JP4323737B2 - ガスストリームからの有害物質の除去 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスストリームからの有害物質の除去、より具体的には、燃焼手段により半導体処理チャンバーから発出するガスストリームからの非常に安定なフルオロカーボンの除去に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体製造において用いられ、かかる製造が行われるチャンバーから抽出される多くの物質は毒性及び/又は環境的に有害であり、従って、それが大気へ放出される前に排気ガスストリームからスクラビングされなければならない。
多くの異なるタイプの湿潤又は乾燥化学物質洗浄反応器が提案されており、多くが半導体工業において商業的に用いられている。
例えば、我々の特許出願明細書WO 89/11905には、特に第1段階の珪素(排気ストリームが特に三弗化窒素を含む際には銅が添加されていてもよい)及び第2段階の酸化カルシウム(通常石灰形態)を含む、排気ストリームが通される粒状物質の加熱パックチューブを含む、我々のBOC Edwards Divisionにより販売されている乾燥化学反応器が開示されている。そのような反応器は、そのような毒性物質のスクラビングについて重要な商業的成功に適合している。
【0003】
Alzeta Corporationの欧州特許出願第694 735号明細書、及び我々の先の欧州特許第0 802 370号明細書から、問題のタイプの有害物質は燃焼により排気ストリームから除去することができることが知られている。
この先の明細書には、排気ガス及び添加燃料ガスを、小孔(foraminous)ガスバーナーの出口表面によりラテラルに包囲される燃焼ゾーンへ注入すること、同時に燃料ガス及び空気をバーナーへ供給して出口表面での燃焼を達成すること(ここで、小孔ガスバーナーへ供給される燃料ガスの量は、BTU基準に基づき、添加燃料ガスの量より多く、また、空気の量は、燃焼ゾーンに入る全燃焼性物質の化学量論的要求量の過剰量である)、及び燃焼ゾーンから緩和(remitting)燃焼生成物ストリームを排出することを含む有害物質の燃焼的分解のための方法が記載されている。
【0004】
これらの従来の燃焼方法の中心的特徴は、排気ガスストリームと混合された燃料ガスをバーナーの燃焼ゾーンへ供給する重大な必要性である。そのような燃料ガスと排気ガスストリームの予備混合により、ペルフルオロカーボンヘキサフルオロエタン(C2F6)の一層高い及び十分なスクラビング(scrubbing)が可能となる。しかしながら、更に一層安定なペルフルオロカーボン、テトラフルオロメタン(CF4)のスクラビングと関連する幾つかの問題が存在する。
上記従来の燃焼性スクラビング方法の大きな利点は、それが、本来的に、燃焼チャンバー中において達成され得る最大温度を制限し、それにより、別に形成され得るNOxガス副産物の形成が抑制されることである。
しかしながら、これらの従来の方法の後において、小孔ガスバーナーへのガスストリームの導入前における排気ガスストリームへの酸素の添加により、一般に、特にはテトラフルオロメタン(CF4)を含むペルフルオロカーボンガスのより効率的な燃焼が可能となることが分かった。
【0005】
安定性ペルフルオロカーボン及び他の安定性地球温暖化化合物、例えば三弗化窒素(NF3)及び六弗化硫黄(SF6)が、これらの先の明細書に記載された燃焼タイプアベートメントシステム(combustion type abatement systems)において分解され得ることが知られている。これらの先の明細書におけるアプローチの基本的な原則は、アベートされるプロセスガス(実質的には窒素だが、低い容量割合のペルフルオロ化合物を含有する)、酸素及び炭化水素燃料の混合物から予備混合されたフレームを形成することである。燃料及び酸素は、別々に、逆火(flashing back)の可能性を最小限とするために燃焼チャンバー中へそれらを導入する直前を除いて混合を防止するような方法で添加される。これは、優先的に、燃料又は酸素のいずれかとプロセス排気ガスとを予備混合すること及びガスがそれを通して燃焼チャンバーに入るノズル内に同心的にマウントされたやり(lance)を介して他の成分を添加することにより達成される。燃焼チャンバー自体は、小孔ガスバーナーの出口表面から形成される。これは、(表面燃焼により)先に記載した予備混合フレーム内におけるペルフルオロ化合物の燃焼をサポートするための必要な熱的及び化学的環境を提供する。
