JP4324000B2 - 真空遮断器の真空度監視装置 - Google Patents
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Description
また、包絡線検波方式を適用して信号の波形変換を行なった後、信号比較を行なうようにしたため、放電と周辺ノイズを判定することができ、ノイズによる誤判定を防ぎ、信頼性を向上することができる。さらに、アンテナをループアンテナとして、主回路導体を囲むように取り付けたため、放電の検出精度が向上し、監視装置が安価でかつ小型に実現できるという極めて優れた効果を有する。
以下、この発明の実施の形態1を図にもとづいて説明する。
図1は、実施の形態1による真空度監視装置の構成を示すブロック図である。この図に示すように、真空度監視装置1は真空遮断器の近辺に設けられ、真空バルブ内で放電が発生した時、それを検知して信号を生ずるアンテナ部10、ダイオード及びコンデンサにより構成されアンテナ部10からの信号を波形変換する包絡線検波回路21と、第1のしきい値を設定し、入力信号がこのしきい値以上かどうかを確認し、しきい値以上の時に出力を生ずる確認回路22と、真空遮断器の主回路に印加される電圧の周期と同周期で信号の波形の検出を行なうゲート回路23とで構成された検出部20、この検出部20で検出された信号の波高と信号の時間積分で表される電荷量とを計測し、波高と電荷量との比を計算する波形解析装置31と、上記の比が予め設定した範囲内であるかどうかを判定することで検出した信号が放電にもとづくものであるかどうかを判定する波形判定装置32と、放電波形の電荷量の和を計算し、真空度劣化による放電であると判定する真空度劣化判定装置33とから構成される判定部30、及び判定部30からの出力により動作するリレー40から構成されている。
真空度劣化による放電が発生している図2(イ)では同図(イ)(b)に示すように、信号11が電圧の周期に合わせて発生するため、同図(イ)(c)に示すように、検出期間Tのそれぞれで信号11が検出され、三角波12に変換される。しかし、周辺ノイズによる場合を示す図2(ロ)では、ノイズ13は図2(ロ)(b)に示すように、電圧の周期と一致して発生せず、電圧の周期とは無関係に発生するため、同図(ロ)(c)に示すように、検出期間Tの間では検出されないことがあるため、検出された信号の電荷量の積分値は、真空度劣化による場合は(イ)(d)に示すように大きくなり、波高も高くなるが、ノイズの場合は(ロ)(d)に示すように、あまり大きくならず、波高も低くなる。
放電信号を検出した結果、信号を検出することができる周波数帯域は50MHz近傍であるため、真空度監視装置では、アンテナ61として電圧検知器のアンテナ部を上記周波数近傍に帯域がある共振回路となるようにコンデンサ容量の調整を行なったものを取り付ける必要がある。
L1以上の場合には、ステップS4でゲート回路23により主回路に印加される電圧の周期と同周期で信号を検出する。ステップS3でL1を超えていないと判定された場合には、ステップS2に戻る。
予め設定された範囲内であると判定された場合は、ステップS7で放電であると判定する。ステップS6で予め設定された範囲内でないと判定された場合には、ステップS2に戻る。
しきい値L2以上の場合には、ステップS10で真空度の劣化であると判定し、ステップS11でリレー40を動作させ異常を知らせるものである。
以上の実施の形態では、アンテナ10または61を主回路である真空バルブ62を収納したタンク60の下ブッシング64に取り付けているが、これを主回路部分である上ブッシング63に取り付けても同様な効果を期待することができる。
実施の形態1では放電による信号の長さが1μ秒程度であるため、信号の最大値を計測するには、1MHz以上の非常に高価な高速A/D変換器が必要である。しかし、信号の最大値を一定期間保持する回路であるピークホールド回路を用いて信号の長さを長くする波形変換により、低いサンプリングレートでも信号の波高値を計測することができる。
真空度が0.5Pa程度の時、放電は数百μ秒間隔で発生することが確認されている。
