JP4326667B2 - 映像再生装置および映像再生方法、ならびに映像再生プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、映像データの早送り・巻き戻し・頭出し等の機能を備えた映像再生装置および映像再生方法、ならびに映像再生プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来からある映像再生装置には、画面上にスクロールバーを表示し、スクロールバー上でスライダを移動させることによって、スライダの位置に対応する画像を表示させるものが多い。
【0003】
以下に、複数のフレームからなる映像データを再生する従来の映像再生装置の具体例を2件記す。
【0004】
第一に、マイクロソフト社のWindows Media Player(登録商標)がある。このソフトウェアでは、表示画面上にスクロールバーを表示し、スクロールバー上でのスライダの移動によって、スライダの位置に対応する時間の画像(映像データの1フレーム)を表示する。例えば、スライダをスクロールバーの左端に位置させた場合には映像データの最初の画像(1フレーム)を表示し、右端に位置させた場合には映像データの最後の画像を表示する。
【0005】
第二に、公開特許公報「特開平11−66083号公報(公開日:平成11年(1999)3月9日)」の画像検索装置がある。この画像検索装置では、所定の規則に従って順序づけられたラベルを付与された複数枚の画像に対し、画面下部にスクロールバーを表示し、スライダの形態の変化(伸縮)に伴い、対応したラベルを有する複数の参照画像と一つの注目画像とを表示する。そして、スライダの中央位置が注目画像の時間位置に対応し、スライダの両端が参照画像の時間位置を表現している。また、注目画像を大きく表示し、さらに参照画面を小さく複数表示する。
【0006】
以上のように、従来の映像再生装置では、パラメータのレンジ分の長さを有するスクロールバーと、スクロールバー上を移動するスライダとから構成されており、スクロールバー上のスライダの位置がパラメータに対応している。これにより、ユーザーはマウスやペンなどの入力デバイスを用いてスライダを直接移動させることにより、パラメータ値を意図した値に設定して、パラメータ値に対応する画像を表示させることができる。
【0007】
なお、上記の二つの例の他にも、スクロールバーやスライダの両端に矢印ボタンが設けれ、ユーザがこの矢印ボタンを選択し続けることにより、矢印の方向にスライダが移動するものもある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の映像再生装置では、微細なパラメータ値の設定を行う際、スライダを細かく動かさなければならず、ユーザの熟練を要するという問題があった。
【0009】
また、ユーザは表示画像の時間情報をスクロールバーおよびスライダの位置から把握しなければならないため、位置と時間(時刻)との関係を画面から直感的に把握することが困難であった。
【0010】
さらに、スライダ操作時における視線移動は、表示画像とスライダとの両方に対して行われて不便である。特に、スライダを移動させる際、その移動量に注意を払う必要が有るため、同時に表示画像とスライダとを見ることができない。その結果、視覚と触覚との協調作業が崩壊し、ユーザの脳システムに齪酷が生じる可能性がある。
【0011】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、映像データを再生する際、早送り・巻き戻し・頭出し等の操作をユーザが効率よく行うことができる映像再生装置および映像再生方法、ならびに映像再生プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の映像再生装置は、上記の課題を解決するために、付与されたメタ情報に従って配列可能な複数枚の画像を格納した映像情報蓄積部と、上記配列に対応したガイドラインが設定されるとともに、上記画像をそのメタ情報が対応する該ガイドライン上の位置に配置して表示可能な表示部と、上記表示部におけるユーザの入力位置を検知する位置入力部と、上記位置入力部が取得した上記入力位置に対応するメタ情報を有する画像を、上記映像情報蓄積部から取得して、上記表示部の該入力位置に表示する制御部とを備えたことを特徴としている。
【0013】
また、本発明の映像再生方法は、上記の課題を解決するために、付与されたメタ情報に従って配列可能な複数枚の画像を再生する映像再生方法であって、上記配列に対応したガイドラインを表示部に設定する処理と、ユーザの入力位置を検知する処理と、ユーザの入力位置に対応するメタ情報を有する画像を取得して、上記表示部の該入力位置に表示する処理とを含むことを特徴としている。
【0014】
上記の構成および方法により、上記映像再生装置は、あるメタ情報に関して画像を配列するガイドラインを設定し、ユーザが入力すると、その入力位置に対応する画像をその位置に表示する。
【0015】
これにより、ユーザは、映像データの最初の画像から最後の画像までを、ガイドラインの対応する位置にそれぞれ配置しながら確認することができる。よって、画像がガイドラインに沿って2次元に表示されるため、ユーザは、各画像の配列内での位置と表示内容とを視覚的に関連付けて把握することができる。また、複数枚の画像を同時に表示して比較することが可能となる。さらに、ガイドラインは画像に付与された配列可能なメタ情報を利用して任意に設定できるため、画像の検索を柔軟に行うことができる。
【0016】
特に、ガイドラインを時間情報で設定すれば、ユーザは画像の時間情報を直感的に把握できるため、従来のようにスライダの位置から時間情報を推測する必要がない。したがって、映像データを再生する際、早送り・巻き戻し・頭出し等の操作をユーザが効率よくかつ快適に行うことができる。
【0017】
なお、上記映像再生装置は、ディジタル情報家電製品において、ディジタルビデオのランダムアクセス性を生かした効果的なユーザインタフェースを提供するものである。
【0018】
本発明の映像再生装置は、上記の課題を解決するために、さらに、上記制御部は、上記表示部に、上記画像を上記配列に基づく順番で上記ガイドライン上に自動的に表示するものであることを特徴としている。
【0019】
上記の構成により、さらに、上記映像再生装置は、ガイドラインに沿って画像を移動させながら自動的に表示する。よって、ユーザは、映像データの最初の画像から最後の画像までを、ガイドラインに沿って画像を移動させながら確認することができる。
【0020】
したがって、ユーザは、画像の表示内容とともに、配列内での位置、再生速度、再生方向を視覚的に把握することができる。特に、ガイドラインを時間情報に基づいて設定すれば、各画像の時刻および再生速度を直感的に把握することができる。また、上記映像装置は、ユーザの入力に応じて任意の画像を抽出できるため、任意の時刻から自動再生を開始できる。
【0021】
本発明の映像再生装置は、上記の課題を解決するために、さらに、上記制御部は、上記表示部に、上記画像が上記ガイドラインに沿って移動する速度を表現する模様を該画像の背景に表示するものであることを特徴としている。
【0022】
上記の構成により、さらに、上記映像再生装置は、各画像をガイドライン上の対応する位置に表示すると同時に、移動する画像の背景に画像の移動速度、すなわち映像データの再生速度を表現する模様を表示する。
【0023】
ここで、ガイドラインに沿って画像を移動させながら再生する際、画面上でのガイドラインの長さが再生すべき画像の枚数に対して短い場合、すなわち映像データが長く、例えば10分間の再生が1画素の画像変化に相当するような場合、ユーザはその再生速度を画像の移動から認識することができない。
【0024】
このような場合であっても、画像に見かけ上の運動(相対運動)を生じさせるような模様を背景に表示することにより、ユーザは画像の移動速度、すなわち映像ファイルの再生速度を認識できる。
【0025】
したがって、長い映像データを再生する際、早送り・巻き戻し・頭出し等の操作をユーザが効率よくかつ快適に行うことができる。
【0026】
本発明の映像再生装置は、上記の課題を解決するために、さらに、上記制御部は、上記位置入力部が上記ガイドラインに表示されている上記画像をガイドラインから離す方向へ移動させる入力を検知した時、該画像から所定のフレーム数だけ離れた画像を、上記映像情報蓄積部から取得して、ガイドラインの該画像が対応する位置に配置して表示するものであることを特徴としている。
【0027】
上記の構成により、さらに、上記映像再生装置は、ガイドラインに表示されている画像をガイドラインから離す方向へ移動させる操作により、所定のフレーム数だけ離れた画像を表示する。
【0028】
よって、ユーザは、ワンタッチの操作で、あらかじめ設定されたフレーム数だけ離れた画像に正確に移ることができる。例えば、従来のようにスライダ等を細かく操作することなく、ワンタッチで1分後や15秒前の画像を参照できる。
【0029】
したがって、映像データを再生する際、早送り・巻き戻し・頭出し等の操作をユーザが効率よくかつ快適に行うことができる。
【0030】
本発明の映像再生装置は、上記の課題を解決するために、さらに、上記映像情報蓄積部は、上記複数枚の画像からなる第1の画像群と第2の画像群とを格納するものであり、上記制御部は、上記位置入力部が上記第1の画像群を表示する第1のガイドラインに表示されている画像を第1のガイドラインから離す方向へ移動させる入力を検知した時、上記第2の画像群を表示する第2のガイドラインを上記第1のガイドラインを設定しているメタ情報と同一種のメタ情報に従って設定するとともに、該第2のガイドラインにおいて上記画像の第1のガイドライン上での位置に相当する位置にある第2の画像群の画像を上記映像情報蓄積部から取得して、第2のガイドラインの該位置に配置して表示するものであることを特徴としている。
