JP4327303B2 - コンクリート用ドリル - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明はコンクリート用ドリルに関し、さらに詳細に言えば、コンクリート製構造物の床、壁、天井等に小径の孔を穿孔するのに適した、ドリルに関する。
【0002】
【従来の技術】
コンクリート製構造物の壁面や壁等に種々の目的で小さな孔を穿孔することがあり、その場合に、シャンクの先端にダイヤモンドビット等の切削部材を固着したドリルが使用される。
【0003】
このようなドリルにおいて、穿孔の際に生じる粉塵の飛散を防止し、且つドリルの温度上昇を押さえて穿孔能力の低下を防止する目的で、切削部材に冷却剤を供給するよう構成したものがある。
【0004】
特開平11−10425は、そのような冷却剤を供給できるタイプのコンクリート用ドリルの一例を開示している。即ち、図3はそのドリルの先端側から見た平面図で、そのドリル1は、内部に冷却剤供給用の孔3aを備えた円筒状のシャンク3の先端に略円柱状のダイヤモンドビットからなる切削部材5を固着して形成されている。ダイヤモンドビット5には、外周部から中心に向かって延び、一端が外周部において開口し、他端が閉じているスリット或いは切り欠き7が形成されている。他方シャンク3の先端には、一端が内部の冷却剤供給用孔に通じ、他端が、ダイヤモンドビット5の外周部近傍でスリット7に臨んで開口した噴出孔9が設けられており、この噴出孔9から冷却剤を噴出し、ダイヤモンドビット5を冷却するとともに、この冷却剤の流れを利用してコンクリートの切削切り粉を排出を助長しようとするものである。
【0005】
ところで、このドリル1においては、噴出孔9がダイヤモンドビット5の外周部近くに位置しているために、穿孔作業を行うにつれて、図中符号Aで示すスリット7の閉じた端部と噴出孔9との間の領域に入った切り粉は、噴出孔9からの冷却剤の流れの方向の関係から、スリット7内でビット5の外周方向へは移動しにくく、この領域に切り粉が溜まりやすく、遂には噴出孔自体が詰まってしまうことがある。このような問題は、コンクリートへの穿孔の場合のみでなく、屋上防水の目的で施工した防水シート材に孔明けを行う場合にも生じる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本願発明は上記従来技術に於ける問題点に鑑みなされたものであり、本願発明は、冷却剤の噴出孔を目詰まりを防止し、切削部材の冷却と、切り粉の排出を容易に行うことのできるコンクリート用ドリルを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明のコンクリート用ドリルにおいては、切削部材には、一つの直径方向に伸び、一端がこの直径の一端側外周部において開口し、他端が切削部材の中心と前記直径の他端との間で閉じたスリットが形成する。このスリットは前記他端側から前記一端側へ向かうにつれてその幅が漸増する形状とする。そしてシャンクの先端壁には、一端が内部の冷却剤供給孔に通じ、他端が、切削部材の中心と前記スリットの他端との間で前記スリットに臨んで開口している小孔が設けられる。そして、シャンクの先端壁の外側面には、切削部材のスリットに対応した位置で、中心部から外周部に向かって延びる、有底のスリットが形成されている。
【0008】
ある実施の形態では、シャンク先端壁外側面に形成したスリットは、外周部に向かうにつれて深くなっている。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本願発明の具体的実施の形態を説明するが、本願発明の範囲は以下に説明される実施の形態に限定されるものではない。
【0010】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るコンクリート用ドリル11を示す図で、(イ)は平面図であり、(ロ)は図イのロ−ロ線による断面図である。
【0011】
図において、13は略円筒状のシャンクである。該シャンク13の内部には、その基部即ち図ロで見た場合の下端が開き、その先端即ち図ロで見た場合の上端が閉じた軸方向に延びる孔15が形成されている。この孔15は径が下端側から順次小さくなるように多段になっており、その途中に雌ねじ17が刻設されている。このドリル11は、この雌ねじ17を介して穿孔機(図示せず)の回転軸に取り付けられる。また、この孔15内へは、穿孔機から水等の冷却剤が供給される。
