JP4327589B2 - 3つまたはそれ以上の成分を用いた改良された自然化学的連結 - Google Patents

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Description

【技術分野】
【0001】
本発明は一般にはポリペプチドおよび蛋白質を合成するための方法に関し、より特別には、複数のペプチド断片を、完全長のポリペプチドへと共有結合的に構築するための方法および中間体に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒトゲノムの配列決定により、ヒトの生物学および疾患に関係する全ての遺伝子および蛋白質の機能を理解する見込みおよび機会が生じた(PeltonenおよびMcKusick、Science、291:1224-1229(2001))。しかしながら、この見込みが完全に達成されるには、いくつかの重要な障害を克服しなければならない。第1に、ゲノム中の1つの遺伝子位置を示し、その発現を制御する配列シグナルはよく理解されておらず、そのため、実際に転写される遺伝子の存在を予測するのはしばしば困難である(例えば、Guigoら、Genome Res.、10:1631-1642(2000);Ruddら、Electrophoresis、19:536-544(1998))。第2に、転写物レベルでの遺伝子の発現のモニタリングは、マイクロアレイ技術の開発によって、より強固になっているが、プローブハイブリダイゼーションの差異および交差反応性、マイクロアレイ内の要素対要素の差異、およびマイクロアレイ対マイクロアレイの差異に関連する可変性を含む、多くの問題が依然として存在する(例えば、AudicおよびClaverie、Genome Res.、7:986-995(1997);WittesおよびFriedman、J.Natl.Cancer Inst.、91:400-401(1999);Richmondら、Nucleic Acids Research、27:3821-3835(1999))。最後に、ヒト分子生物学の規模のために(推定3万〜4万の遺伝子の約3分の1が、複数のスプライス変種を生じさせ、それらの大部分が過度の翻訳後修飾を伴う蛋白質産物をコードすると考えられる)、健康および疾病におけるそれらの役割を理解するためには、潜在的に何万もの遺伝子およびそれらの発現産物を単離し、試験しなければならないと考えられる(DawsonおよびKent、Annu.Rev.Biochem.、69:923-960(2000))。
【0003】
規模の問題に関して、蛋白質をクローニングし、発現、回収および単離するための従来の組み換え法の適用は、依然として時間を必要とし、かつ大きな労働力を必要とする過程であり、そのため、機能を決定するために多くの異なる遺伝子産物をスクリーニングすることにおける、それらの適用は制限されてきた。最近、機能的スクリーニングのために高度に精製された研究規模の量の蛋白質を、容易に入手する必要性に対処することができる収束(convergent)合成手法が開発されている(DawsonおよびKent(上記);Dawsonら、Science、266:776-779(1994))。最も魅力的な実施では、C-末端チオエステルを有する非保護オリゴペプチド中間体が、穏やかな水溶液条件下において他のオリゴペプチド中間体のN-末端システインと反応し、天然ペプチド結合へと自発的に再配列するチオエステル結合を形成する(Kentら、米国特許第6,184,344号)。この手法は、溶液相中(例えば、Kentら、米国特許第6,184,344号)、および固相支持体上(例えば、Canneら、J.Am.Chem.Soc.、121:8720-8727(1999))の両方において、オリゴペプチドを活性蛋白質へと構築するために使用されている。
【0004】
この手法により合成されるポリペプチドが100〜150アミノ酸を超える場合、3またはそれ以上の断片を連結する必要がある。というのは、現在では、約60残基を超える長さのオリゴペプチド中間体を合成、および精製するのは困難であるからである。この場合、内部オリゴペプチド中間体はC-末端チオエステル部分だけでなく、N-末端システインも含む。構築過程中、そのような内部中間体のシステインは、遊離状態にしておいた場合、同じ中間体分子のC-末端チオエステルまたは異なる中間体分子のC-末端チオエステルと反応し、その結果、望ましくない環状ペプチドまたは中間体のコンカテマーの形成により、望ましい連結反応が妨害される。この問題はN-末端システインに対し、以下の特性を有する保護基を使用することにより回避することができる:i)合成樹脂からオリゴペプチドを切断するために使用する条件に対し安定でなければならない、ii)自然化学的連結(native chemical ligation)が完了した後除去可能でなければならない、かつiii)好ましくは、除去は精製前に同じ連結反応混合物中で起こり、そのため連結反応およびシステイン脱保護はワンポットで実施することができる。
【発明の開示】
【0005】
発明の概要
上記の観点において、本発明の目的は、ポリペプチドの収束的合成のための方法を提供すること;自然化学的連結を受け、多成分合成においてポリペプチド産物を形成することができるが、自己連結およびコンカテマー化に抵抗するオリゴペプチド中間体を提供すること;自然化学的連結反応のオリゴペプチド中間体の、末端システイン残基に対して複素環式保護基を提供すること;自己連結またはコンカテマー化からチオエステル修飾オリゴペプチド中間体を保護する方法を提供すること;ならびに単一の反応混合物中において、連続的なオリゴペプチド中間体の自然化学的連結のための方法を提供することを含むが、これらに限定されない。
【0006】
本発明は、自然化学的連結反応の内部チオエステル修飾オリゴペプチド中間体のN-末端に対して、チアゾリジン保護基を提供することによりこれらの目的および他の目的を達成する。好ましくは、そのような保護中間体は以下の式により規定される:
Figure 0004327589
(式中、
Xaaiはアミノ酸であり(i=1〜n);
nは2から100、好ましくは2から70、より好ましくは2から50の整数であり;
R1はH、ハロ(好ましくはクロロもしくはブロモ)、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノオキシカルボニルアミノ(H2N-O-CH2-CO-NH-)、アルキルアミノオキシカルボニルアミノ(RHN-O-CH2-CO-NH-)、ジアルキルアミノオキシカルボニルアミノ(R2N-O-CH2-CO-NH-)から選択される、1つ〜3つの置換基により選択的に置換されたC1 12(好ましくはC1 6)アルキル基から選択される。好ましくは、R1はH、-CH2-NO2、-CH2Cl、-CH2Br、-CHCl2、-CHBr2からなる群から選択され;