【0031】
上記の構成により、さらに、上記映像再生装置は、ガイドラインに表示されている画像をガイドラインから離す方向へ移動させる操作により、移動させた画像と同じ位置の画像を他の画像データから読み出して表示する。
【0032】
よって、ユーザは、ワンタッチの操作で、異なる画像群に含まれる、現在表示されている画像群の画像と同じ位置の画像を参照できる。例えば、異なるチャンネルの同時刻の画像を読み出して表示できる。
【0033】
したがって、複数の映像データを再生する際、早送り・巻き戻し・頭出し等の操作をユーザが効率よくかつ快適に行うことができる。
【0034】
本発明の映像再生装置は、上記の課題を解決するために、さらに、上記制御部は、上記画像から上記メタ情報に基づいて抽出した画像が対応する上記ガイドライン上での位置を表示するものであることを特徴としている。
【0035】
上記の構成により、さらに、上記映像再生装置は、複数の画像からメタ情報に基づいて抽出された画像のガイドライン上での位置を表示する。例えば、メタ情報としてある属性の属性値を含む画像を抽出して、その位置をガイドラインに表示できる。
【0036】
よって、ユーザは、画像に付与されたメタ情報のうち、ガイドラインを規定するメタ情報以外のメタ情報についても考慮することができ、ガイドライン上でその表示内容および配列内での位置を確認できる。
【0037】
したがって、映像データを再生する際、ユーザは、映像データを多面的に検討することができるとともに、早送り・巻き戻し・頭出し等の操作を効率よくかつ快適に行うことができる。
【0038】
本発明の映像再生装置は、上記の課題を解決するために、さらに、上記表示部は、上記ガイドラインが円状に設定され、上記制御部は、上記画像を、上記ガイドラインの半径に応じて設定したサンプリング間隔で抽出して該ガイドラインに表示するものであることを特徴としている。
【0039】
上記の構成により、さらに、上記映像再生装置は、円状のガイドラインを設定し、その半径に応じたサンプリング間隔で画像を抽出して表示する。
【0040】
よって、適当なサンプリング間隔で画像を表示できる。また、ガイドラインの半径を変更することにより、サンプリングの間隔を調整できる。例えば、サンプリング間隔が広い場合には、ガイドラインの半径を大きくすることで、サンプリング間隔を狭くすることができる。
【0041】
これにより、所望の画像を精細な操作を行うことなく参照できるため、不慣れなユーザでも容易に操作できる。また、サンプリング間隔を柔軟かつ直観的に調整できる。
【0042】
したがって、映像データを再生する際、早送り・巻き戻し・頭出し等の操作をユーザが効率よくかつ快適に行うことができる。
【0043】
本発明の映像再生プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、上記の課題を解決するために、上記の映像再生装置を動作させる映像再生プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0044】
上記の構成により、上記記録媒体から読み出された映像再生プログラムによって、上記映像再生装置を実現することができる。
【0045】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態について図1から図16に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0046】
映像データの検索技術は、キーワード検索や画像による検索(似た色分布を持つ画像を探す等)などの様々な検索手法を行ったとしても、今後飛蹴的に向上するとは考えられない。よって、今後もヒトが一つ一つの映像フレームを再生して、所望の画像を探すことになると予想される。また、仮に検索技術が向上したとしても、非常に多くの映像データを検索対象とする場合には、検索結果もおのずと多くなり、ヒトが多くの映像データを見る必要が生じる。
【0047】
なお、従来のVCR(video cassette recorder )では、映像データにランダムアクセスすることが不可能であった。しかし、ハードディスク等の大容量記憶媒体を利用して映像データをディジタルビデオにより記録した場合、その特性を活かすことにより、記録した映像データに対してランダムアクセスすることが可能となる。例えば、10時間の映像データの1時間目のフレームを見た後、5時間目の映像フレームを見ることができる。
【0048】
図3は、本実施の形態に係る映像再生装置1のハードウェアの構成を示すブロック図である。図3に示すように、上記映像再生装置1は、インターネット等のネットワーク2を介して、放送局等の映像情報サーバ3に接続されている。そして、上記映像再生装置1は、大容量蓄積装置12a、表示装置13a、ポインティングデバイス14aを備えて構成されている。
【0049】
上記大容量蓄積装置12aは、ハードディスク等の大容量の記録媒体であり、たくさんの映像データが記録される。例えば、映像情報サーバ3から取得した一週間分のテレビ番組の映像データが記録される。ここで、本実施の形態では、映像データはフレーム(静止画)からなる集合であり、各フレームの画像に対してメタ情報が記録されている(図5)。
【0050】
上記表示装置13aは、LCD(liquid crystal display)やCRT(cathode-ray tube)等の大画面表示装置であり、大容量蓄積装置12aに記憶されている映像データを表示する。なお、表示装置13aは上記大画面表示装置とともに、大容量蓄積装置12aに記憶されている映像データを読み出し、早送り・巻き戻し・頭出しをして再生する制御用コンピュータ(図示しない)が一体に設けられている。
【0051】
上記ポインティングデバイス14aは、ポインティングの機能とスイッチングの機能とを備えておければよい。すなわち、ポインティングデバイス14aとしては、例えば1ボタン式のマウスで十分である。
【0052】
上記映像再生装置1は、第一に、表示装置13aの画面に操作領域20を表示し、その操作領域20に映像データの1フレーム(映像フレーム)を縮小した小画像21(図1)を表示する。そして、ユーザが小画像21を操作領域20内で移動させると、移動後の位置に対応した時刻の映像フレームの小画像21を表示する。すなわち、ユーザは小画像21を移動させることにより、任意の時間の映像フレームを参照できる。第二に、上記映像再生装置1は、拡張操作領域30(図7)によって、別のファイルに記録されている映像ファイルの再生表示を可能とする。第三に、上記映像再生装置1は、ガイドライン40(図9)によって、時間軸を円形に配置し、半径に応じてサンプリング間隔を調整しながら映像ファイルを再生表示することを可能とする。
【0053】
このように、上記映像再生装置1では、表示画面上で縮小画像を移動させることが可能であり、その移動は自動あるいはユーザの入力に応じて行われる。そして、移動後の位置に対応する縮小画像を表示する。
【0054】
そして、本実施の形態に係る映像再生装置1は、基本的にはスライダの機能を画像自身に持たせ、画面上の画像位置で制御する。すなわち、映像再生装置1は、現存のVCRの機能を備えるとともに、早送り・巻き戻し・頭出し等の機能を、小画像21を二次元の操作平面内で移動させ配置することによって実現する。特に、大画面での映像再生において、ランダムアクセスを利用した早送り・巻き戻し・頭出しを行うことにより、作業効率を著しく向上させることができるものである。
【0055】
なお、従来の映像再生装置では、大画面の表示装置を用いる場合であっても、表示画像の大きさを変化させず、そのままの大きさで早送り・巻き戻し・頭出しを行っている。したがって、この方式の早送り・巻き戻し・頭出しにランダムアクセスを適用しても、ユーザは映像の時間推移は確認することができず、また任意の時間の映像フレームを参照することもできない。
【0056】
図2は、本実施の形態に係る映像再生装置1の構成の概略を示す機能ブロック図である。
【0057】
上記映像再生装置1は、映像情報蓄積部12、表示部13、位置入力部14、制御部15を備えて構成されている。
【0058】
上記映像情報蓄積部12は、所定の規則に従ってラベル(メタ情報)が付けされた複数枚の画像(映像)のファイル(画像群)を複数格納することができる。なお、映像情報蓄積部12は、大容量蓄積装置12a(図2)を備えている。
【0059】
上記表示部13は、制御部15の指令に基づいて画像を表示する。なお、表示部13は、表示装置13a(図2)を備えている。
【0060】
上記位置入力部14は、ユーザによる入力を検知して、取得した入力情報を制御部15へ入力する。なお、位置入力部14は、ポインティングデバイス14a(図3)を備えている。ポインティングデバイス14aは、典型的にはマウスであるが、例えばペン型の入力装置であってもよいし、キーボードであってもよいし、さらに音声による入力装置であってもよい。また、表示部13と位置入力部14が一体に設けられたタッチパネル(タッチセンサ付きディスプレイ)を用いてもよい。
【0061】
