JP4323062B2 - めっき付樹脂材からの樹脂成分の回収方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂材の表面にめっきが施されためっき付樹脂材からめっきを分離し、樹脂成分を回収する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
樹脂(プラスチック)材料は、容器などの他、自動車などの部品として汎用されている。近年においては、環境問題への関心の高まりから、廃プラスチック類の排出量を低減すべく、各種プラスチック製品や部品をできるだけリサイクルしようとする傾向にある。ところが、自動車のバンパモールなどのように、樹脂材(たとえばポリプロピレン)の表面に金属めっき(たとえばCr−Ni−Cu)が施された成形品では、これを粉砕して再度樹脂成形すれば、成形品内に金属成分が多量に残存し、これが成形品の表面に表れて外観体裁を損なうばかりか、衝撃強度が低下してしまう。このような問題を解決するためには、金属成分をできるだけ多く除去する必要があり、当該金属成分を除去する方法として種々の方法が提案されている。その例として、ショットブラスト法やスクリーンメッシュ法などが挙げられる。
【0003】
ショットブラスト法は、たとえば圧搾空気により研掃材を金属めっき面に吹き付け、めっきを分離する方法である。一方、スクリーンメッシュ法は、成形品を粗粉砕および微粉砕した後に、加熱溶融下でメッシュにより濾過して溶融せずに残存している金属成分を分別する方法である。これらの方法は、有機溶媒などの毒性の高い溶剤などを使用しないから環境問題の観点からは優れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ショットブラスト法は、研掃材を再使用する場合には研掃材の回収といった作業が必要となって作業効率的に不利となる。そればかりか、湾曲部や屈曲部のように、研掃材の吹き付けが困難な部位での金属成分の分離効率が十分であるとは言い難い。一方、スクリーンメッシュ法は、加熱下で非溶融状態の金属成分を溶融状態の樹脂成分からメッシュにより濾過する方法であるため、溶融状態での粘度の高い樹脂成分内に含まれる金属成分を効率良く分別するのは困難である。しかも、加熱・濾過前の状態では、樹脂成形品が粗粉砕および微粉砕されているだけであり、樹脂成分とめっき成分とが十分に分離されていないばかりか、分離されためっき成分も樹脂成分とは分別・除去されていないため、結局、回収した樹脂成分には多くのめっき成分が含まれている。
【0005】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、めっきが施された成形品から、効率良くめっき成分を分離するとともに、樹脂成分をコスト的に有利にリサイクルする方法を提供することをその課題とする。
【0006】
【発明の開示】
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。すなわち、本願発明により提供されるめっき付樹脂材からの樹脂成分回収方法は、樹脂材の表面にめっきが施されためっき付樹脂材からめっき成分を分離し、樹脂成分を回収する方法であって、ケーシング内に、上下方向に並び、それぞれにロータが設けられている複数の空間を有し、隣接する空間の間には下方に位置するものほどメッシュ数が大きくなるふるいが配置された粉砕装置に、上記めっき付樹脂を粗粉砕して得られる粗粉砕物を上方から投入する粗粉砕物投入工程と、上記各ふるいにより、粒径に応じて粉砕物を上記各空間ごとに複数のブロックに分割しつつ、上記各空間内におけるロータの回転により生じる高速渦流内において被粉砕物を相互に衝突させて粉砕する微粉砕工程と、上記分割されたブロックごとに、上記めっき成分を分離する分離工程と、を少なくとも含むことを特徴としている。
【0007】
樹脂成分は、一般にめっき成分(通常は金属成分)よりも衝撃強度(衝撃吸収性)が高いため、めっき成分のほうが樹脂成分よりも粉砕されやすい。このため、粗粉砕物または粉砕物どうしの相互衝突では、粗粉砕物におけるめっき成分と樹脂成分とが同等に粉砕されるのではなく、めっき成分のほうが積極的に粉砕される。とくに、上記方法のように、高速渦流内において粉砕物どうしが衝突させる方法では、衝突の回数およびそのエネルギが大きいため、めっき成分のほうがより積極的に粉砕されることとなる。つまり、めっき成分と樹脂成分とが一体化された状態で全体が微粉砕化されるのではなく、めっき成分が樹脂成分から積極的に分離されつつ粉砕されることとなる。