R2はH、ハロ(好ましくはクロロもしくはブロモ)、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノオキシカルボニルアミノ(H2N-O-CH2-CO-NH-)、アルキルアミノオキシカルボニルアミノ(RHN-O-CH2-CO-NH-)、ジアルキルアミノオキシカルボニルアミノ(R2N-O-CH2-CO-NH-)から選択される、1つ〜3つの置換基により選択的に置換されたC1 12(好ましくはC1 6)アルキル基から選択される。好ましくは、R2はH、H2N-O-CH2-CO-NH-CH2-、H2N-O-CH2-CO-NH-CHCl-、およびH2N-O-CH2-CO-NH-CHBr-からなる群から選択され;
R3はHまたはアミノ保護基であり;ならびに
R4は1個から6個の炭素原子を有するアルキル、もしくは6個から8個の炭素原子を有するアルキルアリール、-CH2-CONH2、-CH2CH2CONH2、または-(CH2)k-CO-Xaaであって、kは1または2に等しい整数であり、Xaaはアミノ酸である)。
【0007】
好ましくは、R1がR2と同じでない場合は常に、本発明は化合物の両方のキラル変種を含む。好ましくは、R3がアミノ保護基である場合は常に、ペプチド合成分野の当業者に公知の任意のアミノ保護基から選択される。好ましくは、tert-ブチルオキシカルボニル(Boc)、(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル(Fmoc)、および2-(4-ニトロフェニルスルホニル)エトキシカルボニル(Nsc)からなる群から選択される。
【0008】
本発明の方法によれば、ポリペプチドは以下の段階により3つまたはそれ以上のオリゴペプチド中間体から合成される:(i)N-末端チアゾリジン保護システインおよびC-末端チオエステルの両方を有するオリゴペプチドと、N-末端システインを有する第2のオリゴペプチドとの間で、(チオエステル結合に関与するアミノ酸のカルボキシル基と、連結前生成物(prior ligation product)のN-末端システインのα-アミノ基との間でアミド結合が形成される条件下において)連結生成物を形成する段階(すなわち、内部オリゴペプチド中間体のC-末端チオエステルアミノ酸のα-炭素と、連結前生成物のN-末端システインのα-炭素との間でアミド結合が形成される条件下において、内部オリゴペプチド中間体を連結前生成物と反応させることにより、N-末端チアゾリジン保護システインを有する連結生成物を形成する段階);(ii)連結生成物を酸性条件下において求核剤で処理し、遊離N-末端システインを有する連結前生成物を形成する段階;ならびに(iii)段階(i)および(ii)をポリペプチドが形成されるまで繰り返す段階。
【0009】
本発明の重要な特徴は、連結後、同じ反応混合物中で、酸性条件下において、求核剤を用いて生成物のN-末端チアゾリジン環を開環させることによる、N-末端システインの脱保護である。そのような薬剤としては、O-アルキルヒドロキシルアミンおよびヒドラジンが挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、チアゾリジン保護N-末端システインは、酸性条件下においてO-アルキルヒドロキシルアミンを用いた処理により脱保護される。より好ましくは、そのようなO-アルキルヒドロキシルアミン脱保護剤は化学式:H2N-O-R(式中、Rはメチル、エチル、イソプロピル、イソブチル、または-CH2-COOHである)を有する。好ましくは、Rはメチルである。好ましくは、酸性条件は2.0から6.0の範囲のpHを含む。より好ましくは、そのようなpHは3.0から4.0の範囲である。好ましくは、チアゾリジン脱保護は、アミノ保護基が除去された後実施される。
【0010】
本発明はペプチドおよび蛋白質の収束的合成のための方法において有益であり、好都合なことにこれらの方法における制限に対処する。特に、本発明はチオエステル修飾オリゴペプチド中間体を、ポリペプチドまたは蛋白質へと構築するために使用される自然化学的連結反応、特に3つ以上の成分が関係するそのような反応の効率を向上させるための方法および材料を提供する。
【0011】
定義
ペプチドに関して本明細書で使用される「ポリペプチド」、「ペプチド」、「ペプチド断片」、「オリゴペプチド」または「断片」という用語は、ペプチド結合により結合されたアミノ酸残基の単一の非分枝鎖からなる化合物を示す。そのような化合物におけるアミノ酸残基の数は大きく変動するが、好ましくは、本明細書で記述されるペプチドまたはオリゴペプチドは通常2から70のアミノ酸残基を有し;より好ましくは、2から50のアミノ酸残基を有する。本明細書で記述されるポリペプチドおよびペプチド断片は通常数十のアミノ酸残基、例えば20から、数百のアミノ酸残基、例えば200またはそれ以上までを有する。
【0012】
本明細書で使用される「蛋白質」という用語は、「ポリペプチド」という用語と同義に使用してもよく、またはさらに、ペプチド結合以外の結合により結合させることができる2つもしくはそれ以上のポリペプチドの複合体を示しても良く、例えば、そのような蛋白質を形成するポリペプチドはジスルフィド結合により結合されてもよい。「蛋白質」という用語はまた、同一のアミノ酸配列を有するが、リン酸化、アシル化、グリコシル化などの異なる翻訳後修飾を有するポリペプチドのファミリーを含んでもよく、特にそのような修飾はそのような蛋白質が真核生物宿主において発現される場合に付加されうる。
【0013】
アミノ酸残基は、本明細書では標準の1文字または3文字表記により表される:A、アラニン;C、システイン;D、アスパラギン酸;E、グルタミン酸;F、フェニルアラニン;G、グリシン;H、ヒスチジン;I、イソロイシン;K、リシン;L、ロイシン;M、メチオニン;N、アスパラギン;P、プロリン;Q、グルタミン;R、アルギニン;S、セリン;T、トレオニン;V、バリン;W、トリプトファン;Y、チロシン。本明細書で記述した、「DKLLM」などのアミノ酸配列は、他に文脈から示されていなければ、アミノ酸を左から右に向かってN-末端からC-末端まで順序付ける。
【0014】
発明の詳細な説明
本発明は、Dawsonら、Science、266:776-779(1994)およびKentら、米国特許第6,184,344号により記述される、自然化学的連結の過程によるオリゴペプチドのポリペプチドへの構築に関する。自然化学的連結の一般的な手法を図1に示す。第1のオリゴペプチドには非酸化スルフヒドリル側鎖を有するN-末端システインが提供され、第2のオリゴペプチドにはC-末端チオエステルが提供される。N-末端システインの非酸化スルフヒドリル側鎖はC-末端チオエステルと縮合され、第1のオリゴペプチドと第2のオリゴペプチドとをβ-アミノチオエステル結合により結合する中間オリゴペプチドが生成する。中間オリゴペプチドのβ-アミノチオエステル結合はその後、分子内再配列を受け、第1のオリゴペプチドと第2のオリゴペプチドとをアミド結合により結合するオリゴペプチド生成物が生成する。
【0015】
3つまたはそれ以上の断片からポリペプチドを構築する場合、このスキームでは問題が生じる。この状況では、少なくとも1つの断片がN-末端システインおよびC-末端チオエステルを有し、これにより自己連結の可能性が生じ、このことは、分子内反応部分が非常に近接しているため、従来の反応条件下においてかなり重大である。本発明によれば、内部断片のN-末端システインは環状チアゾリジン保護基によりそのような反応から保護される。好ましくは、そのような環状チアゾリジン保護基はチオプロリニル基である。
