いて他の装置へ接種して複製を作成してもよい。
【0048】
細胞の培養条件としては、それぞれの細胞に最適な条件を採用すればよく、特に限定されない。通常、遺伝子操作に使用される細胞についての好適な培養条件は当業者にはよく知られている。培養は、所望の細胞の増殖が得られるまで行えばよい。
【0049】
宿主細胞が所望の程度まで増殖した後、防水性膜14を設けた場合はこれを剥離し、多孔質積層膜Aが底材として使用された場合はそのまま、また多孔質積層膜が蓋材として使用された場合は増幅装置を上下反転した後、即ち、いずれの場合も多孔質積層膜Aが下面にある状態にしてから、培養液全体を多孔質積層膜を介して外部へ放出させる。培養液を反応槽から多孔質積層膜の方へ取り出すために、本発明では圧縮変形可能な材質からなる反応容器を使用している基材の特性が利用される。即ち多孔質積層膜の底部に吸水性素材を接触させたのち、遺伝子増幅装置全体に上から圧力を印加し、基材すなわち反応容器を圧縮して培養液を強制的に押し出す方法が採られる。反応容器を圧縮する方法としてはこの目的が達成できるものであればどのような方法であっても差し支えない。特に好ましくは装置全体を平面加圧により同時均一に圧縮する方法またはロールにより端部から逐次加圧していく方法である。こうして培養液を増幅装置から排除するとともに遺伝子を多孔質膜外層2b上へ吸着させる。これらの操作により細胞成分は内部多孔質膜上に保持されるが、遺伝子を含むベクターは底部の外部多孔質膜に吸着される。所望により、熱処理により細胞やタンパク質成分を凝固、沈殿してもよい。こうして、産生された遺伝子は細胞と分離される。
【0050】
あるいは、用いた系が培養後にもベクターを放出しない宿主−ベクター系である場合には、超音波破砕、界面活性剤添加後に振とうなどの方法により細胞を破壊した後に、上記方法により細胞残渣と核酸を分離すればよい。
【0051】
次いで、遺伝子を吸着した多孔質膜外層2bを剥離する。この膜は必要に応じて洗浄、ブロッキング、熱処理を行った後、PCR法による遺伝子のさらなる増幅へ供することもできるし、この遺伝子の解析を行うための供試体としてハイブリダイゼーションシートを作製して利用することもできる。洗浄は、膜上の細胞残渣等の夾雑物の除去のために行われる。ブロッキングによりベクターDNAの膜以外への吸着が防止されると共に、PCRにより産生されるDNAの吸着を防止し、回収率を向上させることができる。ブロッキングは、通常行われている方法を用いればよく、例えばカゼイン、BSA等の不活性タンパク質、トリトンX−100、トゥイーン系界面活性剤によるメンブレン表面の吸着などの方法が挙げられる。
【0052】
ベクターが宿主外へ放出される宿主−ベクター系の場合、遺伝子を吸着した多孔質膜外層2bを剥離した後、細胞を保持している多孔質膜内層へ新たな多孔質膜外層を設置し、細胞培養および遺伝子の分離、吸着を繰り返してもよい。
【0053】
また、反応槽内での細胞培養後、各反応槽に対応するように位置決めされた棒状の突起が集合した接種用治具に各反応槽中の細胞を付着させ、新たな装置に移植してもよい(図5参照)。その後、上記と同様にして遺伝子の増幅、精製を行い、多孔質膜外層に遺伝子を吸着させればよい。この方法によれば、同じ遺伝子の配列を有する遺伝子固定化膜の複製が容易に得られる。
【0054】
遺伝子を吸着させた多孔質膜外層は、必要に応じて洗浄、ブロッキング、熱処理した後、隔壁および所望により防水性膜を再設置してPCR法に供すればよい。あるいは、多孔質膜外層を剥離することなく、反応槽内を洗浄して細胞成分を除き、そのままPCR工程に供してもよい。
【0055】