【0008】
そして、得られる粉砕物は、相互衝突の回数やエネルギなどの程度の差により、粒子径が大きいもの(たとえば数mm程度)ものから小さいもの(たとえば1mm以下)まである。通常、粒径の小さな粉砕物ほど、相互衝突の回数の多かったものであり、めっき成分の分離の程度は比較的に大きく、粒径が大きくなるほど、めっき成分の分離の程度が小さくなる。したがって、上記方法では、得られた粉砕物は、粒径の小さなブロックにめっき成分の分離の程度が高い粉砕物が集められるが、そのめっき成分含有の割り合いが高い。そして、粒径の大きなブロックほど、めっき成分含有の割り合いが低くなるが、めっき成分の分離の程度が低くなる。このように、上記方法によれば、めっき成分の割合、めっき成分の分離の程度の異なる種々の粉砕物が得られるため、その用途に応じたブロックの粉砕物をリサイクルすることができる。
【0009】
本発明の好ましい実施の形態においては、粒径が最も小さく、主体的にめっき成分を含む第1のブロックと、粒径が上記第1のブロックよりも大きく、主体的に樹脂成分を含むとともに、相互に粒径範囲の異なるその他の複数のブロックと、に分割し、当該その他の複数のブロック(以下、第1のブロックと区別すべく、適宜「他のブロック」という)から樹脂成分をさらに回収する。
【0010】
他のブロックの粉砕物は、第1のブロックの粉砕物に比べてめっき成分の分離の程度は小さいが、めっき成分の割合が小さいため、リサイクル材料としては有用である。たとえば、他のブロックの粉砕物は、そのままでリサイクル用の原料とすることができる。この場合、得られる成形品の機械的特性は、元の成形品よりも低下するものの、その低下の程度が小さいが、めっき成分により成形品の外観体裁が損なわれる虞があることから、外観体裁を問わない部品などへのリサイクル用として使用することができる。また、バージンの樹脂と混合することにより、あるいは粉砕物から樹脂成分を分別回収したものを原料とすることにより、機械的特性や外観体裁を向上させ、外観品質が要求される部品への応用も可能である。
【0011】
ここで、粉砕物から樹脂成分を分別回収する方法としては、たとえば樹脂成分とめっき成分との物理的または化学的性質の相違を利用する方法樹脂成分を分別する方法が挙げられる。より具体的には、樹脂成分とめっき成分との比重差または融点差を利用する方法が挙げられる。すなわち、めっき成分は通常金属であり、樹脂成分に比べて比重が大きく、しかも融点が高いため、比重差または融点差を利用すれば、めっき成分と樹脂成分とを分別することは可能である。また、溶剤に対する溶解性の差や磁性の強さの差を利用して樹脂成分を回収してもよい。
【0012】
比重差を利用する方法では、たとえば流動体内での移動速度や浮力の差、あるいは静止流体内での沈降速度や浮力の差により分別が行われるが、静止流体内での浮力差を利用する方法が簡易かつコスト的に有利に行えるために好ましい。なお、比重差を利用する方法は、めっき成分と樹脂成分とが十分に分離されていることが前提とされるため、比較的に粒径が小さい粉砕物のブロックに対して有用であり、また加熱により樹脂成分を回収する方法ではないため、エネルギ効率的に有利である。
【0013】
静止流体内での浮力差を利用する方法は、たとえば樹脂成分よりも比重が大きく、かつめっき成分よりも比重が小さい分別液体内に、粉砕物を投入することにより行われる。ここで、分別液は、めっき成分および樹脂成分の比重により選択されるが、環境問題の観点から毒性のない溶液、たとえば水や塩化ナトリウム水溶液などを使用するのが好ましい。この方法では、分別液表層に樹脂成分が浮き上がるとともに、めっき成分が分別液底層側に沈降し、めっき成分の分離が十分でないものは分別液の中間層で浮遊するため、分別液の表層部分を採取して、これから分別液を除去すれば、樹脂成分が回収できる。
【0014】
ところで、他のブロックの数は、設計事項であるが、第1のブロックを含めた全体のブロックの数を4程度とし、粉砕物を粒径に応じて4程度のブロックに分割すれば、他のブロック(第2から第4のブロック)におけるめっき成分の割合を十分に小さくし、樹脂成分の回収に適した粉砕物を得ることができる。また、他のブロックの粉砕物のうち、第1のブロックに比べてめっき成分の分離の程度がさほど大きくない粉砕物、たとえば第3および第4のブロックの粉砕物を再度粉砕工程に戻し、めっき成分の分離の程度を高めるようにしてもよい。
