JP4327007B2 - 車載装置および遠隔監視システム - Google Patents

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Description

本発明は、ネットワークカメラ(Webカメラ)からの映像(静止画または動画)を受信し、再生する車載装置および遠隔監視システムに関する。
近年、監視カメラとしての利用をはじめ、さまざまな目的で、ネットワークカメラの映像を、インターネットを介して、遠隔地にあるPCまたは携帯電話のような、カメラ映像が再生可能な装置で見る機会が増加している。
例えば、図14に示す従来例では、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line )などのブロードバンド環境下で、住宅(自宅)に設置したネットワークカメラ511が、ADSLモデム513、ブロードバンドルータ512を経由してインターネット網に接続されている。ネットワークカメラ511は、映像を捉えるカメラ部(不図示)と捉えた映像をデジタル処理してネットワーク側へ送信するためのデジタル処理部(不図示)とを有している。遠隔地にある携帯電話514およびPC515は、世界中どこにいてもインターネットに接続さえできれば、ネットワークカメラ511のIPアドレスを指定することでブラウザ上にその映像を表示することができる。IP(Internet Protocol)アドレスは、インターネットサービスプロバイダにより割当てられる。これにより、ネットワークカメラ511は、監視カメラとしての利用が可能である。また、ネットワークカメラ511は、住宅の中を監視する用途だけに限らず、講義や授業の様子を配信するためや、親が幼稚園・保育所などの子供の様子を見るためや、さらには観光地等の景観や渋滞情報を見るために、屋内、屋外を問わず設置されもする。このような様々な用途でネットワークカメラは増え続けている傾向にあり、今後ますます車の中でもネットワークカメラの映像を見る機会が増えてくることが予想される。
このようなネットワークカメラと、不法侵入・火災・ガス漏れ等の異常事態を検出するためのセンサとが組み合わされたものとして、例えば、特許文献1に開示される携帯型セキュリティシステムがある。この携帯型セキュリティシステムでは、図15に示すように、住宅の住人であるユーザーは、携帯情報機器としての携帯電話615を所有している。センサ613が異常を検出すると、異常を検出したことが、無線受発信機612を経由して、外出中のユーザーに携帯電話615を通じて知らされる(矢印1a、1b)。ユーザーは、携帯電話615から無線受発信機612を経由してカメラとマイク611に問い合わせ(矢印2a、2b)、カメラとマイク611から映像と音声を受信し再生することで、住宅内の状況を知る(矢印2c、2d)。ユーザーは、住宅内の状況を確認し、異常があれば、携帯電話615からの操作により警報機614を鳴らすよう制御することもでき(矢印3a、3b)、そして異常が無くなれば、警報機を止めることもできる。代替的に、警報機614は、無線受発信機612がセンサ613からの信号を受信した後、その信号が警報機614に送信されることにより(ユーザーの操作なしに)、直ちに作動するようにすることもできる(矢印1c)。
この従来技術の携帯型セキュリティシステムによれば、ユーザーは住宅に異常が発生した場合に、警備業者に依頼しなくても、携帯電話からの操作により、自ら適切な対処を図ることができる。また、ユーザーは、住宅内の状況を確認する際、映像と音声を確認しながら携帯電話615をカメラとマイク611のリモートコントローラーとして使用し、カメラの向きや倍率を遠隔操作することもできる(携帯電話を用いてカメラを制御する方法としては、他にも特許文献2を参照のこと)。
しかし、上記の従来技術はいずれも、車内での使用を意図したものではない。
他方、車内での使用を意図したものとしては、例えば、特許文献3に開示される車載用の動画メール記憶再生装置とカーナビゲーション装置がある。図16は、特許文献3に開示される動画メールを記憶再生することができるカーナビゲーション装置71を示すブロック図である。
図16において、GPSレシーバ723は自車の現在位置を、車速センサ724は車速を、またGセンサ725は車両にかかる加速度を、それぞれ検出することができる。また、信号処理装置716は、GPSレシーバ723、車速センサ724、およびGセンサ725からの入力信号を処理し、現在位置信号、車速信号、および加速度信号を出力する。メモリ713は、送受信する動画メールや外部記憶媒体721から読み取った動画データなどを記憶するメモリである。動画データ読取部715は、外部記憶媒体721(例えば、メモリカード)から動画データを読み取る装置である。通信制御部712は、携帯電話72を制御し、通信データのやり取りを確立するインターフェースである。描画LSI714は、送受信する動画メールを車室内の表示モニタ720に表示させるために描画データに変換する回路である。なお、表示モニタ720は、運転者近傍のダッシュボード上に配置される。CPU711に接続された現在位置算出部718は、GPSレシーバ723からの位置信号を基に現在位置を算出するものであり、経路探索部719は算出された現在位置からユーザーにより入力された目的地や経由地までの最適ルートを探索するものであり、それぞれプログラムによって実現される。DVD−ROMドライバ717は、地図データを記録したDVD−ROM722から地図データを読み取る地図データ読み取り部である。
このように構成されたカーナビゲーション装置71において、CPU711は、車速センサ724からの車速信号、またはGセンサ725からの加速度信号に基づいて、車両の停止状態を判断し、車両の停止を検出した場合にのみ、受信した動画メールをメモリ713から読み出し表示モニタ720上に表示する。このようにして、車両の走行中は、受信した動画メールが再生表示されないようにし、運転者の運転操作を妨げることを少なくして、安全性を確保している。
特開2000−36088号公報 特開2002−57935号公報 特開2002−107158号公報
車内においてカメラ映像を見たり、カメラ方向を操作したりすることを考えると、特許文献1または2に開示されるような、携帯電話やPHSなどの携帯機器の小さな表示モニタを見ながら、ボタンをこまめに操作することは視点移動量が大きく、運転者の運転に支障を与えてしまうことになるため安全上許されるものでは無いことは明白である。このため、安全上および利便上、運転者が車内で使用するのに適した仕様とすることが必要となる。