PCR法は反応槽内へtaqポリメラーゼのごとき耐熱性のポリメラーゼ、増幅用プライマーおよびdATP,dTTP、dCTP、dGTP、マグネシウム塩などの必要な成分を含む反応溶液を添加して行う。増幅用プライマーとしては、増幅しようとする各遺伝子の両端と相補的なオリゴヌクレオチドであり、上述のごとく各ベクターへ共通するプライマー反応部位を挿入しておけば、それぞれの反応槽内の遺伝子の増幅を同時に行うことができる。PCR法は当業者によく知られている方法であり、所定量の反応溶液を添加した後、公知の熱サイクルを繰り返すことにより、反応槽5内でそれぞれの遺伝子が増幅される。
【0056】
PCR反応時にはさらに、DNA合成の有無を確認するため、エチジウムブロマイド等のインターカレート性の蛍光試薬を添加してもよい。
【0057】
本発明の方法により増幅された各遺伝子は、ピペッティングなどによって回収しても、別の多孔質膜に写し取った後固定化してハイブリダイゼーション等の解析に供してもよい。
【0058】
本発明により得られる遺伝子を吸着させた多孔質膜は、乾燥状態で冷暗所、より好ましくは不活性ガス充填雰囲気下で保存することにより長期保存することが可能であり、必要な際にPCR法により増幅させてもよい。
【0059】
細胞の培養、遺伝子の増幅、精製等の各工程における反応液の供給は一般には反応槽の開口部より行う。しかし、防水性膜を有していない場合、あるいは防水性膜を除いた後には底部分の多孔質膜を介して行ってもよい。また、吸水性素材を反応槽に充填することによって、反応液供給の効率を上げることもできる。
【0060】
【実施例】
以下実施例により本願をさらに詳細に説明する。実施例は本願を限定するものではない。
実施例 1:多孔質積層膜を底材として用いる例
防水性膜14を最下層とし、その上に孔径・材質の異なる2層の多孔質膜(2a,2b)が積層して形成される底材1と、多孔質膜の上部に設けられた隔壁4とにより形成される複数の反応槽5よりなる遺伝子増幅装置を用い、以下のごとく本発明を実施した。多孔質膜内層2aおよび多孔質膜外層2bにはそれぞれ平均孔径0.45μmのPVDFメンブレン(商品名「デュラポアメンブレン」;ミリポア社製)およびナイロンメンブレン(商品名「ハイボンドN+」;アマシャム社製)を用いた。また基材Bとしては127×83mm、深さ10mmのセルを386個有する独立気泡を有するアクリロニトリル-ブタジエンゴム発泡体からなる圧縮変形可能な反応容器を使用した。
図7および図8に遺伝子増幅方法の概略を示した:
【0061】
a) 各反応槽に大腸菌培養用培地、大腸菌(K12株)、各種遺伝子を組み込んだM13ファージ(M13mp18)を加え、37℃にて一晩培養する。場培養中、菌液が蒸発しないように、シリコンゴム製の蓋を嵌め込んで取り付けた。ここで遺伝子を組み込んだM13ファージは図6に示すごとくプライマー認識部位を組み込んだ遺伝子の両端に有するものである。
【0062】
b) 最下層の防水性膜14を除いた後、吸水性濾紙9を重層した上にこれをのせ、その全体を更に5mm厚のプラスチック板で挟んだ。これをプレス機の上下プレス板に挟み、基材部分が1/4の厚さに圧縮されるまで加圧した。これより培養液は吸水性濾紙9に移行したが、その際、大腸菌7'は多孔質膜内層2aに残り、M13ファージ8'は多孔質膜外層2bに吸着、固定化された。
【0063】
c) 多孔質膜外層2bを剥離してM13ファージ8’を固定化した膜を得た。
【0064】
d) M13ファージを固定化した膜上に新たに隔壁4’のみからなるセルを形成した反応容器を基材として設置して、反応槽5’を形成した、
【0065】
e) d)の遺伝子増幅装置を、taqポリメラーゼ、増幅用プライマー、dNTP、マグネシウム塩、増幅確認用のエチジウムブロマイドを含むバッファーを加えたバッチ内へ浸漬した、
【0066】
f) 95℃、50℃、60℃の熱サイクル反応に供してPCR反応を進行させ、PCR反応終了後、各反応槽のエチジウムブロマイド蛍光強度を測定してDNAの増幅の有無を調べた。増幅したDNAを回収した。