【0016】
C-末端チオエステルを有するオリゴペプチド(図1のペプチド2)は、以下の参考文献において記述されるように製造してもよい:Kentら、米国特許第6,184,344号;Tamら、Proc.Natl.Acad.Sci.、92:12485-12489(1995);Blake、Int.J.Peptide Protein Res.、17:273(1981);Canneら、Tetrahedron Letters、36:1217-1220(1995);Hackengら、Proc.Natl.Acad.Sci.、94:7845-7850(1997);またはHackengら、Proc.Natl.Acad.Sci.、96:10068-10073(1999);Ingenitoら、J.Am.Chem.Soc.、121:11369-11374(1999)、これらは参照により本明細書に組み込まれる。好ましくは、Hackengら(1999)により記述された方法を使用する。簡単に言うと、オリゴペプチドは、Schnolzerら、Int.J.Peptide Protein Res.、40:180-193(1992)(参照により明細書に組み込まれる)により開示されているBoc化学に対するインサイチュー中和/HBTU活性化手順を用い、固相支持体(以下で説明)上で、典型的には0.25mmol規模で合成される。(HBTUは2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸であり、Bocはtert-ブトキシカルボニルである)。各合成サイクルは、純粋(neat)TFAを用いた1〜2分処理によるNα-Boc除去、1分のDMF流洗浄、DIEA存在下における予め活性化した1.0mmolのBoc-アミノ酸による10〜20分の結合時間(coupling time)、および第2のDMF流洗浄からなる。(TFAはトリフルオロ酢酸であり、DMFはN,N-ジメチルホルムアミドであり、DIEAはN,N-ジイソプロピルエチルアミンである)。Nα-Bocアミノ酸(1.1mmol)は過剰のDIEA(3mmol)の存在下、1.0mmolのHBTU(DMF中0.5M)で3分間予め活性化(preactivate)される。各結合段階後、例えばSarinら、Anal.Biochem.、117:147-157(1981)において開示されているように、従来の定量的ニンヒドリンアッセイ法を用いて残留遊離アミンを測定することにより、収率を決定する。Gln残基の結合後、TFAを用いることによる脱保護の前後でDCM流洗浄を使用し、起こりうる高温(TFA/DMF)触媒ピロリドン形成を阻止する。鎖の構築が完了した後、スカベンジャーとして4% p-クレゾールを使用し、0℃で1時間、無水HFで処理することによりオリゴペプチドを脱保護し、樹脂から切断する。イミダゾール側鎖2,4-ジニトロフェニル(dnp)保護基は、dnp-除去手順がC-末端チオエステル基と適合しないため、His残基上に残る。しかしながら、dnpは連結反応中にチオールにより徐々に除去される。切断後、氷冷ジエチルエーテルを用いてオリゴペプチドを沈澱させ、アセトニトリル水溶液中に溶解し、凍結乾燥する。
【0017】
好ましくは、本発明の保護基は最終合成サイクルにおいてN-保護2-置換チアゾリジン-4-カルボン酸を結合することによりチオエステルオリゴペプチド内に組み入れられる。好ましくは、そのようなN-保護2-置換チアゾリジン4-カルボン酸は化学式:
Figure 0004327589
(式中、
R1はH、-CH2-NO2、-CH2Cl、-CH2Br、-CHCl2、-CHBr2からなる群から選択され;
R2はH、H2N-O-CH2-CO-NH-CH2-、H2N-O-CH2-CO-NH-CHCl-、およびH2N-O-CH2-CO-NH-CHBr-からなる群から選択され;ならびに
R3はアミノ保護基である)
を有する。好ましくは、R3はBoc、Fmoc、またはNscである。
【0018】
より好ましくは、N-保護チアゾリジン-4-カルボン酸は化学式:
Figure 0004327589
(式中、R3はBocまたはFmocである)
のN-保護チオプロリンである。最も好ましくは、R3はBocである。
【0019】
チオエステルオリゴペプチドはFmocまたはBoc化学のいずれかを用いて合成してもよい。Fmoc化学を使用する場合、3-カルボキシプロパンスルホンアミド安全キャッチリンカー(safety catch linker)を使用してチオエステルを生成させる。上記チオエステルオリゴペプチドは、好ましくは、Hackengら(1999)または類似のプロトコルにより開示されているようにして作製された、トリチル会合メルカプトプロピオン酸-ロイシン(TAMPAL)樹脂上で合成される。簡単に説明すると、Nα-Boc-Leu(4mmol)を、6mmolのDIEAの存在下3.6mmolのHBTUにより活性化し、2mmolのp-メチルベンズヒドリルアミン(MBHA)樹脂、または等価物に16分間結合させる。次に、3mmolのS-トリチルメルカプトプロピオン酸を、6mmolのDIEAの存在下、2.7mmolのHBTUで活性化し、Leu-MBHA樹脂に16分間結合させる。得られたTAMPAL樹脂は、TFA中3.5%トリイソプロピルシランおよび2.5% H2Oを用いた2度の1分間の処理によりトリチル保護基を除去した後、ポリペプチド鎖構築のための開始樹脂として使用することができる。チオエステル結合は、Schnolzerら(上記)において開示されているように、標準インサイチュー中和ペプチド結合プロトコル(in situ-neutralization coupling protocol)を1時間使用することにより、任意の所望のアミノ酸を用いて形成することができる。最終オリゴペプチドを無水HFで処理すると、C-末端活性化メルカプトプロピオン酸-ロイシン(MPAL)チオエステルオリゴペプチドが得られる。
【0020】
好ましくは、Hackengら(1999)により記述されているような条件、または同様の条件下において、自然化学的連結においてチアゾリジン-保護チオエステルオリゴペプチド中間体を使用する。簡単に説明すると、6M グアニジン、2% (vol/vol)ベンジルメルカプタン、および2%(vol/vol)チオフェノールを含む、0.1M リン酸緩衝液(pH 8.5)を、連結すべき乾燥ペプチドに、約pH 7(凍結乾燥ペプチドからのチオールおよびTFAの付加により低下)で最終ペプチド濃度が1〜3mMとなるまで添加する。好ましくは、連結反応は連続撹拌の下で、37℃の加熱チャンバ内で実施し、周期的にボルテックスしてチオール添加物を平衡させる。反応はMALDI-MSまたはHPLC、およびエレクトロスプレーイオン化MSにより、完了の程度に関してモニタしてもよい。
【0021】
自然化学的連結反応の完了または停止後、生成物のN-末端チアゾリジン環を、チアゾリジン脱保護剤を用いた処理により開環させる。チアゾリジン脱保護剤は酸性条件下において求核性であり、例えばある種のO-アルキルヒドロキシルアミン、ヒドラジンまたは同様の試薬である。好ましくは、生成物のN-末端チアゾリジン環は、37℃で2時間、pH3.5〜4.5でO-メチルヒドロキシルアミン(0.5M)で処理することにより開環され、その後、10倍過剰のトリス-(2-カルボキシエチル)-ホスフィン(TCEP)を反応混合物に添加し、従来の調製用HPLCによる生成物の精製前に、いかなる酸化反応成分をも完全に還元する。好ましくは、連結生成物を含む画分をエレクトロスプレーMSにより同定し、プールし、凍結乾燥する。トリス-(2-カルボキシエチル)-ホスフィンの代わりに使用することができる他の還元剤としては、β-メルカプトエタノールアミン、ジチロトレイトールなどが挙げられる。