他方、運転者が車内で使用することを意図された特許文献3に開示されるカーナビゲーション装置では、安全性を考慮して、動画メールの再生を車両が停車したときのみ行うため、走行中の車両内では、ユーザーは、動画メールを再生し確認することができない。これは、動画メールのように通常それほど緊急度の高くない情報を含むものであればそれほど問題にはならないが、緊急度の高い情報を含むものの場合には、不都合が生じる。例えば、セキュリティ目的で使用されるネットワークカメラの映像データを受信する場合には、ユーザーがリアルタイムでその映像を確認できることが必要であるにもかかわらず、車両の走行中は、そのような映像を受信した場合であっても、ユーザーがそれをリアルタイムで確認することができない。そのため、連続走行時間が長い(すなわち、次に停車するまでの時間が相当ある)状況下で(例えば、ユーザーの車両が高速道路を走行中のような場合)、特に不都合である。
したがって、安全性と利便性との間のトレードオフの問題を解消することのできる、車載用ネットワークカメラ映像再生装置に対する必要性が存在する。
本発明はこのような事情に鑑みてなされた。すなわち、本発明は、外部の撮像装置からの映像を車内において表示する場合において、車両の走行中でも、必要に応じて安全にユーザーが映像を見られるようにした車載装置および遠隔監視システムを提供する。
本発明の車載装置は、自動車に搭載され、インターネットを介して外部の撮像装置と通信可能に接続されている。外部の撮像装置は、少なくとも撮像範囲内における異常を検出する機能または呼び出しを検出する機能と、異常または呼び出しを検出したときにインターネットを介して予め指定された宛先に異常検出通知または呼び出し検出通知を送信する機能とを有している。本発明の車載装置は、通信部と、受信通知部と、表示部と、自動車停止検出部と、表示制御部とを備えている。通信部は、インターネットを介して撮像装置との間で通信を行う。この通信部が撮像装置からの異常検出通知又は呼び出し検出通知を受信すると、その旨を受信通知部がユーザーに通知する。そのとき、表示制御部は、自動車停止検出部に対して自動車が停止しているか否かを問い合わせる。自動車が停止していると、表示制御部は、通信部を介して撮像装置からの映像データを取得し、表示部に表示させる。一方、自動車が停止していない場合、表示制御部は、受信通知部によりユーザーに異常検出通知又は呼び出し検出通知のみを行う。本発明の車載装置は、さらに、ユーザーからの映像再生指示の入力を受け付ける映像再生指示入力部を備えており、通信部が撮像装置からの異常検出通知を受信したときに自動車が停止していない場合、表示制御部は、受信通知部がユーザーに対して異常検出の受信を通知した後、一定時間以内に映像再生指示入力部から映像再生指示が入力されたことを条件として、撮像装置から映像データを取得して上記表示部に表示させる。
本発明の車載装置の好ましい実施形態では、上記受信通知部は、ボタンの点滅、音声、振動、表示パネル上の文字もしくは記号の表示、またはこれらの任意の組み合わせにより受信通知を行う。
本発明の車載装置の好ましい実施形態では、上記撮像装置が異常又は呼び出しを検出したときに、異常検出通知を送信する。外部の撮像装置が異常を検出したときに送信する異常検出通知としては、種々の信号形態が考えられるが、典型的なものとして、例えば映像再生要請信号や異常(又は呼び出し)検出信号が挙げられる。表示制御部は、前者の場合、映像再生要請信号を受信したことに応答して表示制御動作を行い、後者の場合、異常(又は呼び出し)検出信号を受信したことに応答して表示制御動作を行うことになる。
本発明の車載装置の好ましい実施形態では、映像データ記憶部を別途設けておき、通信部が撮像装置からの異常検出通知を受信したときに自動車が停止していない場合、表示制御部は、受信通知部がユーザーに対して異常検出の受信を通知した後、一定時間以内に映像再生指示が入力されない場合には、撮像装置から取得した映像データをこの映像データ記憶部に格納しておくようにしても良い。好ましくは、表示制御部は、自動車が停止したときに、映像データ記憶部に記憶された映像データを読み出して表示部に表示させる。
上記のように、ユーザーは、自動車の走行中に撮像装置からの映像を見ない場合には、受信通知部による受信通知後一定時間以内に映像再生指示入力部から映像再生指示を入力しなければよく、また、そのような場合であっても、表示制御部は、撮像装置からの映像データを受信して映像データ記憶部に記憶させるので、ユーザーがその映像を見たいときにはいつでも(例えば、自動車の停止後に)、それを表示部に表示させることができる。
本発明の車載装置の別の好ましい実施形態では、上記映像再生指示入力は、ボタンもしくはキー、タッチパネル、音声認識装置、リモコン装置、またはこれらの任意の組み合わせにより構成される。
本発明の車載装置の別の好ましい実施形態では、上記受信通知部は、ボタンの点滅により受信通知を行い、上記映像再生指示入力部は、点滅中の上記ボタンが押圧されることにより映像再生指示を入力する。
本発明の車載装置の別の好ましい実施形態では、通信部は、携帯電話端末および無線LAN送受信部を含み、撮像装置からの異常検出通知の受信には、携帯電話端末を使用し、撮像装置からの映像データの受信には、無線LAN送受信部を使用する。
本発明の範囲は、自動車に搭載される車載装置のみならず、これとインターネットを介して通信可能に接続された外部の撮像装置も含めた遠隔監視システム全体にも向けられている。この遠隔監視システムにおいて、撮像装置は、少なくとも撮像範囲内における異常又は呼び出しを検出する異常検出センサ又は呼び出し検出センサと、異常検出センサ又は呼び出し検出センサが異常又は呼び出しを検出したときにインターネットを介して予め指定された宛先に異常検出通知又は呼び出し検出通知を送信する送信部とを備えている。一方、車載装置は、通信部と、受信通知部と、表示部と、自動車停止検出部と、映像再生指示入力部と、表示制御部とを備えている。通信部は、インターネットを介して撮像装置との間で通信を行う。この通信部が撮像装置からの異常検出通知または呼び出し検出通知を受信すると、その旨を受信通知部がユーザーに通知する。そのとき、表示制御部は、自動車停止検出部に対して自動車が停止しているか否かを問い合わせる。自動車が停止していると、表示制御部は、通信部を介して撮像装置からの映像データを取得し、表示部に表示させる。一方、自動車が停止していない場合、表示制御部は、受信通知部によりユーザーに異常検出通知又は呼び出し検出通知のみを行う。さらに、通信部が撮像装置からの異常検出通知を受信したときに自動車が停止していない場合、表示制御部は、受信通知部がユーザーに対して異常検出の受信を通知した後、一定時間以内に映像再生指示入力部から映像再生指示が入力されたことを条件として、撮像装置から映像データを取得して上記表示部に表示させる。
本発明の車載装置によれば、車内にいるユーザーは、自動車が停止しているときは、撮像装置からの異常事態の映像をリアルタイムで観察することができるのみならず、自動車が走行中であっても、ユーザーの意思により(例えば、一定時間以内に映像再生指示を入力することで)、異常事態の映像をリアルタイムに観察することができる。これにより、ユーザーは、異常事態の発生に対して迅速に対応することができる。