【0067】
実施例 2:多孔質積層膜を蓋材として用いる例
図9により、多孔質積層膜を蓋材として用いる遺伝子増幅方法を説明する。 基材3は隔壁と底部が一体化された、深さが10mm、直径3.5mmの反応槽を384個有する本発明の生化学用反応容器を用いた。この反応容器はシリコンゴムを用いて真空成形法により形成した圧縮変形可能は独立気泡発泡体でできている。それぞれ異なる酵母ゲノム遺伝子を連結したM13ファージを感染した大腸菌を含む菌液をそれぞれの反応槽に加え(図9a)、基材の上から蓋材を被せて反応槽を密閉した(図9b)。蓋材は、ナイロンメンブレン(商品名「ハイボンドN+」;アマシャム社製)である多孔質膜外層2bおよび平均孔径4μmを有するPVDFメンブレン(商品名「デュラポアメンブレン」;ミリポア社製)を多孔質膜内層2aとする多孔質積層膜Aを用いた。多孔質膜内層は、基材3のセル隔壁に相当する部分を熱板で240℃で3秒間熱溶融して緻密化(図10の15で表示)して菌液が反応槽間で混ざり合わないように処理を行った。多孔質積層膜の上には更に再剥離可能な粘着剤を塗布したポリエステル製の防水フィルム14をその粘着剤により最外層に覆せた。多孔質積層膜の上に遠心力を加えて、菌液を底部分に寄せた後、蓋部分を上にした状態で37℃で2昼夜培養を行った。培養終了後、防水膜を剥がし、増幅装置を上下反転した(図9c)。底となった多孔質積層膜の下側に実施例1と同様に吸水性材料を当て、やはり実施例1と同様にプレスにより基材を圧縮して、反応槽中の菌液を多孔質積層膜を介して濾過した。大腸菌はPVDF膜にトラップされ、M13ファージがナイロン膜に吸着固定された。
【0068】
M13ファージ吸着ナイロン膜を剥離し、固定面の反対側から0.5N・NaOH、1.5N・NaCl溶液をしみこませ、ファージの殻蛋白質を変性させ、DNAをメンブレンに固定させた。2×SSC、トリス-塩酸バッファー(pH7.4)で洗浄乾燥させ、ハイブリダイゼーションシートを得た。解析しようとする酵母のmRNAより、32Pで放射性ラベルしたcDNAを調製した。得られたハイブリダイゼーションシートでサザンハイブリダイゼーションを行い、BAS1000(富士フィルム社製)を用いて相補性の有無を検討した。
【0069】
【発明の効果】
本発明の圧縮変形可能な材質からなる生化学用反応容器に多数の反応槽を形成したものを基材として使用した遺伝子増幅装置を用いる本発明の遺伝子増幅方法によれば、多種類の遺伝子を、同時に増幅、精製可能であることに加えて、増幅等の生化学反応液を効率良く反応槽から取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の遺伝子増幅装置の一例を示す。
【図2】 本発明の遺伝子増幅装置の一例を示す。
【図3】 本発明の遺伝子増幅装置の一例を示す。
【図4】 本発明の遺伝子増幅装置の反応槽内の状態を示す。
【図5】 本発明に有用な植菌用治具および複製方法を示す。
【図6】 本発明において好適に用いられるベクターを示す。
【図7】 本発明の実施例1の手順を示す。
【図8】 図9に続き本発明の実施例1の手順を示す。
【図9】 本発明の実施例2の手順を示す。
【図10】 底材1または蓋材1'としての多孔質積層膜の1例。
【符号の説明】
1:底材、1':蓋材、2a:多孔質膜内層、2b:多孔質外層、
3:底を有するセルを形成した基材、4、4’:セルの隔壁、
5、5’:反応槽、6:培養液、7:宿主細胞、7’:大腸菌、
8:ベクター、8’:M13ファージ、9:吸水性濾紙、
10:接種用治具、
11:プライマー、dNTP、Taqポリメラーゼ、マグネシウム塩、エチジウムブロマイドを含むバッファー、12:加熱ブロック、
13:増幅された遺伝子、14:防水性膜、
15:多孔質膜内層に形成された緻密部、
16、16':接着剤、粘着剤または熱融着剤、17:離形紙、