【0015】
本願発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図1および図2を参照して具体的に説明する。図1および図2は、本発明に係るめっき付樹脂材からの樹脂成分の回収方法を実現するための粉砕装置の縦断面図および横断面図(図1のII−II線に沿う断面図に相当するもの)である。
【0017】
なお、本発明に係るめっき付樹脂材からの樹脂成分の回収方法は、めっき付樹脂を粗粉砕して得られる粗粉砕物を、高速渦流内において相互に衝突させて粉砕すると同時に、粉砕物を粒径に応じた複数のブロックに分割しつつめっき成分を分離する方法である。そして、必要に応じて、物理的または化学的性質の相違、たとえば樹脂成分とめっき成分との比重差、融点差、溶媒に対する溶解性の差、または磁性の強さの差を利用して、複数のブロックのうちの少なくとも1つのブロックの粉砕物から、樹脂成分を分別回収する。
【0018】
このような樹脂成分回収方法は、樹脂材の表面にめっきが施されためっき付樹脂材全般に適用可能である。たとえば樹脂材としてのポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカードネート、ABS樹脂などといった熱可塑性樹脂に対して、クロムめっき(Cr−Ni−Cuなど)、ニッケルめっき(Ni−Cuなど)、銅めっき(Cu)、金めっき(Au−Ni(−Cu)など)、銀めっき(Ag−Ni(−Cu)など)、合金めっき(Si−Co−Ni(−Cu)など)などが施されためっき付樹脂材に対して適用可能である。本発明を適用可能な具体的なめっき付樹脂材としては、自動車部品としてのエンブレム、ラジエータグリル、ドアミラーカバー、バンパモール、フードモールの他、外装ガーニッシュが挙げられる。もちろん、自動車部品以外の各種の製品や部品にも本発明を適用可能である。
【0019】
本実施形態では、まず対象となるめっき付樹脂材を公知の粉砕機(図示略)を用いて粗粉砕する。粗粉砕の程度は、この粗粉砕物を微粉砕する装置の構成や能力などにより決定されるが、たとえば平均粒径1〜数cmとされる。また、粉砕機は、めっき付樹脂材の粗粉砕の程度に応じて選択されるが、上記した範囲の平均粒径にめっき付樹脂材を粗粉砕する場合には、たとえばかくはんミル、カッターミル、あるいはロールクラッシャーなどが使用される。
【0020】
粗粉砕物は、図1および図2に示した粉砕装置1に供給されて微粉砕化されると同時に、その粉砕物が粒径に応じた複数のブロックに分割される。図に示した粉砕装置1は、ケーシング2、複数のふるい3a〜3c、およびロータ4を備えて大略構成されている。
【0021】
ケーシング2は、円筒状本体20を有し、この円筒状本体20の上下のそれぞれが上蓋部21および下蓋部22によって閉塞された形態とされている。筒状本体20の内表面には、複数の凸部20aが形成されている(図2参照)。これらの凸部20aは、たとえば筒状本体20の上下方向に延びる直線状の溝を複数設けることによって形成されている。また、筒状本体20の下部には、貫通孔20bが形成されており、この貫通孔20bに排出部5が連結されている。そして、真空吸引ポンプ(図示略)などの動力により、貫通孔20bおよび排出部5を介してケーシング2内の気体および微粉砕物mが排出される。上蓋部21には、その中央およびその近傍に貫通孔21a,21bが形成されている。中央の貫通孔21aには、キャップ状のブッシュ23が取り付けられている。また、貫通孔21bには、供給部6が連結されており、ケーシング2外からは、供給部6および貫通孔21bを介して粗粉砕物Rが供給される。下蓋部22の中央には、貫通孔22aが形成されており、この貫通孔22aには筒状のブッシュ24が設けられている。そして、ブッシュ23,24を介して、回転軸43がケーシング2に対して回転可能に支持されている。
【0022】
各ふるい3a〜3cは、それぞれメッシュ状とされているとともに、その直径がケーシング2の内径に略対応している。そして、図面上には明確に表れていないが、各ふるい3a〜3cの中央に回転軸43が挿通される挿通孔が設けられている。これらのふるい3a〜3cは、それぞれメッシュ数が異なっており、上方側のふるい3cほどメッシュ数が少なくなるように、回転軸43の軸方向に一定間隔隔てて配置されている。本実施形態では、3つのふるい3a〜3cが設けられており、これにより、ケーシング2内が第1から第4の空間25A〜25Dに区画され、粉砕物が4つのブロックに分割される。ただし、ふるいの数やメッシュ数は設計事項であり、また各ふるい3a〜3dは、回転軸34に固定して回転軸43の回転とともに回転するように構成してもよいし、ケーシング2に固定して回転軸43の回転によっても回転しないように構成してもよい。