本発明の車載装置によれば、異常検出又は呼び出し検出の受信通知を、ボタンの点滅、音声、振動、表示パネル上の文字もしくは記号の表示、またはこれらの任意の組み合わせにより行うことにより、自動車を運転中のユーザーに対しても、都合よく異常検出通知又は呼び出し検出通知の受信を知らせることができる。
また、映像再生指示の入力を上記受信通知ボタンを利用して行うことにより、受信通知および映像再生指示の両方の操作を、一の手段により容易に行うことができる。さらに、このようにして、自動車を運転中のユーザーでも、安全性に対する支障を最小限に抑えながら、容易に映像再生指示を入力することができる。
さらに、運転中で見ることができなかった映像は、記憶部に記憶しておくことにより、後で確認することができ、異常発生時又は呼び出し発生時に撮影された映像を見逃すことが無くなる。
また、本発明の車載装置において、映像データのように容量の大きいデータの送受信を無線LANで行うことにより、無線LANは携帯電話よりも通信速度が速いため、高画質の映像を表示することが可能となる。さらに、撮像装置からの大容量の映像データを無線LANを使用して受信することにより、携帯電話回線が圧迫されることがないという利点も得られる。
本発明の遠隔監視システムにより、例えば、自宅などにおける異常事態又は緊急事態等の発生を、遠隔地の自動車内にいるユーザーが、リアルタイムで安全に知ることができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第一の実施形態に係る、車載用カメラ映像再生装置11およびネットワークカメラセキュリティシステム14を含む、車載用ネットワークカメラ映像再生システムを示すブロック図である。
まず、車載用カメラ映像再生装置11について説明する。車載用カメラ映像再生装置11は、CPU111、通信制御部112、メモリ113、描画LSI114、表示モニタ115、および信号処理部116を備えている。
通信制御部112は、インターネット網13との通信データの送受信を確立するインターフェースである。通信制御部112は、通信端末12と接続されており、これを制御する。通信端末12は、車載用カメラ映像再生装置11とネットワークカメラ211とを、インターネット網13を介して接続するための端末装置であり、ネットワークカメラ211との間で、制御信号または映像データ等の送受信を行う。さらに、通信端末12は、車載用カメラ映像再生装置11と警備会社15とを、インターネット網13を介して接続する。通信端末12としては、例えば、携帯電話、PDA、PHS、無線LAN送受信部、DSRC(Dedicated Short Range Communication;狭帯域無線通信)送受信部等のいずれかの1つ、又は2つ以上の組み合わせで無線通信機能を備える装置である。これらは、もちろん、例えば、携帯電話またはPDAとして、それら本来の機能を利用することもできる。
描画LSI114は、通信制御部112および通信端末12で受信するカメラ映像データを描画データに変換し、表示モニタ115に送る。メモリ113は、通信端末12および通信制御部112で受信するネットワークカメラからの映像データを記憶する。なお、受信したカメラ映像データは、必ずしもメモリ113に記憶する必要はなく、通信端末12および通信制御部112で受信後、すぐに表示モニタ115により再生表示し得る。表示モニタ115は、描画LSI114で描画データに変換されたカメラ映像データを表示する。なお、通信端末12として、すでにネットワークカメラの映像を表示する機能がある携帯電話を使用する場合、車載用カメラ映像再生装置11は、携帯電話が車載用カメラ映像再生装置11へ接続されたことを検出すると、携帯電話のカメラ映像を表示する機能を無効化するようにしても良い(不図示)。これによって、ユーザーが車内において視点移動量がより大きい携帯電話を用いてカメラ映像を見る機会を無くすことができる。このような携帯電話の制御は、通信制御部112で行い得る。
信号処理部116は、車速センサ117および加速度センサ118に接続されており、これらのセンサからの入力信号を処理して車速信号および加速度信号などをCPU111へ出力する。車速センサ117は、車輪の回転数に応じたパルスを発生し、このパルス数を計数することにより車速を検出する。加速度センサ118は、車両にかかる加速度を検出するものであり、車両の加速、減速、および停止を検出し、さらに検出した加速度を積分することにより車速を検出する。
ユーザー指示入力部119は、ユーザーからのカメラ映像再生指示および警備会社15に対する現場急行要請の指示(または通報指示)を入力する装置である。ユーザーの再生指示および通報指示の方法としては、後述するように、音声によるもの、リモコンによるもの、ボタンもしくはキーの操作、またはタッチパネルの操作によるもの等があり得るため、ユーザー指示入力部119としては、音声認識の可能な装置、リモコンによる指示を感知することが可能な装置(例えば、赤外線感知器など)、ボタンもしくはキーを備えた装置、またはタッチパネルなどが挙げられる。ユーザー指示入力部119は、ユーザーからのカメラ映像再生指示を受けると、カメラ映像再生指示信号をCPU111に送信する。
CPU111は、装置全体を制御するとともに、通信端末12および通信制御部112を介して受信したデータがネットワークカメラからのものか否かの判断、信号処理部116から出力された情報に基づいて車両の停止状態の判断、またはユーザーからの再生指示の有無、通報指示の有無の判断等を行う。
警備会社15は、ユーザーからの現場急行要請の指示を待ち受けており、現場急行要請の指示を受けるとただちにスタッフを異常が発生した場所へ派遣する。警備会社15は、ユーザーから送られてくる現場急行要請指示のための信号とネットワークカメラ211(または異常検出センサ216)の設置場所とを関連づけて管理しておくことにより、ユーザーと異常が発生した場所とを特定することができる。なお、警備会社15は、インターネット網13を介してネットワークカメラ211と接続されていてもよい。
次に、ネットワークカメラセキュリティシステム14について説明する。図1において、ネットワークカメラセキュリティシステム14は、ネットワークカメラ211、モデム212、ルータ213、PC(パーソナルコンピュータ)214、警報機215、および異常検出センサ216を備えている。ネットワークカメラセキュリティシステム14は、例えば、自宅などの住宅、オフィスビル、学校、または保育所など、セキュリティ目的で必要とされる任意の場所に設置され得る。