従って、前記ピークホールド回路を適用し、信号の長さを100μ秒程度まで長くする場合でも、信号の最大値を保持する期間に放電を複数検出することがなく、10kHz程度の低いサンプリングレートで安価なA/D変換器を適用することが可能である。
図9は、ピークホールド回路を併用した真空度監視装置の実施の形態を示すブロック図で、図1と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。図9において67はこの実施の形態で追加接続したピークホールド回路である。
実施の形態2では、ゲート回路23での検出時間を通してピークホールド回路67により信号の最大値を一定期間保持する例を示したが、ゲート回路23での検出時間を複数の区間に分割するようにゲート回路23の時間を設定することで、データ数を増加するようにしてもよい。このようにすれば、統計的な精度を向上させることができる。また、複数に分割することで、同一計測時間でのサンプリング数が多くなり、統計的な波形判定精度を向上させることができる。
なお、放電の検出においては、放電の発生が必ずしも連続でない場合には検出された放電の電荷量の和が予め設定された範囲内の値であれば、放電とみなすようにしてもよい。
この発明は上述のように、真空遮断器の真空バルブ内で発生する放電を主たる検出対象としているが、C-GIS60内の主回路より発生する放電についても検出可能であり、この場合にも同様な効果を期待することができる。
33 真空劣化判定装置、 40 リレー、 50 真空遮断器、 51 絶縁筒、 52 真空バルブ、 53 固定電極、 54 ベローズ、 55 可動電極、 56 シールド、 60 遮断器室、 61 アンテナ、 62 真空バルブ、 63 上ブッシング、 64 下ブッシング、 65 断路器、
66 主回路導体、 67 ピークホールド回路。
Claims (6)
- 絶縁筒によって絶縁された真空バルブ内に配設された固定電極と可動電極及び上記両電極に対向して上記真空バルブ内に配設されたシールドを有する真空遮断器において、上記両電極の少なくとも一方に接続された主回路導体を取り囲むように設けられたアンテナと、上記真空バルブ内での放電発生時に上記アンテナによって検出された信号を三角波に波形変換する包絡線検波手段と、上記三角波の信号の大きさが所定のしきい値以上かどうかを確認する確認手段と、上記三角波の信号の大きさが所定のしきい値を超えた時、所定の周期毎に上記信号を検出する検出手段と、上記三角波の信号の波高と、上記信号の時間積分によって求められる電荷量との比が所定の範囲内である時、上記信号が放電にもとづくものであると判定する判定手段とを備えた真空遮断器の真空度監視装置。
- 上記検出手段による信号の検出は、上記信号の大きさが所定のしきい値を超えたタイミングを起点とし、主回路に印加される電圧の周期と同周期で行なわれることを特徴とする請求項1記載の真空遮断器の真空度監視装置。
- 上記検出手段は、上記三角波の信号の波高の最大値を一定期間保持するピークホールド回路を備えたことを特徴とする請求項1記載の真空遮断器の真空度監視装置。
- 絶縁筒によって絶縁された真空バルブ内に配設された固定電極と可動電極及び上記両電極に対向して上記真空バルブ内に配設されたシールドを有する真空遮断器において、上記両電極の少なくとも一方に接続された主回路導体を取り囲むように設けられたアンテナと、上記真空バルブ内での放電発生時に上記アンテナによって検出された信号が所定のしきい値以上かどうかを確認する確認手段と、上記信号が所定のしきい値を超えた時、所定の周期毎に上記信号を検出する検出手段と、上記放電の電荷量の和が別のしきい値以上の時、真空度劣化による放電であると判定する判定手段とを備えた真空遮断器の真空度監視装置。
- 上記アンテナはループアンテナであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項記載の真空遮断器の真空度監視装置。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の真空遮断器の真空度監視装置を用いたことを特徴とする真空遮断器。
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