上記制御部15は、映像情報蓄積部12、表示部13、位置入力部14に接続されている。そして、制御部15は、映像情報蓄積部12から蓄積された画像を読み出し、位置入力部14からユーザの入力情報である制御信号に従って、表示部13に画像を表示するように制御する。なお、制御部15は、表示装置13a(図2)に設けられた制御用コンピュータにおいて、所定のプログラムが実行されることにより実現される。
【0062】
図4は、本実施の形態に係る映像再生装置1の処理の概略を示すフローチャートである。
【0063】
ステップS1では、ユーザが、再生する映像ファイルを指定する。すなわち、操作領域20(図1)や拡張操作領域30(図7)で再生する映像ファイルが、大容量蓄積装置12aや映像情報サーバ3に格納されている映像ファイルから指定される。なお、操作領域20および拡張操作領域30にそれぞれ表示される小画像21および小画像31は、ステップS1で映像ファイルが指定された時点で作成あるいは取得してもよい。
【0064】
ステップS2では、画面表示処理を行う。この処理では、ステップS1でユーザが選択した映像ファイルの1つのメタ情報に基づきガイドラインが設定される。図1では、時刻204(すなわち、フレーム番号202)に基づいてガイドラインLn1を設定して、操作領域20を表示する。この操作領域20には、少なくとも1枚の小画像21が表示され、ユーザの入力情報が小画像21に対して移動を指示するものでなければ、映像ファイルを自動再生して、時間の経過に従い小画像21を表示内容を変化させつつ移動させる。なお、ユーザにより描画位置が指定されれば、対応する時刻204を有する画像200の小画像21をその位置に描画してから処理を開始する。
【0065】
そして、位置入力部14が取得したユーザの入力位置に対応する時刻を有する画像200に対応する小画像21を映像情報蓄積部12から取得して、操作領域20の上記入力位置に表示する。
【0066】
つぎに、ステップS3では、位置入力部14がユーザの入力を検出し、入力が有れば(YES)、取得された入力情報に応じて処理を分岐させる。一方、入力がなければ(NO)、ステップS2に戻る。すなわち、ユーザによる入力が検出されるまで、画面表示処理(S2)を継続する。
【0067】
ここで、ユーザの入力は、操作領域20(図1)(後述)およびガイドライン40(図9)(後述)内での位置情報として取得される。すなわち、本実施の形態では、操作領域20に表示された小画像21への入力、操作領域20に表示された小画像21中のオブジェクト51・52(図11)への入力、操作領域20の小画像21を除いた背景領域26への入力、ガイドライン40を変更する入力の何れかが取得され、その入力情報に応じて処理A〜Dに分岐する。
【0068】
すなわち、ステップS3での判別結果に応じて、以下の処理A〜Dに分岐する。なお、処理A〜Dの詳細はそれぞれ後述する。
【0069】
処理Aでは、操作領域20に表示された小画像21へ入力された場合、小画像21の移動方向および移動距離を検出して(S11,S12)、新しいフレームの描画位置を指定する(S13)。
【0070】
処理Bでは、ガイドライン40を変更する入力(処理D)が行われた場合、ガイドライン40の大きさ変化を検出して、変更後の大きさに応じてサンプリング間隔を調整する(S31)。
【0071】
処理Cでは、操作領域20に表示された小画像21中のオブジェクトへ入力された場合、オブジェクト情報(後述)を取得され(S21)、同一オブジェクトを含むフレームを参照し(S22)、新しいフレームの描画位置を指定する(S23)。
【0072】
処理Dでは、操作領域20の小画像21を除いた背景領域26へ入力された場合、選択メニュー処理(S41)を行った後、表示切替処理を行う(S42)。
【0073】
図5は、本実施の形態に係る映像再生装置1が再生する映像データの構造の概略を示す説明図である。
【0074】
映像情報蓄積部12に記録される映像ファイルは、所定の規則に従って順序づけされた映像データであり、各フレームの画像200ごとに、そのメタ情報が記録されている。各メタ情報は、時間あるいは空間の関数の値(ラベル)を有する。ここで、時間の関数とは、例えば時系列に従って増加する関数である。空間の関数とは、例えば地図の索引番号に対応付ける関数である。したがって、本実施の形態においては、映像ファイルを時系列の順序で表示(再生)する場合について説明するが、上記映像再生装置1は映像ファイルを他の順序に従って表示(再生)することも可能である。
【0075】
上記のメタ情報には、個々のフレームである画像200を含む映像ファイル(映像データ)のファイル名200、映像ファイル内での画像200のフレーム番号(フレームID)202、画像200を取得した映像情報サーバ3の名称203、画像200を取得した時刻204、画像200がオブジェクトを含むか否かを示すフラグ情報205、そのオブジェクトの画像200内での位置206が記録されている。
【0076】
なお、映像情報サーバ3の名称203は、例えば、映像ファイルが放送されたものであれば、放送局の名前もしくは放送局IDである。この場合、画像200を取得した時刻204は、画像200が放送された時刻となる。
【0077】
また、画像200を取得した時刻204に基づいて、フレーム番号202を参照することができる。
【0078】
また、画像200がオブジェクトを含むか否かを示すフラグ情報205、およびそのオブジェクトの画像200内での位置206は、オブジェクトごとに記録される。図5では、2つのオブジェクト01(「月」)・02(「星」)について、オブジェクトのフラグ情報205およびオブジェクトの位置206がそれぞれ記録されている。ここで、映像ファイルが含むオブジェクトの数は任意である。すなわち、メタ情報に記録されるオブジェクトのフラグ情報205および位置206は、映像ファイルの何れかのフレームが含むオブジェクトについて記録される。なお、各オブジェクトは、オブジェト番号(ID)とそのオブジェクトが何であるかを表すデータがそれぞれ別途記録されている。
【0079】
よって、上記映像再生装置1は、このようなメタ情報を画像とともに記録することによって、メタ情報に基づいて抽出したフレームに対応する画像のみを表示(再生)することができる。
【0080】
なお、メタ情報のラベルは「画像の意味」を表す属性−属性値から構成される文字列や数値である。この属性−属性値は階層構造に組み込まれたものでもよい。「画像の意味」とは、例えば、画像が含むオブジェクトの種類や、画像の撮影場所等の情報などである。また、「画像の意味」が画像の色の分布関数であってもよい。つまり、ラベルとは、画像を構成するすべての要素を示している。
【0081】
以下に、上記ステップS3(図4)で分岐した処理A〜Dについて、詳細に説明する。
【0082】
(処理A)
まず、図1から図8を参照しながら、処理Aについて説明する。図1は、表示装置13aの画面に表示された操作領域20の一例である。
【0083】
図1に示すように、小画像21は、同一映像ファイルに含まれる1フレームであり、大容量蓄積装置12aに規則に従ったメタ情報とともに記録された画像200(図5)の縮小画像である。また、小画像21のうち、映像ファイルの最初のフレームである画像200sの縮小画像を小画像21s、最後のフレームである画像200eの縮小画像を小画像21eとする。
【0084】
ここで、操作領域20は、画像200のメタ情報の一つに基づいてガイドラインLn1が設定される。ガイドラインLn1は、操作領域20の幅に相当し、すべてのフレームを表示できるようにフレームの間隔(ガイドラインLn1の目盛り)が設定される。図1では、時刻204(すなわちフレーム番号)に基づいてガイドラインLn1が設定されているため、操作領域20の幅は映像ファイルの全再生時間に相当する。なお、ガイドラインLn1は、ユーザが表示/非表示を適宜設定できる。また、表示装置13aの画面サイズに対して画像200が小さい場合には、縮小する必要はなく、操作領域20に画像200をそのまま表示する。
【0085】
そして、上記操作領域20は、映像ファイルの全フレームを、対応する小画像21の描画位置を小画像21sから小画像21eまで移動させながら自動的に表示することができる(自動再生)。もちろん、ユーザの入力により、任意の位置から再生を開始し、任意の位置で再生を停止する。このように、小画像21を移動させることにより、再生速度を容易に把握することが可能となる。また、再生の方向が表現されるため、通常の再生か、時間を遡る方向への再生(逆再生)かを容易に識別できる。
【0086】
また、自動再生に限らず、操作領域20上で小画像21を移動させた場合、移動前の位置の小画像21を消去してもよいし、履歴として残像を残してもよい。なお、残像の有無、および残像を残す間隔はユーザが任意に設定できる。
【0087】
処理Aの手順は以下のとおりである。ステップS3(図4)において、ユーザの入力が操作領域20に表示された小画像21に対して行われた場合、制御部15は、位置入力部14から小画像21の位置変化の情報を受け取り、小画像21の移動方向および移動距離を検出して(S11,S12)、移動後の位置を新しいフレームの小画像21の描画位置として指定する(S13)。その後、制御部15は、小画像21の位置変化(移動量)に対応したフレームの小画像21を映像情報蓄積部12から抽出して、新たな小画像21を操作領域20の対応する描画位置に表示する(S2)。なお、移動前の小画像21は、移動後の小画像21の描画と同時に消去してもよいし、表示をしばらく継続した後に消去してもよいし、消去しなくてもよい。
【0088】