【0023】
ロータ4は、第2から第4の空間25B〜25Dに対応して、3つのロータ部40A〜40Cを有している。各ロータ部40A〜40Cは、回転軸43から放射状複数の羽根40a〜40cが突出して設けられた形態とされている。このようなロータ部40A〜40Cは、回転軸43の上下方向に互いに位置ずれして回転軸43に固定され、第2から第4の空間25B〜25D内に配置されている。すなわち、各羽根40a〜40cにより、第2から第4の空間25B〜25Dが複数の小室25b〜25dに仕切られているとともに、回転軸43の回転により、各ロータ部40A〜40Cが、各空間25B〜25D内において回転する。各ロータ部40A〜40Cが回転すれば、小室25b〜25d内においては、遠心力により遠心方向に向けた流れが生じるとともに、ケーシング2の内表面の近傍では、内表面の凸部20aにより向心方向に向けた流れが生じ、その結果、各小室25b〜25d内では高速渦流が生じる(図2参照)。
【0024】
以上の構成とされた粉砕装置1においては、まず、供給部6および貫通孔21bを介してケーシング2内の粉砕層25aに粗粉砕物Rが供給される。この粗粉砕物Rは、第4の空間25Dの各小室25d内において発生した高速渦流により相互に衝突し、粉砕される。そして、メッシュ3cを通過できる程度の大きさに粉砕されたものは、メッシュ3cを通過し、さらに第3および第2の空間25C,25Bの各小室25c,25bにおいてどんどん微粉砕化されていく。そして、メッシュ3aを通過した微粉砕物mは、第1の空間25Aに達し、真空吸引装置の動力によりケーシング2の貫通孔20bおよび排出部5を介して粉砕装置2外に排出される。
【0025】
ところで、樹脂成分は、一般にめっき成分(通常は金属成分)よりも衝撃強度(衝撃吸収性)が高いため、めっき成分のほうが樹脂成分よりも粉砕されやすい。このため、上記した微粉砕化の過程においては、粗粉砕物Rまたはこれの粉砕物どうしの相互衝突では、めっき成分と樹脂成分とが同等に粉砕されるのではなく、めっき成分のほうが積極的に粉砕される。つまり、めっき成分と樹脂成分とが一体化された状態で全体が微粉砕化されるのではなく、めっき成分が樹脂成分から積極的に分離されつつ粉砕されることとなる。したがって、下方の空間ほど、めっき成分の分離の程度が大きく、めっき成分の割合が大きくなる。
【0026】
このようにして各空間25A〜25D毎に、粒径、メッキ成分の分離の程度、およびめっき成分(樹脂成分)の割合の異なる粉砕物が得られる。したがって、製造すべき製品や部品に応じて、所望の空間25A〜25Dを粉砕物を使用することができる。また、樹脂成分の割合を高めるべく、バージンの樹脂を混合し、あるいはめっき成分と樹脂成分を分別してから、樹脂成分により目的とする製品や部品を製造することもできる。また、第3および第4の空間25C,25Dの粉砕物を粉砕装置1に還元し、さらに粉砕を行ってもよい。そうすれば、めっき成分がさらに分離され、樹脂成分の割合がさらに高い粉砕物が得られる。
【0027】
ここで、めっき成分と樹脂成分を分別する方法としては、先にも触れたように比重差、融点差、溶媒に対する溶解性の差、または磁性の強さの差を利用する方法が考えられる。
【0028】
比重差を利用する方法は、たとえば静止流体内での浮力の差を利用することにより、たとえば樹脂成分よりも比重が大きく、かつめっき成分よりも比重が小さい分別液体内に、粉砕物を投入することにより行われる。ここで、分別液は、めっき成分および樹脂成分の比重により選択されるが、環境問題の観点から、たとえば毒性のない水や塩化ナトリウム水溶液などを使用するのが好ましい。この方法では、分別液表層に樹脂成分が浮き上がるとともに、めっき成分が分別液底層に沈殿し、めっき成分の分離が十分でない粉砕物は分別液の中間層で浮遊するため、分別液の表層部分を採取して、これから分別液を除去すれば、樹脂成分が回収できる。このようにして得られる粉砕物には、めっき成分がほとんど含まれていないため、外観体裁が問われる製品や部品を成形するための材料として使用することもできる。なお、この方法は、めっき成分と樹脂成分とが十分に分離されていることが前提とされるため、比較的に粒径が小さい粉砕物のブロックに対して有用であり、また加熱により樹脂成分を回収する方法ではないため、エネルギ効率的に有利である。