【0022】
最終生成物のシステインの脱保護は本発明の重要な特徴であり、上記のように、酸性条件下において求核性の様々な薬剤を用いて達成してもよい。酸性条件下におけるチアゾリジン環の開環はそのC2置換基に依存する(Wohrら、J.Am.Chem.Soc.、118:9218(1994))。以下の化合物をチアゾリジン脱保護剤として使用してもよい:O-メチルヒドロキシルアミンおよび他のヒドロキシルアミン誘導体(これらは酸性条件下において求核性であり、オキシムの形成およびN-末端Cysの非保護形態への平衡の移動を可能にする)。ヒドラジンまたはその誘導体のいずれか、ならびにチオセミカルバジドは酸性条件下において求核性であり、これらもまた使用してもよいが、この試薬のファミリーは前述のものよりも毒性があり、縮合生成物(それぞれ、ヒドラゾン、チオセミカルバゾン)はオキシムに比べ安定性が低い。好ましくは、トリス-(2-カルボキシエチル)-ホスフィン(TCEP)、または同様の還元剤を脱保護反応で使用して、酸性条件下であっても、迅速にかつ化学量論的にほとんどのペプチドおよびスルフヒドリルを還元する(Burnsら、J.Org.Chem.、56:2648-2650,1991)。好ましくは、O-メチルヒドロキシルアミンをチアゾリジン脱保護剤として使用する。O-メチルヒドロキシルアミンは、チアゾリジン環におけるマスクされたアルデヒド官能基と反応し、以下に示すようにオキシムを形成する。
Figure 0004327589
【0023】
合成が完了し、最終生成物を精製した後、最終ポリペプチド生成物を従来の技術、例えばCreighton、Meth.Enzymol.、107:305-329(1984);White、Meth.Enzymol.、11:481-484(1967);Wetlaufer、Meth. Enzymol.、107:301-304(1984);Misawaら、Biopolymers、51:297-307(1999);Anfinsen、Science、181:223-230(1973)など、によりリフォールディングしてもよい。好ましくは、最終生成物は以下のように空気酸化などによりリフォールディングされる:還元凍結乾燥生成物を、pH 8.6で100mM Tris、10 mMメチオニンを有する1Mグアニジン塩酸塩(または同様のカオトロピック剤)中に溶解する(約0.1mg/mL)。一晩穏やかに撹拌した後、リフォールディングされた生成物を従来のプロトコルを用い、逆相HPLCにより分離する。
【0024】
本発明の他の局面では、3つまたはそれ以上のオリゴペプチド中間体の連結によりポリペプチドを合成する方法であって:
a)α-炭素を持つN-末端システインを有する先頭オリゴペプチドを提供する段階;
Figure 0004327589
(式中、
Xaaiはアミノ酸であり(i=1からn);
nは2から100、好ましくは2から70の整数であり;および
Rは-OHまたは-NH2のいずれかである);
b)それぞれ、C-末端アミノ酸チオエステルおよびN-末端チアゾリジン保護システインを有し、最初は以下の式を有する1つまたは複数の内部オリゴペプチド中間体を提供する段階:
Figure 0004327589
(式中、
Xaai、nおよびR4は上記で規定され;
nは2から100、好ましくは2から70の整数であり;
R1およびR2は水素であり;
R3は水素、またはBocおよびFmocからなる群から選択されるアミノ保護基である);
c)C-末端アミノ酸チオエステルを有し、N-末端システインを有する場合は常にN-末端チアゾリジン保護システインを有する、末端オリゴペプチド中間体を提供する段階;
Figure 0004327589
(式中、Xaai、n、R1、R2、R3およびR4は上記で規定される(好ましい態様では、R1=R2=R3=Hであるが、合成手順に従ってR3はBocまたはFmocなどの保護基となることが理解される。しかし、R4がもはや固相支持体のリンカーに結合されていないことを意味する、樹脂からの切断のためには、2級アミンが脱保護されることが理解される))
d)内部オリゴペプチド中間体のC末端チオエステルアミノ酸のカルボキシル基と、連結前生成物または先頭オリゴペプチド中間体のN-末端システインの遊離α-アミンとの間でアミド結合が形成される条件下において、内部オリゴペプチド中間体を、遊離α-アミンを持つN-末端システインを有する先頭オリゴペプチド中間体または連結前生成物と反応させることにより、N-末端チアゾリジン保護システインを有する連結生成物を形成する段階;
e)pH 2.0〜6.0の範囲の酸性条件下において、連結生成物をO-アルキルヒドロキシルアミンで処理し、遊離N-末端システインを有する連結前生成物を形成する段階;
f)段階d)およびe)を、内部オリゴペプチド中間体が全て連結されるまで繰り返す段階と;ならびに
g)連結前生成物のN-末端システインのα-アミンと、N-末端オリゴペプチド中間体のチオエステル結合に関与するアミノ酸のカルボキシル基との間でアミド結合が形成される条件下において、末端オリゴペプチド中間体を連結前生成物と反応させることによりポリペプチドを形成する段階
を含む方法が提供される。
【0025】
実施例1
この実施例では、図2の配列(配列番号:5)を有するポリペプチドを、本発明の方法および材料を用いて合成した。完全長のポリペプチドを、以下で列挙する、予め合成したオリゴペプチド中間体から構築した(上付き番号は図2の配列における断片の位置を示す)。断片1を最初に断片2に結合させ第1の生成物を得、それから調製用HPLCで精製後、第1の生成物を断片3に結合させ第2の生成物を得た。再び、調製用HPLCで精製後、第2の生成物を断片4に結合させ所望のポリペプチドを得、これを精製してリフォールディングした。
Figure 0004327589
【0026】
チオエステル形成。断片2、3、4をチオエステル生成樹脂上で合成した。このために、S-アセチルチオグリコール酸ペンタフルオロフェニルエステルを、本質的にはHackengら(1999)により記述されているような条件下において、Leu-PAM樹脂に結合させた。得られた樹脂を、DMF中の2M メルカプトエタノール、2M ピペリジンによる30分の処理により、アセチル保護基を除去した後、0.2mmol規模でのペプチド鎖伸長のための開始樹脂として使用した。スルフヒドリル基に対し4倍モル濃度過剰のaaを用い、標準インサイチュー中和結合プロトコル(Schnolzerら(上記))を1時間使用し、断片2の合成のためにはBoc-Gly-OHを用いて、断片3のためにはBoc-Ile-OHを用いて、断片4のためにはBoc-Phe-OHを用いて、チオエステルを形成した。断片2および3のN-末端Cys残基のNαは、本発明に従って、Boc-チオプロリン(Boc-SPr、すなわち、Boc-L-チオプロリン)を、従来のNαまたはSβ保護(例えばBrikら、J.Org.Chem.、65:3829-3835(2000))を有するCysの代わりに、個々の鎖の末端に結合させることにより保護した。