18:加圧用当て板、19:プレス機、
A:多孔質積層膜、B:基材。
Claims (8)
- 細胞不透過性かつ核酸透過性の多孔質膜内層2aおよび核酸吸着能を有し且つ核酸を固定し得る多孔質膜外層2bの少なくとも2層からなり蓋材または底材として働く多孔質積層膜(A)と複数のセルを形成した基材(B)とにより形成される複数の反応槽を有する遺伝子増幅装置であって、
上記基材(B)が、物理的圧力の印加により反応容器が圧縮変形することによって反応容器内の液体を移動させることを可能とした圧縮変形可能な材料からなり、複数のセルが隔壁により区画されてなる生化学用反応容器であり、
上記多孔質膜内層2aが、蓋部又は底部と、上記隔壁と接する部分とからなり、上記隔壁と接する部分が、熱溶融、有機溶剤による溶着または細孔への樹脂の充填により上記隔壁の形状に非多孔質化されていることを特徴とする遺伝子増幅装置。 - 上記多孔質積層膜(A)が蓋材として働き、基材(B)が隔壁および底面を有する複数のセルを形成している請求項1記載の遺伝子増幅装置。
- 上記多孔質積層膜(A)が底材として働き、基材(B)が隔壁のみからなる複数のセルを形成している請求項1記載の遺伝子増幅装置。
- 多孔質積層膜(A)を構成する少なくとも2層の多孔質膜2aおよび2bが互いに着脱可能である請求項1から3のいずれか一つに記載の遺伝子増幅装置。
- 多孔質積層膜(A)のさらに外側に、着脱可能な防水膜が設けられている請求項1から4のいずれか一つに記載の遺伝子増幅装置。
- 細胞不透過性かつ核酸透過性の多孔質膜内層2aおよび核酸吸着能を有し且つ核酸を固定し得る多孔質膜外層2bの少なくとも2層からなる多孔質積層膜(A)およびそれに脱着可能に貼り合わされた防水膜とからなる蓋材と、物理的圧力の印加により反応容器が圧縮変形することによって反応容器内の液体を移動させることを可能とした圧縮変形可能な材料からなり、隔壁および底面により形成された複数のセルを有する生化学用反応容器からなる基材(B)とにより形成された複数の反応槽を有する遺伝子増幅装置を用いる遺伝子増幅方法であって、
各反応槽に、遺伝子を産生する細胞を含む菌液を接種し、細胞培養、増殖を行った後、装置を上下反転し、防水膜を剥がした後、吸水性材料を接触させ、圧力を印加して生化学用反応容器を圧縮することにより菌液を多孔質積層膜(A)の方へ圧流し多孔質膜内層2aを介して遺伝子を濾過させ、遺伝子を多孔質膜外層2bに配列固定する遺伝子増幅方法。 - 遺伝子を多孔質膜外層2bへ固定化した後、多孔質膜外層2bを剥離し、多孔質膜外層2b上に新たに基材(B)を設置して各目的遺伝子を増幅させる請求項6記載の遺伝子増幅方法。
- 細胞不透過性かつ核酸透過性の多孔質膜内層2aおよび核酸吸着能を有し且つ核酸を固定し得る多孔質膜外層2bの少なくとも2層からなる多孔質積層膜(A)とそれに脱着可能に貼り合わされた防水膜とからなる底材と、物理的圧力の印加により反応容器が圧縮変形することによって反応容器内の液体を移動させることを可能とした圧縮変形可能な材料からなり、隔壁のみにより形成された複数のセルからなる生化学用反応容器からなる基材(B)の上記隔壁とにより形成された複数の反応槽を有し、
上記多孔質膜内層2aが、底部と、上記隔壁と接する部分とからなり、上記隔壁と接する部分が、熱溶融、有機溶剤による溶着または細孔への樹脂の充填により上記隔壁の形状に非多孔質化された遺伝子増幅装置を用いる遺伝子増幅方法であって、
各反応槽に、遺伝子を産生する細胞を含む菌液を接種し、細胞培養、増殖を行った後、防水膜を剥がしたのち、反応容器に圧力を印加して反応容器を圧縮することにより菌液を多孔質膜外層2bを介して分別濾過、遺伝子を多孔質膜外層2bに配列固定する遺伝子増幅方法
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