具体的には、小画像21をドラッグにより、小画像21sの位置から小画像21eの位置まで右(時間が進む方向)へ移動させると、小画像21は移動した位置に対応して表示内容を変化させながら移動する。すなわち、この操作により小画像21は、表示内容をフレーム番号202(図5)が2,3,…,C,…,N−1,Nであるフレームに順に変化させながら、移動する。もちろん、逆に小画像21eの位置から小画像21sの位置まで左へ移動させれば、逆順に再生できる。
【0089】
このように、処理Aでは、ユーザが指示入力を小画像21へ行い、小画像21を操作領域20の時間軸に沿って移動させた場合、制御部15は小画像21の移動後の位置を描画位置として対応するフレームの小画像21を表示するようにフレームを制御する。
【0090】
さらに、上記映像再生装置1では、処理Aとして、以下の機能を備えている。この機能によれば、X分前のフレームやX分後のフレームを参照するために、小画像21の移動量が何分(何フレーム)に対応するかを、ユーザが考える必要がない。
【0091】
図6は、小画像21を縦方向に動かすことにより、X分後(X分前)のフレームを表示する機能の説明図である。
【0092】
図6(a)に示すように、小画像21をドラッグにより、小画像21dの位置まで(例えば、小画像21の高さの3分の1程)下へ移動させると、X分後のフレームに対応する小画像21fを表示する。同様に、図6(b)に示すように、小画像21をドラッグにより、小画像21uの位置まで(例えば、小画像21の高さの3分の1程)上へ移動させると、X分前のフレームに対応する小画像21rを表示する。さらに、図6(c)に示すように、小画像21をドラッグにより、小画像21wの位置まで(例えば、小画像21の高さの3分の2程)下へ移動させると、X分前のフレームに対応する小画像21rとX分後のフレームに対応する小画像21fとを両方表示する。なお、小画像21wの位置は小画像21の上方でもよい。また、小画像21d・21u・21wへの移動中は、小画像の枠線のみを表示してもよいし、グレー表示してもよい。
【0093】
このように、制御部15は、小画像21の縦方向の移動により、その移動量に応じて、任意の時系ラベル値を有するフレームの画像200を参照し、映像情報蓄積部12から抽出して、操作領域20の対応する描画位置に表示する。図6(a)では、小画像21を上方向に移動させることが、順時系列情報へのラベル(フレーム番号)の抽出を意味し、その移動量は対応するフレーム(参照画像)の時間ラベルの離散値に対応する。逆に、図6(b)では、小画像21を下方向に移動させることが、その移動量に応じた、逆時系列のラベルを有するフレームの参照を意味する。
【0094】
そして、ユーザは、小画像21を上下方向に移動させることにより、あらかじめユーザによって定義された時間間隔のフレームを参照することができる。また、上下方向の移動が何分(何フレーム)前後の画像を参照するかは、その移動量に応じて設定できる。例えば、小画像21をその高さの3分の1程上へ移動させれば5分後のフレームを表示すると、ユーザによって設定される。この時間はユーザにより随時変更できる。そして、この設定は表示23(図6(a)(b))のようにユーザに通知することができる。
【0095】
さらに、上記映像再生装置1では、処理Aとして、以下の機能を備えている。この機能によれば、小画像21を縦方向に移動させることにより、他の映像ファイルの同一時間のフレームを参照できる。
【0096】
図7に示すように、小画像21をドラッグにより大きく(例えば、移動前の小画像21と重ならない程)下へ(上方向でもよい)移動させると、操作領域20の下に連結して別の映像ファイルを参照する拡張操作領域30を表示し、拡張操作領域30の小画像21に対応する位置に別の映像ファイルの小画像31を表示する。例えば、映像データが放送された番組であれば、同一時間に別の放送局から放送された番組にチャンネル変更することに相当する。
【0097】
ここで、拡張操作領域30は、操作領域20のガイドラインLn1を規定しているメタ情報と同一のメタ情報に基づいて規定されたガイドラインLn2が設定さている。なお、拡張操作領域30は、操作領域20と独立して表示してもよい。また、拡張操作領域30における映像ファイルの再生・検索の処理は操作領域20と全く同一であるので、説明を省略する。
【0098】
ここで、小画像21の縦方向への移動の過程で、図6で示したように小画像21f・21rが表示される。そこで、小画像31を表示するための小画像21の移動方向および移動量をあらかじめ定義しておき、この移動量を超える移動に意味をもたせる。そして、ある移動量を超えた場合、新たな映像ファイルを再生するために、操作領域20を拡張した拡張操作領域30を生成する。
【0099】
例えば、小画像21が放送局aでyyyy年mm月dd日のHH時MM分SS秒に放送された映像フレームとする。また、映像情報蓄積部12には、放送局bでyyyy年mm月dd日のHH時MM分SS秒に放送された映像フレーム(小画像31が対応する)を含む映像ファイルが蓄積されているとする。この場合、小画像21の下方への設定値を超える大きな移動により、制御部15は、新たに拡張された拡張操作領域30において小画像31を含む映像ファイルを再生できるように指定する。
【0100】
なお、拡張操作領域30に表示する映像ファイルは操作領域20に表示されている映像ファイルと異なればよい。すなわち、同時刻に別の放送局で放送された映像ファイルに限定されず、例えば、操作領域20にて連続ドラマ(1時間)の第1回の映像ファイルを再生していた場合、拡張操作領域30にて同じ連続ドラマの第2回目の映像ファイルを再生することもできる。
【0101】
また、この操作により、拡張操作領域30を生成して別の映像ファイルを追加して表示する代わりに、操作領域20で表示する映像ファイルを別の映像ファイルと交換してもよい。
【0102】
さらに、上記映像再生装置1では、処理Aとして、以下の機能を備えている。この機能によれば、小画像21内にあらかじめ設定されている位置を指定することにより、X分前のフレームやX分後のフレームを容易に参照できる。
【0103】
図8に示すように、小画像21には、ユーザが指定できる不可視のエリア24a,24b,24c,24dが設定されている。ここで、エリア24cは、操作領域20の時間軸上で、小画像21の中央より少し未来の時刻に対応する位置に配設されている。また、エリア24dは、小画像21の右辺寄りの位置に配設されている。同様に、エリア24bは、操作領域20の時間軸上で、小画像21の中央より少し過去の時刻に対応する位置に配設されている。また、エリア24dは、小画像21の左辺寄りの位置に配設されている。なお、エリア24a〜24dは、通常ユーザには不可視であるが、間違えずにクリックできる程度の広さを有している。
【0104】
そして、エリア24cをクリックするとX分後のフレームを表示する。エリア24dをクリックするとY(Y>X)分後のフレームを表示する。同様に、エリア24bをクリックするとX分前のフレームを表示する。エリア24aをクリックするとY(Y>X)分前のフレームを表示する。
【0105】
なお、この操作は、クリックでも、ダブルクリックでもよい。さらに、同一エリアへの操作であっても、クリックとダブルクリックとで異なるフレームを参照してもよい。
【0106】
なお、操作領域20および拡張操作領域30では、時間軸が右から左への直線であり、これをガイドラインとして小画像21および小画像31を配置する。しかし、ガイドラインはその長さが再生する映像ファイルの再生所要時間(すなわち、全フレーム数)に対応していればよく、例えばガイドライン40(図9)のように円形に構成することもできる。そして、ガイドラインが何れの形状であっても、映像ファイルのフレームに対応する小画像を対応する描画位置に、任意の個数配置することができる。また、各小画像のガイドラインに沿っての移動、ガイドラインと直交方向への移動による参照するフレームの変更、小画像内のオブジェクトの選択等の操作が可能である。さらに、複数本のガイドラインを同期させることができる。
【0107】
(処理B)
つぎに、図9を参照しながら、処理Bについて説明する。図9は、半径に応じてサンプリング間隔を調整する円形のガイドライン40を示す説明図である。
【0108】
ガイドライン40を用いれば、例えば15分間の映像ファイルを10秒間隔で参照する場合であっても、操作領域20において小画像21を上下方向に動かしては10秒ごとフレームを参照する作業を何度も繰り返す必要がない。
【0109】
図9に示すように、処理Bでは、操作領域20(図1)の代わりに、ガイドライン40を表示する。同様に、図9の表示画面から図1の表示画面に切り替えることも可能である。そして、この切替は、操作領域20内で小画像21等の画像が表示されていない領域(背景領域26)にユーザが入力して表示させたポップアップメニュー61(図12)において、選択することにより表示切替ができる。
【0110】
ガイドライン40は、小画像41の移動をその上に制限する時間軸であり、円周長が映像ファイルの長さに対応している。小画像41は、映像ファイルの1フレームの画像200に対応する縮小画像である。ガイドライン40には、小画像41が互いに重なり合わないように配置される。このため、ガイドライン40上には、その円周長に応じて、映像ファイルのフレームを適当な間隔(サンプリング間隔)で間引いて、小画像41を表示する。よって、このようなサンプリング間隔による小画像41を、ガイドライン40上で時計回りに1周して参照すると、映像ファイルの最初のフレーム(画像200s)から最後のフレーム(画像200e)までを再生することができる。なお、半径の異なる複数のガイドライン40を同心円状に表示して、同一あるいは異なる映像ファイルの小画像をそれぞれ操作してもよい。