【0006】
より安定性の低い化合物、例えば水素化物及び酸ハロゲン化物等のアベートメントについて、中温(500〜800℃)で操作する金属構造の部分的に電気加熱されるチャンバーを用いるアベートメントシステムが通常用いられる。このタイプの装置におけるペルフルオロ化合物の分解は、プロセス排気ガスを伴う反応チャンバーへの燃料及び酸素の共添加(co-addition)により説明される。実質的に上昇された操作温度(約1000℃)は、受け入れ可能な分解速度を提供する必要性を証明する。しかしながら、このアプローチの欠点としては、多量の窒素酸化物(NOx)の生成及び特に腐食性環境内における高温での長期操作の結果としての低減された成分寿命が挙げられる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明により、ガスストリームにおける有害物質の燃焼的分解のための方法であって、ガスストリームを、その中において実質的な完全燃焼を可能にするのに十分な酸素を有する加熱チャンバーに注入することを含み、水素が、また、チャンバー中に燃料ガスとして存在する方法を提供する。
好ましい態様において、本発明の方法は、ガスストリームにおける有害物質の燃焼的分解のための方法であって、ストリームがそれを通して加熱燃焼チャンバーへ排出される1又はそれより多くのノズル(一般には各プロセス排気ストリームについて1つ)を含む方法を提供する。
好ましくは、チャンバーは、加熱金属チューブ、例えば、銅又はステンレス鋼のものを含む。チャンバーの加熱は、好ましくは、電気的手段、即ち、チャンバーの外面を絶縁するために提供される手段を有するチャンバー周辺に置かれた電気抵抗性ヒーターにより行われる。
【0008】
燃料ガス及び酸素の両方を、ガスストリームがチャンバーへ導入される前にストリームへ導入することが重要である。得られる可燃性混合物は、点火の起因となり、一般には、ノズルの末端に隣接(“固着”)する実質的に結合した予備混合フレームを生じる。これにより、燃焼混合物内に存在するペルフルオロカーボンガスの分解がなされる。燃焼ガスチャンバーのバックグラウンド温度により、初期点火源及びフレームの先端からの輻射熱損失を最小にする手段が提供され、従って、所定の燃料投入についての分解効率が最大化される。
入口ノズル(inlet nozzle)の表面は、有利には、ノズル上でのフレームの後方移動を防止するのに十分であるが、フレームがノズルの末端をリフトオフ(lift off)するほど高くはない平均前方ガス速度を提供するように設計される。これは、典型的には、燃料、酸素及び希釈ガスの予備混合濃縮物についての特徴燃焼速度の2〜5倍の前方ガス速度を生じさせることにより達成される。このアレンジメントについて起こり得る効率は、別の反応性成分が混合及びその後の加熱燃焼チャンバー内にサポートされていない燃焼の起因となる場合に典型的に観察されるものとは著しく異なる。
【0009】
好ましくは、酸素は、酸素やりによりガスストリームへ導入される。好ましくは、そのようなやりのノズルは、加熱チャンバーへのガスストリームの注入時点の実質的直前にガスストリームへ酸素を導入するように位置付けられる。
燃料ガスについて、これは、加熱チャンバーへのガスストリームの導入前の都合の良い辞典でガスストリームに添加することができる。しかしながら、特には引火性の理由から、酸素及び燃料ガスの両方が共に、加熱チャンバーへのそれらの同時注入前に感知可能な時間存在しないべきである。全体的に、燃料ガスについて、酸素の注入時点前の上流のガスストリームへ注入されることが望ましい。
得られるガス混合物は、加熱チャンバーへ注入され、燃料ガス及び酸素(又は空気)を含む。有利には、混合物は、燃料ガス中に10%〜150%化学量論過剰の酸素、より有利には80%〜150%を有するべきである。
多孔性セラミックバーナーについて一般的には適切な燃料ではない水素が、先に記載した方法において注入燃料としての使用に適するものであることが分かり、それは、容易に利用できる。更に、水素及び酸素注入は、好ましくは、ペルフルオロカーボンガスが存在しアベートされるべき時にのみ必要とされる。ペルフルオロカーボンを含まないガスストリームは、そのような注入を必ずしも必要としない。
【0010】