異常検出センサ216は、不法侵入、火災、ガス漏れ等のような異常事態を検出するセンサである。このようなセンサには、マグネットセンサ、人体の熱を感知するインフラレッド熱感知センサ、衝撃センサ、ガス漏れセンサ、火災を検知する熱センサ、または煙センサなどが含まれる。異常検出センサ216は、異常事態を検出すると、異常検出信号をネットワークカメラ211に送信する。ネットワークカメラ211は、上記のような異常事態が検出されたときに、その場所の状況を撮像する。ネットワークカメラ211としては、例えば、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、CCDカメラ、ビデオカメラ、赤外線カメラなどが使用され得る。ネットワークカメラ211は、モデム212およびルータ213を介してインターネット網13に接続され、インターネットによる通信が可能なようにIP(インターネットプロトコル)に適合した仕様となっている。また、ネットワークカメラ211には、車載用カメラ映像再生装置11からの制御信号を受信することでカメラ方向を変えるカメラ方向制御機能(不図示)、または顔画像検出により自動でカメラ方向を追従させることができるカメラ方向自動追従機能(不図示)などの機能が、搭載されてもよい。
なお、異常検出センサ216は、いわゆる「パニックボタン(または呼び出しボタン)」のような、緊急事態の発生を知らせるための他の装置に置換され得る(不図示)。パニックボタンは、不法侵入、火災、急病などの緊急事態が生じたときに、緊急事態の発生を示す信号を予め決められた送信先に送信し、送信先にいる相手に緊急事態の発生を知らせるための自動信号送信装置に電気的に接続された、信号の自動送信開始のためのボタンまたはスイッチである。
警報機215は、車載用カメラ映像再生装置11からの制御により作動する。または、必要に応じて、異常検出センサ216が異常事態を検出すると自動的に作動するようにしてもよい。警報機215の例としては、例えば、防犯ベル、非常ベル、アラーム、防犯ライトなどが挙げられる。警報機215は、モデム212およびルータ213を介してインターネット網13に接続されており、車載用カメラ映像再生装置11とインターネット通信ができるように、IPに適合している。PC214は、PC本来の機能に加えて、ネットワークカメラ211および警報機215のネットワーク関連の設定を行う。
なお、図1では、通信端末12、表示モニタ115、車速センサ117、加速度センサ118、およびユーザー指示入力部119を、車載用カメラ映像再生装置11に付属する外部構成要素として示しているが、これらのそれぞれの構成要素は、車載用カメラ映像再生装置11に組み込まれている内蔵型のものでもよい。
図2は、図1に示す車載用カメラ映像再生装置11とネットワークカメラ211と異常検出センサ(または呼び出し検出センサ)216との間で送受信される、制御信号および映像データの流れを示す、シーケンス図である。
図2に示すように、異常検出センサ(または呼び出し検出センサ)216は、異常(または呼び出し)を検出すると、ネットワークカメラ211に対して異常検出信号(または呼び出し検出信号)を送信する(ステップS10)。異常検出信号(または呼び出し検出信号)を受信したネットワークカメラ211は、車載用カメラ映像再生装置11に対して、映像再生要請信号を送信する(ステップS11)。その信号を受けた車載用カメラ映像再生装置11は、車両の停止状態およびユーザーの再生指示の有無に依存して、ネットワークカメラ211へ映像再生要請応答OK信号を返信する(ステップS12)。この映像再生要請応答OK信号をネットワークカメラ211が受けると、ネットワークカメラ211は、車載用カメラ映像再生装置11へ映像データを送信する(ステップS13)。その映像データが、車載用カメラ映像再生装置11の表示モニタ115に再生表示されることにより、ユーザーは住宅内の状況を映像(動画)で確認することができる。
図3は、図1および図2に示す本発明の実施形態において、車載用カメラ映像再生装置11のCPU111がユーザーに異常(または呼び出し)を通知するまでの処理を示すフロー図である。以下、図3を参照して、CPU111の処理動作を説明する。
図3に示すCPU111の処理は、車載用カメラ映像再生装置11がオンになることによりスタートする。まず、車載用カメラ映像再生装置11が、通信端末12および通信制御部112を介してネットワークカメラ211から映像再生要請信号を受信したかを判断ずる(ステップS30)。受信しない場合(ステップS30:No)は、ステップS30の処理を繰り返す。受信すると(ステップS30:Yes)、ユーザーに異常(または呼び出し)検出を通知する(ステップS31)。ここで、ステップS31におけるユーザーへの受信通知は、例えば、表示パネル上での文字表示による警告、光るボタンの点滅による警告(例えば、図11を参照)、音声による警告、振動による警告、またはこれらのいずれかの組み合わせなど、ユーザーが五感により認識し得る方法で行われる。
ユーザーに異常(呼び出し)検出を通知した後は、カメラ映像の再生制御処理に移る。図4は、図1および図2に示す本発明の実施形態において、車載用カメラ映像再生装置11のCPU111が行うカメラ映像の再生制御処理を示すフロー図である。
以下、図4を参照しながら、CPU111の再生制御処理動作を説明する。
CPU111は、まずユーザーに受信を通知すると(図3)、信号処理部116から出力される信号に基づいて車両が停止しているかどうかを判断する(ステップS40)。車両が停止している場合(ステップS40:Yes)、CPU111は、通信制御部112を介して映像再生要請応答OK信号をネットワークカメラ211へ返信する(ステップS41)。次いで、ネットワークカメラ211からの映像データを、車載用カメラ映像再生装置11が通信端末12および通信制御部112を介して受信すると、CPU111は、受信した映像データを表示モニタ115で再生表示する(ステップS42)。また、図示してはいないが、ステップS42において、CPU111が、受信した映像データを表示モニタ115で再生表示すると同時にまたはその前に、メモリ113に蓄積する構成にしてもよい。これにより、ユーザーが後でその映像を再生したい場合には、メモリ113に蓄積されたものを再生することができる。
一方、ステップS40において、車両が停止していない場合(ステップS40:No)、CPU111は、ステップS43において、映像再生要請信号の受信通知(図3)後一定時間以内にユーザーからの再生指示があったか否かを判断し(ステップS43)、指示があった場合(ステップS43:Yes)、上記した車両が停止している場合と同様、映像再生要請応答OK信号をネットワークカメラ211へ返信する(ステップS41)。次いで、ネットワークカメラ211から送信されるカメラ映像データを通信端末12および通信制御部112により受信すると、CPU111は、表示モニタ115でそれを再生する(ステップS42)。なお、「一定時間」とは、任意の時間長であり得るが、ユーザーが図3での受信通知を知覚してから、再生指示の動作を行うまでに通常かかる時間かまたはそれよりも長い時間をいい、通常、数秒から数分、より通常には、数秒から数十秒である。この「一定時間」は、予め装置により決められたものであってもよいし、またはユーザーが任意に設定することもできる。また、「ユーザーの再生指示」には、表示モニタ115上でのボタンによる操作(例えば、図11を参照)またはタッチパネルによる操作、あるいはその他音声認識またはリモコンによる方法など、当該分野の技術常識に基づいて当業者が容易に実施し得る方法によるものが含まれる。