【0111】
上記ガイドライン40は、ガイドライン40s・40lのようにその半径を変更できる。ユーザがガイドライン40の半径の変更を入力すると、制御部15はサンプリング間隔を変更する(図4のS41)。もちろん、小画像41の描画位置も、新たな半径のガイドライン40上に変更される。
【0112】
このように、ガイドライン40の半径を変更することにより、参照するフレームをサンプリングする間隔の精度を自由に調整できる。すなわち、デフォルトのガイドライン40の半径(あるいは円周)をTとして、半径変更後のガイドライン40の半径(あるいは円周)をT′とした場合、
T′/T>1の時、サンプリング間隔の精度が高くなる
T′/T<1の時、サンプリング間隔の精度が低くなる
ように、ユーザの関数を指定できる。
【0113】
さらに、上記映像再生装置1は、処理Bとして、以下の機能を備えている。この機能は、ガイドラインを時計のイメージに構成し、複数のサンプリング間隔を用いてフレームを検索するものである。
【0114】
図10に示すように、円形のガイドライン42・43・44が同心円状に構成されている。ガイドライン42・43・44は、それぞれ短針42a・長針43a・秒針44aの先端の軌跡に相当する。そして、各針の先端にはその位置に対応する小画像42b・43b・44bが配置されている。なお、各ガイドラインは、スケールのようなガイドラインでもよい。
【0115】
ここで、小画像42b・43b・44bは、短針42a・長針43a・秒針44aにそれぞれに対応した時刻(時間ラベル)204(図5)を有するフレームの縮小画像である。つまり、小画像42b・43b・44bには、それぞれ「3時」・「3時00分」・「3時00分45秒」の時間ラベルを持つフレームの縮小画像が表示される。
【0116】
ガイドライン42・43・44は、それぞれの針の時間単位(時・分・秒)の時間離散間隔に対応して小画像42b・43b・44bを表示する。すなわち、ガイドライン42では時間単位、ガイドライン43では分単位、ガイドライン44では秒単位の間隔で、それぞれ小画像を表示して、検索できる。
【0117】
例えば、図10において、秒針44aを時計回りに45度回転させると、「3時01分00秒」を示す。これと同時に、分針43aは、小画像43bとともに、時計回りに6度移動し、「3時01分」の時刻の小画像を表示する。また、秒針44aの回転の際、その先端位置に対応して、小画像44bは表示内容を変化させながら移動する。
【0118】
このように、ガイドライン42にある小画像42bを移動する場合には、1時間間隔のフレームを検索できる。ガイドライン43にある小画像43bを移動する場合には、1分間隔のフレームを検索できる。ガイドライン44にある小画像44bを移動する場合には、1秒間隔のフレームを検索できる。
【0119】
なお、この時間間隔は、ユーザが任意に設定できる。また、図9と同様に、各ガイドラインの半径を変更することによって、時間間隔を制御してもよい。
【0120】
(処理C)
つぎに、図11を参照しながら、処理Cについて説明する。図11は、クリッカブルな小画像21内のオブジェクトをクリックしたとき、同じタグを有するフレームの抽出して表示する機能の説明図である。
【0121】
処理Cでは、映像ファイルの画像フレーム内にあるオブジェクトと同一のオブジェクトを有するフレーム抽出し、操作領域20の時間軸上に表現する処理を行う。
【0122】
図11(a)に示すように、小画像21に対応するフレームは2つのオブジェクト51(「月」)とオブジェクト52(「星」)を含んでいる。ここで、この映像ファイルにおいて、「星」を含んでいるフレームを参照したいとき、ユーザは小画像21内の「星」が描かれている部分(オブジェクト52)にポインタを移動させてダブルクリックをする。なお、本実施の形態に係る映像再生装置1では、クリックの操作を小画像21のドラッグに割り当てている。
【0123】
位置入力部14は、小画像21のどの位置にユーザが入力したかを検出して、小画像21の移動か、それともオブジェクトに対する入力なのかを判別する(図4のS3)。そして、オブジェクトに対する入力であるならば、そのオブジェクトの位置206(図5)の情報を制御部15に入力信号として与える(S21)。制御部15は、位置入力部14からの制御信号を受け取り、映像情報蓄積部12から位置入力部14にて選択されたオブジェクトを含むフレームを参照し(S22)、その描画位置を指定する(S23)。その後、制御部15は、表示部13にそのフレームに対応する小画像21を表示する(S2)。
【0124】
具体的には、フレーム番号「C」のフレームに対応する小画像21において、「星」のオブジェクト52がダブルクリックされた場合、フレーム番号「3」および「N−2」のフレームが参照される。そして、これらのフレームが対応する描画位置にその縮小画像の外形線53・53が表示される。もちろん、外形線53・53の内部に、それぞれ対応するフレームの小画像21を完全に表示してもよい。
【0125】
ただし、同一のオブジェクトを有するフレームがたくさんある場合、操作領域20に外形線53がたくさん表示されることになる。この場合、図11(b)に示すように、参照すべきフレームの時間位置を、ガイドライン54(Ln1)上にマーク55として簡潔に表示してもよい。
【0126】
このように、小画像21内に含まれるオブジェクトに注目して、同じオブジェクトを含むフレームを抽出できるため、検索が容易である。
【0127】
(処理D)
つぎに、図12、図13を参照しながら、処理Dについて説明する。以下では、処理A〜Cにより早送り・巻き戻し・頭出し等を行って選択された開始位置のフレームから、映像ファイルを連続して再生する機能について説明する。
【0128】
図12に示すように、ユーザが操作領域20内の小画像21やその内部のオブジェクトに対して位置変化を生じさせない場合、制御部15は、操作領域20内で小画像21等が表示されていない領域である背景領域26への入力を検出すると、その位置にポップアップメニュー61を表示させる。
【0129】
上記ポップアップメニュー61には、「表示切替」,「再生」,「停止」等の項目を含んでいる。「再生」が選択されると、操作領域20において小画像21をその描画位置を変化させつつ再生する。これは、図1において小画像21を自動再生することと等価である。「停止」が選択されると、小画像21の再生を停止する。なお、「表示切替」が選択されると、上述のように、操作領域20とガイドライン40との表示を切り替える。
【0130】
ここで、本実施の形態に係る映像再生装置1では、自動再生の速度をユーザが任意に決定できる。そして、映像再生装置1は、再生速度に応じて、映像ファイルを限られた操作領域20内で、小画像21の移動速度を調整しながら自動再生する。よって、再生速度が速い場合小画像21の移動速度も速く、再生速度が遅い場合は小画像21の移動速度も遅い。
【0131】
しかし、再生する映像ファイルが長い場合、例えば、10分間の再生が操作領域20の画像変化の1画素に相当する場合、ユーザはその再生速度を小画像21の移動から確認することができない。
【0132】
そこで、図13に示すように、上記映像再生装置1では、操作領域20の背景領域26に、小画像21に見かけ上の運動(相対運動)を生じさせるような模様を表示する。これにより、小画像21の移動速度、すなわち映像ファイルの再生速度を表現することができる。
【0133】
例えば、背景領域26に、小画像21の移動方向とは反対方向に移動する模様を表示する。これにより、ユーザの錯覚により、小画像21には見かけの運動(相対運動)が生じ、ユーザは小画像21があたかも移動しているように感じることができる。
【0134】
さらに、上記の例では、10分間の移動が1画素に相当している。この場合、図1を用いて説明したように、ユーザが小画像21を時間軸に沿って移動させると、その表示内容が激しく変化するため、操作が困難である。
【0135】
そこで、制御部15は、操作領域20に対して映像ファイルの時間が長い場合、小画像21のドラッグ操作に対して、小画像21を移動させるのではなく、背景領域26の模様を移動させる。そして、小画像21の表示内容のみが変化する。
【0136】
例えば、背景領域26の模様の操作領域20の右端から左端までの移動を1分間に設定されていた場合、模様が右端から左端まで10回移動すると、小画像21が1画素だけ右へ動くことになる。なお、背景模様の移動と再生速度、再生サンプリングの関数はユーザが任意に指定できる。
【0137】
さらに、上記映像再生装置1では、処理Dとして、以下の機能を備えている。本機能は、操作領域20に同一映像ファイルの複数枚の小画像21を一度に表示する。
【0138】
図14(a)に示すように、操作領域20には、映像ファイルの最初のフレームに対応する第1小画像21xと、これと同一の映像ファイルのフレームで所定時間(時間間隔T)だけ進んだフレームに対応する第2小画像21yとが表示されている。なお、第1小画像21xおよび第2小画像21yは、それぞれ単独の操作(時間軸方向および上下方向への移動等)が可能である。
【0139】
そして、図14(b)に示すように、第1小画像21xおよび第2小画像21yは、同じ速度で自動再生する。すなわち、第1小画像21xおよび第2小画像21yの再生を同時に開始して、その間隔を一定(不変)に保ったまま移動させる。
【0140】