【0029】
融点の差を利用する方法は、たとえばスクリーンメッシュ法のように、樹脂成分を加熱溶融させた状態で、メッシュにより濾過することにより行われる。この方法は、加熱が必要なことからエネルギ効率的には不利であり、めっき成分の分別率がさほど大きくないため有用な方法とはいえないが、粉砕物の粒径が比較的に大きなブロック、すなわちめっき成分の割合が少ないが、このめっき成分が樹脂成分から十分に分離させていないブロックにおいて、少なからずめっき成分を除去したい場合に適用可能な方法である。
【0030】
溶剤に対する溶解性の差を利用する方法は、たとえば有機溶媒などの溶媒に対して、樹脂成分を選択的溶解させることにより、樹脂成分とめっき成分とを分別する方法である。この方法では、樹脂成分を溶剤に溶解させるため、溶剤を含めた樹脂成分の粘度が低下しており、メッシュを用いた濾過方法であっても、効率良くめっき成分と樹脂成分とを分別することができる。このように、溶解性の差を利用する方法では、樹脂成分を溶解させる方法であるため、めっき成分が樹脂成分から分離しているか否かを問わずに適用することができる。すなわち、粉砕物の粒径の大きなブロックから小さなブロックのいずれにも適用できる。
【0031】
磁性の強さの差を利用する方法は、めっき成分を選択的に磁気的な力により除去する方法である。すなわち、めっき成分は通常は金属により構成されているため、磁性が強い一方、樹脂成分は、通常磁性がほとんどないか、仮に磁性があったとしても磁性が極めて低いため、磁気的な力によれば、めっき成分のみを選択的に吸引し、分別除去できる。この方法も比重差を利用する方法と同様に、めっき成分と樹脂成分とが十分に分離されていることが前提となるため、比較的に粒径が小さい粉砕物のブロックに対して有用である。
【0032】
次に、本発明者は、バンパーモール(めっき付樹脂材)の粗粉砕物を、高速渦流内において微粉砕化しつつ、粉砕物を粒径に応じて4つのブロック分割し、各ブロックの粉砕物のリサイクル性を考察した。
【0033】
バンパーモールとしては、ポリプロピレン基材の表面にクロムめっき(Cr−Ni−Cu(めっき成分の含有率が15wt%))が施されたものを使用し、このバンパーモールを、粉砕機(商品名「MF55−770」;田中鉄工(株)製)により、10×10mm程度の粗粉砕物とした。
【0034】
この粗粉砕物を、図1および図2を参照して説明した構成を有する粉砕装置(商品名「ウルトラロータIIIa」;エッカリング社(ドイツ)製)により微粉砕化しつつ、粉砕物を3つのふるいにより粒径に応じて4つのブロック分割した。各ふるいのメッシュ数は、10メッシュ(1.7mm以下の粉砕物を通過させる程度)、15メッシュ(1.0mm以下の粉砕物を通過させる程度)、32メッシュ(0.5mm以下の粉砕物を通過させる程度)とした。また、ロータの回転数は、毎分1500回転とし、その回転時間は、20分とした。その結果を表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】
ここで、めっき成分含有率とは、各ブロックの粉砕物の総重量に対するめっき成分の重量割合を意味している。
【0037】
表1から明らかなように、ブロックNo.1の粉砕物(粒径が0.5mm以下)は、収率が少ない上に、めっき成分の含有率が高いため、リサイクルせずに廃棄するのが好ましいと思われる。
【0038】
ブロックNo.2の粉砕物(粒径が0.5〜1.0mm)は、収率がさほど大きくはないが、めっき成分の含有率が12wt%程度あれば、そのままでもリサイクル材料として使用可能であると思われるが、めっき成分を分別してめっき成分の含有率を低減すれば、さらに優れたリサイクル材料となると思われる。この場合、めっき成分の分離の程度が大きいことから、比重差または磁性の強さの差を利用してめっき成分の分別除去するのが好ましいと思われる。
【0039】