一方、ステップS40において車両が停止しておらず(ステップS40:No)、かつ、ステップS43においてユーザーからの再生指示が、受信通知(図3)後、一定時間以内にない場合(ステップS43:No)、CPU111は、映像再生要請応答OK信号を、通信端末12および通信制御部112を介して、ネットワークカメラ211に対して返信する(ステップS44)。次いで、CPU111は、ネットワークカメラ211から送られる映像データを通信端末12および通信制御部112が受信すると、それを表示モニタ115では再生せずに、メモリ113に蓄積(記憶)する(ステップS45)。
代替的に、ステップS45において、受信した映像データを動画としては再生しないが、静止画として切り出して、それを表示モニタ115に表示してもよい。その際、静止画の表示と共にユーザーに対して車両を停車するように促す表示(例えば、表示モニタ115上での文字による表示など)または音声が出るようにしても良い。また、車載用カメラ映像再生装置11がカーナビゲーション機能と一体化されている場合には、ルート情報や現在走行中の道路種別(高速道路、一般道、細街路など)などを、インターネット網、またはDVD−ROM等の外部記録媒体から取得し、停車する場所を具体的に指示する(例えば、高速道路走行中の場合には、「自宅に異常が発生しました。次のサービスエリア○○に入って停車して映像を確認して下さい。」などと表示モニタ115に表示する)ようにしても良い。このような構成にすることにより、車両の走行中に住宅等に異常が発生した際には、車載用カメラ映像再生装置11は、動画映像ではなく、静止画でユーザーに対して異常を伝えるので、ユーザーは表示モニタ115を注視する時間が少なくて済み、より安全に車載用カメラ映像再生装置11を操作することができる。また、映像データは、受信した後、メモリに蓄積されるので、異常発生時の映像を失うことなく、ユーザーは、車両が後で停車した際に、その蓄積した映像データの内容を確認することができる。
(実施の形態2)
図5は、本発明の第二の実施形態に係る、車載用カメラ映像再生装置11およびネットワークカメラセキュリティシステム14を含む、車載用ネットワークカメラ映像再生システムを示すブロック図である。図5に示す各ブロックの構成要素は、図1のものと一致しているため、図5の各構成要素には、図1において使用した符号と同一の符号を付した。
しかしながら、図5に示すシステムは、図1のシステムと以下の点で異なっている。図1に示すシステムでは、異常検出センサ216が、ネットワークカメラ211と接続され、異常検出センサ216からの異常検出信号は、ネットワークカメラ211に送信されるが、図5に示すシステムでは、異常検出センサ216が、ネットワークカメラ211を介さずに、ルータ213に直接接続され、ルータ213およびモデム212を介してインターネット網13に接続されている。そのため、異常検出センサ216からの異常検出信号を受けるのは、ネットワークカメラ211ではなく、車載用カメラ映像再生装置11である。
図6は、図5に示す車載用カメラ映像再生装置11とネットワークカメラ211と異常検出センサ216との間で送受信される、制御信号および映像データの流れを示すシーケンス図である。図6に示すように、異常検出センサ216は、異常事態(または呼び出し)を検出すると、車載用カメラ映像再生装置11に対して異常検出信号(または呼び出し検出信号)を送信する(ステップS60)。異常検出信号(または呼び出し検出信号)を受信した車載用カメラ映像再生装置11は、車両の停止状態およびユーザーの再生指示の有無に依存して、ネットワークカメラ211に対して、映像再生要求信号を送信する(ステップS61)。その信号を受けたネットワークカメラ211は、車載用カメラ映像再生装置11に対して映像データを送信する(ステップS62)。その映像データが、車載用カメラ映像再生装置11の表示モニタ115に再生表示されることにより、ユーザーは住宅内の状況を映像(動画)で確認することができる。
図7は、図5および図6に示す実施形態において、車載用カメラ映像再生装置11のCPU111がユーザーに異常(または呼び出し)を通知するまでの処理を示すフロー図である。以下、図7を参照して、CPU111の処理動作を説明する。
まず、車載用カメラ映像再生装置11が、通信端末12および通信制御部112を介して異常検出センサ(または呼び出し検出センサ)216から異常検出信号(または呼び出し検出信号)を受信したかを判断する(ステップS70)。受信しない場合(ステップS70:No)は、S70の処理を繰り返す。受信すると(ステップS70:Yes)、ユーザーに異常検出を通知する(ステップS71)。ここで、ステップS71におけるユーザーへの受信通知は、図3についてと同様に、例えば、表示パネル上での文字表示による警告、光るボタンの点滅による警告(例えば、図11を参照)、音声による警告、振動による警告、またはこれらのいずれかの組み合わせなど、ユーザーが五感により認識し得る方法で行われる。
ユーザーに異常検出を通知した後は、カメラ映像の再生制御処理に移る。図8は、図6および図7に示す本発明の実施形態において、車載用カメラ映像再生装置11のCPU111が行うカメラ映像の再生制御処理を示すフロー図である。
以下、図8を参照しながら、CPU111の再生制御処理動作を説明する。
CPU111は、まずユーザーに受信を通知すると(図7)、信号処理部116から出力される信号に基づいて車両が停止しているかどうかを判断する(ステップS80)。車両が停止している場合(ステップS80:Yes)、CPU111は、通信端末12および通信制御部112を介して映像再生要求信号をネットワークカメラ211へ送信する(ステップS81)。次いで、ネットワークカメラ211から送られてくる映像データを、車載用カメラ映像再生装置11が通信端末12および通信制御部112を介して受信すると、CPU111は、受信した映像データを表示モニタ115で再生表示する(ステップS82)。なお、図示してはいないが、通信端末12および通信制御部112により受信した映像データを、表示モニタ115で再生表示する前にまたはそれと同時に、メモリ113に蓄積してもよい。
一方、ステップS80において、車両が停止していない場合(ステップS80:No)、CPU111は、ステップS83で、異常検出信号の受信通知(図7)後一定時間以内にユーザーからの再生指示があったか否かを判断し、一定時間以内に指示があった場合(ステップS83:Yes)、映像再生要求信号をネットワークカメラ211へ送信する(ステップS81)。次いで、ネットワークカメラ211から送信されるカメラ映像データを通信端末12および通信制御部112で受信すると、CPU111は、表示モニタ115でそれを再生する(ステップS82)。一方、ステップS83において、ユーザーからの再生指示が受信通知(図7)後一定時間以内にない場合(ステップS83:No)、CPU111は、映像再生要求信号を、通信端末12および通信制御部112を介して、ネットワークカメラ211へ送信し(ステップS84)、ネットワークカメラ211から送られる映像データを受信するが、それを表示モニタ115では再生せずに、メモリ113に蓄積する(ステップS85)。