その後、図14(c)に示すように、この自動再生は、第1小画像21xが第2小画像21yの再生開始位置に到達するまで行われる。そして、第1小画像21xが第2小画像21yの再生開始位置に到達した時点で、同一フレームの複数回の参照を避けるために第1小画像21xの再生を終了するとともに、その時の第2小画像21yの位置から所定時間(時間間隔T)だけ進んだフレームに対応する第3小画像21zを表示して、再生を開始する。
【0141】
なお、第3小画像21zの生成と同時に、ポインティングデバイス14aのポインタを第3小画像21zに移動させてもよい。これにより、新たに生成された小画像は操作される可能性が比較的高いため、操作性が向上する。また、新たに生成すべき第3小画像21zが無い場合には、その旨をユーザに報知する。これにより、複数枚に分散されていたユーザの注意を集中することができる。
【0142】
なお、第2小画像21yと第3小画像21zとの間隔は、第1小画像21xと第2小画像21yとの間隔と同一でもよく、ユーザの指定より変更することもできる。また、第3小画像21zを表示して自動再生を継続するか、第3小画像21zの再生開始予定位置を表示して自動再生を停止するかも、ユーザの指定より変更することもできる。
【0143】
このように、同時に複数個の小画像を再生することによって、映像ファイルを確認する時間を短縮できる。なお、同時に再生する小画像は3個以上であってもよい。
【0144】
さらに、上記映像再生装置1では、処理Dとして、以下の機能を備えている。本機能は、映像ファイルの画像を表示装置13aに大きく表示する際に、背景にフレームの時刻204(図5)を表現する模様を表示する処理である。
【0145】
図15(a)に示すように、表示装置13aの表示画面の全体に大画像操作領域70が表示されている。そして、大画像操作領域70に映像ファイルの1つの画像フレームが大画像71として細部を確認可能に大きく表示され、その周囲の背景領域72には模様が表示されている。
【0146】
上記大画像操作領域70では、操作領域20に表示された小画像21の1つに注目して、その画像を拡大してその内容を詳細に確認することができる。なお、操作領域20と大画像操作領域70とは、操作領域20の背景領域26あるいは大画像操作領域70の背景領域72への入力により表示されたポップアップメニュー61(図12)において、選択することにより画面の表示切替ができる。
【0147】
ここで、大画像71は、図6に示したように、時間軸方向および上下方向への移動操作により、表示するフレームを変更できる。また、大画像71には、図8に示したエリア24a,24b,24c,24dが設定されている。よって、これらのエリア24a〜24dをクリックすることにより、あらかじめ設定されているX分前やY分後のフレームを容易に参照できる。
【0148】
また、映像ファイルのフレームの時刻204(すなわちフレーム番号202)に対応する、最初のフレームから最後のフレームにかけて単調に変化する模様を表示できる。すなわち、映像ファイルの最初のフレームに対応する大画像71の背景領域72には薄いテクスチャを表示し、再生が進むにつれて背景のテクスチャを濃くすることにより(図15(b))、ユーザは表示されている大画像71の時間情報をおおよそ確認することできる。
【0149】
また、背景領域72には、ガイドラインやテクスチャを表示することにより、大画像71の表示とともに、その大画像71の近傍のフレームのメタ情報を表現できる。ガイドラインの目盛り間隔やテクスチャの間隔は、ユーザにより設定可能であり、検索の精度を調整できる。また、この操作が、ラベル値の変更に対応してもよい。
【0150】
なお、表示装置13aの表示画面に、大画像操作領域70を複数表示し、同時に再生することもできる。
【0151】
さらに、上記映像再生装置1では、処理Dとして、以下の機能を備えている。本機能は、映像ファイルの画像のコントラストやRGB値を変更するものである。なお、以下では、画像のRG値を変更する処理を例に説明する。
【0152】
図16に示すように、ポップアップメニュー61(図12)で選択することにより、RG値変更領域80が表示される。
【0153】
上記RG値変更領域80では、配置した小画像81を移動させるにつれて、その移動に対応して表示が変化する。例えば、小画像81を位置Aから位置Bまで垂直方向へ移動させるとG値が、位置Aから位置Cまで水平方向へ移動させるとR値が、それぞれその移動にともなって変化する。すなわち、この操作により、G値あるいはR値の増加を、小画像81の表示内容を実際に変化させながら行うことができる。また、編集の過程で得た小画像81も、RG値変更領域80内に履歴として残すことにより、小画像81を比較しながら編集できる。
【0154】
なお、RG値変更領域80は、罫線をR値およびG値の変化につれて、単調に(例えば、増大するにつれて太く)表示してもよい。これにより、RG値変更領域80の一部を拡大しても、ユーザは表示されている小画像81の位置をおおよそ確認することできる。
【0155】
また、RG値変更領域80における編集結果は、操作領域20での小画像21の表示や、映像情報蓄積部12に記録されている映像ファイルの画像200に反映することができる。
【0156】
なお、本実施の形態は本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の範囲内で種々の変更が可能であり、例えば、以下のように構成することができる。
【0157】
本実施の形態に係る映像再生装置は、映像情報蓄積部と、表示部と、位置入力部と、該映像情報蓄積部、該表示部および該位置入力部を制御する制御部とを備えた映像再生装置であって、該映像情報蓄積部は、所定の規則に従って配列されたラベルを付与された複数枚の画像を有し、該位置入力部は、ユーザからの入力情報を検知し、該入力情報に応じて制御信号を該制御部に与え、該制御部は、該制御信号に従って、該表示部の位置を決定し複数の該ラベルのうち、該位置に対応するラベルを有する画像を該位置に表示してもよい。
【0158】
さらに、上記映像再生装置は、映像情報蓄積部に所定の規則に従って配列されたラベルを付与された複数枚の画像(群)を複数組有し、ユーザからの入力(位置の移動)に対応して、前記複数組の1つから他に切り替えるように制御してもよい。これにより、チャンネル等の映像ファイルを選択できる。
【0159】
さらに、上記映像再生装置は、上記画像に対する入力の相違(位置の移動および、ドラック位置(該画像内の位置)の相違)に対応して、それぞれ異なった制御を行ってもよい。
【0160】
さらに、上記映像再生装置は、上記画像に対する操作の履歴を表示(参照した画像を表示する:残像が残る)してもよい。これにより、画像移動の際、移動の履歴(残像)を残すことができる。
【0161】
さらに、上記映像再生装置は、自動再生する際、再生速度を画像(画像オブジェクト)の移動速度で、表現してもよい。
【0162】
さらに、上記映像再生装置は、ユーザによって指定された上記ラベルを有する画像のみを再生してもよい。これにより、自動再生の際、特定のラベルを有する画像のみを自動再生できる。
【0163】
さらに、上記映像再生装置は、上記画像に対する入力(位置の移動)を、複数の画像に対して行ってもよい。これにより、一度に複数の画像を表示して、移動させることができる。
【0164】
さらに、上記映像再生装置は、複数の上記画像を移動させる際、一連の操作の中途で、同一の画像を参照した場合、上記ラベルを参照し、新画像を表示、または新画像表示予定位置を表示してもよい。これにより、複数画像を同時に移動させる際、ラベルの相対情報を用い新たな画像を表示することができる。
【0165】
さらに、上記映像再生装置は、ユーザ入力の対象画像を新たに生成された画像に自動的に変更してもよい。これにより、ポインタを新たに生成された画像にあわせて、操作対象を自動的に変更することができる。これは、画像を2枚同時に動かすときに効果的である。
【0166】
さらに、上記映像再生装置は、新たに生成される画像を表示する際に参照される画像の相対位置情報を参照し、上記新画像表示予定位置をユーザに通知するとともに、通知した位置情報をユーザに選択させてもよい。これにより、新たに画像を生成する際に参照する画像の相対位置情報を選択できる。
【0167】
さらに、上記映像再生装置は、上記の新画像が無い場合、その旨をユーザに通知してもよい。これにより、新画像が無い場合、複数枚に分散されていたユーザの注意を集中することができる。なお、新たに画像を生成する際、参照とする相対位置情報を自動的に算出する。
【0168】
さらに、上記映像再生装置は、表示装置に上記入力情報を入力するための表示形態変更可能なガイドラインを表示し、位置入力の対象(画像移動領域)を、このガイドライン上に限定してもよい。これにより、画像の移動をガイドライン上の移動に限定することができる。
【0169】
さらに、上記映像再生装置は、上記ガイドラインの形態が上記入力情報に対応して変更してもよい。これにより、画像移動(入力情報)に対応してガイドライン自体の表示形態を変更できる。例えば、時計のモデルにおいて、針の移動により時間情報を容易に確認できる。
【0170】
さらに、上記映像再生装置は、ガイドラインの表示形態を変更する際、操作時における参照ラベルをコントロールしてもよい。これにより、ガイドラインの表示形態を変更し、参照されるラベルを制御できる。例えば、時計盤の径を変更して、粗調・微調を制御できる。
【0171】