【0027】
ペプチド合成。Schnolzerら、Int.J.Peptide Protein Res.、40:180-193(1992)により記述されているように、Applied Biosystems製の特別に改変した433Aペプチド合成装置上で、段階的Boc化学鎖伸長のためのインサイチュー中和/2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸(HBTU)活性化プロトコルを用いて、固相合成を実施した。各合成サイクルは、純粋(neat)TFAを用いた1〜2分処理によるNα-Boc除去、1分のDMF流洗浄、過剰DIEA存在下における、予め活性化した2.0mmolのBoc-アミノ酸による10分の結合時間、および第2のDMF流洗浄から構成した。Nα-Bocアミノ酸(2mmol)は過剰DIEA(6mmol)の存在下、1.8mmolのHBTU(DMF中0.5M)で3分間予め活性化した。Gln残基の結合後、TFAを用いた脱保護前後にジクロロメタン流洗浄を使用し、起こりうる高温(TFA/DMF)触媒ピロリドンカルボン酸形成を阻止した。側鎖が保護されたアミノ酸はBoc-Arg(p-トルエンスルホニル)-OH、Boc-Asn(キサンチル)-OH、Boc-Asp(O-シクロヘキシル)-OH、Boc-Cys(4-メチルベンジル)-OH、Boc-Glu(O-シクロヘキシル)-OH、Boc-His(ジニトロフェニルベンジル)-OH、Boc-Lys(2-Cl-Z)-OH、Boc-Ser(ベンジル)-OH、Boc-Thr(ベンジル)-OH、Boc-Trp(ホルミル)-OHおよびBoc-Tyr(2-Br-Z)-OH(Orpegen Pharma、ドイツ、ハイデルベルグ)とした。他のアミノ酸は側鎖を保護せずに使用した。C-末端断片1はBoc-Leu-O-CH2-Pam樹脂上(0.71mmol/gの充填樹脂)で合成した一方、断片2、3および4では、Boc-Xaa-S-CH2-CO-Leu-Pam樹脂上で機械支援合成を開始した。図3は断片1(301)、断片2(302)、断片(303)および断片4(304)の粗ペプチドの分析用HPLCクロマトグラムを示した図である。
【0028】
鎖構築が完了した後、スカベンジャーとして5% p-クレゾールを用い、0℃で1時間、無水フッ化水素処理することにより、ペプチドを脱保護し、樹脂から切断した。断片1を除く全ての場合において、DNP-除去手順はC-末端チオエステル基と適合しないため、イミダゾール側鎖2,4-ジニトロフェニル(DNP)保護基はHis残基上に残った。しかしながら、DNPは連結反応中にチオールにより徐々に除去され、非保護Hisが得られる。切断後、両方のペプチドを氷冷ジエチルエーテルにより沈澱させ、0.1% TFAを含むアセトニトリル水溶液中に溶解し、凍結乾燥した。緩衝液A(H2O/0.1% トリフルオロ酢酸)における緩衝液B(アセトニトリル/0.1% トリフルオロ酢酸)の直線勾配および214nmでのUV検出を用いることにより、Waters製のC18カラムを備えたRP-HPLCによりペプチドを精製した。収集した画分は、Esquire機器(Brucker、ドイツ、ブレーメン)を用いたエレクトロスプレー質量分析法(ESMS)により、および分析用HPLCにより分析した。正しい生成物を含む画分をプールし凍結乾燥した。
【0029】
自然化学的連結。以下でより完全に説明されているように、非保護断片の連結は以下のように実施した:最終ペプチド濃度1〜5mM、pH約7を得るために、乾燥ペプチドを等モル量で6M グアニジン塩酸塩(GuHCl)、0.2M リン酸、pH7.5に溶解し、2% チオフェノールを添加した。通常、反応を一晩実施し、HPLCおよびエレクトロスプレー質量分析によりモニタした。その後、連結生成物を処理し、全ての残存チオエステルを加水分解し、依然として存在する保護基を除去した。この目的のため、およびTrpのホルミル基を除去するために、20%の2-メルカプトエタノールを添加し、ヒドラジン添加によりpHを9.0までシフトさせ、溶液を1時間、37℃でインキュベートした。その後、反応混合物を6M HClによりpH3.5まで酸性化し、6Mグアニジン塩酸塩に溶解した2M O-メチルヒドロキシルアミン(pH3.5)を添加し、最終濃度0.5Mとした。N-末端チアゾリジン環を完全に開環するには、37℃で2時間インキュベートする必要がある。断片に対し10倍過剰のトリス(2-カルボキシエチル)ホスフィンを添加し、15分のインキュベーションの後、調製用HPLCにより物質を精製した。ポリペプチド鎖を含む画分をESMSにより同定し、プールし、および凍結乾燥した。
【0030】
SPr82-(82-129)-αCOSR(断片2)およびCys130(130-158)-COOH(断片1)ペプチドの連結を、6M GuHCl中、pH7.0で実施した。各反応物の濃度は5mMであり、2%のチオフェノールを添加して還元環境を作成し、連結反応を促進した。37℃で一晩中撹拌した後、ほとんど定量的な連結反応が観察される。ESMSより8960.8DaのSPr82-(82-158)-COOHポリペプチド鎖の分子量が確認され、これは8960.5Daの計算平均同位体質量とよく一致した。反応のこの時点で、2-メルカプトエタノールを20%(v/v)最終濃度となるまで添加し、ヒドラジンを添加しpHを9.0までシフトさせ、Trp123のホルミル基を除去した。37℃で1時間インキュベーションした後、媒質を酸性化し、CH3-O-NH2.HClを溶液に添加し、0.5Mの最終濃度とし、SPr82のチアゾリジン環を開環するためにpHを3.5に調製した。37℃で2時間インキュベートした後、ESMSにより、それぞれ28および12Daの損失に対応する2つの保護基(表1)の除去を確認した。反応混合物をその後、ペプチドに対し10倍過剰のトリス(2-カルボキシエチルホスフィン)で処理し、15分後、調製用HPLC(C4、20-60% CH3CN、0.5%/分および流速20mL/分)を用いて精製し、凍結乾燥し、-20℃で保存した。図4aは、断片1と断片2の連結生成物の分析用HPLCクロマトグラムを示し、曲線(401)はチアゾリジン脱保護前の生成物クロマトグラムであり、曲線(402)はチアゾリジン脱保護後の生成物のクロマトグラムである。図4bは、図4aのHPLCクロマトグラムの主要HPLCピークからの、生MSデータのハイパーマス(hypermass)再構成を示したものであり、曲線(403)は曲線(401)のピーク(閉じたチアゾリジン環)に対応し、曲線(404)は曲線(402)のピーク(開環チアゾリジン環)に対応する。
【0031】