代替的に、図4について先に記載したように、ステップS85において、受信する映像データを動画としては再生しないが、静止画として切り出して、それを表示モニタ115に表示してもよい。その際、静止画の表示と共にユーザーに対して停車するように促す表示(例えば、表示モニタ上での文字による表示など)または音声が出るような構成としても良い。また、車載用カメラ映像再生装置11がカーナビゲーション機能と一体化されている場合には、ルート情報や現在走行中の道路種別(高速道路、一般道、細街路など)などを、インターネット網、またはDVD−ROM等の外部記録媒体から取得し、停車する場所を具体的に指示する(例えば、高速道路走行中の場合には、「自宅に異常が発生しました。次のサービスエリア○○に入って停車して映像を確認して下さい。」などと表示モニタ115に表示する)ような構成としても良い。このような構成にすることにより、車両の走行中に住宅等に異常が発生した際には、車載用カメラ映像再生装置11は、動画映像ではなく、静止画でユーザーに対して異常を伝えるので、ユーザーは表示モニタ115を注視する時間が少なくて済み、より安全に車載用カメラ映像再生装置11を操作することができる。また、映像データは、受信した後、メモリに蓄積されるので、異常発生時の映像を失うことなく、ユーザーは、車両が後で停車した際に、その蓄積した映像データの内容を確認することができる。
図9に示すのは、図1または図5に示す実施形態の1つの変形例であり、図1または図5における通信端末12に、携帯電話端末および無線LAN送受信部の両方が装備されたものである。図9において、車両22に装備された車載用カメラ映像再生装置21には、携帯電話端末および無線LAN送受信部の両方が接続されている(不図示)。
図9に示す例では、カメラ制御信号(上述の映像再生要請信号、映像再生要請応答OK信号、異常(または呼び出し)検出信号、映像再生要求信号を含む)の送受信には、携帯電話の通信路を使用し、ネットワークカメラからの映像データの送受信には無線LANのような高速の通信路を使用する。車載用カメラ映像再生装置21は、携帯電話端末および無線LAN送受信部を介して、携帯電話の基地局23および無線LANアクセスポイント24とそれぞれ接続されている。車載用カメラ映像再生装置21の無線LAN送受信部は、無線LANアクセスポイント24と、例えば、IEEE802.11a/b/gなどの通信方式によって通信を行う。
図9に示す実施形態の利点を、以下に説明する。例えば、車内において、ネットワークカメラ211からの映像を高画質で見ようとする場合、映像データの容量は大きくなるため、現状の携帯電話の通信速度(例えば、144kbpsまたは384kbps)では、映像データの通信帯域を圧迫してしまう。また、車載用カメラ映像再生装置21に、ネットワークカメラからの映像を見るという機能以外の他のアプリケーションが備わっており、車と外部のインターネット網との間で行う通信に、カメラ映像データおよびカメラ制御信号の送受信以外の、他の通信(例えば、音楽等のマルチメディア系コンテンツのダウンロードまたは地図更新データのダウンロードまたは、プローブ情報の送信など)も存在するような場合、ネットワークカメラと車両との間の通信がこれらの他の通信に与える影響は、利便性の面から、極力抑えられるほうが好ましい。
そこで、図9のように、車載用カメラ映像再生装置21は、車両の近くに接続可能な無線LANアクセスポイントが存在するか否かに拘わらず、カメラ制御信号(例えば、映像再生要請信号、映像再生要請応答OK信号、または異常(または呼び出し)検出信号、映像再生要求信号)については携帯電話端末を使用して送受信し、映像データについては無線LAN送受信部を使用して受信する。車載用カメラ映像再生装置21は、カメラ映像を受信し、再生する必要があると判断すると、例えば、ステップS42(あるいはS45、S82、またはS85)の直前に、近くに接続可能な無線LANアクセスポイントが存在するかどうかを探索し、存在する場合には、無線LANを使用し映像データを受信、再生する(不図示)。これにより、無線LANアクセスポイントが近くにある場合には、映像データを高画質で見ることができ、しかも他の通信に必要な帯域を圧迫することがない。ここで、携帯電話端末または無線LAN送受信部のどちらを使用するかの選択は、通信制御部112が行うようにすればよい。なお、携帯電話端末は、PDA(個人情報端末)、PHS端末などで置換されてもよく、また、無線LANは、DSRC(Dedicated Short Range Communication;狭帯域無線通信)、または赤外線、UWB(Ultra Wide Band)、もしくは衛星通信を使用した無線通信システムのような他の無線通信システムで置換されてもよい。また、図9ではネットワークカメラセキュリティシステム14の構成は、図1と同様の構成としてあるが、図5と同様の構成であってもよい。
さらに、上記の本発明の各実施形態において、車載用カメラ映像再生装置に関して、各構成部分の置換、付加および/または削除によって様々な変形を行うことができることは、当業者に明らかである。
本発明の実施形態のさらに別の変形例は、図10に示す、カーナビゲーション機能と一体化した車載用カメラ映像再生装置31(以下、カーナビゲーション装置31と呼ぶ)である。カーナビゲーション装置31には、図1または図5に示した車載用カメラ映像再生装置11に、GPSレシーバ314、現在位置算出部312、経路探索部313、および地図データ格納部311が付加されている。なお、図10では、通信端末12、表示モニタ315、車速センサ117、加速度センサ118、ユーザー指示入力部119、およびGPSレシーバ314を、車載用カメラ映像再生装置11に付属する外部構成要素として示しているが、これらのそれぞれの構成要素は、車載用カメラ映像再生装置11に組み込まれている内蔵型のものでもよい。
図10において、GPSレシーバ314は、GPS(Global Positioning System)における複数の衛星からの電波を受信して、自車の現在位置を緯度、経度、高度情報として、また速度を速度情報として信号処理部116に出力する。CPUに接続された現在位置算出部312は、GPSレシーバ314からの位置信号を基に現在位置を算出するものであり、経路探索部313は、その算出された現在位置および地図データ格納部311からの地図データを基に、ユーザーにより入力された目的地や経由地までの最適ルートを探索するものであり、これらの処理は、それぞれコンピュータプログラムにより実現される。地図データ格納部311は、地図データが格納された記憶装置であり、例えば、地図データを記録したHDD、DVD−ROM、CD−ROMまたは他の半導体メモリ等であり得、経路探索部313により適宜読み出されて利用される。なお、地図データの一部またはすべては、通信端末12および通信制御部112を通じて、外部のサービスセンターから取得しても良い。