さらに、上記映像再生装置は、映像情報蓄積部に蓄積された画像のラベルのラベル値の出現頻度に対応して、ガイドラインの表示形態を変化させてもよい。これにより、ラベルに従って、ガイドラインの表示形態の少なくとも一部を変更できる。例えば、「星」がどれくらい出てくるかで、ガイドラインの表示形態を変化させる。
【0172】
さらに、上記映像再生装置は、表示画面にラベルの出現頻度と対応する、所定の規則に従った背景模様(肌理)を表示してもよい。
【0173】
さらに、上記映像再生装置は、再生速度を背景模様の運動で表現してもよい。これにより、背景模様の運動によって画像に「見かけの運動」(相対運動)が生じ、画像の再生速度を表現できる。
【0174】
さらに、上記映像再生装置は、ユーザの入力情報に従い、画像の表示形態を変更してもよい。これにより、ユーザは、表示画面(画像の表示形態)を適宜変更できる。
【0175】
さらに、上記映像再生装置は、表示画面上の画像の表示が、ラベルの情報を確認できない表示形態において、該ラベルに対照した陸標(ランドマーク)を、該画像周辺に表示してもよい。これにより、例えば、画像を全体表示(大画像で表示)したときに、スクロールバー等を表示して、ラベル情報を付加できる。
【0176】
さらに、上記映像再生装置は、画像に対するラベル情報を、所定の規則に基づく背景模様で表現し、該背景模様を画像周辺もしくは画像内部に表示してもよい。これにより、全体表示のときにラベル情報を表示できる。
【0177】
さらに、上記映像再生装置は、画像に対するラベル情報を、所定の規則に基づく背景模様の運動で表現し、該背景模様を画像周辺もしくは画像内部に表示してもよい。
【0178】
最後に、上記の各実施の形態は本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の範囲内で種々の変更が可能であり、例えば、以下のように構成することができる。
【0179】
本発明は、複数の機器(例えば、ホストコンピュータ、端末コンピュータ、インタフェース機器、ネットワーク機器、リーダ、プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、携帯型コンピュータ、ワープロ装置など)に適用してもよい。
【0180】
また、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウエアである映像再生プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。この場合、記録媒体から読み出されたプログラムコード自体が上述した機能を実現することになり、そのプログラムコードを記録した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0181】
上記プログラムコードを供給するための記録媒体は、システムあるいは装置と分離可能に構成することができる。また、上記記録媒体は、プログラムコードを供給可能であるように固定的に担持する媒体であってもよい。そして、上記記録媒体は、記録したプログラムコードをコンピュータが直接読み取ることができるようにシステムあるいは装置に装着されるものであっても、外部記憶装置としてシステムあるいは装置に接続されたプログラム読み取り装置を介して読み取ることができるように装着されるものであってもよい。
【0182】
例えば、上記記録媒体としては、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピーディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0183】
また、上記プログラムコードは、コンピュータが記録媒体から読み出して直接実行できるように記録されていてもよいし、記録媒体から主記憶のプログラム記憶領域へ転送された後コンピュータが主記憶から読み出して実行できるように記録されていてもよい。
【0184】
さらに、上記記録媒体は、通信ネットワーク等を介してプログラムコードを供給可能であるように流動的に担持する媒体であってもよい。この場合、システムあるいは装置を通信ネットワーク(インターネット等を含む)と接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークからダウンロードすることにより供給することができる。
【0185】
なお、プログラムコードを記録媒体から読み出して主記憶に格納するためのプログラム、および、通信ネットワークからプログラムコードをダウンロードするためのプログラムは、コンピュータによって実行可能にあらかじめシステムあるいは装置に格納されているものとする。
【0186】
上述した機能は、コンピュータが読み出した上記プログラムコードを実行することによって実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOSなどが実際の処理の一部または全部を行うことによっても実現される。
【0187】
さらに、上述した機能は、上記記録媒体から読み出された上記プログラムコードが、コンピュータに装着された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行うことによっても実現される。
【0188】
【発明の効果】
本発明の映像再生装置は、以上のように、付与されたメタ情報に従って配列可能な複数枚の画像を格納した映像情報蓄積部と、上記配列に対応したガイドラインが設定されるとともに、上記画像をそのメタ情報が対応する該ガイドライン上の位置に配置して表示可能な表示部と、上記表示部におけるユーザの入力位置を検知する位置入力部と、上記位置入力部が取得した上記入力位置に対応するメタ情報を有する画像を、上記映像情報蓄積部から取得して、上記表示部の該入力位置に表示する制御部とを備えた構成である。
【0189】
また、本発明の映像再生方法は、以上のように、付与されたメタ情報に従って配列可能な複数枚の画像を再生する映像再生方法であって、上記配列に対応したガイドラインを表示部に設定する処理と、ユーザの入力位置を検知する処理と、ユーザの入力位置に対応するメタ情報を有する画像を取得して、上記表示部の該入力位置に表示する処理とを含む方法である。
【0190】
それゆえ、ユーザは、映像データの最初の画像から最後の画像までを、ガイドラインの対応する位置にそれぞれ配置しながら確認することができる。よって、画像がガイドラインに沿って2次元に表示されるため、ユーザが各画像の配列内での位置と表示内容とを視覚的に関連付けて把握することができるという効果を奏する。また、複数枚を同時に表示して比較することが可能となるという効果を奏する。さらに、ガイドラインは画像に付与された配列可能なメタ情報を利用して任意に設定できるため、画像の検索を柔軟に行うことができるという効果を奏する。
【0191】
特に、ガイドラインを時間情報に基づいて設定すれば、ユーザは画像の時間情報を直感的に把握できるため、従来のようにスライダの位置から時間情報を推測する必要がない。したがって、映像データを再生する際、早送り・巻き戻し・頭出し等の操作をユーザが効率よくかつ快適に行うことができるという効果を奏する。
【0192】
本発明の映像再生装置は、以上のように、さらに、上記制御部は、上記表示部に、上記画像を上記配列に基づく順番で上記ガイドライン上に自動的に表示するものである。
【0193】
それゆえ、さらに、ユーザは、映像データの最初の画像から最後の画像までを、ガイドラインに沿って画像を移動させながら確認することができる。
【0194】
したがって、ユーザが、画像の表示内容とともに、配列内での位置、再生速度、再生方向を視覚的に把握することができるという効果を奏する。特に、ガイドラインを時間情報に基づいて設定すれば、各画像の時刻および再生速度を直感的に把握することができるという効果を奏する。また、上記映像再生装置はユーザの入力に応じて任意の画像を抽出できるため、任意の時刻から自動再生を開始できるという効果を奏する。
【0195】
本発明の映像再生装置は、以上のように、さらに、上記制御部は、上記表示部に、上記画像が上記ガイドラインに沿って移動する速度を表現する模様を該画像の背景に表示するものである。
【0196】
それゆえ、さらに、ガイドラインに沿って画像を移動させながら再生する際、画面上でのガイドラインの長さが再生すべき画像の枚数に対して短い場合、すなわち映像データが長く、ユーザがその再生速度を画像の移動から認識することができない場合であっても、画像に見かけ上の運動(相対運動)を生じさせるような模様を背景に表示することにより、ユーザが画像の移動速度、すなわち映像ファイルの再生速度を認識できるという効果を奏する。
【0197】
本発明の映像再生装置は、以上のように、さらに、上記制御部は、上記位置入力部が上記ガイドラインに表示されている上記画像をガイドラインから離す方向へ移動させる入力を検知した時、該画像から所定のフレーム数だけ離れた画像を、上記映像情報蓄積部から取得して、ガイドラインの該画像が対応する位置に配置して表示するものである。
【0198】
それゆえ、さらに、ユーザは、ワンタッチの操作で、あらかじめ設定されたフレーム数だけ離れた画像に正確に移ることができる。したがって、映像データを再生する際、早送り・巻き戻し・頭出し等の操作をユーザが効率よくかつ快適に行うことができるという効果を奏する。
【0199】