水素源は、純粋又は実質的に純粋なガスであってもよく、又は、容量で45%のH2、45%のCO、残部のN2、CO2及びCH4を有する典型組成を有する、高温で炭質を有するストリームの相互作用により形成される“合成ガス”又は“水ガス”等の水素混合物であってもよい。あるいはまた、水素及び窒素の混合物、例えば、75%のH2で残部の実質的窒素(容量)のものを使用することができる。
その方法中に存在する水素自体の量は、好ましくは、燃焼される種に関して、少なくとも化学量論量(容量)である。例えば、フッ素化合物の場合には、水素の量は、好ましくは、遊離及び配位フッ素に関して、少なくとも化学量論量である。フッ素(F2)自体の場合には、少なくとも同一の容量のフッ素及び水素(H2)が必要とされるであろう。三弗化窒素(NF3)の場合には、NF3の各容量について水素1.5容量であろう。ペルフルオロカーボンヘキサフルオロエタン(C2F6)の場合には、各C2F6容量について、少なくとも水素3容量であろう。
存在する水素の量は、有益には、燃焼される種に関して、化学量論容量の少なくとも2倍又は3倍、又は更には5倍又は10倍である。
【0011】
好ましい態様において、本発明の方法が行われる装置は、処理チャンバー、例えば半導体チャンバーから放出されるガスストリームが、チャンバー内に含まれる処理手段と接触してモニターし、それにより、本発明を行うための装置の加熱チャンバーへ注入及び前方へうながされる、通常はバキュームポンプを介してチャンバーから撤退する及びチャンバーを離れるガスストリーム中にペルフルオロカーボンガスが存在する時を確認することができるように適合させることができる。このモニターにより、これらのガスの注入はペルフルオロカーボンを含まないガスが存在する時には止められ得るので、燃料ガス及び酸素の実質的に低減された使用量、及び間接的な費用の削減がもたらされる。
本発明により、加熱反応器により提供される熱的環境内におけるガスストリーム/酸素/燃料ガス混合物の発生により、とるに足らないNOx生成で先に開示されたものより一般的には実質的に低い温度でのペルフルオロ化合物の分解がもたらされ得る。これは、特には、ガス性炭化水素燃料源を容易には利用できない状況下で有用である。熱的環境は、好ましくは、電気的に提供されるべきである。
【0012】
本発明をより理解するために、単になる例示である、本発明の方法を行うための装置を図示する添付図を参照する。
図について、全体的に円筒型の装置を示しており、それは、固定手段3により互いに固定(及びシール)された低本体部1及び高本体部2を含む。
スペーサリング4により低本体部1に中心的に保持されているのは、良好な熱伝導性を有するチューブ状壁部材5である。円筒型で銅又はステンレス鋼からなる反応チャンバー6が提供され、それは、それが壁部材5に密接に固着し、かつ、その上端7が壁部材5ないから高本体部2の内へ伸びるようなサイズを有する。
電気抵抗ヒーター8は、低本体部1と壁部材5の間の環状スペースに存在し、壁部材5及び従って反応チャンバー6の効率的加熱のために適合させられる。
4つの入口ノズル9(そのうちの2つが図に示され、残りの2つは後ろに隠れている)が、高本体部2において確実に固定(シール)されており、その下端10は、反応チャンバー6の上端7の境界へと伸びる。
【0013】
4つのプロセスガス入口チューブが存在し、それは、4つの中間チャンバー12の1つを介して、それらの各入口ノズル9へ連絡しており、各入口チューブ11と入口ノズル9の間に4つのシールされた通路を形成する。
各入口チューブ11のトップに向けて、チューブ11の実質的にセンターラインへ伸びる酸素注入部13がある。
燃料ガス注入部14は、チャンバー12を通り、入口ノズル9のトップ領域へと伸びるやり15を有する各中間チャンバー12内に存在する。
装置の使用の際、例えば、半導体処理チャンバーからの排気ガスストリームは、例えば、入口チューブ11の1つの中にバキュームポンプシステムにより入れられ、その後、反応チャンバー6の境界へ注入される。酸素(又は空気)は、それが注入部13によりチューブ11を通過するときにガスストリームへ導入され、また、燃料ガスは、それが、やり15により入口ノズル9を通過するときに酸素含有ガスストリームへ導入される。
入口チューブの1つ又はそれより多くが、適切に、1つ又はそれより多くの処理チャンバーから放出されるガスストリームへ連絡していてもよい。
【0014】
使用の際、反応チャンバー6は、ヒーター8により加熱されて、チャンバー内及び中に所望の温度を生じさせる。酸素の燃料ガスの存在により、一般には、フレーム16が、チャンバー6内の点線により示されたように、入口ノズル9の末端10に現れる。