次いで、表示モニタ315は、図1、図5の表示モニタ115が基本的に備えるカメラ映像の再生/表示という機能および構成に加えて、ナビゲーションのための地図表示ができるための機能および構成と、カーナビゲーション装置31にTVチューナ(不図示)が接続されている場合には、TV映像の表示ができるため機能および構成とを備えている。
図11を参照して、図10に示すカーナビゲーション装置31に設けられた表示モニタ315の一例を説明する。図8において、表示モニタ315は、例えば、運転者近傍のダッシュボード上に配置され得る。表示モニタ315は、映像をTVに切替えるための「TV」ボタン411と、ナビゲーションのための地図表示に切替えるための「NAVI」ボタン412と、住宅(自宅)等に設置したネットワークカメラに切替えるための「Home」ボタン413と、さらに各映像を画面分割(例えば、左側に地図表示、右側にカメラ映像)するための「画面分割」ボタン414と、液晶表示部415とを備えている。これら複数の機能間の切り替えは、例えば、図9に示す「TV」、「NAVI」などの符号の付いたボタン(それぞれ、411および412の符号が付してある)の操作により行われ得る。このような表示モニタ315を使用する場合、図3および図7にそれぞれ示すステップS30およびステップS70におけるユーザーへの受信通知は、例えば、表示モニタ315上の「Home」ボタン413の点滅、または点滅および音声の両方による警告により行い得る。さらに、図4および図8にそれぞれ示すステップS43およびステップS83における、ユーザーの再生指示は、例えば、その「Home」ボタン413を、ユーザーが指などで押す(または触る)ことにより行われ得る。これにより、従来のTVや地図表示に切替えるのと同様の簡単な操作で、ユーザーは、住宅の映像の再生指示をすることができる。
さらに、表示モニタ315を、タッチパネルディスプレイとし、カメラ映像表示中には、タッチ信号と、図1を参照して簡単に説明したようなカメラの方向制御とを連動する構成としても良い。これにより、ユーザーがタッチパネルに触れるという簡単な動作で、カメラ方向を自在に変えることができる。
図12は、図4に示したカメラ映像の再生制御処理の変形例であり、図10に示すカーナビゲーション装置31のCPU111が行うカメラ映像の再生制御処理を示すフロー図である。一方、図13は、図8に示したカメラ映像の再生制御処理の変形例であり、図10に示すカーナビゲーション装置31のCPU111が行うカメラ映像の再生制御処理を示すフロー図である。
図12、図13に示すように、図4および図8に示すフロー図に、それぞれステップS110およびS120が追加された構成となっている。ステップS110、S120では、誘導案内中であるか否かを判断している。ここで、誘導案内とは、例えば、交差点などで、例えば、右折するような場合に、「右折してください」などと、音声または画面上に現れる文字や記号などでユーザーに経路を知らせるナビゲーション機能のことを指すものとする。誘導案内中である場合には(S110、S120:No)、誘導案内が終わるまで待機する。誘導案内が終わると(S110、S120:Yes)、ステップS41、ステップS81へ処理を移す。これにより、誘導案内中にはカメラ映像の再生を控えることが可能となる。例えば、交差点の右左折をカーナビゲーションが誘導案内しているときは、カメラ映像の表示を控え、道なり走行に入った場合にはカメラ映像の再生を許可することを表している。一方、このような態様に限らず、前述の表示モニタの一例のように、誘導案内中には、カーナビゲーションの画面とカメラ映像の画面を分割表示するようにしても良いし、交互に切替えながら表示しても良い。また、カーナビゲーションの誘導案内とカメラ映像の再生のどちらを優先させるかをカーナビゲーション装置31に事前に設定しておいても良い。
本発明の車載装置は、ユーザーが車両の運転中でも、安全に遠隔地における非常事態又は緊急事態もしくは呼び出しなどの発生をリアルタイムで知ることができるため、安全上および利便上、運転者が車内で使用するのに適したカメラ映像再生装置等として有用である。
図1は、本発明の第一の実施形態に係る、車載用カメラ映像再生装置11およびネットワークカメラセキュリティシステム14を含む、車載用ネットワークカメラ映像再生システムを示すブロック図 図2は、図1に示す車載用カメラ映像再生装置11とネットワークカメラ211と異常検出センサ216との間で送受信される、制御信号および映像データの流れを示す、シーケンス図 図1および図2に示す本発明の実施形態において、車載用カメラ映像再生装置11のCPU111がユーザーに異常(または呼び出し)を通知するまでの処理を示すフロー図 図1および図2に示す本発明の実施形態において、車載用カメラ映像再生装置11のCPU111が行うカメラ映像の再生制御処理を示すフロー図 本発明の第二の実施形態に係る、車載用カメラ映像再生装置11およびネットワークカメラセキュリティシステム14を含む、車載用ネットワークカメラ映像再生システムを示すブロック図 図5に示す車載用カメラ映像再生装置11とネットワークカメラ211と異常検出センサ216との間で送受信される、制御信号および映像データの流れを示すシーケンス図 図5および図6に示す実施形態において、車載用カメラ映像再生装置11のCPU111がユーザーに異常(または呼び出し)を通知するまでの処理を示すフロー図 図6および図7に示す本発明の実施形態において、車載用カメラ映像再生装置11のCPU111が行うカメラ映像の再生制御処理を示すフロー図 通信端末に、携帯電話端末および無線LAN送受信部の両方が装備された、図1または図5に示す実施形態の1つの変形例を示すブロック図 本発明の実施形態のさらに別の変形例である、カーナビゲーション機能と一体化した車載用カメラ映像再生装置31のブロック図 図10に示すカーナビゲーション装置31に設けられた表示モニタ315を示す模式図 図4に示したカメラ映像の再生制御処理の変形例であり、図10に示すカーナビゲーション装置31のCPU111が行うカメラ映像の再生制御処理を示すフロー図 図8に示したカメラ映像の再生制御処理の変形例であり、図10に示すカーナビゲーション装置31のCPU111が行うカメラ映像の再生制御処理を示すフロー図 ADSLなどのブロードバンド環境下で、住宅(自宅)に設置したネットワークカメラ511が、ADSLモデム513、ブロードバンドルータ512を経由してインターネット網に接続されている従来例を示すブロック図 特許文献1に開示される、ネットワークカメラと、不法侵入・火災・ガス漏れ等の異常事態を検出するためのセンサとが組み合わされた携帯型セキュリティシステムを示すブロック図 特許文献3に開示される動画メールを記憶再生することができるカーナビゲーション装置71を示すブロック図