【0012】
シャンク13の先端面すなわち、孔15の先端を閉じる先端壁19の外側面上に、本実施の形態ではダイヤモンドビットである切削部材25が、接着等適宜手段で固着されている。ダイヤモンドビット25は略円柱状に形成され、シャンク13に対し、互いに同心となるように位置決めされて取り付けられている。なお図から判るとおり、ダイヤモンドビット25の径は、シャンク13の径より大きくなっている。
【0013】
ダイヤモンドビット25には、その高さ方向全長に渡るスリット或いは切り欠き27が形成されている。このスリット27は、ダイヤモンドビット25の一つの直径に沿って延びるように形成され、その一端は、ダイヤモンドビット25の直径の一端側の外周部で開口した開口部29となっている。スリット27の他端側は、ダイヤモモンドビット25の中心33と前記直径の他端側外周部との間に位置して閉じた閉端部31となっている。そしてスリット27の形状は直径の線を挟んで対称となっており、その直径を挟む方向の幅は、閉端部31から開口部29へ向かうにつれて漸増する形となっている。
【0014】
シャンク13の先端壁19には、一端において孔15に連通し、他端が先端壁19の外側面19aにおいてダイヤモンドビット25のスリット27内に臨んで開口している小孔21が形成されている。小孔21の開口位置は、ダイヤモンドビット25の中心33とスリット27の閉端部31との間であり、本実施の形態では、閉端部31に近接した位置となっている。図から明らかなとおり、小孔21は中心33から完全に外れて位置している。この小孔21は、ドリル11で穿孔作業を行う際に、シャンク13の孔15内に送り込まれた冷却剤が噴出する噴出孔となる。
【0015】
上記の如き構成からなるドリルを用いて例えばコンクリート壁に孔明け作業を行うと、ダイヤモンドビット25のスリット27の上側開口部27aはコンクリートの壁面により閉じられた状態となる。また、スリット27の下側開口部27bはシャンク13の先端壁19aにより閉じられている。そして直径方向においては一方が閉端部31となっているので、小孔21から噴出した冷却剤は、図中に符号Wで示したように、中心33を越え、開口部29へと向かう激しい流れとなる。従って、スリット27内へ入り込んだコンクリートの切り粉には、ドリル11の回転により生じる、スリット27の開口部29の方向へ向かう遠心力に加え、この開口部29へ向かう冷却剤の流れの作用が働くこととなり、切り粉は確実に開口部29を通ってスリット27の外へと排出される。この際、スリット27の幅が開口部29に向かうにつれて大きくなっているので、切り粉の排出に好都合である。もちろん、この冷却剤はダイヤモンドビットを冷却し、その切削能力を維持する働きをする。
【0016】
図2は本発明の第2の実施の形態に係るコンクリート用ドリル41を示す図で、(イ)は平面図、(ロ)は図イのロ−ロ線による断面図である。この実施の形態におけるドリル41が、第1の実施の形態でのドリル11と異なる点は、シャンク43の先端壁の外側面に窪み或いはスリット45を設けた点であり、他の構成においては共通するので、それら共通の部材及び構成には同じ符号を付し、その説明は省略する。
【0017】
シャンク43の先端壁45には、その外側面側において、ダイヤモンドビット25のスリット27の下方に位置するように、スリット47が形成されている。すなわちスリット47は、図ロに示されるように、シャンク43の先端壁の中央部からダイヤモンドビットのスリット27の開口部29側の外周部へと右下がりに形成されている。その幅方向の形状は、本実施の形態ではダイヤモンドビット25のスリット27の形状に合わせてあり、その幅は外周側開口部47bに向かうにつれて漸増するようになっている。また、スリット45の内側端部47aは、中心33より若干小孔21側へずれた位置にある。
【0018】