いくつかわずかに改変して同じ手順を連結2に対し再び繰り返した。連結反応2はIle-Cys連結部位が関係し、この部位は比較研究(Hackengら、P.N.A.S.、96、10068-10073、1999)によれば都合がよくない部位の1つであるため、連結反応は48時間にわたり実施した。HPLCプロファイルによれば、48時間のインキュベーション後に60%の連結収率しか得られなかった。図5aは上記連結生成物と断片3の連結生成物の分析用HPLCクロマトグラムを示し、曲線(501)はチアゾリジン脱保護の前の生成物のクロマトグラムであり、曲線(502)はチアゾリジン脱保護後の生成物のクロマトグラムである。図5bは図5aのHPLCクロマトグラムの主要HPLCピークからの、生MSデータのハイパーマス再構成を示したものであり、曲線(503)は曲線(501)のピーク(閉じたチアゾリジン環)に対応し、曲線(504)は曲線(502)のピーク(開環チアゾリジン環)に対応する。
【0032】
連結3は完全長のペプチドのさらなる細工(work-up)を必要としなかった:酸性化およびTCEP処理後直ちに連結媒質を精製した。図6aは断片1、2、3および4の最終連結生成物の分析用HPLCクロマトグラムを示す。図6bは、図6aのクロマトグラムの主要ピークからの、生MSデータのハイパーマス再構成を示す。図7は、精製および還元した最終連結生成物(710)およびフォールディングされた粗材料(711)の分析用HPLCクロマトグラムを示す。図8は、図7の曲線(711)のフォールディングされた最終材料の、主要HPLCピークからのハイパーマス再構成(801)および生MSデータ(802)を示す。
【0033】
ポリペプチドのフォールディング。完全長のペプチドを、還元した凍結乾燥蛋白質(約0.1mg/mL)を1M GuHCl、100mM Tris、0.5mM 還元グルタチオン、0.1mM 酸化グルタチオン、10mM メチオニン、pH8.6に溶解することによりリフォールディングした。一晩穏やかに撹拌した後、上記のようにRP-HPLCにより蛋白質溶液を精製した。還元およびリフォールディングした蛋白質の質量は、表1に要約されるように、計算した平均同位体質量とよく一致した。
(表1)完全長生成物、Glu1-Leu161の合成におけるオリゴペプチド中間体のESMS特徴づけ
Figure 0004327589
【0034】
実施例2
前述したように(実施例1を参照のこと)、段階的Boc化学のためのインサイチュー中和/2-(1H-ベンゾトリアゾール-1イル)-1,1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸(HBTU)活性化プロトコルを使用して、配列CYAKYAKL(配列番号:6)を有するポリペプチドを合成した。標準HBTU活性化を用いる場合、N-末端システインはBoc-チオプロリンとして導入した。Bocを除去した後、スカベンジャーとして5%p-クレゾールを用い、0℃で1時間フッ化水素処理することによりペプチドを樹脂から切断した。精製最終生成物は予期した970.18の質量を示し、これは安定なチオプロリンN-末端システインと一致し、切断条件でのチオプロリン環の安定性が確認された。
【0035】
チアゾリジン環開環のための最適条件を決定するための一連の実験を、異なるpH、および異なるO-メチルヒドロキシルアミン濃度で実施した。開環の程度は分析用RP-HPLCにより計算した。開環すると溶出時間に正味のシフトが生じ、2つのペプチドの完全な分割が可能となる。生成物のMS分析により、12amuの損失が確認され、これはペプチドのN-末端での遊離システインの形成と矛盾しなかった。
【0036】
最適pHアッセイ法:100μgのペプチドのアリコートを6M グアニジン塩酸塩、0.5M O-メチルヒドロキシルアミンの溶液に溶解し、pH4.5、pH4.0、pH3.5、またはpH3.0およびpH2.5のいずれかに修正した。反応媒質の試料を30、90、130および250分で分析した。SPrYAKYAKL(配列番号:7)およびCYAKYAKL(配列番号:6)に対応するピークを積分し、開環の程度をCYAKYAKL(配列番号:6)ピークの%に基づいて計算した。図9から明らかなように、チオプロリンのシステインへの変換に対する最適条件はpH3.5、またはそれ以上である。3.5より低いpHでは、反応はより遅くなり、それはおそらくO-メチルヒドロキシルアミンの窒素のpKaと関連する。
【0037】
O-メチルヒドロキシルアミン最適濃度アッセイ法。100μgのペプチドのアリコートを、0.5M O-メチルヒドロキシルアミン、または0.25M O-メチルヒドロキシルアミン、または0.125M O-メチルヒドロキシルアミン、または0.0625M O-メチルヒドロキシルアミンのいずれかを有する6M グアニジン塩酸塩溶液に溶解し、全てをpH3.5に調整した。反応媒質の試料を以下の時間で分析した:30、90、130、250分。SPrYAKYAKL(配列番号:7)およびCYAKYAKL(配列番号:6)に対応するピークを積分し、および開環の程度をCYAKYAKL(配列番号:6)ピークの%に基づいて計算した。図10から明らかなように、高いO-メチルヒドロキシルアミン濃度と約3.5のpHとの組み合わせにより、N-末端チオプロリニルのシステイニルへの変換が確実になる。
【0038】
本発明の前記態様の記述は、例示および説明のために示したものである。これらは網羅的なものでも、開示された厳密な形態に本発明を制限するものでもなく、上記教示に照らして明らかに多くの改変や変更が可能である。態様は、本発明の原理を最もよく説明し、それにより様々な態様において、かつ企図された特別な用途に適応させる様々な改変を用いて、当業者が本発明を最もよく利用することができるように、選択され記述されたものである。本発明の範囲は添付の特許請求の範囲により規定されることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明に関連する一般的な自然化学的連結スキームを示す。
【図2】実施例1で記述した4つのオリゴペプチド中間体から構築したポリペプチドのアミノ酸配列(配列番号:5)の一覧である。
【図3】実施例1の粗ペプチド:断片1(301;配列番号:1)、断片2(302;配列番号:2)、断片3(303;配列番号:3)、および断片4(304;配列番号:4)の分析用HPLCクロマトグラムを示す。
【図4】図4aは、チアゾリジン脱保護前後の、断片1および断片2の連結生成物の分析用HPLCクロマトグラムを示す。図4bは、図4aのHPLCクロマトグラムの主要HPLCピークからの、生MSデータのハイパーマス再構築を示す。
【図5】図5aは、チアゾリジン脱保護前後の、断片3ならびに断片1および断片2の連結生成物の連結生成物の分析用HPLCクロマトグラムを示す。図5bは、図5aのHPLCクロマトグラムの主要HPLCピークからの、生MSデータのハイパーマス再構築を示す。
【図6】図6aは、断片1、2、3および4の最終連結生成物の分析用HPLCクロマトグラムを示す。図6bは、図6AのHPLCクロマトグラムの主要HPLCピークからの、生MSデータのハイパーマス再構築を示す。
【図7】精製および還元した最終連結生成物、およびフォールディングした粗材料の分析用HPLCクロマトグラムを示す。
【図8】図7のフォールディングした最終材料の主要HPLCピークからの、ハイパーマス再構築および生MSデータを示す。
【図9】異なるpH条件に対するシステイン脱保護速度を示す。
【図10】異なる濃度のO-メチルヒドロキシルアミン脱保護剤に対するシステイン脱保護速度を示す。
【配列表】
SEQUENCE LISTING
<110> GeneProt, Inc.