符号の説明
11、21・・・車載用カメラ映像再生装置
12・・・通信端末
13・・・インターネット網
14・・・ネットワークカメラセキュリティシステム
22・・・車両
23・・・携帯電話基地局
24・・・無線LANアクセスポイント
31・・・カーナビゲーション装置
111・・・中央演算処理装置
112・・・通信制御部
113・・・メモリ
114・・・描画LSI
115、315・・・表示モニタ
116・・・信号処理部
117・・・車速センサ
118・・・加速度(G)センサ
119・・・ユーザー指示入力部
211・・・ネットワークカメラ
212・・・モデム
213・・・ルータ
214・・・パーソナルコンピュータ
215・・・警報機
216・・・異常(または呼び出し)検出センサ
311・・・地図データ格納部
312・・・現在位置算出部
313・・・経路探索部
314・・・GPSレシーバ
411・・・「TV」ボタン
412・・・「NAVI」ボタン
413・・・「Home」ボタン
414・・・「画面分割」ボタン

Claims (10)

  1. 少なくとも撮像範囲内における異常又は呼び出しを検出する機能と、異常又は呼び出しを検出したときにインターネットを介して予め指定された宛先に異常検出通知又は呼び出し検出通知を送信する機能とを有する外部の撮像装置とインターネットを介して通信可能に接続されており、かつ自動車に搭載される車載装置であって、
    インターネットを介して前記撮像装置との間で通信を行う通信手段と、
    前記通信手段が前記撮像装置からの異常検出通知又は呼び出し検出通知を受信したことをユーザーに通知するための受信通知手段と、
    前記通信手段が受信した前記撮像装置からの映像データが表す映像を表示する表示手段と、
    前記自動車が停止しているか否かを検出する自動車停止検出手段と、
    ユーザーからの映像再生指示の入力を受け付ける映像再生指示入力手段と、
    前記通信手段が前記撮像装置からの異常検出通知又は呼び出し検出通知を受信すると、前記自動車停止検出手段に自動車が停止しているか否かを問い合わせ、自動車が停止している場合には、前記通信手段により前記撮像装置からの映像データを受信して前記表示手段に表示させ、自動車が停止していない場合には、前記受信通知手段によりユーザーに異常検出通知又は呼び出し検出通知を行う制御手段とを備え
    前記制御手段は、自動車が停止していない場合であって、かつ前記受信通知手段による受信通知後一定時間以内に前記映像再生指示入力手段から映像再生指示が入力されたときは、前記通信手段により撮像装置からの映像データを受信して前記表示手段に表示させることを特徴とする車載装置。
  2. 前記受信通知手段は、ボタンの点滅、音声、振動、表示パネル上の文字もしくは記号の表示、またはこれらの任意の組み合わせにより受信通知を行うことを特徴とする、請求項1に記載の車載装置。
  3. 前記撮像装置は、異常又は呼び出しを検出したときに、前記異常検出通知又は呼び出し検出通知として映像再生要請信号を送信し、
    前記制御手段は、前記通信手段が前記撮像装置からの映像再生要請信号を受信したことに応答して表示制御動作を行う、請求項に記載の車載装置。
  4. 前記撮像装置は、異常又は呼び出しを検出したときに、前記異常検出通知又は呼び出し検出通知として異常検出信号又は呼び出し検出信号を送信し、前記制御手段は、前記通信手段が前記撮像装置からの異常検出信号又は呼び出し検出信号を受信したことに応答して表示制御動作を行う、請求項に記載の車載装置。
  5. 前記通信手段が受信した前記撮像装置からの映像データを記憶する映像データ記憶手段をさらに備え、
    前記制御手段は、自動車が停止していない場合であって、かつ前記受信通知手段による受信通知後一定時間以内に前記映像再生指示入力手段から映像再生指示が入力されないときは、前記通信手段により撮像装置からの映像データを受信して前記映像データ記憶手段に記憶させる、請求項に記載の車載装置。
  6. 前記制御手段は、自動車が停止した場合、前記映像データ記憶手段に記憶された前記映像データを読み出して前記表示手段に表示可能である、請求項に記載の車載装置。
  7. 前記映像再生指示入力手段は、ボタンもしくはキー、タッチパネル、音声認識装置、リモコン装置、またはこれらの任意の組み合わせにより構成される、請求項に記載の車載装置。
  8. 前記受信通知手段は、ボタンの点滅により受信通知を行い、前記映像再生指示入力手段は、点滅中の前記ボタンが押圧されることにより映像再生指示を入力する、請求項に記載の車載装置。
  9. 前記通信手段は、携帯電話端末および無線LAN送受信部を含み、前記撮像装置からの異常検出通知又は呼び出し検出通知の受信には、前記携帯電話端末を使用し、前記撮像装置からの映像データの受信には、前記無線LAN送受信部を使用する、請求項に記載の車載装置。
  10. 自動車に搭載された車載装置と外部の撮像装置とがインターネットを介して通信可能に接続され、当該撮像装置で撮影された映像を当該車載装置で表示可能な遠隔監視システムであって、
    前記撮像装置は、
    少なくとも撮像範囲内における異常又は呼び出しを検出する異常検出又は呼び出し検出センサと、
    前記異常検出センサ又は呼び出し検出センサが異常又は呼び出しを検出したときにインターネットを介して予め指定された宛先に異常検出又は呼び出し検出通知を送信する送信手段とを備え、
    前記車載装置は、
    インターネットを介して前記撮像装置との間で通信を行う通信手段と、
    前記通信手段が前記撮像装置からの異常検出通知又は呼び出し検出通知を受信したことをユーザーに通知するための受信通知手段と、
    前記通信手段が受信した前記撮像装置からの映像データが表す映像を表示する表示手段と、
    前記自動車が停止しているか否かを検出する自動車停止検出手段と、
    ユーザーからの映像再生指示の入力を受け付ける映像再生指示入力手段と、
    前記通信手段が前記撮像装置からの異常検出通知又は呼び出し検出通知を受信すると、前記自動車停止検出手段に自動車が停止しているか否かを問い合わせ、自動車が停止している場合には、前記通信手段により前記撮像装置からの映像データを受信して前記表示手段に表示させ、自動車が停止していない場合には、前記受信通知手段によりユーザーに異常検出通知又は呼び出し検出通知を行う制御手段とを備え、
    前記制御手段は、自動車が停止していない場合であって、かつ前記受信通知手段による受信通知後一定時間以内に前記映像再生指示入力手段から映像再生指示が入力されたときは、前記通信手段により撮像装置からの映像データを受信して前記表示手段に表示させることを特徴とする、遠隔監視システム。
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