JP4325380B2 - 内燃機関の吸気制御装置 - Google Patents
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Description
このものは、ターボ過給機付エンジンにおいて、アイドル停車時に、発進加速に備えて吸入空気量を増量すると共に空燃比をリーン化することで、燃費の悪化を最小限に抑えつつ、吸入空気量の増量により排気エネルギーを増大させて、タービン回転数を上昇させ、発進加速時の排気タービンの応答遅れを改善するものである。
更に、燃費の悪化を避けるためにアイドル停車時に空燃比をリーン化すると、発進加速に伴って空燃比が大きく変化することになるため、燃焼コントロールが困難で、排気性状を悪化させる可能性があった。
前記高圧部を備えない場合には、スロットル弁を開くと、スロットル弁を通過した空気が吸気コレクタ部を充足してからシリンダ内に吸引されることになるため、トルク応答に一次遅れが生じるが、吸気圧よりも高い圧力に設定される高圧部を開放させる構成とすれば、吸気コレクタの充足が瞬時に完了して、シリンダ内に応答良く空気が吸引されることになる。
図1は、第1の実施形態における車両用機関の吸気系を示す図である。
図1において、内燃機関1の各シリンダには、スロットルチャンバ2,吸気ダクト3,吸気コレクタ4,吸気マニホールド5を介して、空気が吸引される。
前記スロットルチャンバ2は、モータで開閉駆動されるスロットル弁2aを備えて構成される。
尚、燃料噴射弁6が、シリンダ内に直接燃料を噴射する構成であっても良い。
前記吸気ダクト3(吸気通路)は、メインダクト3aと該メインダクト3aをバイパスするサブダクト3b(バイパス通路)とから構成される。
前記切替弁7a,7bは、電磁コイル等のアクチュエータによって開閉駆動される。
尚、前記サブダクト3bの出口に設けられる切替弁7bは、メインダクト3aの出口を開きサブダクト3bの出口を閉じる状態と、メインダクト3aの出口を閉じサブダクト3bの出口を開く状態とのいずれかに切り替えるように構成される(図4,5参照)。
前記切替弁7a,7bの開閉及び前記電動式コンプレッサ8の駆動は、マイクロコンピュータを内蔵するコントローラ10によって制御される。
前記コントローラ10には、ブレーキペダルの踏み込み時にONとなるブレーキスイッチ11,アクセルペダルの踏み込み時にONとなるアクセルスイッチ12の信号が入力される。
尚、前記切替弁7a,7bは、サブダクト3bの入口及び出口を共に閉じる状態(図3参照)を基本状態とするものとする。
図2のフローチャートにおいて、ステップS11では、ブレーキスイッチ11がONからOFFに切り換わったか否かを判別する。
クリープ現象が発生するオートマチックトランスミッションを備える車両においては、一般に、発進加速前はブレーキペダルを踏んで車両を停止させておき、発進加速時には、ブレーキペダルからアクセルペダルに踏み替えることになるため、ブレーキペダルから足を離した場合には、続いてアクセルペダルが踏み込まれる可能性が高い。
続いてステップS13では、コンプレッサ8の駆動を開始させる(図4参照)。
コンプレッサ8を駆動させると、コンプレッサ8と切替弁7bとの間の圧力が吸気圧よりも高い所定圧にまで加圧され、その圧力状態に保持されることになる。
ここで、スロットルチャンバ2の通過空気量のうち、コンプレッサ8の下流側の閉塞空間に充填される分だけ(サブダクト3b側に流入する分だけ)、機関のシリンダ吸入空気量(メインダクト3aに流入する空気量)が減ることになる。
具体的には、コンプレッサ8の駆動を開始させた直後ほどサブダクト3b側に流入する空気量が多く、コンプレッサ8と切替弁7bとの間が平衡圧力に近づくに従って、サブダクト3b側に流入する空気量が減少する。
これにより、コンプレッサ8の駆動に伴うトルク変動の発生を回避でき、運転性の悪化を回避できる。
そして、アクセルペダルが踏み込まれると、ステップS15へ進んで、前記切替弁7bを、メインダクト3aの出口を閉じサブダクト3bの出口を開く状態に制御する(図5参照)。
このとき、メインダクト3aの出口が閉じられているから、高圧部から開放された空気が、メインダクト3aを逆流することが回避される。
また、上記構成によると、実際に発進加速される前は、機関吸入空気量を増大補正することがないので、アイドル時の燃費性能の低下,振動性能の低下を抑制でき、また、空燃比を強制的に補正する必要もないので、燃焼性の悪化も回避できる。
更に、アクセル操作に伴ってサブダクト3bの出口側を開放させる期間は、例えば、予め設定された所定時間、高圧部の圧力を検出し該圧力が所定値にまで低下するまでの期間として設定することができる。
そこで、図8に示す第2の実施形態のように、コンプレッサ8と切替弁7bとの間に、流量制御弁13を介装し、高圧部から機関に供給される空気流量を調整できるようにすることがより好ましい。
図9のフローチャートにおいて、ステップS21〜24の各処理は、前記ステップS11〜14と同じであるので、ここでは詳細な説明を省略する。
ステップS25では、前記切替弁7bを、メインダクト3aの出口を閉じサブダクト3bの出口を開く状態に制御すると共に、前記流量制御弁13の開度を制御することで、前記流量制御弁13の通過空気量(高圧部からの放出空気量)を制御する。
そして、基本通過流量と高圧部の圧力で補正した結果と、そのときの機関回転速度とに基づいて前記流量制御弁13の開度を制御することで、要求トルクに見合った空気を高圧部から供給させることができる。
図12に示す構成において、コンプレッサ8を駆動したときに流量制御弁13で吸入空気量を絞ってアイドル回転に制御すると、該絞りによってコンプレッサ8と流量制御弁13との間が高圧部になる。