ブロックNo.3(粒径が1.0〜1.7mm)の粉砕物およびブロックNo.4の粉砕物(粒径が1.7mm以上)は、めっき成分の分離状態が悪いものの、収率が高い上に、めっき成分の含有率が少ない(めっき成分の除去率が高い)ため、機械的強度の観点からは、そのままでもリサイクル材料として使用可能であると思われる。また、リサイクル品の外観体裁を改善するためには、めっき成分の含有率をさらに小さくする必要があるため、バージンの樹脂を混合し、あるいは粉砕装置に再度投入してめっき成分の含有率の低い材料とするのが好ましいと思われる。
【0040】
以上の結果を踏まえ、本発明者はさらに、ブロックNo.2〜No.4の粉砕物を原料として板状部材を成形した。そして、各板状部材の機械的強度(引張強度および衝撃強度)をバージンのポリプロピレンにより得られる板状部材と比較したところ、各ブロックの粉砕物から得られる板状体の機械的強度は、バージン樹脂から得られる板状部材と同等程度であり、十分な機械的強度が得られることが確認された。また、板状部材を成形する際においても、溶融樹脂の流動性の面での問題も生じなかった。ただし、得られた板状部材の表面には、めっき成分の粉末が現れており、外観体裁の面では問題があった。したがって、ブロックNo.2〜No.4の粉砕物を分離せず、またバージンの樹脂を混合せずにそのままの状態で原料とする場合には、外観体裁を問わない製品や部品の製造用に適用するのが好ましい。
【0041】
また、本発明者は、ブロックNo.2の粉砕物について、比重差を利用した分別を試みた。より具体的には、塩化ナトリウムを30wt%含む比重が約1.15kg/lである水溶液(分別液)内に、ブロックNo.2の粉砕物を投入することによりめっき成分の分離を試みた。その結果、樹脂成分(比重が約0.9kg/l)がある分別液の表層に浮き上がるとともに、めっき成分(比重が約7〜9kg/l)が分別液の低層側に沈降し、めっき成分が十分に分離されていない樹脂成分は水溶液の中間層に浮遊していた。このように、分別液の表層を採取すれば、メッキ成分が分別され、樹脂成分の純度の高い粉砕物が得られることが確認された。
【0042】
【発明の効果】
以上に説明したように、めっきが施されためっき付樹脂材から、効率良くめっき成分を分離するとともに、樹脂成分をコスト的に有利リサイクルすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るめっき付樹脂材からの樹脂成分回収方法を実現するための粉砕装置の縦断面図である。
【図2】図1の粉砕装置の横断面図(図1のII−II線に沿う断面図に相当するもの)である。
【符号の説明】
1 粉砕装置
2 ケーシング
20a 凸部(ケーシング内表面の)
25A〜25D 第1から第4の粉砕層(第1から第4の空間)
25E 第5の空間
25a〜25d 小室(第1から第4の粉砕層の)
3a〜3d ふるい
4 ロータ
40a〜40d 羽根(ロータの)
43 回転軸(ロータの)
Claims (2)
- 樹脂材の表面にめっきが施されためっき付樹脂材からめっき成分を分離し、樹脂成分を回収する方法であって、
ケーシング内に、上下方向に並び、それぞれにロータが設けられている複数の空間を有し、隣接する空間の間には下方に位置するものほどメッシュ数が大きくなるふるいが配置された粉砕装置に、上記めっき付樹脂を粗粉砕して得られる粗粉砕物を上方から投入する粗粉砕物投入工程と、
上記各ふるいにより、粒径に応じて粉砕物を上記各空間ごとに複数のブロックに分割しつつ、上記各空間内におけるロータの回転により生じる高速渦流内において被粉砕物を相互に衝突させて粉砕する微粉砕工程と、
上記分割されたブロックごとに、上記めっき成分を分離する分離工程と、を少なくとも含むことを特徴とする、めっき付樹脂材からの樹脂成分の回収方法。 - 粒径が最も小さく、主体的にめっき成分を含む第1のブロックと、粒径が第1のブロックよりも大きく、主体的に樹脂成分を含むとともに、相互に粒径範囲の異なるその他の複数のブロックと、に分割し、当該その他の複数のブロックから樹脂成分をさらに回収する、請求項1に記載のめっき付樹脂材からの樹脂成分の回収方法。
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JP2000176251A JP4323062B2 (ja) | 2000-06-13 | 2000-06-13 | めっき付樹脂材からの樹脂成分の回収方法 |
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Publications (2)
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