ウェットスクラバーを含む補充スクラバー手段が、反応チャンバー6の出口17に結合していてもよい。
本発明による装置内における処理試験では、4つの入口チューブ11の1つを、半導体処理チャンバーからバキュームポンプの排気部(exhaust)へ連絡させた。ポンプには、ペルフルオロカーボン化合物の流量をモニターしかつ全窒素流を変動させるための設備を備えさせた。水素燃料ガス及び酸素の注入物は示したように導入した。
他の3つの入口チューブ11は、それぞれ、50sl/分で窒素減と連絡させて、3つの他のバキュームポンプからの排気量をシミュレートした。反応チャンバーを750℃のチューブ温度まで加熱した。
結果を表1に記載する。
【0015】
表I
【0016】
これらの結果において、NOx放出は、最大3〜6ppmであった。
更に、処理試験を、再び、750℃の反応チャンバー(内部)温度を有する、図に示した装置において行った。三弗化窒素の定量は、“VG”マススペクトロメーターを用いて行った。
水素、酸素及び反応性ガス(NF3、F2)の流量を、Tylan流量コントローラーを用いて行った。窒素パージ流はロタメーターを用いて測定した。
結果を表IIに記載する。
【0017】
表II
0 第1入口チューブ11(50sl/分N2各他の3つの入口提供)。
【0018】
〜sラなる試験を、同様の手段において、フッ素のレベル及びアベートメントを測定して行った。フッ素は、ドレーガーチューブを用いて測定した。
結果を表IIIに記載する。
【0019】
表III
これらの結果は、三弗化窒素の良好な分解を示し、正当な量の水素を有するフッ素が必要とされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を行うための装置を示す。
Claims (12)
- ガスストリームにおけるペルフルオロ化合物の燃焼的分解のための方法であって、ガスストリームに酸素及び水素を別々に導入することを含み、実質的に円筒型のチャンバーが電気的手段により加熱され、酸素および水素を導入したガスストリームをノズルを通してチャンバー内に注入することにより前記ガスストリームを点火させてノズルからチャンバー内部に向かってのびるフレームを生成してガスストリーム内のペルフルオロ化合物を分解し、ここで、ガスストリーム内に導入される酸素及び水素の量はペルフルオロ化合物を実質的に完全に燃焼させるのに十分な量である、方法。
- 酸素および水素を導入したガスストリームが、水素に対して化学量論量の10〜150%の酸素を有する請求項1に記載の方法。
- 酸素および水素を導入したガスストリームが、水素に対して化学量論量の80〜150%の酸素を有する請求項2に記載の方法。
- 水素が、燃焼されるペルフルオロ化合物に関して容量で少なくとも化学量論量で存在する請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
- 水素が、燃焼されるペルフルオロ化合物に関して容量で化学量論量の少なくとも2倍で存在する請求項4に記載の方法。
- 水素が、燃焼されるペルフルオロ化合物に関して容量で化学量論量の少なくとも5倍で存在する請求項4又は5に記載の方法。
- ペルフルオロ化合物が、CF4、C2F6、F2、NF3及びSF6のいずれかである請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
- ガスストリームが、半導体処理チャンバーから発出するものである請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
- ガスストリームの中のペルフルオロ化合物の存在がモニタリングされる請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
- ガスストリーム中にペルフルオロ化合物が存在しないときに水素及び酸素の注入が止められる請求項9に記載の方法。
- ノズルを離れるガスの前方速度が、水素及び酸素を導入したガスストリームの燃焼速度の2〜5倍である請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
- 酸素が、酸素やりによりガスストリームへ導入される請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
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