<120> Improved Native Chemical Ligation With Three or More
Components
<130> TO-A0320
<140> JP 2003-502022
<141> 2002-05-31
<150> GB 0113657.1
<151> 2001-06-05
<160> 7
<170> PatentIn Ver. 2.1
<210> 1
<211> 29
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence:synthesized
oligopeptide intermediate fragment 1
<400> 1
Cys Ala Glu Lys Ser Asp Tyr Ile Arg Lys Ile Asn Glu Leu Met Pro
1 5 10 15
Lys Tyr Ala Pro Lys Ala Ala Ser Ala Arg Thr Asp Leu
20 25
<210> 2
<211> 48
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence:synthesized
oligopeptide intermediate fragment 2
<220>
<221> MOD_RES
<222> (1)
<223> Xaa = thioproline
<220>
<221> MOD_RES
<222> (48)
<223> Xaa = glycine thiophenylester
<400> 2
Xaa Glu Lys Leu Lys Lys Lys Asp Ser Gln Ile Cys Glu Leu Lys Tyr
1 5 10 15
Asp Lys Gln Ile Asp Leu Ser Thr Val Asp Leu Lys Lys Leu Arg Val
20 25 30
Lys Glu Leu Lys Lys Ile Leu Asp Asp Trp Gly Glu Thr Cys Lys Xaa
35 40 45

<210> 3
<211> 42
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence:synthesized
oligopeptide intermediate fragment 3
<220>
<221> MOD_RES
<222> (1)
<223> Xaa = thioproline
<220>
<221> MOD_RES
<222> (42)
<223> Xaa = isoleucine thiophenylester
<400> 3
Xaa Arg Glu Ala Arg Gly Lys Glu Asn Arg Leu Cys Tyr Tyr Ile Gly
1 5 10 15
Ala Thr Asp Asp Ala Ala Thr Lys Ile Ile Asn Glu Val Ser Lys Pro
20 25 30
Leu Ala His His Ile Pro Val Glu Lys Xaa
35 40
<210> 4
<211> 39
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence:synthesized
oligopeptide intermediate fragment 4
<220>
<221> MOD_RES
<222> (39)
<223> Xaa = phenylalanine thiophenylester
<400> 4
Leu Arg Pro Gly Asp Cys Glu Val Cys Ile Ser Tyr Leu Gly Arg Phe
1 5 10 15
Tyr Gln Asp Leu Lys Asp Arg Asp Val Thr Phe Ser Pro Ala Thr Ile
20 25 30
Glu Asn Glu Leu Ile Lys Xaa
35
<210> 5
<211> 158
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence:synthetic
polypeptide assembled from four oligopeptide
intermediates
<400> 5
Leu Arg Pro Gly Asp Cys Glu Val Cys Ile Ser Tyr Leu Gly Arg Phe
1 5 10 15
Tyr Gln Asp Leu Lys Asp Arg Asp Val Thr Phe Ser Pro Ala Thr Ile
20 25 30
Glu Asn Glu Leu Ile Lys Phe Cys Arg Glu Ala Arg Gly Lys Glu Asn
35 40 45
Arg Leu Cys Tyr Tyr Ile Gly Ala Thr Asp Asp Ala Ala Thr Lys Ile
50 55 60
Ile Asn Glu Val Ser Lys Pro Leu Ala His His Ile Pro Val Glu Lys
65 70 75 80
Ile Cys Glu Lys Leu Lys Lys Lys Asp Ser Gln Ile Cys Glu Leu Lys
85 90 95
Tyr Asp Lys Gln Ile Asp Leu Ser Thr Val Asp Leu Lys Lys Leu Arg
100 105 110
Val Lys Glu Leu Lys Lys Ile Leu Asp Asp Trp Gly Glu Thr Cys Lys
115 120 125
Gly Cys Ala Glu Lys Ser Asp Tyr Ile Arg Lys Ile Asn Glu Leu Met
130 135 140
Pro Lys Tyr Ala Pro Lys Ala Ala Ser Ala Arg Thr Asp Leu
145 150 155
<210> 6
<211> 8
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence:synthesized
polypeptide
<400> 6
Cys Tyr Ala Lys Tyr Ala Lys Leu
1 5
<210> 7
<211> 8
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Description of Artificial Sequence:synthesized
polypeptide
<220>
<221> MOD_RES
<222> (1)
<223> Xaa = thioproline
<400> 7
Xaa Tyr Ala Lys Tyr Ala Lys Leu
1 5

Claims (14)

  1. 3つまたはそれ以上のオリゴペプチド中間体の連結により、ポリペプチドを合成する方法であって:
    (a)N-末端チアゾリジン保護システインおよびC-末端チオエステルの両方を有する内部オリゴペプチド中間体と、N-末端システインを有する第2のオリゴペプチド中間体との間で、ネイティブケミカルライゲーション生成物を形成する段階;
    (b)連結生成物を酸性条件下において求核剤で処理し、遊離N-末端システインを有する連結前生成物を形成する段階;ならびに
    (c)段階a)およびb)をポリペプチドが合成されるまで繰り返す段階
    を含む方法。