本発明の映像再生装置は、以上のように、さらに、上記映像情報蓄積部は、上記複数枚の画像からなる第1の画像群と第2の画像群とを格納するものであり、上記制御部は、上記位置入力部が上記第1の画像群を表示する第1のガイドラインに表示されている画像を第1のガイドラインから離す方向へ移動させる入力を検知した時、上記第2の画像群を表示する第2のガイドラインを上記第1のガイドラインを設定しているメタ情報と同一種のメタ情報に従って設定するとともに、該第2のガイドラインにおいて上記画像の第1のガイドライン上での位置に相当する位置にある第2の画像群の画像を上記映像情報蓄積部から取得して、第2のガイドラインの該位置に配置して表示するものである。
【0200】
それゆえ、さらに、ユーザは、ワンタッチの操作で、異なる画像群に含まれる、現在表示されている画像群の画像と同じ位置の画像を参照できる。したがって、複数の映像データを再生する際、早送り・巻き戻し・頭出し等の操作をユーザが効率よくかつ快適に行うことができるという効果を奏する。
【0201】
本発明の映像再生装置は、以上のように、さらに、上記制御部は、上記画像から上記メタ情報に基づいて抽出した画像が対応する上記ガイドライン上での位置を表示するものである。
【0202】
それゆえ、さらに、ユーザは、画像に付与されたメタ情報のうち、ガイドラインを規定するメタ情報以外のメタ情報についても考慮することができ、ガイドライン上でその表示内容および配列内での位置を確認できる。したがって、映像データを再生する際、ユーザは、映像データを多面的に検討することができるとともに、早送り・巻き戻し・頭出し等の操作を効率よくかつ快適に行うことができるという効果を奏する。
【0203】
本発明の映像再生装置は、以上のように、さらに、上記表示部は、上記ガイドラインが円状に設定され、上記制御部は、上記画像を、上記ガイドラインの半径に応じて設定したサンプリング間隔で抽出して該ガイドラインに表示するものである。
【0204】
それゆえ、さらに、適当なサンプリング間隔で画像を表示できる。また、ガイドラインの半径を変更することにより、サンプリングの間隔を調整できる。よって、所望の画像を精細な操作を行うことなく参照できる。また、サンプリング間隔を柔軟かつ直観的に調整できる。したがって、映像データを再生する際、早送り・巻き戻し・頭出し等の操作をユーザが効率よくかつ快適に行うことができるという効果を奏する。
【0205】
本発明の映像再生プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、以上のように、上記の映像再生装置を動作させる映像再生プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0206】
それゆえ、上記記録媒体から読み出された映像再生プログラムによって、上記映像再生装置を実現することができる。したがって、上記した映像再生装置の効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2に示す映像再生装置がユーザインタフェースとして提供する操作領域の説明図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る映像再生装置の構成の概略を示す機能ブロック図である。
【図3】図2に示した映像再生装置の構成の概略を示す説明図である。
【図4】図2に示した映像再生装置の処理の概略を示すフローチャートである。
【図5】図2に示した映像再生装置が再生する画像ファイルの構造の概略を示す説明図である。
【図6】同図(a)〜(c)は、図1に示した操作領域における操作を示す説明図である。
【図7】図1に示した操作領域および他のユーザインタフェースである拡張操作領域における操作を示す説明図である。
【図8】図1に示した操作領域における操作を示す説明図である。
【図9】図2に示した映像再生装置がさらに他のユーザインタフェースとして提供するガイドラインの説明図である。
【図10】図2に示した映像再生装置がさらに他のユーザインタフェースとして提供するガイドラインの説明図である。
【図11】同図(a)(b)は、図1に示した操作領域における操作を示す説明図である。
【図12】図1に示した操作領域における操作を示す説明図である。
【図13】図1に示した操作領域の背景領域に表示する模様を示す説明図である。
【図14】同図(a)〜(c)は、図1に示した操作領域における再生動作を示す説明図である。
【図15】同図(a)(b)は、図2に示した映像再生装置がさらに他のユーザインタフェースとして提供する大画像操作領域の動作を示す説明図である。
【図16】図2に示した映像再生装置がさらに他のユーザインタフェースとして提供するRG値変更領域の動作を示す説明図である。
【符号の説明】
1 映像再生装置
12 映像情報蓄積部
13 表示部
14 位置入力部
15 制御部
26 背景領域(画像の背景)
40,40s,40l,42,43,44 ガイドライン
200 画像
Ln1,54 ガイドライン(第1のガイドライン)
Ln2 ガイドライン(第2のガイドライン)
Claims (9)
- 各フレームの画像に対して付与されたメタ情報に従って時間情報を用いて配列可能な、複数枚のフレームからなる集合である映像データを格納した映像情報蓄積部と、
上記配列に対応したガイドラインが上記時間情報を用いて設定されるとともに、上記画像をそのメタ情報が対応する該ガイドライン上の位置に配置して表示可能な表示部と、
上記表示部におけるユーザの入力位置を検知する位置入力部と、
上記位置入力部が取得した上記入力位置に対応するメタ情報を有する画像を、上記映像情報蓄積部から取得して、上記表示部の上記ガイドラインに沿って移動する、ユーザの該入力位置に移動させながら表示することで、映像データの早送り、巻き戻し、頭出しを行う制御部とを備えたことを特徴とする映像再生装置。 - 上記制御部は、上記表示部に、上記画像を上記配列に基づく順番で上記ガイドライン上に自動的に表示するものであることを特徴とする請求項1に記載の映像再生装置。
- 上記制御部は、上記表示部に、上記画像が上記ガイドラインに沿って移動する速度を表現する模様を該画像の背景に表示するものであることを特徴とする請求項2に記載の映像再生装置。
- 上記制御部は、上記画像から、上記ガイドラインを規定するメタ情報以外のメタ情報に基づいてある属性の属性値を含む画像を抽出して、抽出した画像が対応する上記ガイドライン上での位置を表示するものであることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の映像再生装置。
- 上記表示部は、上記ガイドラインが円状に設定され、
上記制御部は、上記画像を、上記ガイドラインの半径に応じて設定したサンプリング間隔で抽出して該ガイドラインに表示するものであることを特徴とする請求項1に記載の映像再生装置。 - 付与されたメタ情報に従って配列可能な複数枚の画像を格納した映像情報蓄積部と、
上記配列に対応したガイドラインが設定されるとともに、上記画像をそのメタ情報が対応する該ガイドライン上の位置に配置して表示可能な表示部と、
上記表示部におけるユーザの入力位置を検知する位置入力部と、
上記位置入力部が取得した上記入力位置に対応するメタ情報を有する画像を、上記映像情報蓄積部から取得して、上記表示部の該入力位置に表示する制御部とを備え、
上記制御部は、上記位置入力部が上記ガイドラインに表示されている上記画像をガイドラインから離す方向へ移動させる入力を検知した時、該画像から所定のフレーム数だけ離れた画像を、上記映像情報蓄積部から取得して、ガイドラインの該画像が対応する位置に配置して表示するものであることを特徴とする映像再生装置。 - 付与されたメタ情報に従って配列可能な複数枚の画像を格納した映像情報蓄積部と、
上記配列に対応したガイドラインが設定されるとともに、上記画像をそのメタ情報が対応する該ガイドライン上の位置に配置して表示可能な表示部と、
上記表示部におけるユーザの入力位置を検知する位置入力部と、
上記位置入力部が取得した上記入力位置に対応するメタ情報を有する画像を、上記映像情報蓄積部から取得して、上記表示部の該入力位置に表示する制御部とを備え、
上記映像情報蓄積部は、上記複数枚の画像からなる第1の画像群と第2の画像群とを格納するものであり、
上記制御部は、上記位置入力部が上記第1の画像群を表示する第1のガイドラインに表示されている画像を第1のガイドラインから離す方向へ移動させる入力を検知した時、上記第2の画像群を表示する第2のガイドラインを上記第1のガイドラインを設定しているメタ情報と同一種のメタ情報に従って設定するとともに、該第2のガイドラインにおいて上記画像の第1のガイドライン上での位置に相当する位置にある第2の画像群の画像を上記映像情報蓄積部から取得して、第2のガイドラインの該位置に配置して表示するものであることを特徴とする映像再生装置。 - 請求項1から7の何れか1項に記載の映像再生装置を動作させる映像再生プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
- 各フレームの画像に対して付与されたメタ情報に従って時間情報を用いて配列可能な、複数枚のフレームからなる集合である映像データを再生する映像再生方法であって、
上記時間情報を用いて、上記配列に対応したガイドラインを表示部に設定する処理と、
上記表示部におけるユーザの入力位置を検知する処理と、
上記検知した上記表示部におけるユーザの入力位置に対応するメタ情報を有する画像を取得して、上記表示部の上記ガイドラインに沿って移動する、ユーザの該入力位置に移動させながら表示することで、映像データの早送り、巻き戻し、頭出しを行うことを特徴とする映像再生方法。
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