また、コンプレッサ8による圧縮を行わずに、大気圧(>吸気圧)を蓄圧する蓄圧室を高圧部として設け、加速時に前記蓄圧室を開放させることで、蓄圧室内の大気圧空気を機関に供給する構成とすることができる。
図13において、蓄圧室21は、吸気ダクト3と制御弁22を介して連通する一方、制御弁23を介して大気中に開放される。
上記構成における高圧部の設定・開放制御を、図14のフローチャートに従って説明する。
ステップS32では、ブレーキスイッチ11のON→OFFを判定し、ブレーキスイッチ11のON→OFFを検出すると、ステップS33へ進む。
ステップS33では、制御弁23を閉じることで、蓄圧室21内に大気圧を閉じ込める。
ステップS35では、制御弁22を開くことで、蓄圧室21(高圧部)を吸気ダクト3に向けて開放し、蓄圧室21内の大気圧空気を吸気ダクト3内に放出する。
これにより、吸気コレクタ4が速やかに充足され、機関の吸入空気量を応答良く増大変化する。
そして、蓄圧室21内の大気圧空気の放出が終了したと判断されると、ステップS37へ進み、制御弁22を閉じて、高圧部の設定・開放制御を終了させる。
尚、前記制御弁22を流量制御弁として、蓄圧室21から吸気ダクト3内に放出される空気量を調整することが可能である。
このため、前記高圧部(蓄圧室21を含む)から吸気ダクト3内に空気を放出すると、シリンダ吸入空気量とエアフローメータ19で計量される空気量とが一致しなくなり、エアフローメータ19で計量される空気量に基づいて燃料噴射量を決定すると、空燃比が目標よりもリーン化してしまう。
前記高圧部(蓄圧室21を含む)から吸気ダクト3内に放出される空気量は、高圧部の圧力・体積、機関回転速度から推定できる。
図15のフローチャートは、前記アイドル運転時の回転速度維持のための高圧部の設定・開放制御を示す。
図15のフローチャートにおいて、ステップS41では、スロットル弁2aの全閉位置でONとなるアイドルスイッチ18がONであって、機関のアイドル運転状態であるか否かを判別する。
これにより、コンプレッサ8と切替弁7bとの間の圧力が高められ、コンプレッサ8と切替弁7bとの間が高圧部に設定される。
ステップS44では、補機負荷の増大(パワーステアリングの転舵時)や、機関回転速度(アイドル回転速度)の急減などの、機関トルクの増大要求が発生したか否かを判別する。
上記切替弁7bの制御によって、コンプレッサ8と切替弁7bとの間の高圧部が開放され、高圧部に蓄えられていた高圧空気が放出されて、シリンダ吸入空気量が応答良く増大変化し、アイドル回転速度の維持が図られる。
また、上記実施形態では、コンプレッサ8として電動式のものを用いたが、機関駆動式として、機関駆動力の伝達を継ぎ手の制御で断続させることで、コンプレッサ8の駆動・停止を制御する構成としても良い。
更に、図13に示すように、独立した蓄圧室を備える構成において、該蓄圧室内の圧力をコンプレッサによって大気圧以上に昇圧させる構成とすることができる。
Claims (8)
- 内燃機関のスロットル弁下流側に、コンプレッサにより空気を圧縮することで吸気圧よりも高い圧力に設定される高圧部を設け、機関トルクの増大要求時に、前記高圧部を開放して前記高圧部内の空気を機関に供給する内燃機関の吸気制御装置において、
前記スロットル弁下流側の吸気通路に対してバイパス通路を設け、該バイパス通路の出口を選択的に開閉可能に構成すると共に、前記バイパス通路にコンプレッサを介装し、前記バイパス通路の出口を閉じた状態で前記コンプレッサを駆動することで、前記コンプレッサと前記バイパス通路の出口との間を前記高圧部とし、
前記バイパス通路の出口を閉じた状態で前記コンプレッサを駆動するときに、前記スロットル弁の通過空気量を増大補正することを特徴とする内燃機関の吸気制御装置。 - 内燃機関のスロットル弁下流側に、吸気圧よりも高い圧力に設定される高圧部を設け、機関トルクの増大要求時に、前記高圧部を開放して前記高圧部内の空気を機関に供給することを特徴とする内燃機関の吸気制御装置において、
前記高圧部が、大気圧を蓄える蓄圧室によって構成されることを特徴とする内燃機関の吸気制御装置。 - 前記高圧部から機関に供給される空気量を調整する流量制御弁を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の内燃機関の吸気制御装置。
- 要求トルクと前記高圧部の圧力とに応じて、前記流量制御弁を制御することを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の吸気制御装置。
- アクセルの開操作時に前記高圧部を開放して前記高圧部内の空気を機関に供給することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の内燃機関の吸気制御装置。
- 前記機関のアイドル運転状態における補機負荷の増大時及び/又は機関回転速度の急減時に、前記高圧部を開放して前記高圧部内の空気を機関に供給することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の内燃機関の吸気制御装置。
- ブレーキを解除する操作に伴って前記コンプレッサによる加圧を開始させ、アクセルの開操作時に前記高圧部を開放して前記高圧部内の空気を機関に供給することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の吸気制御装置。
- 前記高圧部から機関に供給される空気量に応じて、機関への燃料噴射量を補正することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の内燃機関の吸気制御装置。
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