以上の如き実施の形態においては、シャンク43に形成されたスリット或いは窪み47は、切り粉が流れるスペースを広くして切り粉が流れやすくし、切り粉による詰まりを防止する効果をさらに増大する。また、スリット47の底面は外周側開口部47bに向かって次第に下がるように傾斜しており、その内側端部47aが中心33より小孔側へずれているので、穿孔中に仮に中心部に細いコンクリートのコアが形成されても、そのコアはスリット47のこの傾斜した底面に当たり、簡単に折れてしまい、他の切り粉とともに容易に排出される。
【0019】
なお、スリット或いは窪み47の形状は上に説明したものに限定されるものではなく、必要に応じて適宜変更可能である。例えば内側端部47aにおいてある深さを有するようにしてもよい。底面については平らでもよいが、切り粉の流れを考慮した場合、外周部に向かって下がるように傾斜させるのが望ましい。幅方向の形状も必ずしもダイヤモンドビットのスリットの形状に合わせる必要はない。幅が均一なものでもよいが、切り粉の流れを考慮した場合、外周部に向かって漸増する形状が望ましい。
【0020】
【発明の効果】
以上詳述したとおり、本発明に係るコンクリート用ドリルによれば、切り粉が冷却剤の流れの作用を受けて確実に切削部材のスリットから排出され、切り粉による冷却剤噴出孔の詰まりを防止できる。
【0021】
シャンクの先端壁外面側に、切削部材のスリットに対応して窪み或いはスリットを設けた場合には、切り粉の流れるスペースが拡大され、さらに切り粉の詰まりを防止する効果が増大される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るコンクリート用ドリルを示す図であり、イは平面図、ロは図イのロ−ロ線による断面図である。
【図2】第2の実施の形態に係るコンクリート用ドリルを示す図である。
【図3】従来例を示す平面図である。
【符号の説明】
11 コンクリート用ドリル
13 シャンク
15 冷却剤供給用孔
19 先端壁
21 小孔(噴出孔)
25 切削部材(ダイヤモンドビット)
27 スリット
29 開口部
31 閉端部
Claims (3)
- 内部に冷却剤供給用の孔を備え、その先端が先端壁により閉じられた略円筒状のシャンクと、該シャンクの前記先端壁上に固着された略円柱状の切削部材とを備えたコンクリート用ドリルにおいて、前記切削部材には、一つの直径方向に伸び、一端が前記直径の一端側外周部において開口し、他端が前記切削部材の中心と前記直径の他端との間で閉じたスリットが形成され、該スリットは前記他端側から前記一端側へ向かうにつれてその幅が漸増し、前記シャンクの前記先端壁には、一端が前記冷却剤供給孔に通じ、他端が、前記切削部材の中心と前記スリットの他端との間で前記スリットに臨んで開口している小孔が設けられ、前記シャンクの前記先端壁の外側面には、前記切削部材の前記スリットに対応した位置で、中心部から外周部に向かって延びる、有底のスリットが形成されていることを特徴とする、コンクリート用ドリル。
- 請求項1記載のコンクリート用ドリルにおいて、前記シャンクの前記スリットは、外周部に向かうにつれて深くなっていることを特徴とする、コンクリート用ドリル。
- 請求項2記載のコンクリート用ドリルにおいて、前記シャンクの前記スリットの内側の端部は、前記切削部材の中心より前記小孔側へずれていることを特徴とする、コンクリート用ドリル。
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JP20272499A JP4327303B2 (ja) | 1999-07-16 | 1999-07-16 | コンクリート用ドリル |
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JP20272499A Expired - Lifetime JP4327303B2 (ja) | 1999-07-16 | 1999-07-16 | コンクリート用ドリル |
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-
1999
- 1999-07-16 JP JP20272499A patent/JP4327303B2/ja not_active Expired - Lifetime
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