  2. 形成段階の前に、連結前生成物を精製する段階をさらに含む、請求項1記載の方法。
  3. 内部オリゴペプチド中間体が、以下の式により規定される、請求項2記載の方法:
    Figure 0004327589
    (式中、
    Xaaiはアミノ酸であり(i=1からn);
    nは2から100の整数であり;
    R1はH、ハロ(好ましくはクロロもしくはブロモ)、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノオキシカルボニルアミノ(H2N-O-CH2-CO-NH-)、アルキルアミノオキシカルボニルアミノ(RHN-O-CH2-CO-NH-)、ジアルキルアミノオキシカルボニルアミノ(R2N-O-CH2-CO-NH-)から選択される、1つ〜3つの置換基により場合により置換されたC1 12(好ましくはC1 6)アルキル基から選択され;
    R2はH、ハロ(好ましくはクロロもしくはブロモ)、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノオキシカルボニルアミノ(H2N-O-CH2-CO-NH-)、アルキルアミノオキシカルボニルアミノ(RHN-O-CH2-CO-NH-)、ジアルキルアミノオキシカルボニルアミノ(R2N-O-CH2-CO-NH-)から選択される、1つ〜3つの置換基により場合により置換されたC1 12(好ましくはC1 6)アルキル基から選択され;
    R3はHまたはアミノ保護基であり;かつ
    R4は1個から6個の炭素原子を有するアルキル、もしくは6個から8個の炭素原子を有するアルキルアリール、-CH2-CONH2、-CH2CH2CONH2、または-(CH2)k-CO-Xaaであって、kは1または2に等しい整数であり、かつXaaはアミノ酸である)。
  4. R1が、H、-CH2-NO2、-CH2Cl、-CH2Br、-CHCl2、-CHBr2からなる群から選択される、請求項3記載の方法。
  5. R2がH、H2N-O-CH2-CO-NH-CH2-、H2N-O-CH2-CO-NH-CHCl-、およびH2N-O-CH2-CO-NH-CHBr-からなる群から選択される、請求項3または4記載の方法。
  6. 求核剤が、化学式H2N-O-RのO-アルキルヒドロキシルアミンであって、ここでRはメチル、エチル、イソプロピル、イソブチルまたは-CH2-COOHである、請求項3、4または5記載の方法。
  7. 酸性条件がpH2.0からpH6.0の範囲である、請求項6記載の方法。
  8. R1およびR2がどちらも水素であり、R3がアミノ保護基である場合は常に、R3はFmoc、Boc、またはNscである、請求項7記載の方法。
  9. O-アルキルヒドロキシルアミンがO-メチルヒドロキシルアミンである、請求項8記載の方法。
  10. 以下の式のN-末端チアゾリジン保護オリゴペプチド中間体を含むオリゴペプチド中間体
    Figure 0004327589
    (式中、
    Xaaiはアミノ酸であり(i=1からn);
    nは2から100の整数であり;
    R1はH、ハロ(好ましくはクロロもしくはブロモ)、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノオキシカルボニルアミノ(H2N-O-CH2-CO-NH-)、アルキルアミノオキシカルボニルアミノ(RHN-O-CH2-CO-NH-)、ジアルキルアミノオキシカルボニルアミノ(R2N-O-CH2-CO-NH-)から選択される、1つ〜3つの置換基により場合により置換されたC1 12(好ましくはC1 6)アルキル基から選択され;
    R2はH、ハロ(好ましくはクロロもしくはブロモ)、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノオキシカルボニルアミノ(H2N-O-CH2-CO-NH-)、アルキルアミノオキシカルボニルアミノ(RHN-O-CH2-CO-NH-)、ジアルキルアミノオキシカルボニルアミノ(R2N-O-CH2-CO-NH-)から選択される、1つ〜3つの置換基により場合により置換されたC1 12(好ましくはC1 6)アルキル基から選択され;
    R3はHまたはアミノ保護基であり;かつ
    R4は1個から6個の炭素原子を有するアルキル、もしくは6個から8個の炭素原子を有するアルキルアリール、-CH2-CONH2、-CH2CH2CONH2、または-(CH2)k-CO-Xaaであって、kは1または2に等しい整数であり、かつXaaはアミノ酸である)。
  11. R1が、H、-CH2-NO2、-CH2Cl、-CH2Br、-CHCl2、-CHBr2からなる群から選択される、請求項10記載の組成物。
  12. R2がH、H2N-O-CH2-CO-NH-CH2-、H2N-O-CH2-CO-NH-CHCl-、およびH2N-O-CH2-CO-NH-CHBr-からなる群から選択される、請求項10または11記載の組成物。
  13. R1およびR2がどちらも水素であり、R3がアミノ保護基である場合は常に、R3はFmoc、Boc、またはNscである、請求項10、11または12記載の組成物。
  14. 3つまたはそれ以上のオリゴペプチド中間体の連結により、ポリペプチドを合成する方法であって:
    a)α-炭素を持つN-末端システインを有する、先頭オリゴペプチドを提供する段階;
    Figure 0004327589
    (式中、
    Xaaiはアミノ酸であり(i=1からn);
    nは2から100の整数であり;かつ
    Rは-OHまたは-NH2である);
    b)それぞれ、C-末端アミノ酸チオエステルおよびN-末端チアゾリジン保護システインを有し、最初は以下の式を有する、1つまたは複数の内部オリゴペプチド中間体を提供する段階:
    Figure 0004327589
    (式中、
    Xaai、nおよびR4は上記で規定され;
    nは2から100の整数であり;
    R1およびR2は水素であり;
    R3は水素、またはBocおよびFmocからなる群から選択されるアミノ保護基である);
    c)C-末端アミノ酸チオエステルを有する末端オリゴペプチド中間体を提供する段階;
    d)内部オリゴペプチド中間体のC-末端チオエステルアミノ酸のカルボキシル基と、連結前生成物または先頭オリゴペプチド中間体のN-末端システインの遊離α-アミンとの間でアミド結合が形成される条件下において、内部オリゴペプチド中間体を、遊離α-アミンを持つN-末端システインを有する先頭オリゴペプチド中間体または連結前生成物と反応させることにより、N-末端チアゾリジン保護システインを有するネイティブケミカルライゲーション生成物を形成する段階;
    e)pH 2.0から6.0の範囲の酸性条件下において、連結生成物をO-アルキルヒドロキシルアミンで処理し、遊離N-末端システインを有する連結前生成物を形成する段階;
    f)段階d)およびe)を、内部オリゴペプチド中間体が全て連結されるまで繰り返す段階;ならびに
    g)連結前生成物のN-末端システインのα-アミンと、N-末端オリゴペプチド中間体のチオエステル結合に関与するアミノ酸のカルボキシル基との間でアミド結合が形成される条件下において、末端オリゴペプチド中間体を連結前生成物と反応させることにより、ポリペプチドを形成する段階
    を含む方法。
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